JPH0211337Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は容器に係り、更に詳述すれば脆弱物
品を包装するため容器を構成する部材自体に凹凸
や２重壁を形成したクツシヨン機能付の包装容器
に関するものである。

［従来の技術］ コンピユータ関連部材のような脆弱な物品や
LSI（大規模集積回路素子）を天然材あるいは合
成材で作られた容器内に大量に入れて包装する場
合、収納物品と容器および収納物品同志が直接触
れ合うことによつて傷が付いたり衝撃が加わるの
を防止するために、籾殻、スポンジ、軟かい合成
樹脂フイルムリボン、パルプや合成樹脂板に凹凸
を設けたクツシヨン材が用いられていた。

［考案が解決しようとする問題］ しかしこれらクツシヨン材は容器とは別個に作
られたり自然物を利用するものであるため、輸送
用の容器内に脆弱な物品と一緒に入れる必要があ
り、容器とクツシヨン材の管理と、クツシヨン材
の入れ方によつて保護効果が左右し、しかも開装
の際クツシヨン材と容器の双方の処分を必要と
し、特に独立した多数のクツシヨン材の場合、開
装現場が散らかり不具合であつた。

［考案の目的］ この考案は上述した欠点を除くために脆弱物品
を包装する輸送用容器を構成する部材自体に凹凸
や２重壁を形成し、外部から加わる衝撃を吸収し
得る包装容器を提供することを目的とするもので
ある。

［考案の概要］ この考案の包装容器は前述した目的を達成する
ために、多数の凹部あるいは凹凸部を形成した底
板の周縁に内側板を立設し、この内側板の上方で
一体をなし、前記内側板の外側に外側板を内側板
との間に空隙が構成できるように垂下させ、前記
外側板の端縁に外方に突出する鍔を形成した容器
内箱と、多数の凹部あるいは凹凸部を形成した天
板の周縁に連続した曲面で形成された側板と、対
向する側縁の一つに平坦な膨出部を設け、これを
内側に折曲げて係止片を構成した容器外箱とで構
成されているものである。

［考案の実施例の構成］ この考案の包装容器を構成する容器内箱１は、
第１図ａ，ｂに示すように、塩化ビニール、ポリ
エチレン等の熱可塑性樹脂を原料とし周知の真空
または圧空成形手段をもつて、各幅方向に整然と
外方に突出する多数個の方形と長方形の凹部３を
形成した底板２の周縁に、内側板４を開口側が拡
がるように外側に傾倒させて立設し、前記内側板
４の上端を水平に延在せしめて平坦な縁６を形成
し、外側板７を下端側が外側に拡がるように前記
凹部３の底面よりも若干下方まで垂下させ、前記
外側板７の全下端を水平に延在せしめて鍔９を構
成したものである。尚図中１０は内側板４と外側
板７との間に構成された空隙である。

容器外箱１１は、第２図ａ，ｂに示すように、
塩化ビニール、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を
原料とし周知の真空または圧空成形手段をもつ
て、中央部でかつ長手方向に一定の間隔を存して
複数個の方形と長方形の凸部１３を整然と外方に
突出させた天板１２の周縁に前記内側箱１の外側
板７に接しない程度外側に弯曲した曲面１５で形
成された波板状の側板１４を開口側が拡がるよう
に垂下させ、この側板１４の全端部に外側に水平
に張出する鍔１６を、長辺側のみ鍔１６の端部を
延在させて前記鍔幅の２倍以上とし、この延在部
分を内側に折曲げ係止片１７を設けたものであ
る。

この考案の包装容器２０は以上の如く構成され
た内箱１と外箱１１とからなり次にこの容器の使
用例について述べる。

まず、内箱１の内外側板４，７で囲まれた凹部
１８内に例えば脆弱な物品やLSI素子の多数を入
れてから、この内箱１を第３図乃至第５図に示す
ように素材の持つ弾性を利用して外箱１１の係止
片１７を外側に拡げて外箱１１の凹部１９内に内
箱１を入れるように覆せ、前記係止片１７が内箱
１の鍔９の外側に位置するまで拡げるために加え
られていた力を除けば、内箱１と外箱１１とは係
止状態になる。

なお外箱１１の係止片１７は予じめ曲げないで
おき内箱１内に物品収納後内箱１に外箱１１を被
せた後前記係止片１７を内側に曲げて外箱１１の
抜去を防ぐようにしてもよい。

輸送時に外力のかかる側板部分は、第３図、第
４図および第５図に示すように３重の側板４，
７，１４でガードされ、内外側板４，７間には、
空隙１０が存在するため側板に対し水平方向から
加わる外力や上下方向から加わる外力を十分吸収
すると共に外力に耐え、しかも底２および天板１
２部分に局所的に加わる外力は凸部１３および凹
部３によつて吸収され、内容物である脆弱な物品
を十分保護し得る。

尚、底板２と天板１２に形成されている凹部３
および凸部１３は実施例では共に外側に突出した
状態にあるが、底板２のものを反対に凹部１８内
に突出するようにし天板１２の凸部１３と嵌合し
合うようにすることにより、積重ねに当り都合が
よい。また、この考案は円形、楕円形その他収納
物品に応じた任意の平面形状で実施できる。

［考案の効果］ この考案は以上述べた如く、多数の凹部あるい
は凹凸部を形成した底板の周縁に内側板を立設
し、この内側板の上方で一体をなし、前記内側板
の外側に外側板を内側板との間に空隙が構成でき
るように垂下させ、前記外側板の端縁に外方に突
出する鍔を形成した容器内箱と、多数の凹部ある
いは凹凸部を形成した天板の周縁に連続した曲面
で形成された側板と、対向する側縁の一つに平坦
な膨出部を設け、これを内側に折曲げて係止片を
構成した容器外箱とで構成されたので、脆弱物品
の輸送ならびに収納に有用で安価に大量製産で
き、しかも物品の包装が流れ作業的に大量に自動
包装することができ、この包装容器内に物品を入
れたあと内外箱は係止状態になり、係止に必要な
部材を必要とせず、包装材とクツシヨン材とが一
体なので包装開装作業が容易である等の効果を有
する。

【図面の簡単な説明】

図はいずれもこの考案の一実施例を示すもの
で、第１図ａは内箱の上方から見た斜視図、第１
図ｂは同じく下方から見た斜視図、第２図ａは外
箱の上方から見た斜視図、第２図ｂは同じく下方
から見た斜視図、第３図は内箱に外箱を覆せた状
態の外箱の一部を裁除した斜視図、第４図は第３
図の中央部横断側面図、第５図は第４図のＡ−Ａ
断線における断面図である。 １……内箱、２……底板、３，１８，１９……
凹部、４……内側板、１５……曲面、６……縁、
７……外側板、９，１６……鍔、１０……空隙、
１１……外箱、１２……天板、１３……凸部、１
４……側板、１７……係止片、２０……包装容
器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数の凹部あるいは凹凸部を形成した底板の周
   縁に内側板を立設し、この内側板の上方で一体を
   なし、前記内側板の外側に外側板を内側板との間
   に空隙が構成できるように垂下させ、前記外側板
   の端縁に外方に突出する鍔を形成した容器内箱
   と、多数の凹部あるいは凹凸部を形成した天板の
   周縁に連続した曲面で形成された側板と、対向す
   る側縁に平坦な膨出部を設け、これらを内側に折
   曲げて係止片を構成した容器外箱とで構成されて
   いることを特徴とする包装容器。