JP6675786B2 - プラズマリアクタの電源装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンから排出される排ガスに含まれるPM(Particulate Matter:粒子状物質)の除去に用いられるプラズマリアクタの電源装置に関する。
エンジン、とくにディーゼルエンジンから排出される排ガスには、CO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、NOx(窒素酸化物)およびPMなどが含まれる。
排ガスに含まれるPMを除去する手法として、プラズマリアクタを用いて、排ガスに含まれるPMを除去する手法が提案されている。プラズマリアクタは、複数の電極パネルを備えている。電極パネルは、たとえば、誘電体に電極を内蔵した構成であり、複数の電極パネルは、排ガスの流れ方向と直交する方向に間隔を空けて対向配置される。プラズマリアクタ用電源装置から電極間に電圧が印加されると、誘電体バリア放電が生じて、電極パネル間に低温プラズマ(非平衡プラズマ)が発生し、電極パネル間を流れる排ガス中のPMが酸化により除去される。
プラズマリアクタ用電源装置には、フライバック型昇圧トランスが備えられている。フライバック型昇圧トランスの一次コイルには、スイッチング素子が直列に接続され、その一次コイルとスイッチング素子との直列回路には、直流電源が接続されている。フライバック型昇圧トランスの二次コイルは、プラズマリアクタの電極に接続されている。
スイッチング素子がオンされると、フライバック型昇圧トランスの一次コイルに電流が流れ、一次コイルにエネルギが蓄積される。その後、スイッチング素子がオフされると、一次コイルに蓄積されたエネルギが開放されて、一次コイルに起電力が生じ、フライバック型昇圧トランスの二次コイルに巻数比に応じた二次電圧が発生する。スイッチング素子のオン/オフが繰り返されることにより、二次電圧がパルス的に発生し、パルス波状に変化する二次電圧がプラズマリアクタの電極間に印加される。
特開2007−75778号公報 特開2010−203401号公報
一次コイルに印加される一次電圧を高めることができる構成として、出願人は、一次コイルと直流電源との間に一次コイル側から直流電源に向けて流れる電流を遮断するダイオードを介在させ、そのダイオードと並列にコンデンサを接続した構成を先に提案している。この構成では、二次電圧の発生後、残ったエネルギ(プラズマリアクタの放電電極の蓄積電荷など)により流れる電流でコンデンサが充電され、次のスイッチング素子のオン時に、コンデンサの電圧分、直流電源の電圧よりも高い電圧を一次コイルに印加することができる。
ところが、コンデンサに蓄えられる電荷量は、一定ではないので、その電荷量のばらつきにより、プラズマリアクタの電極間に印加される電圧が目標電圧からずれ、プラズマリアクタに電力が過剰供給されたり、電力の供給不足によるPM除去性能(PM除去率)の低下を招いたりするおそれがある。
本発明の目的は、簡素な構成でフライバック型昇圧トランスの一次コイルに印加される一次電圧を高めることができ、かつ、プラズマリアクタに電力を過不足なく供給できる、プラズマリアクタの電源装置を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明の一の局面に係るプラズマリアクタの電源装置は、エンジンから排出される排ガスに含まれるPMの除去に用いられるプラズマリアクタの電源装置であって、一次コイルおよび二次コイルを有し、二次コイルがプラズマリアクタの電極に接続されるフライバック型昇圧トランスと、一次コイルと直列に接続されたスイッチング素子と、一次コイルおよびスイッチング素子の直列回路に接続された直流電源と、直流電源と直列に設けられ、フライバック型昇圧トランスの二次電圧の発生後に残ったエネルギで充電されるコンデンサと、制御装置とを備え、制御装置は、プラズマリアクタに流入する排ガスの単位体積中に含まれるPM量に応じて、スイッチング素子のオン時間を設定するベース時間設定手段と、ベース時間設定手段によって設定されるオン時間をコンデンサの電圧に応じて補正する補正手段と、スイッチング素子が補正手段により補正されたオン時間にわたってオンするように、スイッチング素子のオン/オフを制御するスイッチング制御手段とを含む。
この構成によれば、スイッチング素子がオンされると、フライバック型昇圧トランスの一次コイルに電流が流れ、一次コイルにエネルギが蓄積される。その後、スイッチング素子がオフされると、一次コイルに蓄積されたエネルギが開放されて、一次コイルに起電力が生じ、フライバック型昇圧トランスの二次コイルに巻数比に応じた二次電圧(プラズマリアクタに印加される電圧)がパルス的に発生する。
二次電圧の発生後、残ったエネルギ(プラズマリアクタの電極に蓄積された電荷など)により、一次コイルには、スイッチング素子のオン時とは逆方向の電流、つまり直流電源の電圧に応じた向きと逆向きの電流が流れる。その逆向きの電流により、直流電源と直列に設けられたコンデンサが充電される。
コンデンサに電荷が蓄えられた状態でスイッチング素子がオンされると、コンデンサから電荷が放出されて、一次コイルに印加される電圧が直流電源の電圧とコンデンサの電圧との和となり、直流電源の電圧よりも高くなる。よって、簡素な構成によって、フライバック型昇圧トランスの一次コイルに印加される一次電圧を高めることができる。
一方、制御装置において、プラズマリアクタに流入する排ガスの単位体積中に含まれるPM量に応じて、スイッチング素子のオン時間が設定される。コンデンサに蓄えられる電荷量が一定ではないので、その設定されたオン時間にわたってスイッチング素子がオンされると、コンデンサに蓄えられる電荷量のばらつき(コンデンサの電圧の変動)により、プラズマリアクタの電極間に印加される電圧が目標電圧からずれる。
そのため、コンデンサの電圧が取得されて、PM量に応じて設定されるオン時間がコンデンサの電圧に応じて補正される。そして、その補正後のオン時間にわたってスイッチング素子がオンするように、スイッチング素子のオン/オフが制御される。これにより、プラズマリアクタの電極に印加される電圧が目標電圧からずれることを抑制でき、プラズマリアクタに電力を過不足なく供給することができる。その結果、省電力を達成でき、また、必要とされるPM除去性能(PM除去率)を確保することができる。
なお、PM量に応じてオン時間を設定し、その設定したオン時間をコンデンサの電圧に応じて補正しても、PM量およびコンデンサの電圧に応じてオン時間を設定しても、同じ結果を得ることができる。したがって、PM量およびコンデンサの電圧に応じてオン時間を設定する手段は、PM量に応じてオン時間を設定するオン時間設定手段と、そのオン時間をコンデンサの電圧に応じて補正するオン時間補正手段とを含むと解釈することができる。
また、直流電源の電圧とコンデンサの電圧との電圧和が取得されて、PM量に応じて設定されるオン時間が電圧和に応じて補正されてもよい。直流電源の電圧とコンデンサの電圧との電圧和の変動は、コンデンサの電圧の変動に起因するので、オン時間が電圧和に応じて補正されることは、オン時間がコンデンサの電圧に応じて補正されることと等価である。
本発明によれば、簡素な構成でフライバック型昇圧トランスの一次コイルに印加される一次電圧を高めることができ、かつ、プラズマリアクタに電力を過不足なく供給することができる。その結果、省電力を達成でき、また、必要とされるPM除去性能を確保することができる。
プラズマリアクタの構成を図解的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るプラズマリアクタ用電源装置の構成を示す回路図である。 制御装置の機能的な構成の一部を示すブロック図である。 通電制御用MOSFETに印加されるパルス電圧、フライバック型昇圧トランスの一次コイルに流れる一次コイル電流、コンデンサ電圧、一次コイルに印加されるコイル印加電圧およびプラズマリアクタの電極に印加されるリアクタ印加電圧の時間変化の概略を示すグラフである。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<プラズマリアクタ>
図1は、プラズマリアクタ1の構成を図解的に示す断面図である。
プラズマリアクタ1は、車両のエンジン(図示せず)から排出される排ガスからPMを除去するために、たとえば、エキゾーストパイプなどの排気管2の途中部に介装される。プラズマリアクタ1は、ケース(ボディ)3と、ケース3内に収容された複数の電極パネル4とを備えている。
ケース3は、金属製であり、管状(筒状)に形成されている。ケース3の一方の開口は、排ガスを流入させる流入口であり、他方の開口は、排ガスを流出させる流出口である。エンジンから排気管2に排出される排ガスは、排気管2を流通する途中で、流入口からケース3内に流入して、ケース3内を流通し、流出口から流出する。
電極パネル4は、誘電体からなる平板状の誘電体平板5に電極6が厚さ方向に挟み込まれた構成を有している。誘電体平板5の材料である誘電体としては、Al(アルミナ)を例示することができる。電極6の材料としては、タングステンを例示することができる。
複数の電極パネル4は、たとえば、ケース3の中心線と直交する方向に間隔を空けて、互いに平行をなして(それぞれケース3の中心線方向に延びるように)配置されている。各電極パネル4の電極6は、積層方向と直交する平面に沿う方向で同じ位置に配置され、それらの周縁は、積層方向に互いに対向している(積層方向に重なり合っている)。
電極パネル4の電極6には、電極パネル4の積層方向の一方側から順に、プラス配線7およびマイナス配線8が交互に接続されている。プラス配線7およびマイナス配線8は、それぞれプラズマリアクタ用電源装置9のプラス端子およびマイナス端子と電気的に接続されている。
積層方向に互いに隣り合う電極パネル4の電極6間には、プラズマリアクタ用電源装置9から出力されるパルス波状の高電圧が印加される。この高電圧が電極6間に印加されることにより、電極パネル4間に誘電体バリア放電が生じ、その誘電体バリア放電によるプラズマが発生する。一方、電極パネル4間には、ケース3の流入口側の端部から排ガスが流入し、その排ガスが流出口側の端部に向けて流通する。電極パネル4間におけるプラズマの発生によって、電極パネル4間を流通する排ガスに含まれるPMが酸化(燃焼)されて除去される。
<プラズマリアクタ用電源装置>
図2は、本発明の一実施形態に係るプラズマリアクタ用電源装置9の構成を示す回路図である。
プラズマリアクタ用電源装置9は、フライバック型昇圧トランス11、通電制御用MOSFET12、ダイオード13、コンデンサ14、ゲートドライブ回路15および制御装置16を備えている。
フライバック型昇圧トランス11は、一次コイル21および二次コイル22を有している。一次コイル21の一端は、配線23に接続されている。一次コイル21の他端は、通電制御用MOSFET12を介して、グランドに接続(接地)されている。二次コイル22の一端および他端は、それぞれプラス端子およびマイナス端子を介して、プラズマリアクタ1において積層方向に互いに隣り合う電極パネル4の電極6に接続されている。
通電制御用MOSFET12は、たとえば、エンハンスメント型のnMOSFETであり、そのドレインがフライバック型昇圧トランス11の一次コイル21の他端に接続され、ソースがグランドに接続されている。
配線23には、ヒューズ24を介して、直流電源であるバッテリ25のプラス端子が接続されている。バッテリ25は、たとえば、公称電圧が12Vの鉛電池である。
ダイオード13は、配線23の途中部、具体的には、ヒューズ24よりも一次コイル21側の部分に介装されている。ダイオード13のアノードは、ヒューズ24を介してバッテリ25のプラス端子と同電位に接続され、カソードは、フライバック型昇圧トランス11の一次コイル21の一端と同電位に接続されている。
コンデンサ14は、単一のコンデンサによって構成されていてもよいし、直列または並列に接続された複数のコンデンサによって構成されていてもよい。コンデンサ14は、ダイオード13と並列に接続されている。すなわち、コンデンサ14の一端は、ダイオード13のアノードと同電位に接続され、その他端は、ダイオード13のカソードと同電位に接続されている。
ゲートドライブ回路15は、通電制御用MOSFET12をオン/オフするためのゲート信号を出力する回路である。
制御装置16は、CPUおよびメモリなどを含む構成であり、車両に搭載された複数のECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)のうちの1つであってもよいし、ECUの1つに組み込まれていてもよい。メモリには、たとえば、ROMおよびRAMのほか、フラッシュメモリなどの書換可能な不揮発性メモリが含まれる。
制御装置16は、ゲートドライブ回路15を制御し、ゲートドライブ回路15からのパルス電圧(ゲート電圧)の出力/停止を切り替える。すなわち、制御装置16からゲートドライブ回路15にオン指示信号が入力されると、ゲートドライブ回路15からパルス電圧の出力が開始され、パルス電圧が通電制御用MOSFET12のゲートに印加されることにより、通電制御用MOSFET12がオンになる。制御装置16からゲートドライブ回路15にオフ指示信号が入力されると、ゲートドライブ回路15からのパルス電圧の出力が停止され、通電制御用MOSFET12のゲートへのパルス電圧の印加がなくなることにより、通電制御用MOSFET12がオフになる。
<機能処理部>
図3は、制御装置16の機能的な構成の一部を示すブロック図である。
制御装置16は、印加時間設定部31、補正時間設定部32、減算部33および信号出力部34を備えている。
印加時間設定部31は、通電制御用MOSFET12に印加されるパルス電圧の印加時間のベース値(以下、「印加時間(ベース)」と記載する。)を設定する。具体的には、印加時間設定部31は、エンジン(図示せず)から排出される排ガスの空燃比を取得し、空燃比から排ガスの単位体積に含まれるPM量を求める。制御装置16の不揮発性メモリには、PM量と印加時間(ベース)との関係が2次元マップの形態で記憶されている。印加時間設定部31は、その関係に基づいて、その求めたPM量に応じた印加時間(ベース)を設定する。
補正時間設定部32は、コンデンサ14の両端間の電圧(以下、「コンデンサ電圧」という。)に応じた補正時間を設定する。具体的には、補正時間設定部32は、コンデンサ電圧を取得する。コンデンサ電圧を取得する方法は、コンデンサ両端の電圧の差分を取得する方法であってもよいし、ダイオードのカソード側のコンデンサ電圧を測定し、バッテリ電圧またはアース電圧を減算して取得する方法であってもよい。制御装置16の不揮発性メモリには、コンデンサ電圧と補正時間との関係が2次元マップの形態で記憶されている。コンデンサ電圧には、コンデンサ電圧が大きいほど長い補正時間が対応づけられている。補正時間設定部32は、その関係に基づいて、コンデンサ電圧に応じた補正時間を設定する。
減算部33は、印加時間設定部31によって設定される印加時間(ベース)から補正時間設定部32によって設定される補正時間を減算する。この減算により、印加時間(ベース)がコンデンサ電圧に応じて補正され、その補正後の印加時間(補正後)が得られる。
信号出力部34は、パルス電圧が補正後の印加時間(補正後)にわたって通電制御用MOSFET12のゲートに印加されるように、ゲートドライブ回路15に入力されるオン指示信号およびオフ指示信号を出力する。
<回路動作>
図4は、通電制御用MOSFET12に印加されるパルス電圧、フライバック型昇圧トランス11の一次コイル21に流れる一次コイル電流、コンデンサ電圧、一次コイル21に印加されるコイル印加電圧およびプラズマリアクタ1の電極6に印加されるリアクタ印加電圧の時間変化の概略を示すグラフである。
プラズマリアクタ1の作動時には、制御装置16(信号出力部34)からゲートドライブ回路15にオン指示信号およびオフ指示信号が入力されて、ゲートドライブ回路15から通電制御用MOSFET12のゲートにパルス電圧が周期的に印加される。
通電制御用MOSFET12のゲートへのパルス電圧の印加が開始されて(時刻T1)、通電制御用MOSFET12がオンすると、フライバック型昇圧トランス11の一次コイル21に一次電圧であるコイル印加電圧が印加され、一次コイル21に一次コイル電流が流れ始める。一次コイル21に一次コイル電流が流れることにより、一次コイル21にエネルギが蓄積される。
なお、一次コイル電流は、バッテリ25から一次コイル21側に流れるときに正の値をとり、その逆向きに流れるときに負の値をとるものとする。
その後、パルス電圧の印加開始から減算部33で得られる印加時間(補正後)が経過すると、通電制御用MOSFET12のゲートへのパルス電圧の印加が停止される(時刻T2)。パルス電圧の印加の停止により、通電制御用MOSFET12がオフになり、一次コイル21に蓄積されているエネルギが開放されて、フライバック型昇圧トランス11の二次コイル22に巻数比に応じた二次電圧がパルス的に発生する。この二次電圧がプラズマリアクタ用電源装置9の出力電圧として、プラズマリアクタ1の電極6間に印加される。
出力電圧の発生後に、残ったエネルギ(電極6に残った電荷)により、一次コイル21には、一次コイル21からバッテリ25側に向かう電流、つまり負の一次コイル電流が流れる(時間T3−T4)。この負の一次コイル電流は、ダイオード13を流れることができないので、ダイオード13と並列に接続されたコンデンサ14に蓄積される。これにより、コンデンサ電圧が上昇する。
通電制御用MOSFET12のゲートへのパルス電圧の印加が再び開始されて(時刻T5)、通電制御用MOSFET12がオンすると、フライバック型昇圧トランス11の一次コイル21にコイル印加電圧が印加され、一次コイル21に一次コイル電流が流れ始める。このとき、コンデンサ14に電荷が蓄積されているので、コイル印加電圧は、バッテリ25の端子電圧(バッテリ電圧)とコンデンサ電圧との和となる。
コンデンサ14からの電荷の放出が終わると(時刻T6)、コイル印加電圧がバッテリ電圧のみとなる。
コンデンサ14に電荷が蓄積されていない状態では、コンデンサ電圧が0であり、補正時間設定部32によって補正時間が0に設定される。そのため、減算部33で得られる印加時間(補正後)は、印加時間設定部31によって設定される印加時間(ベース)と一致する。
これに対し、コンデンサ14に電荷が蓄積されている状態では、補正時間設定部32により、コンデンサ電圧に応じた補正時間が設定される。そのため、減算部33で得られる印加時間(補正後)は、印加時間設定部31によって設定される印加時間(ベース)より短くなる。これにより、パルス電圧の印加開始から減算部33で得られる印加時間(補正後)が経過する時点(通電制御用MOSFET12のゲートへのパルス電圧の印加が停止される時点。時刻T7)までに一次コイル21に流れる一次コイル電流の積算値がコンデンサ14に電荷が蓄積されていない場合と同じ値となる。その結果、リアクタ印加電圧がコンデンサ14に電荷が蓄積されていない場合と同じ値となる。
<作用効果>
以上のように、コンデンサ14に電荷が蓄えられた状態で通電制御用MOSFET12がオンされると、コンデンサ14から電荷が放出されて、一次コイルに印加される電圧がバッテリ電圧とコンデンサ14の電圧との和となり、バッテリ電圧よりも高くなる。よって、簡素な構成によって、フライバック型昇圧トランス11の一次コイルに印加される一次電圧(コイル印加電圧)を高めることができる。
制御装置16では、プラズマリアクタ1に流入する排ガスの単位体積中に含まれるPM量に応じた印加時間(ベース)が設定される。コンデンサ14に蓄えられる電荷量が一定ではないので、図4に仮想線で示されるように、その設定された印加時間(ベース)にわたってパルス電圧が通電制御用MOSFET12のゲートに印加されると、コンデンサ14に蓄えられる電荷量のばらつき(コンデンサ電圧の変動)により、プラズマリアクタ1の電極6間に印加される電圧であるリアクタ印加電圧が目標電圧からずれる。
そのため、コンデンサ14の電圧が取得されて、PM量に応じて設定される印加時間がコンデンサ電圧に応じて補正される。そして、その補正後の印加時間(補正後)にわたってパルス電圧が通電制御用MOSFET12のゲートに印加されるように、ゲートドライブ回路15が制御される。これにより、プラズマリアクタ1の電極6間に印加されるリアクタ印加電圧が目標電圧からずれることを抑制でき、プラズマリアクタ1に電力を過不足なく供給することができる。その結果、省電力を達成でき、また、必要とされるPM除去性能(PM除去率)を確保することができる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、通電制御用MOSFET12に代えて、IGBTなど、他のスイッチング素子が採用されてもよい。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 プラズマリアクタ
6 電極
9 プラズマリアクタ用電源装置
11 フライバック型昇圧トランス
12 通電制御用MOSFET
14 コンデンサ
16 制御装置
21 一次コイル
22 二次コイル
25 バッテリ(直流電源)
31 印加時間設定部(ベース時間設定手段)
32 補正時間設定部(補正手段)
33 減算部(補正手段)
34 信号出力部(スイッチング制御手段)

Claims (1)

  1. エンジンから排出される排ガスに含まれるPM(Particulate Matter:粒子状物質)の除去に用いられるプラズマリアクタの電源装置であって、
    一次コイルおよび二次コイルを有し、前記二次コイルがプラズマリアクタの電極に接続されるフライバック型昇圧トランスと、
    前記一次コイルと直列に接続されたスイッチング素子と、
    前記一次コイルおよび前記スイッチング素子の直列回路に接続された直流電源と、
    前記直流電源と直列に設けられ、前記フライバック型昇圧トランスの二次電圧の発生後に残ったエネルギで充電されるコンデンサと、
    制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記プラズマリアクタに流入する排ガスの単位体積中に含まれるPM量に応じて、前記スイッチング素子のオン時間を設定するベース時間設定手段と、
    前記ベース時間設定手段によって設定されるオン時間を前記コンデンサの電圧に応じて補正する補正手段と、
    前記スイッチング素子が前記補正手段により補正されたオン時間にわたってオンするように、前記スイッチング素子のオン/オフを制御するスイッチング制御手段とを含む、電源装置。
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