JP7059979B2 - スポット溶接部材 - Google Patents

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Description

本発明はスポット溶接部材に関する。
自動車、家電、建材などの分野においては、防錆性を向上させるために様々な表面処理を施が施された鋼板が使用されている。中でも、亜鉛系めっき鋼板は、その防錆性の高さから、極めて広く用いられている。
とくに、自動車の分野では、車体の軽量化と衝突安全性の確保を両立させるために母材鋼板の高強度化が進められており、その結果、亜鉛系めっき層を有する高強度鋼板(高強度亜鉛系めっき鋼板)の使用が増加している。
しかし、自動車車体の素材として高強度亜鉛系めっき鋼板を使用した場合、以下に述べるような問題がある。
一般的に、自動車車体の組み立てや部品の取り付けにおいては、スポット溶接が用いられる。スポット溶接される板組が高強度亜鉛系めっき鋼板を含んでいる場合、溶接部に割れが生じやすい。これは、亜鉛系めっき層は一般的に低融点であるため、溶接中にめっき層が液相化し、母材鋼板の結晶粒界に浸入して粒界強度を低下させるためであると考えられている。このような液相化した金属による強度低下は、一般的に液体金属脆化(Liquid Metal Embrittlement, LME)と呼ばれ、液体金属脆化によって発生する割れは、液体金属脆化(LME)割れと呼ばれる。
また、高強度鋼板にめっきを施さなかったとしても、該高強度鋼板と溶接される相手材が亜鉛系めっき層を有している場合には、やはり高強度鋼板の溶接部に割れが生じることが知られている。このように、めっき層を有しない高強度鋼板に生じるLME割れを、もらいLME割れと称する。
上記もらいLME割れは、電極の打角がある状態でスポット溶接が行われる場合にとくに顕著である。ここで、打角があるとは、溶接電極の軸が鋼板の表面に対して垂直ではない状態を指す。
そこで、亜鉛系めっき鋼板をスポット溶接した際のLME割れを防止するために、様々な検討がなされている。
例えば、特許文献1では、スポット溶接に先だって、溶接される部分のめっき層を除去することにより、LME割れを防止する技術が提案されている。
国際公開第2016/159169号
しかし、特許文献1で提案されている技術では、事前にめっき層を除去する工程が必要であるため、製造コストが増加する。また、めっき層を除去しているため、溶接部の耐食性が低下すると考えられる。
本発明は、上記課題を解決することを目的としたものであり、高強度冷延鋼板を含むにもかかわらず、溶接部におけるもらいLME割れが抑制されており、かつめっき層を除去することなく製造可能なスポット溶接部材を提供することを目的とする。
発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、スポット溶接部のコロナボンドの内部における表層Zn濃度を制御することにより、もらいLME割れの発生を抑制できることを知見した。
本発明は、上記知見に立脚するものであり、その要旨構成は次のとおりである。
1.複数の鋼板がスポット溶接されたスポット溶接部材であって、
前記複数の鋼板の少なくとも1つが、表面にめっき層を有しない、引張強さが780MPa以上の高強度冷延鋼板であり、
前記複数の鋼板の少なくとも1つが、表面に亜鉛系めっき層を有する亜鉛系めっき鋼板であり、
スポット溶接部のコロナボンドの内部における表層Zn濃度が1質量%以上、25質量%未満である、スポット溶接部材。
2.前記亜鉛系めっき層中のAl濃度が0.20質量%以上である、上記1に記載のスポット溶接部材。
3.前記亜鉛系めっき層中のMg濃度が5.0質量%以下である、上記1または2に記載のスポット溶接部材。
4.前記高強度冷延鋼板が、質量%で、
C :0.01~0.35%、
Si:0.02~2.00%、
Mn:1.0~4.0%、
P :0.060%以下、
S :0.010%以下、
Al:0.010~1.000%、および
N :0.0005~0.0100%を含有し、
残部がFeおよび不可避不純物からなる成分組成を有する、上記1~3のいずれか一項に記載のスポット溶接部材。
5.前記成分組成が、さらに、質量%で、
Nb:1.00%以下、
Ti:0.100%以下、および
B :0.0050%以下からなる群より選択される少なくとも1つを含有する、上記4に記載のスポット溶接部材。
6.前記成分組成が、さらに、質量%で、
V :0.100%以下、
Mo:0.50%以下、
Cr:1.00%以下、
Cu:1.00%以下、
Ni:0.50%以下、
As:0.500%以下、
Sb:0.200%以下、
Sn:0.200%以下、
Ta:0.100%以下、
Ca:0.0200%以下、
Mg:0.0200%以下、
Zn:0.020%以下、
Co:0.020%以下、
Zr:0.020%以下、および
REM:0.0200%以下
からなる群より選択される少なくとも1つを含有する、上記4または5に記載のスポット溶接部材。
本発明によれば、スポット溶接部材が高強度冷延鋼板を含むにもかかわらず、溶接部におけるもらいLME割れを抑制することができる。また、本発明のスポット溶接部材は、めっき層を除去することなく製造可能である。したがって、めっき層を除去して製造されるスポット溶接部材に比べて、生産性に優れているとともに、溶接部の耐食性にも優れる。
打角が0°の場合のスポット溶接方法を示す模式図である。 打角が0°超の場合のスポット溶接方法を示す模式図である。 打角が0°の場合のスポット溶接部材の断面構造の一例を示す模式図である。 打角が0°超の場合のスポット溶接部材の断面構造の一例を示す模式図である。 表層Zn濃度の測定位置を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明における「%」は、特に断らない限り単に「質量%」を指すものとする。
[スポット溶接部材]
本発明のスポット溶接部材は、複数の鋼板がスポット溶接されたスポット溶接部材である。前記複数の鋼板の枚数はとくに限定されず、2以上であればよい。一方、前記複数の鋼板の枚数の上限についてもとくに限定されないが、3枚以下とすることが好ましい。
[高強度冷延鋼板]
上記複数の鋼板のうち、少なくとも1つは、表面にめっき層を有しない、引張強さが780MPa以上の高強度冷延鋼板である。上述したように、スポット溶接時に生じるLME割れは、鋼板の高強度化に伴って顕在化した問題である。引張強さ780MPa未満の鋼板においては、亜鉛系めっき鋼板とスポット溶接した場合でも、もらいLME割れが生じることはない。したがって、高強度冷延鋼板の引張強さは780MPa以上とする。一方、前記引張強さの上限はとくに限定されないが、1.8GPa以下であってよい。
上記高強度冷延鋼板の成分組成は限定されないが、以下に述べる成分組成を有する高強度冷延鋼板を用いることが好ましい。
C:0.01~0.35%
Cは、マルテンサイトなどの組織を形成することで鋼板の強度を向上させる効果を有する元素である。前記効果を得るためには、C含有量を0.01%以上とすることが好ましい。一方、C含有量が0.35%以下であれば、スポット溶接部の靱性を向上させることができる。そのため、C含有量は0.35%以下とすることが好ましい。C含有量は0.08~0.25%とすることがより好ましい。
Si:0.02~2.00%
Siは、鋼を強化して良好な材質を得るのに有効な元素である。そのためSi含有量を0.02%以上とすることが好ましい。一方、Si含有量が2.00%以下であれば、高強度冷延鋼板のめっき性を向上させることができる。そのため、Si含有量は2.00%以下とすることが好ましい。Si含有量は0.25~1.60%とすることがより好ましい。
Mn:1.0~4.0%
Mnは、鋼の高強度化に有効な元素である。高強度冷延鋼板の機械特性および強度を向上させるという観点からは、Mn含有量を1.0%以上とすることが好ましい。一方、Mn含有量が4.0%以下であれば、焼鈍時の表面濃化が抑制され、めっき密着性が向上する。そのため、Mn含有量は4.0%以下とすることが好ましい。Mn含有量は0.25~3.00%とすることがより好ましい。
P:0.060%以下
Pは、フェライトの強化に有効な元素であり、適量添加することにより強度と延性のバランスが向上する。また、P含有量が0.060%以下であれば、鋳造時のオーステナイト粒界へのPの偏析に起因する粒界脆化を抑制できる。そのため、強度と延性のバランスを向上させるという観点からは、P含有量を0.060%以下ことが好ましく、0.020%以下とすることがより好ましい。
S:0.010%以下
Sは、鋼中でMnSなどの介在物を形成する。前記介在物は、耐衝撃性の劣化や溶接部のメタルフローに沿った割れの原因となるため、S含有量は極力低減することが望ましい。そのため、S含有量は0.010%以下とすることが好ましい。また、良好な伸びフランジ性を確保するという観点からは、S含有量を0.005%以下とすることがより好ましい。
Al:0.010~1.000%
Alは、焼鈍時の冷却工程での炭化物の生成を抑制し、マルテンサイトの生成を促進することができる元素であり、鋼板の強度確保のために有効である。前記効果を得るには、Al含有量を0.010%以上とすることが好ましい。一方、Al含有量が1.000%を超えると、鋼板中の介在物が多くなり、局部変形能が低下するため、延性が悪化する。そのため、Al含有量は1.000%以下とすることが好ましい。Al含有量は0.020%以上0.500%以下とすることがより好ましい。
N:0.0005%以上0.0100%以下
Nは、Alと結合して窒化物を形成する。また、Nは、Bが含有された場合にはBNを形成する。N含有量が多いと粗大な窒化物が多量に生じるため、局部変形能が低下し、延性が悪化する。また、伸びフランジ性も低下する。そのため、N含有量は0.0100%以下とすることが好ましい。一方、生産性の観点からは、N含有量は0.0005%以上とすることが好ましい。N含有量は、0.0010%以上0.0070%以下とすることがより好ましく、0.0015%以上0.0050%以下とすることがさらに好ましい。
本発明の一実施形態においては、上記各元素を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる成分組成を有する高強度冷延鋼板を用いることができる。前記不可避不純物には、製造中に不可避的に混入する成分に加えて、本発明の効果を害さない範囲で任意に含有される成分も包含するものとする。
また、本発明の他の実施形態においては、上記成分組成は、さらに任意にNb、Ti、およびBからなる群より選択される少なくとも1つを含有することができる。
Nb:1.00%以下
Nbは、鋼の析出強化に有効な元素である。しかし、Nb含有量が1.00%を超えると鋼板の形状凍結性が低下する。そのため、Nb含有量は1.00%以下とすることが好ましく、0.50%以下とすることがより好ましい。一方、Nb含有量の下限はとくに限定されないが、Nbの添加効果を高めるという観点からは、Nb含有量を0.002%以上とすることが好ましく、0.005%以上とすることがより好ましい。
Ti:0.100%以下
Tiは、Nbと同様、鋼の析出強化に有効な元素である。しかし、Ti含有量が0.100%を超えると鋼板の形状凍結性が低下する。そのため、Tiを添加する場合、Ti含有量は0.100%以下とすることが好ましく、0.050%以下とすることがより好ましい。一方、Ti含有量の下限はとくに限定されないが、Tiの添加効果を高めるという観点からは、Ti含有量を0.002%以上とすることが好ましく、0.005%以上とすることがより好ましい。
B:0.0050%以下
Bは、オーステナイト粒界からのフェライト生成および成長を抑制する作用を有する元素である。しかし、過剰なBの添加は成形性を大きく損なう。そのため、Bを添加する場合、B含有量は0.0050%以下とすることが好ましく0.0030%以下とすることがより好ましい。一方、B含有量の下限はとくに限定されないが、Bの添加効果を高めるという観点からは、B含有量を0.0002%以上とすることが好ましく、0.0003%以上とすることがより好ましく、0.0005%以上とすることがさらに好ましい。
また、本発明の他の実施形態においては、上記成分組成は、さらに任意に以下に記載する成分の少なくとも1つを含有することができる。
V:0.100%以下
Vは、TiおよびNbと同様、鋼の析出強化に有効な元素である。しかし、V含有量が0.100%を超えると鋼板の形状凍結性が低下する。そのため、Vを添加する場合、V含有量は0.100%以下とすることが好ましく、0.050%以下とすることがより好ましい。一方、Vの添加効果を高めるという観点からは、V含有量を0.001%以上とすることが好ましく、0.005%以上とすることがより好ましい。
Mo:0.50%以下
Moは焼き入れ性を向上させることができる元素である。また、Moは、焼き戻しマルテンサイト及び焼き入れマルテンサイトを生成するのに有効な元素である。しかし、0.50%を超えてMoを添加してもさらなる効果の向上は見込めない。その上、Mo含有量が0.50%を超えると、介在物の増加により鋼板の表面および内部に欠陥が生じ、その結果、延性が低下する。そのため、Moを含有する場合、Mo含有量は0.50%以下とすることが好ましく、0.35%以下とすることがより好ましい。一方、Mo含有量の下限はとくに限定されないが、Moの添加効果を高めるという観点からは、Mo含有量を0.01%以上とすることが好ましく、0.02%以上とすることがより好ましい。
Cr:1.00%以下
Crは、固溶強化元素である。また、Crは、冷延鋼板製造時の冷却過程および焼鈍時の冷却過程においてオーステナイトを安定化し、焼き戻しマルテンサイトおよび焼き入れマルテンサイトの生成を容易にする作用を有している。しかし、Cr含有量が1.00%を超えると、熱間圧延中に表層割れを起こすおそれがある。その上、Cr含有量が1.00%を超えると、介在物の増加により鋼板の表面および内部に欠陥が生じ、その結果、延性が大きく低下する。また、伸びフランジ性も低下する。そのため、Crを含有する場合、Cr含有量は1.00%以下とすることが好ましく、0.80%以下とすることがより好ましい。一方、Cr含有量の下限はとくに限定されないが、Crの添加効果を高めるという観点からは、Cr含有量を0.01%以上とすることが好ましく、0.05%以上とすることがより好ましい。
Cu:1.00%以下
Cuは、Crと同様、固溶強化元素である。また、Cuは、冷延鋼板製造時の冷却過程および焼鈍時の冷却過程においてオーステナイトを安定化し、焼き戻しマルテンサイトおよび焼き入れマルテンサイトの生成を容易にする作用を有している。しかし、Cu含有量が1.00%を超えると、熱間圧延中に表層割れを起こすおそれがある。その上、Cu含有量が1.00%を超えると、介在物の増加により鋼板の表面および内部に欠陥が生じ、その結果、延性が大きく低下する。また、伸びフランジ性も低下する。そのため、Cuを含有する場合、Cu含有量は1.00%以下とすることが好ましく、0.80%以下とすることがより好ましい。一方、Cu含有量の下限はとくに限定されないが、Cuの添加効果を高めるという観点からは、Cu含有量を0.01%以上とすることが好ましく、0.05%以上とすることがより好ましい。
Ni:0.50%以下
Niは、固溶強化および変態強化により高強度化に寄与する元素である。しかし、Niを過剰に含有すると熱間圧延中に表層割れを起こすおそれがある。また、Ni含有量が0.50%を超えると、介在物の増加により鋼板の表面および内部に欠陥が生じ、その結果、延性が大きく低下する。そのため、Niを含有する場合、Ni含有量は0.50%以下とすることが好ましく、0.40%以下とすることがより好ましい。一方、Ni含有量の下限はとくに限定されないが、Niの添加効果を高めるという観点からは、Ni含有量を0.01%以上とすることが好ましく、0.05%以上とすることがより好ましい。
As:0.500%以下
Asは耐食性向上に有効な元素である。しかし、Asを過剰に含有した場合、赤熱脆性が顕著となる上に、介在物の増加により鋼板の表面および内部に欠陥が生じる。そのため、Asを含有する場合、As含有量を0.500%以下とすることが好ましく、0.300%以下とすることがより好ましい。一方、As含有量の下限はとくに限定されないが、Asの添加効果を高めるという観点からは、As含有量を0.001%以上とすることが好ましく、0.003%以上とすることがより好ましい。
Sb:0.200%以下
Sbは、鋼板表面の脱炭を抑制する作用を有する元素であり、任意に含有することができる。脱炭を抑制すると、鋼板表面におけるマルテンサイトの減少を防止することができるため、Sbの添加は強度確保の観点から有効である。しかし、Sbを含有する場合、過剰な添加を避けるという観点からは、Sb含有量を0.200%以下とすることが好ましく、0.150%以下とすることが好ましい。一方、Sb含有量の下限はとくに限定されないが、Sbの添加効果を高めるという観点からは、Sb含有量を0.001%以上とすることが好ましく、0.002%以上とすることがより好ましい。
Sn:0.200%以下
Snは、Sbと同様、鋼板表面の脱炭を抑制する作用を有する元素であり、任意に含有することができる。脱炭を抑制すると、鋼板表面におけるマルテンサイトの減少を防止することができるため、Snの添加は強度確保の観点から有効である。しかし、Snを含有する場合、過剰な添加を避けるという観点からは、Sn含有量を0.200%以下とすることが好ましく、0.150%以下とすることが好ましい。一方、Sn含有量の下限はとくに限定されないが、Snの添加効果を高めるという観点からは、Sn含有量を0.001%以上とすることが好ましく、0.002%以上とすることがより好ましい。
Ta:0.100%以下
Taは、合金炭化物や合金炭窒化物を生成して高強度化に寄与する元素である。加えて、Taには、Nb炭化物やNb窒化物に一部固溶し、複合析出物を生成して析出物の粗大化を著しく抑制し、析出強化による鋼板の強度向上への寄与率を安定化させる効果があると考えられる。しかし、過剰に添加しても効果が飽和する上に、介在物が増加することによる鋼板表面および内部の欠陥が生じる。そのため、Taを含有する場合、Ta含有量を0.100%以下とすることが好ましく、0.008%以下とすることがより好ましい。一方、Ta含有量の下限はとくに限定されないが、Taの添加効果を高めるという観点からは、Ta含有量を0.001%以上とすることが好ましく、0.002%以上とすることがより好ましい。
Ca:0.0200%以下
Caは、脱酸に用いることができる元素である。また、Caは、硫化物の形状を球状化し、延性、特に局部延性への硫化物の悪影響を低減するために有効な元素である。しかし、過剰な添加は介在物の増加による鋼板表面および内部の欠陥を引き起こす原因となる。そのため、Caを含有する場合、Ca含有量を0.0200%以下とすることが好ましく、0.0100%以下とすることがより好ましい。一方、Ca含有量の下限はとくに限定されないが、Caの添加効果を高めるという観点からは、Ca含有量を0.0001%以上とすることが好ましく、0.0002%以上とすることがより好ましい。
Mg:0.0200%以下
Mgは、Caと同様、脱酸に用いることができる元素である。また、Mgは、硫化物の形状を球状化し、延性、特に局部延性への硫化物の悪影響を低減するために有効な元素である。しかし、過剰な添加は介在物の増加による鋼板表面および内部の欠陥を引き起こす原因となる。そのため、Mgを含有する場合、Mg含有量を0.0200%以下とすることが好ましく、0.0100%以下とすることがより好ましい。一方、Mg含有量の下限はとくに限定されないが、Mgの添加効果を高めるという観点からは、Mg含有量を0.0001%以上とすることが好ましく、0.0002%以上とすることがより好ましい。
Zn:0.020%以下
Znは、硫化物の形状を球状化し、局部延性および伸びフランジ性への硫化物の悪影響を改善するために有効な元素である。しかし、Zn含有量が0.020%を超えると、介在物が増加し、鋼板表面および内部の欠陥を引き起こす原因となる。そのため、Znを含有する場合、Zn含有量は0.020%以下とすることが好ましく、0.015%以下とすることがより好ましい。一方、Zn含有量の下限はとくに限定されないが、Znの添加効果を高めるという観点からは、Zn含有量を0.001%以上とすることが好ましく、0.002%以上とすることがより好ましい。
Co:0.020%以下
Coは、Znと同様、硫化物の形状を球状化し、局部延性および伸びフランジ性への硫化物の悪影響を改善するために有効な元素である。しかし、Co含有量が0.020%を超えると、介在物が増加し、鋼板表面および内部の欠陥を引き起こす原因となる。そのため、Coを含有する場合、Co含有量は0.020%以下とすることが好ましく、0.015%以下とすることがより好ましい。一方、Co含有量の下限はとくに限定されないが、Coの添加効果を高めるという観点からは、Co含有量を0.001%以上とすることが好ましく、0.002%以上とすることがより好ましい。
Zr:0.020%以下
Zrは、ZnおよびCoと同様、硫化物の形状を球状化し、局部延性および伸びフランジ性への硫化物の悪影響を改善するために有効な元素である。しかし、Zr含有量が0.020%を超えると、介在物が増加し、鋼板表面および内部の欠陥を引き起こす原因となる。そのため、Zrを含有する場合、Zr含有量は0.020%以下とすることが好ましく、0.015%以下とすることがより好ましい。一方、Zr含有量の下限はとくに限定されないが、Zrの添加効果を高めるという観点からは、Zr含有量を0.001%以上とすることが好ましく、0.002%以上とすることがより好ましい。
REM:0.0200%以下
REM(希土類金属)は、高強度化および耐食性の向上に有効な元素である。しかし、過剰なREMの含有は、介在物の増加に伴う鋼板表面および内部の欠陥を引き起こす原因となる。そのため、REMを含有する場合、REM含有量は0.0200%以下とすることが好ましく、0.0150%以下とすることがより好ましい。一方、REM含有量の下限はとくに限定されないが、REMの添加効果を高めるという観点からは、REM含有量を0.0001%以上とすることが好ましく、0.0005%以上とすることがより好ましい。
[亜鉛系めっき鋼板]
上記複数の鋼板のうち、少なくとも1つは、表面に亜鉛系めっき層を有する亜鉛系めっき鋼板である。前記亜鉛系めっき鋼板としては、少なくとも一方の面に亜鉛系めっき層を有する鋼板を用いることができる。
前記亜鉛系めっき層としては、亜鉛めっき層および亜鉛合金めっき層のいずれも用いることができる。言い換えると、前記亜鉛系めっき鋼板は、亜鉛めっき鋼板であってもよく、亜鉛合金めっき鋼板であってもよい。前記亜鉛合金めっき層としては、とくに限定されず、任意の亜鉛合金からなるめっき層を用いることができる。前記亜鉛合金めっき層としては、Zn-Al、Zn-Al-Mg、Zn-Al-Si、Zn-Al-Mg-Si、およびZn-Al-Mg-Niからなる群より選択されるいずれかの組成を有する亜鉛合金めっき層を用いることが好ましい。
前記亜鉛系めっき鋼板の亜鉛系めっき層は、任意の方法で形成することができるが、溶融めっき法で形成することが好ましい。また、溶融めっき法によりめっき層を形成した後に、さらに合金化処理を施して合金化溶融めっき層とすることも好ましい。すなわち、前記亜鉛系めっき鋼板は、溶融亜鉛系めっき鋼板または合金化溶融亜鉛系めっき鋼板であることが好ましい。
[表層Zn濃度]
本発明者らは、スポット溶接部材のナゲット近傍を精査し、その結果、コロナボンドの内部における表層Zn濃度が25%未満である場合には、もらいLME割れが発生していないことを見出した。これは、表層Zn濃度が低い場合には液相化温度が高くなり、液相化が抑制されるためであると考えられる。反対に、表層Zn濃度が25%以上である場合には、高強度冷延鋼板にもらいLME割れが生じていた。そのため、コロナボンドの内部における表層Zn濃度は25%未満、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下とする。
一方、前記表層Zn濃度が1%未満であると耐食性が低下する。高強度冷延鋼板を含むスポット溶接部材は、一般的に耐食性が要求される用途に用いられることから、耐食性を確保するために、前記表層Zn濃度は1%以上、好ましくは1.5%以上、より好ましくは2.0%以上とする。
なお、コロナボンドの内部における表層Zn濃度は、エネルギー分散型X線分析(EDX)を用いて測定することができる。より具体的には、実施例に記載する方法で測定するものとする。
表層Zn濃度を上記範囲内に制御するための手法はとくに限定されず、任意の方法を用いることができる。本発明の一実施形態においては、上記亜鉛系めっき層の組成を以下に述べるように調整することによって、表層Zn濃度を制御することができる。
表層Zn濃度を低減するという観点からは、前記亜鉛合金めっき層として、Alを含有する亜鉛合金めっき層を用いることが好ましい。具体的には、前記亜鉛合金めっき層におけるAl濃度を0.20%以上とすることが好ましく、1.5%以上とすることがより好ましく、3.0%以上とすることがさらに好ましい。一方、前記亜鉛合金めっき層におけるAl濃度の上限については、とくに限定されない。しかし、スポット溶接における連続打点性の観点からは、前記Al濃度を10%以下とすることが好ましく、8.0%以下とすることがより好ましい。
また、本発明の一実施形態においては、前記高強度冷延鋼板の引張強さに応じた前記亜鉛合金めっき層におけるAl濃度とすることが好ましい。具体的には、前記高強度冷延鋼板の引張強さが980MPa以上である場合は、前記亜鉛合金めっき層におけるAl濃度を2.5%以上とすることが好ましい。前記高強度冷延鋼板の引張強さが1180MPa以上である場合は、前記亜鉛合金めっき層におけるAl濃度を3.5%以上とすることが好ましい。前記高強度冷延鋼板の引張強さが1470MPa以上である場合は、前記亜鉛合金めっき層におけるAl濃度を4.0%以上とすることが好ましい。
前記亜鉛合金めっき層としては、Mgを含有する亜鉛合金めっき層を用いることもできる。しかし、表層Zn濃度を低減するという観点からは、前記亜鉛合金めっき層におけるMg濃度は低い方が好ましい。具体的には、前記亜鉛合金めっき層におけるMg濃度を5.0%以下とすることが好ましく、3.0%以下とすることがより好ましく、1.0%未満とすることがさらに好ましく、0.9%以下とすることが特に好ましい。一方、表層Zn濃度を低減するという観点からは、Mg濃度は低ければ低いほどよいため、前記Mg濃度の下限は0%であってよい。言い換えると、前記亜鉛合金めっき層におけるMg濃度を0~5.0%とすることが好ましい。
本発明の一実施形態においては、0.2%以上のAlを含有し、残部がZnおよび不可避不純物からなる組成を有する亜鉛系めっき層を用いることができる。また、本発明の他の実施形態においては、0.2%以上のAl、および5.0%以下のMgを含有し、残部がZnおよび不可避不純物からなる組成を有する亜鉛系めっき層を用いることができる。
さらに、本発明の他の実施形態においては、上記亜鉛系めっき層の成分組成は、さらに任意にNiを含有することができる。Niを添加することにより、めっき処理の際のめっき浴と鋼板の反応性(めっき性)を高めるためことができる。しかし、Niはドロス発生の原因となる金属間化合物を形成するため、浴中へ過剰なNiの投入は、ドロスの付着に起因する製品欠陥を引き起こすことがある。そのため、Niを添加する場合、上記亜鉛系めっき層の成分組成におけるNi含有量を5.0%以下とすることが好ましく、1.0%以下とすることがより好ましい。
また、上記亜鉛系めっき層には、めっき浴中に不純物として存在する元素が不可避不純物として取り込まれる場合がある。前記不純物元素としては、例えば、Zn、Fe、Cr、Pb、Snなどが挙げられる。また、上記任意成分の含有量が上記下限値未満の場合には、上記任意成分は不可避不純物として含まれるとする。
なお、スポット溶接時の熱の影響を受けた部位(熱影響部)では、めっき層の構造および組成が変化するが、熱の影響を受けていない部位(非熱影響部)では、溶接前のめっき層の組成が維持されている。したがって、非熱影響部におけるめっき層の組成は、溶接前のめっき層の組成とみなせる。
[スポット溶接]
本発明のスポット溶接部材は、少なくとも上記高強度冷延鋼板と上記亜鉛系めっき鋼板を含む複数の鋼板をスポット溶接することによって製造することができる。スポット溶接の方法は特に限定されず、任意の方法で行うことができる。例えば、前記複数の鋼板を重ね合わせ、次いで、対向して配置された溶接電極で前記複数の鋼板を挟持する。そして、前記溶接電極で前記複数の鋼板を加圧しながら前記溶接電極間に通電することにより、スポット溶接を行うことができる。なお、前記亜鉛系めっき鋼板が一方の面にのみ亜鉛系めっき層を有する場合には、該亜鉛系めっき鋼板の亜鉛系めっき層を有する面が、前記高強度冷延鋼板と対向するように前記複数の鋼板を重ね合わせればよい。
・電極の打角:0°超10°以下
打角が0°の場合には、上記した本発明の課題は生じない。そのため、打角は0°超とすることが好ましく、3°以上とすることが好ましく、5°以上とすることがより好ましい。一方、溶接時の板ずれを防止する観点より、打角は10°以下とすることが好ましい。
ここで、図1および2を参照して、スポット溶接における打角について説明する。スポット溶接は、複数の鋼板を重ね合わせた板組を一対の溶接電極で挟み、加圧しながら前記溶接電極間に通電することによって行われる。その際、基本的には図1に示すように、溶接電極100は鋼板110の表面に垂直とされる。しかし、実際の製品の製造においては、図2に示すように、鋼板110に対し溶接電極100が傾斜した状態でスポット溶接が行われることも多い。この時、鋼板110の表面に垂直な線と、溶接電極100の軸線とがなす角θを、スポット溶接における打角という。したがって、図1に示した場合の打角は0°である。
一方、本発明では、スポット溶接部材の断面において、ナゲットの長径を通る線と、鋼板の表面に平行な線とがなす角θを、スポット溶接部材における打角と定義する。以下、図3、4を参照してこの定義について説明する。
図3は、打角が0°の場合のスポット溶接部材1の断面構造の一例を示す模式図である。スポット溶接部材1は、高強度冷延鋼板10と亜鉛系めっき鋼板20とを重ね合わせて溶接したものであり、亜鉛系めっき鋼板20は図示されない亜鉛系めっき層を、少なくとも高強度冷延鋼板10側の表面に備えている。高強度冷延鋼板10と亜鉛系めっき鋼板20の表面には、スポット溶接時に電極によって加圧されたことにより圧痕11および圧痕21が形成されている。また、溶接部には、ナゲット30と、その周囲の熱影響部40が形成されており、さらにナゲット30の周囲には、高強度冷延鋼板10と亜鉛系めっき鋼板20が固相溶接されたコロナボンド50が、上から見るとリング状に形成されている。打角が0°の場合には、図1に示したように、ナゲット30の長径を通る線と、鋼板の表面と平行な線とが平行である。
一方、図4は、打角が0°超の場合のスポット溶接部材の断面構造の一例を示す模式図である。この場合、ナゲット30の長径を通る線と、鋼板の表面と平行な線が平行ではない。ここで、ナゲット30の長径を通る線と、鋼板の表面と平行な線とがなす角θを、スポット溶接部材における打角と定義する。なお、前記打角を決定する際の断面としては、圧痕の長径を通る断面を用いるものとする。スポット溶接部材の打角は、より具体的には実施例に記載した方法で測定することができる。
・加圧力:3.0~5.0kN
ナゲット径を確保するという観点からは、スポット溶接時の加圧力を3.0kN以上とすることが好ましい。一方、スポット溶接機の負荷を低減するという観点からは、加圧力を5.0kN以下とすることが好ましい。
・通電パターン
本発明の効果は、スポット溶接における通電パターンによらず得ることができる。したがって、特に限定されず、任意のパターンを用いることができる。例えば、1段通電を用いることもできるが、溶接ナゲット組織の制御や強度の確保のために、2段通電やパルス通電を用いることもできる。
次に、実施例に基づいて、本発明についてさらに具体的に説明する。
表1に示す成分組成と引張強さを有する冷延鋼板を、以下の手順で作製した。まず、表1に示す成分組成を有する鋼スラブを、加熱炉を使用し、1260℃で、70分間加熱した。次いで、前記鋼スラブを熱間圧延して板厚2.8mmの熱延鋼板とし、巻取温度520℃で巻き取った。前記熱延鋼板を酸洗して黒皮スケールを除去した後、冷間圧延して板厚1.2mmの冷延鋼板とした。その後、オールラジアントチューブ(ART)型連続溶融亜鉛めっきライン(CGL)を利用して、熱処理を施した。
得られた冷延鋼板のうち、引張強さが780MPa以上のものの一部については、めっき処理を施さずに、そのまま高強度冷延鋼板として使用した。
一方、それ以外の冷延鋼板については、さらに、溶融めっき法により該冷延鋼板の両面に亜鉛系めっき層を形成して亜鉛系めっき鋼板とした。使用した亜鉛系めっき層の組成を表2に示す。前記組成は、めっき層を5%塩酸によって剥離した分析液を誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法により分析することにより決定した。
以上のようにして得た、表面にめっき層を有しない高強度冷延鋼板と亜鉛系めっき鋼板とを、表2に示した組み合わせで重ね合わせ、抵抗スポット溶接を施してスポット溶接部材を得た。前記抵抗スポット溶接における加圧力は3.5kNとした。また、溶接電流パターンは、得られるナゲット径が3.5√t~5.5√tの範囲となるように制御した。ここで、tは鋼板1枚の板厚(1.2mm)である。また、前記抵抗スポット溶接においては、Dr6型のCuCr電極を使用した。
(打角)
得られたスポット溶接部材における打角を、以下の手順で測定し、表2に併記した。まず、前記スポット溶接部材を上方向(鋼板表面に垂直な方向)から見た際の、圧痕の長径を特定した。なお、圧痕の長径の方向とナゲットの長径の方向は実質的に等しい。次いで、前記長径の位置で前記スポット溶接部材をマイクロカッターで切断し、板厚方向の断面サンプルを採取した。続いて、光学顕微鏡によって前記断面サンプルを観察し、該断面において、ナゲットの長径を通る線と、鋼板の表面に平行な線とがなす角を測定し、その角度を打角θとした。ここで、鋼板表面とは溶接時に電極と触れていない鋼板表面を指すものとする。
(表層Zn濃度)
得られたスポット溶接部材のそれぞれについて、スポット溶接部のコロナボンドの内部における表層Zn濃度を、以下の手順で測定した。まず、ピール試験に準じた方法で機械的にスポット溶接部材を剥離した。図3は、剥離後の高強度冷延鋼板の、亜鉛系めっき鋼板と溶接されていた側の表面の状態を示す模式図である。図3に示すように、高強度冷延鋼板10の表面には、剥離によって破断したナゲット30と、ナゲット30の周囲のコロナボンド50が見られる。そこで、ナゲット30の外周から200μm外側の位置(図3に示した破線上)の、略等角度(約18°)間隔の20点におけるZn濃度を表面EDX分析により測定し、その平均値を表層Zn濃度とした。
(もらいLME割れ)
1つの条件につき10個のスポット溶接部材を作成し、もらいLME割れの発生の程度を評価した。具体的には、上述した打角の測定と同じ要領で、光学顕微鏡(倍率100倍)を用いてスポット溶接部材の断面を観察し、もらいLME割れの発生状況を、下記の基準に照らして評価した。
◎:割れ発生した部材無し
○:割れ発生した部材が2個以下、割れの平均深さが100μm未満
●:割れ発生した部材が2個以下、割れの平均深さが100μm以上300μm未満
△:割れ発生した部材が2個以下、割れの平均深さが300μm以上
×:割れ発生した部材が3個以上
Figure 0007059979000001
Figure 0007059979000002
1 スポット溶接部材
10 高強度冷延鋼板
11 圧痕
20 亜鉛系めっき鋼板
21 圧痕
30 ナゲット
40 熱影響部
50 コロナボンド
100 溶接電極
110 鋼板

Claims (5)

  1. 複数の鋼板がスポット溶接されたスポット溶接部材であって、
    前記複数の鋼板の少なくとも1つが、表面にめっき層を有しない、引張強さが780MPa以上の高強度冷延鋼板であり、
    前記複数の鋼板の少なくとも1つが、表面に亜鉛系めっき層を有する亜鉛系めっき鋼板であり、
    前記亜鉛系めっき層中のAl濃度が0.20質量%以上であり、
    スポット溶接部のコロナボンドの内部における表層Zn濃度が1質量%以上、25質量%未満である、スポット溶接部材。
  2. 前記亜鉛系めっき層中のMg濃度が5.0質量%以下である、請求項1に記載のスポット溶接部材。
  3. 前記高強度冷延鋼板が、質量%で、
    C :0.01~0.35%、
    Si:0.02~2.00%、
    Mn:1.0~4.0%、
    P :0.060%以下、
    S :0.010%以下、
    Al:0.010~1.000%、および
    N :0.0005~0.0100%を含有し、
    残部がFeおよび不可避不純物からなる成分組成を有する、請求項1または2に記載のスポット溶接部材。
  4. 前記成分組成が、さらに、質量%で、
    Nb:1.00%以下、
    Ti:0.100%以下、および
    B :0.0050%以下からなる群より選択される少なくとも1つを含有する、請求項に記載のスポット溶接部材。
  5. 前記成分組成が、さらに、質量%で、
    V :0.100%以下、
    Mo:0.50%以下、
    Cr:1.00%以下、
    Cu:1.00%以下、
    Ni:0.50%以下、
    As:0.500%以下、
    Sb:0.200%以下、
    Sn:0.200%以下、
    Ta:0.100%以下、
    Ca:0.0200%以下、
    Mg:0.0200%以下、
    Zn:0.020%以下、
    Co:0.020%以下、
    Zr:0.020%以下、および
    REM:0.0200%以下
    からなる群より選択される少なくとも1つを含有する、請求項3または4に記載のスポット溶接部材。
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