JP6610728B2 - センサーチップおよびこれを用いたspfs免疫蛍光測定システム - Google Patents

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Description

本発明は、表面プラズモン励起増強蛍光分光法〔SPFS;Surface Plasmon−field enhanced Fluorescence Spectroscopy〕を用いて、同一検体について、心筋トロポニンIと心筋トロポニンI自己抗体を測定可能なセンサーチップ、およびこれを用いたSPFS免疫蛍光測定システムに関する。
従来、心筋トロポニンIは、ACS(急性冠症候群)において、AMI(急性心筋梗塞)かそれとも他の心疾患(狭心症など)であるかの判別をする際に有用なバイオマーカーであり、臨床の場でも活用されている。
トロポニンI(TnI)は心筋、骨格筋でそのアミノ酸配列が異なり、心筋トロポニンI(cTnI)は高い心筋特異性を有しているため、アミノ酸配列の相違に基づいてcTnIを特異的に測定することは、心筋梗塞の診断等に有用である。トロポニンIはここ数年、初期の心筋梗塞診断における高感度測定の有用性が数多く示されている。
しかし、一方で、ここ数年で心筋トロポニンI自己抗体の存在が、心筋トロポニンIの測定結果に影響を与えていることが報告されており、先に述べた高感度にトロポニンIを測定する場合には、その影響が特に深刻となる。心筋トロポニンI自己抗体が心筋トロポニンI抗原と結合し、抗原の定量に用いる心筋トロポニンI抗体と心筋トロポニンI抗原の反応を阻害することで、偽陰性となってしまうケースが生じるのである。
偽陰性となってしまうことから、検体中の心筋トロポニンI自己抗体の血中濃度をイムノアッセイにより測定し、所定の基準より高レベルの場合には心筋トロポニンIの測定値の信頼性を欠くものと判断して、対象とする被験者が免疫療法等の候補であるか否かといった項目等の追加診断項目のカスケードを設ける心筋トロポニンの自己抗体アッセイ系が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、心筋トロポニンI自己抗体は、ウイルス、細菌もしくは毒素のような病原体の分子擬態、遺伝的異常、組織損傷または突発性疾患によって産生される。「心筋トロポニンI自己抗体」とは、自己の免疫細胞から産生され、自己の心筋トロポニンIタンパク質に反応する抗体をいう。
ところで、特許文献1においては、心筋トロポニンIと心筋トロポニンI自己抗体の測定が別々の方法で実施されており、検体自体も同一のロットではないことから、アッセイの迅速性、正確性および被験者(患者等)からのサンプル採取量の少量化(低侵襲性)の面で十分ではない。また、心筋トロポニンIのカットオフ値における測定値の信頼性が求められている。
特表2010−508515号公報
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、心筋トロポニンIの検出をより迅速、かつ正確に、そして高感度に行い、被験者(患者等)からサンプル採取量の少量化(低侵襲性)の達成が可能なセンサーチップおよびこれを用いたSPFS免疫蛍光測定システムの提供をすることを課題とする。
上述した目的のうち、少なくとも一方を実現するために、本発明の一側面を反映したセンサーチップは、SPFS免疫蛍光測定用のセンサーチップであって、
被験者由来の検体中に含まれる心筋トロポニンIと特異的に結合可能な第1の捕捉手段と、心筋トロポニンIに対する自己抗体と結合可能な第2の捕捉手段とを備えている、SPFS免疫蛍光測定用のセンサーチップである。
また、上述した目的のうち、もう一方を実現するために、本発明の一側面を反映したSPFS免疫蛍光測定システムは、上記センサーチップを有し、
心筋トロポニンIの検出と、心筋トロポニンI自己抗体の検出とを同一の検体に対して、並行して行う、SPFS免疫蛍光測定システムである。
本発明によれば、心筋トロポニンIの検出をより迅速かつ正確に、そして高感度に行い、被験者(患者等)からのサンプル採取量の少量化(低侵襲性)の達成が可能なセンサーチップおよびこれを用いたSPFS免疫蛍光測定システムの提供をすることができる。
図1は、本発明に係るセンサーチップを搭載したSPFS免疫蛍光測定システムを示す模式図である。 図2Aは、図1のセンサーチップの上面図である。 図2Bは、別の本発明に係るセンサーチップの上面図である。 図3は、SPFS免疫蛍光測定システムによる信頼性評価処理のフローチャートを示す図である。 図4は、心筋トロポニンIが陽性、心筋トロポニンI自己抗体が陽性の検体を図1のSPFS免疫蛍光測定システムで免疫蛍光測定をしている状態を示す図である。 図5は、心筋トロポニンIが陽性、心筋トロポニンI自己抗体が陰性の検体を図1のSPFS免疫蛍光測定システムで免疫蛍光測定をしている状態を示す図である。 図6は、心筋トロポニンIが陰性、心筋トロポニンI自己抗体が陽性の検体を図1のSPFS免疫蛍光測定システムで免疫蛍光測定をしている状態を示す図である。 図7は、心筋トロポニンIが陰性、心筋トロポニンI自己抗体が陰性の検体を図1のSPFS免疫蛍光測定システムで免疫蛍光測定をしている状態を示す図である。 図8は、心筋トロポニンIが陽性で、心筋トロポニンI自己抗体が陽性の検体を従来のSPFS免疫蛍光測定システムで免疫蛍光測定をしている状態を示す図である。 図9は、心筋トロポニンIが陰性、心筋トロポニンI自己抗体が陽性の検体を従来のSPFS免疫蛍光測定システムで免疫蛍光測定をしている状態を示す図である。
以下、本発明に係るセンサーチップ10およびこれを用いたSPFS免疫蛍光測定システム100について、図1〜図7を参照しながら説明する。
本発明に係るセンサーチップ10は、被験者由来の検体中に含まれる心筋トロポニンIと特異的に結合可能な第1の捕捉手段1と、心筋トロポニンI自己抗体に結合する分子である第2の捕捉手段2と、心筋トロポニンIまたはその部分断片である第3の捕捉手段とを有し、同一検体に対する心筋トロポニンIおよび心筋トロポニンI自己抗体の検出に用いることができる(図1〜図7参照)。
ここで、前記検体の溶液を流通させる流路3が形成され、該流路3に第1の捕捉手段1と第2の捕捉手段2とが固定されてもよい。
また、第1の捕捉手段1と第2の捕捉手段2とが前記流路3の流通方向に沿って直列に配置されていてもよい。
また、前記流路3において第1の捕捉手段1の下流側に第2の捕捉手段2が固定されていてもよい。
また、本発明に係るSPFS免疫蛍光測定システム100は、上記センサーチップ10を有し、同一の検体について、心筋トロポニンIの検出と、心筋トロポニンI自己抗体の検出とを並行して行うものである(図1〜図7参照)。
ここで、心筋トロポニンI自己抗体の検出は、心筋トロポニンI検出後の使用済みの検体を用いて行ってもよい。
本発明に係るセンサーチップ10は、被験者由来の検体中に含まれる心筋トロポニンIと特異的に結合可能な第1の捕捉手段と、心筋トロポニンIに対する自己抗体と結合可能な第2の捕捉手段とを備えており、
心筋トロポニンI検出後の使用済みの被験者由来の検体を用いて、心筋トロポニンI自己抗体の検出に用いることができる。
<SPFS免疫蛍光測定システム>
図1に、本発明に係るSPFS免疫蛍光測定システムの一例を示す。
SPFS免疫蛍光測定システム100は、図1に示すように、センサーチップ10と、SPFS装置10Aとを有している。
<センサーチップ>
センサーチップ10は、図1に示すように、後述するSPFS装置10Aに着脱可能に搭載されてSPFS免疫蛍光測定に用いられるものである。
センサーチップ10は、図1に示すように、SPFS免疫蛍光測定時の励起光を通過させるための透明支持体5と、透明支持体5の上に形成された金属膜4と、金属膜4を一部として検体の溶液等を流通させるための流路3と、金属膜4の表面に設けられて、心筋トロポニンIを検出するための第1の捕捉手段1と、心筋トロポニンI自己抗体を検出するための第2の捕捉手段2とを有し、さらに任意に第3の捕捉手段等を有する。
なお、符号6は、センサーチップ10に検体の溶液等を送液する際に、SPFS装置10Aの送液ポンプ14(後述)の先端部を接続させるためのポンプ接続部を示す。また、符号7は、センサーチップ10を流通した後の検体の溶液等を一時的に貯留等するための着脱可能な液溜を示している。符号15は、流路天板や流路基板等の流路形成体を示す。
(透明支持体)
透明支持体5は、センサーチップ10の構造を支持するために用いられる。透明支持体5は、図1に示すように、金属膜4形成用の平面部5aと、プリズム部5b等とを有している。この平面部5aとプリズム部5bとは別体であっても一体であってもよい。
透明支持体5の材質としては、ガラス製または樹脂製のものを用いることができる。
樹脂製のものとして、アクリル系、ポリカーボネート(PC),ポリメチルメタクリレート(PMMA)、シクロオレフィンポリマー(COP)などの光学樹脂製のものを用いることができる。さらにセラミックスなどの各種の無機物、天然ポリマー、二酸化ケイ素(SiO2)、二酸化チタン(TiO2)を含むものも用いることができる。
透明支持体5の屈折率〔nd〕は、好ましくは1.40〜2.20である。また、透明支持体5の平面部5aが別体の場合には、平面部5aの厚さは、好ましくは0.01〜10mm、より好ましくは0.5〜5mmである。
透明支持体5の表面は、金属膜4を形成する前に、酸および/またはプラズマにより洗浄することが好ましい。酸による洗浄処理としては、0.0001〜1Nの塩酸中に、1〜3時間、透明支持体5を浸漬することが好ましい。プラズマによる洗浄処理としては、例えば、プラズマドライクリーナー(ヤマト科学(株)製の「PDC200」)中に、0.1〜30分間、透明支持体5を浸漬させる方法が挙げられる。
透明支持体5の平面部5aの大きさ(縦×横)は、SPFS免疫蛍光測定に悪影響を与えない限り、特に限定されない。透明支持体5の平面部5aの法線方向に沿ったプリズム部5bの断面の形状として、図示した逆台形形状に限らず、三角形状、半円形状、楕円形状に形成することもできる。
透明支持体5のプリズム部5bは、後述するSPFS装置の光源19からの励起光L1をプリズム部5bの内部に入射させる入射面5cと、透明支持体5の平面部5a上の金属膜4の裏面で反射した前記励起光をプリズム部5bの外部に出射する出射面5dとを有する(図1参照)。
(金属膜)
金属膜4は、全反射条件でプリズム部5bの内部に入射した励起光L1が金属膜4と平面部5aとの界面で全反射することにより生じるエバネッセント波(増強電場)を増幅するための部材である。
透明支持体5の表面に形成される金属膜4としては、金,銀,アルミニウム,銅および白金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属からなることが好ましく、金からなることがより好ましい。これらの金属は、その合金(アロイ)の形態であってもよい。このような金属種は、酸化に対して安定であり、かつ表面プラズモンによる電場増強が大きくなることから好適である。
透明支持体5の上に金属膜4を形成する方法としては、例えば、スパッタリング法、蒸着法(抵抗加熱蒸着法,電子線蒸着法等)、電解メッキ、無電解メッキ法などが挙げられる。金属膜4の形成条件の調整が容易なことから、スパッタリング法または蒸着法により金属膜4を形成することが好ましい。
金属膜4の厚さとしては、金:5〜500nm,銀:5〜500nm,アルミニウム:5〜500nm,銅:5〜500nm,白金:5〜500nm,およびそれらの合金:5〜500nmが好ましい。
電場増強効果の観点から、金属膜4の厚さとして、金:20〜70nm、銀:20〜70nm、アルミニウム:10〜50nm、銅:20〜70nm、白金:20〜70nmおよびそれらの合金:10〜70nmがより好ましい。
金属膜4の厚さが上記範囲内であれば、表面プラズモンを好適に発生させることができる。なお、金属膜4の大きさ(縦×横)は、平面部5aと同様に、SPFS免疫蛍光測定に悪影響を与えない限り、特に限定されない。
<流路>
センサーチップ10の流路3は、被験者(ヒト、イヌ、ネコ等)から採取した血清等の検体を必要に応じて後述の前処理をした検体溶液、または洗浄液等を流通させるための流路である。
流路3は、図2Aに示すように、第1,2の捕捉手段1,2を直列に設けた分岐しない流路3とすることができるが、図2Bに示すように、ポンプ接続部6より下流の位置で分岐させて、分岐流路に第1,2の捕捉手段1,2をそれぞれ設けた並列の流路3でもあってもよい。
ただし、被験者からの採取するサンプル量がより少なくなる(より低侵襲性となる)点で、図2Aの分岐させない直列の流路3が好ましい。
また、センサーチップ10の流路3は、センサーチップ10を左右対称(図1において)に形成する等、流路3の上流側と下流側とを反転可能な構成としてもよい。これは、図2Aに示すような直列の流路3の場合、第1捕捉手段1による検出を優先するか、第2捕捉手段2による検出を優先するかをその都度選択できるからである。
センサーチップ10の流路3の構成としては、流路3の流通方向M(図1参照)を一方方向に固定して、下流側から排出される使用済みの検体溶液を再度上流側に循環させる流路構成であってもよい。
このようにすることで、使用済みの検体溶液をさらに第1,2の各捕捉手段1,2と反応させることができ、第1,2捕捉手段1,2と検体との間で抗原抗体反応を十分に行うことができ、心筋トロポニンIや心筋トロポニンIの自己抗体の検出精度を向上させることができる。この循環については後述のSPFS装置10Aの制御手段で自動制御して行ってもよい。
センサーチップ10の流路3の長さは、被験者(患者等)の低侵襲性を高めるために極力短くして測定に必要な検体量を低減することが望ましいが、第1,2捕捉手段1,2と心筋トロポニンIや心筋トロポニンIの自己抗体との結合反応が十分確保される長さにする必要がある。
センサーチップ10の流路3の横幅は、図2Aに示すように、分岐しない直列の流路3とする場合、第1,第2の捕捉手段1,2のスポット1a,2aと流路3との隙間を極力なくすように設定することが好ましい。
この理由は、各スポットにおける反応が十分に行われるだけでなく、例えば、図2Aに示すように、上流側において心筋トロポニンIが第1捕捉手段1とスポット1aで結合する分、下流側における第2捕捉手段2と心筋トロポニンI自己抗体との結合に悪影響を与えないからである。
また、センサーチップ10の流路3に対して、後述する固定方法で第1,第2の捕捉手段1,2を固定した後、ブロッキング剤等の非特異的結合を最小にする材料で流路3の表面処理をすることにより、検体中に含まれる夾雑物質の第1,第2の捕捉手段1,2に対する非特異的結合を極力抑制するようにしてもよい。
表面処理として、例えば、金属膜4や、金属膜4とともに流路3を形成している流路形成体15等の部材(図1参照)に対して、プラズマ処理(酸素プラズマ処理など)やコロナ放電処理、または、親水性ポリマーやタンパク質、脂質等でコーティングする処理することができるが、これらに限定されない。
ブロッキング剤としては、例えば、カゼイン、スキムミルク、アルブミン(BSA等)、ポリエチレングリコール等の親水性高分子、リン脂質などの他に、エチレンジアミンやアセトニトリルなどの低分子化合物が挙げられ、一種単独で用いても二種以上併用してもよい。これらは、リン酸緩衝生理食塩水〔PBS〕、HEPES、MEM、RPMI、リン酸緩衝液等の溶媒で希釈して用いることができる。
センサーチップ10の流路3の形状は、角筒(管)状であっても丸筒(管)状であってもよいが、アナライト(心筋トロポニンIや心筋トロポニンI自己抗体)と1次抗体を結合させて蛍光測定する反応部・測定部(スポット1a,2aが存在する幅広の流路部分)については光を通過させる関係から角筒状であることが好ましく、それ以外の薬液等の送液のみに利用される流路部分は丸筒状であることが好ましい。
センサーチップ10の外壁を構成する流路形成体15(図1参照)の材料としては、メチルメタクリレート、スチレン等を原料として含有するホモポリマーまたは共重合体;ポリエチレン等のポリオレフィンなどからなり、流路3の面する部分はシリコーンゴム、テフロン(登録商標)、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリマーを用いることが好ましい。
スポット1a,2a周辺の反応部・測定部にあたる流路3の部分は、検体中のアナライト(心筋トロポニンIや心筋トロポニンI自己抗体)との接触効率を高め、拡散距離を短くする観点から、流路3の断面において(図1参照)、縦と横がそれぞれ100nm〜1mm程度であることが好ましい。
センサーチップ10に流路3を形成する方法としては、小規模ロット(実験室レベル)では、まず、センサーチップ10の金属膜4が形成されている表面側に、流路高さ0.5mmを有するポリジメチルシロキサン〔PDMS〕製シートをセンサーチップ10の金属薄膜4が形成されている部位を囲むようにして圧着し、次に、該ポリジメチルシロキサン〔PDMS〕製シートとセンサーチップ10とをビス等の閉め具により固定する方法が好ましい(一部不図示)。
工業的に製造される大規模ロット(工場レベル)では、センサーチップ10に流路3を形成する方法としては、センサーチップ10に流路基板と流路天板の流路形成体15に相当する部材をプラスチックの一体成形により形成する方法等が挙げられる。図1では、流路天板や流路基板等の流路形成体15を用いて流路3を形成しているがこれを用いず流路3を形成してもよい。
<捕捉手段>
(第1の捕捉手段)
第1の捕捉手段1は、心筋トロポニンIに特異的に結合する分子である。なお、「特異的に結合する」という用語は、当業界で公知の手段によって測定したときに、特異的部位において結合する分子同士(例えば、一般的に2つのポリペプチド、1つのポリペプチドと核酸分子、または、2つの核酸分子)が他の分子よりも優先的に結合していることを表す。
第1の捕捉手段1として機能する生体分子としては、心筋トロポニンI抗体や、心筋トロポニンI抗体の部分断片を挙げることができる。
第1の捕捉手段1が部分断片である場合、一般に心筋トロポニンI(cTnI)に結合可能なエピトープ(cTnIの特異的かつ保存性の高いN末端側の配列(aa 13〜36:PAPAPIRRRSSNYRAYATEPHAKK)やcTnIの保存性の高い中間部分の配列(aa 30−110)に結合可能なエピトープ)を有しているものが用いられる。
また、文献(Tnja Savukoski, et al. Troponin−Specific Autoantibody Interference in Differrent Cardiac Troponin I Assay Configurations;Clinical Chemistry 58:6 1040−1048(2012))のFig.2にあるエピトープ(aa 20−39 Pab,aa 87−91 Mab,aa 24−40 Mab,aa 41−49 Mab,aa 27−39 Pab,aa 80−110 Mab,aa 41−49 19C7,aa 86−110 Mab,aa 41−49 19C7,aa 86−90 8E10,aa 23−29 4C2,aa 26−35 228,aa 83−93 560,aa 18−28 M18,aa 26−35 228,aa 190−196 MF4,aa 169−178 26,aa 137−148 8I7,aa 190−195 9707;
なお、左の数値範囲はアミノ酸塩基の位置を示す。右はエピトープの識別記号を示す。各エピトープはカンマで区切られている。)の1つまたは2つ以上を組み合わせて用いてもよいが、特異性を考慮する必要がある。
第1捕捉手段との組み合わせで用いる2次抗体としては、第1捕捉手段のエピトープと異なるエピトープを有し、このエピトープを介して第1捕捉手段に捕捉された心筋トロポニンIを特異的に認識して結合する抗体である。
サンドイッチELISAにより、上記2つの特異的なエピトープ(aa 13〜36,aa 41〜49)を用いて心筋トロポニンIを検出する場合、心筋トロポニンIを検出するための第1捕捉手段1のエピトープは、上記2つのエピトープのうち、何れか一方を認識するものとする必要がある。また、サンドイッチする2次抗体のエピトープは、他方のエピトープを認識する必要がある。
また、第1の捕捉手段1が全長の心筋トロポニンI結合抗体の場合、心筋トロポニンI結合抗体の野生型のアミノ酸配列でもよく、または、野生型ポリペプチドの対応領域のアミノ酸配列の変異体でもよい。
また、第1の捕捉手段1は、上述のアミノ酸配列に加えて、異種蛋白質に由来の配列を含む他のアミノ酸配列を含み得る。従って、第1の捕捉手段1には、心筋トロポニンI抗体の生体分子のアミノ酸配列が一端または両端で1つ以上の異種タンパク質由来の(1つ以上の)アミノ酸配列に融合した融合ポリペプチドが包含される。
融合する追加のアミノ酸配列の例としては、蛋白質の生成を容易にするシグナル配列、および免疫学検出またはアフィニティー精製のために使用できるエピトープタグ等をも含まれる。
(第1捕捉手段と2次抗体の入手方法)
心筋トロポニンI抗体は、各製薬会社(フナコシ社等)から購入することができる(製品名「Anti−Troponin−I,Cardiac Human」等)。
また、心筋トロポニンI抗体は、公知の手法によって作製することもできる。例えば、定法(Kohler,Milstein,ネイチャー(Nature),1975年,第256巻,p495−497)に基づいて、ゲル濾過や購入等により入手した心筋トロポニンIにより齧歯動物を免疫することにより、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体の形で心筋トロポニンI抗体を取得することができる。
心筋トロポニンI抗体の部分断片は、F(ab')2、Fab'、Fab、Fv抗体フラグメントは、完全型抗体をプロテアーゼ酵素により処理して、場合により還元して得ることができる。
また、抗体を産生するハイブリドーマから、そのcDNAを単離し、遺伝子改変によって作製された発現ベクターを用いて、抗体またはその抗体の断片あるいは抗体の断片と別のタンパク質との融合タンパク質として産生することができる。この場合は、上述したようにアフィニティー精製用のエピトープタグを有していることが好ましい。
第1捕捉手段との組み合わせで用いる2次抗体の入手方法としては、例えば第1捕捉手段1と心筋トロポニンIとの結合に用いないエピトープを含む心筋トロポニンIの部分断片を抗体産生動物に免疫する方法や、上記のようにハイブリドーマを用いる方法により入手することができる。
(第2の捕捉手段)
第2の捕捉手段2は、心筋トロポニンI自己抗体に結合する分子である。第2の捕捉手段2としては、心筋トロポニンI自己抗体結合抗体、該抗体の部分断片等を用いることができる。心筋トロポニンI自己抗体結合抗体としては、Fab領域とFc領域を認識して結合する抗ヒト抗体や、後述する所定の方法で得られた抗体等が挙げられる。
心筋トロポニンI自己抗体は、心拍数や心収縮に関係が深いL型カルシウム電流を増加させ,心筋障害の持続に関連するとの報告があり(医学のあゆみ 2008年226巻1号p.16−21等)、拡張型心筋症の発症因子でもある(再表2004/091476)。そのため、心筋トロポニンIの検出結果の信頼性の判断だけでなく、上記した観点からも測定・検出する意義は高い。
心筋トロポニンI自己抗体結合抗体の部分断片は、心筋トロポニンI自己抗体に結合可能なエピトープを有し、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体、ヒト化抗体、完全ヒト型抗体またはその短縮型(例えば、F(ab')2、Fab'、Fab、Fv)抗体などのいずれの形体であってもよい。
第2捕捉手段との組み合わせで用いる2次抗体としては、第2捕捉手段に捕捉された心筋トロポニンI自己抗体に結合した心筋トロポニンIを認識して結合する抗体である。好適には、トロポニンI自己抗体がトロポニンIとの結合時に認識するエピトープと異なるエピトープを有し、このエピトープを介して心筋トロポニンIを認識して結合する抗体である。2次抗体が第2捕捉手段2に結合している心筋トロポニンI自己抗体と競合しないようにするためである。
(第2捕捉手段の入手方法)
第2捕捉手段2の入手方法については、第2捕捉手段2がヒト抗体のFc領域を認識して結合する抗ヒト抗体の場合、例えば、「Goat Anti−Human IgG,Fc Fragment Specific」(メルク−ミリポア社)等を購入して本発明に用いることができる。Fab領域のみの場合や、Fab領域およびFc領域の双方を認識するものも同様に購入して本発明に用いることができる。
通常、試料中の心筋トロポニンI自己抗体が心筋トロポニンIのいずれのエピトープを認識して結合しているかは不明であり、2次抗体が結合する(心筋トロポニンI自己抗体と競合しない)エピトープも不明であることから、心筋トロポニンI自己抗体の検出感度を高めるために、心筋トロポニンIの各エピトープを極力網羅的に認識できるポリクローナル抗体、またはそのようなモノクローナル抗体の組み合わせを2次抗体として用いることが望ましい。
この2次抗体の調製方法としては、心筋トロポニンIの全エピトープを極力網羅するように、心筋トロポニンIのエピトープを1つまたは2つ以上有する心筋トロポニンIの断片を用いて、上述するような公知の方法により抗体産生動物に複数回接種して、該動物から分離精製することで調製することができる。また上述したようなハイブリドーマを用いて調製する方法であってもよい。
上述した心筋トロポニンIのエピトープを1つまたは2つ以上有する心筋トロポニンIの断片は、検出感度を上げるために、より少ない数のエピトープを含むものが好ましい。
(第3の捕捉手段)
心筋トロポニンIまたはその部分断片を第3捕捉手段として、流路3に固定してもよい。第3捕捉手段は、第2捕捉手段よりも上流側に固定される。この理由は、第2捕捉手段に捕捉されても検出されない遊離の心筋トロポニンI自己抗体を第2捕捉手段の手前で極力除去するためである。なお、第3の捕捉手段は心筋トロポニンI自体であるため、第1,2捕捉手段と組み合わせて使用する2次抗体により検出されることから、スポット位置設定手段で第3のスポットに設定する必要がある。
(第3捕捉手段の入手方法)
心筋トロポニンIの部分断片の入手方法については、例えば、上述したように全長の心筋トロポニンIをプロテアーゼ処理して入手することができる。または、心筋トロポニンI(cTnI)をコードするポリヌクレオチドの塩基配列が公知であるので、配列情報をGenBankなどから取得した後、配列の一部を除去した遺伝子断片を作成し、これを発現ベクターに組み込んだ上で、タンパク質を産生させる宿主に形質転換して宿主を培養し、培養された宿主から産生された目的のタンパク質を精製することで入手することができる。
(血清の前処理)
被験者から採取した血清の前処理は、必要に応じて適当なバッファー溶液に希釈することによってサンプルを前処理してもよく、濃縮してもよい。これらの前処理には、リン酸塩、トリスなどのような様々なバッファーのいずれかを場合により生理的pHで使用する多くの標準水性バッファー溶液のいずれかを使用できる。なお、サンプルとしては、血清に限定されず、血漿および全血でも構わない。
(金属膜へ捕捉手段を固定する方法)
第1,第2の捕捉手段1,2や第3の捕捉手段を金属膜4に固定する方法は、特に限定されないが、下記の金属結合基を、第1,第2の捕捉手段1,2や第3の捕捉手段の抗原結合領域以外の領域に導入し、この金属結合基を介して従来公知の方法(例えば後述する方法)により、第1,2の捕捉手段や第3の捕捉手段を金属膜4に対して結合および固定させることができる。
前記金属結合基としては、チオール基(−SH)、テルル基(−TeH)、セレノール基(−SeH)、対称又は非対称ジセレニド基(−SeSe−)、対称又は非対称ジスルフィド基(−SS−)、チオイソシアニド基(−SCN)、イソニトリル基(−NC)、3価リン酸基(−PO4 2-)、スルフィド基(−SRZ)、ジスルフィド基(−SSRZ)、セレニド基(−SeRZ)、ジセレニド基(−SeSeRY)、キサンテート基(−OCSS−)、ニトロ基(−NO2)、チオカルバメート基(−SCH)、ホスフィン基(−PR2)、チオ酸基又はジチオ酸基(−COSH、−CSSH)、カルボキシル基(−CООH)、シラン基(−SH3)等を挙げることができる。
第1,第2の捕捉手段1,2を金属膜4に固定する方法の具体例として、まず、透明基板上の金属膜4の表面に対して、第1,2捕捉手段1,2を溶解した、10−カルボキシ−1−デカンチオール((株)同仁化学研究所製)あるいは10−アミノ−1−デカンチオールを含むエタノール溶液を滴下し、スポットが乾燥しない条件にて常温で所定時間(例えば24時間)インキュベートし、インキュベートした後に各スポットをエアガンで乾燥して、固定を完了する方法が挙げられる。
なお、上記では第1,第2の捕捉手段1,2や第3の捕捉手段を金属膜4に直接固定する方法を説明したが、自己組織化単分子膜(SAM)を介して第1、第2の捕捉手段1,2や第3の捕捉手段を金属膜4に固定したり、更にSAM上にカルボキシメチルデキストラン(CMD)等の親水性高分子層を設け、その親水性高分子層に第1、第2の捕捉手段1,2や第3の捕捉手段を固定したり、従来公知の固定方法を利用することができる。
なお、センサーチップ10の流路3における第1,2の捕捉手段1,2の固定位置については、心筋トロポニンIの検出を行うこと(急性心筋梗塞か他の心疾患であるかの判別)の方が、心筋トロポニンIの自己抗体の検出を行うことよりも重要と考えられるため、心筋トロポニンIの自己抗体の固定位置よりも上流側に固定することが好ましい。
(センサーチップ保管方法)
製造したセンサーチップ10の作成後の保存に関しては、速やかに窒素雰囲気等で封入して、必要時に取り出して用いることが好ましい。窒素雰囲気での封入方法としては、水分透過率10-2g/m2・40℃90%以下の防湿性能を有する防湿フィルム中に好適に保管することができる。
<SPFS装置>
SPFS装置10Aは、図1に例示するように、光源19、直線偏光板18、光路切替ミラー17、プリズムとしての透明支持体5、減光フィルター22、フィルター入換手段20、カットフィルター21、検出器23、表面プラズモン共鳴〔SPR〕検出部16、液貯留ウェル13、送液ポンプ14、アクチュエータ、制御手段、等とを有している(一部不図示)。なお、液貯留ウェル13は、SPFS装置10Aに対して着脱可能な構成としてもよい。
(光源)
蛍光量を測定する際に照射される光源19は、金属膜4にプラズモン励起を生じさせることができるものであれば、特に制限がないものの、波長分布の単一性および光エネルギーの強さの点で、レーザ光を光源として用いることが好ましい。レーザ光は、光学フィルターを通して、プリズム5に入射する直前のエネルギーおよびフォトン量を調節することが望ましい。
レーザ光の照射により、全反射減衰条件〔ATR〕において、金属膜4の表面に表面プラズモンが発生する。表面プラズモンの電場増強効果により、照射したフォトン量の数十〜数百倍に増えたフォトンにより蛍光色素12(図4等参照)を励起する。なお、該電場増強効果によるフォトン増加量は、プリズム5の屈折率、金属部材の金属種およびその膜厚に依存するが、通常、金属膜4が金膜の場合では約10〜20倍の増加量となる。
蛍光色素12は、光吸収により分子内の電子が励起され、短時間のうちに第一電子励起状態に移動し、この状態(準位)から基底状態に戻る際、そのエネルギー差に相当する波長の蛍光を発する。
レーザ光L1としては、例えば、波長200〜900nm、0.001〜1,000mWのLD;波長230〜800nm(金属膜4に用いる金属種によって共鳴波長が決まる。)、0.01〜100mWの半導体レーザなどが挙げられる。
(直線偏光板)
直線偏光板18は、励起光であるレーザ光を、表面プラズモンを効率よく発生させるP偏光とするものである。これにより、SPFS免疫蛍光測定時の検出感度も増加する。
(光路切替ミラー)
光路切替ミラー17は、光源19から放射されたレーザ光L1を反射して、プリズム(透明支持体)5の入射面5cを介して入射させ、反射して出射面5dから出射した反射光を受光した表面プラズモン共鳴〔SPR〕検出部16による情報から、金属膜4に対する照射角度を調節する。
(プリズム)
プリズム5は、図1に示すように、センサーチップ10の透明支持体5と一体であってもよいし、別体であってもよい。一体の場合には金属膜4を形成した平面部5aとそれ以外のプリズム部5bを有する。プリズム5は、必要に応じて用いられる光学フィルター、偏光フィルター及びカットフィルター等の各種フィルターを介したレーザ光L1が、金属膜4に効率よく入射されることを目的としており、別体の場合はプリズム5の屈折率がセンサーチップ10の透明支持体5と同じであることが好ましい。
全反射条件を設定できる各種プリズムを適宜選択することができることから、角度、形状に特に制限はなく、例えば、60度分散プリズムなどであってもよい。
(減光フィルター)
減光フィルター22は、検出部23への入射光量を調節することを目的とするものである。特に、ダイナミックレンジの狭い検出器23を使用するときには精度の高い測定を実施する上で用いることが好ましい。
(カットフィルター)
カットフィルター21は、外光(SPFS装置10A外の照明光)、迷光(各所での励起光の散乱成分)、プラズモンの散乱光(励起光を起源とし、センサーチップ10表面上の構造体または付着物などの影響で発生する散乱光)などの光学ノイズを除去するフィルターであって、例えば、干渉フィルター、色フィルターなどが挙げられる。
(検出器)
検出器23としては、超高感度の観点からは光電子増倍管(浜松ホトニクス(株)製のフォトマルチプライヤー)が好ましい。また、これらに比べると感度は下がるが、画像として見ることができ、かつノイズ光の除去が容易なことから、多点計測が可能なCCDイメージセンサも好適に用いることができる。
(表面プラズモン共鳴〔SPR〕検出部)
また、表面プラズモン共鳴〔SPR〕検出部16は、すなわちSPR専用の受光センサとしてのフォトダイオード,SPRおよびSPFSの最適角度を調製するための角度可変部(サーボモータで全反射減衰〔ATR〕条件を求めるためにフォトダイオードと光源19とを同期して、45〜85°の角度変更を可能とする。分解能は0.01°以上が好ましい。),SPR検出部に入力された情報を処理するためのコンピュータなども含んでもよい。
(液貯留ウェル)
液貯留ウェル13は、測定対象の溶液S、希釈用緩衝液DB、抗体溶液AS、洗浄用緩衝液WB、心筋トロポニンIや心筋トロポニンI自己抗体の標準液(不図示)等を貯留するための各ウェルを有し、カートリッジ式となっている。また、各ウェル内の溶液やバッファーは、送液ポンプ14の自動ピペッティング操作により、その都度に吸い上げ等される。
(送液ポンプ)
送液ポンプ14としては、例えば、送液が微量な場合に好適なマイクロポンプ,循環送液には適用できないが送り精度が高く脈動が少ないシリンジポンプ,微量送液には不向きな場合があるが簡易で取り扱い性に優れるがチューブポンプなどが挙げられるが、これらに限定されることなく、目的や用途に応じて種々の手段を適宜選択して用いることができる。
(アクチュエータ)
アクチュエータは、検出器23や光路切替ミラー17等の各部材にそれぞれ設けられており、それらの動作の駆動を行うものである(不図示)。
(制御手段)
SPFS装置10Aの制御手段は、表示部、入力手段、CPU、メモリ等を備え(不図示)、一般的なPC端末としての機能を有する。メモリには、スポット位置設定手段、基準値設定手段、SPFS免疫蛍光測定手段、測定値比較手段、検量線作成手段等として制御手段を動作させるプログラム等が記憶されている。
制御手段は、入力手段を介したユーザーによる入力に基づいて、スポット位置設定処理、基準値設定処理、SPFS免疫蛍光測定処理および信頼性評価処理等を行う。この制御手段は、インターネット等の回線を通じて例えば病院の端末と接続され、MML(Medical Markup Language)等のデータ形式で他の端末と情報交換可能に構成されていてもよい。
(スポット位置設定手段)
スポット位置設定手段は、ユーザーによる入力手段の入力に基づいてSPFS装置にセットされたセンサーチップ10の第1捕捉手段(心筋トロポニンI抗体等)1および第2捕捉手段(心筋トロポニンI自己抗体結合抗体等)2、任意で第3の捕捉手段の各スポット位置の設定とメモリへの記録をするものである。
スポット位置設定手段は、例えば、ユーザーによる入力手段を介した入力により、SPFS免疫蛍光測定の際に流路3の上流側から蛍光が確認されるスポットの順番に、第1捕捉手段1のスポット1a、(任意で第3捕捉手段のスポット)、第2捕捉手段2のスポット2aと認識するように設定をして、その設定情報をスポット位置情報としてメモリに記憶する等の動作を行う。また、検出器23により取得された検出画像のいずれの側が流路3の上流側であることの情報があらかじめメモリに記録等されて、情報として得られるようになっている。
なお、このスポット位置情報は、上述のSPFS免疫蛍光測定に関する設定条件の一つとして測定の際にスポットの識別に用いられる。
(基準値設定手段)
基準値設定手段は、入力手段を介したユーザーによるキー入力情報に基づいてSPFS免疫蛍光測定に関する基準値をメモリに記録したり、記録した基準値の変更をしたりするものである。
この基準値には、心筋トロポニンIの測定値に対する基準値(第1基準値)と、心筋トロポニンI自己抗体の測定値に対する基準値(第2基準値)が含まれる。
第1基準値は、医師が被験者(患者等)を診断する際に用いるものである。一方、第2基準値は、SPFS装置10Aの制御部の測定値比較手段が、SPFS免疫蛍光測定による心筋トロポニンI自己抗体の測定値と比較して心筋トロポニンIの測定値のデータ信頼性を判断する信頼性評価処理に用いるものである。
(第1基準値)
心筋トロポニンIが陽性であるか否かの判断に医師が用いる第1基準値は、患者検体の血清および血漿中の抗原濃度換算で0.04ng/mLである(場合によっては0.05ng/mL等の他の値が使用される)。心筋トロポニンIの測定値のカットオフ値は、0〜第1基準値である。
(第2基準値)
第2基準値については、ブランク値を超える心筋トロポニンI自己抗体の免疫蛍光が検出された時点で、心筋トロポニンIの測定の信頼性が低いことにつながることから、第2基準値としては、好ましくは、センサーチップ10のスポット2aの測定ブランクのシグナルがとりうる範囲、またはそれに近い値に設定され、例えば測定ブランクのとりうる範囲の上限値よりやや高めに設定される。また、第2基準値を超える範囲でさらに別の基準値を複数設けて、心筋トロポニンIの測定結果の信頼の程度を段階評価することとしてもよい。
(SPFS免疫蛍光測定手段)
SPFS免疫蛍光測定手段は、入力手段を介したユーザーによる入力により、メモリに記憶されたSPFS免疫蛍光測定に関する設定条件に基づいて、SPFS装置10Aの光源19等に各種の制御命令を出して、後述するSPFS免疫蛍光測定の一連の工程を行うものである。
(測定値比較手段)
測定値比較手段は、入力手段を介したユーザーによる入力に基づいて、以下に説明する蛍光測定値の信頼性評価処理を行う(図3参照)。
まず、ステップS1では、SPFS免疫蛍光測定手段により心筋トロポニンIの測定値の有無について判断する。なお、心筋トロポニンIの測定値の値が0でもデータとして存在することになる。測定値が存在しYESであればステップS2に進み、存在しなければステップS6に移動してエラー表示した後、信頼性評価処理を終了する。なお、信頼性評価処理における「測定値」とはサンプル中に含まれる測定対象の含有量を、測定対象の免疫蛍光測定シグナルから各検量線をもとにして換算した値である。
ステップS2では、心筋トロポニンI自己抗体の測定値および第2基準値の有無について判断する。双方の情報が存在しYESであればステップS3に進み、いずれか一方でも存在しなければステップS6に移動してエラー表示後、信頼性評価処理を終了する。
ステップS3では、ステップS2の心筋トロポニンIの自己抗体の測定値と第2基準値とを比較し、心筋トロポニンI自己抗体の測定値が第2基準値より高くYESの場合は、ステップS4に移動する。心筋トロポニンI自己抗体の測定値が第2基準値以下でNOの場合は、ステップS5に移動する。
ステップS4では、例えば、表示部に心筋トロポニンIの測定結果の信頼性が低いことを表示し、被験者情報(患者の氏名等)と関連付けされた心筋トロポニンIの測定値の情報に対して、信頼性が低いことの情報を関連づけてメモリに記録し、信頼性評価処理を終了する。
ここで、メモリに記録する際に、比較に用いた第2基準値、心筋トロポニンI自己抗体の測定値、偽陰性により追加検査の必要性があること等の情報を、一緒に関連付けて記録をするようにしてもよい。また、上記記録と同時に病院等の他の端末(例えば医師が使用する端末)にこれらのデータを送信して他の端末とデータを共有してもよい。
ステップS5では、例えば、表示部に心筋トロポニンIの測定結果の信頼性が高いことを表示し、心筋トロポニンIの測定値に対して、信頼性が高いことの情報を関連付けてメモリに記録し、信頼性評価処理を終了する。
ここで、メモリに記録する際に、ステップS4と同様に、比較に用いた第2基準値、心筋トロポニンI自己抗体の測定値、追加検査が不要であること等の情報を、一緒に関連付けて上記記録をするようにしてもよい。また、上記記録と同時に病院等の他の端末(例えば医師が使用する端末)にこれらのデータを送信して他の端末とデータを共有してもよい。
(検量線作成手段)
検量線作成手段は、以下のように検量線の作成処理を行うか、または既にある心筋トロポニンIまたは心筋トロポニンI自己抗体の検量線データを読み込んでメモリに記憶する処理を行うものである。
(1)心筋トロポニンIの検量線の作成
ユーザーがセットした液貯留ウェル13の各濃度の心筋トロポニンI標準液について、上記センサーチップ10の流路3に流通させて後述のSPFS免疫蛍光測定を行い、各濃度に対応する蛍光強度を調べて、心筋トロポニンIの検量線を作成する。なお、各ウェルの心筋トロポニンIの標準液の濃度データは、ユーザーの入力手段を介した入力により例えばリスト形式のデータとしてメモリに紐付けされて記憶されている。
(2)心筋トロポニンIと心筋トロポニンI自己抗体の複合体の検量線の作成
心筋トロポニンI自己抗体の検量線については、例えば、市販されている被験者(患者等)等由来の血清で心筋トロポニンIと心筋トロポニンI自己抗体とが結合した複合体の濃度が既知のものについて、上記(1)の心筋トロポニンIの検量線作成の場合と同様に検量線を作成する。
〈SPFS免疫蛍光測定〉
以下、SPFS免疫蛍光測定手段が行うSPFS免疫蛍光測定について説明する。SPFS免疫蛍光測定は、下記の工程(a)〜(d)を含み、任意に洗浄工程(1)、(2)を含む。
工程(a):センサーチップ(センサーチップ10等)に、アナライト溶液(検体の溶液や標準液等)を接触させる工程
工程(b):工程(a)後のセンサーチップの1次抗体に捕捉されたアナライトに対して、蛍光色素標識された2次抗体を反応させる工程
工程(c):工程(b)後のセンサーチップに対して、金属膜4を形成していないプリズム(透明支持体)5を経由してレーザ光L1を照射し、この照射により励起された2次抗体の蛍光色素から発光された蛍光量を測定する工程
工程(d):工程(c)で得られた測定結果から、アナライトの量を算出する工程
洗浄工程(1):上記工程(a)を経て得られたセンサーチップ内を、洗浄液を用いて洗浄する工程
洗浄工程(2):上記工程(b)を経て得られたセンサーチップ内を、洗浄液を用いて洗浄する工程。
[工程(a)]
工程(a)は、センサーチップの金属膜4に固定化された1次抗体(心筋トロポニンI抗体または心筋トロポニンI自己抗体結合抗体等)に、アナライト溶液を接触させる工程である。
(アナライト溶液の接触)
アナライト溶液は、所定の緩衝液でアナライトを希釈した溶液であり、アナライト(心筋トロポニンIや心筋トロポニンI自己抗体)を希釈するために用いる溶媒は、例えば、リン酸緩衝生理食塩水〔PBS〕、トリス緩衝生理食塩水〔TBS〕、HEPES緩衝生理食塩水〔HBS〕などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
1次抗体に多くのアナライトを捕捉させるために、送液されたアナライト溶液を流路3に対して、上述したように往復させたり、流路3の流通方向を反転させる等して循環させることが好ましい。その際のアナライト溶液の温度および時間としては、検体の種類などにより異なり、特に限定されるものではないが、通常20〜40℃で1〜60分間、好ましくは25℃で5〜15分間である。
アナライト溶液を流路3に送液する場合、該アナライト溶液中に含有されてもよいアナライト(心筋トロポニンIおよび心筋トロポニンI自己抗体)の初期濃度(送液前の濃度)は、100μg/mL〜0.001pg/mLが好ましい。
流路3に送液するアナライト溶液の総量は、通常0.001〜20mL、好ましくは0.1〜1mLである。また、流路3に送液するアナライト溶液の流速は、通常1〜5,0000μL/min、好ましくは5,000〜1,0000μL/minである。
[洗浄工程]
洗浄工程としては、上記工程(a)を経た後にセンサーチップ内を洗浄液で洗浄する洗浄工程(1)と、上記工程(b)を経てた後にセンサーチップ内を洗浄液で洗浄する洗浄工程(2)がある。
洗浄工程(1)および(2)に使用される洗浄液としては、例えば、工程(a)および(b)の反応で用いたものと同じ溶媒または緩衝液に、Tween20、TritonX100などの界面活性剤を好ましくは0.00001〜1質量%含有するよう溶解させたもの、または塩化ナトリウムや塩化カリウムなどの塩を10〜500mM含有させたものが望ましい。あるいは、低pHの緩衝液、例えば、10mM Glycine HClでpHが1.5〜4.0のものを洗浄液として用いてもよい。
洗浄工程における洗浄液の温度および流速は、上記工程(a)におけるアナライト溶液の送液時の温度および流速と同じであることが好ましい。
洗浄工程(洗浄液による洗浄時間)は、通常0.5〜180分間、好ましくは2〜10分間である。
[工程(b)]
工程(b)は、上記工程(a)の後、好ましくは上記洗浄工程(1)を経た後に、さらに、金属膜4に固定化した各1次抗体に結合したアナライト(心筋トロポニンIまたは心筋トロポニンI自己抗体等)に対して、蛍光色素標識された2次抗体を反応させる工程である。
(蛍光色素)
「蛍光色素」は、所定の励起光を照射することによって、または電界効果を利用して励起することによって蛍光を発光する物質の総称であり、該「蛍光」は、燐光など各種の発光も含む。
使用可能な蛍光色素は、金属部材による吸光に起因して完全に消光しない限りにおいて、その種類に特に制限はなく、公知の蛍光色素のいずれであってもよい。一般に、単色比色計〔monochromometer〕よりむしろフィルターを備えた蛍光計の使用をも可能にし、かつ検出の効率を高める大きなストークス・シフトを有する蛍光色素が好ましい。
このような蛍光色素としては、例えば、フルオレセイン・ファミリーの蛍光色素(Integrated DNA Technologies社製)、ポリハロフルオレセイン・ファミリーの蛍光色素(アプライドバイオシステムズジャパン(株)製)、ヘキサクロロフルオレセイン・ファミリーの蛍光色素(アプライドバイオシステムズジャパン(株)製)、クマリン・ファミリーの蛍光色素(インビトロジェン(株)製)、ローダミン・ファミリーの蛍光色素(GEヘルスケア バイオサイエンス(株)製)、シアニン・ファミリーの蛍光色素、インドカルボシアニン・ファミリーの蛍光色素、オキサジン・ファミリーの蛍光色素、チアジン・ファミリーの蛍光色素、スクアライン・ファミリーの蛍光色素、キレート化ランタニド・ファミリーの蛍光色素、BODIPY(登録商標)・ファミリーの蛍光色素(インビトロジェン(株)製)、ナフタレンスルホン酸・ファミリーの蛍光色素、ピレン・ファミリーの蛍光色素、トリフェニルメタン・ファミリーの蛍光色素、Alexa Fluor(登録商標)色素シリーズ(インビトロジェン(株)製)などが挙げられ、さらに米国特許番号第6,406,297号、同第6,221,604号、同第5,994,063号、同第5,808,044号、同第5,880,287号、同第5,556,959号および同第5,135,717号に記載の蛍光色素を用いることもできる。
これらファミリーに含まれる代表的な蛍光色素の吸収波長(nm)および発光波長(nm)を表1に示す。
Figure 0006610728
また、蛍光色素は、上記有機蛍光色素に限られない。例えば、Eu、Tb等の希土類錯体系の蛍光色素も用いることができる。希土類錯体は、一般的に励起波長(310〜340nm程度)と発光波長(Eu錯体で615nm付近、Tb錯体で545nm付近)との波長差が大きく、蛍光寿命が数百マイクロ秒以上と長い特徴がある。市販されている希土類錯体系の蛍光色素の一例としては、ATBTA−Eu3+が挙げられる。
金属膜4に含まれる金属による吸光の少ない波長領域に最大蛍光波長を有する蛍光色素を用いることが望ましい。例えば、金属部材として金を用いる場合には、金部材による吸光による影響を最小限に抑えるため、最大蛍光波長が600nm以上である蛍光色素を使用することが望ましい。
したがって、この場合には、Cy5、Alexa Fluor(登録商標)647等近赤外領域に最大蛍光波長を有する蛍光色素を用いることが特に望ましい。このような近赤外領域に最大蛍光波長を有する蛍光色素を用いることは、血液中の血球成分由来の鉄による吸光の影響を最小限に抑えることができる点で、検体として血液を用いる場合においても有用である。一方、金属部材として銀を用いる場合には、最大蛍光波長が400nm以上である蛍光色素を使用することが望ましい。これら蛍光色素は1種単独でも、2種以上併用してもよい。
(蛍光色素で標識された2次抗体)
1次抗体がポリクローナル抗体である場合、2次抗体は、モノクローナル抗体であってもポリクローナル抗体であってもよいが、該1次抗体がモノクローナル抗体である場合、2次抗体は、該1次抗体が認識しないエピトープを認識するモノクローナル抗体であるか、またはポリクローナル抗体であることが望ましい。
蛍光色素標識された2次抗体の作製方法としては、例えば、まず蛍光色素にカルボキシル基を付与し、該カルボキシル基を、水溶性カルボジイミド〔WSC〕(例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩〔EDC〕など)とN−ヒドロキシコハク酸イミド〔NHS〕とにより活性エステル化し、次いで活性エステル化したカルボキシル基と2次抗体が有するアミノ基とを水溶性カルボジイミドを用いて脱水反応させ固定化させる方法;イソチオシアネートおよびアミノ基をそれぞれ有する2次抗体および蛍光色素を反応させ固定化する方法;スルホニルハライドおよびアミノ基をそれぞれ有する2次抗体および蛍光色素を反応させ固定化する方法;ヨードアセトアミドおよびチオール基をそれぞれ有する2次抗体および蛍光色素を反応させ固定化する方法;ビオチン化された蛍光色素とストレプトアビジン化された2次抗体(あるいは、ストレプトアビジン化された蛍光色素とビオチン化された2次抗体)とを反応させ固定化する方法などが挙げられる。
このように作製された蛍光色素標識された2次抗体を含む溶液をセンサーチップに送液して反応させる際、送液される当該溶液の濃度は、0.001〜10,000μg/mLが好ましく、0.1〜10μg/mLがより好ましい。
この溶液を送液する際の溶液の温度、流速および工程(b)の時間(送液時間)は、それぞれ上記工程(a)の場合と同様である。
[工程(c)]
工程(c)は、上記工程(b)を経た後のセンサーチップに、上記支持体の、上記金属部材を形成していないもう一方の表面から、プリズムを経由してレーザ光を照射し、励起された蛍光色素から発光された蛍光量を測定する工程である。
センサーチップ10には、少なくとも第1捕捉手段1と第2捕捉手段2の2種以上のスポットが固定され、各スポットからの蛍光を測定する必要があることから、工程(c)の蛍光量を測定する際には、SPFS装置10Aの制御手段の命令に基づいて、アクチュエータが光路切替ミラー17の位置・角度や検出器23の位置を調節し、各捕捉手段のスポット別に同一の条件でレーザ光L1を照射して、各スポットから発する蛍光量の測定を行う。
[工程(d)]
工程(d)は、上記工程(c)で得られた測定結果から、アナライト溶液中に含有されるアナライト量を算出する工程である。
より具体的には、工程(d)は、上述した検量線に基づいて被測定検体中のアナライト(心筋トロポニンIまたは心筋トロポニンI自己抗体)量を測定シグナルおよび検量線のデータから算出して、これらデータをSPFS装置10Aの制御手段のメモリに測定値として記憶等する工程である。
以下、本発明に係るセンサーチップ10およびSPFS免疫蛍光測定システム100による作用・効果について、図1〜図9を参照しながら説明する。
(1)センサーチップ10は、図1に例示するように、ヒトやペット等の動物由来の検体中の心筋トロポニンIを特異的に検出可能な心筋トロポニンI抗体等の第1捕捉手段1と、心筋トロポニンI自己抗体を特異的に検出可能な抗体等の第2捕捉手段2とを有しているので、同一検体について心筋トロポニンIの検出と心筋トロポニンI自己抗体の検出を行うことができる。
また、同一検体について心筋トロポニンIの検出と心筋トロポニンI自己抗体の検出を行うことで、被験者(患者等)からのサンプル採取量を少量化することができ、検体のロットが異なることによる測定誤差もなくなる。このため、被験者(患者等)の低侵襲性と心筋トロポニンIの測定値の信頼性を向上させることができ、また、心筋トロポニンIの測定値の信頼性の向上から、例えば心筋トロポニンIの測定値がカットオフ値付近である場合においても、より迅速かつ正確なAMI検出のためのデータ提供に資することができる。
(2)検体の溶液を流通させる流路3が形成され、流路3に第1の捕捉手段1と第2の捕捉手段2とが固定されていれば、流路3に対して本来であれば1回の検出分の検体の溶液を流通させるのみで、同一検体に対する心筋トロポニンIの検出と心筋トロポニンI自己抗体の検出を行うことができる。
(3)第1の捕捉手段1と第2の捕捉手段2が流路3の流通方向Mに沿って直列に配置されていれば(図2A参照)、心筋トロポニンIの検出と心筋トロポニンI自己抗体の検出の優先順位を設定して検出することができる。
(4)例えば、心筋トロポニンIを検出する第1の捕捉手段1を流路3のシリンジポンプとの接続部に近い側である上流側に設置し、流路3の下流側に心筋トロポニンI自己抗体の検出をする第2捕捉手段2を設置して、心筋トロポニンIの検出を優先させ、よりインタクトな状態の検体について心筋トロポニンIの検出を行うことで検出精度を高めることができる。
逆に、心筋トロポニンIがカットオフ値付近であることがわかっているような検体の場合に、心筋トロポニンI自己抗体を捕捉する第2の捕捉手段2を第1捕捉手段1より上流側に設置して、心筋トロポニンI自己抗体の検出を優先させ、よりインタクトな状態の検体について心筋トロポニンI自己抗体の検出を行う点で、その検出精度を高めることができる。
また、直列の流路は並列のものと比較して、流路面積をよりも小さくすることができ、被験者から採取する検体の量を低減することができるので、並列の流路より被験者(患者等)に対する低侵襲性を向上させることができる。
(5)センサーチップ10を有し、心筋トロポニンIの検出と、心筋トロポニンI自己抗体の検出とを同一の検体に対して、並行して行うSPFS免疫蛍光測定システム100であれば、同一の検出系で心筋トロポニンIの検出、心筋トロポニンI自己抗体の検出を行うことができ、検出装置や検出時期が異なることによる測定誤差を極力減らすことができる。この結果、心筋トロポニンIの測定値の信頼性をさらに向上させることができ、より迅速かつ正確で高感度なAMI検出のためのデータ提供に資することができる。
(6)また、心筋トロポニンIの検出後の使用済みの検体を用いて、心筋トロポニンI自己抗体の検出を行うことで、心筋トロポニンI自己抗体の検出からすれば検出上の夾雑物にあたる心筋トロポニンIを極力含まない使用済みの検体について検出を行うことができることから、心筋トロポニンI自己抗体の検出の検出精度をより高めることができる。
以下、各種検体について行ったSPFS免疫蛍光測定の実施例および比較例について、図4〜図9を参照しながら説明する。
[実施例1]
SPFS免疫蛍光測定システム100により、心筋トロポニンIが陽性、心筋トロポニンI自己抗体が陽性である患者由来の血清の検体について、SPFS免疫蛍光測定および信頼性評価処理を行った場合、まず、図4(A)および(B)に示すように、工程(a)によりセンサーチップ10の流路3に対して、上記検体が供給される。
抗原である心筋トロポニンI 8の一部は、心筋トロポニンI自己抗体9と既に結合した状態で流路3に供給されるので、図4(B)に示すように、第1捕捉手段である心筋トロポニンI抗体1に結合するものと、第2捕捉手段である心筋トロポニンI自己抗体結合抗体2に結合するものとに分かれる。
そして、図4(C)に示すように、工程(b)で、それぞれの心筋トロポニンI 8に対して蛍光色素12で標識された2次抗体11が結合して、工程(c)および(d)で心筋トロポニンI 8と心筋トロポニンI自己抗体9の双方のスポット1a,2a(図2A参照)の蛍光が観測されることとなる。
そして、この測定データについて行われる信頼性評価処理では、心筋トロポニンI自己抗体の測定値が第2基準値を上回るので、心筋トロポニンI自己抗体の検出により、上記検体の心筋トロポニンIの測定結果の信頼性が低いことがSPFS装置10Aの表示部に表示等される。
[実施例2]
SPFS免疫蛍光測定システム100により、心筋トロポニンIが陽性、心筋トロポニンI自己抗体が陰性である患者由来の血清の検体について、SPFS免疫蛍光測定および信頼性評価処理を行った場合、まず、図5(A)および(B)に示すように、工程(a)によりセンサーチップ10の流路3に対して、上記検体が供給される。
ここで、検体には心筋トロポニンI自己抗体9が存在しないので、抗原である心筋トロポニンI 8は、図5(B)に示すように、心筋トロポニンI抗体1にのみ結合する。そして、図5(C)に示すように、工程(b)で、心筋トロポニンI抗体1に結合している心筋トロポニンI 8に対して蛍光色素12で標識された2次抗体11が結合して、工程(c)および(d)で心筋トロポニンI抗体1のスポット1aの蛍光だけが観測されることとなる。
そして、この測定データについて行われる信頼性評価処理では、心筋トロポニンI自己抗体の測定値が第2基準値を下回るので、心筋トロポニンI自己抗体の不検出により、上記検体の心筋トロポニンIの測定結果の信頼性が高いことがSPFS装置10Aの表示部に表示等される。
[実施例3]
SPFS免疫蛍光測定システム100により、心筋トロポニンIが陰性、心筋トロポニンI自己抗体が陽性である患者由来の血清の検体について、SPFS免疫蛍光測定および信頼性評価処理を行った場合、図6(A)および(B)に示すように、工程(a)により、センサーチップ10の流路3に対して、上記検体が供給される。
抗原である心筋トロポニンI 8は、心筋トロポニンI自己抗体9と既に結合された状態であり、その状態で流路3に供給される。このうち、心筋トロポニンI抗体1が認識するエピトープが心筋トロポニンI自己抗体9により覆い隠されているものは、図6(B)に示すように、心筋トロポニンI抗体1とは結合しない。一方、心筋トロポニンI抗体1が認識するエピトープが心筋トロポニンI自己抗体9により覆い隠されていないものは、心筋トロポニンI抗体1と結合する。なお、後者の量は、心筋トロポニンIが陰性であるため、全体に占める割合は低く、図6への図示を省略している。
そして、前者の心筋トロポニンI自己抗体9の部分が心筋トロポニンI自己抗体結合抗体2と結合することとなる。
そして、図6(C)に示すように、工程(b)で、心筋トロポニンI自己抗体9に結合している心筋トロポニンI 8に対して、蛍光色素12で標識された2次抗体11が結合し、工程(c)および(d)で、心筋トロポニンI自己抗体結合抗体2のスポット2aの蛍光だけが観測されることとなる。
そして、この測定データについて行われる信頼性評価処理では、心筋トロポニンI自己抗体の測定値が第2基準値を上回るので、心筋トロポニンI自己抗体の検出により、上記検体の心筋トロポニンIの測定結果の信頼性が低いことがSPFS装置10Aの表示部に表示等される。
[実施例4]
SPFS免疫蛍光測定システム100により、心筋トロポニンIが陰性、心筋トロポニンI自己抗体が陰性である患者由来の血清の検体について、SPFS免疫蛍光測定および信頼性評価処理を行った場合、図7(A)および(B)に示すように、工程(a)で、センサーチップ10の流路3に対して、上記検体が供給される。
抗原である心筋トロポニンI 8と心筋トロポニンI自己抗体9が、検体中に存在しないか、陰性となる程に極少量であるので、図7(B)および図7(C)に示すように、工程(b)〜(d)を経ても、いずれの結合もなくスポット1a,2aの蛍光が観測されないこととなる。
そして、この測定データについて行われる信頼性評価処理では、心筋トロポニンI自己抗体の測定値が第2基準値を下回るので、心筋トロポニンI自己抗体の不検出により、上記検体の心筋トロポニンIの測定結果の信頼性が高いことがSPFS装置10Aの表示部に表示等される。
[比較例1]
図8(A)に従来技術に係るセンサーチップ50およびこれを搭載したSPFS免疫蛍光測定システム(一部不図示)を示す。このセンサーチップ50は、図8に示すように、センサーチップ10と比較して、心筋トロポニンI抗体1のみ有しており、心筋トロポニンI自己抗体結合抗体2を有していないものである。また、従来技術に係るSPFS免疫蛍光測定システムは、信頼性評価処理等を行う手段を有していないものである。
従来のSPFS免疫蛍光測定システムにより、心筋トロポニンIが陽性で心筋トロポニンI自己抗体が陽性である患者由来の血清の検体について、SPFS免疫蛍光測定を行った場合、図8(A)および(B)に示すように、センサーチップ50の流路3に対して上記検体が供給されるが、心筋トロポニンI自己抗体9と結合した一部の心筋トロポニンI 8は検出されることはなく、また、心筋トロポニンIの測定結果のデータの信頼性が確かであることは判別できない。
[比較例2]
比較例1と同様の従来技術に係るセンサーチップ50およびSPFS免疫蛍光測定システムにより、心筋トロポニンIが陰性で心筋トロポニンI自己抗体が陽性である患者由来の血清の検体について、SPFS免疫蛍光測定を行った場合、図9に示すように、センサーチップ50の流路3に対して上記検体が供給される。
このうち、心筋トロポニンI抗体1が認識するエピトープが心筋トロポニンI自己抗体9により覆い隠されている心筋トロポニンI 8は、心筋トロポニンI抗体1に結合しない。一方、心筋トロポニンI抗体1が認識するエピトープが心筋トロポニンI自己抗体9により覆い隠されていない心筋トロポニンIは、心筋トロポニンI抗体1と結合する。しかし、後者の量は、心筋トロポニンIが陰性となる第1基準値以下であるので、図9への図示を省略している。
そして、実施例1〜4のように心筋トロポニンI自己抗体の検出系が従来技術のSPFS免疫蛍光測定システムには存在しないことから、心筋トロポニンI自己抗体9が検出されることはなく、心筋トロポニンIの測定結果のデータの信頼性が確かであることは判別できない。
以上、本発明に係る実施の形態および実施例を、図面を参照しながら説明してきたが、本発明はこれら実施の形態および実施例に限定されず、その要旨を逸脱しない限り、設計変更等は許容される。
例えば、第1の捕捉手段1は、心筋トロポニンIを検出するものであるが、心筋トロポニンT等の他の標的物質を検出ものであってもよい。
1 第1の捕捉手段
1a スポット
2 第2の捕捉手段
2a スポット
3 流路
4 金属膜
5 透明支持体(プリズム)
5a 平面部
5b プリズム部
5c 入射面
5d 出射面
6 ポンプ接続部
7 液溜
8 心筋トロポニンI
9 心筋トロポニンI自己抗体
10 センサーチップ
10A SPFS装置
11 2次抗体
12 蛍光色素
13 液貯留ウェル
14 送液ポンプ
15 流路形成体
16 表面プラズモン共鳴〔SPR〕検出部
17 光路切替ミラー
18 直線偏光板
19 光源
20 フィルター入換手段
21 カットフィルター
22 減光フィルター
23 検出器
50 センサーチップ(従来技術)
100 SPFS免疫蛍光測定システム

Claims (3)

  1. SPFS免疫蛍光測定用のセンサーチップであって、
    被験者由来の検体中に含まれる心筋トロポニンIと特異的に結合可能な第1の捕捉手段と、心筋トロポニンIに対する自己抗体と結合可能な第2の捕捉手段とを備えており、
    心筋トロポニンI検出後の使用済みの被験者由来の検体を用いて、心筋トロポニンI自己抗体の検出を行い、
    前記検体の溶液を流通させる流路が形成され、該流路に第1の捕捉手段と第2の捕捉手段とが固定され、
    前記第1の捕捉手段と前記第2の捕捉手段とが前記流路の流通方向に沿って直列に配置され、
    前記流路において第1の捕捉手段の下流側に第2の捕捉手段が固定されている、SPFS免疫蛍光測定用のセンサーチップ。
  2. 前記流路において流通方向を一方方向に固定して、下流側から排出される前記使用済みの検体溶液を再度上流側に循環させる、請求項に記載のセンサーチップ。
  3. 請求項1または2に記載のセンサーチップを有し、
    心筋トロポニンIの検出と、心筋トロポニンI自己抗体の検出とを同一の検体に対して、並行して行う、SPFS免疫蛍光測定システム。

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