JP7233538B2 - 空気調和装置 - Google Patents

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Description

本発明は、室内空間の加湿を行う空気調和装置に関するものである。
従来、水分の吸着および脱着を行う吸着剤を有する回転式のデシカントロータを備え、このデシカントロータの脱着剤の再生熱源としてヒータを利用した空気調和装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の空気調和装置では、室内空気は、吸着部に配置されたデシカントロータの部分で水分を吸着させることで除湿され、ヒータで加熱された後、圧縮機で圧縮され、熱交換器で冷却された後で、室外空間に排出される。また、室外空気は、熱交換器で加熱された後、脱着部に配置されたデシカントロータの部分で水分を脱着させることで放湿され、室内空間に供給される。そして、上記の空気調和装置では、デシカントロータを回転させることで、デシカントロータが吸着部と脱着部との間を移動し、吸着部での吸着と脱着部での脱着とを繰り返すことで、室内空間に供給される空気の加湿が連続的に行われる。
特開2000-257968号公報
しかしながら、特許文献1に記載の空気調和装置では、室外空気を加湿して室内空間に供給しているが、時期によって室外空気は低温低湿になりやすく、その場合には加湿能力が安定しないという課題があった。また、デシカントロータの脱着剤の再生熱源としてヒータを利用しているため、消費電力が増大してしまうという課題があった。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、より少ない消費電力で安定した加湿能力を得ることができる空気調和装置を提供することを目的とする。
本発明に係る空気調和装置は、圧縮機および室外熱交換器を有し、室外空間から室外空気を取り込んで前記室外空間に前記室外空気を排出する室外機と、第一膨張弁、第一室内熱交換器、および、第二室内熱交換器を有し、室内空間から室内空気を取り込んで前記室内空間に前記室内空気を供給する室内機と、を備えた空気調和装置であって、前記室外機または前記室内機に設けられた第二膨張弁と、前記圧縮機、前記第二室内熱交換器、前記第一膨張弁、前記第一室内熱交換器、前記第二膨張弁、前記室外熱交換器、が順次配管で接続された冷媒回路と、空気中の水分を吸着する吸着部材を有する吸脱着装置と、前記第一膨張弁および前記第二膨張弁の開度を制御するコントローラと、を備え、前記室内機は、内部に取り込んだ前記室内空気が通過する風路が形成されており、前記第一室内熱交換器、前記吸脱着装置、および、前記第二室内熱交換器は前記風路上に配置されており、前記第二室内熱交換器は、前記第一室内熱交換器の下流側に配置され、前記吸脱着装置は、前記第一室内熱交換器の下流側であって前記第二室内熱交換器の上流側に配置されており、前記コントローラは、前記第一膨張弁および前記第二膨張弁の開度を制御し、前記吸脱着装置により前記室内空気中の水分を吸着する暖房吸着モードと、吸着した前記水分を脱着する暖房脱着モードとを備え、それらを切り替えることにより加湿制御を行うものである。
本発明に係る空気調和装置によれば、室内空間から室内空気を取り込んで室内空間に室内空気を供給する室内機を備えている。つまり、室内空間に供給する空気として、室外空気に比べて湿度の変動が少ない室内空気が用いられている。また、コントローラは、第一膨張弁および第二膨張弁の開度を制御し、吸脱着装置により室内空気中の水分を吸着する暖房吸着モードと、吸着した水分を脱着する暖房脱着モードとを備え、それらを切り替えることにより加湿制御を行っている。つまり、吸脱着装置の吸着部材の吸脱着にヒータが用いられていない。その結果、より少ない消費電力で安定した加湿能力を得ることができる。
本実施の形態1に係る空気調和装置の構成の一例を示す冷媒回路図である。 本実施の形態1に係る空気調和装置のコントローラ、室外機制御基板、および、室内機制御基板の接続関係の一例を示すブロック図である。 本実施の形態1に係る空気調和装置の吸脱着装置を形成する多孔質平板を示す模式図である。 本実施の形態1に係る空気調和装置の吸脱着装置に用いられる吸着部材の相対湿度に対する飽和吸着量の変動を示すグラフである。 本実施の形態1に係る空気調和装置の暖房吸着モード時における動作について説明するための概略図である。 本実施の形態1に係る空気調和装置の暖房吸着モード時における空気の状態変化を示す湿り空気線図である。 本実施の形態1に係る空気調和装置の暖房脱着モード時における動作について説明するための概略図である。 本実施の形態1に係る空気調和装置の暖房脱着モード時における空気の状態変化を示す湿り空気線図である。 本実施の形態1に係る空気調和装置の構成の別の一例を示す冷媒回路図である。 本実施の形態2に係る空気調和装置の構成の一例を示す冷媒回路図である。 本実施の形態2に係る空気調和装置の暖房吸着モード時における動作について説明するための概略図である。 本実施の形態2に係る空気調和装置の暖房吸着モード時における空気の状態変化を示す湿り空気線図である。 本実施の形態2に係る空気調和装置の暖房脱着モード時における動作について説明するための概略図である。 本実施の形態2に係る空気調和装置の暖房脱着モード時における空気の状態変化を示す湿り空気線図である。
以下、実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する内容によって実施の形態が限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
実施の形態1.
以下、本実施の形態1に係る空気調和装置100について説明する。本実施の形態1に係る空気調和装置100は、室内の加湿を行う室内機20を備えるものである。
[空気調和装置100の構成]
図1は、本実施の形態1に係る空気調和装置100の構成の一例を示す冷媒回路図である。図1に示すように、空気調和装置100は、室外空間から室外空気を取り込んで、室外空間に室外空気を排出する室外機10と、室内空間から室内空気を取り込んで、室内空間に室内空気を供給する室内機20と、を備えている。
(室外機10)
図1に示すように、室外機10は、圧縮機11、冷媒流路切替装置12、室外熱交換器13、第二膨張弁14、および、室外送風機15を備えている。室外機10内には、室外送風機15によって室外空間から取り込まれた室外空気が室外熱交換器13を通過して室外空間に送風される風路10aが形成される。
圧縮機11は、低温低圧の冷媒を吸入し、吸入した冷媒を圧縮し、高温高圧の冷媒を吐出する。圧縮機11は、例えば、運転周波数を変化させることにより、単位時間あたりの送出量である容量が制御されるインバータ圧縮機などからなる。圧縮機11の運転周波数は、室外機制御基板19を介してコントローラ40によって制御される。なお、この例では、1台の圧縮機11が用いられる場合を示すが、これに限られず、例えば2台以上の圧縮機11が並列または直列に接続されてもよい。
冷媒流路切替装置12は、例えば四方弁であり、冷媒の流れる方向を切り替えることにより、冷房運転および暖房運転の切り替えを行う。冷媒流路切替装置12は、冷房運転時に、図1の破線で示す状態に切り替わり、圧縮機11の吐出側と室外熱交換器13とが接続される。また、冷媒流路切替装置12は、暖房運転時に、図2の実線で示す状態に切り替わり、圧縮機11の吐出側と第二室内熱交換器24とが接続される。冷媒流路切替装置12における流路の切替は、室外機制御基板19を介してコントローラ40によって制御される。
室外熱交換器13は、室外空気と冷媒との間で熱交換を行う。室外熱交換器13は、冷房運転の際に、冷媒の熱を室外空気に放熱して冷媒を凝縮させる凝縮器として機能する。また、室外熱交換器13は、暖房運転の際に、冷媒を蒸発させ、その際の気化熱により室外空気を冷却する蒸発器として機能する。室外熱交換器13として、例えば、伝熱管と多数のフィンとにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器が用いられる。
第二膨張弁14は、例えば絞りの開度を調整することができる電子式膨張弁であり、開度を調整することによって、冷房運転時では第一室内熱交換器23に流入する冷媒、および、暖房運転時では室外熱交換器13に流入する冷媒の圧力を制御する。なお、本実施の形態1では、第二膨張弁14は室外機10に設けられているが、室内機20に設けられていてもよく、設置箇所は限定されない。
室外送風機15は、室外熱交換器13に対して室外空気を供給するものであり、回転数が制御されることにより、室外熱交換器13に対する送風量が調整される。室外送風機15として、例えば、DC(Direct Current)ファンモータあるいはAC(Alternating Current)ファンモータなどのモータによって駆動される遠心ファンまたは多翼ファンなどが用いられる。なお、室外送風機15の駆動源としてDCファンモータが用いられる場合は、電流値を変化させて回転数を制御することで送風量が調整される。また、室外送風機15の駆動源としてACファンモータが用いられる場合は、インバータ制御により電源周波数を変化させて回転数を制御することで送風量が調整される。
さらに、室外機10は、室外機制御基板19を備えている。室外機制御基板19は、伝送線51によってコントローラ40と接続され、コントローラ40からの運転制御信号に基づき、圧縮機11、冷媒流路切替装置12、第二膨張弁14、および、室外送風機15を制御する。
(室内機20)
室内機20は、第一膨張弁25、第一室内熱交換器23、第二室内熱交換器24、吸脱着装置22、および、室内送風機21を備えている。室内機20内には、室内送風機21によって室内空間から取り込まれた室内空気が第一室内熱交換器23、吸脱着装置22、および、第二室内熱交換器24を通過して室内空間に送風される風路20aが形成される。
第一膨張弁25は、例えば絞りの開度を調整することができる電子式膨張弁であり、開度を調整することによって、冷房運転時では第二室内熱交換器24に流入する冷媒、および、暖房運転時では第一室内熱交換器23に流入する冷媒の圧力を制御する。
第一室内熱交換器23は、風路20a上に配置されている。第二室内熱交換器24は、風路20a上であって第一室内熱交換器23の下流側に配置されている。第一室内熱交換器23および第二室内熱交換器24は、冷媒回路において互いに直列に接続され、いずれも空気と冷媒との間で熱交換を行う。これにより、室内空間に供給される暖房用空気または冷房用空気が生成される。第一室内熱交換器23は、冷房運転の際に蒸発器または凝縮器として機能し、吸脱着装置22に流入する空気を冷却または加熱する。第二室内熱交換器24は、冷房運転の際に蒸発器として機能し、室内空間の空気を冷却して冷房を行う。また、第一室内熱交換器23は、暖房運転の際に蒸発器または凝縮器として機能し、吸脱着装置22に流入する空気を冷却または加熱する。第二室内熱交換器24は、暖房運転の際に凝縮器として機能し、室内空間の空気を加熱して暖房を行う。第一室内熱交換器23および第二室内熱交換器24として、例えば、伝熱管と多数のフィンとにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器が用いられる。
吸脱着装置22は、風路20aにおける第一室内熱交換器23の下流側であって、第二室内熱交換器24の上流側に配置されている。すなわち、吸脱着装置22は、第一室内熱交換器23および第二室内熱交換器24と同一の風路20a上であって、第一室内熱交換器23と第二室内熱交換器24との間に設けられている。吸脱着装置22は、空気中の水分を吸着する吸着部材を有し、供給される空気に対する水分の吸着および脱着を行う。具体的には、吸脱着装置22は、相対的に湿度の高い空気から水分を吸着し、相対的に湿度の低い空気に対して水分を脱着する。
室内送風機21は、第一室内熱交換器23および第二室内熱交換器24に対して室内空気を供給するものであり、回転数が制御されることにより、第一室内熱交換器23および第二室内熱交換器24に対する送風量が調整される。室内送風機21として、例えば、DCファンモータあるいはACファンモータなどのモータによって駆動される遠心ファンまたは多翼ファンなどが用いられる。なお、室内送風機21の駆動源としてDCファンモータが用いられる場合は、電流値を変化させて回転数を制御することで送風量が調整される。また、室内送風機21の駆動源としてACファンモータが用いられる場合は、インバータ制御により電源周波数を変化させて回転数を制御することで送風量が調整される。
また、室内送風機21の風量を制御することによって、吸脱着装置22を通過する空気の流速も変化する。吸脱着装置22に使用される吸着部材の吸着速度および脱着速度、つまり、吸着時および脱着時における空気と吸着部材間の水分移動速度は、吸着部材を通過する空気の流速が上がると増加する。そのため、室内送風機21の風量を増加させることで、吸着部材の吸脱着能力を上昇させることが可能となる。なお、本実施の形態1では、室内送風機21が、風路20aの最上流に配置されているが、それに限定されない。風路20aにおいて目標の風量が得られればよいので、図1に示す位置よりも下流に配置してもよい。また、風路20aの数の1つに限定されず、上流と下流にそれぞれ配置するなどしてもよい。つまり、室内送風機21の配置位置と数は限定されない。
室外機10と室内機20とは、配管によって互いに接続されている。また、空気調和装置100は、圧縮機11、冷媒流路切替装置12、第二室内熱交換器24、第一膨張弁25、第一室内熱交換器23、第二膨張弁14、室外熱交換器13が、順次配管で接続され、冷媒が循環する冷媒回路を備えている。
冷媒回路に使用される冷媒は、特に限定されない。例えば、二酸化炭素、炭化水素若しくはヘリウムのような自然冷媒、HFC-410A若しくはHFC-407Cなどの塩素を含まない冷媒、または既存の製品に使用されているR22若しくはR134aなどのフロン系冷媒などの冷媒を使用できる。
(センサ類)
室内機20は、例えばサーミスタなどで構成される複数の温度センサを備えている。暖房運転時の冷媒の流れにおいて第一室内熱交換器23の出口側には、第一室内熱交換器23から流出する冷媒の温度(以下、出口温度と称する)を検出する第一出口温度センサ28aが設けられている。暖房運転時の冷媒の流れにおいて第一室内熱交換器23の入口側には、第一室内熱交換器23に流入する冷媒の温度(以下、入口温度と称する)を検出する第一入口温度センサ28bが設けられている。暖房運転時の冷媒の流れにおいて第二室内熱交換器24の入口側には、第二室内熱交換器24に流入する冷媒の温度(以下、入口温度と称する)を検出する第二入口温度センサ28cが設けられている。室内機20の吸込口付近には、室内空間の温度(以下、室内温度とも称する)を検出する室内温度検出センサ28dが設けられている。室内機20の吹出口付近には、吹出温度を検出する吹出温度検出センサ28eが設けられている。なお、室内温度検出センサ28dの設置場所は上記に限定されず、室内温度を検出できる位置であればよい。
また、室内機20の空気の吸込口付近には、室内空間の相対湿度を検出する相対湿度検出センサ28fが設けられている。なお、相対湿度検出センサ28fの設置場所は上記に限定されず、室内空間の相対湿度を検出できる位置であればよい。相対湿度検出センサ28fは、例えば静電容量式である。
また、室内機20の内部または外部には、室内空間の人の有無を検出する人感センサ28gが設けられている。人感センサ28gは、例えば赤外線センサなどで構成されている。
さらに、室内機20は、室内機制御基板27を備えている。室内機制御基板27は、伝送線51によってコントローラ40と接続され、コントローラ40からの運転制御信号に基づき、第一膨張弁25および室内送風機21を制御する。
(コントローラ40)
コントローラ40は、室外機10および室内機20に対して運転制御信号を送信し、空気調和装置100全体を制御する。また、コントローラ40は、暖房運転時の各モードにおいて、室内機20に設けられた各種センサによって検出された各種情報に基づいて第二膨張弁14および第一膨張弁25の開度を制御する。
図2は、本実施の形態1に係る空気調和装置100のコントローラ40、室外機制御基板19、および、室内機制御基板27の接続関係の一例を示すブロック図である。図2に示すように、コントローラ40には各種センサがそれぞれ接続されている。具体的には、第一出口温度センサ28a、第一入口温度センサ28b、第二入口温度センサ28c、室内温度検出センサ28d、吹出温度検出センサ28e、相対湿度検出センサ28f、および、人感センサ28gがそれぞれコントローラ40に接続されている。また、コントローラ40には、室外機制御基板19および室内機制御基板27が伝送線51を介して接続されている。
室外機制御基板19には、圧縮機11、冷媒流路切替装置12、第二膨張弁14、および、室外送風機15が接続されている。室内機制御基板27には、第一膨張弁25および室内送風機21が接続されている。
コントローラ40は、情報取得部41、演算処理部42、機器制御部43、および、記憶部44を備えている。コントローラ40は、マイクロコンピュータなどの演算装置上でソフトウェアを実行することにより各種機能が実現され、もしくは各種機能を実現する回路デバイスなどのハードウェアなどで構成されている。
情報取得部41は、第一出口温度センサ28a、第一入口温度センサ28b、第二入口温度センサ28c、室内温度検出センサ28d、吹出温度検出センサ28e、相対湿度検出センサ28f、および、人感センサ28gで検出された各種情報を取得する。
演算処理部42は、情報取得部41で取得された各種情報に基づき、各種処理を行う。
機器制御部43は、演算処理部42による処理結果に基づき、空気調和装置100に設けられた各部を制御するための運転制御信号を生成し、室外機制御基板19および室内機制御基板27に送信する。
記憶部44は、コントローラ40の各部で用いられる各種の値を記憶するものであり、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROMなどの、不揮発性または揮発性の半導体メモリである。
(吸脱着装置22)
図3は、本実施の形態1に係る空気調和装置100の吸脱着装置22を形成する多孔質平板22aを示す模式図である。なお、図3中の破線矢印は、通風方向を示している。
ここで、本実施の形態1における吸脱着装置22について説明する。吸脱着装置22は、風路20aに対して静止しており、風路20aに固定して取り付けられている。吸脱着装置22は、図3に示す多孔質平板22aを用いて形成されている。この多孔質平板22aは、通風断面積を大きくできるように、風路20aのうち吸脱着装置22が配置される箇所の管路断面に沿った多角形状の形状を有している。そのため、吸脱着装置22を、第一室内熱交換器23および第二室内熱交換器24の断面積と同等にすることができる。また、多孔質平板22aは、当該多孔質平板22aの厚さ方向に空気を通過させる複数の小透孔22bが形成された通風体である。多孔質平板22aの表面には、相対的に湿度の高い空気から水分を吸着し、相対的に湿度の低い空気に対して水分を脱着する特性を有する吸着部材が形成されている。
すなわち、本実施の形態1の吸脱着装置22は、多孔質平板22aと、その表面に形成された吸着部材とを有している。吸着部材は、多孔質平板22aの表面に吸着剤が塗布されることによって層状に形成されている。また、吸着部材は、含浸により多孔質平板22aの表面に担持されていてもよいし、表面処理により多孔質平板22aの表面に形成されていてもよい。
図4は、本実施の形態1に係る空気調和装置100の吸脱着装置22に用いられる吸着部材の相対湿度に対する飽和吸着量の変動を示すグラフである。図4において、横軸は空気の相対湿度[%]を示し、縦軸は吸着部材の単位質量当たりの平衡吸着量[g/g]を示す。
図4において実線で示す曲線aは、本実施の形態1で特に好適に用いられる吸着部材の吸湿特性の例を表している。本実施の形態1で特に好適に用いられる吸着部材としては、例えば、有機系ではポリアクリル酸ナトリウム架橋体、無機系ではナノチューブ珪酸塩(イモゴライト)およびアルミニウム珪酸塩(ハスクレイ(登録商標))などがある。
一方、破線で示す曲線bは、一般的なデシカントロータに用いられる吸着部材の吸湿特性の例を表している。一般的なデシカントロータに用いられる吸着部材としては、シリカゲルおよびゼオライトなどがある。
図4の曲線aで示すように、本実施の形態1で特に好適に用いられる吸着部材は、相対湿度の上昇に伴って平衡吸着量が単調に増加し、特に相対湿度40~100%の範囲では相対湿度の上昇に伴って平衡吸着量が略直線的に増加する特性を有している。また、この吸着部材は、相対湿度80~100%の高湿域における平衡吸着量が特に多くなる特性を有している。
このような吸着部材を用いることにより、後述する暖房吸着モードで吸脱着装置22を通過する空気に対する吸着部材の平衡吸着量と、後述する暖房脱着モードで吸脱着装置22を通過する空気に対する吸着部材の平衡吸着量との差を大きくすることができる。そのため、吸着部材の吸着能力および脱着能力をより高めることができる。
曲線bの吸湿特性を有する吸着部材では、相対湿度の上昇に伴って平衡吸着量が単調に増加するものの、相対湿度の上昇に伴う平衡吸着量の増加が緩やかである。このような吸着部材を吸脱着装置22に用いた場合、相対湿度40~60%程度の一般的な室内空間の空気からの除湿量を多くするのが困難となる場合がある。
除湿量を多くし、それに応じた加湿能力を得るためには、暖房吸着モードで吸脱着装置22を通過する空気に対する吸着部材の平衡吸着量と、暖房脱着モードで吸脱着装置22を通過する空気に対する吸着部材の平衡吸着量との差を大きくすることが望ましい。そのため、暖房脱着モードで吸脱着装置22を通過する前の空気を加熱装置などによって加熱し、空気の相対湿度を20%程度に低下させることが必要になる場合がある。
これに対し、曲線aの吸湿特性を有する吸着部材は、相対湿度80~100%の高湿域における平衡吸着量が特に多くなっている。そのため、空気を加熱して相対湿度を低下させるまでもなく、相対湿度40~60%程度の一般的な室内空間の空気に対する平衡吸着量と、相対湿度80~100%程度の空気に対する平衡吸着量との差を十分に大きくすることができる。したがって、曲線aの吸湿特性を有する吸着部材を吸脱着装置22に用いることにより、風路20aに脱着熱源が設けられていなくても連続的な加湿運転が可能になる。
吸着部材は、低温になるほど水分移動速度が低下する特性を有する。暖房吸着モードで吸脱着装置22に流入する空気は、暖房脱着モードで吸脱着装置22に流入する空気と比較して低温である。そのため、暖房吸着モード時には、吸着部材での水分移動速度の低下により除湿量が少なくなる。除湿量を増加させるためには、暖房吸着モードで吸脱着装置22に流入する空気が相対湿度80~100%程度の高湿であるという特性を生かして、高湿域での平衡吸着量が中湿域での平衡吸着量よりも十分に多くなる吸着部材を用いる必要がある。
ここで、高湿域とは、相対湿度80~100%の範囲のことであり、中湿域とは、一般的な室内空間の湿度である相対湿度40~60%の範囲のことである。試験検証結果から、高湿域での平衡吸着量が中湿域での平衡吸着量の1.2倍以上である吸湿部材が用いられることにより、流入空気温度の低下による加湿能力の低下を抑制できることが分かっている。
具体的には、相対湿度60%の空気に対する単位質量当たりの平衡吸着量xと、相対湿度80%の空気に対する単位質量当たりの平衡吸着量yとが、「y/x≧1.2」の関係を満たしていれば、流入空気温度の低下による加湿能力の低下を抑制できる。曲線aの吸湿特性を有する吸着部材は、「y/x≧1.2」の関係を満たしている。
本実施の形態1に係る空気調和装置100は、暖房運転時に、暖房吸着モードと暖房脱着モードとを交互に実行することで、室内空間の加湿を行う。暖房吸着モードおよび暖房脱着モードは、第二膨張弁14および第一膨張弁25の開度を変更することによって切り替えられる。
以下、本実施の形態1に係る空気調和装置100の暖房運転時の暖房吸着モードおよび暖房脱着モードにおける動作について説明するが、冷房運転時の動作については説明を省略する。
(暖房吸着モード)
図5は、本実施の形態1に係る空気調和装置100の暖房吸着モード時における動作について説明するための概略図である。なお、図5中の黒矢印は冷媒の流れを示している。暖房吸着モード時において、圧縮機11から吐出された高温高圧のガス冷媒は、冷媒流路切替装置12を介して凝縮機として機能する第二室内熱交換器24に流入する。第二室内熱交換器24に流入した高温高圧のガス冷媒は、室内送風機21によって取り込まれた室内空気と熱交換して放熱しながら凝縮し、室内空気を加熱するとともに、高圧の液冷媒となって第二室内熱交換器24から流出する。第二室内熱交換器24から流出した高圧の液媒は、相対的に低開度に設定された第一膨張弁25によって減圧され、低温低圧の気液二相冷媒となり、蒸発器として機能する第一室内熱交換器23に流入する。第一室内熱交換器23に流入した低温低圧の気液二相冷媒は、室内送風機21によって取り込まれた室内空気と熱交換して吸熱しながら蒸発し、室内空気を冷却し、第一室内熱交換器23から流出する。第一室内熱交換器23から流出した低温低圧の二相冷媒は、相対的に高開度に設定された第二膨張弁14によって減圧された後、室外熱交換器13に流入する。
室外熱交換器13に流入した低温低圧の二相冷媒は、室外送風機15によって取り込まれた室外空気と熱交換して吸熱しながら蒸発し、室外空気を冷却するとともに加熱され、低圧のガス冷媒となって室外熱交換器13から流出する。室外熱交換器13から流出した低圧のガス冷媒は、圧縮機11へ吸入される。
図6は、本実施の形態1に係る空気調和装置100の暖房吸着モード時における空気の状態変化を示す湿り空気線図である。図6の横軸は温度[℃]を示し、縦軸は絶対湿度[kg/kg’]を示す。図6中の点A1、点B1、点C1、および、点D1は、図5中の(A1)、(B1)、(C1)、および、(D1)の位置にそれぞれ対応している。また、暖房吸着モード時は、第二膨張弁14が相対的に高開度に設定されており、第一膨張弁25が相対的に低開度に設定されている。なお、図6は、吸脱着装置22が水分の保持量が少ない状態、例えば周囲空気で飽和した状態での空気の状態変化を示す図であるものとする。
第一室内熱交換器23に流入する前の室内空気は、点A1の状態にある。第一室内熱交換器23を通過した空気は、冷媒との熱交換により冷却除湿され、低温かつ相対湿度の高い状態となって(点B1)、吸脱着装置22に流入する。相対湿度の高い空気が吸脱着装置22を通過するため、吸脱着装置22の吸着部材では、空気中の水分を吸着して吸着熱を放熱する吸着反応が生じる。これにより、吸脱着装置22を通過した空気は、吸着反応により除湿されるとともに加熱され、絶対湿度が低下した状態となって(点C1)、第二室内熱交換器24に流入する。第二室内熱交換器24を通過した空気は冷媒との熱交換により加熱され(点D1)、室内空間に供給される。
すなわち、暖房吸着モードでは、室内機20に吸い込まれた室内空気が、第一室内熱交換器23での冷却と吸脱着装置22での吸着反応とにより除湿され、第二室内熱交換器24で加熱される。これにより、室内空間には高温で絶対湿度の低い空気が供給される。
(暖房脱着モード)
図7は、本実施の形態1に係る空気調和装置100の暖房脱着モード時における動作について説明するための概略図である。なお、図7中の黒矢印は冷媒の流れを示している。暖房脱着モード時において、圧縮機11から吐出された高温高圧のガス冷媒は、冷媒流路切替装置12を介して凝縮機として機能する第二室内熱交換器24に流入する。第二室内熱交換器24に流入した高温高圧のガス冷媒は、室内送風機21によって取り込まれた室内空気と熱交換して放熱しながら凝縮し、室内空気を加熱するとともに、液冷媒となって第二室内熱交換器24から流出する。第二室内熱交換器24から流出した液媒は、相対的に高開度に設定された第一膨張弁25によって減圧された後、凝縮機として機能する第一室内熱交換器23に流入する。第一室内熱交換器23に流入した液冷媒は、室内送風機21によって取り込まれた室内空気と熱交換して放熱しながら凝縮し、室内空気を加熱して第一室内熱交換器23から流出する。第一室内熱交換器23から流出した液冷媒は、相対的に低開度に設定された第二膨張弁14によって減圧され、低温低圧の二相冷媒となり、室外熱交換器13に流入する。
室外熱交換器13に流入した低温低圧の二相冷媒は、室外送風機15によって取り込まれた室外空気と熱交換して吸熱しながら蒸発し、室外空気を冷却するとともに加熱され、室外熱交換器13から流出する。室外熱交換器13から流出した低圧のガス冷媒は、圧縮機11へ吸入される。
図8は、本実施の形態1に係る空気調和装置100の暖房脱着モード時における空気の状態変化を示す湿り空気線図である。図8の横軸は温度[℃]を示し、縦軸は絶対湿度[kg/kg’]を示す。図8中の点A2、点B2、点C2、および、点D2は、図7中の(A2)、(B2)、(C2)、および、(D2)の位置にそれぞれ対応している。また、暖房脱着モード時は、第二膨張弁14が相対的に低開度に設定されており、第一膨張弁25が相対的に高開度に設定されている。なお、図8は、吸脱着装置22が水分の保持量が多い状態、例えば暖房吸着モードで飽和した状態での空気の状態変化を示す図であるものとする。
第一室内熱交換器23に流入する前の室内空気は、点A2の状態にある。第一室内熱交換器23を通過した空気は、冷媒との熱交換により加熱され、相対湿度の低い状態となって(点B2)、吸脱着装置22に流入する。相対湿度が低い空気が吸脱着装置22を通過し、かつ吸脱着装置22の吸着部材の水分保持量が多くなっているため、吸着部材では、空気中に水分を放出して脱着熱を吸熱する脱着反応が生じる。これにより、吸着部材の水分保持量が減少し、吸着部材が再生される。また、吸脱着装置22を通過した空気は、脱着反応により加湿されるとともに冷却され、低温かつ高湿の空気となって(点C2)、第二室内熱交換器24に流入する。第二室内熱交換器24を通過した空気は冷媒との熱交換により加熱され(点D2)、室内空間に供給される。
すなわち、暖房脱着モードでは、室内機20に吸い込まれた室内空気が、第一室内熱交換器23での加熱と吸脱着装置22での脱着反応とにより加湿され、第二室内熱交換器24でさらに加熱される。これにより、室内空間には高温で絶対湿度の高い空気が供給される。
次に、本実施の形態1に係る空気調和装置100の暖房運転時の暖房吸着モードおよび暖房脱着モードにおける、第二膨張弁14および第一膨張弁25の制御について説明する。
(暖房吸着モード)
暖房吸着モードでは、第一室内熱交換器23が蒸発器として機能し、第二室内熱交換器24が凝縮器として機能する。暖房吸着モードでは、吸脱着装置22を通過する室内空気の相対湿度を高くすることで、吸脱着装置22の吸着部材の吸着量を増加させることが目的となる。そのため、コントローラ40が、第一入口温度センサ28bによって検出された第一室内熱交換器23の入口温度から求められる蒸発温度が所定の値となるように、圧縮機11の運転周波数および第一膨張弁25の開度を制御する。そうすることで、吸着部材の吸着能力を高める。また、吸脱着装置22の特徴として、温度が高く、相対湿度が高いほど、吸脱着速度が上昇する。そこで、蒸発温度の目標値を、室内温度検出センサ28dによって検出された室内温度および相対湿度検出センサ28fによって検出された室内空間の相対湿度から求められる室内空気の露点温度付近に設定する。そして、蒸発温度が露点温度付近に設定された目標値となるように、圧縮機11の運転周波数および第一膨張弁25の開度を制御することで、吸脱着装置22の吸着部材の吸着量を最大化することができる。
(暖房脱着モード)
暖房脱着モードでは、第一室内熱交換器23が凝縮器として機能し、第二室内熱交換器24も凝縮機として機能する。そのため、第一室内熱交換器23および第二室内熱交換器24の加熱能力は、第二膨張弁14の開度によって決まる。そこで、コントローラ40が、第二入口温度センサ28cによって検出された第二室内熱交換器24の入口温度と、第一出口温度センサ28aによって検出された第一室内熱交換器23の出口温度との差から算出される過冷却度(SC)が、所定の値となるように第二膨張弁14の開度を制御する。そうすることで、所定の加熱能力を確保することができる。
次に、本実施の形態1に係る空気調和装置100の暖房運転時の暖房吸着モードと暖房脱着モードとの切り替え制御について説明する。
(暖房吸着モードと暖房脱着モードとの切替制御)
本実施の形態1では、暖房運転時に加湿を行う際、暖房吸着モードと暖房脱着モードとを交互に実行する必要がある。暖房吸着モードと暖房脱着モードとを切り替えるタイミングは、時間帯などに基づいて判断される。例えば、夜間は暖房吸着モードに切り替え、日中は暖房脱着モードに切り替えるようにする。なお、暖房吸着モードと暖房脱着モードとの切り替えは、第二膨張弁14および第一膨張弁25の開度を変更することによって行われる。
または、暖房吸着モードと暖房脱着モードとを切り替えるタイミングは、人感センサ28gによって検出された室内空間の人の有無、つまり在室状況に応じて判断される。例えば、在室から不在になったら暖房吸着モードに切り替え、不在から在室になり、かつ、暖房運転が開始されたら暖房脱着運転モードに切り替える。ここで、暖房吸着モードは、第一室内熱交換器23が蒸発器として機能するため、加熱能力が低下した暖房運転を行うことになり、加熱能力に対するエネルギー消費効率(COP)が低下する。また、周囲空気に水分が多く含まれている時ほど多く吸着できる。そのため、暖房吸着モードは在室から不在になったタイミング、つまり不在開始時に行うのがよい。例えば、室内空間がリビングである場合は、就寝後あるいは昼間の外出開始後などが不在開始時に該当する。
図9は、本実施の形態1に係る空気調和装置100の構成の別の一例を示す冷媒回路図である。
なお、本実施の形態1では、人感センサ28gによって在室状況を検出しているが、それに限定されない。例えば、空気調和装置100は、図9に示すように外部機器のONおよびOFFの情報を受信する受信部31を備え、その受信情報によって在室状況を検出してもよい。例えば、外部機器が室内空間に設置されているTVである場合、TVがONの時は在室、TVがOFFの時は不在であると判断する。あるいは、外部機器が室内空間に設置されている照明である場合、照明がONの時は在室、照明がOFFの時は不在であると判断する。
また、例えば、空気調和装置100は、図9に示すように電源のONおよびOFFが入力される入力部32を備え、その入力情報によって在室状況を検出してもよい。例えば、電源がONの時は在室、電源がOFFの時は不在であると判断する。
本実施の形態1に係る暖房吸着モードおよび暖房脱着モードでは、室外空間のように環境変化が大きい空間の空気ではなく、室内空間などの環境変化が小さい空間の空気を用いて、吸着部材に対する水分の吸着および脱着が行われる。このため、吸着部材が平衡状態となる条件を予測しやすくなる。
したがって、上記のように暖房吸着モードと暖房脱着モードとが切り替えられたとしても、暖房吸着モードでは吸着部材の吸着能力を十分に発揮させることができ、暖房脱着モードでは吸着部材の脱着能力を十分に発揮させることができる。これにより、加湿能力を維持した連続的な加湿運転が可能となる。加湿能力を最適化するために、暖房運転時の各モードの時間を、例えばスマートフォンなどを用いて外部操作により変更できるようになっていてもよい。
また、暖房吸着モードを開始した後、吸着部材が飽和吸着量に達した後は停止させることで高効率運転が可能となるが、暖房吸着モードを開始後に停止させるタイミングとしては、例えば以下に説明する4つがある。
一つ目は、暖房吸着モードを開始した後、あらかじめ設定された時間が経過したタイミングである。二つ目は、あらかじめ設定された時間内における、吹出温度検出センサ28eによって検出された吹出温度の変化が、基準値以下になったタイミングである。三つ目は、暖房吸着モードの開始時における室内温度検出センサ28dによって検出された室内温度に応じて停止時間を算出し、該停止時間が経過したタイミングである。四つ目は、暖房吸着モードの開始時における室内温度検出センサ28dによって検出された室内温度に応じて停止時間を算出し、該停止時間が経過し、かつ、あらかじめ設定された時間内における、吹出温度検出センサ28eによって検出された吹出温度の変化が、基準値以下になったタイミングである。
また、暖房吸着モードにおいて、室内空間の相対湿度が一定値、例えば80%より高い場合は、吸脱着装置22を通過する室内空気の相対湿度が元々高く、吸脱着装置22の吸着部材の吸着量を増加させる必要がない。そこで、そのような場合には圧縮機11の運転を停止させて室内送風機21のみを駆動させるようにすることで、水分吸着を省エネルギーで実現することができる。
以上のように、不在時に暖房吸着モードによって吸脱着装置22に水分を吸着させ、暖房運転開始時に暖房脱着モードによって吸脱着装置22から吸着した水分を脱着させることで、室外空気を利用せずに加湿運転が可能となる。
また、暖房脱着モードでの脱着時に吸着部材は吸熱反応するため、逆カルノーサイクルから考えて凝縮圧および凝縮温度を低下させる特性がある。そのため、圧縮機11の起動時の運転周波数が高い状態でも、凝縮圧および凝縮温度が低下することで冷凍サイクル効率が上昇し、空気調和装置100の起動時の省エネルギー性を向上させることができる。また、暖房脱着モードでの吸着時に第二室内熱交換器24が凝縮器として機能するため、室内空間を過度に冷却することなく、室内温度の急激な変化を抑制することができる。また、PV(Photovoltaics)の過剰発電などで発生する電力のデマンドレスポンス発生時、つまり電力を使って欲しい要請があった場合に、暖房脱着モードを開始する。そうすることで、室内温度を過度に上昇させずに、在室開始時の加湿能力を確保することができ、電力の安定供給と快適性の向上との両立が可能となる。
本実施の形態1に係る空気調和装置100は、圧縮機11および室外熱交換器13を有し、室外空間から室外空気を取り込んで室外空間に室外空気を排出する室外機10と、第一膨張弁25、第一室内熱交換器23、および、第二室内熱交換器24を有し、室内空間から室内空気を取り込んで室内空間に室内空気を供給する室内機20と、を備えた空気調和装置100であって、室外機10または室内機20に設けられた第二膨張弁14と、圧縮機11、第二室内熱交換器24、第一膨張弁25、第一室内熱交換器23、第二膨張弁14、室外熱交換器13、が順次配管で接続された冷媒回路と、空気中の水分を吸着する吸着部材を有する吸脱着装置22と、第一膨張弁25および第二膨張弁14の開度を制御するコントローラ40と、を備え、室内機20は、内部に取り込んだ室内空気が通過する風路20aが形成されており、第一室内熱交換器23、吸脱着装置22、および、第二室内熱交換器24は風路20a上に配置されており、第二室内熱交換器24は、第一室内熱交換器23の下流側に配置され、吸脱着装置22は、第一室内熱交換器23の下流側であって第二室内熱交換器24の上流側に配置されており、コントローラ40は、第一膨張弁25および第二膨張弁14の開度を制御し、吸脱着装置22により室内空気中の水分を吸着する暖房吸着モードと、吸着した水分を脱着する暖房脱着モードとを備え、それらを切り替えることにより加湿制御を行うものである。
本実施の形態1に係る空気調和装置100によれば、室内空間から室内空気を取り込んで室内空間に室内空気を供給する室内機20を備えている。つまり、室内空間に供給する空気として、室外空気に比べて湿度の変動が少ない室内空気が用いられている。また、コントローラ40は、第一膨張弁25および第二膨張弁14の開度を制御し、吸脱着装置22により室内空気中の水分を吸着する暖房吸着モードと、吸着した水分を脱着する暖房脱着モードとを備え、それらを切り替えることにより加湿制御を行っている。つまり、吸脱着装置22の吸着部材の吸脱着にヒータが用いられていない。その結果、より少ない消費電力で安定した加湿能力を得ることができる。
また、本実施の形態1に係る空気調和装置100において、風路20aは、暖房吸着モードと暖房脱着モードとで同一経路である。
本実施の形態1に係る空気調和装置100によれば、室内機20内の第一室内熱交換器23と第二室内熱交換器24との間に風路を切り替える風路切替装置のようなものが不要であるため、室内機20を小型化または薄型化することができる。
また、本実施の形態1に係る空気調和装置100において、吸脱着装置22は、多孔質平板22aで構成されているものである。
本実施の形態1に係る空気調和装置100によれば、吸脱着装置22が多孔質平板22aで構成されているため、吸脱着装置22を、第一室内熱交換器23および第二室内熱交換器24の断面積と同等にすることができる。
また、本実施の形態1に係る空気調和装置100において、コントローラ40は、暖房吸着モード時は、第一膨張弁25の開度を第二膨張弁14の開度と比較して低開度に設定する。そして、暖房脱着モード時は、第一膨張弁25の開度を第二膨張弁14の開度と比較して高開度に設定するものである。
本実施の形態1に係る空気調和装置100によれば、第一膨張弁25および第二膨張弁14の開度を制御することで、暖房吸着モードと暖房脱着モードとを切り替えることができる。
また、本実施の形態1に係る空気調和装置100において、コントローラ40は、加湿制御を開始したら、暖房脱着モードから開始し、その後、暖房吸着モードに切り替えるものである。
本実施の形態1に係る空気調和装置100によれば、加湿制御を開始したら暖房脱着モードから開始されるため、加湿制御の開始後すぐに室内空間の加湿を行うことができ、快適性を向上させることができる。
また、本実施の形態1に係る空気調和装置100は、室内空間の人の有無を検出する人感センサ28gを備えている。そして、コントローラ40は、人感センサ28gによって人を検出した場合は暖房脱着モードを開始し、人感センサ28gによって人を検出しなくなった場合は暖房吸着モードに切り替えるものである。
または、本実施の形態1に係る空気調和装置100は、外部機器のONおよびOFFの情報を受信する受信部31を備えている。そして、コントローラ40は、受信部31によって外部機器の電源がONしたことを受信した場合は暖房脱着モードを開始し、受信部31によって外部機器の電源がOFFしたことを受信した場合は暖房吸着モードに切り替えるものである。
または、本実施の形態1に係る空気調和装置100は、電源のONおよびOFFが入力される入力部32を備えている。そして、コントローラ40は、入力部32から電源のONが入力されたことを検出した場合は暖房脱着モードを開始し、入力部32から電源のOFFが入力されたことを検出した場合は暖房吸着モードに切り替えるものである。
本実施の形態1に係る空気調和装置100によれば、加熱能力が低下する暖房脱着モードを不在時に行うことができるため、加熱能力に対するエネルギー消費効率(COP)の低下を抑制することができる。
また、本実施の形態1に係る空気調和装置100は、第一室内熱交換器23および第二室内熱交換器24に対して室内空気を供給する室内送風機21と、室内空間の相対湿度を検出する相対湿度検出センサ28fと、を備えている。そして、コントローラ40は、暖房吸着モードにおいて、相対湿度検出センサ28fによって検出された相対湿度があらかじめ設定された値以下である場合は、室内送風機21および圧縮機11を運転させる。また、コントローラ40は、暖房吸着モードにおいて、相対湿度検出センサ28fによって検出された相対湿度があらかじめ設定された値よりも大きい場合は、室内送風機21を運転させ、圧縮機11の運転を停止させるものである。
本実施の形態1に係る空気調和装置100によれば、暖房吸着モードにおいて、室内空間の相対湿度があらかじめ設定された値よりも大きい場合は圧縮機11の運転を停止させている。つまり、相対湿度が高く、吸着部材の吸着量を増加させる必要がない場合に圧縮機11の運転を停止させることで、水分吸着を省エネルギーで実現することができる。
また、本実施の形態1に係る空気調和装置100において、コントローラ40は、暖房吸着モードを開始した後、あらかじめ設定された時間が経過したら圧縮機11の運転および室内送風機21を停止させるものである。
または、本実施の形態1に係る空気調和装置100は、室内機20の吹出温度を検出する吹出温度検出センサ28eを備えている。そして、コントローラ40は、暖房吸着モードを開始した後、あらかじめ設定された時間内における、吹出温度検出センサ28eによって検出された吹出温度の変化が、基準値以下であると判定したら圧縮機11の運転および室内送風機21を停止させるものである。
または、本実施の形態1に係る空気調和装置100は、室内温度を検出する室内温度検出センサ28dを備えている。そして、コントローラ40は、暖房吸着モードを開始した後、暖房吸着モードの開始時における室内温度検出センサ28dによって検出された室内温度に応じて停止時間を算出し、該停止時間が経過したら圧縮機11の運転および室内送風機21を停止させるものである。
本実施の形態1に係る空気調和装置100によれば、暖房吸着モードを開始した後、上記のタイミングで停止させることで、吸着部材が飽和吸着量に達した後に停止させることができるため、高効率運転が可能となる。
また、本実施の形態1に係る空気調和装置100において、吸着部材は、相対湿度が40~100%の空気に対する単位質量あたりの平衡吸着量が、相対湿度の上昇に対して直線的に増加するものである。
本実施の形態1に係る空気調和装置100によれば、吸着部材は、相対湿度が40~100%の空気に対する単位質量あたりの平衡吸着量が、相対湿度の上昇に対して直線的に増加する。そのため、暖房吸着モードで吸脱着装置22を通過する空気に対する吸着部材の平衡吸着量と、暖房脱着モードで吸脱着装置22を通過する空気に対する吸着部材の平衡吸着量との差を大きくすることができる。そのため、吸着部材の吸着能力および脱着能力をより高めることができる。
また、本実施の形態1に係る空気調和装置100において、吸着部材は、相対湿度が80~100%の空気に対する単位質量あたりの平衡吸着量が、相対湿度が40~60%の空気に対する前記平衡吸着量に対して1.2倍以上である。
本実施の形態1に係る空気調和装置100によれば、吸着部材は、相対湿度が80~100%の空気に対する単位質量あたりの平衡吸着量が、相対湿度が40~60%の空気に対する前記平衡吸着量に対して1.2倍以上である。そのため、流入空気温度の低下による加湿能力の低下を抑制できる。
実施の形態2.
以下、本実施の形態2について説明するが、実施の形態1と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
吸脱着装置22は熱容量を持っているため、実施の形態1では、吸着運転である暖房吸着モードと、脱着運転である暖房脱着モードとの切替えが行われる時に熱損失が発生してしまう。また、実施の形態1では、第一室内熱交換器23と第二室内熱交換器24との間に吸脱着装置22が配置されているため、室内機20が大型化してしまう場合がある。
そこで、本実施の形態2では、第一室内熱交換器23および第二室内熱交換器24のいずれとも別体となる吸脱着装置22を設けずに、第一室内熱交換器23と吸着部材とが一体化した吸着熱交換器26を設ける。
[空気調和装置100の構成]
図10は、本実施の形態2に係る空気調和装置100の構成の一例を示す冷媒回路図である。図10に示すように、本実施の形態2では、実施の形態1における吸脱着装置22が除かれるとともに、第一室内熱交換器23と吸着部材とが一体化した吸着熱交換器26が設けられている。
吸着熱交換器26は、第二室内熱交換器24と直列に接続されるとともに、風路20aにおける第二室内熱交換器24の上流側に配置されている。吸着熱交換器26は、第一室内熱交換器23の表面に吸着部材が形成されている。吸着部材は、第一室内熱交換器23の表面に塗布または担持されることによって形成されている。吸着熱交換器26では、第一室内熱交換器23で蒸発した冷媒の蒸発熱を、空気を介さずに吸着部材の吸着反応に直接用いることができる。
次に、本実施の形態2に係る空気調和装置100の暖房運転時の暖房吸着モードおよび暖房脱着モードにおける動作について説明するが、冷房運転時における動作については説明を省略する。
(暖房吸着モード)
図11は、本実施の形態2に係る空気調和装置100の暖房吸着モード時における動作について説明するための概略図である。なお、図11中の黒矢印は冷媒の流れを示している。暖房吸着モード時において、圧縮機11から吐出された高温高圧のガス冷媒は、冷媒流路切替装置12を介して凝縮機として機能する第二室内熱交換器24に流入する。第二室内熱交換器24に流入した高温高圧のガス冷媒は、室内送風機21によって取り込まれた室内空気と熱交換して放熱しながら凝縮し、室内空気を加熱するとともに、高圧の液冷媒となって第二室内熱交換器24から流出する。第二室内熱交換器24から流出した高圧の液媒は、相対的に低開度に設定された第一膨張弁25によって減圧され、低温低圧の気液二相冷媒となり、蒸発器として機能する吸着熱交換器26に流入する。吸着熱交換器26に流入した低温低圧の気液二相冷媒は、室内送風機21によって取り込まれた室内空気と熱交換して吸熱しながら蒸発し、室内空気を冷却し、吸着熱交換器26から流出する。吸着熱交換器26から流出した低温低圧の二相冷媒は、相対的に高開度に設定された第二膨張弁14によって減圧された後、室外熱交換器13に流入する。
室外熱交換器13に流入した低温低圧の二相冷媒は、室外送風機15によって取り込まれた室外空気と熱交換して吸熱しながら蒸発し、室外空気を冷却するとともに加熱され、低圧のガス冷媒となって室外熱交換器13から流出する。室外熱交換器13から流出した低圧のガス冷媒は、圧縮機11へ吸入される。
図12は、本実施の形態2に係る空気調和装置100の暖房吸着モード時における空気の状態変化を示す湿り空気線図である。図12の横軸は温度[℃]を示し、縦軸は絶対湿度[kg/kg’]を示す。図12中の点A1、点B1、および、点C1は、図11中の(A1)、(B1)、および、(C1)の位置にそれぞれ対応している。また、暖房吸着モード時は、第二膨張弁14が相対的に高開度に設定されており、第一膨張弁25が相対的に低開度に設定されている。なお、図12は、吸着熱交換器26が水分の保持量が少ない状態、例えば周囲空気で飽和した状態での空気の状態変化を示す図であるものとする。
図12では、図6に示した実施の形態1の空気の状態変化を破線で示している。図12に示す点A1の空気の状態は、図6に示した点A1の空気の状態と同様である。また、図12に示す点B1および点C1の空気の状態は、図6に示した点C1および点D1の空気の状態とそれぞれ同様である。
実施の形態1では、第一室内熱交換器23での冷媒の蒸発熱が、風路20aを流れる空気を介して吸脱着装置22の吸着部材に伝達される。そのため、冷媒の蒸発熱が吸着部材以外の部材に放熱される熱損失が生じてしまう場合がある。
これに対し、本実施の形態2では、冷媒の蒸発熱が空気を介さずに吸着部材に直接伝達されるため、上記の熱損失の発生を防ぐことができ、吸着部材を高効率で冷却することができる。したがって、暖房吸着モードにおいて蒸発温度を高く設定することができるため、空気調和装置100の省エネルギー性を向上させることができる。
(暖房脱着モード)
図13は、本実施の形態2に係る空気調和装置100の暖房脱着モード時における動作について説明するための概略図である。なお、図13中の黒矢印は冷媒の流れを示している。暖房脱着モード時において、圧縮機11から吐出された高温高圧のガス冷媒は、冷媒流路切替装置12を介して凝縮機として機能する第二室内熱交換器24に流入する。第二室内熱交換器24に流入した高温高圧のガス冷媒は、室内送風機21によって取り込まれた室内空気と熱交換して放熱しながら凝縮し、室内空気を加熱するとともに、液冷媒となって第二室内熱交換器24から流出する。第二室内熱交換器24から流出した液媒は、相対的に高開度に設定された第一膨張弁25によって減圧された後、凝縮機として機能する吸着熱交換器26に流入する。吸着熱交換器26に流入した液冷媒は、室内送風機21によって取り込まれた室内空気と熱交換して放熱しながら凝縮し、室内空気を加熱して吸着熱交換器26から流出する。吸着熱交換器26から流出した液冷媒は、相対的に低開度に設定された第二膨張弁14によって減圧され、低温低圧の二相冷媒となり、室外熱交換器13に流入する。
室外熱交換器13に流入した低温低圧の二相冷媒は、室外送風機15によって取り込まれた室外空気と熱交換して吸熱しながら蒸発し、室外空気を冷却するとともに加熱され、室外熱交換器13から流出する。室外熱交換器13から流出した低圧のガス冷媒は、圧縮機11へ吸入される。
図14は、本実施の形態2に係る空気調和装置100の暖房脱着モード時における空気の状態変化を示す湿り空気線図である。図14の横軸は温度[℃]を示し、縦軸は絶対湿度[kg/kg’]を示す。図14中の点A2、点B2、および、点C2は、図13中の(A2)、(B2)、および、(C2)の位置にそれぞれ対応している。また、暖房脱着モード時は、第二膨張弁14が相対的に低開度に設定されており、第一膨張弁25が相対的に高開度に設定されている。なお、図14は、吸着熱交換器26が水分の保持量が多い状態、例えば暖房吸着モードで飽和した状態での空気の状態変化を示す図であるものとする。
図14では、図8に示した実施の形態1の空気の状態変化を破線で示している。図14に示す点A2の空気の状態は、図8に示した点A2の空気の状態と同様である。また、図14に示す点B2および点C2の空気の状態は、図8に示した点C2および点D2の空気の状態とそれぞれ同様である。
本実施の形態2に係る空気調和装置100の暖房運転時の暖房吸着モードと暖房脱着モードとの切替制御については、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
本実施の形態2に係る空気調和装置100は、圧縮機11および室外熱交換器13を有し、室外空間から室外空気を取り込んで室外空間に室外空気を排出する室外機10と、第一膨張弁25、第一室内熱交換器23、および、第二室内熱交換器24を有し、室内空間から室内空気を取り込んで室内空間に室内空気を供給する室内機20と、を備えた空気調和装置100であって、室外機10または室内機20に設けられた第二膨張弁14と、圧縮機11、第二室内熱交換器24、第一膨張弁25、第一室内熱交換器23、第二膨張弁14、室外熱交換器13、が順次配管で接続された冷媒回路と、第一膨張弁25および第二膨張弁14の開度を制御するコントローラ40と、を備え、第一室内熱交換器23の表面には、空気中の水分を吸着する吸着部材が形成されており、室内機20は、内部に取り込んだ室内空気が通過する風路20aが形成されており、第一室内熱交換器23、および、第二室内熱交換器24は風路20a上に配置されており、第二室内熱交換器24は、第一室内熱交換器23の下流側に配置されており、コントローラ40は、第一膨張弁25および第二膨張弁14の開度を制御し、第一室内熱交換器23により室内空気中の水分を吸着する暖房吸着モード、と、吸着した水分を脱着する暖房脱着モードとを備え、それらを切り替えることにより加湿制御を行うものである。
本実施の形態2に係る空気調和装置100によれば、室内空間から室内空気を取り込んで室内空間に室内空気を供給する室内機20を備えている。つまり、室内空間に供給する空気として、室外空気に比べて湿度の変動が少ない室内空気が用いられている。また、コントローラ40は、第一膨張弁25および第二膨張弁14の開度を制御し、第一室内熱交換器23により室内空気中の水分を吸着する暖房吸着モードと、吸着した水分を脱着する暖房脱着モードとを備え、それらを切り替えることにより加湿制御を行っている。つまり、第一室内熱交換器23の吸着部材の吸脱着にヒータが用いられていない。その結果、より少ない消費電力で安定した加湿能力を得ることができる。
また、冷媒の蒸発熱が空気を介さずに吸着部材に直接伝達されるため、冷媒の蒸発熱が吸着部材以外の部材に放熱される熱損失の発生を防ぐことができ、吸着部材を高効率で冷却することができる。したがって、暖房吸着モードにおいて蒸発温度を高く設定することができるため、空気調和装置100の省エネルギー性を向上させることができる。
10 室外機、10a 風路、11 圧縮機、12 冷媒流路切替装置、13 室外熱交換器、14 第二膨張弁、15 室外送風機、19 室外機制御基板、20 室内機、20a 風路、21 室内送風機、22 吸脱着装置、22a 多孔質平板、22b 小透孔、23 第一室内熱交換器、24 第二室内熱交換器、25 第一膨張弁、26 吸着熱交換器、27 室内機制御基板、28a 第一出口温度センサ、28b 第一入口温度センサ、28c 第二入口温度センサ、28d 室内温度検出センサ、28e 吹出温度検出センサ、28f 相対湿度検出センサ、28g 人感センサ、31 受信部、32 入力部、40 コントローラ、41 情報取得部、42 演算処理部、43 機器制御部、44 記憶部、51 伝送線、100 空気調和装置。

Claims (17)

  1. 圧縮機および室外熱交換器を有し、室外空間から室外空気を取り込んで前記室外空間に前記室外空気を排出する室外機と、第一膨張弁、第一室内熱交換器、および、第二室内熱交換器を有し、室内空間から室内空気を取り込んで前記室内空間に前記室内空気を供給する室内機と、を備えた空気調和装置であって、
    前記室外機または前記室内機に設けられた第二膨張弁と、
    前記圧縮機、前記第二室内熱交換器、前記第一膨張弁、前記第一室内熱交換器、前記第二膨張弁、前記室外熱交換器、が順次配管で接続された冷媒回路と、
    空気中の水分を吸着する吸着部材を有する吸脱着装置と、
    前記第一膨張弁および前記第二膨張弁の開度を制御するコントローラと、を備え、
    前記室内機は、内部に取り込んだ前記室内空気が通過する風路が形成されており、
    前記第一室内熱交換器、前記吸脱着装置、および、前記第二室内熱交換器は前記風路上に配置されており、
    前記第二室内熱交換器は、前記第一室内熱交換器の下流側に配置され、前記吸脱着装置は、前記第一室内熱交換器の下流側であって前記第二室内熱交換器の上流側に配置されており、
    前記コントローラは、前記第一膨張弁および前記第二膨張弁の開度を制御し、前記吸脱着装置により前記室内空気中の水分を吸着する暖房吸着モードと、吸着した前記水分を脱着する暖房脱着モードとを備え、それらを切り替えることにより加湿制御を行う
    空気調和装置。
  2. 前記吸脱着装置は、多孔質平板で構成されている
    請求項1に記載の空気調和装置。
  3. 前記多孔質平板は、該多孔質平板の厚さ方向に空気を通過させる複数の小透孔が形成された通風体である
    請求項2に記載の空気調和装置。
  4. 圧縮機および室外熱交換器を有し、室外空間から室外空気を取り込んで前記室外空間に前記室外空気を排出する室外機と、第一膨張弁、第一室内熱交換器、および、第二室内熱交換器を有し、室内空間から室内空気を取り込んで前記室内空間に前記室内空気を供給する室内機と、を備えた空気調和装置であって、
    前記室外機または前記室内機に設けられた第二膨張弁と、
    前記圧縮機、前記第二室内熱交換器、前記第一膨張弁、前記第一室内熱交換器、前記第二膨張弁、前記室外熱交換器、が順次配管で接続された冷媒回路と、
    前記第一膨張弁および前記第二膨張弁の開度を制御するコントローラと、を備え、
    前記第一室内熱交換器の表面には、空気中の水分を吸着する吸着部材が形成されており、
    前記室内機は、内部に取り込んだ前記室内空気が通過する風路が形成されており、
    前記第一室内熱交換器、および、前記第二室内熱交換器は前記風路上に配置されており、
    前記第二室内熱交換器は、前記第一室内熱交換器の下流側に配置されており、
    前記コントローラは、前記第一膨張弁および前記第二膨張弁の開度を制御し、前記第一室内熱交換器により前記室内空気中の水分を吸着する暖房吸着モード、と、吸着した前記水分を脱着する暖房脱着モードとを備え、それらを切り替えることにより加湿制御を行う
    空気調和装置。
  5. 前記コントローラは、
    前記暖房吸着モード時は、前記第一膨張弁の開度を前記第二膨張弁の開度と比較して低開度に設定し、
    前記暖房脱着モード時は、前記第一膨張弁の開度を前記第二膨張弁の開度と比較して高開度に設定する
    請求項1~4のいずれか一項に記載の空気調和装置。
  6. 前記コントローラは、
    前記加湿制御を開始したら、前記暖房脱着モードから開始し、その後、前記暖房吸着モードに切り替える
    請求項1~5のいずれか一項に記載の空気調和装置。
  7. 前記室内空間の人の有無を検出する人感センサを備え、
    前記コントローラは、
    前記人感センサによって人を検出した場合は前記暖房脱着モードを開始し、
    前記人感センサによって人を検出しなくなった場合は前記暖房吸着モードに切り替える
    請求項6に記載の空気調和装置。
  8. 外部機器の電源のONおよびOFFの情報を受信する受信部を備え、
    前記コントローラは、
    前記受信部によって前記外部機器の電源がONしたことを受信した場合は前記暖房脱着モードを開始し、
    前記受信部によって前記外部機器の電源がOFFしたことを受信した場合は前記暖房吸着モードに切り替える
    請求項6に記載の空気調和装置。
  9. 外部機器の電源のONおよびOFFが入力される入力部を備え、
    前記コントローラは、
    前記入力部から前記外部機器の電源のONが入力されたことを検出した場合は前記暖房脱着モードを開始し、
    前記入力部から前記外部機器の電源のOFFが入力されたことを検出した場合は前記暖房吸着モードに切り替える
    請求項6に記載の空気調和装置。
  10. 前記第一室内熱交換器および前記第二室内熱交換器に対して前記室内空気を供給する室内送風機と、
    前記室内空間の相対湿度を検出する相対湿度検出センサと、を備え、
    前記コントローラは、
    前記暖房吸着モードにおいて、
    前記相対湿度検出センサによって検出された相対湿度があらかじめ設定された値以下である場合は、前記室内送風機および前記圧縮機を運転させ、
    前記相対湿度検出センサによって検出された相対湿度があらかじめ設定された値よりも大きい場合は、前記室内送風機を運転させ、前記圧縮機の運転を停止させる
    請求項1~9のいずれか一項に記載の空気調和装置。
  11. 前記コントローラは、
    前記暖房吸着モードを開始した後、あらかじめ設定された時間が経過したら前記圧縮機の運転および前記室内送風機を停止させる
    請求項10に記載の空気調和装置。
  12. 前記室内機の吹出温度を検出する吹出温度検出センサを備え、
    前記コントローラは、
    前記暖房吸着モードを開始した後、
    あらかじめ設定された時間内における、前記吹出温度検出センサによって検出された前記吹出温度の変化が、基準値以下であると判定したら前記圧縮機の運転および前記室内送風機を停止させる
    請求項10に記載の空気調和装置。
  13. 前記室内空間の温度を検出する室内温度検出センサを備え、
    前記コントローラは、
    前記暖房吸着モードを開始した後、
    前記暖房吸着モードの開始時における前記室内温度検出センサによって検出された前記室内空間の温度に応じて停止時間を算出し、該停止時間が経過したら前記圧縮機の運転および前記室内送風機を停止させる
    請求項10に記載の空気調和装置。
  14. 前記風路は、前記暖房吸着モードと前記暖房脱着モードとで同一経路である
    請求項1~13のいずれか一項に記載の空気調和装置。
  15. 前記第一室内熱交換器の出口温度を検出する第一出口温度センサと、
    前記第一室内熱交換器の入口温度を検出する第一入口温度センサと、
    前記第二室内熱交換器の入口温度を検出する第二入口温度センサと、を備え、
    前記コントローラは、
    前記暖房吸着モードにおいて、
    前記第一入口温度センサによって検出された前記入口温度が、あらかじめ設定された値となるように前記第一膨張弁を制御し、
    前記暖房脱着モードにおいて、
    前記第一入口温度センサによって検出された前記入口温度と、前記第一出口温度センサによって検出された前記出口温度との差が、あらかじめ設定された値となるように前記第二膨張弁を制御する
    請求項1~14のいずれか一項に記載の空気調和装置。
  16. 前記吸着部材は、
    相対湿度が40~100%の空気に対する単位質量あたりの平衡吸着量が、相対湿度の上昇に対して直線的に増加する
    請求項1~15のいずれか一項に記載の空気調和装置。
  17. 前記吸着部材は、
    相対湿度が80~100%の空気に対する単位質量あたりの平衡吸着量が、相対湿度が40~60%の空気に対する前記平衡吸着量に対して1.2倍以上である
    請求項1~16のいずれか一項に記載の空気調和装置。
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