JP6922101B2 - リチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用負極、及び該リチウムイオン二次電池用負極を備えるリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、電力貯蔵用の大型定置用電源、電気自動車用等の電源として利用されており、近年では電池の小型化及び薄型化の研究が進展している。リチウムイオン二次電池は、金属箔の表面に電極活物質層を形成した両電極と、両電極の間に配置されるセパレータを備えるものが一般的である。セパレータは、両電極間の短絡防止や電解液を保持する役割を果たす。
リチウムイオン二次電池の負極の負極活物質には、反応電位が低く、高エネルギーの電池が得られることや、低価格であることなどから、炭素系の材料が広く用いられている。炭素系材料からなる負極活物質の表面には、SEI(Solid−Electrolyte−Interphase)と呼ばれる膜が生成することが知られている。SEIは、活物質の劣化を抑制するなどの利点を有するものの、SEIの形成に多数の充放電を要する場合などは、サイクル特性を低下させることも知られている。また、充放電の繰り返しにより、SEIの破壊や再構築などが生じて、リチウムイオン二次電池のサイクル特性などの性能に悪影響を及ぼすことも知られている(例えば、特許文献1)。
特許第6172309号公報
上記したように、負極活物質層の表面状態は、リチウムイオン二次電池の性能に密接に関係している。しかしながら、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を向上させるために、どのような表面状態がよいかといった知見はあまり得られていないのが現状であり、サイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池の開発が望まれている。
そこで本発明は、サイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池を製造することができるリチウムイオン二次電池用負極、及びこれを備えるリチウムイオン二次電池を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、負極活物質と負極用バインダーを含有する負極活物質層と、負極活物質層の表面に設けられ、絶縁性微粒子と絶縁層用バインダーとを含有する絶縁層とを備えるリチウムイオン二次電池用負極であって、前記負極活物質層の表面における前記絶縁性微粒子の被覆量が20〜70%であるリチウムイオン二次電池用負極が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の要旨は、以下の[1]〜[8]である。
[1]負極活物質と負極用バインダーを含有する負極活物質層と、負極活物質層の表面に設けられ、絶縁性微粒子と絶縁層用バインダーとを含有する絶縁層とを備えるリチウムイオン二次電池用負極であって、前記負極活物質層の表面における前記絶縁性微粒子の被覆量が20〜70%である、リチウムイオン二次電池用負極。
[2]前記絶縁層の厚みが1〜3μmである、上記[1]に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
[3]前記絶縁層用バインダーの含有量が、絶縁層全量基準で10〜50体積%である、上記[1]又は[2]に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
[4]前記負極活物質の平均粒子径が10〜25μmである、上記[1]〜[3]のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用負極。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法であって、負極活物質と負極用バインダーとを含有する負極活物質層の表面上に、絶縁性微粒子、絶縁層用バインダー、及び絶縁層用有機溶媒を含有する絶縁層用組成物を塗布して絶縁層を形成させる工程を備え、前記絶縁層用組成物の25℃における粘度が700〜3000mPa・sである、リチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
[6]上記[1]〜[4]のいずれかに記載の負極と、負極と対抗するように配置される正極と、負極と正極との間に配置されるセパレータとを備えるリチウムイオン二次電池。
[7]さらに、電解液用有機溶媒及び電解質塩を含む電解液を備える、上記[6]に記載のリチウムイオン二次電池。
[8]前記電解液用有機溶媒が、ビニレンカーボネートを含有する、上記[7]に記載のリチウムイオン二次電池。
本発明によれば、サイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池を製造することができるリチウムイオン二次電池用負極、及びこれを備えるリチウムイオン二次電池を提供することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極の一実施形態を模式的に示す断面図である。 レーザー顕微鏡で絶縁層表面を観察した画像の例である。 レーザー顕微鏡で絶縁層表面を観察した画像(二値化後)の例である。 本発明のリチウムイオン二次電池の一実施形態を模式的に示す概略断面図である。
本発明は、負極活物質と負極用バインダーを含有する負極活物質層と、負極活物質層の表面に設けられ、絶縁性微粒子と絶縁層用バインダーとを含有する絶縁層とを備えるリチウムイオン二次電池用負極であって、前記負極活物質層の表面における前記絶縁性微粒子の被覆量が20〜70%であるリチウムイオン二次電池用負極である。なお、本明細書では、リチウムイオン二次電池用負極のことを単に負極ということもある。
<リチウムイオン二次電池用負極>
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、負極活物質層と、該負極活物質層の表面に設けられる絶縁層とを備える。
図1は、本発明のリチウムイオン二次電池用負極の一実施形態を模式的に示した断面図である。本発明のリチウムイオン二次電池用負極10は、負極活物質層11と、負極活物質層11の一方の表面に設けられる絶縁層12と、負極活物質層11の他方の表面に設けられる負極集電体13を備えている。絶縁層12は、絶縁性微粒子14と図示しないバインダーとを含んでおり、絶縁性微粒子14はバインダーにより結着されている。絶縁性微粒子14は負極活物質層11の表面11Aの多くの領域を被覆しているが、負極活物質層11の表面11Aの一部には、表面が露出している露出部15が存在する。
本発明では、絶縁性微粒子14の被覆量を一定範囲に調整することにより、サイクル特性を向上させている。
以下、リチウムイオン二次電池用負極を構成する各層について、詳細に説明する。
[絶縁層]
本発明の絶縁層は、後述する負極活物質層の表面に設けられるものであり、絶縁性微粒子と絶縁層用バインダーとを含有する。絶縁性微粒子は、後述する負極活物質層の表面を被覆している。
負極活物質層の表面における絶縁性微粒子の被覆量は20〜70%である。被覆量が20%未満であると、サイクル特性が低下する。これは、絶縁性微粒子による被覆量が少ないと、被覆されていない負極活物質の表面に、SEIが析出しやすく、これによりサイクル特性が低下するものと考えられる。また、被覆量が70%を超える場合でも、サイクル特性が低下する。これは、イオン伝導性が低下することにより、リチウムが析出しやすくなるためと考えられる。
リチウムイオン二次電池のサイクル特性をより良好にする観点から、負極活物質層の表面における絶縁性微粒子の被覆量は40〜60%であることが好ましい。
負極活物質層の表面における絶縁性微粒子の被覆量は、レーザー顕微鏡により観察することで求められる。具体的には、絶縁層表面をレーザー顕微鏡により一定の観察視野(例えば、800μm×800μm)で観察し、絶縁性微粒子が存在する面積を求め、観察視野中の絶縁性微粒子が存在する面積の割合を算出し、これを絶縁性微粒子の被覆量とする。
例えば、被覆量算出の一例として、図2にレーザー顕微鏡で絶縁層表面を観察した図を示し、図2を二値化した画像を図3に示す。白く見えている部分が、絶縁性微粒子が存在する部分であり、黒く見えている部分が負極活物質層の露出部分である。観察視野中の白く見えている部分の面積の割合を算出して、絶縁性微粒子の被覆量を求めることができる。
負極活物質層の表面における絶縁性微粒子の被覆量は、絶縁層を形成するための絶縁層用組成物の組成、固形分濃度、粘度、絶縁層の厚み、負極活物質層を構成する負極活物質の種類、粒子径などを調節することで、所望の値に調整することができる。
絶縁層の厚さは、特に限定されないが、1〜3μmであることが好ましく、1〜2μmであることがより好ましい。絶縁層の厚さをこれら下限値以上とすることにより、リチウムイオン二次電池の安全性を高めることができる。絶縁層の厚さをこれら上限値以下とすることで、イオンパスが長くなることによる入出力特性の低下を抑制することができる。
上記のとおり、絶縁層の厚みを適切に調整したうえで、負極活物質層の表面における絶縁性微粒子の被覆量を一定範囲にすることにより、サイクル特性、入出力特性、及び安全性に優れるリチウムイオン二次電池を得ることができる。なお、本明細書では、安全性とは、リチウムイオン二次電池を110℃程度の温度に置いたときに、温度が大きく上昇しない特性を意味する。
(絶縁性微粒子)
絶縁性微粒子は、絶縁性であれば特に限定されず、無機粒子であることが好ましい。無機粒子としては二酸化ケイ素、窒化ケイ素、アルミナ、ベーマイト、チタニア、ジルコニア、窒化ホウ素、酸化亜鉛、二酸化スズ、酸化ニオブ(Nb)、酸化タンタル(Ta)、フッ化カリウム、フッ化リチウムクレイ、ゼオライト、炭酸カルシウム等の無機化合物から構成される粒子が挙げられる。また、無機粒子は、ニオブ−タンタル複合酸化物、マグネシウム−タンタル複合酸化物等の公知の複合酸化物から構成される粒子であってもよい。絶縁性微粒子は、上記した各材料が1種単独で使用される粒子であってもよいし、2種以上が併用される粒子であってもよい。これらの中では、アルミナ粒子が好ましい。
絶縁性微粒子の平均粒子径は、絶縁層の厚さよりも小さければ特に限定されず、例えば0.001〜1μm、好ましくは0.05〜0.8μm、より好ましくは0.1〜0.6μmである。絶縁性微粒子の平均粒子径をこれら範囲内することで、被覆量を上記範囲内に調整しやすくなる。
なお、平均粒子径は、レーザー回折・散乱法によって求めた絶縁性微粒子の粒度分布において、体積積算が50%での粒径(D50)を意味する。
また、絶縁性微粒子は、平均粒子径が上記範囲内の1種が単独で使用されてもよいし、平均粒子径の異なる2種の絶縁性微粒子が混合されて使用されてもよい。
絶縁層に含有される絶縁性微粒子の含有量は、絶縁層全体を基準にして、10〜95体積%が好ましく、より好ましくは40〜90体積%、さらに好ましくは70〜90体積%である。絶縁性微粒子の含有量が上記範囲内であると、被覆量を上記範囲に調整しやすくなる。
(絶縁層用バインダー)
絶縁層用バインダーは、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素含有樹脂、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリブチルメタクリレート(PBMA)などのアクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアクリロニトリル(PAN)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリ(メタ)アクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びポリビニルアルコール等が挙げられる。これらバインダーは、1種単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。また、カルボキシメチルセルロースなどは、ナトリウム塩などの塩の態様にて使用されていてもよい。これらの中でも、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、アクリル樹脂が好ましい。アクリル樹脂としては、架橋アクリル樹脂であっても非架橋アクリル樹脂であってもよいが、架橋アクリル樹脂であることが好ましく、架橋ポリブチルアクリレートであることがより好ましい。
絶縁層用バインダーの重量平均分子量は、400,000〜2,000,000であることが好ましく、700,000〜1,500,000であることが好ましく、850,000〜1,300,000であることが更に好ましい。なお、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ法(GPC法)により測定される。
重量平均分子量を上記の範囲としつつ、後述する樹脂組成物の固形分濃度を調整することにより、負極活物質層の表面の絶縁性微粒子の被覆量を所望の範囲にしやすくなる。
絶縁層に含有される絶縁層用バインダーの含有量は、絶縁層全体を基準にして、10〜50体積%が好ましく、より好ましくは10〜30体積%、さらに好ましくは15〜25体積%である。絶縁層用バインダーの含有量が上記範囲内であると、被覆量を上記範囲に調整しやすくなる。
絶縁層は、本発明の効果を損なわない範囲内において、絶縁性微粒子及び絶縁層用バインダー以外の他の任意成分を含んでもよい。ただし、絶縁層全体を基準にして、絶縁性微粒子及び絶縁層用バインダーの総体積は、85体積%以上であることが好ましく、90体積%以上であることがより好ましい。
[負極活物質層]
本発明の負極活物質層は、負極活物質と負極用バインダーとを含有する。負極活物質としては、グラファイト、ハードカーボンなどの炭素材料、スズ化合物とシリコンと炭素の複合体、リチウムなどが挙げられるが、これら中では炭素材料が好ましく、グラファイトがより好ましい。
負極活物質の平均粒子径は、特に限定されないが、0.5〜50μmであることが好ましく、1〜30μmであることがより好ましく、10〜25μmであることが更に好ましい。なお、負極活物質の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法によって求めた負極活物質の粒度分布において、体積積算が50%での粒径(D50)を意味する。
負極活物質層における負極活物質の含有量は、負極活物質層全量基準で、50〜99質量%が好ましく、60〜98質量%がより好ましい。
負極活物質層に含有される負極用バインダーとしては、上記した絶縁層用バインダーと同様のものが使用できる。中でも、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロースが好ましい。
負極活物質層における負極用バインダーの含有量は、負極活物質層全量基準で、0.5〜30質量%であることが好ましく、1.0〜25質量%がより好ましく、1.5〜10質量%が更に好ましい。
負極活物質層の厚みは、特に限定されないが、10〜200μmであることが好ましく、50〜150μmであることがより好ましい。
[負極集電体]
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、好ましくは負極集電体を備える。負極集電体は、負極活物質層の絶縁層を備える面とは反対側の面に設けることが好ましい。すなわち、この場合、該リチウムイオン二次電池用負極は、負極集電体、負極活物質層、絶縁層がこの順に積層されたものとなる。負極集電体を構成する材料としては、例えば、銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性を有する金属が挙げられ、これらの中ではアルミニウム又は銅が好ましく、銅がより好ましい。負極集電体は、一般的に金属箔からなり、その厚さは、特に限定されないが、1〜50μmが好ましい。
<リチウムイオン二次電池用負極の製造方法>
次に、リチウムイオン二次電池用負極の製造方法の一実施形態について説明する。本発明のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法では、まず、負極活物質層を形成し、そして、その負極活物質と負極用バインダーを含有する負極活物質層の表面上に、絶縁性微粒子、絶縁層用バインダーを含有する絶縁層用組成物を塗布して絶縁層を形成する工程を備える。
(負極活物質層の形成)
負極活物質層の形成においては、まず、負極活物質と、負極用バインダーと、溶媒とを含む負極活物質層用組成物を用意する。負極活物質層用組成物は、スラリーとなる。負極活物質層用組成物における溶媒は、好ましくは水を使用する。負極活物質層用組成物の固形分濃度は、好ましくは7〜75質量%、より好ましくは20〜65質量%である。
負極活物質層は、上記負極活物質層用組成物を使用して公知の方法で形成すればよく、例えば、上記負極活物質層用組成物を負極集電体の上に塗布し、乾燥することによって形成することができる。
また、負極活物質層は、負極活物質層用組成物を、負極集電体以外の基材上に塗布し、乾燥することにより形成してもよい。負極集電体以外の基材としては、公知の剥離シートが挙げられる。基材の上に形成した負極活物質層は、好ましくは絶縁層を形成した後、基材から負極活物質層を剥がして負極集電体の上に転写すればよい。
負極集電体又は基材の上に形成した負極活物質層は、好ましくは加圧プレスする。加圧プレスすることで、電極密度を高めることが可能になる。加圧プレスは、ロールプレスなどにより行えばよい。
(絶縁層の形成)
絶縁層の形成に使用する絶縁層用組成物は、絶縁性微粒子と、絶縁層用バインダーと、溶媒とを含む。絶縁層用組成物は、スラリーとなる。絶縁性微粒子及び絶縁層用バインダーは上記したとおりである。溶媒としては、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、及びジメチルホルムアミド等を例示することができ、中でもN−メチルピロリドンが好ましい。溶媒は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
絶縁層用組成物の固形分濃度は、好ましくは15〜60質量%、より好ましくは22〜40質量%、更に好ましくは25〜35質量%である。このような固形分濃度に調整すると、絶縁層の厚みを上記した範囲にしつつ、負極活物質層の表面における絶縁性微粒子の被覆量を所望の値に調整しやすくなる。
また、絶縁層用組成物の25℃における粘度は700〜3000mPa・sであることが好ましく、1000〜1500mPa・sであることがより好ましい。粘度をこのような範囲にすることにより、絶縁層の厚みを上記した範囲にしつつ、絶縁性微粒子の被覆量を所望の範囲に調整しやすくなる。なお、粘度とは、B型粘度計で60rpm、25℃の条件で測定した粘度である。
絶縁層は、絶縁層用組成物を、負極活物質層の上に塗布して乾燥することによって形成することができる。絶縁層用組成物を負極活物質層の表面に塗布する方法は特に限定されず、例えば、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、バーコート法、グラビアコート法、スクリーン印刷法等が挙げられる。これらの中では、絶縁層用組成物を均一に塗布して、絶縁性微粒子の被覆量を調整しやすくする観点から、グラビアコート法が好ましい。
また、乾燥温度は、上記溶媒を除去できれば特に限定されないが、例えば40〜120℃、好ましくは50〜100℃である。また、乾燥時間は、特に限定されないが、例えば、30秒〜15分間である。
<リチウムイオン二次電池>
図4は、本発明のリチウムイオン二次電池の一実施形態を模式的に示した断面図である。リチウムイオン二次電池20は、正極29と、正極29と対向するように配置される負極28とを備えている。負極28は本発明のリチウムイオン二次電池用負極である。
負極28は、負極活物質層21と、負極活物質層21の一方の表面に設けられる絶縁層22と、負極活物質層21の他方の表面に設けられる負極集電体23とを備えている。正極29は、正極集電体27と、正極集電体27の上に積層された正極活物質層26とを備えている。負極28における絶縁層22は、負極活物質層21と正極活物質層26の間に設けられている。
本発明のリチウムイオン二次電池は、負極活物質層21の表面における絶縁性微粒子の被覆量を特定の範囲にしているため、サイクル特性に優れている。
なお、絶縁層22と正極活物質層26の間、すなわち正極29と負極28の間に図示しないセパレータを設けてもよい。すなわち、負極と、負極と対向するように配置される正極と、負極と正極との間に配置されるセパレータとを備えるリチウムイオン二次電池としてもよい。
セパレータを設けることで、正極と負極の間の短絡がより有効に防止される。さらに、リチウムイオン二次電池には、図示しない電解液を備えてもよい。
<正極>
本発明のリチウムイオン二次電池における正極は、正極活物質層を有し、好ましくは正極集電体と、正極集電体上に積層された正極活物質層とを有する。正極活物質層は、典型的には、正極活物質と、正極用バインダーとを含む。
正極活物質としては、金属酸リチウム化合物が挙げられる。金属酸リチウム化合物としては、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMn)等が例示できる。また、オリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO)などであってもよい。さらに、リチウム以外の金属を複数使用したものでもよく、三元系と呼ばれるNCM(ニッケルコバルトマンガン)系酸化物、NCA(ニッケルコバルトアルミニウム)系酸化物などを使用してもよい。中でも、出力特性などを良好とする観点から、NCA系酸化物が好ましい。
正極活物質の平均粒子径は、特に限定されないが、0.5〜50μmであることが好ましく、1〜30μmであることがより好ましい。なお、正極活物質の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法によって求めた正極活物質の粒度分布において、体積積算が50%での粒径(D50)を意味する。
正極活物質層における正極活物質の含有量は、正極活物質層全量基準で、50〜99質量%が好ましく、60〜95質量%がより好ましい。
正極活物質層は、導電助剤を含有してもよい。導電助剤は、上記正極活物質よりも導電性が高い材料が使用され、具体的には、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンナノチューブ、棒状カーボンなどの炭素材料などが挙げられる。
正極活物質層において、導電助剤が含有される場合、導電助剤の含有量は、正極活物質層全量基準で、0.5〜30質量%であることが好ましく、1〜25質量%であることがより好ましく、1.5〜10質量%であることが更に好ましい。
正極用バインダーとしては、特に制限されないが、絶縁層用バインダーとして説明したものと同様のものを用いることができる。
正極活物質層におけるバインダーの含有量は、正極活物質層全量基準で、0.5〜30質量%であることが好ましく、1.0〜25質量%がより好ましく、1.5〜10質量%が更に好ましい。
正極活物質層の厚みは、特に限定されないが、10〜200μmであることが好ましく、50〜150μmであることがより好ましい。
また、正極集電体となる材料は、上記負極集電体に使用される化合物と同様であるが、好ましくはアルミニウム又は銅、より好ましくはアルミニウムが使用される。正極集電体は、一般的に金属箔からなり、その厚さは、特に限定されないが、1〜50μmが好ましい。
(セパレータ)
本発明のリチウムイオン二次電池は、負極と正極との間に配置されるセパレータを備えていてもよい。セパレータにより、正極及び負極の間の短絡がより効果的に防止される。
セパレータとしては、多孔性の高分子膜、不織布、ガラスファイバー等が挙げられ、これらの中では多孔性の高分子膜が好ましい。多孔性の高分子膜としては、エチレン系多孔質フィルムなどのオレフィン系多孔質フィルムが例示される。
(電解液)
本発明のリチウムイオン二次電池は、電解液を備えてもよい。電解液は、負極及び正極、又は負極、正極、及びセパレータが内部に収容されたバッテリーセル内に充填される。
電解液としては、電解液用有機溶媒及び電解質塩を含むものが例示できる。電解液に用いる電解液用有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ビニレンカーボネート(VC)などのカーボネート系有機溶媒、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、メチルアセテートなどが挙げられる。電解液有機溶媒は、1種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
電解液用有機溶媒は、カーボネート系有機溶媒を含有することが好ましく、中でもビニレンカーボネート(VC)を含有することが好ましい。ビニレンカーボネート(VC)を用いることで、リチウムイオン二次電池の初期充電時に、負極表面に酸化被膜を形成して、負極活物質の劣化を抑えることができる。ビニレンカーボネート(VC)は、SEIの生成の原因となる物質として知られており、通常は、これにより、サイクル特性が悪化することが懸念されるが、本発明のリチウムイオン二次電池は、負極活物質表面を絶縁性微粒子が適切に被覆しているため、サイクル特性が良好となる。
電解液全量基準で、ビニレンカーボネート(VC)の含有量は、0.1〜5質量%であることが好ましく、0.5〜2質量%であることが好ましい。
電解液に含まれる電解質塩としては、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiCFCO、LiPFSO、LiN(SOCF、LiN(SOCFCF、LiN(COCF及びLiN(COCFCF、リチウムビスオキサレートボラート(LiB(C)等のリチウムを含む塩が挙げられる。また、有機酸リチウム塩と三フッ化ホウ素錯体との反応物、LiBH等の錯体水素化物等の錯体が挙げられる。電解質塩は、1種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
これらの電解質塩の中でも、有機酸リチウム塩と三フッ化ホウ素錯体との反応物、LiPFなどが好ましく、有機酸リチウム塩と三フッ化ホウ素錯体との反応物がより好ましい。有機酸リチウム塩と三フッ化ホウ素錯体との反応物を用いることで、サイクル特性が向上しやすくなる。これは、有機酸リチウム塩と三フッ化ホウ素錯体との反応物を用いることで、負極活物質表面のSEIの形成を抑制できるからと考えられる。
<有機酸リチウム塩と三フッ化ホウ素錯体との反応物>
有機酸リチウム塩と三フッ化ホウ素錯体との反応物は、有機酸リチウム塩と三フッ化ホウ素錯体とを混合し、両者を反応させることにより得られ、好ましくは、以下の混合工程及び精製工程を経ることで得られる。
混合工程は、有機酸リチウム塩と三フッ化ホウ素錯体をそれぞれ準備し、これらを攪拌子、攪拌翼などの公知の手段で混合する工程である。
有機酸リチウム塩と三フッ化ホウ素錯体との配合比(有機酸リチウム塩:三フッ化ホウ素錯体)は、質量比で、好ましくは1:0.5〜1:20であり、より好ましくは1:1〜1:10であり、さらに好ましくは1:2〜1:5である。
三フッ化ホウ素錯体は液状であるため、混合工程において溶媒を使用する必要はないが、適宜溶媒を使用してもよい。
好ましい前記溶媒としては、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状炭酸エステル化合物(鎖状構造中に、炭酸エステル結合を有する化合物)、アセトニトリル等のニトリル化合物、テトラヒドロフラン等の環状エーテル化合物(環状構造中にエーテル結合を有する化合物)、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン等の鎖状エーテル化合物(鎖状構造中にエーテル結合を有する化合物)、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のカルボン酸エステル化合物が例示できる。
これらの中でも、前記有機溶媒としては、鎖状炭酸エステル化合物、ニトリル化合物、環状エーテル化合物が好ましい。
混合工程における混合時間は、反応終了に必要な時間以上とすればよく、特に限定されないが、1〜48時間であることが好ましく、2〜24時間であることがより好ましい。
混合する際の、温度は、10〜40℃であることが好ましく、20〜30℃であることがより好ましい。
なお、混合工程において、有機酸リチウム塩と三フッ化ホウ素錯体との反応物の生成は、クロマトグラフィーによる分析などの公知の手段で確認できる。
精製工程は、上記混合工程により生成する反応物以外の成分を除去することを目的に行われる工程である。反応物以外の成分としては、例えば、未反応の有機酸リチウム塩、未反応の三フッ化ホウ素錯体、混合工程において必要に応じて用いられる溶媒などが挙げられる。具体的な精製手段としては、反応物以外の成分を除去することができれば、特に限定されないが、有機酸リチウム塩、三フッ化ホウ素錯体を溶解することができる有機溶媒を用いて洗浄し、得られた洗浄物を公知の手段で乾燥させることが好ましい。
該有機溶媒としては、好ましくはジエチルエーテル、ジn−ブチルエーテル、テトラヒドロフランなどが挙げられ、より好ましくはジエチルエーテルである。
乾燥は、常温で行ってもよいし、加熱下(例えば40〜100℃)で行ってもよい。また乾燥は、常圧下で行ってもよいし、減圧下で行ってもよい。
なお、精製工程において、未反応の有機酸リチウム塩及び未反応の三フッ化ホウ素錯体は完全に除去されることが好ましいが、一部残存してもよい。したがって、電解液には、有機酸リチウム塩及び三フッ化ホウ素錯体のいずれか又は両方が含まれていてもよい。これら有機酸リチウム塩及び三フッ化ホウ素錯体の合計量は、電解液全量基準で、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0質量%である。
本発明における上記有機酸リチウム塩としては、カルボン酸リチウム塩が好ましい。
好ましいカルボン酸リチウム塩としては、ギ酸リチウム塩(HCOOLi)、酢酸リチウム塩(CHCOOLi)、プロピオン酸リチウム塩(CHCHCOOLi)、酪酸リチウム塩(CH(CHCOOLi)、イソ酪酸リチウム塩((CHCHCOOLi)、吉草酸リチウム塩(CH(CHCOOLi)、イソ吉草酸リチウム塩((CHCHCHCOOLi)、カプロン酸リチウム塩(CH(CHCOOLi)等の1価カルボン酸のリチウム塩、シュウ酸リチウム塩((COOLi))、マロン酸リチウム塩(LiOOCCHCOOLi)、コハク酸リチウム塩((CHCOOLi))、グルタル酸リチウム塩(LiOOC(CHCOOLi)、アジピン酸リチウム塩((CHCHCOOLi))等の2価カルボン酸のリチウム塩、乳酸リチウム塩(CHCH(OH)COOLi)等の水酸基を有する1価カルボン酸のリチウム塩、酒石酸リチウム塩((CH(OH)COOLi))、リンゴ酸リチウム塩(LiOOCCHCH(OH)COOLi)等の水酸基を有する2価カルボン酸のリチウム塩、マレイン酸リチウム塩(LiOOCCH=CHCOOLi、cis体)、フマル酸リチウム塩(LiOOCCH=CHCOOLi、trans体)等の不飽和2価カルボン酸のリチウム塩、クエン酸リチウム塩(LiOOCCHC(COOLi)(OH)CHCOOLi)等の水酸基を有する3価カルボン酸のリチウム塩が例示できる。これらの中でも、ギ酸リチウム塩、酢酸リチウム塩、シュウ酸リチウム塩、コハク酸リチウム塩がより好ましく、シュウ酸リチウム塩が更に好ましい。
すなわち、電解質層に含有される有機酸リチウム塩と三フッ化ホウ素錯体との反応物としては、ギ酸リチウム塩と三フッ化ホウ素錯体との反応物、酢酸リチウム塩と三フッ化ホウ素錯体との反応物、シュウ酸リチウム塩と三フッ化ホウ素錯体との反応物、コハク酸リチウム塩と三フッ化ホウ素錯体との反応物が好ましく、シュウ酸リチウム塩と三フッ化ホウ素錯体との反応物がより好ましい。
三フッ化ホウ素錯体としては、好ましくは三フッ化ホウ素アルキルエーテル錯体、三フッ化ホウ素アルコール錯体などが挙げられる。
上記三フッ化ホウ素アルキルエーテル錯体としては、三フッ化ホウ素ジメチルエーテル錯体(BF・O(CH)、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(BF・O(C)、三フッ化ホウ素ジn−ブチルエーテル錯体(BF・O(C)、三フッ化ホウ素ジtert−ブチルエーテル錯体(BF・O((CHC))、三フッ化ホウ素tert−ブチルメチルエーテル錯体(BF・O((CHC)(CH))、三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体(BF・OC)等が挙げられる。
上記三フッ化ホウ素アルコール錯体としては、三フッ化ホウ素メタノール錯体(BF・HOCH)、三フッ化ホウ素プロパノール錯体(BF・HOC)、三フッ化ホウ素フェノール錯体(BF・HOC)等を挙げることができる。
これら三フッ化ホウ素錯体の中でも、上記混合工程における反応性などを考慮すると、三フッ化ホウ素アルキルエーテル錯体が好ましく、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体がより好ましい。
電解液全量基準における有機酸リチウム塩と三フッ化ホウ素錯体との反応物の含有量は、好ましくは0.1〜3質量%であり、より好ましくは1.5〜2.5質量%である。
また、有機酸リチウム塩と三フッ化ホウ素錯体との反応物を用いる場合は、LiPFと併用することが好ましく、この場合LiPFの含有量は、電解液全量基準で、好ましくは1〜15質量%であり、より好ましくは10〜13質量%である。
リチウムイオン二次電池は、負極と、正極とがそれぞれ複数積層された多層構造であってもよい。この場合、負極及び正極は、積層方向に沿って交互に設けられればよい。また、セパレータが使用される場合、セパレータは各負極と各正極の間に配置されればよい。
リチウムイオン二次電池において、上記した負極及び正極、又は負極、正極、及びセパレータは、バッテリーセル内に収納される。バッテリーセルは、角型、円筒型、ラミネート型などのいずれでもよい。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
得られたリチウムイオン二次電池は、以下の評価方法により評価した。
(絶縁性微粒子の被覆量)
絶縁層用組成物を負極活物質層の表面に塗布して形成させた絶縁層を、レーザー顕微鏡(オリンパス社製、商品名OLS−4500)で観察した。800μm×800μmの視野で観察し、負極活物質表面において、絶縁性微粒子が被覆している部分と、負極活物質層の露出部とを目視で切り分けられるように二値化した。絶縁性微粒子であるアルミナは白く、負極活物質の露出部は黒く観察された。全視野に対する絶縁性微粒子の割合を、絶縁性微粒子の被覆量とした。
(サイクル特性)
各実施例、比較例で作製したリチウムイオン二次電池を60℃、充電レートを2C,放電レートを3Cとして充放電サイクルを繰り返した。
1000サイクル後の放電容量を10サイクル後の放電容量と比較し、容量維持率とした。下記の評価基準でサイクル特性を評価した。容量維持率が高いほど、サイクル特性に優れることを示す。
A:容量維持率 70%以上
B:容量維持率 65%以上70%未満
C:容量維持率 60%以上65%未満
D:容量維持率 60%未満
(出力特性評価)
各実施例、比較例で作製したリチウムイオン二次電池について、以下のように放電容量を求めることで評価した。
1Cの定電流充電を行い、次いで4.2V到達次第電流を減少させ0.05Aとなった時点で充電完了する定電圧充電を行った。その後、10Cの定電流放電を行い、2.5Vまで放電させた時点で放電完了とする放電を行い、放電容量を計算した。以下の基準で出力特性を評価した。
A:1Cの定電流の放電容量に比べ、10Cの放電容量が30%以上
B:1Cの定電流の放電容量に比べ、10Cの放電容量が20%以上30%未満
C:1Cの定電流の放電容量に比べ、10Cの放電容量が10%以上20%未満
D:1Cの定電流の放電容量に比べ、10Cの放電容量が10%未満
(安全性評価)
各実施例、比較例で作製したリチウムイオン二次電池に対して、0.1Aの定電流充電を行い、次いで4.2V到達次第電流を減少させ0.02Aとなった時点で充電完了する定電圧充電を行った。その後電池を加熱し、110℃として保管した。110℃到達後1時間保持したときの電池の最高温度を測定し以下の評価基準で安全性を評価した。
A:最高温度115℃未満
B:最高温度115℃以上140℃未満
C:最高温度140℃以上200℃未満
D:最高温度200℃以上
(有機酸リチウム塩と三フッ化ホウ素錯体との反応物)
シュウ酸リチウム塩と三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体とを1:3.5(質量比)で混合した後、50℃で12時間攪拌した。イオンクロマトグラフィーによる分析の結果、原料であるシュウ酸リチウム塩と三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体とが反応した反応物が生成していることを確認した。その後、ジエチルエーテルで洗浄し、真空乾燥して、シュウ酸リチウム塩と三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体との反応物を得た。
(実施例1)
(絶縁層用組成物の作製)
絶縁性微粒子としてアルミナ粒子(日本軽金属社製、製品名:AHP200、平均粒子径0.4μm)を用いた。バインダーとして架橋ポリブチルアクリレートを用い、これをN−メチルピロリドン(NMP)に溶解させたバインダー溶液を用意した。アルミナ粒子100体積部に対して、バインダーが25体積部となるように中程度のせん断をかけながら、上記アルミナ粒子と、バインダー溶液を混合して、スラリー状の絶縁層用組成物を得た。該絶縁層用組成物の固形分濃度は30質量%であった。
(リチウムイオン二次電池用負極の作製)
負極活物質としてグラファイト(平均粒子径10μm)100質量部と、負極用バインダーとしてスチレンブタジエンゴム1.5質量部、カルボキシメチルセルロース(CMC)のナトリウム塩を1.5質量部と、溶媒として水とを混合し、固形分50質量%に調整した負極活物質層用組成物を得た。この負極活物質層用組成物を、負極集電体としての厚さ12μmの銅箔の両面に塗布して100℃で真空乾燥した。その後、両面に負極活物質層用組成物を塗布した負極集電体を、線圧500kN/mで加圧プレスし、負極集電体の両面に負極活物質層を形成させた積層体を得た(該積層体を絶縁層なしリチウムイオン電池用負極という)。負極活物質層の厚みはそれぞれ50μmであり、負極活物質層の密度は1.55g/ccであった。なお、負極の寸法は45mm×55mmであり、該寸法のうち、負極活物質層が塗布された面積は45mm×50mmであった。
上記積層体の両面の負極活物質層の表面に、それぞれ、上記のとおり作製した絶縁層用組成物を塗布し、塗膜を形成させた。塗布は、グラビア塗工により、せん断力をかけながら行った。塗布時の絶縁層用組成物の粘度は1300mPa・sであった。塗膜をオーブンを用いて90℃で10分間乾燥させ、絶縁層を形成させ、リチウムイオン二次電池用負極を得た。乾燥後の絶縁層の厚さは、片面あたり1.8μmであった。
(正極の作製)
正極活物質として平均粒子径10μmのLi(Ni−Co−Al)O(NCA系酸化物)を100質量部と、導電助剤としてアセチレンブラックを4質量部と、正極用バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)4質量部と、溶媒としてのN−メチルピロリドン(NMP)とを混合した。これにより、固形分濃度60質量%に調整した正極活物質層用組成物を得た。この正極活物質層用組成物を、正極集電体としての厚さ15μmのアルミニウム箔の両面に塗布し、予備乾燥後、120℃で真空乾燥した。その後、両面に正極活物質層用組成物を塗布した正極集電体を、400kN/mで加圧プレスし、更に電極寸法の40mm×50mm角に打ち抜いて、両面に正極活物質層を有する正極とした。該寸法のうち、正極活物質が塗布された面積は40mm×45mmであった。また、正極活物質の厚さはそれぞれ50μmであった。
(電解液の調製)
有機溶媒としてエチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、プロピレンカーボネート(PC)、及びビニレンカーボネート(VC)、電解質塩としてヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、シュウ酸リチウム塩と三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体との反応物を表1に記載の質量で混合し、電解液を調整した。
(リチウムイオン二次電池の製造)
上記で得たリチウムイオン二次電池用負極25枚と、正極24枚を交互に積層して、仮積層体を得た。平板型ホットプレス機を用いて、上記仮積層体を、80℃、0.6MPaの条件で1分間プレスし積層体を得た。
各正極の正極集電体の露出部の端部を纏めて超音波融着で接合するとともに、外部に突出する端子用タブを接合した。同様に、各負極の負極集電体の露出部の端部を纏めて超音波融着で接合するとともに、外部に突出する端子用タブを接合した。
次いで、アルミラミネートフィルムで上記積層体を挟み、端子用タブを外部に突出させ、三辺をラミネート加工によって封止した。封止せずに残した一辺から、上記で得た電解液を注入し、真空封止することによってラミネート型のセルを製造した。結果を表1に示した。
(実施例2〜6、比較例1〜2)
絶縁層組成物、絶縁層、電解液の組成を表1のとおり変更した以外は、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。結果を表1に示した。
(比較例3)
実施例1のリチウムイオン二次電池の製造において、リチウムイオン二次電池用負極として、絶縁層なしリチウムイオン電池用負極を用いた以外は、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。結果を表1に示した。
Figure 0006922101

以上の実施例1〜6に示すように、負極活物質層表面の絶縁性微粒子の被覆量を特定範囲にした本発明のリチウムイオン二次電池は、サイクル特性に優れていた。一方、比較例1〜2に示すように、被覆量が特定範囲外のリチウムイオン二次電池はサイクル特性に劣る結果となった。さらに、絶縁層を設けていない比較例3のリチウムイオン二次電池は、サイクル特性、出力特性、安全性のすべての項目で悪い結果となった。
10 リチウムイオン二次電池用負極
11 負極活物質層
12 絶縁層
13 負極集電体
14 絶縁性微粒子
15 露出部
20 リチウムイオン二次電池
21 負極活物質層
22 絶縁層
23 負極集電体
26 正極活物質層
27 正極集電体
28 負極(リチウムイオン二次電池用負極)
29 正極

Claims (6)

  1. 負極活物質と負極用バインダーを含有する負極活物質層と、負極活物質層の表面に設けられ、絶縁性微粒子と絶縁層用バインダーとを含有する絶縁層とを備え、前記絶縁層の厚みが1〜2μmであり、前記負極活物質層の表面における前記絶縁性微粒子の被覆量が20〜70%である、リチウムイオン二次電池用負極の製造方法であって、
    負極活物質と負極用バインダーとを含有する負極活物質層の表面上に、絶縁性微粒子、絶縁層用バインダー、及び絶縁層用有機溶媒を含有する絶縁層用組成物をグラビアコート法により塗布して絶縁層を形成させる工程を備え、
    前記絶縁層用組成物の25℃における粘度が700〜3000mPa・sである、リチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
  2. 前記絶縁層用バインダーの含有量が、絶縁層全量基準で10〜50体積%である、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
  3. 前記負極活物質の平均粒子径が10〜25μmである、請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
  4. 極と、負極と対抗するように配置される正極と、負極と正極との間に配置されるセパレータとを備えるリチウムイオン二次電池の製造方法であって、前記負極を請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法で製造する、リチウムイオン二次電池の製造方法。
  5. 前記リチウムイオン二次電池が、さらに、電解液用有機溶媒及び電解質塩を含む電解液を備える、請求項4に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法
  6. 前記電解液用有機溶媒が、ビニレンカーボネートを含有する、請求項5に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法
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