JP6643226B2 - 第1の微細構造層及びコーティングを含む微細構造化拡散体、光学積層体、並びに方法 - Google Patents

第1の微細構造層及びコーティングを含む微細構造化拡散体、光学積層体、並びに方法 Download PDF

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Description

様々なマットフィルム(アンチグレアフィルムとも記載される)及び微細構造化拡散体が、記載されている。
例えば、国際特許第WO 2012/138496号は、多くのプリズムフィルムを結合するために利用される、光学接着剤組成物を記載する。一実施形態において、接着剤組成物はポリマービーズを含む。接着剤層中のビーズの存在は、光線を拡散する接着剤表面に質感を提供する。
マットフィルムを得るためのいくつかの手法が存在する。
例えば、米国特許第6,778,240号に記載されているように、マット粒子を加えることによりマットコーティングを調製することができる。
更に別の手法では、アンチグレアフィルムの表面を粗面化又は非平坦化して、マット表面を提供することができる。米国特許第5,820,957号によれば、反射防止フィルムの非平坦な表面は、多数の非平坦化材料、表面又は方法のいずれかにより付与することができる。非平坦化材料又は表面の非限定的な例としては、マット仕上げを有するフィルム若しくはライナ、マイクロエンボス加工フィルム、所望の非平坦化パターン若しくは型板を含む微細複製工具、スリーブ若しくはベルト、金属若しくはゴムロールなどのロール、又はゴム被覆ロールが挙げられる。
国際特許第WO2010/141345号、同第WO2010/141261号、及び同第WO 2011/140018号は、工具表面と接触する重合性樹脂を注型成形して硬化させることによって、工具からの微細複製体を使用して作製される、アンチグレア及び反射防止フィルムを記載する。
一実施形態において、複数の山及び谷を有する、第1の微細構造化表面を含む光透過性フィルムを含む、微細構造化拡散体が記載されている。コーティングは、第1の微細構造化表面上に配設される。コーティングは谷を部分的に満たして、第1の微細構造化表面と実質的に異なる第2の微細構造化表面を形成する。
第1及び第2微細構造化表面はそれぞれ、ヘイズ若しくは透明度などの少なくとも1つの光学特性によって、又は補集合的累積傾き大きさ、表面粗さ(例えば、Ra、Rz)若しくは平均高さなどの少なくとも1つの物理的特性によって、特徴付けられることができる。第1及び第2の微細構造化表面間の1つ以上の光学又は物理的特性の差は、少なくとも10%の絶対値を有する。
別の実施形態では、複数の山及び谷を有する、第1の微細構造化表面を含む光透過性フィルムを含む、微細構造化拡散体が記載されている。コーティングは第1の微細構造化表面上に配設されており、前記コーティングは谷を部分的に満たして、1.5マイクロメートル〜7.5マイクロメートルの範囲のRzを有する第2の微細構造化表面を形成する。山は、埋め込まれたマット粒子を含まない。
別の実施形態では、複数の山及び谷を有する、第1の微細構造化表面を含む光透過性フィルムを含む、微細構造化拡散体が記載されている。コーティングは第1の微細構造化表面上に配設されており、前記コーティングは谷を部分的に満たして、第2の微細構造化表面を形成する。第2の微細構造化表面は、0.75マイクロメートル〜4マイクロメートルの範囲の平均高さを有する。
別の実施形態では、複数の山及び谷を有する、第1の微細構造化表面を含む光透過性フィルムを含む、微細構造化拡散体が記載されている。コーティングは第1の微細構造化表面上に配設されており、前記コーティングは谷を部分的に満たして、第2の微細構造化表面を形成する。コーティングは、少なくとも0.5マイクロメートルの平均厚さを有する。
本明細書に記載される微細構造化拡散体を含む光学フィルム積層体、及び微細構造物品を製作する方法もまた記載されている。
第1の微細構造化表面の概略側面図である。 第2の微細構造化表面を形成するコーティングを更に含む、第1の微細構造化表面の概略側面図である。 微細構造の陥没部の概略側面図である。 微細構造の突出部の概略側面図である。 規則的に配置された微細構造の概略平面図である。 不規則に配置された微細構造の概略平面図である。 微細構造の概略側面図である。 埋め込まれたマット粒子を含む微細構造部分を有する、光学フィルムの概略側面図である。 切削工具システムの概略側面図である。 様々なカッターの概略側面図である。 様々なカッターの概略側面図である。 様々なカッターの概略側面図である。 様々なカッターの概略側面図である。 具現化された工具表面から作製される、様々な微細構造化表面の光学顕微鏡画像である。 具現化された工具表面から作製される、様々な微細構造化表面の光学顕微鏡画像である。 具現化された工具表面から作製される、様々な微細構造化表面の光学顕微鏡画像である。 具現化された工具表面から作製される、様々な微細構造化表面の光学顕微鏡画像である。 別の具現化された工具表面から作製される、様々な微細構造化表面の光学顕微鏡画像である。 別の具現化された工具表面から作製される、様々な微細構造化表面の光学顕微鏡画像である。 別の具現化された工具表面から作製される、様々な微細構造化表面の光学顕微鏡画像である。 別の具現化された工具表面から作製される、様々な微細構造化表面の光学顕微鏡画像である。 図8A〜図8Dの微細構造化表面の補集合的累積傾き大きさ分布のグラフである。 図9A〜図9Dの微細構造化表面の補集合的累積傾き大きさ分布のグラフである。 微細構造化拡散体を含む光方向転換フィルムの概略側面図である。 別の光方向転換フィルムの概略側面図である。 光学積層体の概略側面図である。 別の具現化された工具表面から作製される、様々な微細構造化表面の光学顕微鏡画像である。 別の具現化された工具表面から作製される、様々な微細構造化表面の光学顕微鏡画像である。 別の具現化された工具表面から作製される、様々な微細構造化表面の光学顕微鏡画像である。 別の具現化された工具表面から作製される、様々な微細構造化表面の光学顕微鏡画像である。 図15A及び図15B、図16A及び図16Bの微細構造化表面の補集合的累積傾き大きさ分布のグラフである。 図15A及び図15B、図16A及び図16Bの微細構造化表面の補集合的累積x勾配傾き大きさ分布のグラフである。 図15A及び図15B、図16A及び図16Bの微細構造化表面の補集合的累積y勾配傾き大きさ分布のグラフである。
ここでは、微細構造化拡散体について述べる。いくつかの実施形態では、微細構造化拡散体が、アンチグレアフィルム(マットフィルムとも記載される)としての使用に適することができる。図1Aを参照すると、微細構造化拡散体100は、通常光透過性(すなわち、透明)基材50上に配設された、第1の微細構造化表面層60を含む。第1の微細構造化表面層は、複数の山(例えば70)及び谷を含む。図1Bに関して、コーティング80は第1の微細構造化表面上に配設される。コーティングは谷を部分的に満たして、第2の微細構造化表面を形成する。
基材50及び微細構造化拡散体は一般に、少なくとも85%又は90%、いくつかの実施形態では少なくとも91%、92%、93%以上の透過率を有する。
透明基材は、フィルムであってもよい。(例えば、フィルム)基材の厚さは通常、目的とする用途に左右される。ほとんどの用途について、基材の厚さは好ましくは約0.5mm未満、及びより好ましくは約0.02〜約0.2mmである。あるいは、透明フィルム基材は、文字、図又は他の情報を示すことができる、光学(例えば、照光の)ディスプレイでもよい。透明基材は、ガラスなどの多種多様な非ポリマー材料、又はポリエチレンテレフタレート(PET)、(例えばビスフェノールA)ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリ(メチルメタクリレート)、及び二軸延伸ポリプロピレンなどのポリオレフィンのような、様々な熱可塑性並びに架橋ポリマー材料のいずれかを含む、又はからなることができ、これらは一般に様々な光学装置で使用される。基材を、例えば、化学処理(プライマーなど)、空気若しくは窒素コロナなどのコロナ処理、プラズマ、火炎、又は化学放射線によって処理して、接着性を向上させることができる。
微細構造化拡散体は通常、比較的厚い微細構造化表面層を有する。微細構造層は通常、少なくとも0.5マイクロメートル、好ましくは少なくとも1マイクロメートル、及び、より好ましくは少なくとも2又は3マイクロメートルの平均厚さ(「t」)を有する。微細構造層は通常、15、14、13、12、11、又は10マイクロメートル以下の平均厚さを有する。
いくつかの実施形態において、微細構造は、谷部分とも称される、陥没部であってもよい。例えば、図2Aは、陥没した微細構造320又は微細構造くぼみを含む、微細構造層310の概略側面図である。微細構造化表面を形成する工具表面は一般に、複数の陥没部を含む。微細構造化拡散体の微細構造は通常、山部分とも称される、突出部である。例えば、図2Bは、突出した微細構造340を含む微細構造層330の概略側面図である。図8A〜図9D及び図15A〜図16Bは、複数の山及び山を囲む谷を含む例示の微細構造化表面の、様々な光学顕微鏡画像を示す。
いくつかの実施形態において、微細構造は規則的なパターンを形成し得る。例えば、図3Aは、主表面415に規則的なパターンを形成する、微細構造410の概略平面図である。しかし、通常微細構造は不規則なパターンを形成する。例えば、図3Bは、不規則なパターンを形成する微細構造420の概略平面図である。場合によっては、微細構造は、ランダムに見える擬似ランダムパターンを形成し得る。
(例えば、個別の)微細構造は、傾きにより特徴付けられることができる。図4は、微細構造層140の一部の概略側面図である。特に、図4は主表面120内の微細構造160、及び対向する主表面142を示している。微細構造160は、微細構造の表面全体に亘る傾き分布を有する。例えば、微細構造は、位置510に傾きθを有し、θは、位置510における微細構造化表面に直交する法線520(α=90度)と、同一位置における微細構造化表面に対して正接となる接線530との間の角度である。傾きθは、接線530とマット層の主表面142との間の角度でもある。
いくつかの実施形態において、微細構造は実質的に(例えば、無機酸化物又はポリマー)マット粒子を含まない。しかし、マット粒子の不在下でも、微細構造70は、図1に示すように、(例えば、ジルコニア又はシリカ)ナノ粒子30を含む。
ナノ粒子のサイズは、可視光線の顕著な光散乱を防止するように選択される。光学又は材料特性を最適化するため、及び全般的な組成物コストを低下させるために、複数の種類の無機酸化物粒子の混合物を用いることが望ましい場合がある。表面修飾コロイド状ナノ粒子は、少なくとも1nm又は5nmの(例えば非会合の)一次粒径又は会合粒径を有する無機酸化物粒子であり得る。一次又は会合粒径は一般に、100nm未満、75nm未満、又は50nm未満である。通常は、一次又は会合粒径は、40nm未満、30nm未満、又は20nm未満である。ナノ粒子は、非会合であることが好ましい。これらの測定値は、透過電子顕微鏡(TEM)に基づくことができる。表面修飾コロイド状ナノ粒子は、実質的に完全に凝縮可能である。
完全凝縮ナノ粒子(シリカを除き)は通常、55%超、好ましくは60%超、より好ましくは70%超の結晶化度(独立金属酸化物粒子として測定した場合)を有する。例えば、結晶化度は、約86%以上の範囲であり得る。結晶化度は、X線回折法によって測定することができる。凝縮結晶性の(例えば、ジルコニア)ナノ粒子は、高い屈折率を有するが、非晶質ナノ粒子は通常、より低い屈折率を有する。
ナノ粒子のサイズが実質的に小さいという理由から、このようなナノ粒子は微細構造を形成しない。むしろ、微細構造は、複数のナノ粒子を含む。
他の実施形態において、微細構造の一部分は、埋め込まれたマット粒子を含み得る。
マット粒子は通常、約0.25マイクロメートル(250ナノメートル)越、又は約0.5マイクロメートル越、又は約0.75マイクロメートル越、又は約1マイクロメートル越、又は約1.25マイクロメートル越、又は約1.5マイクロメートル越、又は約1.75マイクロメートル越、又は約2マイクロメートル越の、平均サイズを有する。より小さいマット粒子は、比較的薄い微細構造層を含むマットフィルムにおいて、一般的である。しかしながら、微細構造層がより厚い実施形態では、マット粒子は、5マイクロメートル又は10マイクロメートルまでの平均サイズを有し得る。マット粒子の濃度は、少なくとも1又は2重量%〜約5、6、7、8、9、又は10重量%以上の範囲であり得る。
図5は、基材850上に配設された微細構造層860を含む、光学フィルム800の概略側面図である。微細構造層860は、基材850に付着された第1の主表面810と、ポリマー結合剤840中に分散された複数のマット粒子830及び/又はマット粒子凝集体とを含む。いくつかの好ましい実施形態において、微細構造870のうちのかなりの部分、例えば少なくとも約50%、又は少なくとも約60%、又は少なくとも約70%、又は少なくとも約80%、又は少なくとも約90%には、マット粒子830又はマット粒子凝集体880が存在しない。すなわち、山の50%、40%、30%、20%、10%以下は、埋め込まれたマット粒子を含む。(例えば、シリカ又はCaCO)マット粒子の存在は、以下に記載するように、これらのマット粒子の存在が所望の透明度、及びヘイズ特性を提供するのに不十分であったとしても、改善された耐久性を提供し得ることが推定される。しかしながら、マット粒子のサイズが比較的大きいため、コーティング組成物中に均一に分散されたマット粒子を維持することは困難であり得る。このことは、適用されたマット粒子の濃度に変動を生じる場合があり(特にウェブコーティングの場合)、これは次に(例えば、光学的)特性に変動を生じる。いくつかの実施形態では、実質的に微細構造化表面のすべての山は、(例えば、埋め込まれた)マット粒子を含まない。
微細構造の少なくとも一部分が埋め込まれたマット粒子又は凝集マット粒子を含む実施形態では、マット粒子の平均サイズは通常、微細構造の平均サイズよりも十分小さく(例えば、少なくとも約2以上の因数により)、したがって図5に示すように、マット粒子が微細構造層の重合性樹脂組成物で包囲される。
マット層が埋め込まれたマット粒子を含む場合、マット層は通常、粒子の平均サイズよりも少なくとも約0.5マイクロメートル、又は少なくとも約1マイクロメートル、又は少なくとも約1.5マイクロメートル、又は少なくとも約2マイクロメートル、又は少なくとも約2.5マイクロメートル、又は少なくとも約3マイクロメートル大きい平均厚さ「t」を有する。
微細構造化表面は、任意の好適な作製方法により作製することができる。微細構造は通常、米国特許第5,175,030号(Luら)及び同第5,183,597号(Lu)に記載されているように、重合性樹脂組成物を工具表面と接触させて注型成型及び硬化させることにより、製作される。工具は、任意の利用可能な製作方法、例えば彫刻又はダイヤモンド切削を用いることにより製作することができる。例示的なダイヤモンド切削システム及び方法は、例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、国際出願公開第WO 00/48037号、並びに米国特許第7,350,442号及び同第7,328,638号に記載されている、高速工具サーボ(FTS)を含み及び使用し得る。
図6は、第1の微細構造化表面60を製造するために微細複製されることができる、工具の切削に使用可能な切削工具システム1000の概略側面図である。切削工具システム1000はねじ切り旋盤回転プロセスを用いたものであり、駆動装置1030によって中心軸1020を中心として回転及び/又は中心軸1020に沿って移動可能なロール1010、及びロール材料を切削するためのカッター1040を有している。カッターは、サーボ1050に装着され、駆動装置1060によってx方向に沿ってロールの中に、及び/又はロール沿いに移動させることができる。一般に、カッター1040はロール及び中心軸1020に対して垂直に取り付けられ、ロールが中心軸を中心として回転している間、ロール1010の彫刻可能な材料内に押し進められる。次いでカッターは中心軸に平行に送られて、ねじ切りが形成される。カッター1040は、高周波かつ低変位で同時に作動可能であり、微細複製時に微細構造をもたらす形体がロール内に製造される。
サーボ1050は高速工具サーボ装置(FTS)であり、しばしばPZTスタックと呼ばれる、カッター1040の位置を速やかに調節する固体圧電(PZT)装置を有している。FTS 1050により、カッター1040のx方向、y方向、及び/若しくはz方向、又は軸外方向での高精度かつ高速での動作が可能になる。サーボ1050は、静止位置に対して制御された運動を生じさせることが可能な任意の高品質変位サーボであってよい。場合によっては、サーボ1050は、約0.1マイクロメートル以上の分解能で、0〜約20マイクロメートルの範囲の変位を繰り返し与えることが可能である。
駆動装置1060は、カッター1040をx方向に沿って中心軸1020に平行に移動させることができる。場合によっては、駆動装置1060の変位分解能は約0.1マイクロメートルを上回り、又は約0.01マイクロメートルを上回る。駆動装置1030によって生ずる回転運動が駆動装置1060によって生ずる並進運動と同期することによって、得られる微細構造の形状が正確に制御される。
ロール1010の彫刻可能な材料は、カッター1040によって彫刻可能な任意の材料であってよい。例示のロール材料には、銅などの金属、様々なポリマー、及び様々なガラス材料が挙げられる。
カッター1040は任意の種類のカッターでよく、特定の用途において望ましい任意の形状を有し得る。例えば、図7Aは、半径「R」の弓形切削チップ1115を有するカッター1110の概略側面図である。場合によっては、切削チップ1115の半径Rは、少なくとも約100マイクロメートル、又は少なくとも約150マイクロメートル、又は少なくとも約200マイクロメートルである。いくつかの実施形態において、切削チップの半径Rは、又は少なくとも約300マイクロメートル、又は少なくとも約400マイクロメートル、又は少なくとも約500マイクロメートル、又は少なくとも約1000マイクロメートル、又は少なくとも約1500マイクロメートル、又は少なくとも約2000マイクロメートル、又は少なくとも約2500マイクロメートル、又は少なくとも約3000マイクロメートルである。
あるいは、工具の微細構造化表面は、図7Bに示すようなV形切削チップ1125を有するカッター1120、図7Cに示すような、部分的に直線状の切削チップ1135を有するカッター1130、又は7Dに示すような湾曲切削チップ1145を有するカッター1140を使用して、形成されてもよい。一実施形態において、少なくとも約178度以上の頂角βを有するV形切削チップを使用した。
再び図6を参照すると、ロール材料の切削中に、ロール1010が中心軸1020に沿って回転し、カッター1040がx方向に沿って移動することにより、中心軸に沿ってピッチPを有するねじ経路がロールの周囲に画定される。カッターがロール表面に垂直な方向に沿って移動してロール材料を切削するにつれて、カッターによって切削される材料の幅が、カッターの内外への移動又は突入と共に変化する。例えば図7Aを参照すると、カッターによる最大侵入深さは、カッターにより切削される最大幅Pに対応する。一般に、比P/Pは約2〜約4の範囲内にある。
あるいは、工具は、電着によって作製され得る。一実施形態において、第1の平均粗さを有する第1層の第1主表面をもたらす第1の電気メッキ工程を使用して金属を電着させることによって、金属の第1層を形成することと;第1の平均粗さより小さい第2の平均粗さを有する第2層の第2主表面をもたらす第2の電気メッキ工程を使用して第1主表面に金属を電着させることによって、金属の第2層を第1層の第1主表面上に形成することと;によって、工具は提供されて、これは国際特許第WO2014/081693号に記載されており、この開示は参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの微細構造化拡散体は、4つの異なる工具の表面を微細複製することによって製造された。微細構造化表面は、工具表面の正確な複製物であったため、微細構造化表面層に関する今後の説明は、逆の工具表面の説明でもある。
図8A、9A、15A、及び16Aは、4つの異なる工具(すなわち工具1〜工具4それぞれ)から生成される第1の微細構造化表面の共焦点スキャンレーザ顕微鏡画像(50倍対物レンズ)を示す。
第1の微細構造化表面を有する基材は、コーティングを第1の微細構造化表面に配設することによって、微細構造(例えば拡散体)物品を作製するための中間物品として、適切である。例えば、図8B〜8Dは、第1の微細構造化表面に配設された様々な厚みのコーティングを有する、図8Aの第1の微細構造化表面(工具1から形成される)を示す。図9B〜9Dは、第1の微細構造化表面に配設された様々な厚みのコーティングを有する、図9Aの第1の微細構造化表面(工具2から形成される)を示す。図15Bは、第1の微細構造化表面に配設された(例えば、3.3マイクロメートルの)コーティングを有する、図15Aの第1の微細構造化表面(工具3から形成される)を示す。図16Bは、第1の微細構造化表面に配設された(例えば、3.3マイクロメートルの)コーティングを有する、図16Aの第1の微細構造化表面(工具3から形成される)を示す。
通常の実施形態において、コーティングは、山を被覆して、谷を部分的に満たす。しかしコーティングの粘度が十分低いとき、コーティングは谷を部分的に満たすと共に、一部の山だけを被覆できる。例えば、第1の微細構造化表面の最も高い山は、コーティングによって被覆できない。谷のこの部分的な充填が、第2の微細構造化表面を形成し、それも複数の山及び谷を有しており、コーティングと合わせて第1の微細構造化表面のトポグラフィから形成される。
コーティングの厚さは、第1の微細構造化表面及び所望される最終的な特性によって変化する。コーティングの厚さは通常、1/4波長の光学的厚さより大きい。国際特許第WO2011/140018号に記載のとおり、コーティングが1/4波長の光学的厚さを有するとき、物理的及び光学特性の実質的な変化が得られないように、コーティングは一般に、下にある第1の微細構造化表面に均一に適合する。(すなわち、乾燥した)コーティングの平均厚さは通常、少なくとも0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、(すなわち、乾燥した)コーティングの平均厚さは、少なくとも1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、又は5マイクロメートルである。通常の実施形態において、コーティングの厚さは、約20、15、又は10マイクロメートル以下である。
第1及び第2の微細構造化表面は、少なくとも1つの光学又は物理的特性によって、それぞれ特徴付けられることが可能である。第1及び第2の微細構造化表面間の光学又は物理的な特性の差が、少なくとも10%の絶対値を有するとき、第2の微細構造化表面は、第1の微細構造化表面と実質的に異なると考えることができる。いくつかの実施形態では、物理的特性は、微細構造の補集合的累積傾き大きさ分布(すなわちFcc)、表面粗さ又は平均山高さであり得る。他の実施形態において、光学特性は、ヘイズ又は透明度であり得る。いくつかの実施形態では、第1及び第2の微細構造化表面間の光学又は物理的特性の差が、少なくとも15%又は20%以上の絶対値を有する。
第1の微細構造化表面及び第2の微細構造化表面の代表的な部分は、第1の微細構造化表面に配設されたコーティングを更に含み、共焦点スキャンレーザ顕微鏡(50倍対物レンズ)を使用して画定される。
cc(θ)は、傾きの大きさの補足的累積分布であり、以下の式により定義されて、式中、N(q)は、q番目のアングルビンの画素数であり、各アングルビンは0.01度のサイズを有する。
Figure 0006643226
特定の角度(θ)のFccは、絶対値が指定された角度θより大きい傾きの割合である。割合は、総量のパーセンテージとして表されることもできる。例えば、割合1.0は100%であり、及び、割合0.45は45%である。
様々な例示の第1及び第2の微細構造層のFcc(θ)は、図10、図11及び図17に示されており、及び以下の表A〜Dで明らかにされる。各表A〜Dにおいて、括弧内の値は、第1の微細構造化表面(すなわち対照)と第2の微細構造化表面の差である。
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表A〜Dの例示的実施形態に関して、0.1度超、0.3度超、0.7度超及び1.3度超の傾きの大きさでの第1の微細構造化表面の補集合的累積傾き大きさ分布は、少なくとも95、96、97、98、99、又は100%であり得る。0.1度超又は0.3度超の傾きの大きさでの第2の微細構造化表面の補集合的累積傾き大きさ分布は、少なくとも95、96、97、98、99、又は100%であり得る。いくつかの実施形態では、0.7度超の傾きの大きさでの第2の微細構造化表面の補集合的累積傾き大きさ分布は、少なくとも95、96、97、98、99、又は100%であり得、又は、それは、少なくとも85又は90%などわずかに低いこともあり得る。1.3度超の傾きの大きさでの第2の微細構造化表面の補集合的累積傾き大きさ分布は、少なくとも65、70、75、80、85、又は約90%であり得る。
2.1度超又は4.1度超の傾きの大きさでの第1及び第2の微細構造化表面間の補集合的累積傾き大きさ分布の差は、少なくとも10%、11%、12%、13%、14%、又は15%である。更にいくつかの実施形態では、2.1度超又は4.1度超の傾きの大きさでの第1及び第2の微細構造化表面間の補集合的累積傾き大きさ分布の差は、少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、又は70%である。
第1の微細構造化表面は、2.1度超の傾きの大きさでの補集合的累積傾き大きさ分布を少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、又は96%有することができる。しかしながら、第2の微細構造化表面は、80%以下の、及びいくつかの実施形態では、75、70、65、60、55、50、又は45%以下の、2.1度超の傾きの大きさでの補集合的累積傾き大きさ分布を有することができる。
第1の微細構造化表面は、4.1度超の傾きの大きさでの補集合的累積傾き大きさ分布を少なくとも60%、65%、70%、又は75%有することができる。しかしながら、第2の微細構造化表面は、4.1度超の傾きの大きさでの補集合的累積傾き大きさ分布を50、45、40、35、30、25、20、15、又は10%以下有することができる。
図10、図11及び図17の例示的実施形態に関して、第1の微細構造化表面は、10度超の傾きの大きさでの補集合的累積傾き大きさ分布を少なくとも10%、20%、30%、40%、又は50%有することができる。更に、第1の微細構造化表面は、15度超の傾きの大きさでの補集合的累積傾き大きさ分布を少なくとも5%、10%、15%、又は20%有することができる。しかし、第2の微細構造化表面は、10度超又は15度超の傾きの大きさでの補集合的累積傾き大きさ分布を40%、30%、又は20%未満、及びいくつかの実施形態では、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、又は0未満有することができる。更に、第1の微細構造化表面は、5度超の傾きの大きさでの補集合的累積傾き大きさ分布を少なくとも50%、60%、70%、80%、又は85%有することができる。しかし、第2の微細構造化表面は、5度超の傾きの大きさでの補集合的累積傾き大きさ分布を40%未満、及びいくつかの実施形態では、35%、30%、25%、20%、15%、10%、又は5%未満有することができる。
補集合的累積傾き大きさ分布は、全体の補集合的累積傾き大きさ分布の構成要素である、x傾き及びy傾き大きさ分布に関して、表されることもできる。本明細書で使用する場合、「補集合的累積傾き大きさ分布」とは、特に明記しない限り、全体に関する。微細構造化表面の微細構造が幾何学的に対称であるとき、補集合的累積x傾き大きさ分布は、補集合的累積y傾き大きさ分布と実質的に同じである。図18及び図19の例示的実施形態に関して、例示の工具4から提供される第1の微細構造化表面は、補集合的累積y傾き傾き大きさ分布(Ycc)と実質的に同じである補集合的累積x勾配傾き大きさ分布(Xcc)を有するとして示される。それに対し、例示の工具3から提供される第1の微細構造化表面は非対称の微細構造を有し、したがって、x勾配及びy勾配分布は異なる。例えば、例示の工具3の5度超の工具3のYccは約70%であるが、Xccは、10、9、8、7、6、又は5%未満である。更に、例示の工具3について4.1度超の工具3のYccは70%超であるが、4.1度超のXccは、60、50、40、30、20、10、又は5%未満である。
第1及び第2の微細構造化表面は、平均高さ及び表面粗さ(例えばRa、Rz)を含む他の物理的特性に従って画定されることができる。Raは、測定された領域全体にわたって計算された平均粗さであり、Rzは、評価領域の10つの最大の山〜谷距離の平均最高表面高さである。例示の第1及び第2の微細構造層のRa及びRzは、以下の表E〜Hに記載される。各表E〜Hにおいて、括弧の値は、第1の微細構造化表面(すなわち対照)と第2の微細構造化表面の差であり、このような差は、パーセンテージ(例えば、Rz(第1)−Rz(第2)/Rz(第1))として表される。各表E〜Hで報告されるRz及び平均高さは、表面分析技術を利用して測定されるが、Rzは、コーティングされた第1の微細構造化表面の断面の走査電子顕微鏡から測定されることもできる。断面分析が利用されるとき、十分な数の断面が分析されて、第1及び第2の微細構造化表面全体を代表する統計学的に有意な結果を得る。
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表E〜Hの実施形態に関して、第1の微細構造化表面に配設されたコーティングは、少なくとも10%の第2の微細構造化表面のRz及び/又はRaを低減できる。更に、いくつかの実施形態では、第1及び第2の微細構造化表面間のRz及び/又はRaの差は、少なくとも−20%、−30%、−40%、−50%、又は−60%であり得る。
第2の微細構造化表面のRzは通常、少なくとも1.3、1.4、又は1.5マイクロメートル及び約5マイクロメートル以下であるが、第1の微細構造化表面は、第2の微細構造化表面より大きなRzを有する。いくつかの実施形態では、第2の微細構造化表面のRzは、少なくとも1.6、1.7、1.8、1.9、又は2マイクロメートルである。いくつかの実施形態において、第1の微細構造化表面のRzは、少なくとも4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、又は10マイクロメートルであり得る。いくつかの実施形態では、第2の微細構造化表面のRzは、7.5、7.0、6.5、6.0、5.5、5.0、又は4.5マイクロメートル以下である。第2の微細構造化表面のRaは通常、少なくとも0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、又は0.20マイクロメートル及び約1マイクロメートル以下であるが、第1の微細構造化表面は、第2の微細構造化表面より大きなRaを有する。いくつかの実施形態では、第2の微細構造化表面のRaは、0.95、0.90、0.85、0.80、又は0.75以下である。
表E〜Hの実施形態に関して、第1の微細構造化表面に配設されたコーティングは、少なくとも10%の第2の微細構造化表面の平均高さを低減できる。更に、いくつかの実施形態では、第1及び第2の微細構造化表面間の平均高さの差は、少なくとも−20%、−30%、−40%、−50%、又は−60%であり得る。
第2の微細構造化表面の平均高さは通常、少なくとも0.75、0.80、0.85、0.90、0.95、又は1.00マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、第2の微細構造化表面の平均高さは、少なくとも1.5、又は2.0マイクロメートルである。第2の微細構造化表面の平均高さは通常、約4マイクロメートル以下であり、及びいくつかの実施形態では、3.5又は3マイクロメートル以下である。第1の微細構造化表面は、第2の微細構造化表面より大きい平均高さを有する。いくつかの実施形態では、第1の微細構造化表面の平均高さは、少なくとも2.5、3、3.5、4、又は5マイクロメートルである。
第1及び第2の微細構造化表面のヘイズ及び透明度は、実施例に記載されている試験方法に従って測定できる。様々な例示の第1及び第2の微細構造層のヘイズ及び透明度が、以下の表I〜Jに記載される。各表I〜Jにおいて、括弧内の値は、第1の微細構造化表面(すなわち対照)と第2の微細構造化表面の差である。補集合的累積傾き大きさ分布は、第1の微細構造化表面を作製するために利用される重合性樹脂の選択に影響を受けないが、重合性樹脂の選択はヘイズ及び透明度に影響を及ぼすことができる。2つの異なる重合性樹脂が、第1の微細構造化表面を作製するために利用され、以下の表I〜Jに示すように、1つが1.56の屈折率(RI)を有し、残りの1つが1.65の屈折率を有する。
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表I〜Jの例示的実施形態に関して、第1及び第2の微細構造化表面間のヘイズの差は、少なくとも10%であり得る。更に、いくつかの実施形態では、第1及び第2の微細構造化表面間のヘイズの差は、少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、又は70%であり得る。
第1の微細構造化表面は、少なくとも60、70、80、又は90%のヘイズを有することができる。しかし、第2の微細構造化表面は、50、45、40、35、30、25、20、15、又は10%以下のヘイズを有することができる。いくつかの実施形態では、ヘイズは、10、9、8、7、6、5、4、3、又は2%未満である。
表I〜Jの例示的実施形態に関して、第1及び第2の微細構造化表面間の透明度の差は、少なくとも−10%であり得る。更に、第1及び第2の微細構造化表面間の透明度の差は、少なくとも−20%、−25%、−30%、−35%、又は−40%であり得る。
第1の微細構造化表面は、少なくとも10、9、8、7、6、又は5%の透明度を有することができる。しかし、第2の微細構造化表面は、少なくとも15、20、25、30、35、40、又は45%の透明度を有することができる。
第1の微細構造化表面に配設されたコーティングを含む微細構造化拡散体は、様々な光学フィルムで利用できる。
いくつかの実施形態では、微細構造化拡散体は更に、図12で示すように、第1及び第2の微細構造化表面層に対向する主表面上のプリズム構造を含む。すなわち、(例えば第1の)微細構造化表面は、基材とプリズム層との間に埋め込まれない。しかし、別の実施形態では、第1の微細構造化表面に配設されたコーティングを含む微細構造化拡散体は、基材とプリズム層との間に埋め込まれることが可能であり、これは国際特許第WO2013/158475号に記載されており、この開示は参照により本明細書に組み込まれる。
微細構造(例えば拡散体)層の微細構造は、主に光学利得を提供するように設計された光学フィルムの(例えばプリズム)構造とは、異なる。一態様では、微細構造(例えば拡散体)層の微細構造は、ランダムに見える不規則なパターン、又は擬似ランダムパターンを形成する。それに対し、光学フィルムの(例えばプリズム)構造は一般に、表面上規則的なパターンを有する。別の態様において、微細構造(例えば拡散体)層の微細構造は通常、光学フィルムの(例えばプリズム)構造より小さい。例えば、微細構造(例えば拡散体)層の微細構造は通常、8マイクロメートル以下の山〜谷の平均高さを有するが、(例えばプリズム)構造は通常、8、9、又は10マイクロメートル超の山〜谷の平均高さを有する。別の態様においては、光学フィルムの(例えばプリズム)構造は、実質的に同じ傾き(例えば約90度の頂角)を有するが、微細構造(例えば拡散体)層は、前述したように傾きの異なる大きさを有する微細構造を有する。多くの実施形態において、微細構造化拡散体の微細構造の少なくとも90%は、20又は15度未満の傾きの大きさを有する。
図12は、入射光線を所望の方向に方向転換するための、光方向転換フィルム100の概略側面図である。光方向転換フィルム100は、y方向に沿って延在する複数の微細構造150を含む、第1の主表面110を含む。微細構造150がプリズムであるとき、前記微細構造層はプリズム層と言われることができる。光方向転換フィルム100は、第1の主表面110と反対側の第2の主要面120も含み、及び、第1の微細構造層60と、第1の微細構造化表面に配設されたコーティングとを含み、前記コーティングが谷を部分的に満たして、第2の微細構造化表面122を形成する。
また、光方向転換フィルム100は、対応する第1の主表面110と第2の主表面120との間に配設され、第1の主表面172と、反対側にある第2の主表面174と、を含む基材層170を含む。また、光方向転換フィルム100は、基材層の第1の主表面172に配設され、光方向転換フィルムの第1の主表面110を含むプリズム層130と、基材層の第2の主表面174に配設され、光方向転換フィルムの第2の主表面174を含むマット層140と、を含む。マット層は、主表面120の反対側にある主表面142を有する。
例示の光方向転換フィルム100は、3つの層130、170、及び140を含む。一般に、光方向転換フィルムは1つ以上の層を有してよい。例えば、場合によっては、光方向転換フィルムは、対応する第1の主表面110と、第2の主表面120と、を含む単一層を有してよい。別の例としては、場合によっては、光方向転換フィルムは多数の層を有してよい。例えば、かかる場合、基材170は多数の層を有してよい。
微細構造150は、主として光方向転換フィルムの主表面120への入射光線を、正のz方向に沿うなど所望の方向に沿って方向転換するように設計されている。例示の光方向転換フィルム100では、微小構造150はプリズム線状構造である。一般に、微小構造150は、例えば、入射光線の一部を屈折させ、入射光線の別の一部を再利用することによって光を方向転換できる任意の種類の微小構造であってよい。例えば、微小構造150の断面形状は、湾曲部及び/若しくは部分的線状部である、又はこれらを含んでよい。例えば、場合によっては、微細構造150は、y方向に沿って延在する、線状円柱レンズであってよい。
各線状プリズム微細構造150は、頂角152と、例えば主平面172などの共通基準面から測定された高さ154と、を含む。光結合若しくはウェットアウトを低減させること、及び/又は光方向転換フィルムの耐久性を向上させることが望ましいなど、場合によっては、プリズム微細構造150の高さは、y方向に沿って変化してよい。例えば、プリズム線状微細構造151のプリズム高さは、y方向に沿って変化する。かかる場合、プリズム微細構造151は、y方向に沿って変化する局所的高さと、最大高さ155と、平均高さと、を有する。場合によっては、線状微細構造153などプリズム線状微細構造は、y方向に沿って一定高さを有する。かかる場合、微細構造は、最大高さ及び平均高さと等しい、一定の局所的高さを有する。
実効透過率(ET)は、図2に示す光学系を使用して測定することができ、参照により本明細書に組み込まれる国際特許第WO2010/141262号に記載される。
光結合又はウェットアウトを低減させることが望ましいなど場合によっては、一部の線状微細構造は低く、一部の線状微細構造は高い。例えば、線状微細構造153の高さ156は、線状微細構造157の高さ158よりも小さい。
頂角、つまり二面角152は、用途において望ましい可能性がある任意の値を有することができる。例えば、場合によっては、頂角152は、約70度〜約110度、又は約80度〜約100度、又は約85度〜約95度の範囲であってよい。場合によっては、微細構造150は等しい頂角を有してよく、これは、例えば、約88度又は89度〜90度など約92度又は91度の範囲であってよい。
プリズム層130は、特定の用途において望ましい任意の屈折率を有し得る。例えば場合によっては、プリズム層の屈折率は、約1.4〜約1.8、又は約1.5〜約1.8、又は約1.5〜約1.7の範囲である。場合によっては、プリズム層の屈折率は、約1.5以上、又は約1.55以上、又は約1.6以上、又は約1.65以上、又は約1.7以上である。
光方向転換フィルム100が液晶ディスプレイシステムで用いられるなど場合によっては、光方向転換フィルム100は、ディスプレイの輝度を増大させる、つまり向上させることができる。こうした場合では、光方向転換フィルムは、1よりも大きな実効透過率又は相対利得を有する。本明細書で使用する場合、実効透過率とは、フィルムが所定位置にないディスプレイの輝度に対する、フィルムがディスプレイシステムの定位置に配されたディスプレイシステムの輝度の比のことである。
光方向転換フィルム100が、輝度を増大させるためにディスプレイシステムで用いられ、線状プリズムが約1.6を超える屈折率を有するなど場合によっては、光方向転換フィルムの平均実効透過率(ETA)は、約1.5以上、又は約1.55以上、又は約1.6以上、又は約1.65以上、又は約1.7以上、又は約1.75以上、又は約1.8以上、又は約1.85以上である。
他の場合では、2つの光方向転換フィルムの積層体が輝度を増加させるためにディスプレイシステムで用いられるとき(例えば図14に示される)など、平均実効透過率(ETA)は少なくとも1.9、2.0、又は2.1であり得、2.4、2.5、又は2.6まで変動できる。
第2の微細構造化表面122は、主として、光方向転換フィルムによる光の方向転換機能及び輝度向上機能に悪影響を及ぼさない、又はほとんど及ぼさずに、望ましくない物理的欠陥(例えば、キズなど)及び/又は光学的欠陥(例えば、ディスプレイ若しくは照明システムのランプによる、望ましくない輝点、つまり「ホット」スポット、又は、しばしばモアレと呼ばれるパターンの特別な干渉)を隠蔽することを目的として設計される。
本明細書に記載されるように、微細構造化拡散体を含む光学フィルムは、種々の光学フィルム積層体で利用できる。いくつかの実施形態では、光学フィルム積層体は、利得及び非プリズム微細構造化拡散体を増加させるように設計された、単一の光配向(例えばプリズム)フィルムを含む。他の実施態様において、光学積層体は、利得を増加させるように設計された、少なくとも2つの光配向(例えばプリズム)フィルムを含む。プリズムフィルムは通常、第1のプリズムフィルムの頂点が第2のプリズムフィルムの頂点と直交するように、積み重ねられる。一実施形態において、光学フィルム又は光学フィルム積層体は、光学不活性結合部分を含み、これは例えば、国際特許第WO2011/130155号、同第WO2011/130144号、同第WO2011/130151号、及び同第WO 2013/138495に記載されている。
光学不活性結合部分を含む1つの例示の光学フィルムが、図13に示される。光配向フィルム4400は、第1の複数の線状対称な一体型個別構造4420と、第2の複数の線状対称な個別構造4460とを含む。構造4420及び4460をy方向に沿って延在させ、基材4410上に配設した。基材4410は、厚さ約29マイクロメートル及び屈折率約1.65のPETで作製した。硬化済み構造4420及び4460の屈折率は、約1.56であった。各一体型個別構造に、主に光配向フィルムを表面に結合するように設計される結合部分4430を備え、主に光を方向付け、再利用するように設計される光配向部分4440上に配設した。個別構造4460は任意の結合部分を含まず、主に光を方向付け、再利用するように設計された。一体型個別構造4420を個別構造4460と交互に配設した。
各結合部分4430は、xy平面(光配向フィルムの平面)と、約80〜85度である角度ωをなした2つの対向する側部小平面4432を含む。各結合部分は、最小基部寸法t2が約1.5(±0.5)マイクロメートルで、最大高さt1が約4(±0.5)マイクロメートルの基部4434を有した。各結合部分は、最小上面寸法t3が約0.2(±0.2)マイクロメートルの湾曲した又は丸形の上面も備えた。各光配向部分4420は、xy平面(光配向フィルムの平面)と約45度の角度ω2をなした2つの対向する側部小面4442を備えた。各光配向部分は、最小基部寸法t5が約24マイクロメートルで、最大高さt4が約12マイクロメートルの基部4444を有した。一体型個別構造4420の結合部分4430の頂部と、個別構造4460の頂部との間のz軸オフセット高さの差は、2.6マイクロメートルであった。光配向フィルム4400の平均実効透過率ETAは、約1.63であった。
光学不活性結合部分を含む他の適切な例示の光学フィルムは、国際特許第WO 2012/138495号に記載されており、この開示は参照により本明細書に組み込まれる。
図13の光学フィルムは、図14に示すように光学フィルム積層体に含まれることができ、図14は、光配向フィルム(例えばプリズム)2010上に任意追加的に配設される、本明細書に記載される第1及び第2の微細構造化表面2090を含む光学フィルムを含有する光学積層体2000の概略側面図である。光配向フィルム2010は、第1の構造主表面2020と、対向する第2の主表面2025とを含む。第1の構造主表面2020は、基材2005上に配設される複数の一体型個別構造2030を含む。少なくとも一部の一体型個別構造はそれぞれ、主に光を方向付けするための光配向部分2040と、主に光配向フィルムを光学フィルム2090に結合するための結合部分2050とを備える。代表的な光学積層体2000の場合などのいくつかの場合において、光配向フィルム2010少なくとも一部の結合部分2050の少なくとも一部分が、光学フィルム2090に貫入し、光配向フィルム2010の少なくとも一部の光配向部分2040の少なくとも一部分は、光学フィルム2090に貫入しない。そのような場合、光学積層体2000は、光配向フィルム2010と光学フィルム2090との間に複数の未充填空隙2015を含み、ここで未充填空隙は、空気及び/又はガスを含んでよい。場合によっては、複数の未充填空隙2015のうち少なくとも一部はそれぞれ、光学フィルム2090、及び2つ以上の隣接する一体型個別構造2030の部分によって画定される領域(一体型個別構造2030は光学フィルムに貫入せず、この領域を直接取り巻く)を実質的に占める。例えば、そのような場合、未充填空隙は、光学フィルム2090、及び光学フィルムに貫入しない2つ以上の隣接する一体型個別構造2030の部分によって画定される領域の少なくとも50%、又は少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%を占める。例えば、線状一体型個別構造2030の場合、未充填空隙2015は、光学フィルム2090の上面、線状一体型個別構造2030Aの、光学フィルムに貫入していない右側部分2021、線状一体型個別構造2030Bの、光学フィルムに貫入していない左側部分2022によって画定される領域を実質的に占める。
光学フィルム2090は、任意追加的に(例えばプリズム)光学層2070を更に含む光透過性基材、任意追加的に光透過性基材2070に配設されるプライマー層2075、及び任意追加的のプライマー層2075に配設されたコーティング(例えば光学接着剤)層2060を含む。プライマー層が存在しないとき、コーティング2060は、直接光学フィルム2090の第1の微細構造化表面2076に配設される。光配向フィルム2010の結合部分2050の、光学フィルムに貫入する一部は、コーティング(例えば光学接着剤)層に貫入する。コーティング(例えば光学接着剤)層2060は、大気環境又は光配向部分2040の周囲環境を実質的に維持しながら、光配向フィルム2010を光学層2070又は光学層2070の主表面2071に付着又は結合する。場合によっては、結合部分2050が高いアスペクト比を有し、光学フィルム2090と光配向フィルム2010との間に強い結合をもたらすことができる。
光学接着剤層に貫入する結合部分2050は、平均最大高さh2,avgを有するが、これは、光学接着剤層に貫入した個々の結合部分の最大高さhの平均である。場合によっては、h2,avgは、光学接着剤層2060の平均厚さhよりも大きい。例えば、そのような場合、h2,avgは、hよりも少なくとも0.2マイクロメートル、又は少なくとも0.3マイクロメートル、又は少なくとも0.4マイクロメートル、又は少なくとも0.5マイクロメートル、又は少なくとも0.7マイクロメートル、又は少なくとも1マイクロメートル、又は少なくとも1.2マイクロメートル、又は少なくとも1.5マイクロメートル、又は少なくとも1.7マイクロメートル、又は少なくとも2マイクロメートル大きい。
個々の結合部分の平均高さがコーティング(例えば光学接着剤)層の平均厚さhよりも大きいとき、結合部分の高さによって、構造体の光学活性部分と接着剤層との間に物理的隔離部が生じ得る。この隔離部又は空気界面は維持される又は実質的に不変であるが、ただし、積層体の通常使用間に接着剤組成物が流動しない、又は「クリープ変形」しないことを条件とする。このような使用は、高温における、所望により高湿と組み合わせる経年変化試験の利用によってシミュレーションできる。
あるいは、個々の結合部分の平均高さがコーティング(光学接着剤)層の平均厚さhより小さいとき、貫入深さ、及び積層体の通常使用間にかかる貫入率を維持することによって、構造体の光学活性分と接着剤層との間に隔離部を設ける。
一実施形態において、コーティング(例えば光学接着剤)層は、約3〜6マイクロメートルの平均厚さhを有し、結合部分は、約4マイクロメートルの平均最大高さh2,avgを有する。
一般に、光学フィルム基材2070は任意の光学層を含み、及び、ある用途に所望され得る任意の機能を提供し得る。例えば、場合によっては、基材は、主に他の層の支持体を提供してよい。別の例として、開示される基材は、例えば、反射偏光子若しくは吸収偏光子を備えて偏光する、光学拡散体を備えて光を拡散する、光配向フィルムを備えて光を方向付ける、又は向きを変えることができる。
第1の微細構造化表面層は通常、重合性樹脂の反応生成物などのポリマー材料を含む。様々なフリーラジカル重合性(例えば(メタ)アクリレート)モノマー、オリゴマー、ポリマー、及びこれらの混合物を、第1の微細構造化表面層の有機材料中に用いることができる。いくつかの実施形態では、重合性樹脂は更に、無機酸化物ナノ粒子を含む。
第1の微細構造層の重合性組成物は通常、2つの(メタ)アクリレート基(すなわち、ジ(メタ)アクリレートモノマー)を有する、少なくとも1つの芳香族(メタ)アクリレートモノマーを含む。芳香族ジ(メタ)アクリレートモノマーの量は通常、少なくとも5重量%であり、及び80重量%以下である。重合性樹脂が無機酸化物ナノ粒子を含まないとき、芳香族ジ(メタ)アクリレートモノマーの量は通常、少なくとも10、15、20、又は25重量%以上である。重合性樹脂が更に無機酸化物ナノ粒子を含むとき、芳香族ジ(メタ)アクリレートモノマーの量は、25重量%を超えない。
いくつかの実施形態では、ジ(メタ)アクリレートモノマーは、ビスフェノールAから誘導される。1つの代表的なビスフェノールAエトキシル化ジアクリレートモノマーは、Sartomerより、商標名「SR602」(20℃で610cpsの粘度、及び2℃のガラス転移温度(Tg)を有すると報告されている)で市販されている。別の代表的なビスフェノールAエトキシル化ジアクリレートモノマーは、Sartomerから商標名「SR601」(20℃において、粘度1080cps、及びTg 60℃を有すると報告されている)にて市販されている。米国特許第7,282,272号に記載されているものなど、様々な他のビスフェノールAモノマーが当技術分野にて記載されている。
他の実施態様において、重合性組成物は、ビスフェノールAから誘導されるモノマーを含まない。1つの好適な二官能性芳香族(メタ)アクリレートモノマーは、ビフェニルジ(メタ)アクリレートモノマーであり、これは米国特許第2008/0221291号に記載されていて、この開示は参照により本明細書に組み込まれる。ビフェニルジ(メタ)アクリレートモノマーは、以下の一般式を有し得る。
Figure 0006643226
式中、各R1は独立してH又はメチルであり、
各R2は独立してBrであり、
mは、0〜4の範囲であり、
各Qは独立してO又はSであり、
nは0〜10の範囲であり、
Lは、1つ以上のヒドロキシル基で任意追加的に置換されたC2〜C12のアルキレン基であり、
zは、芳香環であり、及び、
tは独立して0又は1である。
−Q[L−O]nC(O)C(R1)=CH基の少なくとも一方、好ましくは両方は、モノマーが25℃で液体であるように、オルト又はメタ位で置換されている。
いくつかの実施形態において、二官能性芳香族(メタ)アクリレートモノマーは、450g/モル未満の分子量を有し、かつ少なくとも1.50、1.51、1.52、1.53、1.54、1.55、1.56、1.57、又は1.58の屈折率を有する芳香族モノ(メタ)アクリレートモノマーと組み合わされる。前記反応性希釈剤は通常、フェニル、ビフェニル、又はナフチル基を含む。更に、このような反応性希釈剤は、ハロゲン化されてもよく、又は非ハロゲン化(例えば非臭素化)されてもよい。反応性希釈剤の含有により、有機成分の屈折率の上昇、及び粘度の低減による重合性組成物の加工性の改善が、同時に可能になる。
芳香族モノ(メタ)アクリレート反応性希釈剤の濃度は通常、少なくとも5、6、7、8、9、又は10重量%である。いくつかの実施形態では、芳香族モノ(メタ)アクリレート反応性希釈剤の濃度は、重合性樹脂組成物の50、40、又は30重量%以下である。
好適な反応希釈剤としては、国際特許WO2008/112451号に記載のとおり、例えば、種々のビフェニル(メタ)アクリレートモノマーが含まれ、該開示は参照により本明細書に組み込まれる。他の好適な反応性希釈剤としては、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシ−2−メチルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルチオエチルアクリレート、2−ナフチルチオエチルアクリレート、1−ナフチルチオエチルアクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチルアクリレート、2,4−ジブロモフェノキシエチルアクリレート、2−ブロモフェノキシエチルアクリレート、1−ナフチルオキシエチルアクリレート、2−ナフチルオキシエチルアクリレート、フェノキシ−2−メチルエチルアクリレート、フェノキシエトキシエチルアクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2,4−ジブロモ−6−sec−ブチルフェニルアクリレート、2,4−ジブロモ−6−イソプロピルフェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェニルアクリレート、2,4,6−トリブロモフェニルアクリレートが挙げられる。ペンタブロモベンジルアクリレート及びペンタブロモフェニルアクリレートなどの、他の高屈折率モノマーもまた用いることができる。
第1の微細構造層は、通常低屈折率(例えば1.50未満)を有するシリカなど、無機ナノ粒子を任意追加的に含むことができる。シリカは、Nalco Chemical Co(Naperville、Ill)から、製品1040、1042、1050、1060、2327及び2329など商品名「Nalco Colloidal Silicas」で市販されている。ヒュームドシリカも、市販品として入手可能である。
第1の微細構造層、単独で又は組み合わせて、ジルコニア(「ZrO」)、チタニア(「TiO」)、酸化アンチモン、アルミナ、酸化スズなどの各種の高屈折率粒子を任意追加的に含むことができる。混合金属酸化物を用いてもよい。高屈折率層中で使用するジルコニアは、「Nalco OOSSOO8」の商標名でNalco Chemical Co.から、及び「Buhler zirconia Z−WO sol」の商標名でBuhler AG Uzwil,Switzerlandから、入手可能である。ジルコニアナノ粒子はまた、米国特許第7,241,437号及び同第6,376,590号に記載されているように調製されてもよい。マット層の最大屈折率は、架橋有機材料中に分散された高屈折率無機(例えば、ジルコニア)ナノ粒子を有するコーティングについては、通常約1.75以下である。
第1の微細構造化表面層の(例えば、ジルコニア)無機ナノ粒子の濃度は通常、少なくとも25重量%又は30重量%である。(例えば、ジルコニア)無機ナノ粒子の濃度は通常、少なくとも40重量%、及び約70、60、又は50重量%以下である。
無機ナノ粒子は、好ましくは表面処理剤で処理される。様々な表面処理が知られており、そのいくつかは、米国特許第2007/0286994号に記載されている。
シリカに対してはシランが好ましく、シリカ系充填剤に対しては他のものが好ましい。ジルコニアなどの金属酸化物に対しては、シラン及びカルボン酸が好ましい。高屈折率(例えば、ジルコニア)ナノ粒子は、参照により本明細書に組み込まれる国際出願第WO2010/074862号に記載されているように、カルボン酸末端基及びC〜Cエステル繰り返し単位又は少なくとも1つのC〜C16エステル単位を含む化合物を含有する表面処理剤で表面処理されてもよい。
注型成形及び硬化によって光配向(例えばプリズム)構造を作製するために記載される様々な重合性樹脂は、第1の微細構造層の作製に適している。いくつかの好適な重合性樹脂組成物は、米国特許第2009/0017256号及び米国特許第8,263,863号に記載されており、この開示は参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、第1の微細構造層の重合性樹脂の屈折率は、それが光透過性基材と適合する屈折率であるように選択される。このような実施形態において、第1の微細構造層の重合性樹脂と光透過性基材との間の屈折率の差は、0.05、0.04、0.03、0.02、又は0.01以下である。他の実施態様において、第1の微細構造層の重合性樹脂と光透過性基材との間の屈折率の差は、少なくとも0.10、0.15、又は0.20である。
いくつかの実施形態において、第1の微細構造層は、少なくとも1.60以上の高屈折率を有する。いくつかの実施形態において、屈折率は、少なくとも1.62又は少なくとも1.63又は少なくとも1.64又は少なくとも1.65である。他の実施形態において、第1の微細構造層は、1.60未満の屈折率を有する。例えば、微細構造層は、約1.40〜約1.60の範囲の屈折率を有し得る。いくつかの実施形態において、微細構造層の屈折率は、少なくとも約1.49、1.50、1.51、1.52、1.53、又は1.54である。
本明細書に記載されるように微細構造物品の製造方法は一般に、第1の微細構造化表面を含む基材を提供することであり、第1の微細構造化表面は複数の山及び谷を含む。第1の微細構造化表面は好ましくは、上述したように、工具表面と接触する重合性樹脂組成物を注型成形して硬化させることによって、作製される。前記方法は、第1の微細構造化表面をコーティングすることを更に含み、それによってコーティングが谷を部分的に満たして、第2の微細構造化表面を形成する。
無低粘度溶媒コーティングが、第1の微細構造化表面をコーティングするためも用いられることができるが、通常の実施形態において、コーティング組成物は有機溶媒を含む、希釈コーティング溶液である。いくつかの実施形態では、コーティング組成物は、少なくとも50、60、70、80、又は90重量%以上の揮発性有機溶媒を含む。代表的な溶媒として、アセトン、メチル−エチル−ケトン、エチルアセテート、ヘプタン、トルエン、シクロペンタノン、メチルセロソルブアセテート、塩化メチレン、ニトロメタン、ギ酸メチル、γ−ブチロラクトン、プロピレンカーボネート、及び1,2−ジメトキシエタン(グリム)が挙げられる。
希薄溶液としてコーティングを提供することにより、空洞又は気泡を形成することなく、第1の微細構造化表面の谷を満たしやすくなる。通常の工程では、乾燥によって溶媒が除去され、薄く乾燥して及び好ましくは硬化したコーティングが得られる。溶媒の蒸発により、塗布されたコーティング厚さを下回る、乾燥コーティング厚さが生じる。例えば、コーティング組成物が90重量%の揮発性溶剤を含んで、3マイクロメートルの厚さで塗布されるとき、乾燥コーティングは約0.3マイクロメートルの平均厚さを有する。すなわち上述したように、希薄コーティング溶液としてコーティングを提供することにより、薄い乾燥平均コーティング厚さを提供しやすくなる。
コーティングは、グラビアコーティング、カーテンコーティング、スロットコーティング、スピンコーティング、スクリーンコーティング、ブラシコーティング又はローラーコーティングなどを含む、任意の従来の適用方法によって適用されてよいが、これらに限定されない。
溶媒は通常、熱を使用して蒸発する。例えば、コーティングされた第1の微細構造化表面は、約130〜160°Fの範囲の温度を有するオーブンを通って運搬されることができる。熱可塑性ポリマー及び他の重合性成分は通常、温度上昇でより低い粘度を示す。したがってコーティングが高温で乾燥されるとき、熱可塑性ポリマー又は他の重合性成分は直ちに流れて、山から降りて、これにより谷のコーティング厚さが増加する。このように、コーティングは第1の微細構造化表面全体に適用されることができるものの、乾燥コーティングは通常、谷より山で薄い厚さを有する。
いくつかの実施形態では、コーティングは(例えば希釈)重合性樹脂組成物であり、それは、第1の微細構造層の提供に用いるのに好適な、上述の重合性樹脂組成物などである。
他の実施形態において、コーティングは、(例えば光学)接着剤である。種々の(例えば希釈)光学接着剤は、当該技術分野において周知のように、コーティングとしての用途に適している。(例えば、米国特許2006/0027321号及び2013年3月13日出願の米国特許出願第61/778,679号参照)。
コーティングは、予備形成された熱可塑性ポリマーを含むことができる。例えばコーティングは、ポリアクリレート、あるいはアクリルポリマーとして知られる、を含むことができる。熱可塑性ポリマーは、重合性モノマー、有機溶剤又はこれらの組み合わせに溶解されることができる。コーティングが重合性モノマーを含むとき、コーティングは通常、硬化する。コーティングの硬化は、第1の微細構造化表面上に形成される第2の微細構造化表面を保持するために、有益であり得る。いくつかの実施形態では、コーティングは、(例えば紫外)線へ暴露することで硬化する、フリーラジカル重合性(例えば(メタ)アクリレート)モノマー、オリゴマー、ポリマー、及びこれらの混合物を含む。他の実施形態において、コーティングは、(例えばコーティングから溶媒を蒸発させると共に)カチオン硬化したエポキシ樹脂を含む。
光学積層体が形成される実施形態の場合、前記方法は、硬化前に別の光学フィルムの表面に(例えば乾燥)コーティングを接触させることを更に含むことができる。いくつかの実施形態では、プリズム構造又はプリズムの頂点から伸びている支柱は、コーティングを部分的に貫通できる。
一実施形態において、第1の微細構造化表面に配設されたコーティングは、ポリアクリレートと、官能基及び官能基当たり150g/モル未満の分子量を有する重合性モノマーとの反応生成物を含む。重合性モノマーは、上述の国際特許第WO 2012/138495号に記載されるように、フリーラジカル重合性(メタ)アクリレートモノマー又はエポキシ樹脂でもよい。
いくつかの実施形態では、コーティングは、同じ組成物の単一層である。他の実施態様において、コーティングは、複数の層(例えば異なる組成物)を含む。例えば、コーティングは、プライマー層及び(例えば光学)接着剤層を含むことができる。プライマー層は、第1の微細構造化表面層と(例えば光学接着剤)コーティングとの間に配設されることができ、これは2013年10月2日出願の米国特許仮出願第61/885760号に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。プライマーは、ポリアクリレート(例えば感圧性接着剤)を含むことができる。いくつかの実施形態では、プライマー層は、窒素含有ポリマーを更に含む。
いくつかの実施形態では、硬化させたコーティングは、(実施例に更に記載されているように)動的機械分析を用いて、特徴付けられることが可能である。硬化済み接着剤の弾性率は通常、少なくとも100MPaである。いくつかの実施形態では、弾性率は、少なくとも200MPa、又は300MPa、又は400MPa、又は500MPaである。弾性率は通常、2000MPa以下である。第2の微細構造化表面の光学及び物理的特性が実質的に老化によって変化しないように、25℃の弾性率(E’)は、少なくともある程度は、充填された谷で保持されるコーティングに関して推定される。弾性率は、少なくともある程度は、経年変化による光学積層体の、保持した輝度及び/又は貫入に関連して推測される。
いくつかの実施形態では、コーティングの屈折率は、光透過性基材と適合する屈折率であるように選択される、第1の微細構造層と適合する屈折率であり得る。このような実施形態において、第1の微細構造層(例えば、その重合性樹脂)とコーティングとの間の屈折率の差は、0.05、0.04、0.03、0.02、又は0.01以下である。
微細構造化表面の特性
x及びy位置の関数として表面の高さを与える表面プロファイルデータは、50倍対物レンズを備えた共焦点スキャンレーザ顕微鏡(CSLM)によって得られた。フィルムの代表的な領域(例えば約500×500マイクロメートル)が、画像分析のために使われた。
傾き分析
表面プロファイルデータは、表面の高さをx及びy位置の関数として与える。このデータは、関数H(x、y)として表される。画像のx方向は、画像の水平方向である。画像のy方向は、画像の垂直方向である。
MATLABを使用して、以下を計算した。
1.勾配ベクトル
Figure 0006643226
2.勾配ベクトルの傾きの大きさ(度)
Figure 0006643226
3.x勾配(度)
Figure 0006643226
4.y勾配(度)
Figure 0006643226
5.FCC(θ)−傾き分布の補足的累積分布
Figure 0006643226
CC(θ)は累積傾き分布の補集合であり、指定された角度よりも大きい傾き比を与える。N(q)は、q番目のアングルビンの画素数であり、各アングルビンは、0.01°の大きさを有する。(このように、第1のアングルビンは、0°より大きく0.01°までの傾きを有する画素数の割合であり、第2のアングルビンは、0.01°より大きく0.02°までの傾きを有する画素数の割合であるなど)。x勾配及びy勾配に関する累積傾き分布の補集合は、同様に定められる。
画像処理ツールボックスを有するMATLABを使用して、高さプロファイルを解析し、表面の傾きを計算した。以下の順序により、使用したMATLABコードの工程の概略を提供する。
1.画素数>=10011001の場合、画素数を減少させる
−nskip=fix(nanb/1001/1001)+1を計算する。
ここで、元の画像のサイズはna X nb画素である。
−nskip>1の場合、(2fix(nskip/2)+1)×(2fix(nskip/2)+1)メジアン平均を実行する
■fixは、端数を切り捨てて一番近似の整数とする関数である。
−全部のnskip画素を各方向に保つ新しい画像を形成する(例えば、nskip=3の場合、行及び列1、4、8、11...を保つ)
2.r=round(Δx/pix)
−Δxは、傾きの計算で使用する刻み幅である。
−pixは画素サイズである。
−rは、画素の最も近い整数に四捨五入されたΔxである。
3.Δx(及びΔy)は、傾きの全計算において0.825である。
4.ウィンドサイズ(2round(fMX r)+1)を画素(2round(fMY r)+1)で割って、メジアン平均を出す。fMX及びfMY両方とも、本計算では0.5だった。
5.傾きを除去する。
−プロファイル全域にて、全方向における平均傾きを効果的にゼロに等しくする。
6.前述したように傾きプロファイルを計算する。
粗さの評価基準
Ra−測定されたアレイ全体にわたって計算された平均粗さ。
Figure 0006643226
式中、Zjk=各画素の測定された高さとアレイの平均高さの差である。
Rzは、評価範囲内の10つの最大の山〜谷距離の平均最大表面高さである。
Figure 0006643226
式中、Hは山高さであり、Lは谷高さであり、H及びLは、共通の基準面を有する。
補集合的累積傾き大きさ分布に関して報告されたそれぞれの値、山寸法、及び粗さは、2つの範囲の平均に基づいていた。
ヘイズ及び透明度の測定:
本明細書に開示されるヘイズ及び透明度は、ASTM D1003に述べられる方法に従って、Haze−Gard Plusヘイズメータ(BYK−Gardiner(Silver Springs,Md.))を使用して測定した。本明細書で使用する場合、光学ヘイズとは、垂直方向から4°よりも大きく逸れた透過光の、全透過光に対する比として定義される。光学的透明度は、Tが法線方向から0〜0.7度外れた透過光であり、Tが法線方向から1.6〜2度の間にある透過光であるときの、(T−T)/(T+T)と定義される。すべての場合において、コーティング面又は微細構造化表面を光源に向けた状態で、光学フィルムを測定した。
光学利得の測定:
各フィルム又はフィルム積層体を、拡散透過性の中空の光箱の上部に置いた。光箱の拡散透過及び拡散反射は、おおよそランベルト型であった。光箱は、約0.6mmの厚さの拡散PTFE板から作製された、12.5cm×12.5cm×11.5cmの寸法の六面中空矩形立体であった。箱の1つの面をサンプル表面として指定した。中空光箱は、サンプル表面で測定し、400〜700nmの波長範囲全体にわたり平均したとき、約0.83%の拡散反射率を有した。利得試験中、箱の、サンプル表面の反対側の表面にある直径約1cmの円孔を介して、サンプル表面に向けて方向付けた光で内部から箱を照射した。この照明は、光を方向付けるために用いられる光ファイバーバンドルに取り付けられている安定化広帯域白熱光源(Schott North America(Southbridge MA)から、直径1cmのファイバーバンドル延長部付きFostec DCR−IIIとして入手可能)によって提供された。線状吸収偏光子(CVI Melles Griot(Albuquerque NM)からMelles Griot 03 FPG 007として入手可能)を、ロータリーステージ(Aerotech,(Pittsburgh、PA)からART310−UA−G54−BMS−9DU−HCとして入手可能)上に取り付け、サンプルとカメラとの間に置いた。カメラの焦点を、0.28mの距離にある光箱のサンプル表面に合わせ、吸収偏光子をカメラレンズから約1.3cmに配設した。偏光子を適所に置き、サンプルフィルムなしで測定した、照射された光箱の輝度は、150cd/m超であった。サンプル輝度は、Vis−NIR光ファイバケーブル(StellarNet Inc(Tampa、FL)製F1000−Vis−NIRとして入手可能)を介して、コリメートレンズに接続しているEPP2000分光計(StellarNet Inc(Tampa、FL)から入手可能)で測定されており、分光計は、サンプルフィルムがサンプル表面に配設されるとき、ボックスサンプル表面の平面への法線入射で配向される。コリメートレンズは、鏡筒(Thorlabs(Newton,NJ)からSM1L30として入手可能)及び平凸レンズ(Thorlabs(Newton,NJ)からLA1131として入手可能)からなり、この構成を組み立てて、検出器において5mmの焦点スポットサイズを得た。光学利得は、サンプルフィルムを適所に置いたときの輝度の、サンプルが存在しないときの光箱の輝度に対する比として測定した。すべてのフィルムについて、サンプルの向きに対して0、45、及び90度の偏光子角度で光学利得を測定した。0及び90度で測定した平均光学利得値を報告する。
(実施例1〜6)
微細構造層は、0.029mm(1.14mil)のPETフィルムの下塗りされた面に注型成形されて、硬化した。下塗りされた面のプライマー組成物は、アクリル系ポリマー結合剤(Dow Chemical Company(Midland、MI)から入手可能なRhoplex 3208)、及び、メラミン系硬化樹脂(Allnex(Anderlecht、Belgium)から入手可能なCymel 327)を含んだ。メラミン硬化樹脂は通常、450g/モルの数平均分子量(Mn)によって特徴付けられる。プライマー厚さは90nmであり、全体のプライマー固形分の3.5%のメラミンを含んだ。
2つの異なるUV重合性アクリレート樹脂、1つは屈折率(RI)1.56を有し(米国特許第2009/0017256号の樹脂R8)及びもう1つは屈折率1.65有する(米国特許US8,282,863号の実施例2)が、工具表面と接触して、注型成形されて硬化して、工具表面と反対の微細構造化表面を有する層を形成した。
2つの工具(工具I及び工具2)は、微細構造化表面を提供するために利用された。工具は、上述したように高速工具サーボ(FTS)を利用する、ダイヤモンド旋削システムを使用して提供された。
各実施例において、粘着剤溶液は、毎分26フィート(毎分7.92メートル)のラインスピードで溶媒コータを使用して、微細構造化表面上にコーティングされた(3、4又は5マイクロメートルの(乾燥)コーティング厚さみが生じる)。接着剤は、二色性反射鏡を備えた100%出力で作動するUV−D球、及び60°F(15.6℃)で設定されるUVバックアップロールによって、硬化した。
硬化した接着剤は、以下の成分の反応生成物を含んだ。
Figure 0006643226
接着剤コーティング溶液は、接着剤濃度10固形分重量%の有機溶剤に分散された、記載される成分を含む。
「対照」の場合、接着剤は塗布されなかった。すなわち対照は、(例えば接着剤)コーティングの不在下での第1の微細構造化表面である。
微細構造化表面の共焦点スキャンレーザ顕微鏡画像は、上述のとおり作成された。工具1から作製した微細構造化表面が図8A〜図8Dに示されており、工具2から作製した微細構造化表面が図9A〜図9Dに示される。
所定角度より大きい傾きのパーセンテージを示す、累積表面勾配大きさの補集合(Fcc)が、図10及び11に示される。表形式のこの同一データは、上述した表A及びBに報告される。1.56 RI樹脂から作製した第1の微細構造化表面層が、表面粗さ、平均高さ及びFccデータを生成するために用いられたが、硬化した樹脂が工具表面の正確な複製を提供することができる場合、Fccは樹脂に関わらず、同一であると考えられている。
得られたフィルムのヘイズ及び透明度が、上述した表I及びJに報告されているように測定された。
(実施例7〜18)
第1のプリズムフィルム
同じ工具(すなわち工具1及び2)を用いて、微細構造化拡散体が、1.14mil(0.029mm)PETフィルムの下塗りされた面に、注型成形されて硬化され、該PETフィルムの対向する主要表面は、米国特許第2009/0041553号に記載され方法に従って製造されたマスター工具を用いて、米国特許第5,175,030号及び同第5,183,597号に記載されている方法に従って、注型成型されて硬化したプリズム構造を有した。プリズム構造は、約24マイクロメートルの隣接する頂点間の平均距離を備えた、プリズム面の斜面により定義される鋭い90°頂角を有した。
第1及び第2のプリズムフィルムの積層体
第1のプリズムフィルムの微細構造化拡散体層は、上述したように接着剤でコーティングされており、第2のプリズムフィルム(国際特許第WO 2012/138495号に記載のフィルムD)の光学不活性結合部分(例えばプリズム頂点から伸びている支柱構造)に結合された。プリズムフィルムは、第2のプリズムフィルムの頂点が第1のプリズムフィルムの頂点と直交するように、結合された。
すべての以下の実施例は、低反射モアレを有した。得られたフィルム積層体の実効透過率(ET)は、以下のとおりである。
Figure 0006643226
Figure 0006643226
工具3及び工具4は、1.56のRIを有するUV重合性アクリレート樹脂から微細構造化表面を提供するために、利用された。工具3は非対称の微細構造を有しており、上述したように高速工具サーボ(FTS)を利用する、ダイヤモンド旋削システムを使用して提供された。工具4は対称の構造を有しており、2012年11月21出願の米国特許出願第61/728,868号に従って提供された。
微細構造化表面の共焦点スキャンレーザ顕微鏡画像は、上述のように作成された。作製した微細構造化表面は、図15A及び図16Aに示される。
補集合的累積傾き大きさ分布(Fcc)は、図17に示される。表形式のこの同一データは、上述した表C及びDに報告される。
工具3及び4は、実施例7〜15と同様に「第1の」プリズムフィルム、並びに第1及び第2のプリズムフィルム積層体を提供するため使用された。実施例16及び17の平均実効透過率(ET)は、2.24だった。本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[42]に記載する。
[項目1]
複数の山及び谷を有する、第1の微細構造化表面を含む光透過性フィルムと、
前記第1の微細構造化表面上に配設されたコーティングと、を含み、前記コーティングが前記谷を部分的に満たして、前記第1の微細構造化表面と実質的に異なる第2の微細構造化表面を形成する、微細構造化拡散体。
[項目2]
前記第1及び前記第2の微細構造化表面が、少なくとも1つの光学又は物理的特性によってそれぞれ特徴付けられて、及び、前記第1及び前記第2の微細構造化表面間の光学又は物理的特性の差が、少なくとも10%の絶対値を有する、項目1に記載の微細構造化拡散体。
[項目3]
前記第1及び前記第2の微細構造化表面間の光学又は物理的特性の差が、少なくとも15%又は20%の絶対値を有する、項目2に記載の微細構造化拡散体。
[項目4]
前記第1及び前記第2の微細構造化表面のそれぞれが補集合的累積傾き大きさ分布を有し、前記第1及び前記第2の微細構造化表面間の2.1度超又は4.1度超の傾きの大きさの差が、少なくとも10%である、項目1〜3のいずれか一項に記載の微細構造化拡散体。
[項目5]
前記第1及び前記第2の微細構造化表面間の2.1度超又は4.1度超の傾きの大きさの差が、少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、又は70%である、項目4に記載の微細構造化拡散体。
[項目6]
前記差が4.1度超の傾きの大きさである、項目4又は5に記載の微細構造化拡散体。
[項目7]
前記第1及び前記第2の微細構造化表面のそれぞれがヘイズを有し、前記第1及び前記第2の微細構造化表面間のヘイズの差が、少なくとも10%である、項目1〜6のいずれか一項に記載の微細構造化拡散体。
[項目8]
前記第1及び前記第2の微細構造化表面間のヘイズの差が、少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、又は70%である、項目7に記載の微細構造化拡散体。
[項目9]
前記第1及び前記第2の微細構造化表面層のそれぞれが透明度を有し、前記第1及び前記第2の微細構造化表面間の透明度の差が、少なくとも−10%である、項目1〜8のいずれか一項に記載の微細構造化拡散体。
[項目10]
前記第1及び前記第2の微細構造化表面間の透明度の差が、少なくとも−20%、−25%、−30%、−35%、又は−40%である、項目9に記載の微細構造化拡散体。
[項目11]
前記山の50%以下が埋め込まれたマット粒子を含む、項目1〜10のいずれか一項に記載の微細構造化拡散体。
[項目12]
前記山がマット粒子を含まない、項目1〜10のいずれか一項に記載の微細構造化拡散体。
[項目13]
前記第1の微細構造化表面が、工具表面と接触する重合性樹脂組成物を注型成形して硬化させることによって作製される、項目1〜12のいずれか一項に記載の微細構造化拡散体。
[項目14]
前記第1の微細構造化表面が、2.1度超の傾きの大きさで補集合的累積傾き大きさ分布を少なくとも90%有し、前記第2の微細構造化表面が、2.1度超の傾きの大きさで補集合的累積傾き大きさ分布を80、75、70、65、60、55、50、又は45%以下有する、項目1〜13のいずれか一項に記載の微細構造化拡散体。
[項目15]
前記第1の微細構造化表面が、4.1度超の傾きの大きさで補集合的累積傾き大きさ分布を少なくとも60%、65%、70%、又は75%有し、前記第2の微細構造化表面が、4.1度超の傾きの大きさで補集合的累積傾き大きさ分布を50、45、40、35、30、25、20、15、又は10%以下有する、項目1〜14のいずれか一項に記載の微細構造化拡散体。
[項目16]
前記第1の微細構造化表面が、少なくとも50、60、70、80、又は90%のヘイズを有し、前記第2の微細構造化表面が、40、35、30、25、20、15、又は10%以下のヘイズを有する、項目1〜15のいずれか一項に記載の微細構造化拡散体。
[項目17]
前記第1の微細構造化表面が、10、9、8、7、6、又は5%未満の透明度を有し、前記第2の微細構造化表面が、少なくとも15、20、25、30、35、40、又は45%の透明度を有する、項目1〜16のいずれか一項に記載の微細構造化拡散体。
[項目18]
前記微細構造化拡散体が、幾何学的に対称又は幾何学的に非対称の微細構造を含む、項目1〜17のいずれか一項に記載の微細構造化拡散体。
[項目19]
前記光透過性フィルムが、前記第1及び前記第2の微細構造化表面層に対向する、主表面上のプリズム構造を更に含む、項目1〜18のいずれか一項に記載の微細構造化拡散体。
[項目20]
前記第1の微細構造化表面が、1つ以上のフリーラジカル重合性モノマー、オリゴマー、ポリマー、又はこれらの混合物の反応生成物、任意追加的に、無機酸化物ナノ粒子との組み合わせ、を含む、項目1〜19のいずれか一項に記載の微細構造化拡散体。
[項目21]
前記コーティングが、1つ以上のフリーラジカル重合性モノマー、オリゴマー、ポリマー、又はこれらの混合物の反応生成物、任意追加的に、無機酸化物ナノ粒子との組み合わせ、を含む、項目1〜20のいずれか一項に記載の微細構造化拡散体。
[項目22]
前記コーティングが、ポリアクリレートと、官能基及び前記官能基当たり150g/モル未満の分子量を有する重合性モノマーと、の反応生成物を含む、項目21に記載の微細構造化拡散体。
[項目23]
前記重合性モノマーがエポキシ樹脂である、項目22に記載の微細構造化拡散体。
[項目24]
前記第1の微細構造化表面層と前記コーティングとの間に配設されたプライマー層を更に含む、項目1〜23のいずれか一項に記載の微細構造化拡散体。
[項目25]
前記プライマー層がポリアクリレートを含む、項目24に記載の微細構造化拡散体。
[項目26]
前記プライマー層が窒素含有ポリマーを含む、項目25に記載の微細構造化拡散体。
[項目27]
複数の山及び谷を有する、第1の微細構造化表面を含む光透過性フィルムと、
前記第1の微細構造化表面上に配設されたコーティングと、を含み、前記コーティングが前記谷を部分的に満たして、1.5マイクロメートル〜7.5マイクロメートルの範囲のRzを有する第2の微細構造化表面を形成し、及び、前記山が、埋め込まれたマット粒子を含まない、微細構造化拡散体。
[項目28]
前記第2の微細構造化表面が、0.75マイクロメートル〜4マイクロメートルの範囲の平均高さを有する、項目27に記載の微細構造化拡散体。
[項目29]
前記コーティングが、少なくとも0.5マイクロメートルの平均厚さを有する、項目27又は28に記載の微細構造化拡散体。
[項目30]
複数の山及び谷を有する、第1の微細構造化表面を含む光透過性フィルムと、
前記第1の微細構造化表面上に配設されたコーティングと、を含み、前記コーティングが前記谷を部分的に満たして、0.75マイクロメートル〜4マイクロメートルの範囲の平均高さを有する第2の微細構造化表面を形成する、微細構造化拡散体。
[項目31]
前記第2の微細構造化表面が、1.5マイクロメートル〜7.5マイクロメートルの範囲のRzを有する、項目30に記載の微細構造化拡散体。
[項目32]
前記山が、埋め込まれたマット粒子を含まない、項目30又は31に記載の微細構造化拡散体。
[項目33]
前記コーティングが、少なくとも0.5マイクロメートルの平均厚さを有する、項目30〜32のいずれか一項に記載の微細構造化拡散体。
[項目34]
複数の山及び谷を有する、第1の微細構造化表面を含む光透過性フィルムと、
前記第1の微細構造化表面上に配設されたコーティングと、を含み、前記コーティングが前記谷を部分的に満たし、及び少なくとも0.5マイクロメートルの平均厚さを有する、微細構造化拡散体。
[項目35]
項目1〜26のいずれか一項又は組み合わせによって更に特徴付けられる、項目27〜34のいずれか一項に記載の微細構造化拡散体。
[項目36]
項目1〜35のいずれか一項に記載の微細構造化拡散体の接着剤層を備えた第2の微細構造化表面に結合した第1表面上に、主に光学利得を提供するように設計された光学活性部分を有する、複数の構造を含む第1の光学フィルムを含む光学積層体であって、前記構造の一部が前記接着剤層に貫入して、前記硬化した接着剤層と前記第1表面との間に分離が設けられるようにする、光学積層体。
[項目37]
前記構造がプリズム微細構造を含む、項目36に記載の光学積層体。
[項目38]
前記プリズムの少なくとも一部が、前記プリズムの頂部から延びて、光学不活性結合部分として機能する柱を含む、項目37に記載の光学積層体。
[項目39]
複数の山及び谷を有する、第1の微細構造化表面を含む基材を提供することと、
前記第1の微細構造化表面上にコーティングを提供することであって、前記コーティングが前記谷を部分的に満たして、第2の微細構造化表面を形成し、前記第2の微細構造化表面が前記第1の微細構造化表面と実質的に異なるようにする、コーティングを提供することと、を含む、微細構造物品の作製方法。
[項目40]
前記コーティングが、ポリマー及び/又は重合性樹脂、並びに溶媒を含む、項目39に記載の方法。
[項目41]
前記コーティングを乾燥して、前記溶媒を除去することを更に含む、項目40に記載の方法。
[項目42]
前記第1及び第2の微細構造化表面又は前記コーティングが、項目2〜35のいずれか一項又はこれらの組み合わせにより特徴付けられる、項目39〜41のいずれか一項に記載の方法。

Claims (10)

  1. 複数の山及び谷を有する、第1の微細構造化表面を含む光透過性フィルムであって、前記第1の微細構造化表面の少なくとも90%は、20度未満の傾きの大きさを有する、光透過性フィルムと、
    前記第1の微細構造化表面上に配設されたコーティングと、を含み、
    前記コーティングが前記谷を部分的に満たして、前記第1の微細構造化表面の表面プロファイルと異なる第2の微細構造化表面の表面プロファイルを形成し、
    前記第1及び前記第2の微細構造化表面のそれぞれが補集合的累積傾き大きさ分布を有し、4.1度超の傾きの大きさでの前記第1及び前記第2の微細構造化表面間の補集合的累積傾き大きさ分布の差が、少なくとも10%であり、
    前記コーティングが、接着剤であり、
    前記第2の微細構造化表面が、1.5マイクロメートル〜7.5マイクロメートルの範囲のRzを有する、微細構造化拡散体。
  2. .1度超の傾きの大きさでの前記第1及び前記第2の微細構造化表面間の補集合的累積傾き大きさ分布の差が、少なくとも0%である、請求項1に記載の微細構造化拡散体。
  3. 前記第1及び前記第2の微細構造化表面のそれぞれがヘイズを有し、前記第1及び前記第2の微細構造化表面間のヘイズの差が、少なくとも10%である、請求項1〜2のいずれか一項に記載の微細構造化拡散体。
  4. 前記第1及び前記第2の微細構造化表面層のそれぞれが透明度を有し、前記第1及び前記第2の微細構造化表面間の透明度の差が、少なくとも−10%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の微細構造化拡散体。
  5. 前記山がマット粒子を含まない、請求項1〜4のいずれか一項に記載の微細構造化拡散体。
  6. 前記第1の微細構造化表面が、少なくとも50%のヘイズを有し、前記第2の微細構造化表面が、40%以下のヘイズを有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の微細構造化拡散体。
  7. 前記第1の微細構造化表面が、10%未満の透明度を有し、前記第2の微細構造化表面が、少なくとも15%の透明度を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の微細構造化拡散体。
  8. 前記微細構造化拡散体が、幾何学的に対称又は幾何学的に非対称の微細構造を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の微細構造化拡散体。
  9. 前記光透過性フィルムが、前記第1及び前記第2の微細構造化表面層の反対側の主表面上にプリズム構造を更に含む、請求項1に記載の微細構造化拡散体。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の微細構造化拡散体、及び
    前記接着剤備えた前記微細構造化拡散体に結合した第1表面上に、主に光学利得を提供するように設計された光学活性部分を有する、複数の構造を含む第1の光学フィルムを含む光学積層体であって、前記構造の一部が前記接着剤貫入して、前記接着剤前記第1表面との間に分離が設けられるようにする、光学積層体。
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