JP6927977B2 - 海底メタンハイドレートの生産 - Google Patents

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Description

本発明は、海底よりも下にあるメタンハイドレート層からメタンを生産するための方法及び関連する組立体に関する。特に、本発明は、メタンを生産するために海底石油及びガス改修作業の分野から公知の機器を利用するものである。
メタンクラスレートと呼ばれることもある膨大な量の自然発生するメタンハイドレートが存在する。このような地層の典型的な領域は、永久凍土域及び或る一定の圧力が存在する海底下にある。石油及びガスの分野では、メタンハイドレートは、炭化水素を伝導する送り管内で生成し、これにより、このような管を詰まらせる傾向があるものとしてよく知られる物質である。
或る温度以下及び/又は或る圧力以上では、メタンハイドレートは固体のままである。温度を上昇させることにより及び/又は圧力を低下させることにより、これはメタンと水に分解することになる。これを分解する別の方法は、圧力−温度平衡をシフトさせるべくメタノールなどの抑制剤を注入することである。国際特許出願公開WO2012061027はこのことを紹介している。
多くの国にとって可能性のあるエネルギー資源であるため、海底地層からメタンを生産する方法を調査するための研究が行われている。メタンは、顕著な温室効果ガスである。したがって、メタンは、大気中に逃げないようにされなければならない。また、石油及びガス地層からのよく知られる生産に比べて、固体の状態からのメタンの生産は、異なる手法を必要とする場合がある。
このような地層からメタンを生産する1つの公知の方法は、地層内の圧力を下げ、これにより、水和物がメタンと水に分かれるようにすることである。
本発明の目的は、好ましくは時間とコストとの両方に関して効率的な様態で海底メタンハイドレート層からメタンを生産するための方策を提供することである。
本発明の第1の態様によれば、海底坑井の中へ延びるチュービングを備える海洋メタンハイドレート生産組立体が提供される。海底坑井は、海底よりも下にあるメタンハイドレート層へ下方に延びる。水中ポンプが、チュービング内に、すなわちチュービングの一部として配置される。メタン導管が、洋上設備から下へ海底の方へ延びる。坑井制御パッケージが、ウェルヘッド上に着地させられ、海底坑井の上端に位置決めされる。さらに、メタン導管と坑井制御パッケージとの間に、緊急時切り離しパッケージが配置される。本発明の第1の態様によれば、チュービングは、坑井制御パッケージから懸架される。
一部の実施形態では、メタンと水は、海底で分離され、別個の導管、すなわちメタン導管と水導管の中で洋上設備へ伝導される。他の実施形態では、メタンと水は、通常は洋上設備上で分離するために、1つの共通のメタン(及び水)導管内で伝導されてよい。
本発明の第1の態様に係る組立体によれば、チュービングは坑井制御パッケージに接続されるので、チュービングハンガーは必要とされない。したがって、チュービングハンガーをチュービングがぶら下がっている状態で海底に着地させるべくウェルヘッドへ下降させることが回避される。代わりに、チュービングは、坑井制御パッケージ(WCP)をウェルヘッド上に着地させることにより据え付けられる。
一部の実施形態では、メタン導管は、剛性ライザストリングであろう。
他の実施形態では、メタン導管は、可撓性アンビリカルとすることができる。このような実施形態では、アンビリカルは、アンビリカル終端ヘッド及びジャンパを介して接続されてよい。
洋上フローツリーを、メタン導管の上端上に且つ洋上設備のドリルフロアよりも下に有利に配置することができる。
このような位置決めは、通常、ムーンプールデッキの高さであるか又は海面よりも下にあり得る。
本発明の第1の態様の一部の実施形態では、可撓性ホースは、海面から緊急時切り離しパッケージの環状孔へ下方に延びてよい。緊急時切り離しパッケージの環状孔は、坑井制御パッケージの環状孔と連通する。さらに、坑井制御パッケージの環状孔は、次いで、チュービングと連通することができる。
このような実施形態では、メタンと水は、海底で分離することができ、水は、可撓性ホースを通して輸送されることになり、一方、メタンは、メタン導管を通して輸送されることになる。
一部の実施形態では、坑井制御パッケージの主孔は、チュービングの全長に沿ってチュービングの外側のアニュラスと直接流体連通することができる。これは、チュービングの外側のアニュラスを密閉する坑井孔パッカーは存在しないことを意味する。
剛性ライザストリングを含む実施形態では、坑井制御パッケージの主孔は、剛性ライザストリングと流体連通することができる。さらに、坑井制御パッケージの環状孔は、環状ホースと流体連通することができる。チュービングは、次いで、坑井制御パッケージの環状孔に接続することができる。
他の実施形態では、坑井制御パッケージの環状孔は、チュービングの全長に沿ってチュービングの外側のアニュラスと直接流体連通することができる。
環状ホースを含む実施形態では、これは有利には、洋上設備から延び、緊急時切り離しパッケージに接続することになる。このような実施形態では、環状ホース、緊急時切り離しパッケージ、坑井制御パッケージ、及びチュービングは、水中ポンプと洋上設備との間の連続する流体路を構成してよい。
有利には、本発明に係る海洋メタンハイドレート生産組立体では、チュービングは、コネクタにより坑井制御パッケージの一部に接続される。これは、ウェルヘッド内などの、海底位置に着地させられるチュービングハンガーに接続されないものとして解釈されるべきである。
本発明の第2の態様によれば、海底メタンハイドレート層と洋上設備との間に延びるメタンハイドレート生産ストリング又は導管を設ける方法が開示されている。掘削された坑井が、メタンハイドレート層と海底との間に延びる。当該方法は、以下のステップ:
a)チュービングパイプセグメントをチュービングストリングへ接合し、水中ポンプをチュービングストリングの一部として配置するステップと、
b)チュービングストリングを洋上設備から懸架するステップと、
c)着地ストリングの下端を坑井制御パッケージよりも上に配置される緊急時切り離しパッケージに接続するステップと、
d)チュービングストリングが洋上設備から懸架されている間に、坑井制御パッケージをチュービングストリングの頂部上に着地させて接続するステップと、
e)着地ストリング上で、坑井制御パッケージが前記坑井の頂部上のウェルヘッド上に着地するまで、チュービングストリングを坑井の中へ下降させるステップと、
を含む。
本発明の第2の態様によれば、ステップe)は、チュービングストリングを開水面の中に下降させることを含む。
ステップe)においてチュービングストリングを下降させるのに用いられる着地ストリングは、一部の実施形態では、チュービングストリングが坑井内に据え付けられるときにメタンハイドレート生産ストリングの一部として維持されるライザストリングとすることができる。
他の実施形態では、ステップe)においてチュービングストリングを下降させるのに用いられる着地ストリングは、着地ワイヤとすることができる。
方法の一部の実施形態において、ステップc)は、ライザストリングの下端を緊急時切り離しパッケージの主孔に接続することを含むことができる。さらに、ステップd)は、チュービングストリングを坑井制御パッケージの環状孔に接続することを含んでよい。
本発明の第2の態様に係る方法によれば、ステップb)は、
i)下側デッキにある設備スキッド内にチュービングストリングを懸架すること
を含んでよく、
ステップc)は、
ii)上側デッキにあるライザジョイントを接合すること又は着地ワイヤを用意することと、
iii)設備スキッドを上側デッキよりも下にある坑井中心位置の外へ移動させることと、
iv)坑井制御パッケージ(WCP)及び緊急時切り離しパッケージ(EDP)を備えるスタックを上側デッキよりも下にある坑井中心位置へ移動させることと、
v)着地ストリングを緊急時切り離しパッケージに接続し、着地ストリング上でスタックを懸架することと、
を含んでよく、
ステップd)は、
vi)設備スキッドを坑井中心位置へ戻るように移動させることと、
vii)スタックを設備スキッド上に着地させることと、
を含んでよい。
このような実施形態では、ステップd)は、以下のステップ:
viii)設備スキッド上の昇降装置によって、坑井制御パッケージの下部をチュービングストリング上のコネクタと係合させるステップ、又は
ix)デリックウィンチによって、坑井制御パッケージを、着地ストリング上に懸架されている間に、チュービングストリング上のコネクタの上に下降させるステップ、
のうちの1つをさらに含んでよい。
この方法の一部の実施形態において、着地ストリングは、EDP及びWCPに接続されるライザジョイントの組立体とすることができる。他の実施形態では、着地ストリングは、デリックウィンチに接続されるワイヤとすることができる。
本発明の第3の態様によれば、開示されているのは、洋上設備とメタンハイドレート層との間にメタンハイドレート生産組立体を設ける方法であり、この場合、海底坑井がメタンハイドレート層へ下方に延びる。本発明の第3の態様によれば、方法は、チュービングとライザストリングを一度の配管作業で配管することを含む。
本発明の第4の態様によれば、開示されているのは、メタンハイドレート層へ下方に延びる海底坑井の中にチュービングを着地させる方法である。方法はさらに、チュービングと、チュービングが懸架される坑井制御パッケージと、緊急時切り離しパッケージとを備えるスタックを、ウィンチによって着地ワイヤ上に着地させることを含む。
本発明の第5の態様によれば、ベース構造体を有する設備スキッドが提供される。本発明の第5の態様によれば、ベース構造体は切り欠きを有し、切り欠き内にC形プレートが配置される。
ベース構造体は、通常、ベースプレートの形態とすることができる。
C形プレートは、C形プレートから懸架されるパイプストリングを受け入れ、支持するように適合された構成部品として理解されるものとする。したがって、C形プレートは、英字cの形状以外の他の形状を有してもよい。さらに、これは、パイプストリングを支持される位置へ水平移動で動かすことが可能であるべきである。すなわち、オペレータは、パイプストリングを、例えばウィンチケーブル/ウィンチワイヤに懸架されている間に、C形プレート内へ横方向に移動させてよい。オペレータは、次いで、ウィンチケーブル/ウィンチワイヤを取り外す前に、C形プレートの受入プロファイル内にパイプストリングを着地させてよい。
本発明の第5の態様の一実施形態では、C形プレートは、切り欠き内に取り外し可能に支持されるように適合される。C形プレートは取り外し可能なので、オペレータは、当該パイプストリングを受け入れ、支持するように適合されるC形プレートを選択してよい。通常、パイプストリングは、洋上設備からぶら下がるチュービングストリングであり得る。
別の実施形態では、設備スキッドは、支持プラットフォームを有する支柱を備える。支持プラットフォームは、異なる垂直位置で支柱にロックされるように適合される。
このような実施形態では、支持プラットフォームは、液圧式ピストンに機能的に接続することができ、それにより、支持プラットフォームの垂直高さが調節可能である。したがって、各支柱は、別個の液圧式ジャッキを備えてよい。オペレータは、このような手段により、坑井制御パッケージを、懸架されたチュービングストリング(C形プレートから吊り下がっている)の頂部上に静かに着地させることができる。代替的に、オペレータは、デリックウィンチによって坑井制御パッケージをチュービングストリングのコネクタ上に徐々に下降させてもよい。
実施形態の例
上記で本発明の種々の態様が一般的な用語で説明されているが、以下で図面を参照しながら実施形態のいくつかの詳細な例が与えられる。
本発明に係る海洋メタンハイドレート生産組立体の概略図である。 オペレータが図1に示された組立体を取り付けている状況での、洋上設備の概略図である。 洋上設備からチュービングストリングを懸架するのに用いられる、設備スキッドの斜視図である。 生産組立体の組立プロセスを例示する、図2に対応する概略図である。 生産組立体の組立プロセスを例示する、図2に対応する概略図である。 生産組立体の組立プロセスを例示する、図2に対応する概略図である。 生産組立体の組立プロセスを例示する、図2に対応する概略図である。 生産組立体の組立プロセスを例示する、図2に対応する概略図である。 生産組立体の組立プロセスを例示する、図2に対応する概略図である。 チュービングストリングに接続する前の、設備スキッド上に着地させた坑井制御パッケージの斜視図である。 坑井制御パッケージがライザストリングの下端上に懸架されている、図10に示された坑井制御パッケージの側面図である。 ライザなしの、本発明に係る代替的な海洋メタンハイドレート生産組立体の概略図である。 据付後の図12に示された実施形態の概略図である。 着地ワイヤと共にウェルヘッド上に着地させられるチュービングを含むスタックの概略図である。 洋上フローツリーの有利な位置決めの概略図である。
図1は、本発明に係る海洋メタンハイドレート生産組立体1の概略図である。海底3では、坑井5がメタンハイドレート層7へ掘削されている。メタンハイドレート層7は、通常、海底3よりも約300メートル下であり得る。海深は、通常、約1000メートルであり得る。したがって、海底に及び坑井内に顕著な圧力が存在する。
コンダクターパイプ9とケーシング11との組立体が、海底3にあるウェルヘッド13から下方に地層7へ延びる。
坑井制御パッケージ15が、ウェルヘッド13よりも上に着地させられる。坑井制御パッケージ(WCP)15は、WCP主孔17及びWCP環状孔19を有する。主孔17の中に2つの主孔バルブ21が存在する。環状孔19の中に2つの環状孔バルブ23が存在する。有利には、主孔バルブ21と環状孔バルブ23のいずれもカッティング能力を有さない。したがって、他の公知の坑井制御パッケージに比べて、これらのバルブ及びWCP自体は、カッティングバルブを有するWCPよりも軽量であり得る。
緊急時切り離しパッケージ(EDP)25が、WCP15の頂部上に着地させられ、固定される。EDP25は、WCP主孔17と位置合わせされるEDP主孔27を有する。EDP主孔27内に主孔リテーナバルブ29が配置されている。同じくEDP25内にあるのは、WCP環状孔19と位置合わせされるEDP環状孔31である。
EDP25と海面33との間にライザストリング35が延びる。ライザストリング35は、洋上設備に懸架される。この実施形態では、洋上設備は浮体設備である(洋上設備は、図1には図示されないが図2に示される)。ライザストリング35の上部に、洋上フローツリー37が配置される。
同じくEDP25と洋上設備との間に延びるのは、環状ホース39である。図1には図示されないが、環状ホース39は、好ましくは、ライザストリング35上に留め付けられてよい(図10参照)。
WCP15から吊り下がっているのは、チュービング41である。チュービング41は、メタンハイドレート層7へ下方に延びる。
チュービング41は、WCP環状孔19に接続される。結果として、チュービング41とケーシング11との間のアニュラス47が、WCP主孔17と、したがって、ライザストリング35と(EDP主孔27を通じて)流体連通する。これは、チュービングが主孔に接続し、アニュラスが環状孔と連通する、一般的な石油及びガス井の分野から公知の改修作業とは対照的である。
チュービング41の下端よりも上にいくらかの距離のところで、チュービング41のストリングに電気水中ポンプ(ESP)45が配置される。電気ポンプの代わりに、別のタイプのポンプ、例えば、液圧式駆動ポンプを用いることもできる。
ESP45は、チュービング41を通じて流体を汲み上げるのに用いられる。これにより、地層中の圧力が低下して、メタンハイドレートが水とメタンに分解することになる。ポンピング機能に加えて、ESP45は分離手段も呈する。分離手段により、ESP45は水とメタンとを分離する。したがって、ESP45は、チュービング41を通じて水を汲み上げることができる。分離されたメタンは、アニュラス47を通って上昇することになる。その結果、メタンは、アニュラス47、WCP主孔17、EDP主孔27、及びライザストリング35を通じて洋上フローツリー37へ輸送される。水は、チュービング41、WCP環状孔19、EDP環状孔31、及び環状ホース39を通じて洋上設備へ輸送される。ESP45は、通常、数十メートルのチュービングストリング41を構成し得る。
メタンハイドレート層7の位置で、坑井5の中に多孔管8が配置される。多孔管8は、水とメタンを地層7から該多孔管を通って坑井孔に入るようにしながら、坑井5の完全性を維持する。
図2及び図4乃至図9は、メタンハイドレート層7と洋上設備との間に延びる海洋メタンハイドレート生産組立体1を設ける方法の概略図である。ここではムーンプール付きの船などの浮体設備の形態の洋上設備49を概略的に示す、図2への参照を最初に行う。浅瀬では、海底上に建っている設備が代わりに用いられてもよい。
洋上設備49は、上側デッキ51及び下側デッキ53を有する。この実施形態では、上側デッキはドリルフロア51であり、下側デッキはムーンプールデッキ53である。他の適用可能な洋上設備は、他のタイプの上側デッキ及び下側デッキを有していてもよい。
図2に示された状況では、チュービング41の下端よりもいくらかの距離だけ上にESP45を備えるチュービング41が、ドリルフロア51のところに設けられている。この状況では、チュービング41は、ドリルフロア51からムーンプールデッキ53を通して、例えば約300メートル下へ海の中へ吊り下がる。チュービング41は、パイプハングオフ装置43によってドリルフロア51のところで支持される。下側デッキ又はムーンプールデッキ53上で、坑井制御パッケージスキッド(WCPスキッド)55上に載っているWCP15の頂部上にEDP25が据え付けられる。WCPスキッド55は、第1のカート57上に支持される。第1のカート57は、通常はBOPカート(噴出防止装置カート)であり得る。
ムーンプールデッキ53上に第2のカート59も存在する。第2のカート59は、設備スキッド61を支持する。
図3は、設備スキッド61を斜視図で例示する。これはベースフレーム63を有する。ベースフレーム63から上方へ延びるのは、4つの支柱65である。支柱65は、支持プラットフォーム67を備える。設備スキッド61は、さらに後述するように、WCP15を受け入れ、支持するように適合される。このような位置において、WCP15は支持プラットフォーム67上に支持される。支持プラットフォーム67の高さが調節されてよく、これにより、設備スキッド61上に着地させられるときのWCP15の高さを調節する。支持プラットフォーム67の高さは、昇降装置68により調節される。一実施形態では、昇降装置68は、各支柱65内に配置される液圧式ピストンを含む場合がある。このような昇降装置68により、オペレータは、設備スキッド61上に支持されている間でのWCP15の垂直位置を調節することができる。
ベースフレーム63は開口スロット69を備える。開口スロット69は、ベースフレーム63の一方の側部から横方向にアクセス可能である。さらに、C形プレート71が、開口スロット69内に配置され、チュービング41の重量を受け、支えるように適合される。チュービング41は、開口スロット69内へ移動されることにより開口スロット69及びC形プレート71に横方向に入ってよい。好ましくは、C形プレート71は、開口スロット69内に取り外し可能に取り付けることができる別個の部品である。したがって、オペレータは、チュービング41の寸法に合うC形プレート71を選んでよい。当業者には分かるように、第2のカート59も、チュービング41を開口スロット又は空隙(図示せず)で受け入れることができなければならない。
図4に示された状況では、チュービング41が開口スロット69及びC形プレート71内に位置決めされるように、設備スキッド61が第2のカート59と共に移動されている。しかしながら依然としてチュービングはドリルフロア51から支持される。
図5では、チュービング41の上端に配置されたハングオフショルダ73が設備スキッド61のC形プレート71において吊るされるようにチュービング41が下降されている。C形プレート71は、チュービング41のハングオフショルダと係合する受入プロファイルを有し、C形プレート71を介してチュービング41の重量の力を設備スキッド61に伝達する。チュービング41の下降は、通常は、ドリルフロア51よりも上のデリックウィンチ(図示せず)で行われる。
図5をさらに参照すると、設備スキッド61が、そこから吊り下がっているチュービング41と共にドリルフロア51の坑井中心の真下の位置から撤去されるように、第2のカート59が移動される。これにより、WCPスキッド59上に支持されるWCP15及びEDP25を、ムーンプール(又は下側デッキ53)の坑井中心(すなわち、ドリルフロア51の坑井中心の真下)へ移動させることが可能となる。この移動は、第1のカート57を移動させることによって行われる。
チュービング41が設備スキッド61において着地した後で、オペレータは、デリックにおける、すなわちドリルフロア51での、ライザストリング35の構築を開始することができる。図5は、ドリルフロア51よりも上の3つのライザジョイントを示し、そのうちの最も下にあるのはストレスジョイントであり、他の2つは標準ライザジョイントである。
ここで図6を参照する。特定の長さのライザジョイントを構築した後で、ライザ35(すなわち、ストレスジョイント)の下端が、WCPスキッド55上に支持されるEDP25に接続される。接続後に、WCP15及びEDP25がWCPスキッド55からリフトオフされ、第1のカートを坑井中心から離れるように移動させることによりWCPスキッド55が撤去される。
図7に示すように、設備スキッド61が、このときライザ35に懸架されているWCP15及びEDP25よりも下にある、坑井中心へ移動される。次いで、WCP15及びEDP25を、設備スキッド61において吊り下げられるチュービング41の上端へ下降させることができる。図8は、WCP15がチュービング41の上端に接続されている状況を例示する。有利には、WCP15の下端にあるパップジョイント77をチュービング41の上端にあるコネクタ79にロックすることにより接続がなされる(図11乃至図13参照)。
接続がなされた後で、チュービング41、WCP15、EDP25、及びライザストリング35の下部を含むストリング全体を、図9に示すように設備スキッド61からリフトオフすることができる。設備スキッド61は第2のカート59と共に、ドリルフロア51よりも下にある、坑井中心におけるその位置から撤去される。次いで、ライザジョイントを接合することによりライザストリング35が構築されている間に、組立体を海の中へ下降させることができる。
図8及び図9に示すように、環状ホース39がEDP25に接続される。ストリングが海の中へ下降される際に、図9に示すように、環状ホース39は、ライザストリング35に留め付けられ、リール75から繰り出される。
チュービング41の下端が坑井5の上端に到達するときに、坑井が開放され、水で満たされる。したがって、チュービング41の下端が、坑井、すなわち、ウェルヘッド13の中に確実に挿入された後で、オペレータは、WCP15がウェルヘッド13上に載るまでストリングの下降を続ける。通常は、チュービングをウェルヘッド13の中へ案内する及び監視するのに遠隔操作機(ROV)が用いられ得る。
WCP15がウェルヘッド13上に着地したときに、WCP15はウェルヘッド13に固定され、チュービングのアニュラス47とWCP主孔17との間の閉じ込められた流体路を生み出すべくシールがなされる。この状況は図1に概略的に示される。生産を開始する前に、アニュラス47から水が除去される。これは通常、窒素を、ライザに注入し、チュービング41の中に入りチュービング41から出るようにすることにより行われる。次いで、水が環状ホース39を通じて外へ輸送される。アニュラスに窒素をフラッシュした後で、EDP25の動作により生産を開始してよい。
図10及び図11は、WCP15、設備スキッド61、及び第2のカート59(図11)を例示する。
WCP15の下部を形成するパップジョイント77が、チュービング41の上端、すなわち、ハングオフショルダ73の真上のコネクタ79に入るところである。ハングオフショルダ73が、C形プレート71の受入プロファイル上に載っている。
特に、パップジョイント77は、坑井制御パッケージ15の環状孔19に接続される。環状ホース39は、緊急時切り離しパッケージ25の環状孔31に接続する。
図12及び図13は、図1に示されたライザ35などのライザのストリングが用いられない場合の本発明の実施形態を示す。代わりに、緊急時切り離しパッケージ25と、坑井制御パッケージ15と、チュービング41との組立体が、着地ワイヤ(図示せず)上で下降される。着地ワイヤは、洋上設備49上のクレーンに接続することができる。
図12に示された実施形態では、環状ホース39は、EDP25の環状孔31に接続し、環状孔31はさらに、WCP15の環状孔19と連通する。WCP15の環状孔19はさらに、チュービング41に接続する。これは、前述した図1に示された実施形態と同様である。図1のようにEDP25の主孔27に接続されるライザ35を有する代わりに、可撓性アンビリカル135が、この主孔27に接続する。したがって、2つの可撓性導管、すなわち、環状ホース39及び可撓性アンビリカル135が、EDP25と洋上設備49との間に延びる。可撓性アンビリカル135を通してメタンが輸送され、一方、可撓性ホース39を通して水が輸送される。
可撓性アンビリカル135への安定性を保証するために、可撓性アンビリカル135は、洋上設備49とEDP25との間に延びるポッドワイヤ137に留め付けられる。
図13に示された実施形態は、図12に示された実施形態に似ている。しかしながら、図13に示された実施形態では、可撓性アンビリカル135は、ポッドワイヤに留め付けられない。正確には、可撓性アンビリカル135は、アンビリカル終端ヘッド160へ下方に延びる。ジャンパ161が、アンビリカル終端ヘッド160をEDP25に接続する。
図14は、メタンハイドレート層7へ下方に延びる海底坑井5の中にチュービング41を着地させる方法を示す。方法は、チュービング41と、チュービング41が懸架される坑井制御パッケージ15と、緊急時切り離しパッケージ25とを備えるスタックを、デリック54に据え付けられたデリックウィンチ52によって着地ワイヤ50上で着地させることを含む。デリックウィンチの代わりに、他の実施形態は、クレーンを含むこともできる。また、洋上設備49は、船又は海底上に建っている設備などの図14に示されたもの以外の他のタイプのものとすることもできる。図14に示すように、図示された段階では坑井5と周囲の海水との間に障壁は存在しない。着地後に、WCP15は、ウェルヘッド13で封止することになり、これにより、坑井5を密閉する。
図15は、洋上フローツリー37の有利な位置決めを示す。この実施形態では、洋上フローツリー37は、ドリルフロア51よりも下に配置される。ドリルフロア51を通して延びるのは、着地ジョイント38である。同じく示されるのは、テンションリング40とスイベル42である。

Claims (15)

  1. 海洋メタンハイドレート生産組立体(1)であって、
    −海底坑井(5)の中へ延びるチュービング(41)であって、前記海底坑井(5)が海底(3)よりも下にあるメタンハイドレート層(7)へ下方に延びる、チュービング(41)と、
    −前記チュービング(41)内に配置される水中ポンプ(45)と、
    −洋上設備(49)から下方へ延びるメタン導管(35、135)と、
    −前記海底坑井(5)の上端に位置決めされるウェルヘッド(13)上に着地させられる坑井制御パッケージ(15)と、
    −前記メタン導管(35、135)と前記坑井制御パッケージ(15)との間に配置され、かつ前記メタン導管(35、135)に接続された緊急時切り離しパッケージ(25)と、
    を備え、
    前記チュービング(41)が前記坑井制御パッケージ(15)から懸架され、前記坑井制御パッケージ(15)が、坑井制御パッケージ主孔(17)及び坑井制御パッケージ環状孔(19)を有し、前記坑井制御パッケージ主孔(17)の中には2つの主孔バルブ(21)があり、前記坑井制御パッケージ環状孔(19)の中には2つの環状孔バルブ(23)があり、前記緊急時切り離しパッケージ(25)が、前記坑井制御パッケージ(15)の頂部上に着地させられて固定され、前記緊急時切り離しパッケージ(25)が、前記坑井制御パッケージ主孔(17)と位置合わせされる緊急時切り離しパッケージ主孔(27)を備え、前記緊急時切り離しパッケージ(25)が、前記坑井制御パッケージ環状孔(19)と位置合わせされる緊急時切り離しパッケージ環状孔(31)を備えることを特徴とする、海洋メタンハイドレート生産組立体。
  2. 前記メタン導管が剛性ライザストリング(35)であることを特徴とする、請求項1に記載の海洋メタンハイドレート生産組立体。
  3. 前記メタン導管が可撓性アンビリカル(135)であることを特徴とする、請求項1に記載の海洋メタンハイドレート生産組立体。
  4. 前記メタン導管(35、135)の上端上に洋上フローツリー(37)が配置され、前記洋上フローツリー(37)がドリルフロア(51)よりも下に位置決めされることを特徴とする、請求項1乃至3の一項に記載の海洋メタンハイドレート生産組立体。
  5. 可撓性ホース(39)が、海面(33)から前記緊急時切り離しパッケージ(25)の環状孔(31)へ下方に延び、前記緊急時切り離しパッケージ(25)の環状孔(31)が前記坑井制御パッケージ(15)の環状孔(19)と連通し、前記坑井制御パッケージ(15)の環状孔(19)が前記チュービング(41)と連通することを特徴とする、請求項1乃至4の一項に記載の海洋メタンハイドレート生産組立体。
  6. 前記坑井制御パッケージの主孔(17)が、前記チュービング(41)の全長に沿って、前記チュービング(41)の外側のアニュラス(47)と直接流体連通することを特徴とする、請求項1乃至5の一項に記載の海洋メタンハイドレート生産組立体。
  7. 前記坑井制御パッケージ(15)が、前記剛性ライザストリング(35)と流体連通する坑井制御パッケージの主孔(17)と、環状ホース(39)と流体連通する坑井制御パッケージの環状孔(19)とを備え、前記チュービング(41)が前記坑井制御パッケージの環状孔(19)に接続されることを特徴とする、請求項2に記載の海洋メタンハイドレート生産組立体。
  8. 前記坑井制御パッケージの環状孔(19)が、前記チュービング(41)の全長に沿って、前記チュービング(41)の外側のアニュラス(47)と直接流体連通することを特徴とする、請求項1乃至5の一項に記載の海洋メタンハイドレート生産組立体。
  9. 前記チュービング(41)が、コネクタ(79)によって前記坑井制御パッケージ(15)の一部に接続されることを特徴とする、請求項1乃至8の一項に記載の海洋メタンハイドレート生産組立体。
  10. 海底メタンハイドレート層(7)と洋上設備(49)との間に延びるメタンハイドレート生産ストリングを設ける方法であって、掘削された坑井(5)が前記メタンハイドレート層(7)と海底(3)との間に延び、前記方法が、以下のステップ:
    a)チュービングパイプセグメントをチュービングストリング(41)へ接合し、水中ポンプ(45)を前記チュービングストリング(41)の一部として配置するステップと、
    b)前記チュービングストリング(41)を前記洋上設備(49)から懸架するステップと、
    c)着地ストリング(35)の下端を坑井制御パッケージ(15)よりも上に配置される緊急時切り離しパッケージ(25)に接続するステップと、
    d)前記チュービングストリング(41)が前記洋上設備(49)から懸架されている間に、前記坑井制御パッケージ(15)を前記チュービングストリング(41)の頂部上に着地させて接続するステップと、
    e)前記着地ストリング(35)上で、前記坑井制御パッケージが前記坑井(5)の頂部上のウェルヘッド(13)上に着地するまで、前記チュービングストリング(41)を前記坑井(5)の中へ下降させるステップと、
    を含み、
    ステップe)が、前記チュービングストリング(41)を開水面の中に下降させることを含むことを特徴とする、方法。
  11. ステップe)において前記チュービングストリング(41)を下降させるのに用いられる着地ストリング(35)が、前記チュービングストリング(41)が前記坑井(5)内に据え付けられるときに前記メタンハイドレート生産ストリングの一部として維持されるライザストリング(35)であることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. ステップe)において前記チュービングストリング(41)を下降させるのに用いられる着地ストリングが、着地ワイヤであることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  13. ステップc)が、前記ライザストリング(35)の下端を緊急時切り離しパッケージの主孔(27)に接続することを含み、
    ステップd)が、前記チュービングストリング(41)を坑井制御パッケージの環状孔(19)に接続することを含む、
    ことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  14. ステップb)が、
    i)下側デッキ(53)にある設備スキッド(61)内に前記チュービングストリング(41)を懸架すること
    を含み、
    ステップc)が、
    ii)上側デッキ(51)にあるライザジョイントを接合すること又は着地ワイヤを用意することと、
    iii)前記設備スキッド(61)を前記上側デッキ(51)よりも下にある坑井中心位置の外へ移動させることと、
    iv)前記坑井制御パッケージ(15)及び前記緊急時切り離しパッケージ(25)を備えるスタックを前記上側デッキ(51)よりも下にある坑井中心位置へ移動させることと、
    v)前記着地ストリング(35)を前記緊急時切り離しパッケージ(25)に接続し、前記着地ストリング(35)上で前記スタックを懸架することと、
    を含み、
    ステップd)が、
    vi)前記設備スキッド(61)を前記坑井中心位置へ戻るように移動させることと、
    vii)前記スタックを前記設備スキッド(61)上に着地させることと、
    を含む、
    ことを特徴とする、請求項10乃至13の一項に記載の方法。
  15. ステップd)が、以下のステップ:
    viii)前記設備スキッド(61)上の昇降装置(68)によって、前記坑井制御パッケージ(15)の下部(77)を前記チュービングストリング(41)上のコネクタ(79)と係合させるステップ、又は
    ix)デリックウィンチによって、前記坑井制御パッケージ(15)を、前記着地ストリング(35)上に懸架されている間に、前記チュービングストリング(41)上のコネクタ(79)の上に下降させるステップ
    のうちの1つを含むことを特徴とする、請求項14に記載の方法。
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