JPH0526448Y2

JPH0526448Y2 -

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Publication number: JPH0526448Y2
Application number: JP1986120597U
Authority: JP
Priority date: 1986-08-05
Filing date: 1986-08-05
Publication date: 1993-07-05
Anticipated expiration: 2001-08-05
Also published as: JPS6326067U

Description

【考案の詳細な説明】〈産業上の利用分野〉この考案は冷却材に関し、より詳しくは、生鮮
物の低温輸送において特に好適に使用される冷却
材に関する。

〈従来の技術〉従来より、果実、野菜、魚介類等の生鮮物につ
いては、鮮度保持、品質劣化の防止等を目的とし
て、冷却材とともに断熱容器内に収納して輸送す
るいわゆる低温輸送が行なわれている。

上記低温輸送において使用される冷却材として
は、ドライアイス、氷、含水ゲル等を挙げること
ができる。

〈考案が解決しようとする問題点〉上記冷却材のうち、ドライアイスについては、
冷却作用が非常に強いことから、これを冷却温度
帯が高い（例えば−５〜＋10℃）生鮮物の低温輸
送に使用すると、過冷却状態となつて品質変化を
生じることがあり、しかもこの場合、必要以上に
冷却しているのであるから、その分、ドライアイ
スを無駄に使用していることになる。また、ドラ
イアイスが昇華すると、急激な温度変化を生じ、
品質変化を招来するおそれがあつた。

また、氷や含水ゲルについては、上記過冷却を
生じるおそれはないが、保冷効果を長時間にわた
つて維持することができないという問題があつ
た。

一方、宅配制度が発達した今日においては、長
距離輸送の要請が強く、保冷効果を長時間持続す
ることができる冷却材が要望されている。

〈目的〉この考案は上記諸点に鑑みてなされたものであ
り、品質変化を生じることなく所望の温度で保冷
効果を長時間持続することができる冷却材を提供
することを目的とする。

〈問題を解決するための手段〉上記目的を達成するためのこの考案の冷却材と
しては、畜冷剤とドライアイスとを組合せてなる
冷却材であつて、上記畜冷剤が中空容器の中空部
に封入されているとともに、ドライアイスが、中
空容器の上記畜冷剤にて囲まれる凹所に収納され
ている。

ただし、中空容器としては、容器本体と、該容
器本体に対して開閉自在に組合せた蓋体とで構成
されていてもよく、この場合には、上記容器本体
と蓋体の少なくとも一方に、ドライアイス収納用
の凹所が設けられていればよい。

さらに、ドライアイスとしては、断熱材で包囲
された状態で収納されていてもよい。

〈作用〉上記の構成の冷却材によれば、ドライアイスを
畜冷剤にて包囲し、ドライアイスによる過冷却を
抑制した状態で、冷却作用を行なわせることがで
き、しかも、ドライアイスの具備する大きな潜熱
による保冷効果の持続性と、畜冷剤の具備するバ
ツフア効果および適度の保冷性とを組合せた状態
で、冷却作用を効率的に行なわせることができ
る。

特に、中空容器が、容器本体と、該容器本体に
対して開閉自在に組合せた蓋体とで構成されてる
場合には、蓋体を開くことにより、ドライアイス
を簡単に収納することができる。

また、ドライアイスが、断熱材で包囲された状
態で収納されている場合には、ドライアイスによ
る冷却作用をさらに抑制することができる。

〈実施例〉以下実施例を示す添付図面によつて詳細に説明
する。

第１図は、この考案の冷却材を示す断面図であ
る。上記冷却材は、氷、含水ゲル等の畜冷剤１
と、ドライアイス２とを組合せてなるものであ
り、ドライアイス２は、全体が上記畜冷剤１にて
包囲されている。

さらに詳細に説明すると、畜冷剤１は、合成樹
脂製の中空容器３の中空部３１に封入されてお
り、ドライアイス２は、上記中空容器３の凹所３
２に収納されている。中空容器３は、それぞれ中
空構造の容器本体３ａと蓋体３ｂとを組合せてい
るものであり、蓋体３ｂは、容器本体３ａに対し
てヒンジ部３３を介して開閉自在に取付けられて
いる。そして、上記容器本体３ａと蓋体３ｂの双
方に、ドライアイス２を収納するための凹所３２
が形成されている。この凹所３２は、中空容器３
の中心部に位置するように形成しておくのが好ま
しい。

上記の構成であれば、ドライアイス２が畜冷剤
１により包囲されており、ドライアイス２による
吸熱作用を、畜冷剤によつて抑制することができ
るので、使用時において生鮮物等の収納品が局所
冷却されたり過冷却されたりするのを防止するこ
とができる。即ち、畜冷剤１の潜熱とドライアイ
ス２の潜熱とを組合せることで適度の冷却作用を
行なわせ、収納品に品質変化が生じるのを防止す
ることができる。しかもドライアイス２により、
保冷効果を長時間持続させる得るとともに、ドラ
イアイスを無駄なく効率的に使用することができ
る。また、ドライアイス２が昇華した後におい
て、雰囲気温度が急騰するのを防止することもで
きる。さらに蓋体３ｂを開放することによりドラ
イアイス２を簡単に収納することができる。

なお、上記容器本体３ａおよび蓋体３ｂの所定
部には、畜冷剤１を詰め換えるための、キヤツプ
付きの開口部が必要に応じて形成される。

また、上記ドライアイス２としては、第２図に
示すように、合成樹脂発泡体等の断熱材５にて包
囲した状態で収納してもよく、この場合には、ド
ライアイス２による冷却作用を上記断熱材５にて
さらに抑制することができるとともに、断熱材の
厚みを変えることにより、ドライアイス２による
冷却作用を調整することもできる。上記断熱材５
としては図示したように容器状に形成しておくの
が好ましい。

第３図は他の実施例を示す断面図であり、この
実施例においては、中空構造の容器本体３ｃに対
して、合成樹脂の発泡体からなる蓋体３ｄを組合
せている。上記容器本体３ｃには、深い凹所３２
が形成されているとともに、開口縁には、外方へ
延びる鍔部３４が形成されている。そして、容器
本体３ｃの中空部３１には、前記実施例と同様、
含水ゲル等による畜冷剤１が封入されており、凹
所３２には、ドライアイス２が収納されている。

上記の構成の冷却材は、低温輸送用容器４の上
面に形成された貫通窓４１を通して、容器４の内
部へ挿入されて使用される。この際、容器本体３
ｃの鍔部３４を、貫通窓４１の周縁に引掛けるこ
とにより、冷却材を簡単に止定することができ
る。また、発泡体製の蓋体３ｄにより、畜冷剤１
およびドライアイス２を外気と熱的に隔離するこ
とができる。

そして、この実施例においても、前記実施例と
同様、畜冷剤１により局所冷却、過冷却を抑制し
た状態で、収納物を冷却することができるととも
に、保冷状態を長時間持続させることができる。

なお、この考案の冷却材としは、上記実施例に
限定されるものではなく、例えば第１図に示す実
施例において、ドライアイス２の凹所３２を、容
器本体３ａと蓋体３ｂのいずれか一方のみに形成
すること、第３図に示す実施例において、ドライ
アイス２を断熱材で包囲した状態で収納すると
等、この考案の要旨を変更しない範囲で種々の設
計変更を施すことができる。

〈考案の効果〉以上のようにこの考案の冷却材によれば、畜冷
剤とドライアイスとを組合せたものであり、ドラ
イアイスにより、保冷効果を長時間効率的に持続
させることができるとともに、ドライアイスの吸
熱作用を畜冷剤によつて抑制して、過冷却が生じ
るのを阻止することができる。しかも、ドライア
イスの昇華後における急激な温度上昇も抑制する
ことができる。

したがつて、品質変化を生じることなく長時間
の低温輸送を行なうことができるという特有の実
用的効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す断面図、第
２図および第３図は他の実施例を示す断面図。１……畜冷剤、２……ドライアイス、３……中
空容器、３ａ，３ｃ……容器本体、３ｂ，３ｄ…
…蓋体、３１……中空部、３２……凹所、５……
断熱材。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】１畜冷剤とドライアイスとを組合せてなる冷却
材であつて、上記畜冷剤が中空容器の中空部に
封入されているとともに、ドライアイスが、中
空容器の上記畜冷剤にて囲まれる凹所に収納さ
れていることを特徴とする冷却材。２中空容器が、容器本体と、該容器本体に対し
て開閉自在に組合せた蓋体からなり、上記容器
本体と蓋体の少なくとも一方に、ドライアイス
収納用の凹所が設けられている上記実用新案登
録請求の範囲第１項記載の冷却材。３ドライアイスが、断熱材で包囲された状態で
収納されている上記実用新案登録請求の範囲第
１項記載の冷却材。