JP6766436B2 - 積層体および積層体の製造方法 - Google Patents
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Description
特に詳しくは、耐熱性と絶縁性に優れた薄いポリイミドなどのフィルムとそれとほぼ同程度の線膨張係数を有するガラス板、セラミック板、シリコンウエハ、金属から選ばれた一種の無機物からなる基板とが積層された精緻な回路がマウント可能な、寸法安定性と耐熱性と絶縁性に優れた積層体および積層体を得るための製造方法に関する発明である。
半導体素子、MEMS素子、ディスプレイ素子などの機能素子を高分子フィルム表面に形成するに当たっては、高分子フィルムの特性であるフレキシビリティを利用した、いわゆるロール・トゥ・ロールプロセスにて加工することが理想とされている。しかしながら半導体産業、MEMS産業、ディスプレイ産業界では、ウエハベースないしガラス基板ベースのリジッドな平面基板を対象としたプロセス技術が構築されてきた。現実的な選択として、高分子フィルムを、金属板、ウエハ、ガラス基板などの無機物からなるリジッドな支持基板に貼り合わせし、所望の素子を形成した後に支持基板から剥離することで、既存インフラを利用して高分子フィルム上に形成した機能素子を得ることが可能となる。
高分子フィルムと無機物からなる支持基板との貼り合わせにおいては、かかる機能素子の形成を行う上で支障ないレベルの表面平滑性、クリーン性、プロセス温度への耐性、微細加工に用いられる薬液への耐性が求められる。特に機能素子の形成温度が高い場合には、高分子フィルムの耐熱性は勿論、積層体の接合面がその加工温度に耐えなければならない。
半導体薄膜のなかでもSiについては、線膨張係数が3ppm/℃程度であり、この薄膜を基板上に堆積させる場合、基板と薄膜の間の線膨張係数の差が大きいと、薄膜中に応力が溜まり、性能の劣化や、薄膜の反り、剥がれをもたらす原因となる。特に薄膜作成プロセス中に高温が加わる場合、温度変化の間に、基板と薄膜の間の線膨張係数の差に起因する応力が大きくなることになる。
低温ポリシリコン薄膜トランジスターの作成においては、脱水素化工程において、450℃2時間といった処理も必要な場合がある。また、水素化アモルファスシリコン薄膜作成には200℃から300℃程度の温度を基板に加える事がありえる。このときに、高分子フィルムとして熱可塑性樹脂は性能を満足するものではない。
従来粘着剤、接着剤を用いて高分子フィルムを無機基板に貼り合わせて加工することは広く行われてきた(特許文献1)。しかしながら、ポリシリコン、酸化物半導体など、200〜500℃程度の温度域でのプロセスが必要となる場合においては、十分に実用に足るだけの耐性を有する貼り合わせ用接着剤、粘着剤を使った方法は知られていない。
接着剤、粘着剤等を用いずに耐熱性の問題を回避するための手法として固定基板上に、剥離層となる非晶質シリコン膜を介して樹脂基板を形成する工程と、前記樹脂基板上に少なくともTFT素子を形成する工程と、前記非晶質シリコン膜にレーザー光を照射することにより、前記非晶質シリコン膜において前記固定基板から前記樹脂基板を剥離する工程とを行い、前記樹脂基板を用いた柔軟性を有する表示装置を作製することが(特許文献2)に開示されているが、剥離に際して接着剤層をレーザー照射やエッチング手段を用いており、煩雑工程かつ高コストを引き起こすことになる。
また、かかる手法の応用として、無機基板側に表面処理と選択的な不活性化処理を併用して、ポリイミドフィルムと無機基板との接着強度が比較的強い良好接着部と比較的弱い易剥離部とを形成し、主に良好接着部を無機基板の外周部分に、易剥離部を内側エリアに設け、易剥離部に必要なデバイス形成加工などを行った後に、良好接着部と易剥離部との境目に切り込みを入れて、易剥離部に形成したデバイス部分をポリイミドフィルムごと低応力で剥離することが可能な技術を提案した。(特許文献6)
本手法で得られた積層体は、真空プロセスや湿式処理プロセス、高温処理プロセスなどを含む半導体デバイス製造工程に十分な耐性を示し、かつ、易剥離部は容易に基板から剥離することができるため、デバイスを破壊すること無く、フレキシブルデバイスを製造することを可能とする産業上極めて有用なものである。
しかしながら、かかる技術では、フレキシブルデバイスの製造工程において高温に暴露される工程がある場合に、易剥離部の接着強度が上がってしまい、剥離が困難となるために良好接着部と易剥離部の境界が曖昧になることがあった。
また、マスクを無機基板に直接接触しないように浮かせた場合には、不活性化処理がマスクと無機基板の隙間に回り込み、やはり良好接着部分と易剥離部との境界が曖昧で不鮮明となる問題が生じた。
良好接着部と易剥離部の境界が曖昧であると、本来強く接着しているべき周囲部分がプロセス中に剥離する、あるいは、易剥離できるはずの部分の剥離操作時にデバイスに応力が加わりデバイス破壊を引き起こすなど、収率低下につながる問題となる。
すなわち本発明は以下の構成からなる。
[1] 少なくとも、無機物からなる基板とポリイミドフィルムから構成されてなる積層体であって、基板に対するポリイミドフィルムの接着強度が高い良好接着部と、接着強度が低い易剥離部とを有しており、
良好接着部の平均接着強度をT1とし、
易剥離部の平均接着強度をT2とし、
接着強度差T=T1−T2とした場合に、
接着強度がT1−0.1×Tである位置からT1−0.9×Tである位置との距離Gが4.0mm以下であり、
該易剥離部の外形における角部分丸みのr(半径)が8.0mm以下である事を特徴とする積層体。
[2] 前記易剥離部の接着強度が0.01N/cm以上、0.3N/cm以下である事を特徴とする[1]記載の積層体。
[3] 前記良好接着部の接着強度が易剥離部の接着強度の2倍以上である事を特徴とする[1]または[2]に記載の積層体。
[4] シランカップリング剤処理後に、部分的に不活性化処理を行い、易剥離部となる潜像を形成した無機物からなる基板と、表面処理されたポリイミドフィルムを重ね合わせて密着させ、加熱することにより両者を接着する積層体の製造方法において、ポリイミドフィルムの表面処理が、少なくとも、温度12℃以上、48℃以下、pH8.5以上、10.5以下の水酸化カリウムを含む界面活性剤水溶液に、10秒以上接触した後に水洗する工程含む事を特徴とする[1]から[3]のいずれかに記載の積層体の製造方法。
[5] 前記ポリイミドフィルムの表面処理の後に、pH3.5から6.5の酸水溶液に接触させる処理を行うことを特徴とする[1]から[4]のいずれかに記載の積層体の製造方法。
[6] 前記不活性化処理が、無機物からなる基板のシランカップリング剤処理面に、プラズマを直接照射する処理であることを特徴とする[4]または[5]に記載の製造方法。
[7] 前記不活性化処理が、無機物からなる基板のシランカップリング剤処理面に、酸素濃度16%以上の雰囲気中にて波長300nm以下励起光を照射する処理であることを特徴とする[4]または[5]に記載の製造方法。
積層体の製造方法。
工業的に求められるフレキシブルデバイスの形状は多様で有る。場合によっては全てが曲線で構成されるデバイスも存在しうるが、多くの場合、外径形状に鋭角、鈍角を問わず、角部分が存在することが多い。
仮支持体を用いてフィルムを保持し、易剥離部の外径に概ね沿って切り込みを入れ、デバイス部分を剥離する製法において、高確率で剥離時の不具合が生じる個所が角部分である。本発明者らは、かかる角部分の処置について検討を重ねた結果、角部のRを4mm以下とする事により、剥離時の不良が減り、高収率を得ることができることを見出し、本発明に到達している。
本発明の好ましく用いられる特定の不活性化処理と、本発明のポリイミドフィルムの表面処理を組み合わせる事により得られる積層体は、剥離強度の強弱の遷移領域が狭く、良好接着部と易剥離部との境界が明瞭であり、400℃を越える高温に暴露された後でも接着強度が大きく変化せず、角部分の小さなRを維持するため、デバイス形成領域の外側のマージンを小さくできるため、有効面積が広がり製品収率が上がり、生産性が改善される。さらに明瞭な境界を設けた結果、微細デバイスを形成した領域を剥離する際に、剥離のきっかけを得ることが容易になり、生産効率が向上する。なぜならば、剥離のきっかけは角部分とすることが合理的であるからである。
また、従来は易剥離部から剥離した部分のフィルム端部、特に角部分に若干のカールが見られることが多かったが、本発明の遷移領域が狭く、角部のrが小さい積層体から剥離した場合にはこの端部のカールが目立たなくなっており、得られる製品の平面性が改善されていることが見出されている。
2.易剥離部の外形
3.接着強度測定用試験片
4.接着強度がTc=(T1+T2)/2となる点
5.接着強度を測定する場合の方向
芳 香族テトラカルボン酸類としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4'−オキシジフタル酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン酸無水物等を用いることができる。これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。芳香族テトラカルボン酸類は、耐熱性を重視する場合には、例えば、全テトラカルボン酸類の80質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
ポリイミドフィルムと表面処理液を接触させる方法としては、実験室的には浸漬(ディップ)法、工業生産的にはスプレー法を用いることができる。
アニオン系界面活性剤としては、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルカルボン酸塩、アルキルベンゼンカルボン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルベンゼンリン酸塩等を例示でき、アルキルベンゼンスルホン酸塩の使用が好ましい。本発明ではこれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアルキルアンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩、モノアルカノールアミン塩、ジアルカノールアミンエン、トリアルカノールアミン塩を用いることができる。本発明ではカリウム塩の使用が好ましい。
本発明で用いられるノニオン系界面活性剤は、分子内にポリアルキレングリコール鎖を有する水溶性化合物と解して良い。
本発明の表面処理液には、水酸化カリウム、界面活性剤の他に、表面処理液中の多価金属イオンを補足する目的でキレート剤を添加しても良い。また表面処理液の泡立ちを抑制するための消泡剤を添加しても良い。消泡剤としては水溶性のアルコール化合物の添加が好ましい。
本発明では、ポリイミドフィルムと表面処理液を所定の時間接触させた後、水洗を行うことが好ましい。
本発明ではさらに水洗の後、pH3.5〜6.5の範囲の酸処理を行い、その後に再度水洗することが好ましい。ここに酸処理には塩酸、硫酸、などの無機酸の希薄溶液、または酢酸、クエン酸などの水溶性有機酸の溶液を用いることができる。
ポリイミドフィルムの吸湿率が高いと、無機基板との接着工程において接着不良ないしは接着強度のバラツキの原因になる場合があり、さらには無機基板との接着後のデバイス加工工程などにおいてフィルムの部分剥離を生じる恐れがある。
本発明において好ましく使用されるカップリング剤は、アミノ基またはエポキシ基を持ったものが、好ましい。カップリング剤の具体例としては、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3―トリエトキシシリルーN−(1,3−ジメチルーブチリデン)プロピルアミン、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、トリス-(3- トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、クロロメチルフェネチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシランなどが挙げられる。
他にもカップリング剤として使いうるものとして、1−メルカプト−2−プロパノール、3−メルカプトプロピオン酸メチル、3−メルカプト−2−ブタノール、3−メルカプトプロピオン酸ブチル、3−(ジメトキシメチルシリル)−1−プロパンチオール、4−(6−メルカプトヘキサロイル)ベンジルアルコール、11−アミノ−1−ウンデセンチオール、11−メルカプトウンデシルホスホン酸、11−メルカプトウンデシルトリフルオロ酢酸、2,2'―(エチレンジオキシ)ジエタンチオール、11−メルカプトウンデシルトリ(エチレングリコール)、(1−メルカプトウンデイックー11−イル)テトラ(エチレングリコール)、1−(メチルカルボキシ)ウンデック−11−イル)ヘキサ(エチレングリコール)、ヒドロキシウンデシルジスルフィド、カルボキシウンデシルジスルフィド、ヒドロキシヘキサドデシルジスルフィド、カルボキシヘキサデシルジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、チタンジオクチロキシビス(オクチレングリコレート)、ジルコニウムトリブトキシモノアセチルアセトネート、ジルコニウムモノブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムトリブトキシモノステアレート、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートなどが挙げられる。
本発明を効果的に実現するにはシランカップリング剤層の厚さに上限がある。本発明に於けるシランカップリング剤層の厚さは100nm以下である事が必須であり、好ましくは60nm以下であり、さらに好ましくは25nm以下であり、さらに好ましくは12nm以下である。このような薄い領域のシランカップリング剤層を均一に形成する方法としてシランカップリング剤の気相塗布法を例示することができる。なお、シランカップリング剤層の膜厚は、エリプソメトリー法にて求めることができる。
図1は、本発明の積層体においてポリイミドフィルムの接着強度を測定した場合の典型的な測定結果の一例である。接着強度が高い領域Sが良好接着部、接着強度が低い領域Wが易剥離部、Gが両者の遷移領域である。
本発明では良好接着部の平均接着強度を T1とし、易剥離部の平均接着強度をT2とし、接着強度差T=T1−T2とした場合に、接着強度がT1−0.1×Tである位置からT1−0.9×Tである位置の距離G、すなわち遷移領域Gの幅が4.0mm以下であることが好ましい。遷移領域の幅Gは3.0mm以下であることがさらに好ましく、さらに2.4mm以下であることが好ましく、さらに1.5mm以下であることが好ましい。
本発明における易剥離部の外径は、接着強度がT1とT2の中間のTcとなる点を結んだ外形線として定義する。角部分の丸みr(半径は)、図2に示すように、角近傍の接着強度分布を、概略丸みの中心点と見なされる方向に向け、幅1mmにスリットした試験片にて測定し、Tcとなる点を結んで得た外形線を求め、角部分の丸みに沿った内接円の半径を、外形線上の角近傍の適切な任意の三点から算術的に求めることによって得る。
またマスクを使用しないことで、フィルム表面にキズや汚染、異物の付着が生じる危険性を低くすることができる。必要とされる接着強度は、それぞれのプロセスによって要求値が異なる。しかし、一般論としては、積層体のポリイミドフィルムと無機物からなる基板との良好接着部の90度接着強度が0.5N/cm以上5N/cm以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.8N/cm以上2N/cm以下である。易剥離部の90度接着強度が良好接着部の1/2以下であることが好ましく、さらに良好接着部の接着強度が1N/cmである場合には易剥離部は0.01N/cm以上0.4N/cm以下であることが好ましく、易剥離部の接着強度は、さらに好ましくは良好接着部の1/2以下かつ0.01N/cm以上0.2N/cm以下である。ただし易剥離部の接着強度の下限はポリイミドフィルムの曲げエネルギーなども加味された値である。
本発明における大気圧プラズマ処理としては、ダイレクト式大気圧プラズマ処理、リモート式大気圧プラズマ処理、スポット式大気圧プラズマ処理などが挙げられる。
本発明において好ましい電界強度は45kV/m以上、500kV/m以下の範囲であり、さらに好ましくは80kV/m以上、240kV/m以下の範囲である。電界強度がこの範囲を超えると異常放電が生じる場合が有り、被処理物に放電跡が残るなどの問題が生じる場合がある。また、電界強度がこの範囲より小さい場合には処理効果が小さくなり、処理に時間を要するようになるため、生産性が低下する。なおここでいう電界強度は被処理物が電極間に入っていない場合の電界強度である。
本発明に於ける大気圧プラズマ処理においてプラズマを発生させるための交番電界の周波数は8kHz以上、300kHz以下である事が好ましく、さらに12kHz以上120kHz以下である事が好ましく、さらに20kHz以上、80kHz以下であることが好ましい。周波数がこの範囲を下回ると放電の安定性が低下してプラズマが立ちにくくなる。また周波数がこの範囲を超えると処理装置内の漏れ電流が増えるため、エネルギー効率が低下する。
本発明における、少なくとも基板のカップリング剤処理面と対向する電極と、シランカップリング剤処理面との間隔は、0.3mm以上、5.0mm以下の距離を設けて処理を行うことが好ましく、さらに1.2mm以上3.7mm以下の範囲で処理を行うことが好ましい。電極と処理面との間隔がこの範囲を下回ると、場合によっては被処理物と電極が接触することで不具合が生じる場合がある。また両者の距離がこの範囲を超えると処理効果が小さくなり、処理に長時間必要となるため生産性が落ち、さらにプラズマの拡散が生じるため接着強度の強弱の遷移領域が広くなりやすくなる。
本発明における基板の大気圧プラズマ処理に際しては、電極と基板の双方を動かさずに一定時間処理してもよいし、電極と基板のどちらか一方もしくは両方を一定速度で動かしながら処理してもよい。基板上の大気圧プラズマ照射範囲内の任意の一点にプラズマが照射され始めてから照射が終了するまでの時間を照射時間とすると、好ましい照射時間は0.5秒以上15.0秒以下であり、より好ましくは0.7秒以上12.0秒以下である。ここに、プラズマが照射され始めてから照射が終了するまでの時間とは、被処理物が、プラズマを発生させる対向する電極間を通過する時間を云う。さらに厳密には、被処理物の進行方向において、対向する電極の入り口側の電極エッジを結んだ面と、対向する電極の出口側の電極のエッジを結んだ面との間を通過する時間である。
本発明におけるリモート式プラズマ処理とは、0.3気圧〜3気圧の範囲の圧力下において交番電界によって発生するプラズマに被処理物を暴露する処理であって、周波数が8kHz以上300kHz以下の交番電界によって生じたプラズマを、電界強度が45kV/m未満の状態にて基板に照射する処理である。本発明では電界強度が20kV/m未満である事が好ましく、さらに5kV/m未満である事がさらに好ましい。本発明では積極的にプラズマを電界加速せず、プラズマ照射による帯電にて生じる電界以上の外部電界を加えないことが好ましい。
本発明におけるプラズマ流量は、交番電界によって発生するプラズマに供給するガスの流量によって規定され、好ましくは10L/min以上300L/min以下であり、より好ましくは30L/min以上250L/min以下であり、さらに好ましくは50L/min以上200L/min以下である。プラズマ流量は小さすぎると供給されるプラズマの量が制限されるとともにプラズマが処理部周辺に滞留し接着強度の遷移領域が不明確になるため好ましくなく、大きすぎるとガス中のプラズマ密度が低下し接着強度低下の効果が薄れるため好ましくない。
またプラズマを含むガスが大量に発生するため、本プラズマ処理を行う設備には強制排気機能を設け、絶えず雰囲気が入れ替わるようにすることが好ましい。
本発明で用いられる励起光の波長は好ましくは270nm以下、さらに好ましくは230nm以下、なお好ましくは190nm以下である。かかる励起光は比較的近距離で照射することが望まれる。短波長の励起光は、雰囲気中の酸素をオゾン化し、励起光自身は減衰するため、励起光源と被処理物との距離を離すと効果が小さくなる。本発明では励起光源と被処理物との間隔を30mm以下、好ましくは16mm以下、なお好ましくは8mm以下にすることが好ましい。
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN,N−ジメチルアセトアミドに溶解した溶液についてウベローデ型の粘度管を用いて30℃で測定した。
ポリイミドフィルムの厚さは、マイクロメーター(ファインリューフ社製「ミリトロン1245D」)を用いて測定した。
測定対象とするフィルムから、流れ方向(MD方向)及び幅方向(TD方向)がそれぞれ100mm×10mmである短冊状の試験片を切り出し、引張試験機(島津製作所社製「オートグラフ(登録商標);機種名AG−5000A」)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmの条件で、MD方向、TD方向それぞれについて、引張弾性率、引張強度および引張破断伸度を測定した。
測定対象とする高分子フィルムの流れ方向(MD方向)および幅方向(TD方向)について、下記条件にて伸縮率を測定し、15℃の間隔(30℃〜45℃、45℃〜60℃、…)での伸縮率/温度を測定し、この測定を300℃まで行って、MD方向およびTD方向で測定した全測定値の平均値を線膨張係数(CTE)として算出した。
機器名 ; MACサイエンス社製「TMA4000S」
試料長さ ; 20mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 25℃
昇温終了温度 ; 400℃
昇温速度 ; 5℃/分
雰囲気 ; アルゴン
初荷重 ; 34.5g/mm2
ポリイミドフィルム2枚を、異なる面同士で重ね合わせ(すなわち、同じ面同士ではなく、フィルムロールとして巻いた場合の巻き外面と巻き内面とを重ね合わせ)、重ねたポリイミドフィルムを親指と人差し指で挟み、軽く摺り合わせたときに、高分子フィルムと高分子フィルムが滑る場合を「○」又は「良好」、滑らない場合を「×」又は「不良」と評価した。なお、巻き外面同士あるいは巻き内面同士では滑らない場合もあるが、これは評価項目とはしない。
視力1.0以上の成人検査員による積層体の目視検査を行い、基板表面の汚染、特に付着異物量に相関のあるブリスター(フィルム浮き:基板とフィルムとの間に異物が入ることによりフィルムがテント状に持ち上がり、基板とフィルムとの間に空間が生じた個所。「バブル」、「浮き」とも呼ばれる)の多少について判定した。100平方cmあたりの個数に換算し、直径が0.2mm以上のブリスターが0〜3個の場合を極少、4〜10個を少、10〜20を多、21以上が多々とした。
視力1.0以上の成人検査員による剥離後のフィルム外観の目視検査を行った。着目点はフィルムエッジのカールの有無である。剥離したフィルムを除電ブラシで中性化し、基板へお貼り付け面を下にして平らな金属製の定盤の上に置きり、フィルムエッジの浮きの有無を目視観察し、カールが認められなかった場合を「◎」、エッジの浮き上がりが0.5mm未満である場合を「○」、0.5mm以上1.0mm未満を「△」、1.0mm以上を「×」とした。
<接着強度、遷移領域幅、角r>
JIS K6854 の90度剥離法に従って、積層体の基板とフィルムとを引き剥がし、剥離に要する力(チカラ)をチャートに記録した。実際に作製した資料の大きさは、基板によって異なるが、測定個所を良好接着部と易剥離部の境界が測定部分のほぼ中央になるように位置取りを行い、少なくとも境界を跨いで長さ40mmの距離の引きはがし測定を行った。
使用した測定装置は島津製作所社製のオートグラフAG−ISであり、測定環境は大気中の室温標準環境、剥離速度は100mm/min、測定サンプル幅は1.0mmである。
得られたチャートは典型的には図1の様式を有しており、良好接着領域Sにおける接着強度をT1、易剥離領域であるWにおける接着強度をT2とし、T=T1―T2と置き、接着強度が「T1−0.1×T」となる個所から、接着強度が「T1−0.9×T」となる個所までの距離を遷移領域Gとした。
さらにT1とT2の中間値をTcとし、Tcとなる個所をつなぐことにより、易剥離部の外形の形状を得、角部の内接円半径を、三点法により求めた。
易剥離部の設計時の外形に沿って、フィルムをスリットし、角部分を針で起こして「きっかけ」をつくり、易剥離部を剥離した。N=10で試験を行い、剥離時に裂け等にて不良となった回数をカウントした。、
カップリング処理層(SC層)の厚さ(nm)は、別途、洗浄したSiウエハ上に各実施例、比較例と同様の方法でカップリング剤を塗布乾燥させて得たサンプルを作製し、このSiウエハ上に形成したカップリング処理層の膜厚について、エリプソメトリー法にて、分光エリプソメータ(Photal社製「FE−5000」)を用いて下記の条件で測定した。
反射角度範囲 ; 45°から80°
波長範囲 ; 250nmから800nm
波長分解能 ; 1.25nm
スポット径 ; 1mm
tanΨ ; 測定精度±0.01
cosΔ ; 測定精度±0.01
測定 ; 方式回転検光子法
偏向子角度 ; 45°
入射角度 ; 70°固定
検光子 ; 11.25°刻みで0〜360°
波長 ; 250nm〜800nm
非線形最小2乗法によるフィッティングで膜厚を算出した。このとき、モデルとして
は、Air/薄膜/Siのモデルで、
n=C3/λ4+C2/λ2+C1
k=C6/λ4+C5/λ2+C4
の式で波長依存C1〜C6を求めた。
無機物からなる基板はシランカップリング剤を塗布する前に、LANテクニカルサービス社製のUV/オゾン洗浄改質装置「SKR1102N−03」を用いて表面にUV光を2分間照射し、汚れを除去してから使用した。
シランカップリング剤蒸気を発生させる装置を用い、以下の条件にて基板へシランカップリング剤層を形成させた。
基板には370mm×470mm×0.7mmtの無アルカリガラス(日本電気硝子製OA−10G)を用い、ガラス立てに垂直にセットし、シランカップリング剤蒸気を導入するチャンバー内に入れた。次いでシランカップリング剤の液面にキャリアガスを送り込む事でシランカップリング剤蒸気を発生させる装置にシランカップリング剤(信越化学工業株式会社製「KBM−903」:3−アミノプロピルトリメトキシシラン)100gを入れ、40℃に温調した後に窒素ガスを流量10L/minで送り込んだ。発生したシランカップリング剤蒸気を配管を通じてチャンバー内に導入し、20分間保持した。その後基板をチャンバーから取り出し、110℃のホットプレートで1分間熱処理を行うことで、シランカップリング剤層を形成した基板S1を得た。
シランカップリング剤蒸気を導入したチャンバー内に無アルカリガラス基板を保持する時間を10分間に変更した以外は塗布例1と同様の作業を実施し、基板S2を得た。
シランカップリング剤蒸気を導入したチャンバー内に無アルカリガラス基板を保持する時間を5分間に変更した以外は塗布例1と同様の作業を実施し、基板S3を得た。
シランカップリング剤(信越化学工業株式会社製「KBM−903」:3−アミノプロピルトリメトキシシラン)0.5質量部、イソプロピルアルコール99.5質量部を清浄なガラス容器内にて攪拌混合しシランカップリング剤溶液とした。一方300mm×350mm×0.7mmtのパイレックス(登録商標)ガラス板をジャパンクリエイト社製スピンコーターにセットし、まずイソプロピルアルコール50mlをガラス中央に滴下し、500rpmにて振り切ることにより洗浄を行い、次いで、先に準備したシランカップリング剤溶液約30mlをガラス板中央に滴下し、500mlにて10秒、次いで回転数を1500rpmまで上げて20秒間回転させ、シランカップリング剤溶液を振り切った。次いで停止させたスピンコーターからガラス板を取り出し、クリーン環境下にて100℃のホットプレートに、シランカップリング剤塗布面を上にして乗せ、約3分間熱処理を行い、シランカップリング剤層を形成した無機基板S4を得た。
<不活性化処理1>
不活性化処理1はダイレクト型大気圧プラズマ処理である。
得られた基板S1のシランカップリング剤層側を、積水化学工業株式会社製の常圧プラズマ表面処理装置「AP−T05−S320型」を用い、以下の手順で大気圧プラズマ処理した。すなわち一方の電極となるステージ上に基板1を載せ、その上に対となる電極の付属したヘッドを、基板のシランカップリング剤層側とヘッド付属の電極間のギャップ距離が1.3mmとなるように配置した。露点が−20℃の窒素ガスを18L/minの流量で流しつつ周波数30kHzで240Vの電圧を電極間にかけプラズマを発生させ、シランカップリング剤処理した基板上を1000mm/minの速度でヘッドが通過することによって、大気圧プラズマ処理を施した。なおプラズマの照射幅は70mmに設定し、照射範囲内の任意の一点にプラズマが照射され始めてから照射が終了するまでの時間(照射時間)は1.8秒であった。
<不活性化処理2>
不活性化処理2はリモート型大気圧プラズマ処理である。
得られた基板S1のシランカップリング剤層側を、プラズマ吹き出しノズルと電源を改造した積水化学工業株式会社製の常圧プラズマ表面処理装置「AP−T05−S320型」を用い、以下の手順で大気圧プラズマ処理した。
換気機能を有する内容量3立方mのボックスチャンバーの中に設置したXYステージに基板1を載せ、その上に、ノズル径1mmφのプラズマ吹き出しノズルを、基板表面から1.5mm離して設置した。
プラズマ源の電極間距離を2mmとした一対の電極間に露点が−20℃の窒素ガスを130L/minの流量で流しつつ周波数30kHzで240Vの電圧を電極間にかけプラズマを発生させ、発生したプラズマをプラズマ吹き出しノズルに誘導し、シランカップリング剤処理した基板上を100mm/minの相対速度でノズルが動くようにX−Yステージを操作して、所定の易剥離部パターンを描画した。照射範囲内の任意の一点にプラズマが照射され始めてから照射が終了するまでの時間(照射時間)は0.6秒であった。
易剥離部となる部分に、非接触のインクジェット印刷により水溶性インクを印刷被覆することによりマスキングを行い、ランテクニカルサービス株式会社製のUV/O3洗浄改質装置を用い、大気雰囲気内にて、該UVランプから20mm程度離れた距離からUV照射を5分間行った。その後、超純粋にて洗浄することにより水溶性インクを除去した。
なお、UVランプは185nm(不活性化処理を促進するオゾンを発生させうる短波長)と254nmの波長の輝線を出しており、このとき照度は、照度計「ORC社製UV−M03AUV(254nmの波長で測定)」にて20mW/cm2であった。
〔製造例1〕
(ポリアミド酸溶液の調製)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)398質量部と、パラフェニレンジアミン(PDA)147質量部とを、4600質量部のN、N−ジメチルアセトアミドに溶解させて加え、滑剤としてコロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなる分散体(日産化学工業製「スノーテックス(登録商標)DMAC−ST30」)をシリカ(滑剤)がポリアミド酸溶液中のポリマー固形分総量に対して0.15質量%になるように加え、25℃の反応温度で24時間攪拌して、表1に示す還元粘度を有する褐色で粘調なポリアミド酸溶液V1を得た。
上記で得られたポリアミド酸溶液V1を、スリットダイを用いて幅1050mmの長尺ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製「A−4100」)の平滑面(無滑剤面)上に、最終膜厚(イミド化後の膜厚)が25μmとなるように塗布し、105℃にて20分間乾燥した後、ポリエステルフィルムから剥離して、幅920mmの自己支持性のポリアミド酸フィルムを得た。
次いで、得られた自己支持性ポリアミド酸フィルムをピンテンターによって、150℃〜420℃の温度領域で段階的に昇温させて(1段目180℃×5分、2段目270℃×10分、3段目420℃×5分間)熱処理を施してイミド化させ、両端のピン把持部分をスリットにて落とし、幅850mmの長尺ポリイミドフィルムF1(1000m巻き)を得た。得られたフィルムF1の特性を表1に示す。
(ポリアミド酸溶液の調製)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール(DAMBO)223質量部と、N,N−ジメチルアセトアミド4416質量部とを加えて完全に溶解させ、次いで、ピロメリット酸二無水物(PMDA)217質量部とともに、滑剤としてコロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなる分散体(日産化学工業製「スノーテックス(登録商標)DMAC−ST30」)とをシリカ(滑剤)がポリアミド酸溶液中のポリマー固形分総量にて0.12質量%)になるように加え、25℃の反応温度で24時間攪拌して、表1に示す還元粘度を有する褐色で粘調なポリアミド酸溶液V2を得た。
ポリアミド酸溶液V1に代えて、上記で得られたポリアミド酸溶液V2を用い、同様の手法でポリアミド酸フィルムを得た後、ピンテンターによって、1段目150℃×5分、2段目220℃×5分、3段目485℃×10分間)熱処理を施してイミド化させ、両端のピン把持部分をスリットにて落とし、幅850mmの長尺ポリイミドフィルムF2(1000m巻き)を得た。得られたフィルムF2の特性を表1に示す。
(ポリアミド酸溶液の調製)
製造例2において、コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなる分散体(日産化学工業製「スノーテックス(登録商標)DMAC−ST30」)を添加しなかった以外は同様に操作し、ポリアミド酸溶液V3を得た。
上記で得られたポリアミド酸溶液V2をコンマコーターを用いて幅1050mmの長尺ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製「A−4100」)の平滑面(無滑剤面)上に、最終膜厚(イミド化後の膜厚)が5μm相当となるように塗布し、次いでポリアミド酸溶液V3をスリットダイを用いて最終膜厚がV2を含めて38μmとなるように塗布し、105℃にて25分間乾燥した後、ポリエステルフィルムから剥離して、幅920mmの自己支持性のポリアミド酸フィルムを得た。
次いで、得られた自己支持性ポリアミド酸フィルムをピンテンターによって、1段目180℃×5分、2段目220℃×5分、3段目495℃×10分間)熱処理を施してイミド化させ、両端のピン把持部分をスリットにて落とし、幅850mmの長尺ポリイミドフィルムF3(1000m巻き)を得た。得られたフィルムF3の特性を表1に示す。
得られたポリイミドフィルムF1〜F3について、表2に示す表面処理液、および処理条件にてポリイミドフィルムの表面処理を行った。
アルカリ性の表面処理を行った後、超純水にて十分に水洗を行った。
さらに、pH5.5に調整した希塩酸水溶液に10秒浸漬後、再び超純粋にて洗浄して酸処理とした。
こうして得られた大気圧プラズマ処理基板に、製造例1で得られたポリイミドフィルム1の表面処理面を、精密枚葉貼合機(クライムプロダクツ社製SE650nH)を用い、ロール圧力8kgf/cm2、ロール速度5mm/秒にてガラスの外周から10mm内側にフィルムをラミネートすることによって、仮ラミネート基板を得た。その後、得られた仮ラミネート基板をクリーンオーブンに入れ、窒素雰囲気下で200℃にて1時間加熱した後、室温まで放冷することによって、本発明の積層体L1を得た。得られた積層体を評価した結果を表2に示す。
以下同様に条件を変えて積層体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
Claims (5)
- 少なくとも、無機物からなる基板とポリイミドフィルムから構成されてなる積層体であって、基板に対するポリイミドフィルムの接着強度が高い良好接着部と、接着強度が低い易剥離部とを有しており、
前記易剥離部の外縁部に前記良好接着部を額縁状に設け、
前記易剥離部の接着強度が0.17〜0.25N/cmであり、
前記良好接着部の接着強度が0.47〜0.64N/cmであり、
良好接着部の平均接着強度をT1とし、
易剥離部の平均接着強度をT2とし、
接着強度差T=T1−T2とした場合に、
接着強度がT1−0.1×Tである位置からT1−0.9×Tである位置との距離Gが4.0mm以下であり、
該易剥離部の外形における角部分丸みのr(半径)が8.0mm以下である事を特徴とする積層体の製造方法であって、
シランカップリング剤処理後に、部分的に不活性化処理を行い、易剥離部となる潜像を形成した無機物からなる基板と、表面処理されたポリイミドフィルムを重ね合わせて密着させ、加熱することにより両者を接着する積層体の製造方法において、ポリイミドフィルムの表面処理が、少なくとも、温度12℃以上、48℃以下、pH8.5以上、10.5以下の水酸化カリウムを含む界面活性剤水溶液に、10秒以上接触した後に水洗する工程含む事を特徴とする積層体の製造方法。 - 前記良好接着部の接着強度が易剥離部の接着強度の2倍以上である事を特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
- 前記ポリイミドフィルムの表面処理の後に、pH3.5から6.5の酸水溶液に接触させる処理を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の積層体の製造方法。
- 前記不活性化処理が、無機物からなる基板のシランカップリング剤処理面に、プラズマを直接照射する処理であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
- 前記不活性化処理が、無機物からなる基板のシランカップリング剤処理面に、酸素濃度16%以上の雰囲気中にて波長300nm以下励起光を照射する処理であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
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