JPH0521794A - 絶縁ゲイト型電界効果半導体装置およびその作製方法 - Google Patents

絶縁ゲイト型電界効果半導体装置およびその作製方法

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JPH0521794A
JPH0521794A JP3035484A JP3548491A JPH0521794A JP H0521794 A JPH0521794 A JP H0521794A JP 3035484 A JP3035484 A JP 3035484A JP 3548491 A JP3548491 A JP 3548491A JP H0521794 A JPH0521794 A JP H0521794A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ゲート電極周囲に絶縁膜を形成し、非感光性
の半導体を用いることで、絶縁ゲイト型電界効果トラン
ジスタを画素の駆動素子としたアクティブ型の液晶表示
装置等の表示装置の特性、信頼性を高めることを目的と
する。 【構成】 ゲート電極周囲に酸化アルミニウムの絶縁膜
(40)を設けることによって、ソース領域5、5,
ドレイン領域6、6, への給電点とチャネル端部との距
離を短くした絶縁ゲイト型電界効果トランジスタであっ
て、さらにこの絶縁ゲイト型電界効果トランジスタのソ
ース、ドレイン、チャネル形成領域となる半導体膜2、
, は、非感光性を持たせるために酸素、炭素または窒
素が1×1020cm-3以上、20原子%以下含まれている
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクティブ型液晶表示
装置またはイメ−ジセンサに用いる薄膜構造を有する絶
縁ゲイト型電界効果トランジスタ(以下TFTという)
およびその作製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、TFTを用いたアクティブ型の液
晶表示装置が知られている。この場合、TFTにはアモ
ルファスまたは結晶粒界を有する多結晶型の半導体を用
い、1つの画素にPまたはN型のいずれか一方の導電型
のみのTFTを用いる。即ち、一般にはNチャネル型T
FT(NTFTという)を画素に直列に連結している。
【0003】
【発明が解決使用とする課題】しかしアモルファス構造
の半導体は、キャリア移動度が小さく、特にホ−ルのキ
ャリア移動度が0. 1cm2/Vsec以下と小さい。また多結
晶構造の半導体は、結晶粒界に偏析した酸素等の不純物
および不対結合手によりドレイン耐圧を充分大きくとれ
ない、Pチャネル型のTFTができにくい等の欠点があ
った。さらにこれらは光感度(フォトセンシティビティ
PSという)を有し、光照射によりVg−ID (ゲイト
電圧−ドレイン電流)特性等が大きく変化してしまう欠
点を有している。そのため、チャネル形成領域に光照射
が行われないように遮光層を作ることが重要な工程であ
った。
【0004】第2図において、液晶(12)を有し、そ
れに直列に連結してNTFT(11)を設け、これをマ
トリックス配列せしめたものである。一般には640×
480または1260×960と多くするが、この図面
ではそれと同意味で単純に2×2のマトリックス配列を
させた。このそれぞれの画素に対し、周辺回路(1
6), (17)より電圧を加え、所定の画素を選択的に
オンとし、他の画素をオフとした。するとこのTFTの
オン、オフ特性が一般には良好な場合、コントラスト比
の値の大きい液晶表示装置を作ることができる。しかし
ながら、実際にかかる液晶表示装置を製造してみると、
TFTの出力即ち液晶にとっての入力(液晶電位とい
う)の電圧VLC(10)は、しばしば“1”(High)と
するべき時に“1”(High) にならず、また、逆に
“0”(Low )となるべき時に“0”(Low )にならな
い場合がある。液晶(12)はその動作において本来絶
縁性であり、また、TFTがオフの時に液晶電位(V
LC)は浮いた状態になる。そしてこの液晶(12)は
等価回路的にはキャパシタであるため、そこに蓄積され
た電荷によりVLCが決められる。この電荷は従来のTF
Tは光感光性であるため、遮光が充分でない時、TFT
のチャネルを通じて電流がリ−ク(15)してしまい、
結果としてVLCのレベルが変動してしまう。さらに液晶
がRLCで比較的小さい抵抗となりリ−ク(14)が生じ
た場合には、VLCは中途半端な状態になってしまう。こ
のため1つのパネル中に20万〜500万個の画素を有
する液晶表示装置においては、高い歩留まりを成就する
ことができない。
【0005】また、従来の様に、ゲート電極作製後に窒
化珪素膜、酸化珪素膜等によっておおい、フォトリソ法
によってコンタクトホールを作製したのちに、ソースま
たはドレインへの給電点を設けた場合、各給電点とチャ
ネル端部までの距離が長くなるために、薄膜低温プロセ
スによって作られるTFTでは、抵抗成分をそこに生
じ、周波数特性の低下、ON抵抗の増加を招いていた。
【0006】したがって、本発明は絶縁ゲイト型電界効
果半導体装置のチャネル領域に隣接したソースまたはド
レイン領域への給電点とチャネル端部までの距離を短く
するために従来のTFTを改良したものである。
【0007】
【課題を解決する手段】本発明は、ゲート電極材料にア
ルミニウムを用いることで、アルミニウムの陽極酸化法
による酸化アルミニウムをその表面に設けて、その上に
立体交差を有する3次元的な配線を設けることを特徴と
している。また、該ゲート電極および電極周囲の酸化ア
ルミニウムによって、ソース・ドレインのコンタクトホ
ールを設けて給電点をチャネルに近づけることで、装置
の周波数特性の低下、ON抵抗の増加を防ぐことができ
た。
【0008】本発明は、TFTのチャネル形成領域の半
導体材料を光に対し非感光性の材料とし、特にそのため
TFTのチャネル形成領域に酸素、炭素または窒素を添
加したアモルファス構造を有する水素が添加されたシリ
コン半導体を主成分とする半導体膜を用い、その領域を
熱処理することによって結晶性を有しながらも光感光性
をなくしたものである。特に材料として、SiO
1-X(0<X<1)、SiN1-X(0<X<1)で示され
るように、いわゆるシリコン半導体を変成したものであ
る。それらO、C、Nの総量を1×1020cm -3 〜20
原子%、好ましくは3×1020cm -3 〜5原子%とし
たことにより非感光性とせしめ、さらにこのシリコン半
導体を500〜750 ℃の熱処理することにより結晶
化せしめて、キャリア移動度として5cm2/Vsec以上とす
るため結晶粒界を実質的になくし、かつ結晶性を有する
半導体材料としたものである。
【0009】熱処理の方法としては、一般の加熱炉によ
る加熱方法と、エキシマレーザー光に代表されるレーザ
ーエネルギーすなわち光エネルギーの照射による方法を
用いた。
【0010】この材料は非感光性、即ちオン状態での電
流変化を10%以下とし、かつオフ状態(サブスレッシ
ュホ−ルド状態)での暗電流の値が10 -9 Aのオ−ダ
のものが10 -7 Aのオ−ダ以下の増加、即ち2桁以下
しか変化しないことを2000カンデラの可視光照射下
で成就させたものである。
【0011】本発明を液晶表示装置に用いる場合、マト
リックス構成したそれぞれのピクセル(透明導電膜とT
FTとの総合したもの)の一方の透明導電膜(画素)の
電極に相補型のTFTの出力端子を連結せしめた。即ち
マトリックス配列したすべての画素にPチャネル型のT
FT(以下PTFTという)とNTFTとを相補型(以
下C/TFTという)として連結して1つのピクセルと
したものである。
【0012】その代表例を第3図に回路として示す。ま
た実際のパタ−ンレイアウト(配置図)の例を第4図に
示す。
【0013】即ち第3図の2×2のマトリックスの例に
おいて、PTFTとNTFTとのゲイトを互いに連結
し、さらにY軸方向の線VGG(22)、またはV
GG'(23)に連結した。またC/TFTの共通出力を
液晶(12)に連結している。PTFTの入力(V
DD側)をX軸方向の線VDD(18),VDD'(18' )
に連結し、NTFTの入力(V SS側)をVSS(19)に
連結させている。するとVDD(18), VGG(22)が
“1”の時、液晶電位(10)は“0”となり、またV
DD(18)が“1”、VGG(22)が“0”の時は液晶
電位(10)は“1”となる。即ち、VGGとVLCとは
「逆相」となる。
【0014】そして液晶電位(10)はVDD(18)、
または接地またはVSS(19)のいずれかに固定させる
ため、フロ−ティングとなることがない。第3図におい
ては、NTFTとPTFTとを逆に配設すると、VGG
LCとは「同相」とすることができる。以下に実施例に
基づき、本発明を示す。
【0015】
【実施例】〔実施例1〕この実施例では図1を用いて本
発明を示す。ガラス基板にC/TFTを作らんとした時
の製造工程を第1図に基づき示す。
【0016】図1において、ANガラス、パイレックス
ガラス等の約600℃の熱処理に耐え得るガラス(1)
上にマグネトロンRF(高周波)スパッタ法を用いてブ
ロッキング層(38)である酸化珪素膜を1000〜3
000Åの厚さに作製した。
【0017】プロセス条件は酸素100% 雰囲気、成膜
温度150℃、出力400〜800W、圧力0. 5Pa
とした。タ−ゲットに石英または単結晶シリコンを用い
た成膜速度は30Å/分であった。
【0018】この上に酸素、炭素または窒素の添加され
たシリコン膜をLPCVD(減圧気相)法、スパッタ法
またはプラズマCVD法により形成した。
【0019】この半導体膜は、主成分はシリコンであっ
て、SiO1-X (0<X<1), SiC1-X (0<X<
1)またはSiN1-X (0<X<1)で示され、実際は
O(酸素)、C(炭素)、N(窒素)が互いに混在した
ものである。ここでは特に混入させやすい酸素を意図的
に若干量添加した。そして酸素の量を1×1020cm -3
〜20原子%好ましくは3×1020cm -3 〜5原子%と
した。
【0020】減圧気相法で形成する場合、結晶化温度よ
りも100〜200℃低い450〜550℃、例えば5
30℃でジシラン(Si26 )またはトリシラン(S
38 )に酸化物気体例えば亜酸化窒素(N2 O)を
2 O/(Si26 またはSi38 )=0. 001
〜0. 1体積%の混合比でCVD装置に供給して成膜し
た。反応炉内圧力は30〜300Paとした。成膜速度
は30〜100Å/ 分であった。NTFTとPTFTと
のスレッシュホ−ルド電圧(Vth )を概略同一に制御す
るため、ホウ素をジボランを用いて1×1015〜5×1
17cm -3 の濃度として成膜中に添加してもよい。
【0021】スパッタ法で行う場合、スパッタ前の背圧
を1×10 -5 Pa以下とし、単結晶シリコンをタ−ゲ
ットとし、アルゴンに水素を50〜80体積%に混入し
た雰囲気で行った。例えばアルゴン20体積%、N2
0. 001% 〜0. 1体積%、残り水素約80体積%
とした。成膜温度は150℃、周波数は13. 56MH
z 、スパッタ出力400〜800Wとした。圧力は
0. 5Paであった。プラズマCVD法により珪素膜を
作製する場合、温度は例えば300℃とし、モノシラン
(SiH4 )またはジシラン(SiH6 )をこれらにN
2 O/ SiH4 =0. 001〜0. 1体積%で酸化物、
窒化物気体を混入したものを反応性気体として用いた。
これらをPCVD装置内に導入し、13. 56MHzの
高周波電力を加えて成膜した。
【0022】これらの方法によって形成された被膜は、
酸素が1×1020cm -3 〜20原子%、好ましくは3×
1020cm -3 〜5原子%の濃度であることが好ましい。
【0023】即ち非感光性を有せしめるにはC,O, N
を添加すればよいが、多すぎるとその後の熱処理でも
結晶化しにくくなり、ひいてはキャリア移動度が5cm2
/Vsec 以上、好ましくは10〜100cm2/Vsecを得るこ
とができないからである。
【0024】かくして、アモルファス状態の珪素膜を1
000〜10000Å(1μm )、例えば3000Åの
厚さに作製の後、500〜750℃の結晶成長を起こさ
ない程度の中温の温度にて12〜70時間非酸化物雰囲
気にて加熱処理した。例えば窒素または水素雰囲気にて
600℃の温度で保持した。また、上記の加熱方法以外
にエキシマレーザーを用いて瞬間的に半導体表面を溶融
しすることにより加熱アニールと同等、あるいは同等以
上の効果を得ることができる。この場合、エキシマレー
ザーを100〜300mJ/cm2 の強さで10〜100sh
oto 照射することで結晶化を行なうことができる。
【0025】この半導体膜の下側の基板表面は、アモル
ファス構造の酸化珪素膜が形成されているため、この熱
処理で特定の核が存在せず、全体が均一に加熱アニ−ル
される。即ち、成膜時はアモルファス構造を有し、また
水素は単に混入しているのみである。
【0026】このアニ−ルにより、半導体膜はアモルフ
ァス構造から秩序性の高い状態に移り、その一部は結晶
状態を呈する。特にシリコンの成膜時に比較的秩序性の
高い領域は特に結晶化をして結晶状態となろうとする。
しかし、これらの領域間に存在する珪素により互いの結
合がなされるため、珪素同志は互いにひっぱりあう。結
晶としてもレ−ザラマン分光により測定すると、単結晶
の珪素(111)結晶方位のピ−ク522 cm -1より低
周波側にシフトした格子歪を有した(111)結晶ピ−
クが観察される。その見掛け上の粒径は、半値巾から計
算すると、50〜500Åとマイクロクリスタルのよう
になっているが、実際はこの結晶性の高い領域は多数あ
ってクラスタ構造を有し、その各クラスタ間は互いに珪
素同志で結合(アンカリング)がされたセミアモルファ
ス構造の被膜を形成させることができた。
【0027】例えばSIMS(二次イオン質量分析)法
により深さ方向の分布測定を行った時、添加物(不純
物)として最低領域(表面または表面より離れた位置
(内部))において酸素が3. 4×1020cm -3 、窒素
4×1017cm -3 を得た。また水素は4×1020cm -3
であり、珪素4×1022cm -3 として比較すると1原子
%であった。
【0028】この結晶化は酸素濃度が例えば1. 5×1
20cm -3 においては1000Åの膜厚で600℃(4
8時間)の熱処理で可能である。これを5×1020cm
-3 にすると膜厚を0. 3〜0. 5μmと厚くすれば6
00℃でのアニ−ルによる結晶化が可能であったが、
0. 1μmの厚さでは650℃での熱処理が結晶化のた
めには必要であった。即ちより膜厚を厚くする、より酸
素等の不純物濃度を減少させるほど、結晶化がしやすか
った。
【0029】結果として、この被膜は実質的にグレイン
バウンダリ(GBという)がないといってもよい状態を
呈する。キャリアは各クラスタ間をアンカリングされた
個所を通じ互いに容易に移動し得るため、いわゆるGB
の明確に存在する多結晶珪素よりも高いキャリア移動度
となる。即ちホ−ル移動度(μh)=10〜50cm2/Vs
ec、電子移動度(μe)=15〜100cm2/Vsecが得ら
れる。
【0030】またフォトセンシビリティは、TFTとし
てのVg(ゲイト電圧)−ID (ドレイン電流)特性を得
ながらガラス側より2000ルックスの光を照射してI
D がオン状態の領域で10%以下しか動かない条件(ド
リフトしない条件)またはサブスレッシュホ−ルド電圧
の領域にてID が2桁以下の増加(ドリフト)しかない
条件(オフ電流が充分小さい条件)として測定した。す
ると酸素濃度が8×1019cm -3 等の少ない濃度である
とドリフトがあるが、1×1020cm -3 以上好ましくは
3×1020cm -3 以上とするとほとんどドリフトがPT
FTでもNTFTでもみられなかった。
【0031】他方、上記の如く中温でのアニ−ルではな
く、900〜1200℃の高温アニ−ルにより被膜を多
結晶化すると、核からの固相成長により被膜中の酸素等
の不純物の偏析がおきて、GBには酸素、炭素、窒素等
の不純物が多くなり、結晶中の移動度は大きいが、GB
でのバリア(障壁)を作ってそこでのキャリアの移動を
阻害してしまう。そして結果としては5cm2/Vsec以下の
移動度しか得られないのが実情であった。
【0032】即ち、本発明の実施例ではかくの如く、感
光性がなくかつ結晶性を有するセミアモルファスまたは
セミクリスタル構造を有するシリコン半導体を用いてい
る。
【0033】図1(A) においては、この珪素膜を第
1のフォトマスクにてフォトエッチングを施し、PT
FT用の領域(21)を図面の右側に、NTFT用の領
域(11)を左側に作製した。
【0034】またこの上に酸化珪素膜(38)をゲイト
絶縁膜として厚さは500 〜2000Å例えば100
0Åに形成した。これはブロッキング層としての酸化珪
素膜の作製と同一条件とした。この成膜中に弗素を少量
添加してもよい。
【0035】この酸化珪素と下地の半導体膜との界面特
性を向上し、界面凖位を除くため、紫外光を同時に加
え、オゾン酸化を行うとよかった。即ち、ブロッキング
層(38)を形成したと同じ条件のスパッタ法と光CVD
法との併用方法とすると、界面凖位を減少させることが
できた。
【0036】さらにこの後、この上側にアルミニウム膜
を0.3μmの厚さに形成した。これを第2のフォトマ
スクにてパタ−ニングした。そしてPTFT用のゲイ
ト電極(4), NTFT用のゲイト電極(4' )を形成
した。例えばチャネル長は10μmとした。
【0037】図1(C)において、フォトレジスト(3
1' )をフォトマスクを用いて形成し、PTFT用の
ソ−ス(5), ドレイン(6)に対し、ゲート電極
(4)をマスクとしてホウ素を1×1015cm -2 のド−
ズ量をイオン注入法により添加した。
【0038】次に図1(D)の如く、フォトレジスト
(31)をフォトマスクを用いて形成した。そしてN
TFT用のソ−ス(5' )、ドレイン(6' )を形成す
るためにゲート電極(4' )をマスクとしてリンを1×
1015cm -2 の量、イオン注入法により添加した。
【0039】これらはゲイト絶縁膜(3)を通じて行っ
た。しかし図1(B)において、ゲイト電極(4),
(4' )をマスクとしてシリコン膜上の酸化珪素を除去
し、その後、ホウ素、リンを直接珪素膜中にイオン注入
してもよい。
【0040】次に、これらフォトレジスト(31)を除
去した後、650℃にて10〜50時間再び加熱アニ−
ルを行った。そしてPTFTのソ−ス(5),ドレイン
(6), NTFTのソ−ス(5' )、ドレイン(6')
を不純物を活性化してp+、n+ として作製した。
【0041】またゲイト電極(4), (4' )下にはチ
ャネル形成領域(7), (7' )がセミアモルファス半
導体として形成されている。
【0042】かくすると、セルフアライン方式でありな
がらも、すべての工程において700℃以上に温度を加
えることがなくC/TFTを作ることができる。そのた
め、基板材料として、石英等の高価な基板を用いなくて
もよく、本発明の大画素の液晶表示装置にきわめて適し
ているプロセスである。
【0043】熱アニ−ルは第1図(A), (D)で2回
行った。しかし図1(A)のアニ−ルは求める特性によ
り省略し、双方を図1(D)の熱アニ−ルにより兼ねさ
せて製造時間の短縮を図ってもよい。
【0044】図1(E)において、ゲート電極(4)、
(4’)を陽極酸化をもちいて、その周囲に酸化アルミ
ニューム(40)を作成した。酸化アルミニウムの厚み
は0.2〜1μm例えば0.5μmとして、本実施例で
は作成した。
【0045】図1(F)において、層間絶縁物(8)と
して前記したスパッタ法により酸化珪素膜を形成した。
この酸化珪素膜の形成はLPCVD 法、光CVD 法を用いても
よく、膜厚は例えば0. 2〜1. 0μmとして形成し
た。その後、図1(F)に示す如く、フォトマスクを
用いて電極用の窓(32)を形成した。その際、RIE
(異方性エッチング)方法を用い、ゲート電極(4)、
(4’)のセルファライン性を利用して、コンタクトホ
ール(32)の位置をチャネル近傍にまで極力接近させ
たことに、本発明の特徴を有する。
【0046】さらにこれら全体はアルミニウム(35)
を0.5〜1μmの厚さにスパッタ法により形成し、こ
のアルミニウム膜を利用してリ−ド(9), (9' )を
形成した。その後、ポリイミド等の有機樹脂(34)を
形成した。
【0047】さらにコンタクト(29), (29' )と
なる部分をフォトマスクを用いて、層間絶縁物
(8)、アルミ(35)、有機樹脂(34)を除去し、
コンタクト用の窓を得た。さらに画素電極となる透明導
電膜であるITO膜(33)を形成し、図1(G)の形
状を得た。
【0048】かかるTFTの特性を下記表1として略記
する。移動度(μ) 、スレッシュホ−ルド電圧、ドレ
イン耐圧(VBDV)、フォトセンシティビティ(PS)
は以下の通りであった。
【0049】
【表1】
【0050】上記表1に示す特性は、チャネル長10μ
m、チャネル巾30μmの場合を示す。かかる半導体を
用いることにより、一般に不可能とされていたTFTに
大きな移動度を得ることができ、加えて感光性がなく、
かつドレイン耐圧を大きなレベルで得た。そのため、初
めて図2、図3に示した液晶表示装置用のNTFTまた
はC/TFTを構成させることができた。
【0051】この実施例は液晶表示装置例であり、また
このC/TFTの出力を画素に連結させるためさらに図
1(G)において、ポリイミド等の有機樹脂(34)を
形成し、さらにフォトマスクにより再度の窓あけを行
い、2つのTFTの出力端を液晶装置の一方の透明電極
に連結するため、スパッタ法によりITO(インジュ−
ム・スズ酸化膜)を形成した。それをさらにフォトマス
クによりエッチングして、透明電極(33)を構成させ
た。このITOは室温〜150℃で成膜し、それを20
0〜300℃の酸素または大気中のアニ−ルにより成就
した。
【0052】かくの如くにしてPTFT(21)とNT
FT(11)と透明導電膜の電極(33)とを同一ガラ
ス基板(1)上に作製した。
【0053】〔実施例2〕図4に図3に対応した実施例
を示す。X軸方向にVDD(18)、VSS(19)、
DD' (18')、VSS(19' )を有するX軸方向の
配線(以下X線ともいう)を形成した。なおY軸方向は
GG(22)、VGG' (23)とY軸方向の配線(以下
Y線ともいう)を形成した。
【0054】本実施例においては、実施例1においてそ
の作製工程を説明したC/TFTを用いた。本実施例に
おいては、PTFT(21)をX線VDD(18)とY線
GG(22)との交差部に設け、VDD(18)とVGG'
(23)との交差部にも他の画素用のPTFT(21'
)が同様に設けられている。またNTFT(11)は
SS(19)とVGG(22)との交差部に設けられてい
る。VSS(19)とVGG' (23)との交差部の下側に
は他の画素用のNTFT(11' )が設けられている。
C/TFTを用いたマトリックス構成を有せしめた。そ
れらPTFTはソ−ス(5)がコンタクト(32)を介
してX線VDD(18)に連結され、ゲイト(4)は多層
形成がなされたY線VGG(22)に連結されている。ド
レイン(6)はコンタクト(29)を介して透明導電膜
の電極(33)に連結している。
【0055】他方、NTFTはソ−ス(5' )がコンタ
クト(32' )を介してX線VSS(19)に連結され、
ゲイト(4' )はY線VGG(22)に、ドレイン(6'
)はコンタクト(29' )を介して透明導電膜(3
3)に連結している。かくして2本のX線(18),
(19)に挟まれた間(内側)に画素である透明導電膜
(33)とC/TFT(21), (11)とにより1つ
のピクセルを構成せしめた。かかる構造を左右、上下に
繰り返すことにより、2×2のマトリックスの1つの例
またはそれを拡大した640×480 、1280×9
60といった大画面の液晶表示装置を作ることが可能と
なった。
【0056】ここでの特長は、1つの画素に2つのTF
Tが相補構成をして設けられていること、また電極(3
3)は液晶電位VLCを構成するが、それは、PTFTが
オンでありNTFTがオフか、またはPTFTがオフで
ありNTFTがオンか、のいずれのレベルに固定される
ことである。
【0057】そしてこのガラス基板側よりたとえ光が照
射されても、C/TFTは光に対し非感光性であるた
め、反射型のみならず透光型の液晶表示装置であっても
遮蔽手段を設けることなしに動作をさせることが可能で
あった。
【0058】図4で明らかなように、制御要素のVssが
新たに増えても、液晶装置における開口率(全面積(3
5)に対し実際に表示する液晶表示有効面積(33)の
割合)に関しては、従来の図1の1つのみの導電型をも
つTFTを各画素に連結した場合とまったく変わらず、
不利にならない。
【0059】図4において、それら透明導電膜上に配向
膜、配向処理を施し、さらにこの基板と他方の液晶の電
極(図3の(13)に対応)を有する基板との間に一定
の間隔をあけ、公知の方法により互いに配設をした。そ
してその間に液晶を注入して液晶表示装置として完成さ
せた。
【0060】液晶材料にTN液晶を用いるならば、その
間隔を約10μm程度とし、透明導電膜双方に配向膜を
ラビング処理して形成させる必要がある。また液晶材料
にFLC(強誘電性)液晶を用いる場合は、動作電圧を
±20Vとし、また、セルの間隔を1. 5〜3. 5μm
例えば2. 3μmとし、図4には示されていないが、液
晶を挟んで図4に示されている基板の対極に存在してい
る反対電極上にのみ配向膜を設けラビング処理を施せば
よい。
【0061】分散型液晶またはポリマ−液晶を用いる場
合には、配向膜は不用であり、スイッチング速度を大と
するため、動作電圧は±10〜±15Vとし、セル間隔
は1〜10μmと薄くした。特に分散型液晶またはポリ
マ−液晶を用いる場合には、偏光板も不用のため、反射
型としても、また透過型としても光量を大きくすること
ができる。その液晶はスレッシュホ−ルドがないため、
本発明のC/TFTに示す如く、明確なスレッシュホ−
ルド電圧が規定されるC/TFT型とすることにより大
きなコントラストとクロスト−ク(隣の画素との悪干
渉)を除くことができた。
【0062】本実施例は、C/TFTにおいてVDD(1
8)側にPTFT(21)を、Vss(19)側にNTF
T(11)を形成した。するとその出力はVDDまたはV
ssを作るため明確なレベルを決定できる。しかしV
GG(22)に対しては、VLCはインバ−タ(逆相)とな
る。また図3において、PTFTとNTFTの位置関係
を対象に入れ換えた構成にしてもよい。
【0063】〔実施例3〕この実施例は、図2に示した
各ピクセルに、NTFTのみを各画素等に連結して設け
た1Tr/cell 方式のものである。するとVLCのレベル
は、フロ−ティングとなりバラツキがあるが、本発明に
示すTFTが非感光性であるため、実使用の際のTFT
に光が照射されることを防ぐ遮光手段を設ける必要が
なく、従来より簡単にアクティブ型液晶表示装置を作る
ことができた。その他は実施例1、3と同様である。
【0064】
【発明の効果】本発明は、ゲート電極材料にアルミニウ
ムを用いることで、アルミニウムの陽極酸化法による酸
化アルミニウムをその表面に設けて、その上に立体交差
を有する3次元的な配線を設けることを特徴としてい
る。また、該ゲート電極および電極周囲の酸化アルミニ
ウムによって、ソース・ドレインのコンタクトホールを
設けて給電点をチャネルに近づけることで、装置の周波
数特性の低下、ON抵抗の増加を防ぐことができた。
【0065】また、本発明はNTFT、PTFTに対し
非感光性とすることにより、特にチャネル形成領域に酸
素等の不純物を添加して非感光性のセミアモルファス半
導体とすることにより遮光手段が不用となった。さらに
かかるTFT、特にC/TFTとしてマトリックス化さ
れた各画素に連結することにより、以下表2に示す効果
を得ることができた。
【0066】
【表2】
【0067】本発明は非感光性のTFTを作り、その応
用として液晶表示装置に用いた例を示した。しかしその
他の半導体装置、例えばイメ−ジセンサ、モノリシック
型集積回路における負荷または三次元素子として用いる
ことも可能である。
【0068】本発明においてかかるC/TFTに対し、
半導体として非感光性のセミアモルファスまたはセミク
リスタル構造のシリコンを主成分とする材料を用いた。
しかし同じ目的のために可能であるならば他の結晶構造
の半導体を用いてもよい。またセルフアライン型のC/
TFTによることにより高速処理を行った。しかしイオ
ン注入法を用いずに非セルフアライン方式によりTFT
を作ってもよいことはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【第1図】本発明のPチャネル型およびNチャネル型の
TFTの作製方法を示す。
【第2図】1Tr/cell方式のアクティブ型TFTを用い
た液晶表示装置を示す。
【第3図】本発明の相補型TFTを用いた2Tr/cell方
式アクティブ型液晶装置の回路図を示す。
【第4図】第3図に対応した液晶表示装置の一方の基板
の平面図を示す。
【符号の説明】
(1)・・・・ガラス基板 (2), (2' ) ・・半導体薄膜 (3)・・・・ゲイト絶縁膜 (4), (4' ) ・・ゲイト電極 (5), (5' ) ・・ソ−ス (6), (6' ) ・・ドレイン (7), (7' ) ・・チャネル形成領域 (10) ・・・・液晶電位(V LC) (11) ・・・・Nチャネル型薄膜トランジスタ(N
TFT) (21) ・・・・Pチャネル型薄膜トランジスタ(P
TFT) (12) ・・・・液晶 (40) ・・・酸化アルミニウム
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年7月9日
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 9056−4M H01L 29/78 311 R

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に設けられた薄膜型構造の絶縁ゲイ
    ト型電界効果半導体装置であって、ゲート電極にアルミ
    ニウムを用い、かつゲート電極の周囲の少なくとも一部
    がアルミニウムの酸化物でおおわれており、またチャネ
    ル形成領域を構成する半導体は絶縁物に挟まれ、酸素、
    炭素または窒素が1×1020cm -3 以上、20原子%以
    下を含有するシリコン半導体を主成分とするとともに、
    結晶性を有することを特徴とする絶縁ゲイト型電界効果
    半導体装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、絶縁膜はゲイト絶縁膜
    を構成した膜上にゲイト電極を有し、かつチャネル形成
    領域により互いに離間してN型またはP型の一導電型を
    有する一対の領域を有せしめてNチャネル型、Pチャネ
    ル型または相補型の薄膜絶縁ゲイト型電界効果半導体装
    置を設けたことを特徴とする絶縁ゲイト型電界効果半導
    体装置。
  3. 【請求項3】絶縁表面を有する基板上に酸素、炭素また
    は窒素が1×1020cm-3 以上、20原子%以下の量添
    加されたアモルファス構造を有する水素が添加されたシ
    リコン半導体を主成分とする被膜をスパッタ法、プラズ
    マ気相反応方法または気相反応方法を用いて形成する工
    程と、前記被膜を500〜750℃の範囲の温度で熱処
    理をすることにより結晶性を有する構造に変成せしめる
    工程と、ゲート電極の周囲の少なくとも一部を陽極酸化
    法によって酸化する工程と、前記ゲートおよびゲート周
    囲の絶縁膜をセルファーラインとしてソース・ドレイン
    とのコンタクトホールを作成する工程とを有することを
    特徴とする絶縁ゲイト型電界効果半導体装置の作製方
    法。
  4. 【請求項4】絶縁表面を有する基板上に酸素、炭素また
    は窒素が1×1020cm-3 以上、20原子%以下の量添
    加されたアモルファス構造を有する水素が添加されたシ
    リコン半導体を主成分とする被膜をスパッタ法、プラズ
    マ気相反応方法または気相反応方法を用いて形成する工
    程と、前記被膜をエキシマレーザー光で熱処理をするこ
    とにより結晶性を有する構造に変成せしめる工程と、ゲ
    ート電極の周囲の少なくとも一部を陽極酸化法によって
    酸化する工程と、前記ゲートおよびゲート周囲の絶縁膜
    をセルファーラインとしてソース・ドレインとのコンタ
    クトホールを作成する工程とを有することを特徴とする
    絶縁ゲイト型電界効果半導体装置の作製方法。
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