JP7285921B2 - 固体/液体抽出法によるオイル及び脱脂粉末の製造方法 - Google Patents

固体/液体抽出法によるオイル及び脱脂粉末の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、固体/液体抽出法により生体基質からオイル及び脱脂ケーキを製造する分野に関する。
オイルは、食物、医薬、栄養補助食品及び化粧品の産業において重要な立場を有する。最近、ポリフェノールが豊富であるオイルの製造に注目が集中している。実際、最近の研究によると、ポリフェノールが豊富であるオイルは、健康、特に皮膚及び心臓血管の疾患及びがんに対して、有益な効果を有する。最近の産業発展は、したがってポリフェノールが豊富なオイルの製造に関係している。
オイルの製造方法には二つの広いカテゴリーが知られている:バージンオイルを得ることを可能にする機械的方法及び、オイルが固体基質から出発して製造され得る、固体/液体抽出による方法である。慣例的に、固体/液体抽出による方法は、溶媒を使用してオイル及び溶媒を含む液体画分を得る、固体/液体抽出の工程を含む。
機械的及び固体/液体抽出の二つの方法は、組み合わされてもよく、すなわち、第一に機械方法、その後に、固体/液体抽出を組み合わされてもよく、固体は、機械方法に由来する固体残留物からなる。
固体残留物、又はケーキと呼ばれるものは、主に動物試料として、次第に、人間栄養、主にタンパク質サプリメントとしてだけでなく代謝可能なエネルギー源として使用される。
これらの脱脂されたケーキは、長期の貯蔵(酸敗味のリスクの制限)を促進し、動物栄養のためのタンパク質の単離を促進するため重要である。更に、脂質は、動物、とくにウシ属において消化を悪くする。
近年、いくつかの有利な特性を有するため、ヘキサンは、固体/液体抽出方法において最も使用される溶媒である。実際、ヘキサンはオイルの高収率抽出(>97%)を可能にし、固体基質中に3%未満の残留オイルを残すことを可能にし、後者が悪臭を放つことを抑制する。ヘキサンは抽出オイルからの分離が容易であり、適切な沸点(すなわち、抽出時の損失を抑えるのに十分な高さであるが、抽出されたオイルとの分離及びリサイクル時のエネルギー消費を抑えるのに十分な低さである)を有し、適切で良好な液体選択性を有する。
しかしながら、ヘキサンは重大な欠点を有する。それは石油由来であり、神経毒であり、生殖毒性でカテゴリー2に分類されている。また、水性環境の毒性についてもカテゴリー2である。
更に、ヘキサンでの固体/液体抽出によって得られたオイルの分析は、ヘキサンを使用した方法が、ポリフェノールが豊富なオイルを得ることを可能にしないことを示した。
ヘキサンに代替する溶媒が試験された。例えば、「Alternative Solvents for Natural Products Extraction」の253~268ページのAnne-Gaelle Sicaireらの「2-Methyltetrahydrofuran: Main Properties, Production Processes, and Application in Extraction of Natural Products」の論文には、染料及び香味料を得るために無水2-メチルオキソランでクロフサスグリの芽の固体/液体抽出が記載されている。
Alternative Solvents for Natural Products Extractionの253~268ページ
本発明は、従って、ポリフェノール豊富な粗製オイル及び/又は脱脂ケーキを製造することを可能にする固体/液体抽出の産業的な方法を提供することを狙っている。
驚くことに、出願人は、このニーズを満たす方法を開発した。
第一の態様によると、本発明は、生体基質由来のポリフェノール豊富な粗製オイルを製造する方法に関し、
a)溶媒で生体基質を固体/液体抽出して、一方は粗製オイル及び溶媒を含む液体画分、もう一方は固体残留物を得る工程を含み、溶媒が2-メチルオキソラン及び水を含み、抽出工程a)において溶媒中の水の質量パーセントは、0.3%~20%であることを特徴とする。
本発明の意味において、「固体/液体抽出」は、抽出溶媒として液体溶媒を使用して、固体の生体基質から液体画分及び固体残留物を得ることを意味する。典型的に、固体/液体抽出は、浸出(decoction)、注入(infusion)、温浸(digestion)、浸透(percolation)、浸出(lixiviation)、又は冷浸(maceration)によって行われてもよい。固体生体基質を使用せず;さらに、固体/液体抽出工程及び液体/液体抽出工程に関する物理化学特性は、異なるため、液体/液体抽出の工程は、本発明の意味において、固体/液体抽出の工程ではない。
本発明の意味において、「粗製オイル」は未精製のオイルを意味し、すなわち固体/液体工程によって抽出された後に、化学精製又は機械精製、いわゆる物理精製の工程を経ていないことを意味する。
有利には、本発明による方法は、ヘキサン又は無水2-メチルオキソランを使用した方法によって製造された粗製オイルよりポリフェノールが豊富である粗製オイルを製造することを可能にする。
本発明の意味において、「ポリフェノール豊富な粗製オイル」は1種以上のポリフェノールを含み、そのポリフェノールの質量濃度が、100ppm以上、特に320ppm~2000ppm、より具体的には350ppm~1500ppm、更に具体的には400ppmから1200ppmである粗製オイルを意味する。
本発明の意味において、「ポリフェノール」は、複雑な構造中に配置されたいくつかのフェノール基の存在によって特徴づけられる分子の種類を意味する。
粗製オイルは、トコフェロールを含んでもよい。
トコフェロールは、有利には、粗製オイルを酸化に対して保護し、したがって、酸敗臭に対して保護することを可能にする酸化防止特性を有する。更に、トコフェロールは、健康影響、特に心臓血管の疾患に対する予防において有益な効果を有する。トコフェロールを含む粗製オイルは、それ故、健康影響、特に心臓血管の疾患に対する予防において有益な効果を有する。
粗製オイル中のトコフェロールの質量濃度は、350ppm以上、特に825ppm~10000ppm、より具体的には、1500ppm~5000ppm、更により具体的には2000ppm~3000ppmであってもよい。1つ及び同じ生体基質に対して、このトコフェロールの質量濃度は、ヘキサン又は無水2-メチルオキソランを使用した方法によって製造される粗製オイル中のトコフェロールの質量濃度より大きい。
きわめて特定の実施態様によると、825ppm~10000ppm、より具体的には、1500ppm~5000ppm、更により具体的には2000ppm~3000ppmのトコフェロールの質量濃度で存在し得るセイヨウアブラナの生体基質から製造される粗製オイルを例外として、粗製オイル中のトコフェロールの質量濃度は、350ppm以上、特に825ppm~10000ppm、より具体的には、1500ppm~5000ppm、更により具体的には2000ppm~3000ppmであってもよい。
粗製オイルは2-メチルオキソランを含んでもよい。
典型的には、粗製オイル中の2-メチルオキソランの質量濃度は、0.5ppm~500ppm、具体的には50ppm~300ppmであってもよい。
本発明による方法は、2-メチルオキソラン(CAS No.96-47-9)及び水を含む溶媒を使用する。有利には、2-メチルオキソランは、環境に対して毒物と分類されておらず、その原料が典型的には、サトウキビの搾りかす又はトウモロコシの穂軸由来であるため、生体起源由来である。更に、2-メチルオキソランは、摂取において予想される量に対して非毒性である。実際、ラットに3ヵ月摂取させた実験では、ヘキサンが23mg/kg体重/日であるのに対し、NOAEL(無毒性量;Non Observed Adverse Effect Limit)の250mg/kg体重/日での服用であったと発表されています(Parrisら Regulatory Toxicology and Pharmacology 87 (2017) 54-63および1994年6月17日に発行されたNotice of the European Scientific Committee for Food)。
特定の実施態様によると、抽出工程a)における溶媒中の水の質量パーセントは、1%~15%、より具体的には4%~6%である。
本発明の意味において、「溶媒中の水の質量パーセント」は、抽出工程a)が行われる抽出装置の注入口で、溶媒中の水の質量を溶媒の総質量で割ったものに相当する。典型的には、溶媒中の水の質量パーセントは、カールフィッシャー法によって決定されもよい。
ある条件において、特に、上記溶媒中の水の質量パーセントの範囲において、2-メチルオキソラン及び水は均一な液体混合物を形成し得る。
実際、89.4質量%の2-メチルオキソラン及び10.6質量%の水を含む共沸混合物は71℃で形成する。更に、水は2-メチルオキソラン中に部分的に溶解し、その2メチルオキソランへの水の溶解性は、20℃で4.1質量%及び60℃で4.6質量%である。
有利には、本発明による方法は、溶媒が2相の液体混合物であるときよりは、溶媒が均一な液体混合物であるときに行われやすい。これは本発明による方法の抽出工程a)の典型的な例である。
本発明の意味において、「生体基質」は植物、藻類、微生物及びそれらの混合物、特に植物から選択される固体材料を意味する。
生体基質が植物である場合、本発明による方法によって得られる粗製オイルは粗製植物オイルと呼ばれる。
例えば、植物は、油糧種子、タンパク質作物又はそれらの混合物であってもよい。
油糧種子として、セイヨウアブラナ、ヒマワリ、大豆、ピーナッツ、ゴマ、クルミ、アーモンド、綿、アマ又はそれらの混合物、特にセイヨウアブラナ、ヒマワリ、大豆又はそれらの混合物が挙げられる。
タンパク質作物の例は、えんどう豆、豆類、ルピナス(lupins)及びそれらの混合物である。
典型的には、生体基質は、アーモンド、アマランス、ピーナッツ、アルガン、シーバックソーン、カシューの木、アボカド、エン麦、ルリジサ、ベニバナ、カメリナ(camelina)、ニンジン、ココア、カシュー、麻、セイヨウアブラナ、コプラ、ウリ科植物、綿、クロトン、ローズヒップ、イチジク、ウチワサボテン、ザクロ、ホップ、イリペ(illipe)、ホホバ、カリテ、アマ、ルピナス、トウモロコシ、ハシバミ、クルミ、ココヤシ、ケシ、オリーブ、マツヨイグサ、キャベツヤシ、パプリカ、ピーカン、ピスタチオ、トウガラシ、トウゴマ、米、マスクローズブッシュ(musk rose bush)、ゴマ、大豆、マリーゴールド、ヒマワリ、テリハボク(Calophyllum inophyllum)、モワ、クイーンズランドクルミ、ラズベリー、クロフサスグリ、メロン、グレープ、トマト、バオバブ、ババス、クランベリー、シア、カボチャ、マスタード、ニーム、ニオイクロタネソウ(Nigella sativa)、クロタネソウ(niger)、ケシ、エゴマ(Perilla)、サチャインチ(Plukenetia volubilis)、カボチャ、アナトー、タラミラ(Taramira)、アンズ、プラム、モモ、コムギ、特に、大豆、セイヨウアブラナ、ヒマワリ、バオバブ、トウモロコシ、ピーナッツ、ココヤシ、キャベツヤシ、綿、より具体的には、大豆、セイヨウアブラナ、ヒマワリ、バオバブ、並びにそれの混合物から選択される植物であってもよい。
生体基質が植物である場合、抽出工程a)は、植物全体又は植物の1以上の部分、特に、根、茎、樹皮、花、種子、芽、葉、ふすま、果実、木の実、小さな種、核から選択される部分から出発して行われてもよい。
当業者は、選択される部分は、植物に依存することを知っているだろう。
典型的には、生体基質は、エン麦のふすま、ラズベリーの小さな種、クロフサスグリの小さな種、ザクロの小さな種、メロンの小さな種、グレープの小さな種、トマトの小さな種、バオバブの種子、ババスの種子、クランベリーの種子、シアの種子、トウモロコシの種子、綿の種子、ピーナッツの種子、セイヨウアブラナの種子、ウリ科植物の種子、モワの種子、マスタードの種子、ニームの種子、ニオイクロタネソウの種子、クロタネソウの種子、ケシの種子、エゴマの種子、サチャインチの種子、カボチャの種子、アナトーの種子、米のふすま、大豆、タラミラの種子、ヒマワリの種子、アンズの核、プラムの核、モモの核、テリハボクの果実、クルミ、カシューナッツ、マカダミアナッツ、ココナッツ、ピーカンナッツ、特に大豆、トウモロコシの種子、ヒマワリの種子、バオバブの種子及びそれらの混合物から選択されてもよい。
特に具体的な実施態様によると、生体基質は、大豆、トウモロコシの種子、ヒマワリの種子及びそれらの混合物から選択される。
生体基質が藻類である場合、アルトロスピラ(Arthrospira)、ヘマトコッカス(Haematococcus)、ドナリエラ(Dunaliella)、クロレラ(Chlorella)、ナンノクロロプシス(Nannochloropsis)、シゾキトリウム(Schizochytrium)、クリプテコディニウム(Crypthecodinium)、シリンドロテカ(Culindrotheca)、イソクリシス(Isochrysis)、ナンノクロリス(Nannochloris)、ササノハケイソウ(Nitzchia)、フェオダクチラム(Phaeodactylum)、キートケロス(Chaetoceros)の属及びそれらの混合物から選択されてもよい。
生体基質が微生物である場合、酵母、カビ、バクテリア、真菌又はそれらの混合物から選択されてもよい。酵母は、典型的には、クリプトコッカス(Cryptococcus)、カンジダ(Candida)、リポマイセス(Lipomyces)、ロドトルラ(Rhodotorula)、サッカロミケス(Saccharomyces)、トリコスポロン(Trichosporon)、ヤロウイア(Yarrowia)の属及びそれらの混合物から選択されてもよい。
典型的には、生体基質は、抽出工程a)の前に調製の準備の工程を経てもよい。この調製の工程は、例えば、フラットニング(flattening)いわゆるフレークを得るためのフレーク化、すりつぶし、薄片を得るための機械的抽出、圧縮、遠心分離、クッキング、凍結乾燥、酵素分解、機械的分解、冷浸、ケーキを得るための粉砕(trituration)、超音波処理、マイクロ波処理、乾燥、またはこれらの混合、あるいは前記調製の任意の組み合わせであってもよい。
抽出工程は、バッチ方式又は連続で典型的に行われてもよい。
抽出工程a)がバッチ方式で行われる場合、生体基質は有利には、固定層抽出器又は分散充填抽出器などの抽出器において混合される。抽出工程a)がバッチ方式において行われる場合、生体基質対溶媒の質量比は、1:1~1:50、特に1:2~1:20、より具体的には、1:5~1:10であってもよい。
抽出工程a)が連続で行われる場合、生体基質は、移動区画を備えた、移動かごを備えた、コンベヤー鎖又はコンベヤーベルトを備えた抽出器などの、移動層抽出器に連続的に供給される。溶媒は、循環またはパーコレーションによって、典型的には生体基質と逆流しながら、生体基質と接触する。抽出工程a)が連続で行われる場合、生体基質対溶媒の質量比は、有利には1:0.5~1:5、特に1:0.75~1:3、より具体的には1:1~1:1.3であってもよい。
典型的には、抽出工程a)は、有利には、20℃~100℃、特に40℃~80℃、より具体的には55℃~75℃の温度で行われる。71℃である、2-メチルオキソラン/水の共沸混合物の沸点と両立するため、有利には、抽出工程a)は、これらの温度範囲で促進される。
一実施態様によると、本発明の方法は、粗製オイル及び溶媒を含む液体画分の回収工程b)を含む。
典型的には、本発明による方法は、抽出工程a)に加えて、下記工程を含んでもよい:
b)粗製オイル及び溶媒を含む液体画分を回収する工程、及び
c)液体画分から粗製オイル及び溶媒を分離して、一方は粗製オイル及びもう一方は溶媒を回収する工程。
液体画分の回収工程b)は、固体残留物から液体画分を分離することを可能にする。典型的には、この工程b)は、ろ過によって行われてもよい。
分離工程c)は、水蒸気蒸留、加熱、蒸留又はそれらの組み合わせによる、特に水蒸気蒸留、蒸留、又はそれらの組み合わせによる、特に具体的には、蒸留による、液体/液体抽出によって行われてもよい。
典型的には、分離工程c)は、バッチ方式又は連続で行われてもよい。
工程b)及びc)は、固体/液体抽出によるオイルの製造方法の従来の工程である。当業者は、これらを行うためにこれらの工程の条件を操作して適応させることができるだろう。
典型的には、本発明による方法は、工程c)の後に、工程c)の終了時に回収された溶媒の全て又は一部を抽出工程a)にリサイクルする工程d)を含んでもよい。
有利には、工程c)の終了時に回収された溶媒のリサイクルは、本発明による方法の原材料において、経済的なコストを低減することを可能にし、従って、産業の実行可能性を向上させる。
第一の変更によると、工程c)の終了時に回収された溶媒の全て又は一部は、リサイクル工程d)の前に、水の質量パーセントを低減する工程d’)を経る。この第一の変更は、工程c)の終了時に回収される溶媒中の水の質量パーセントが、20%超、特に15%超、特に具体的には6%超である場合に、特に有利である。
第二の変更によると、工程c)の終了時に回収される溶媒の全て又は一部は、リサイクル工程d)において抽出工程a)に直接リサイクルされる。したがって、この第二の変更は、工程c)と工程d)の間に、水の質量パーセントを減少させる工程d’)を含まない。この第二の変更は、工程c)の終了時に回収される水の質量パーセントが0.3~20%、特に1%~15%、より具体的には4%~6%である場合に、特に有利である。
一実施態様によると、水の質量パーセントを減少させる工程d’)は、濃縮、デカンテーション、蒸留又はそれらの組み合わせにより、特に濃縮、デカンテーション又はそれらの組み合わせにより、より具体的には、デカンテーションの後の蒸留によって行われてもよい。
溶媒リサイクルを促進するため、濃縮の間に、71℃で、89.4質量%の2-メチルオキソラン及び10.6質量%の水を含む共沸混合物を形成することが有利であってもよい。この場合、溶媒中の水の質量パーセントは、濃縮の後に、1%~25%、5%~20%及びより具体的には10%~12%であってもよい。濃縮の間又は任意でデカンテーションの間に、直接2-メチルオキソラン中に水を溶解させることも有利であり、2-メチルオキソラン中の水の溶解性は、20℃で4.1%および60℃で4.6%である。この場合、溶媒中の水の質量パーセントは、濃縮又は任意のデカンテーションの後に、0.3%~20%、特に1%~15%、より具体的には4%~6%であってもよい。
当業者は、共沸混合物を形成する及び/又は2-メチルオキソラン中への水を溶解させる濃度条件を操作して適応させることができるだろう。
当業者は、2-メチルオキソラン中に水を溶解させるため、任意のデカンテーションの条件を操作して適応させることができるだろう。
特定の実施態様によると、水の質量パーセントを減少させる工程d”)が、濃縮の後にデカンテーションによって行われてもよく:
-濃縮後の溶媒中の水の質量パーセントは、1%~25%、特に、5%~20%、より具体的には10%~12%であり、
-デカンテーション後の溶媒中の水の質量パーセントは、0.3%~20%、特に1%~15%、より具体的には4%~6%である。
粗製オイルは、ゴム、ワックス、遊離脂肪酸、顔料、微量の金属、揮発性臭気化合物及びそれらの混合物などの不純物を含んでもよい。粗製オイルは、それ故、粗製オイルからこれら不純物の少なくとも一つを取り除き、精製オイルを回収する精製工程を経る。有利には、この精製オイルは、例えば、食物への使用、化粧品への使用、医薬への使用及び/又は産業への使用に適していてもよい。
本発明の一実施態様は、本発明による粗製オイルを製造するための方法の工程c)で回収された粗製オイルを精製する工程を含む、精製オイルを製造する方法である。
本発明による精製オイルを製造する方法によって製造された精製オイルは、トコフェロールを含んでいてもよい。有利には、トコフェロールを含む精製オイルは、健康影響に有益であってもよい。
精製オイル中のトコフェロールの質量濃度は350ppm以上、特に825ppmから10000ppm、より具体的には1500ppm~5000ppm、さらにより具体的には2000ppm~3000ppmであってもよい。一つ及び同じ生体基質について、この質量濃度は、ヘキサン又は無水2-メチルオキソランを使用した方法によって製造された精製オイル中のトコフェロールの質量濃度より大きい。
きわめて特定の実施態様によると、精製オイル中のトコフェロールの質量濃度は、825ppm~10000ppm、より具体的には1500ppm~5000ppm、更に具体的には2000ppm~3000ppmのトコフェロールの質量濃度で存在するセイヨウアブラナの生体基質から製造される精製オイルを除いて、350ppm以上、特に825ppm~10000ppm、より具体的には1500ppm~5000ppm、更により具体的には2000ppm~3000ppmであってもよい。
本発明による精製オイルを製造する方法によって製造された精製オイルは2-メチルオキソランを含んでもよい。
粗製オイル中の2-メチルオキソランの質量濃度は、精製工程の間に減少する。したがって、精製オイル中の2-メチルオキソランンの質量濃度は極めて低い。典型的には、精製オイル中の2-メチルオキソランンの濃度は5ppm以下、特に0.01ppm~3ppm、より具体的には0.1ppm~1ppmであってもよい。
有利には、本発明による精製オイルを製造する方法によって製造された精製オイルは、ヘキサンを含まない。したがって、2-メチルオキソランと対照的に、ヘキサンは神経毒であり、生殖毒性でカテゴリー2に分類されるため、この精製オイルは、ヘキサンを使用した従来法によって得られた精製オイルより安全である。
5ppm超の2-メチルオキソランの質量濃度である精製オイルは、感覚刺激性の特性を低下させる。本発明による精製オイルを製造する方法によって製造された精製オイルは、それ故、有利に、感覚刺激性の特性を満足させる。
一実施態様によると、精製工程は、化学精製及び/又は物理精製の工程であってもよい。
化学精製の工程は以下のサブ工程の少なくとも一つを含んでもよい:
-ゴムを除去して、レシチンとも呼ばれるゴムを取り除き回収する工程、
-特にソーダによって、塩基化学中和をして、遊離脂肪酸を取り除く工程、
-漂白して、顔料を取り除き、脱色オイルを回収する工程、及び
-脱臭して、揮発性臭気化合物を取り除き、蒸留物を回収する工程。
物理精製の工程は、以下のサブ工程の少なくとも一つを含んでもよい:
-ゴムを除去して、レシチンとも呼ばれるゴムを取り除き回収する工程、
-漂白して、顔料を取り除き、脱色オイルを回収する工程、及び
-蒸留、特にスチーム注入して真空蒸留して、揮発性臭気化合物及び遊離脂肪酸を取り除き、蒸留物の形態で回収する工程。
化学精製及び物理精製のこれらのサブ工程は、固体/液体抽出によって精製オイルを製造する方法の従来のサブ工程である。当業者は、これらを行うためにこれらのサブ工程の条件を操作して適応させることができるだろう。
有利には、ゴム除去のサブ工程中に回収されたレシチン及び蒸留工程で回収された蒸留物は、ポリフェノールを含む。これらは、それ故、健康に有益である。
ゴム除去のサブ工程中に回収されたレシチンは、とりわけ、界面活性剤として使用されてもよい。
蒸留工程で回収された蒸留物は、例えば、医薬、栄養補助食品、又は化粧品組成物に使用されてもよい。また、食品サプリメントとして使用されてもよい。
本発明の方法は、固体残留物を製造することも可能にする。
第二の態様によると、本発明は、本発明によるポリフェノール豊富な粗製オイルを製造する方法の固体/液体抽出工程のa)で得られた固体残留物の回収工程e)を含む固体残留物の製造方法に関する。
本発明の意味において、「固体残留物」は、生体基質から出発して本発明による固体残留物を製造する方法によって製造された脱脂固体を意味する。固体残留物はケーキとも呼ばれる。
本発明による方法は、生体基質から出発してポリフェノール豊富な粗製オイルを製造することを可能にする;したがって、固体残留物はポリフェノールが枯渇している。
本発明による固体残留物を製造する方法によって製造された固体残留物中のポリフェノールの質量濃度は、ヘキサンを使用した従来法によって製造された固体残留物中のポリフェノールの質量濃度より低い。
本発明による固体残留物の製造方法によって製造された固体残留物は、ポリフェノール及び残留オイルを含み、固体残留物中のポリフェノールの質量濃度は、3000ppm以下、特に10ppm~1500ppm、より具体的には50ppm~500ppmであり、固体残留物中の残留オイルの質量濃度は、5%以下、特に0.1%~3%、より具体的に0.3%~2%である。
有利には、ポリフェノールの質量濃度をこれらの範囲の値内にすることによって、これらの固体残留物由来の粉末、タンパク質分離物及びタンパク質濃縮物中の感覚刺激性の問題、例えば、暗い色及び/又は苦みの出現の問題を、減少又はさらには避けることも可能にする。
更に、一つ及び同一の生体基質に対して、本発明による固体残留物を製造する方法によって製造された固体残留物は、ヘキサン又は無水2-メチルオキソランを使用した従来法によって製造された固体残留物より、低い残留オイルの質量濃度を有する。
本発明の意味において、固体残留物に含まれる「残留オイル」は、規格NF EN ISO 734:2016年2月に記載される方法によって抽出されるオイルである。
固体残留物の回収工程e)は、固体残留物から液体画分を分離することを可能にする。典型的には、本工程e)は、ろ過によって行われてもよい。
固体残留物は、本発明による方法の溶媒、特に2-メチルオキソランを含んでもよい。固体残留物は、それ故、工程e)の後に、一方は溶媒、及びもう一方は脱溶媒された固体残留物を回収するために、脱溶媒する工程f)を経てもよい。
したがって、本発明の別の実施態様は、一方は溶媒及びもう一方は脱溶媒された固体残留物を回収するために、本発明による固体残留物の製造方法の工程e)で回収された固体残留物の脱溶媒の工程f)を含む脱溶媒された固体残留物を製造する方法である。
一実施態様によると、脱溶媒工程f)は、固体残留物を加熱して、その後加熱された固体残留物に蒸気を注入することによって、任意選択で真空にすることを伴って、行われてもよい。
例えば、蒸気は、本発明による溶媒の蒸気、本発明による溶媒の過熱蒸気、無水2-メチルオキソランの蒸気、無水2-メチルオキソランの過熱蒸気、スチーム、過熱スチーム及びそれらの混合物であってもよく、特に本発明による溶媒の過熱蒸気又は無水2-メチルオキソランの過熱蒸気、より具体的には、本発明による溶媒の過熱蒸気であってもよい。
従来では、脱溶媒工程は、固体残留物に存在する2-メチルオキソランの質量濃度を低減する。したがって、脱溶媒された固体残留物は、2メチルオキソランを含み、2-メチルオキソランの質量濃度は、典型的には、1000ppm未満、特に10ppm~500ppm、特に具体的には100ppm~300ppmであってもよい。
典型的には、脱溶媒された固体残留物中の残留オイルの質量濃度は、5%以下、特に0.1%~3%、より具体的には0.3%~2%である。
一実施態様によると、固体残留物は、脱溶媒工程f)の前に、固体残留物の水含有量を調整するための追加の湿らせる工程などの前処理の工程を経てもよい。有利には、この追加の湿らせる工程は、固体残留物の脱溶媒を促進させてもよい。当業者は、固体残留物の所望の水含有量の機能として追加の湿らせる工程を適応させることができるであろう。
脱溶媒された固体残留物は、例えば、動物試料又は人間への栄養を対象とした副生成物に変換されてもよい。
本発明の別の実施態様は、したがって、本発明による脱溶媒された固体残留物の製造方法の工程f)において回収された脱溶媒された固体残留物を変換して副生成物を製造する工程g)を含む副生成物を製造する方法である。
有利には、本発明による副生成物の製造方法によって製造された副生成物は、特に動物試料、特に牛属の試料に適している。実際、固体残留物から得られるため、それは脱脂であり、動物、とくに牛属の消化を乱さない。更に、この副生成物は、2-メチルオキソランとは対照的に、ヘキサンは神経毒であり、生殖毒性のカテゴリー2に分類されるため、ヘキサンを使用した従来の方法によって得られた副生成物より安全である。
一実施態様によると、副生成物は、粉末、タンパク質濃縮物、タンパク質分離物、組織状タンパク質及びそれらの混合物から選択されもよい。
本発明の意味において、「粉末」は、固体残留物から粉末を得るために、それらをすりつぶし、ミル又は微粉砕して得られた副生成物を意味する。
本発明の意味において、「タンパク質濃縮物」は、糖及び非栄養因子を取り除き、60~70%のタンパク質を含有する固体画分を得るために、固体液体抽出によって固体残留物の処理由来の副生成物を意味する。
本発明の意味において、「タンパク質分離物」は、約90%のタンパク質を含有する固体画分を得るために、連続の工程によって、水性媒体中の固体残留物の処理由来の副生成物を意味する。
本発明の意味において、「組織状タンパク質」は、押出によって、粉末又はタンパク質濃縮物の処理由来の副生成物である。
一実施態様によると、変換工程g)は、すりつぶし工程、固体-液体抽出工程、タンパク質可溶化工程、タンパク質沈殿工程、遠心分離工程、押出工程、タンパク質変性工程、タンパク質機能化工程、またはそれらの混合から選択されてもよい。
当業者は、得たい副生成物の機能に応じて変換工程g)を選択し、適応することができるだろう。
例えば、粉末を製造するために、変換工程g)は、すりつぶし工程であってもよい。
例えば、タンパク質濃縮物を製造するために、変換工程g)は水-アルコール混合物を使用して固体-液体抽出の工程であってもよい。
例えば、タンパク質分離物を製造するために、変換工程g)は固体残留物に最初に存在する糖及び繊維の選択的な除去のため、特定のpH値でタンパク質を可溶化及び沈殿させる連続工程であってもよい。
例えば、組織状タンパク質製造のために、変換工程g)は、粉末又はタンパク質濃縮物から出発した押出工程であってもよい。
変換工程g)は、2-メチルオキソランの質量濃度を減少させてもよい。したがって、副生成物は、2-メチルオキソランを含み、その2メチルオキソランの質量濃度は1000ppm未満、特に500ppm未満、特に具体的には0.5ppm~50ppmである。
副生成物中の2-メチルオキソランの質量濃度は、副生成物に依存し得る。
例えば、粉末中の2-メチルオキソランの質量濃度は、1000ppm未満、特に500ppm未満、特に具体的には5ppm~50ppmであってもよい。
タンパク質濃縮物中、タンパク質分離物中、又は組織状タンパク質中の2-メチルオキソランの質量濃度は、典型的には30ppm未満、特に0.5ppm~20ppm、特に具体的には8ppm~12ppmであってもよい。
典型的には、副生成物中の残留オイルの質量濃度は5%以下、特に0.1%~3%、より具体的には0.3%~2%である。
一実施態様によると、本発明による方法は、脱溶媒の工程f)で回収された溶媒の全て又は一部を抽出工程a)にリサイクルする工程h)を更に含んでもよい。
有利には、脱溶媒の工程f)で回収された溶媒のリサイクルは、本発明による方法の原材料における経済的なコストを低減し、それ故、その産業実行可能性を向上させることを可能にする
第一の変更によると、脱溶媒された工程f)の終了時に回収されたすべて又は一部の溶媒は、リサイクル工程h)の前に、水の質量パーセントを減少させる工程h’)を経る。この第一の変更は、脱溶媒工程f)の終了時に回収された溶媒中の水の質量パーセントが20%超、特に15%超、特に具体的には6%超である場合、特に有利である。
第2の変更によると、脱溶媒工程f)の終了時に回収された全て又は一部の溶媒は、リサイクル工程h)において、抽出工程a)に直接リサイクルされる。従って、第二の変更において、本方法は、脱溶媒工程f)とリサイクル工程h)の間に、水の質量パーセントを減少させる工程h’)を含まない。この第二の変更は、脱溶媒工程f)の終了時に回収される溶媒中の水の質量パーセントが0.3%から20%、特に1%~15%、より具体的には4%~6%である場合に、特に有利である。
水の質量パーセントを減少させる工程h’)は、水の質量パーセントを減少させる工程d’)と同じ条件で行われる。
具体的な実施態様によると、工程c)及びf)において回収されるすべて又は一部の溶媒は、混合されてもよく、いくつか又はすべての混合物は、リサイクル工程i)において、抽出工程a)にリサイクルされてもよい。
第一の変更によると、工程c)及びf)において回収された全て又は一部の溶媒は、混合され、いくつか又はすべての混合物が、リサイクル工程i)において抽出工程a)にリサイクルされる前に、水の質量パーセントを減少させる工程i’)を経てもよい。
第二の変更によると、工程c)及びf)で回収された溶媒の全て又は一部は混合され、いくつか又はすべての混合物は、リサイクル工程i)において、抽出工程a)に直接リサイクルされてもよい。従って、この第二の変更において、本方法は、工程c)及びf)並びに工程i)の間に、水の質量パーセントを減少させる工程i’)を含まない。
水の質量パーセントを減少させる工程i’)は、水の質量パーセントを減少させる工程d’)と同じ条件で行われる。
特に具体的な実施態様によると、本発明による粗製オイルの製造方法は、以下の工程を含む:
a)生体基質を溶媒で固体/液体抽出して、一方は粗製オイル及び溶媒を含む液体画分並びにもう一方は固体残留物を得る工程、
b)粗製オイル及び溶媒を含む液体画分を回収する工程、
c)スチーム蒸留によって液体画分から粗製オイル及び溶媒を分離し、一方は粗製オイル、もう一方は溶媒を回収する工程、および
d)濃縮の後にデカンテーションによって工程c)の終了時に回収された全て又は一部の溶媒中の水の質量パーセントを減少させ、
-濃縮の後の溶媒中の水の質量パーセントが、1%~25%、特に5%~20%、及びより具体的に10%~12%であり、且つ
-デカンテーションの後の溶媒中の水の質量パーセントが、0.3%~20%、特に1%~15%、より具体的には4%~6%である
工程d’)の後に、工程a)に、工程c)で回収された全て又は一部の溶媒をリサイクルする工程。
特に具体的な実施態様によると、本発明による脱溶媒された固体残留物の製造方法は以下の工程を含む:
a)生体基質を溶媒で固体/液体抽出して、一方は粗製オイル及び溶媒を含む液体画分、並びにもう一方は固体残留物を得る工程、
b)液体画分と固体残留物を分離する工程、
e)固体残留物を回収する工程、
f)工程e)で回収された固体残留物を脱溶媒して、一方は溶媒、もう一方は脱溶媒された固体残留物を得る工程、
h)工程f)で回収された全て又は一部の溶媒を工程a)をリサイクルする工程。
特に具体的な実施態様によると、本発明による副生成物の製造方法は以下の工程を含む:
a)生体基質を溶媒で固体/液体抽出して、一方は粗製オイル及び溶媒を含む液体画分、並びにもう一方は固体残留物を得る工程、
b)液体画分と固体残留物を分離する工程、
e)固体残留物を回収する工程、
f)工程e)で回収された固体残留物を脱溶媒して、一方は溶媒、もう一方は脱溶媒された固体残留物を得る工程、
g)工程f)において回収された脱溶媒された固体残留物を変換して、副生成物を製造する工程、並びに
h)工程f)で回収された全て又は一部の溶媒を工程a)をリサイクルする工程。
上記説明したように、本発明による粗製オイルの製造方法は、有利には、2-メチルオキソランを含んでもよく、ポリフェノールが豊富な粗製オイルを製造することを可能にする。
したがって、本発明は、生体基質由来のポリフェノール豊富な粗製オイルにも関し、前記粗製オイルは、1種以上のポリフェノール、2-メチルオキソランを含み、ポリフェノールの質量濃度は、100ppm以上であること、特に前記粗製オイルは、本発明による粗製オイルの製造方法によって得ることが可能であることを特徴とする。
本発明の意味において、「ポリフェノール豊富な粗製オイル」は、1種以上のポリフェノールを含む組成オイルを意味し、そのポリフェノールの質量濃度は、100ppm以上、特に320ppm~2000ppm、より具体的には350ppm~1500ppm、更により具体的には、400ppm~1200ppmである。
典型的には、粗製オイル中の2-メチルオキソランの質量濃度は、0.5ppm~500ppm、特に50ppm~300ppmであってもよい。
粗製オイルはトコフェロールを含んでもよい。
粗製オイル中のトコフェロールの質量濃度は、350ppm以上、特に825ppm~10000ppm、より具体的には1500ppm~5000ppm、更により具体的には2000ppm~3000ppmであってもよい。一つ及び同じ生体基質について、このトコフェロールの質量濃度は、ヘキサン又は無水2-メチルオキソランを使用した方法によって製造された粗製オイル中のトコフェロールの質量濃度より大きい。
きわめて特定に実施態様によると、825ppm~10000ppm、より具体的には、1500ppm~5000ppm、更により具体的には2000ppm~3000ppmのトコフェロールの質量濃度で存在し得るセイヨウアブラナの生体基質から製造される粗製オイルを例外として、粗製オイル中のトコフェロールの質量濃度は、350ppm以上、特に825ppm~10000ppm、より具体的には、1500ppm~5000ppm、更により具体的には2000ppm~3000ppmであってもよい。
生体基質は、上記の様に、本発明による粗製オイルを製造するための方法に関連する。
粗製オイルは、ポリフェノール豊富であり、トコフェロールを含んでもよいため、有利には、健康に有益であってもよい。有利には、粗製オイルは、例えば、食品への使用、化粧品への使用、医薬品への使用及び/又は産業への使用に適していてもよい。
したがって、本発明は、食品組成物、化粧品組成物、医薬品組成物等の組成物を調製するための粗製オイルの使用に関する。
上記説明したように、本発明の一実施態様による精製オイルを製造する方法は、有利には、精製オイルが健康の影響に有益であってもよいように、トコフェロールを含む精製オイルを製造することを可能にする。
したがって、本発明は、トコフェロールを含む生体基質由来の精製オイルに関し、精製オイル中のトコフェロールの質量濃度は、500ppm以上であり、特に前記精製オイルは、本発明の一実施態様による精製オイルの製造方法によって得ることが可能である。
典型的には、精製オイル中のトコフェロールの質量濃度は350ppm以上、特に825ppm~10000ppm、より具体的には1500ppm~5000ppm、さらにより具体的には2000ppm~3000ppmであってもよい。一つ及び同じ生体基質について、このトコフェロールの質量濃度は、ヘキサン又は無水2-メチルオキソランを使用した方法によって製造される精製オイル中のトコフェロールの質量濃度より大きい。
きわめて特定の実施態様によると、825ppm~10000ppm、より具体的には、1500ppm~5000ppm、更に具体的には2000ppm~3000ppmのトコフェロールの質量濃度で存在し得るセイヨウアブラナの生体基質から製造される精製オイルを例外として、精製オイル中のトコフェロールの質量濃度は、350ppm以上、特に850ppm~10000ppm、より具体的には1500ppm~5000ppm、さらにより具体的には2000ppm~3000ppmであってもよい。
本発明の精製オイルは、2-メチルオキソランを含んでもよい。この精製オイルは、2-メチルオキソランとは対照的に、ヘキサンは神経毒であり、生殖毒性のカテゴリー2に分類されるため、ヘキサンを使用した従来方法によって製造される精製オイルより安全である。
一実施態様によると、精製オイル中の2-メチルオキソランの質量濃度は、5ppm以下、特に0.01ppm~3ppm、より具体的には0.1ppm~1ppmであってもよい。
2-メチルオキソランの質量濃度が5ppm超である精製オイルは、感覚刺激性の特性を悪化させる。本発明による精製オイルは、従って、有利には感覚刺激性の特性を満足する。
生体基質は、上記の様に、本発明による粗製オイルの製造方法に関連する。
トコフェロールを含む精製オイルは、有利には健康に有益であってもよい。有利には、精製オイルは、例えば、食品への使用、化粧品への使用、医薬への使用に適していてもよい。
したがって、本発明は、食品組成物、化粧品組成物、及び医薬品組成物等の組成物の調製のためにこの精製オイルの使用に関する。
本発明の一実施態様による精製オイルの製造方法は、レシチン及び/又はポリフェノールを含む蒸留物を製造することを可能にもする。
したがって、本発明は、ポリフェノールを含む生体基質由来のレシチンに関し、特に前記レシチンは、本発明の一実施態様による精製オイルの製造方法によって得ることが可能である。
生体基質は、上記の様に、本発明による粗製オイルの製造方法と関連する。
有利には、レシチンはポリフェノールを含む。それらはしたがって健康に有益である。
これらのレシチンは、特に界面活性剤として使用されもよい。
したがって、本発明は界面活性剤としてのこれらのレシチンの使用に関する。
本発明は、ポリフェノールを含む生体基質由来の蒸留物に関し、特に前記蒸留物は、本発明の一実施態様による精製オイルの製造方法によって得ることが可能である。
生体基質は、上記の様に本発明による粗製オイルの製造方法と関連する。
蒸留物は、例えば、医薬品、栄養補助食品、又は化粧品組成物に使用されてもよい。それは、食品サプリメントとして使用されてもよい。
したがって、本発明は、医薬組成物、栄養補助食品組成物、又は化粧品組成物等の組成物の調製のためにこの蒸留物の使用に関する。本発明は、食品サプリメントとしてのこの蒸留物の使用に関する。
上記説明したように、本発明の一実施態様による固体残留物の製造方法は、有利には、ポリフェノールが枯渇して、低い質量濃度の残留オイルを含む固体残留物を製造することを可能にする。
したがって、本発明の一実施態様は、ポリフェノール及び残留オイルを含む生体基質由来の固体残留物であって、そのポリフェノールの質量濃度が、3000ppm以下、特に10~1500ppm、より具体的には50~500ppmであって、その残留オイルの質量濃度は、5%以下、特に、0.1%~3%、より具体的には0.3%~2%であり、特に、前記固体残留物は、本発明の一実施態様による固体残留物の製造方法によって得ることが可能である。
有利には、ポリフェノールの質量濃度をこの範囲の値内にすることによって、これらの固体残留物由来の粉末、タンパク質分離物及びタンパク質濃縮物中の、暗い色及び/又は苦みの出現などの感覚刺激性の問題を減少又はさらは避けることを可能にする。
生体基質は、上記の様に、本発明の粗製オイルの製造方法と関係する。
固体残留物に含まれる残留オイルは、上記定義するように、固体残留物の製造方法と関係する。
一実施態様によると、固体残留物は、2-メチルオキソランを含んでもよい。
一実施態様によると、固体残留物は、ヘキサンを含まない。
固体残留物は、その後、例えば動物試料又は人間への栄養を目的として副生成物に変換されてもよい。
本発明は、動物又は人間のための食品組成物を調製するためのこの固体残留物の使用にも関する。
有利には、上記脱溶媒された固体残留物の製造方法で脱溶媒された固体残留物を製造することを可能にする。
したがって、本発明の一実施態様は、2-メチルオキソランを含む生体基質由来の脱溶媒された固体残留物であり、その2-メチルオキソランの質量濃度は、1000ppm未満、特に10ppm~500ppm、特に具体的には100ppm~300ppmであり、特に前記脱溶媒された固体残留物は、本発明の一実施態様による脱溶媒された固体残留物の製造方法によって得ることが可能である。
典型的には、脱溶媒された固体残留物中の残留オイルの質量濃度が5%以下、特に0.1%~3%、より具体的には0.3%~2%である。
一実施態様によると、脱溶媒された固体残留物はヘキサンを含まない。
生体基質は、上記の様に本発明による粗製オイルの製造方法に関係する。
脱溶媒された固体残留物は、その後、例えば動物試料又は人間への栄養を目的とした副生成物に変換されてもよい。
本発明は、動物又は人間のための食品組成物を調製するためにこの脱溶媒された固体残留物の使用にも関する。
有利には、栄養吸収、特に動物の栄養吸収に特に適切な副生成物を、上記の副生成物の製造方法で製造することも可能である。
したがって、本発明は、2-メチルオキソランを含む生体基質由来の副生成物にも関し、その2-メチルオキソランの質量濃度は、1000ppm未満、特に500ppm未満、特に具体的には0.5ppm~50ppmであり、特に前記副生成物は、本発明の一実施態様による副生成物の製造方法によって得ることが可能である。
一実施態様によると、副生成物は、粉末、タンパク質濃縮物、タンパク質分離物、組織状タンパク質及びそれらの混合物から選択されてもよい。
副生成物中の2-メチルオキソランの質量濃度は、副生成物に依存してもよい。
例えば、粉末中の2-メチルオキソランの質量濃度は、1000ppm未満、特に500ppm未満、特に具体的には5ppm~50ppmであってもよい。
タンパク質濃縮物中、タンパク質分離物中、又は組織状タンパク質中の2-メチルオキソランの質量濃度は、典型的には、30ppm未満、特に5ppm~20ppm、特に具体的には8ppm~12ppmであってもよい。
典型的には、副生成物中の残留オイルの質量濃度は、5%以下、特に0.1%~3%、より具体的には0.3%~2%である。
一実施態様によると、副生成物はヘキサンを含まない。
生体基質は、上記のように本発明による粗製オイルの製造方法に関係する。
副生成物は、特に栄養摂取、特に動物の栄養摂取に適しているため、本発明は、食品組成物、特に動物向けの食品組成物を調製するためのこの副生成物の使用にも関する。
典型的には、粗製オイル中、固体残留物中、レシチン中、及び蒸留物中のポリフェノールの質量濃度は、「American Journal of Enology and Viticulture 28, No. 1 (1977年1月1日): 49-55」のレビュー中に見られる「Total Phenol Analysis: Automation and Comparison with Manual Methods」の研究中にSlinkard及びSingletonによって記載されるいわゆる「Folin Ciocalteu」法によって決定される。当業者は、サンプルにこの方法を、96-ウェルマイクロプレートリーダーにそれらを適用するために、どのように適応させて分析されるか知っている(FLUOstar Omega, BMG LABTECH, フランス)。
典型的には、粗製オイル中及び精製オイル中のトコフェロールの質量濃度は、規格NF EN ISO 9936:2016年6月によって決定される。
粗製オイル、精製オイル、固体残留物、脱溶媒された固体残留物、粉末、組織状タンパク質、タンパク質濃縮物及びタンパク質分離物中の2-メチルオキソランの質量濃度は、いわゆる「GC-ヘッドスペース」(ヘッドペースからのサンプリングでのガスクロマトグラフィー)の従来の分析化学技術を使用して測定される。この分析技術は、オイル上のマトリックス中及び固体マトリックス中に含有される揮発性化合物に分析に適していることが当業者に知られる。操作条件はサンプルに依存し、当業者はこのサンプルを適応させることができるだろう。
例えば、タンパク質分離物に対する操作条件は、以下のとおりである:分析される0.50±0.01gのサンプルを、「ヘッドスペース」技術に特別に設計された20mLのボトル(23×77mm)に量り入れ、その後7.0mLの超純水及び1.0mLのDMF(N,N-ジメチルホルムアミド)をボトルに加える。ボトルを、その後適切なセプタムが装備されたストッパーで封印する。ボトルをその後分析の前に30秒間激しく撹拌する。ヘッドスペースへのサンプリング及びインジェクションの工程の操作条件は、以下のとおりである:機器=HeadSpace module 7697A;脱着=100℃20分;移送ライン温度=160℃;インジェクションループ温度=130℃;インジェクション体積=1μL、ヘリウム圧=12PSI。クロマトグラフィーの分離の工程の操作条件は以下のとおりである:機器=GC 7890A (Agilent);カラム=DB624-60m-320μm-1.8μm;ライナー=Agilent 5190-6168 (UltraInert, スプリットレス, ストレート, 2 mm id);インジェクター温度=250℃;キャリアガスの性質及び流量=He,1.3mL/分;加熱炉の温度プロファイル=60°C(3分)-傾斜5°C/分70°Cまで-傾斜10°C/分220°Cまで-220°C (2 分)。検出工程の操作条件は以下のとおりである;検出の種類=マススペクトロメーター(MS);同定及び定量のための総イオン電流について、イオン化=EI,SIMモード(イオン56, 71 及び 86 Da);ソースの温度=230℃;四極子の温度=150℃。すべての試薬、溶媒及び材料は適切な分析グレードを使用した。
分析されるタンパク質分離物のサンプル中の2メチルオキソランの質量濃度は、適切な範囲の2-メチルオキソランの質量濃度に対する較正曲線を使用して決定される。
固体残留物には、操作条件は以下のとおりである;最初にすべての固体残留物を、0.2mmの篩を装備したZM200の遠心すりつぶしミル(Retsch GmbH)中ですりつぶす。分析される0.5±0.01gのすりつぶされたサンプルを、「ヘッドスペース」技術に特別に設計された20mLのボトル(23×77mm)内に量り入れる。その後正確に2.0mLの水をボトルに加え、その後セプタムが装備されたストッパーで封印する。ボトルを分析の前に少なくとも5分間立てたままにする。ヘッドスペースへのサンプリング及びインジェクションの工程の操作条件は、以下のとおりである:機器=「Turbomatrix HS40」 (Perkin Elmer);脱着=80℃60分;移送ライン温度=120℃;ニードル温度=110℃;インジェクション体積=0.2μL、水素圧=20PSI。クロマトグラフィーの分離の工程の操作条件は以下のとおりである:機器=Clarus 500 (Perkin Elmer);カラム=DB1-30m-0.32mm-3.0μm;インジェクター温度=110℃;加熱炉温度=40℃(7分、等温)。検出工程の操作条件は以下のとおりである;検出の種類=水素炎イオン検出器(FID);検出器温度=250℃;水素圧=20PSI。すべての試薬、溶媒及び材料は適切な分析グレードを使用した。
事前にプロットされた較正曲線が、分析される固体残留物のサンプル中の2-メチルオキソランの質量濃度の決定を可能にし、以下の式による:C=k*A、ここでCは2メチルオキソランの質量濃度であり、Aは2-メチルオキソランに対応するピーク面積であり、Kは2-メチルオキソランの較正曲線の傾きである。
固体残留物中の残留オイルの質量濃度は、規格NF EN ISO 734:2016年2月によって決定される。
以下に示す実施例では、粗製オイル中のポリフェノールの質量濃度を決定する方法は、96-ウェルマイクロプレートリーダー(FLUOstar Omega, BMG LABTECH, フランス)にそれを使用するための以下に記載される変更を伴って、「American Journal of Enology and Viticulture 28, No. 1 (1977年1月1日): 49-55」のレビュー中に見られる「Total Phenol Analysis: Automation and Comparison with Manual Methods」の研究中にSlinkard及びSingletonによって記載されるいわゆる「Folin Ciocalteu」法である。
すべての試薬及び溶媒が、適切な分析グレードを使用する。
以下の方法によって、事前に粗製オイル中に含まれるポリフェノールを抽出する:1gのオイルを1mLのヘキサン中に希釈し、その後溶液を3mLのメタノール/水混合物(60体積%/40体積%)で3連続抽出によって抽出する。それぞれの抽出の後、2相を撹拌してその後遠心分離によって分離し、(10000rev.min-1/10分/20℃)液体水-アルコール相を収集する(任意の潜在的に形成される堆積、沈殿又は固体粒子を扱わない)。3つの水-アルコール相が収集され、その後1mLのヘキサンで洗浄される。相を遠心分離によって分離し、その後水-アルコール相を10mLの目盛り付きフラスコに移し、体積をメタノール/水混合物(60体積%/40体積%)で標点した。
マイクロピペットを使用して、溶液の20μLをマイクロプレートウェルに落とし、75g/Lで80μLのNaCO(無水、Acros Organics)の水溶液を加えた。同じ混合を7つの他のウェルで繰り返し、すなわち分析される粗製オイル1サンプル当たり合計8ウェルであった。その後、事前に蒸留水中の1/10(v/v)に希釈された100μLのFolin Ciocalteu試薬(Panreac AppliChem, 参照251567.1609)をそれぞれのウェルにマイクロプレートリーダーの自動インジェクターによって自動で加える。装置中で暗い条件で1時間撹拌後に、それぞれのウェルの吸光度の読み取りを、750nmでのマイクロプレートリーダーのUV-可視検出器によって行った。平行して、較正曲線を、0~100mg/Lの没食子酸の濃度範囲で、相及びメタノール/水混合物を含む溶液が、没食子酸の8種の水性溶液の一つで置き換えられたことを除いて、サンプルに対して記載された同じ分析方法により、没食子酸(Sigma-Aldrich)の8種の水性溶液を使用して作る。
第二に、(糖、タンパク質等を還元する)Folin Ciocalteu試薬と反応性しているかもしれないオイル中に存在する非フェノール性化合物を取り除くため、粗製オイルから事前に得られた5mLのポリフェノールの溶液を0.1NのHCL溶液でpH=3.5に酸性化する。その後5mLの蒸留水及び1gのポリビニルポリピロリドン(PVPP、粒子径約110μm、Sigma-Aldrich)を、ポリフェノールを捕捉するために、混合物に加える。混合物を25℃で10分間機械的に撹拌した後、10000rev.min-1で10分間20℃で遠心分離する。上澄みをその後取り、その後フィルターシリンジ(0.25μm)を使用してろ過し、その後PVPPで処理されていない溶液と同じ方法で分析する。
PVPPで処理されたこの溶液の吸光度を、「ブランク」として使用し、事前に得られた値から引く。
したがって得られた吸光度の値は、非フェノール性化合物の寄与が引かれた8種のウェルの吸光度測定からの平均値から引かれ、較正曲線の式からのサンプル中のポリフェノールの質量濃度の計算に役に立つ。分析に最初に使用されたオイルの質量を考慮して、サンプル中のポリフェノールの質量濃度は、没食子酸のμg(EAGと略される)/粗製オイルのg、又は同等の方法で、ppmで表される。
以下に示す実施例において、粗製オイル中及び精製オイル中のトコフェロールの質量濃度の決定方法は、規格NF EN ISO 9936:2016年6月である。
以下に示すサンプルにおいて、精製オイル中の2-メチルオキソランの質量濃度の決定方法が、以下に記載する条件によって、従来の分析化学技術、いわゆる「GC-ヘッドスペース」(ヘッドスペースからのサンプリングでのガスクロマトグラフィー)を使用して適用される。この分析技術は、オイル状のマトリックス中に含有される揮発性化合物の分析に適していることが当業者に知られる。
すべての試薬、溶媒及び材料が適切な分析グレートを使用した。最初に、分析される5±0.01gの精製オイルを、「ヘッドスペース」技術に特別に設計された20mLのボトル(23×77mm)に量り入れる。その後正確に15μLの標準溶液(オクタン中に40%体積/体積のヘプタン)を20mLのボトルに加え、セプタムが装備されたストッパーで封印する。20mLのボトルを、分析の前に5分間激しく撹拌される(Voltex)。ヘッドスペースへのサンプリング及びインジェクションの工程の操作条件は、以下のとおりである:機器=「Turbomatrix HS40」 (Perkin Elmer);脱着=80℃60分;移送ライン温度=120℃;ニードル温度=110℃;インジェクション体積=0.2mL、水素圧=20PSI。クロマトグラフィーの分離の工程の操作条件は以下のとおりである:機器=Clarus 500 (Perkin Elmer);カラム=DB1-30m-0.32mm-3.0μm;インジェクター温度=150℃;加熱炉温度=40℃(3分)、及びその後傾斜10℃/分で110℃まで(0分)。検出工程の操作条件は以下のとおりである;検出の種類=水素炎イオン検出器(FID);検出器温度=250℃;水素圧=11PSI。
分析される精製オイルのサンプル中の2-メチルオキソランの質量濃度は、以下の式から決定される:CMeOx=a*(AMeOx/Aheptane)、ここでCMeOxは2メチルオキソランの質量濃度であり、AMeOxは2-メチルオキソランに対応するピーク面積であり、Aheptaneはヘプタン(内部標準)に対応するピーク面積であり、「a」は事前に設定された2-メチルオキソランの較正曲線の傾きである。
2メチルオキソラン及びヘプタンを含む既知の量の溶液を、2-メチルオキソランを含まない精製オイルに加えて、0.51、1.02、2.05、5.12及び10.25μg/gのオイルの質量濃度を得て、溶液分析化学の標準的なな原理によって、較正曲線をプロットした。
本発明による実施例1:2メチルオキソラン及び水を含む溶媒
実施例1-1:大豆の基質
粗製大豆油を、ソックスレー型(抽出システムB-811、Buchi)の自動抽出システムを使用して外皮を除去した大豆から抽出した(供給者:OLEAD, 種類: ES PALLADOR, 収穫: フランス, 2017年, 水含有量: 8.5% ± 0.3)。使用された溶媒は、100gの溶媒当たり4.5gの蒸留水を含む2メチルオキソラン(BHTで安定化される、Sigma Aldrich)の混合物である。
約50gの大豆をカッティングミルを使用してすりつぶし、1mmより小さい粒子を得た。
得られた約30gの粉末を装置(Buchi)に適したガラス抽出カートリッジに量って入れた。カートリッジをその後ソックスレーチャンバーに置き、装置に対するユーザーマニュアルに記載される指示に従って、安全を担保した。
その後170mLの溶媒を、この目的のために提供される250mLの受けビーカーに入れた。その後装置を、洗浄又は乾燥がなく、サイクル数を20に固定し、加熱力を10に固定して、「Standard Soxhlet」モードによって操作を始めた。
最終的に、高さ検出器を、「高い」高さの植物基質の約1cm上に置いて、コンデンサに冷水を供給した(8℃)。
溶媒を、その後統合された加熱プレートにより沸騰させた。20サイクルの終了時に、抽出オイルを含有するすべての溶媒を受けビーカーに収集し、一方、固体残留物を抽出カートリッジの中に入れたままにした。
抽出されたオイルを含む溶媒を20分間室温で冷却したままにして、その後250mLのフラスコに移送した。溶媒を、減圧下で、その後ロータリーエバポレーターを使用して揮発させた(150rev/分、50℃、180mbar、その後1mbarにして終了)。
したがって、得られた粗製オイルの重さを量り、その後10分間窒素の軽い気流下で冷却し、封印されたチューブに移し、その後分析まで-20℃の冷凍庫で貯蔵した。
粗製オイル中のポリフェノールの質量濃度は表1に示される。
実施例1-2:セイヨウアブラナの基質
操作方法は、出発基質がホールのセイヨウアブラナ種子(供給者: OLEAD; 原産地: ジロンド(フランス); 収穫: 2016年; 水含有量: 5.2% ± 0.15)であり、使用したソックスレー抽出カートリッジがグラスではなくセルロース製であることを除いて、実施例1-1と同じであった。
粗製オイル中のポリフェノールの質量濃度は、表1に示される。
実施例1-3:トウモロコシ種子の基質
操作方法は、出発基質がトウモロコシ種子(供給者: Avignon大学; 原産地: フランス; 水含有量 = 7.25%)であり、ソックスレー抽出カートリッジが、ガラスではなくセルロース製であり、センサーの高さを、抽出チャンバーの体積が約175mlとなるように固定し、抽出時間を、サイクル回数を設定しないで1時間に固定し、加熱強さを12で固定したことを除いて、実施例1-1と同じであった。
粗製オイル中のポリフェノールの質量濃度は表1に示される。
実施例1-4:綿の種子の基質
操作方法は、出発基質が綿の種子(供給者: Avignon大学; 原産地:トルコ; 水含有量 = 7.99%)であり、種子を事前にすりつぶし、綿繊維のない、穀粒の実のみを回収するようように篩にかけたことを除いて、実施例1-3と同じであった
粗製オイル中のポリフェノールの質量濃度は表1に示される。
比較例2:ヘキサン又は無水2-メチルオキソランの溶媒
比較例2-1:ヘキサン
操作方法及び生体基質が、溶媒がヘキサンであることを除いて、実施例1-1及び1-4と同じであった。
ポリフェノールの質量濃度は表1に示される。
比較例2-2:無水2-メチルオキソラン
操作方法及び生体基質が、溶媒が無水2-メチルオキソランであることを除いて、実施例1-1及び1-4と同じであった。
ポリフェノールの質量濃度は表1に示される。
表1中の結果は、2-メチルオキソラン及び水を含む溶媒を使用した本発明による方法が、ヘキサン(参照溶媒)及び無水2-メチルオキソランで得られたオイルよりポリフェノールが豊富であるオイルを製造することを可能にすることを示す。
Figure 0007285921000001
実施例3:溶媒中の水の質量濃度の影響
本実施例では、粗製オイルを、3種類の異なる生体基質から出発して、2-メチルオキソラン(BHTで安定化される、Sigma Aldrich)及び蒸留水を、それぞれの溶媒中、水の質量パーセントが、1%、4.5%、10%又は20%で含む異なる溶媒で固体/液体抽出することによって得た。
3種類の生体基質は:
-大豆(供給者:OLEAD, 種類: ES PALLADOR,収穫: フランス, 2017年, 水含有量: 8.5% ± 0.3)
-セイヨウアブラナ種子(供給者: OLEAD; 原産地: ジロンド(フランス); 収穫: 2016年; 水含有量: 5.2% ± 0.15)および
-ヒマワリ種子(原産地: スペイン; 供給者: Lile aux epices; バッチ: LPR22-1017; 水含有量: 2.54% ± 0.12)である。
これらの3種の油性の種子から抽出された食物オイルは、パーム油は別として世界で最も生産されているものの一つである。
実施例3において、固体/液体抽出は、還流下で冷浸と呼ばれる抽出方法によって行ったのは、この方法は、「ソックスレー」抽出法より二相の溶媒に対してより適しているためである。
本発明による実施例3-1:大豆の基質
実施例3-1では、生体基質が大豆であった。
約50gの外皮を除去した大豆を、カッティングミルを使用して、1mmより小さい粒子を得るため、すりつぶした。30gの得られた粉末の重さを量り、還流下で抽出できるようにするため、コンデンサを取り付けた250mLのガラスフラスコに入れた。
170mLのそれぞれの溶媒を、フラスコに導入し、その後、フラスコの内容物をフラスコヒーターを使用して還流させた。
抽出時間は、最初の還流のしるしから開始して2時間に固定した。2時間の終了時に、加熱のスイッチを切り、混合物を室温で20分間冷却させたままにした。
次に、フラスコの内容物を、コットンの層上にろ過し、オイルを含有する溶媒の固体残留物を一方に分離し、新しい250-mLのフラスコに回収した。その後溶媒を、減圧下でロータリーエバポレーターを使用して揮発させた(150rev/分;50℃;180mbar;その後終了時1mbar)。そのようにして得られた粗製オイルの重さを量り、その後微量の残留溶媒を、窒素の軽い気流によって10分間で除去した。オイルを、封印されたチューブに移し、その後分析まで-20℃の冷凍庫に貯蔵した。
それぞれの実例を挙げられた溶媒について、ポリフェノールの質量濃度が表2に示される。
本発明による実施例3-2:セイヨウアブラナ種子の基質
本発明による実施例3-2の方法は、基質がセイヨウアブラナ種子であることは別として、本発明による実施例3-1と同一であった。
それぞれの実例を挙げられた溶媒について、ポリフェノールの質量濃度が表3に示された。
本発明による実施例3-3:ヒマワリ種子の基質
本発明による実施例3-3の方法は、基質が外皮を除去されたヒマワリ種子であることを別として、本発明による実施例3-1と同一であった。
それぞれの実例を挙げられた溶媒について、ポリフェノールの質量濃度が、表4に示された。
比較例3-4:ヘキサン
操作方法及び生体基質が、溶媒がヘキサンであることを除いて、実施例3-1~3-3と同じであった。
それぞれの生体基質について、ポリフェノールの質量濃度が、表2、3及び4に示された。
比較例3-5:無水2-メチルオキソラン
操作方法及び生体基質が、溶媒が無水2-メチルオキソランであることを除いて、実施例3-1~3-3と同じであった。
それぞれの生体基質について、ポリフェノールの質量濃度が、表2、3及び4に示された。
Figure 0007285921000002
Figure 0007285921000003
Figure 0007285921000004
表2~4の結果は、2-メチルオキソラン及び1~20%の水を含む溶媒を使用した本発明による粗製オイルを調製する方法が、ヘキサン(参照溶媒)及び無水2-メチルオキソランで得られるオイルよりポリフェノールが方法なオイルを製造することを可能にすることを示す。
還流下で冷浸と呼ばれる抽出方法によって得られたポリフェノールの総質量濃度(実施例3及び4)は、「ソックスレー」抽出法によって得られるもの(実施例1及び2)より、論理的に低い。実際、当業者に知られる質量移動の法則に従って、「ソックスレー」抽出法と対照的に、還流下で冷浸と呼ばれる抽出方法で使用された溶媒は、抽出液中でだんだんと濃縮され、それ故、オイルの抽出及びポリフェノールの抽出を制限する。
実施例4:脱脂ケーキの製造
実施例4-1:基質が大豆フレークであり、溶媒が2-メチルオキソラン及び4.5%の水を含む
固体/液体抽出を、大豆フレーク(供給者:OLEAD, 収穫: フランス, 2017年, 水含有量: 9.96% ± 0.20%, オイル含有量 = 19.19% ± 0.20%, 厚さ 約1 mm)から出発して、自動抽出装置(抽出装置B-811,Buchi)を使用して行った。使用された溶媒は、100g当たりの溶媒に4.5gの蒸留水を含有する2-メチルオキソラン(BHTで安定化される、Sigma Aldrich)の混合物である。
約15gの大豆フレークの重さを量り、装置(Buchi)に対して適切なセルロース製の抽出カートリッジ中に入れた。その後、装置のユーザーマニュアルに記載される指示に従って、カートリッジを抽出チャンバーに入れた。高さ検出器の高さを、抽出チャンバー中の溶媒の最大体積が約220mLに相当するように固定した。
その後、170mLの溶媒を、この目的のために提供される250mLの受けビーカーに入れた。その後、装置をパラメーター化して、洗浄又は乾燥なしで、時間を1時間に固定し、加熱力が12に相当する「Standard Soxhlet」モードによって操作して、1時間当たり7±1に相当する抽出チャンバーの充填-空にするサイクル数を保証するようにした。
溶媒を、その後、統合された加熱プレートによって沸騰させた。60分の抽出の終了時に、抽出されたオイルを含有するすべての溶媒を受けビーカーに収集し、一方脱脂ケーキがカートリッジ中に残った。受けビーカーの内容物をその後適切なフラスコに移し、その後混合物を、前述の実施例に記載した条件のとおりに脱溶媒した。脱脂ケーキを含有するカートリッジを回収し、その後、約45℃の温度で少なくとも10時間操作して、どの場合においても溶媒の臭気がもはや知覚できなくなるまで、換気されたデシケーター(Biosec型, モデル= TauRo)に置いた。一度脱溶媒されると、脱脂ケーキ中の残留オイルの質量濃度は、マイクロボールミルに替えてカッティングミルを使用して分析されるサンプルが細かくすりつぶされるという、わずかな変更を伴って、「Twisselmann」と呼ばれる方法に相当する、「Continuous Extraction」モードによって自動抽出装置(抽出装置B-811,Buchi)を使用して適用される、規格NF EN ISO 734:2016年2月によって、決定される。
2メチルオキソラン+水で抽出後に得られる残留オイルの質量濃度は、表5に示される。
実施例4-2:基質がセイヨウアブラナフレークであり、溶媒が2-メチルオキソラン及び4.5%の水を含む
固体/液体抽出を、基質がセイヨウアブラナフレーク(供給者: OLEAD; 収穫: フランス2017年; 水含有量: 8.21% ± 0.13、オイル含有量=23.03% ± 0.07%, 粒子径≦3mm)であり、抽出時間が90分であることを除いて、実施例4-1と同じ方法によって行った。
2メチルオキソラン+水で抽出後に得られた残留オイルの質量濃度は、表5に示される。
実施例4-3:基質がヒマワリフレークであり、溶媒が2-メチルオキソラン及び4.5%の水を含む
固体/液体抽出を、基質がヒマワリフレーク(供給者: OLEAD; 収穫: フランス, 2017年; 水含有量: 5.38% ± 0.24、オイル含有量=30.81% ± 2.59%, 粒子径≦10mm)であり、抽出時間が90分であることを除いて、実施例4-1と同じ方法によって行った。
2メチルオキソラン+水で抽出後に得られた残留オイルの質量濃度は、表5に示される。
比較例4-4:ヘキサン
操作方法及び生体基質が、溶媒がヘキサンであること及び加熱強さを9に固定して、抽出チャンバーの充填-空にするサイクルの数を1時間当たり7±1に相当するように保証することを除いて、実施例4-1~4-3と同じであった。
それぞれの生体基質について、ヘキサンでの抽出後に得られる残留オイルの質量濃度が表5に示される。
比較例4-5:無水2-メチルオキソラン
操作方法及び生体基質が、溶媒が無水2-メチルオキソランであること及び加熱強さを12に固定して、抽出チャンバーの充填-空にするサイクルの数を1時間当たり7±1に相当するように保証することを除いて、実施例4-1~4-3と同じであった。
それぞれの生体基質について、無水2-メチルオキソランでの抽出後に得られる残留オイルの質量濃度が表5に示される。
Figure 0007285921000005
表5の結果は、2メチルオキソラン及び4.5%の水を含む溶媒を使用した本発明による固体残留物の製造方法が、ヘキサン(参照溶媒)及び無水2-メチルオキソランで得られる固体残留物より、少ない残留オイルを含む固体残留物を製造することを可能にすることを示す。
これは、オイルの損失を制限し、固体残留物から残留溶媒の除去を促進し、固体残留物中のタンパク質濃度を増加させ、貯蔵での安定性を向上させ、動物、特に牛属による消化を促進させることを可能にするため、特に有利である。
実施例5:大豆でのパイロットスケール試験
本発明による実施例5-1:基質が大豆であり、溶媒が2-メチルオキソラン及び水の混合物である。
粗製大豆油の抽出を、480Lのフィルター-ドライヤー(「Guedu」型)内で、パイロットスケールで行った。大豆(供給者:OLEAD, 収穫: フランス, 2017年, 水含有量: 12.2%)を、粒子径を減少させ、抽出溶媒の近接性を増加させるように、外皮を除去してフレーク化する従来の工程によって抽出のために準備した。その後約60kgの大豆フレークをフィルター-ドライヤーに入れ、その後2-メチルオキソラン(供給者=Pennakem LLC、安定化されていない)の3連続通過によって抽出した。水含有量は、それぞれの通過で異なり、それぞれ、1.44%、2.85%、そして4.76%であった。
抽出温度は平均57±6℃であり、溶媒/固体質量比を1.8kg/kgに、抽出時間を1通過当たり、15分又はトータルで3×15分に固定した。
抽出されたオイル(miscellaと呼ばれる混合物)を含有する溶媒を、それぞれの通過後ろ過によって収集し、蒸留カラムによって濃縮し(80~85℃、減圧)、最終的に真空下、60℃で溶媒の濃縮がなくなるまで、ロータリーエバポレーター(Hei-VAP ADVANTAGE, Heidolph, ドイツ)を使用して、脱溶媒され、その後1時間90℃であった。脱溶媒された抽出物を、2-メチルオキソラン及び水の混合物で抽出された固体画分を取り除くため、その後遠心分離した(4000rpm/4分)が、オイル上の媒体中に不溶になっていた。得られた粗製オイルをその後精製又は分析まで20℃で貯蔵した。
抽出が一度終了したら、固体残留物(脱脂及びろ過されたフレーク)を同じ容器(「Guedu」フィルター-ドライヤーで脱溶媒した。容器を真空ジェネレーターにつなぎ、脱溶媒を目的に、窒素気流(14-18L/min)を注入しながら、55℃で140分加熱した。最終的に、固体残留物を、放出し、プレート上に広げ、微量な残留溶媒を取り除くため、外気に1日間さらした。
その後得られた粗製オイルを、中性のpH及びその後酸性のpHで脱ゴムする工程、その後中和工程、漂白工程及びその後脱臭気工程を含む化学精製の従来工程を経て、精製オイルを得た。
粗製オイル中のポリフェノール及びトコフェロールの質量濃度並びに精製オイル中のトコフェロール及び2-メチルオキソランの質量濃度が表6に示される。
比較例5-2:基質が大豆であり、溶媒が無水2-メチルオキソランである
抽出の操作方法が、以下の点を除いて本発明による実施例5-1と同一である:溶媒が無水2-メチルオキソラン(非安定化)であり、溶媒/固体比が2.9kg/kgであり、抽出温度が53±5℃である。
粗製オイル中のポリフェノール及びトコフェロールの質量濃度並びに精製オイル中のトコフェロール及び2-メチルオキソランの質量濃度が表6に示される。
比較例5-3:基質が大豆であり、溶媒がヘキサンである
抽出の操作方法が、以下の点を除いて本発明による実施例5-1と同一である:溶媒がヘキサン(抽出グレード)であり、溶媒/固体比が2.2kg/kgであり、抽出温度が52±3℃である。
粗製オイル中のポリフェノール及びトコフェロールの質量濃度並びに精製オイル中のトコフェロールの質量濃度が表6に示される。
Figure 0007285921000006
表6の結果は、2メチルオキソラン及び1.44~4.76%の水を含む溶媒を使用した本発明による粗製オイルの製造方法が、ヘキサン(参照溶媒)及び無水2-メチルオキソランで得られた粗製オイルよりポリフェノールが豊富な粗製オイルを製造することを可能にすることを示す。
表6の結果は、2メチルオキソラン及び1.44~4.76%の水を含む溶媒を使用した本発明による粗製オイルの製造方法が、ヘキサン(参照溶媒)及び無水2-メチルオキソランで得られた精製オイルよりトコフェロールが豊富な精製オイルを製造することを可能にすることも示す。

Claims (10)

  1. a)溶媒で生体基質を固体/液体抽出し、一方は粗製オイル及び溶媒を含む液体画分、並びにもう一方は固体残留物を得る工程を含む、生体基質由来のポリフェノール豊富な粗製オイルを製造する方法であって、
    前記溶媒が2-メチルオキソラン及び水を含み、かつ
    抽出工程a)における溶媒中の水の質量パーセントは、0.3%~20%であることを特徴とする、方法。
  2. 前記生体基質が、植物、藻、微生物及びそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記生体基質が、アーモンド、アマランス、ピーナッツ、アルガン、シーバックソーン、カシューの木、アボカド、エン麦、ルリジサ、ベニバナ、カメリナ(camelina)、ニンジン、ココア、カシュー、麻、セイヨウアブラナ、コプラ、ウリ科植物、綿、クロトン、ローズヒップ、イチジク、ウチワサボテン、ザクロ、ホップ、イリペ(illipe)、ホホバ、カリテ、アマ、ルピナス、トウモロコシ、ハシバミ、クルミ、ココヤシ、ケシ、オリーブ、マツヨイグサ、キャベツヤシ、パプリカ、ピスタチオ、トウガラシ、トウゴマ、米、マスクローズブッシュ(musk rose bush)、ゴマ、大豆、マリーゴールド、ヒマワリ、テリハボク(Calophyllum inophyllum)、モワ、クイーンズランドクルミ、ラズベリー、クロフサスグリ、メロン、グレープ、トマト、バオバブ、ババス、クランベリー、シア、カボチャ、マスタード、ニーム、ニオイクロタネソウ(Nigella sativa)、クロタネソウ(niger)、ケシ、ピーカン、エゴマ(Perilla)、サチャインチ(Plukenetia volubilis)、カボチャ、アナトー、タラミラ(Taramira)、アンズ、プラム、モモ、コムギから選択される植物である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記抽出工程a)が20℃~100℃の温度で行われる、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記抽出工程a)に加えて:
    b)粗製オイル及び溶媒を含む液体画分を回収する工程、及び
    c)粗製オイル及び溶媒を液体画分から分離して、一方は粗製オイル、もう一方は溶媒を回収する工程を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 請求項5に規定した粗製オイルを製造する方法の工程c)において回収された粗製オイルを精製する工程を含む精製オイルを製造する方法。
  7. 請求項1~5のいずれか一項において規定した方法の固体/液体抽出の工程a)において得られる固体残留物を回収する工程e)を含む固体残留物を製造する方法。
  8. 請求項7に規定した方法の工程e)において回収された固体残留物を脱溶媒して、一方は溶媒及びもう一方は脱溶媒された固体残留物を回収する工程f)を更に含む脱溶媒された固体残留物を製造する方法。
  9. 請求項8に規定した方法の工程f)において回収された脱溶媒された固体残留物を変換して副生成物を得る工程g)を含む副生成物を製造する方法。
  10. 前記副生成物が、粉末、タンパク質濃縮物、タンパク質分離物、組織状タンパク質及びそれらの混合物から選択される、請求項9に記載の方法。
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