JPH0130088Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は車両緊急時の乗員保護用シートベルト
装置に用いられ、乗員がタングプレートを装着す
る場合に用いるバツクル装置に関する。

［背景技術及び解決すべき事項］ シートベルト装置では乗員拘束用ウエビングの
先端部にタングプレートが取付られており、この
タングプレートがバツクル装置へ係合することに
より乗員がウエビングを装着できるようになつて
いる。

バツクル装置は一般的に、一枚のタングプレー
トのみを係合する構造とされている。このため複
数本のウエビングを乗員が装着する必要のある４
点式シートベルト装置、子供用拘束装置等では複
数枚のタングプレートをバツクル装置へ係合させ
る必要が生ずる。この場合には一枚のタングプレ
ートを係合するロツク機構を複数個設けたバツク
ル本体を用意する必要があり、大型かつ煩雑な操
作になる。

本考案は上記事実を考慮し、２枚のタングプレ
ートを係合保持するバツクル装置であつても簡単
な構造でかつ操作の容易なバツクル装置を得るこ
とが目的である。

［考案の概要及び作用］ 本考案に係るバツクル装置では、バツクル本体
と、このバツクル本体へ挿入される２枚のタング
プレートと、バツクル本体に設けられ挿入される
前記２枚のタングプレートとの係合方向に付勢さ
れ一方のタングプレートの挿入時には傾いてこの
タングプレートと係合するロツクプレートとを有
している。

従つて２枚のタングプレートをバツクル本体へ
係合させる場合には、バツクル本体内でロツクプ
レートがこれらのタングプレートとともに係合し
てタングプレートを確実に保持し、いずれか一方
のタングプレートのみがバツクル本体へ挿入され
る場合にはロツクプレートが傾いてこのタングプ
レートと係合するようになつている。

［考案の実施例］ 第１，２図には本考案が子供用拘束装置へ適用
されたバツクル装置が示されており、バツクル本
体１０へ２枚のタングプレート１２，１４が係合
できるようになつている。

バツクル本体１０は第３図に示される如く合成
樹脂製のバツクルベース１６が上端を開放した箱
状に形成されており、このバツクルベース１６上
へカバー１８が取付けられることにより箱状に形
成される。

バツクルベース１６内には中央部にタングプレ
ート先端ガイド１７が立設されると共にベースプ
レート２０が挿入されている。このベースプレー
ト２０は板材から屈曲して形成されており、両側
部に一対の折曲部２２，２４が、先端部には折曲
部２６が形成され、後端部はバツクルベース１６
から突出し、この突出部へ長孔２８が形成されて
いる。この長孔２８へは第２図に示される如くク
ロツチウエビング３０の先端部が係止されてい
る。このクロツチウエビング３０の図示しない他
端は子供用拘束装置のベースプレートへ係止さ
れ、これによつてクロツチウエビング３０が子供
乗員の股間へ配置されるようになつている。

ベースプレート２０の両側部から折曲部２２，
２４にかけては矩形状切欠３２，３４が形成さ
れ、またベースプレート２０の前端部から折曲部
２６にかけても同様な矩形状切欠３６が形成され
ている。これらの切欠にはロツクプレート３８の
両側部及び中央部から突出する突起４０，４２，
４４がそれぞれ挿入され、バツクルベース１６の
肉厚方向（第３図上下方向）に切欠３２，３４，
３６の長さだけ上下動できるようになつている。

折曲部２２と折曲部２６との間及び折曲部２２
と折曲部２４との間は、バツクルベース１６に形
成されたタング挿入溝４６，４８を通して挿入さ
れるタングプレート１２，１４の挿入部となつて
いる。従つてタングプレート１２，１４は挿入方
向が互いに約90度の挟角を有している。このタン
グプレート１２，１４の挿入路に突出するように
ロツクプレート３８からはベースプレート２０方
向に向けて係合突起５０，５２が突出されてお
り、タングプレート１２，１４の先端部に形成さ
れる係合穴５４，５６と対応している。またこの
係合突起５０，５２の両側にはタングプレート１
２，１４の係合孔５４，５６へ係合突起５０，５
２が挿入された場合にタングプレート１２，１４
の係合突起５０，５２を中心とした回転を防ぐよ
うに支持突起５８，６０が保持されている。

ロツクプレート３８とバツクルベース１６との
間には係合突起５０，５２に対応して圧縮コイル
ばね６２，６４が介在され、これによつてロツク
プレート３８がベースプレート２０方向へ付勢さ
れている。

従つて第５図Ａに示される如くタングプレート
１２，１４が共に挿入された状態ではロツクプレ
ート３８がベースプレート２０と略平行に上下動
して係合突起５０，５２がタングプレート１２，
１４の係合孔５４，５６へ係合するが、タングプ
レート１２またはタングプレート１４の一方のみ
が挿入された場合には第５図Ｂの如くロツクプレ
ート３８がバツクルベース１６に対して傾斜して
上昇し、タングプレートと噛合うことになる。

ベースプレート２０とカバー１８との間にはレ
リーズボタン６６が配置されており、ベースプレ
ート２０に形成されるバネ挿通孔６８を貫通して
レリーズボタン６６とバツクルベース１６との間
に介在されるリターンスプリング７０によつてカ
バー１８方向へ付勢されている。このレリーズボ
タン６６の両側部から突出した係合突起７２はロ
ツクプレート３８の突起４０，４２と対応してお
り、乗員はカバー１８の窓７４から指を挿入して
レリーズボタン６６を押し下げれば、係合突起７
２がロツクプレート３８をベースプレート２０か
ら離間させるようになつている。

タングプレート１２，１４には第２図に示され
る如くそれぞれシヨルダーウエビング７６，７８
の一端が係止されており、これらのウエビングの
他端は子供用拘束装置の本体へ直接にまたは巻取
装置を介して係止されている。

次に本実施例の作用を説明する。

子供乗員が図示しない拘束装置本体に着座した
後に、タングプレート１２，１４をバツクル本体
１０へ挿入すれば、子供乗員はクロツチウエビン
グ３０、シヨルダーウエビング７６，７８を装着
することができる。

すなわちタングプレート１２，１４をタング挿
入溝４６，４８を通して挿入すればロツクプレー
ト３８は一時的に圧縮コイルばね６２，６４を付
勢力に抗して押下げ、係合突起５０，５２が係合
孔５４，５６へ入り込んで第５図に示される如く
確実な係合状態となる。

またタングプレート１２，１４の一方のみを挿
入した場合には、第５図Ｂに示される如くロツク
プレート３８は圧縮コイルばね６２，６４の付勢
力により傾いて上昇し係合突起５０、係合突起５
２の一方がタングプレートと確実に係合する。こ
の傾いた係合状態では第５図Ａの係合状態に比べ
て係合突起５０，５２の係合孔５４，５６への挿
入量が小さいが、タングプレート１２，１４が約
90度の挟角をもつて挿入されているので双方のタ
ングプレートが挿入された場合に比べてタングプ
レートの抜けを保持する力に遜色はない。

なお上記実施例は本考案が子供用の拘束装置に
用いられた構造を示したが本考案は大人乗員の拘
束用バツクル装置にも適用可能である。またロツ
クプレートを付勢する手段は圧縮コイルばねに限
らず、他の弾性体も適用可能であり、さらにロツ
クプレートが複数個の弾性体を用いるものに限ら
ず２枚のタングプレートが挿入された場合に対し
て１枚のタングプレートが挿入された場合に傾斜
してタングプレートと係合するように作用するも
のであればよい。

［考案の効果］ 以上説明した如く本考案に係るバツクル装置で
は、ロツクプレートが一方のタングプレートの挿
入時に傾いてこのタングプレートと係合する構成
としたため、２枚のタングプレートを係合保持す
るバツクル装置であつても簡単な構造とし操作を
容易にすることができる優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るバツクル装置の実施例を
示すカバー及びベースプレートを取り除いた平面
図、第２図は本実施例のバツクル本体とタングプ
レートとの対応を示す斜視図、第３図はバツクル
本体の分解斜視図、第４図はタングプレートとロ
ツクプレートとの係合状態を示す斜視図、第５図
Ａは２枚のタングプレートの挿入状態を示す断面
図、第５図Ｂは１枚のタングプレートの挿入状態
を示す断面図である。 １０……バツクル本体、１２，１４……タング
プレート、３０……クロツチウエビング、３８…
…ロツクプレート、５０，５２……係合突起、５
４……係合孔、５６……支持突起、６２，６４…
…圧縮コイルばね、７６，７８……シヨルダーウ
エビング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バツクル本体と、このバツクル本体へ挿入され
   る２枚のタングプレートと、バツクル本体に設け
   られ挿入される前記２枚のタングプレートとの係
   合方向に付勢され一方のタングプレートの挿入時
   には傾いてこの一方のタングプレートと係合する
   ロツクプレートと、を有することを特徴としたバ
   ツクル装置。