JP6586344B2 - フォトマスクの製造方法、フォトマスク、および、表示装置の製造方法 - Google Patents

フォトマスクの製造方法、フォトマスク、および、表示装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、液晶表示装置や有機EL(electroluminescence)表示装置に代表される表示装置の製造に有用なフォトマスク及びその製造方法、並びに、フォトマスクを用いた表示装置の製造方法に関する。
従来、透明基板上に形成された遮光膜及び半透光膜がそれぞれパターニングされてなる転写用パターンを備えた、多階調のフォトマスクが知られている。例えば、特許文献1には、4階調のフォトマスクとその製造方法が記載されている。また、特許文献2には、レジストパターンの減膜を利用することで、描画及び現像の回数を削減する、多階調フォトマスクの製造方法が記載されている。以下に、各特許文献に記載のフォトマスクの製造方法について順に説明する。
図7は特許文献1に記載された4階調フォトマスクの製造方法を示す工程図である。
この製造方法では、最終的に図7(I)に示すように、透光部140、遮光部130、第1半透光部150A及び第2半透光部150Bを含む転写用パターンを備える4階調フォトマスク100が得られる。以下、各工程について説明する。
まず、図7(A)に示すように、透光性基板160上に、互いのエッチングに対して耐性を有する材料からなる第1半透光膜170Aと遮光膜180とが順次成膜されたフォトマスクブランク200を準備する。
次に、図7(B)に示すように、フォトマスクブランク200の遮光膜180上に、透光部140及び第2半透光部150Bを開口領域とした第1レジストパターン210を形成する。
次に、図7(C)に示すように、第1レジストパターン210をマスクとして遮光膜180をエッチングする。
次に、図7(D)に示すように、第1レジストパターン210を除去(剥離)する。
次に、図7(E)に示すように、遮光膜180をマスクとして第1半透光膜170Aをエッチングする。
次に、図7(F)に示すように、透光性基板160及び遮光膜180上に第2半透光膜170Bを成膜する。
次に、図7(G)に示すように、第2半透光膜170B上に、透光部140及び第1半透光部150Aを開口領域とした第2レジストパターン250を形成する。
次に、図7(H)に示すように、第2レジストパターン250をマスクとして第2半透光膜170B及び遮光膜180をエッチングした後、図7(I)に示すように、第2レジストパターン250を除去する。
以上の製造工程により、上述した4階調フォトマスク100が得られる。
図8は特許文献2に記載された多階調フォトマスクの製造方法を示す工程図である。
この製造方法では、最終的に図8(F)に示すように、透光部320、遮光部310及び半透光部315を含む転写用パターンを備える多階調フォトマスク300が得られる。以下、各工程について説明する。
まず、図8(A)に示すように、透明基板301上に半透光膜302及び遮光膜303がこの順に形成され、最上層にレジスト膜304が形成されたフォトマスクブランク400を準備する。半透光膜302は、モリブデン(Mo)やタンタル(Ta)等の金属材料とシリコン(Si)とを含む材料からなり、フッ素(F)系のエッチング液でエッチング可能である。遮光膜303は、クロム用エッチング液を用いてエッチング可能な材料で構成されている。
次に、図8(B)に示すように、フォトマスクブランク400に対してレーザー描画及び現像を施すことにより、遮光部310の形成領域及び半透光部315の形成領域を覆う第1レジストパターン304pを形成する。第1レジストパターン304pは、半透光部315の形成領域におけるレジスト膜304の厚さが、遮光部310の形成領域におけるレジスト膜304の厚さよりも薄くなるよう形成されている。
次に、図8(C)に示すように、第1レジストパターン304pをマスクとして遮光膜303をエッチングすることにより遮光膜パターン303pを形成する。その後更に、第1レジストパターン304pをマスクとして半透光膜302をエッチングすることにより半透光膜パターン302pを形成し、これによって透明基板301を部分的に露出させる。遮光膜303のエッチングは、先述のクロム用エッチング液を用いて行う。また、半透光膜302のエッチングは、フッ素(F)系のエッチング液(又はエッチングガス)を用いて行う。
次に、図8(D)に示すように、第1レジストパターン304pを減膜することにより、半透光部315の形成領域において遮光膜303を露出させる。このとき、レジスト膜304の厚い遮光部310の形成領域にはレジスト膜304が残る。これにより、遮光部310の形成領域を覆う第2レジストパターン304pが形成される。
次に、図8(E)に示すように、第2レジストパターン304pをマスクとして遮光膜303を更にエッチングして半透光膜302を露出させる。遮光膜303のエッチングは、上記同様にクロム用エッチング液を用いて行う。
次に、図8(F)に示すように、第2レジストパターン304pを除去する。以上の製造工程により、上述した多階調フォトマスク300が得られる。
特開2007−249198号公報 特開2012−8545号公報
表示装置の製造工程においては、最終的に得ようとするデバイスの設計に基づいた転写用パターンを備えるフォトマスクが多く利用される。デバイスとして、スマートフォンやタブレット端末などに搭載されている液晶表示装置や有機EL表示装置には、画面が明るく、省電力性能に優れ、動作速度が速いというだけでなく、高解像度、広視野角などの高い画質が要求される。このため、上述の用途に使用されるフォトマスクの転写用パターンに対して、益々の微細化、高密度化の要求が生じる動向にある。
ところで、表示装置等の電子デバイスは、パターンが形成された複数の薄膜(レイヤ:Layer)の積層によって立体的に形成される。したがって、これら複数のレイヤのそれぞれにおける座標精度の向上、及び互いの座標の整合が肝要になる。すなわち、個々のレイヤのパターン座標精度が、すべて所定レベルを充足していなければ、完成したデバイスにおいて誤動作などの不都合を招くおそれがある。そして、各レイヤにおけるパターンの構造は益々微細化、高密度化する傾向にある。したがって、各レイヤに求められる座標ずれの許容範囲は益々厳しくなる方向にある。
例えば、液晶表示装置に適用されるカラーフィルタにおいては、より明るい表示画面を実現するために、ブラックマトリックス(BM)や、メインフォトスペーサ及びサブフォトスペーサのようなフォトスペーサ(PS)の配置面積をより狭くする方向にある。また、ブラックマトリックス上にフォトスペーサを重ねて配置すれば、それらを別々に配置する場合に比べて、明るさや消費電力の点で、より有利なカラーフィルタを製造することができる。そこで、フォトマスクが備える転写用パターンにおいては、CD(Critical Dimension:以下、「パターン幅」の意味で用いる)精度、及び、位置精度の向上が必要になる。
上述したブラックマトリックスとフォトスペーサを被転写体(表示パネル基板など)に形成する方法として、それぞれに適合する転写用パターンを備えた2枚のフォトマスクを順次露光装置に取り付けて露光することにより、各々のフォトマスクの転写用パターンを被転写体に転写する方法がある。ただし、このように2枚のフォトマスクの転写用パターンを被転写体に重ね合わせて転写する方法では、アライメントずれが生じやすい。そこで、このアライメントずれを解消するために、それぞれの転写用パターンを1枚のフォトマスク上に形成し、1回の露光工程で被転写体上に転写する方法が考えられる。この方法を採用した場合は、重ね合わせ位置精度(いわゆるOverlay精度)が高くなるだけでなく、コスト的にも有利になる。
ただし、その場合は、ブラックマトリックス形成用のパターンと、フォトスペーサ形成用のパターンとを併せ持つ転写用パターンを1枚のフォトマスクに形成する必要がある。このため、露光に使用するフォトマスクの転写用パターンは、より複雑なものとなる。また、上述した1回の露光工程では、フォトマスク形成用のパターンとして、メイン及びサブのフォトスペーサに対応してそれぞれ異なった光透過率を有するパターンを含む、多階調の転写用パターンを備えるフォトマスクを使用することが望まれる。具体的には、転写用パターンとして、透光部と遮光部のほかに、第1半透光部と第2半透光部を備えた、4階調のフォトマスクを使用することが考えられる。
上述した特許文献1には、このような4階調のフォトマスクの製造方法が記載されている。ただし、この製造方法にも、解決すべき課題があることに本発明者らは着目した。以下、説明する。
まず、上記図7(G)〜(H)に示す工程では、第2レジストパターン250をマスクとして第2半透光膜170B及び遮光膜180という2つの膜をエッチングしている。具体的には、透光部140に対応する領域(以下、「第1領域」という。)では、透光性基板160上に形成された第2半透光膜170Bをエッチングにより除去して透光性基板160を露出させている。また、第1半透光部150Aに対応する領域(以下、「第2領域」という。)では、透光性基板160上において、第1半透光膜170A上の第2半透光膜170Bと遮光膜180とを順次エッチングにより除去して、第1半透光膜170Aを露出させている。この場合、第1領域及び第2領域では、エッチングが同時に併行して進行することになる。
ただし、第1領域と第2領域では、実際にエッチングが終了するまでの所要時間は異なる。その理由は、第1領域では、第2半透光膜170Bの膜厚に応じたエッチング時間が経過すれば、必要なエッチングは完了して透光性基板160が露出するのに対し、第2領域では、この後更に遮光膜180をエッチングするための時間が必要になるからである。結局、第2領域のエッチングが完了した時点では、第1領域でサイドエッチングが進んだ状態になるため、パターン幅(CD)が変わってしまう。特に、等方性エッチングの性質をもつウェットエッチングにおいては、この挙動が顕著である。更に、一般には、遮光膜のエッチング所要時間の方が半透光膜のそれよりも長くなる。
したがって、例えば、第2領域で第1半透光部150Aを形成するためのエッチングを行っている途中で、第1領域を透光部140とするためのジャストエッチング時間が完了し、それ以降は、第2領域のエッチングが終了するまで、透光部140の端部(ここでは右端)を画定する第2半透光膜170Bのサイドエッチングが進行する。その結果、透光部140の寸法が設計値と異なってしまう。また、エッチング時間が長くなるに伴い、フォトマスク面内全体で生じるCDばらつきが大きくなるため、最終的に得られるパターンのCD精度が、要求されるレベルを満たさないおそれがある。
一方、特許文献2に記載の方法では、1回の描画及び現像によって多階調フォトマスクを形成できる点で有利である。ただし、3階調の転写用パターンを形成するために、互いにエッチング選択性のある半透光膜302と遮光膜303を用いる必要がある。このため、膜材料の選択に制限が生じる上、異質の材料を成膜したりエッチングしたりするための装置の負荷も大きくなる。また、図8(E)に示す工程で遮光膜303をエッチングにより除去する場合は、その前の工程でエッチングを完了した遮光膜303の側面や半透光膜302の側面が透光部320の周縁に露出した状態になるため、各々の側面でサイドエッチングが進行する。このため、転写用パターンのCD精度を維持することが困難となる。
以上のことから、高精度品を製造するための微細な転写用パターンを備えるフォトマスクの製造方法としては、いまだ改良の余地があり、この知見に基づいて本発明者らは鋭意検討し、本発明に至った。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その主たる目的は、よりCD精度の高い転写用パターンを備えるフォトマスクを実現することにある。
(第1の態様)
本発明の第1の態様は、透明基板上に、半透光膜及び遮光膜がそれぞれパターニングされて得られた、透光部、遮光部、第1半透光部及び第2半透光部を含み、前記第1半透光部と前記第2半透光部の光透過率が互いに異なる転写用パターンを備えるフォトマスクの製造方法において、
前記透明基板上に遮光膜が形成されたフォトマスクブランクを用意する準備工程と、
前記遮光膜をパターニングして遮光部を形成する遮光膜パターニング工程と、
前記パターニングされた遮光膜上に半透光膜を形成する半透光膜形成工程と、
前記半透光膜をパターニングすることにより、前記透明基板上に半透光膜によって形成された第1半透光部と、前記透明基板上に前記第1半透光部における半透光膜よりも膜厚の小さい半透光膜によって形成された第2半透光部と、前記透明基板が露出する透光部とを形成する半透光膜パターニング工程と、を有し、
前記半透光膜形成工程では、前記遮光膜と同じエッチング剤によってエッチングされる材料で前記半透光膜を形成し、
前記半透光膜パターニング工程では、実質的に前記半透光膜のみをエッチングする
ことを特徴とする、フォトマスクの製造方法である。
(第2の態様)
本発明の第2の態様は、透明基板上に、半透光膜及び遮光膜がそれぞれパターニングされて得られた、透光部、遮光部、第1半透光部及び第2半透光部を含み、前記第1半透光部と前記第2半透光部の光透過率が互いに異なる転写用パターンを備えるフォトマスクの製造方法において、
前記透明基板上に遮光膜が形成されたフォトマスクブランクを用意する準備工程と、
前記遮光膜をパターニングする遮光膜パターニング工程と、
前記パターニングされた遮光膜上に半透光膜を形成する半透光膜形成工程と、
前記半透光膜上にレジスト膜を形成した後、前記レジスト膜を描画及び現像することにより、レジストが除去された開口部、レジストが残存する第1残膜部、及び前記第1残膜部よりもレジストが薄く残存する第2残膜部を有する第1レジストパターンであって、前記開口部が前記透光部の領域に対応し、前記第1残膜部が前記遮光部及び第1半透光部の領域に対応し、前記第2残膜部が前記第2半透光部に対応する第1レジストパターンを形成する第1レジストパターン形成工程と、
前記第1レジストパターンをマスクとして、前記開口部に露出する前記半透光膜をエッチングする第1エッチング工程と、
前記第1レジストパターンの膜厚を減少させることにより、前記第2残膜部に対応する領域で前記半透光膜が新たに露出する第2レジストパターンを形成する第2レジストパターン形成工程と、
前記新たに露出した部分の前記半透光膜をエッチングして、前記半透光膜の膜厚を減少させる第2エッチング工程と、
を有することを特徴とする、フォトマスクの製造方法である。
(第3の態様)
本発明の第3の態様は、前記遮光膜と前記半透光膜は、同一の金属を含有することを特徴とする、上記第1又は第2の態様に記載のフォトマスクの製造方法である。
(第4の態様)
本発明の第4の態様は、前記第1エッチング工程のエッチングレートをR1、前記第2エッチング工程のエッチングレートをR2とするとき、R1>R2の条件を満たすことを特徴とする、上記第2又は第3の態様に記載のフォトマスクの製造方法である。
(第5の態様)
本発明の第5の態様は、前記第1レジストパターン形成工程では、前記第2半透光部となる領域の寸法に対し、アライメントマージンを基にしたサイジングを施した描画データを用いて、前記レジスト膜を描画することを特徴とする、上記第2〜第4の態様のいずれかに記載のフォトマスクの製造方法である。
(第6の態様)
本発明の第6の態様は、前記転写用パターンにおいて、前記第2半透光部と前記遮光部とが隣接することを特徴とする、上記第1〜第5の態様のいずれかに記載のフォトマスクの製造方法である。
(第7の態様)
本発明の第7の態様は、前記転写用パターンにおいて、前記第2半透光部は、前記遮光部に隣接して囲まれることを特徴とする、上記第1〜第6の態様のいずれかに記載のフォトマスクの製造方法である。
(第8の態様)
本発明の第8の態様は、透明基板上に、半透光膜及び遮光膜がそれぞれパターニングされて得られた、少なくとも4階調の転写用パターンを備えるフォトマスクであって、
前記転写用パターンは、
前記透明基板が露出してなる透光部と、
前記透明基板上に前記半透光膜によって形成された第1半透光部と、
前記透明基板上に、前記半透光膜と同じ成分の半透光膜であって、かつ、前記第1半透光部より膜厚が小さい半透光膜によって形成された第2半透光部と、
前記透明基板上に遮光膜と半透光膜がこの順に積層されてなる遮光部とを有し、
前記遮光膜と前記半透光膜は、同じエッチング剤によってエッチングされる材料からなる、
ことを特徴とする、フォトマスクである。
(第9の態様)
本発明の第9の態様は、前記遮光部は、前記第2半透光部と隣接する部分を有するとともに、前記第2半透光部と隣接するエッジ部分に、前記第1半透光部より膜厚が薄い半透光膜が積層されていることを特徴とする、上記第8の態様に記載のフォトマスクである。
(第10の態様)
本発明の第10の態様は、前記転写用パターンは、前記第1半透光部と前記第2半透光部とが隣接部を有していないことを特徴とする、上記第8又は第9の態様に記載のフォトマスクである。
(第11の態様)
本発明の第11の態様は、前記転写用パターンにおいて、前記第2半透光部は、前記遮光部に隣接して囲まれていることを特徴とする、上記第8〜第10の態様のいずれかに記載のフォトマスクである。
(第12の態様)
本発明の第12の態様は、前記転写用パターンにおいて、前記第2半透光部は、前記遮光部に隣接して囲まれるとともに、前記第2半透光部に対して、対向する位置にある前記遮光部の幅をそれぞれW1(μm)、W2(μm)とするときに、前記W1と前記W2の差異が0.1(μm)以下であることを特徴とする、上記第8〜第11の態様のいずれかに記載のフォトマスクである。
(第13の態様)
本発明の第13の態様は、前記遮光部は、前記透光部と隣接する部分を有するとともに、前記透光部と隣接するエッジ部分で前記遮光膜の膜厚が一部減少していることを特徴とする、上記第8〜第12の態様のいずれかに記載のフォトマスクである。
(第14の態様)
本発明の第14の態様は、表示装置の製造方法において、露光装置を用いて、上記第1〜第7の態様のいずれかに記載の製造方法によるフォトマスク、又は、上記第8〜第13の態様のいずれかに記載のフォトマスクに露光光を照射し、前記フォトマスクが備える転写用パターンを被転写体上に転写する工程を含む、
ことを特徴とする、表示装置の製造方法である。
(第15の態様)
本発明の第15の態様は、前記露光装置を用いて前記フォトマスクに露光光を照射する場合に、i線、h線、およびg線を含む波長域の露光光を適用することを特徴とする、上記第14の態様に記載の表示装置の製造方法である。
本発明によれば、よりCD精度の高い転写用パターンを備えるフォトマスクを実現することができる。また、このフォトマスクを利用することで、高品質の表示装置を製造することができる。
本発明の第1実施形態に係るフォトマスクの構成を示すもので、(A)は側断面図、(B)は平面図である。 (A)〜(F)は本発明の第1実施形態に係るフォトマスクの製造方法を示す工程図(その1)である。 (A)〜(E)は本発明の第1実施形態に係るフォトマスクの製造方法を示す工程図(その2)である。 本発明の第2実施形態に係るフォトマスクの構成を示すもので、(A)は側断面図、(B)は平面図である。 (A)〜(F)は本発明の第2実施形態に係るフォトマスクの製造方法を示す工程図(その1)である。 (A)〜(E)は本発明の第2実施形態に係るフォトマスクの製造方法を示す工程図(その2)である。 (A)〜(I)は特許文献1に記載された4階調フォトマスクの製造方法を示す工程図である。 (A)〜(F)特許文献2に記載された多階調フォトマスクの製造方法を示す工程図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
<1.第1実施形態に係るフォトマスクの構成>
図1は本発明の第1実施形態に係るフォトマスクの構成を示すもので、(A)は側断面図、(B)は平面図である。なお、図1の(B)では便宜上、(A)の側断面図との対応関係が理解しやすいように、(A)と同様のハッチング処理を施している。
図示したフォトマスク10は、透光部11と、遮光部12と、第1半透光部13と、第2半透光部14とを含む4階調の転写用パターンを備えるものである。透光部11は、透明基板15を部分的に露出させた状態で形成されている。遮光部12は、透明基板15上に遮光膜16と後述の半透光膜17が形成されてなる。また、第1半透光部13は透明基板15上に第1半透光膜17aが形成されてなり、第2半透光部14は透明基板上15上に第2半透光膜17bが形成されてなる。第1半透光膜17aと第2半透光膜17bとは、互いに同じ成分の半透光膜となっている。本明細書では、第1半透光膜17aと第2半透光膜17bを特に区別しない場合は、単に「半透光膜17」と記載する。遮光膜16と半透光膜17は、同じエッチング剤(エッチング液)によってエッチングされる材料で構成されている。
第1半透光部13を構成する第1半透光膜17aの膜厚と、第2半透光部14を構成する第2半透光膜17bの膜厚とは、互いに異なっている。具体的には、第1半透光膜17aの膜厚は、第2半透光膜17bの膜厚よりも大きくなっている。このため、フォトマスク10に照射される露光光の代表波長に対する光透過率(以下、単に「光透過率」ともいう。)も、第1半透光部13と第2半透光部14で異なっている。
また、遮光部12においては、透明基板15上に遮光膜16と半透光膜17とがこの順に積層されている。第1半透光部13は、これに隣接する遮光部12によって囲まれている。第2半透光部14も、これに隣接する遮光部12によって囲まれている。また、第1半透光部13と第2半透光部14との間には遮光部12が介在し、この遮光部12によって第2半透光部14が囲まれている。このため、図示したフォトマスク10の転写用パターンは、第1半透光部13と第2半透光部14の隣接部を有しない構成となっている。また、第1半透光部13に隣接してこれを囲む遮光部12では、遮光膜16上に半透光膜17aのみが存在している。これに対して、第2半透光部14に隣接してこれを囲む遮光部12では、遮光膜16上に第1半透光膜17a及び第2半透光膜17bの両方が存在している。このうち、第2半透光膜17bは、遮光膜16のパターン幅方向で第2半透光部14側(内側)のエッジ部分E1に位置している。
<2.第1実施形態に係るフォトマスクの製造方法>
次に、本発明の第1実施形態に係るフォトマスクの製造方法について、図2及び図3を用いて説明する。本実施形態に係るフォトマスクの製造方法(製造工程)は、準備工程と、遮光膜パターニング工程と、第1レジスト除去工程と、半透光膜形成工程と、半透光膜パターニング工程と、第2レジスト除去工程と、を含む。このうち、遮光膜パターニング工程は、レジストパターニング工程と、遮光膜エッチング工程と、を含む。また、半透光膜パターニング工程は、レジスト膜形成工程と、第1レジストパターン形成工程と、第1エッチング工程と、第2レジストパターン形成工程と、第2エッチング工程と、を含む。以下、各工程について順に説明する。
[準備工程]
まず、準備工程では、図2(A)に示すように、透明基板15上に遮光膜16が形成されるとともに、遮光膜16の表面にレジスト膜18が形成されたレジスト付のフォトマスクブランク20を用意する。遮光膜16の成膜方法としては、スパッタ法等の公知の手段を用いることができる。遮光膜16の膜厚は、1000〜1500Å程度とすることができる。レジスト膜18の形成は、塗布法を用いることができ、スピンコータ、スリットコータなど公知のコータを使用することが可能である。レジスト膜18の膜厚は、3000〜10000Å程度とすることができる。
また、透明基板15としては、石英ガラス等の透明材料を平坦かつ平滑に研磨したものを用いることができる。表示装置製造用のフォトマスクに使用する透明基板としては、主表面が一辺300〜1500mmの四角形であって、厚みが5〜13mmのものを用いることが好ましい。
遮光膜16の材料は、例えば、Cr(クロム)、Ta(タンタル)、Zr(ジルコニウム)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)などを含有する膜材料とすることができ、これらの単体又は化合物(酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、酸化窒化炭化物など)から適切なものを選択することもできる。また、図示はしないが、遮光膜16の表面側(透明基板15と反対側)またはその裏面側の表層には、反射防止層やエッチング速度調整層などの機能層を設けることができる。遮光膜16の表面側に反射防止層を設けた場合は、レジスト膜18の描画に用いる光の反射を抑えることで描画精度を高めることができる。また、遮光膜16の表面側に、エッチング減速層として機能するエッチング速度調整層を設けた場合は、このエッチング速度調整層によりエッチング速度を減速させることで、所定の膜厚を維持する機能をもたせることができる。
上記反射防止層は、例えば遮光膜16に含有される金属(例えばCr)の酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、炭化窒化物の少なくともいずれか一種を含む層として設けることができる。また、反射防止層及び/又はエッチング減速層は、遮光膜16の深さ方向において、表層部分の組成が内側部分と異なって形成されたものとすることができる。その場合は、遮光膜16の表層部分と内側部分との間に明確な境界があってもよいし、遮光膜16の深さ方向に連続的又は段階的に組成が変化していくものであってもよい。また、遮光膜16の露光光に対する光学濃度(OD:optical density)は、好ましくは3.0以上、より好ましくは4.0以上とするのがよい。
ちなみに、本実施形態においては、透明基板15上に積層する遮光膜16に関して、Crを主成分とし、その表面側に、CrOからなる反射防止層を形成した遮光膜16を採用するものとする。また、レジスト膜18に適用するレジストは、フォトレジストとする。このフォトレジストは、ポジ型のフォトレジストでもよいし、ネガ型のフォトレジストでもよい。本実施形態では、レジスト膜18がポジ型のフォトレジストによって形成されたものとして説明する。この点は、後述するレジスト膜形成工程で用いるレジストについても同様とする。
[遮光膜パターニング工程]
次に、遮光膜16をパターニングする遮光膜パターニング工程を行う。遮光膜パターニング工程では、レジストパターン形成工程と、遮光膜エッチング工程と、を順に行う。
(レジストパターン形成工程)
レジストパターン形成工程では、図2(B)に示すように、上記のレジスト膜18を描画及び現像することにより、透明基板15の遮光膜16上にレジストパターン18pを形成する。このレジストパターン18pは、上記のフォトマスクブランク20のレジスト膜18に対して、図示しない描画装置を用いて所望のパターンを描画し、その後、現像することにより得られる。描画装置としては、例えば、電子ビームを用いるもの、あるいはレーザーを用いるものがあるが、いずれを用いてもよい。本実施形態ではレーザー描画を適用する。この点は、後述する第1レジストパターン形成工程においても同様とする。
レジストパターン18pは、最終的に得ようとするフォトマスク10の転写用パターンにおいて、遮光部12を形成するためのものである。そのため、描画装置は、最終的なフォトマスク10において(図1を参照)、遮光部12と、その他の領域とを画定するための描画データを用いてレジスト膜18を描画する。その後、レジスト膜18を現像することにより、レジスト膜18の露光部が除去されてレジストパターン18pが得られる。このとき、レジスト膜18が除去された部分では、遮光膜16が露出した状態となる。
(遮光膜エッチング工程)
遮光膜エッチング工程では、図2(C)に示すように、上記のレジストパターン18pをマスクとして遮光膜16をエッチングすることにより、透明基板15上に遮光膜16のパターンを形成する。以降の説明では、パターニングされた遮光膜16を遮光膜パターン16pという。この遮光膜パターン16pは、最終的に得ようとするフォトマスク10の転写用パターンにおいて、遮光部12の領域を画定するものとなる。本実施形態では、遮光膜16のエッチングにウェットエッチングを適用する。また、エッチング剤(エッチング液)として、硝酸第二セリウムアンモニウムを用いる。
なお、本実施形態においては、エッチングの対象は、遮光膜16のみ(単一膜)である。このエッチングの所要時間は、遮光膜16の組成と膜厚に依存する。よって、エッチングの所要時間は、実験的にあるいはシミュレーション等によって予め求めておくことができる。
[第1レジスト除去工程]
第1レジスト除去工程では、図2(D)に示すように、上記のレジストパターン18pを除去(剥離)する。これにより、透明基板15の主表面に遮光膜パターン16pのみが形成された状態となる。また、透明基板15の主表面において、遮光膜パターン16pで覆われない部分は、透明基板15が露出した状態となる。
[半透光膜形成工程]
半透光膜形成工程では、図2(E)に示すように、主表面に遮光膜パターン16pが形成された透明基板15上に、所定の成膜方法によって半透光膜17を形成する。半透光膜17の成膜方法としては、上述した遮光膜16と同様にスパッタ法などを用いることができる。これにより、透明基板15の露出部分と遮光膜パターン16pの上に、半透光膜17が積層された状態となる。
半透光膜17の材料は、例えば、Cr(クロム)、Ta(タンタル)、Zr(ジルコニウム)、Si(シリコン)などを含有する膜材料とすることができ、これらの化合物(酸化物、窒化物、炭化物など)から適切なものを選択することもできる。Si含有膜としては、Siの化合物(SiONなど)、又は遷移金属シリサイド(MoSiなど)や、その化合物を用いることができる。遷移金属シリサイドの化合物としては、酸化物、窒化物、酸化窒化物、酸化窒化炭化物などが挙げられ、好ましくは、MoSiの酸化物、窒化物、酸化窒化物、酸化窒化炭化物などが例示される。半透光膜17をCr含有膜とする場合は、Crの化合物(酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、炭化窒化物、酸化窒化炭化物)を好適に使用することができる。
本実施形態では、遮光膜16及び半透光膜17の両方に、Crを含有する膜を用いる。このように2つの膜が同一の金属を含む場合は、成膜工程などを効率的に行うことができるうえに、遮光膜16と半透光膜17の材料を選択する際に、双方の材料が互いにエッチング選択性を有する(互いのエッチング剤に対して耐性をもつ)必要がない。すなわち、遮光膜16及び半透光膜17の材料として、同一のエッチング剤によってエッチングされる材料、あるいは同一成分を含むエッチング剤によってエッチングされる材料を用いることができる点で、素材の制約を緩和できる利点がある。このような共通のエッチング特性をもつ膜によって、4階調のフォトマスクを形成することができる。もちろん、互いにエッチング選択性のある素材を用いても構わない。たとえば、エッチング選択性のある素材とは、一方の膜(A膜)のエッチング剤に対して、他方の膜(B膜)の示すエッチングレートが、A膜のエッチングレートの1/100以下である場合とすることができる。なお、本明細書において、「エッチングレート」とは、エッチングによって単位時間あたりに溶出する膜の厚さをいう。
一方、半透光膜17の光学特性としては、例えば露光光の透過率が10〜80%のものを使用することができる。より好ましくは、露光光の透過率が10〜60%、更に好ましくは、10〜40%のものを使用することができる。
半透光膜17の厚みは、目的とする光透過率によって適宜決定し、例えば、20〜400Å程度とすることができる。ただし、本発明において、半透光膜17の膜厚は、第1半透光部13となる領域の露光光の透過率をもとに決定される。また、この半透光膜17は、後段する第2エッチング工程で半透光膜17の膜厚を減少(減膜)させることで、第1半透光部13よりも光透過率の高い第2半透光部14を形成するため、この減膜量も勘案して半透光膜17の膜厚を決定することが好ましい。
また、半透光膜17は、露光光に対する位相シフト量φ(度)が、3≦φ≦90の低位相シフト膜とすることが好ましい。より好ましくは、3≦φ≦60である。
また、半透光膜17は、露光光に対する位相シフト量φ(度)が、90<φ≦270となる、いわゆる位相シフト膜とすることもできる。なお、本実施形態では、半透光膜17が低位相シフト膜であるものとして説明する。
ちなみに、露光光とは、本実施形態のフォトマスク10を用いて露光する際に使用する露光装置の照射光であって、i線、h線、g線のいずれかを含むものが挙げられる。このうち複数の波長、好ましくはi線、h線、g線のすべてを含む波長域の光源を用いることで、より大きな照射量を得ることができる。その場合は、波長域に含まれる代表波長(例えばi線)を基準とし、これに対する光透過率及び位相シフト量を、上記範囲内として、フォトマスク10の設計をすることができる。上記3波長について、すべて上記範囲内であればより好ましい。
[半透光膜パターニング工程]
次に、半透光膜17をパターニングする半透光膜パターニング工程を行う。半透光膜パターニング工程では、レジスト膜形成工程と、第1レジストパターン形成工程と、第1エッチング工程と、第2レジストパターン形成工程と、第2エッチング工程と、を順に行う。また、半透光膜パターニング工程では、実質的に半透光膜17のみをエッチングする。
(レジスト膜形成工程)
レジスト膜形成工程では、図2(F)に示すように、半透光膜17が形成された透明基板15上に、半透光膜17を覆う状態でレジスト膜19を形成する。レジスト膜19の形成方法やこれに用いるレジストの種類については、上述したレジスト膜18の場合と同様とする。
(第1レジストパターン形成工程)
第1レジストパターン形成工程では、図3(A)に示すように、上記のレジスト膜19を描画及び現像することにより、レジストパターン19pを形成する。ここでの描画及び現像によって得られるレジストパターン19pは、第1レジストパターンに相当するものである。レジストパターン19pは、領域によって、レジスト残膜の厚みが異なる段差形状をもつ。すなわち、レジストパターン19pは、レジスト残膜が実質的にゼロである開口部21と、レジストが残存する第1残膜部22と、この第1残膜部22よりもレジストが薄く残存する第2残膜部23と、を有する。
開口部21は、上記のレジスト膜19を描画及び現像することにより、レジストが除去されて開口した部分である。開口部21は、透光部11に対応する領域となる。第1残膜部22は、最も残膜厚みの大きい部分であって、遮光部12及び第1半透光部13に対応する領域となる。第2残膜部23は、上記第1残膜部より膜厚が小さい部分であり、第2半透光部14に対応する領域となる。このようなレジストパターン19pは、例えば以下のような方法によって形成することが可能である。
すなわち、レジスト膜19に対して、描画装置を用いて、描画すべき領域ごとに照射エネルギーが異なる描画方法(ここでは、便宜的に「階調描画法」とよぶ)を使用する。例えば、レーザー描画装置を用いて描画する場合は、所望のパターンの領域に応じて、異なるドーズ量(照射量)を適用してレーザーを照射し、レジストを感光させる。具体的には、開口部21には、レジスト膜19を完全に感光させるドーズ量を適用し、第2残膜部23には、レジスト膜19を完全に感光させる場合よりも少ないドーズ量を適用する。
レジスト膜19をレーザービームの走査によって描画する方法では、予め描画データを分離することにより、1回の描画工程のなかでレーザービームの走査を複数回に分けて行うとともに、領域ごとに異なる走査回数を適用することによって、領域ごとの照射量を調整する。これにより、階調描画法を実施することができる。例えば、レーザービームの照射を2回に分けて行う場合に、レジスト膜19を十分(完全)に感光させるドーズ量を100%とするときは、50%程度のドーズ量で2回の走査を行う。これにより、2回の走査のうち1回しか走査されなかった部分(第2残膜部23に対応する部分)は、50%程度のドーズ量の照射を受けた部分となり、2回走査された部分(開口部21に対応する部分)は、100%のドーズ量の照射を受けた部分となり、1回も走査されなかった部分は、レーザーの照射を受けない部分(第1残膜部22に対応する部分)となる。なお、ここでは50%ずつのドーズ量でレーザービームの照射を2回に分けて行うとしているが、これに限らず、複数回のレーザービームの照射による合計のドーズ量が100%となる条件で行えばよい。具体的には、例えば、各回のレーザービームの照射を30%のドーズ量と70%のドーズ量で順に行ってもよいし、それ以外のドーズ量の組み合わせで行ってもよい。
また、これ以外にも、1回の走査中に、領域によってドーズ量の変更を行うことによって、階調描画法を実施してもよい。いずれの場合も、レーザーの照射を受けたレジストの部分は、そのときのレーザーの照射エネルギーに応じて感光し、感光の度合いに応じて現像時に溶出する。そのため、現像後には、領域によってレジスト残膜の厚みが異なるレジストパターン(いわば、段差をもつレジストパターン)が形成される。
以上の方法により、1回の描画・現像工程によって、後述の第1エッチング工程及び第2エッチング工程といった2回のパターニングに適用可能なレジストパターン19pを形成することが可能となる。
なお、複数回の走査によって階調描画法を実施する場合、描画装置にフォトマスク基板を載置した状態のままとすれば、載置ごとに生じるアライメントずれをゼロとすることができる。本明細書では、描画装置にフォトマスク基板(本形態例では透明基板15)を載置したままで行う描画を「1回の描画」とする。このため、例えば、描画装置にフォトマスク基板を載置して、ある描画データにしたがって描画を行った後、そのフォトマスク基板を描画装置から取り外すことなく、別の描画データにしたがって再び描画を行った場合でも「1回の描画」とする。
上述したように階調描画法によってレジスト膜19の描画を行うことにより、半透光膜17に対するパターニング複数回分の描画を、1回の描画で行うことができる。このため、多階調フォトマスクの製造工程で生じやすい描画のアライメントずれを解消できるという利点がある。
ただし、本工程でレジスト膜19を描画する場合と、図2(B)に示す工程でレジスト膜18を描画する場合との間には、アライメントずれを生じる可能性がある。一般に、フォトマスク基板を描画装置に載置する場合は、アライメントマーク等を用いてフォトマスク基板の位置合わせを行う。ただし、複数回の描画においては、フォトマスク基板の載置精度等により、アライメントずれを完全にゼロとすることは困難である。
そこで、本実施形態では、レジスト膜19の描画に適用する描画データに関して、描画(レーザー照射)の対象とする第2残膜部23の寸法を次のように補正している。すなわち、遮光膜16によって規定される第2半透光部14の寸法に対して、アライメントマージンαを考慮(基に)したサイジングを描画データに施すことにより、描画すべき第2残膜部23の寸法L1を第2半透光部14となる領域の寸法L2よりも大きく設定している。アライメントマージンαは、上記のアライメントずれとして生じる可能性がある最大のずれ量をδとすると、第2半透光部14となる領域の寸法L2に対して、少なくとも上記ずれ量δを加えた寸法にするとよい。このようなサイジングを描画データに施してレジスト膜19を描画することにより、レジスト膜18の描画とレジスト膜19の描画との間で生じる、アライメントずれに起因するパターン精度の劣化を防止することができる。アライメントマージンαとしては、例えば、第2半透光部14の1つ(片側)のエッジに対して、α=0.25〜0.75μmのサイジングを施すことができる。又は、アライメントに優れた描画装置においては、このアライメントマージンαを0.2〜0.5μmとすることができる。
(第1エッチング工程)
第1エッチング工程では、図3(B)に示すように、レジストパターン19pをマスクとして半透光膜17をエッチングする。これにより、上記の開口部21で露出している半透光膜17がエッチングによって除去される。その結果、開口部21で透明基板15が露出した状態となる。
本実施形態では、半透光膜17が遮光膜16と同様にCr含有膜になっているため、上記の遮光膜16のエッチングに適用したエッチング剤(エッチング液)と同成分のものを用いて、半透光膜17をウェットエッチングすることができる。この工程でも、エッチング対象は半透光膜17のみ(単一膜)となる。このため、エッチングの所要時間は、半透光膜17の組成と膜厚に依存する。よって、エッチングの所要時間は、実験的にあるいはシミュレーション等によって予め求めておくことができる。
また、本実施形態では、上述のように半透光膜17をエッチングすることにより、透明基板15が部分的に露出し、この露出部分が透光部11となる。また、この透光部11を囲む半透光膜17の部分が第1半透光部13となる。このため、最終的に得られるフォトマスク10の転写用パターンは、透光部11と第1半透光部13とが隣接する部分をもつことになる。ただし、半透光膜17の膜厚は上述のとおり十分に薄く、ウェットエッチングに起因するサイドエッチングの量は非常に小さい。このため、実質的にパターニング精度への影響はほとんどない。また、このような僅かなサイドエッチングまでも問題とするような高いCD精度を得たい場合には、上記レジスト膜19の描画に適用する描画データにおいて、描画すべき開口部21の寸法を補正すればよい。すなわち、最終的に得ようとする透光部11の寸法L3に対して、サイドエッチングを考慮としたエッチングマージンβ(図3(A)を参照)を見込み、このエッチングマージンβの分だけ開口部21の寸法L4が小さくなるように、描画データにサイジングを施す。これにより、半透光膜17のエッチングによって透光部11を形成する際に、半透光膜17にサイドエッチングが生じても、透光部11を所望の寸法に精度良く合わせることができる。
このように本工程においては、半透光膜17のエッチング除去により、透光部11が形成される。ただし、本工程では半透光膜17を完全に除去せず、この段階で一部の膜厚分を残留させることもできる。その場合は、後述の第2エッチング工程で半透光膜17をエッチングする際に、上記残留させた膜を、同様のエッチング液によって更にエッチングし、最終的に完全に除去すればよい。
(第2レジストパターン形成工程)
第2レジストパターン形成工程では、図3(C)に示すように、上記のレジストパターン19pの膜厚を最表面から所定量だけ減少させる処理(以下、「レジスト減膜処理」ともいう。)を行うことにより、レジストパターン19p’を形成する。レジストパターン19p’は、第2レジストパターンに相当するものである。レジスト減膜処理は、第1残膜部22ではレジストが半透光膜17を覆ったまま残存し、第2残膜部23ではレジストが完全に除去される条件で行う。このような条件でレジスト減膜処理を行うことにより、第2残膜部23ではレジストが除去されて開口し、この開口部分に半透光膜17(すなわち、第2半透光部14の形成領域)が新たに露出した状態のレジストパターン19p’が得られる。また、上述のように第2残膜部23において、アライメントマージンαを見込んで描画データにサイジングを施した場合は、そのアライメントマージンαを見込んだ遮光膜パターン16pのエッジ部分にも半透光膜17の一部が新たに露出した状態となる。
レジスト減膜処理は、例えば、レジストパターン19pに対して、アッシングなどを施すことにより行う。具体的には、例えばプラズマアッシング、あるいはオゾンアッシング(オゾンガス、又はオゾン水によるアッシング)などを適用することができる。またこれ以外にも、例えば現像液によってレジストパターン19pを減膜してもよい。
(第2エッチング工程)
第2エッチング工程では、図3(D)に示すように、上記のレジスト減膜処理によって新たに露出した半透光膜17をエッチングして、半透光膜17の膜厚を減少させる処理(以下、「半透光膜減膜処理」ともいう。)を行う。半透光膜減膜処理では、レジストパターン19p’をマスクとして、上記と同様のエッチング剤(エッチング液)を作用させることにより、半透光膜17の膜厚を減少させる。そして、第2半透光部14に求められる露光光の透過率としての所望値を示す減膜量となったところで、エッチングを停止する。
なお、上述した開口部21に露出する半透光膜17の部分をエッチングする際に用いるエッチング剤と、本工程で半透光膜17の部分をエッチングするのに用いるエッチング剤とは、同一のものを使用することができるが、異なるものを使用してもかまわない。
本実施形態では、半透光膜17がCr系の膜で構成されているため、Cr用のエッチング剤を用いたエッチング液を使用可能である。ただし、エッチング液の組成は、上記第1エッチング工程と第2エッチング工程で、必ずしも同一でなくてもよい。例えば、第1エッチング工程で半透光膜17をエッチングするときのエッチングレートをR1とし、第2エッチング工程で半透光膜17をエッチングするときのエッチングレートをR2とすると、R1>R2の条件で半透光膜17をエッチングすることが望ましい。これにより、半透光膜減膜処理における半透光膜17のエッチングが相対的に遅く進行することになる。このため、半透光膜減膜処理による半透光膜17の減膜量を目標値に対して正確に合わせることが容易になる。
上述のように2つの工程で異なるエッチングレートを実現するためには、例えば、次のような手段を用いることができる。すなわち、2つの工程で同一成分のエッチング液を用いる場合は、一方の工程で用いるエッチング液の濃度を、他方の工程で用いるエッチング液の濃度と異なるものとする。具体的には、エッチングレートを大きくする工程では、相対的に高い濃度のエッチング液を用い、エッチングレートを小さくする工程では、相対的に低い濃度のエッチング液を用いる。また、これ以外にも、各工程に用いるエッチング液の温度を異なるものとしてもよい。あるいは、各工程に用いるエッチング液の成分を一部または全部異なるものとしてもよい。さらに、エッチングレートを異ならせる手段としては、半透光膜17の組成を、半透光膜17の上表面側と下表面側とで異なるものとして、半透光膜17を成膜する方法を適用してもよい。
より好ましくは、半透光膜17の組成を均一とし、上記第1エッチング工程で用いるエッチング剤と第2エッチング工程で用いるエッチング剤の、材料又は組成比を互いに異ならせることにより、好ましくは、R2×100>R1>R2×10、更に好ましくは、R2×80>R1>R2×15となる条件で、半透光膜17のエッチングを行うとよい。
本工程により、レジスト減膜処理前に第2残膜部23であった部分では、透明基板15を直接覆っている半透光膜17だけでなく、第2半透光部14に隣接する遮光膜16のエッジ部分E1を覆っている半透光膜17も一緒に減膜される。また、本工程では、半透光膜17の減膜処理を行ったときに、減膜される部分と減膜されない部分が存在する。このうち、減膜されない半透光膜17の部分は第1半透光膜17aとなり、減膜される半透光膜17の部分は第2半透光膜17bとなる。これにより、第2残膜部23であった部分には、第2半透光膜17bによって第2半透光部14が形成される。また、第2半透光部14に隣接する遮光膜16上には、膜厚が異なる第1半透光膜17aと第2半透光膜17bとが並存した状態となる。
[第2レジスト除去工程]
第2レジスト除去工程では、図3(E)に示すように、レジストパターン19p’を除去(剥離)する。これにより、第1残膜部22であった部分には、上記半透光膜減膜処理で減膜されなかった第1半透光膜17aが新たに露出した状態となる。また、第1残膜部22であった部分には、透明基板15を直接覆う第1半透光膜17aによって第1半透光部13が形成される。
以上の工程により、透光部11、遮光部12、第1半透光部13及び第2半透光部14を含む4階調の転写用パターンを備えたフォトマスク10(図1を参照)が完成する。
このフォトマスク10がもつ転写用パターンは、以下の構成を備えるものとなる。
すなわち、転写用パターンは、透明基板15を露出してなる透光部11と、透明基板15上に第1半透光膜17aによって形成された第1半透光部13と、透明基板15上に、第1半透光部13と同じ成分の半透光膜であって、かつ、第1半透光部13より膜厚が小さい第2半透光膜17bによって形成された第2半透光部14と、透明基板15に遮光膜16と半透光膜17がこの順に積層されてなる遮光部12とを有し、かつ、遮光膜16と半透光膜17は、同じエッチング剤によってエッチングされる材料によって構成される。
なお、上述した構成のなかで、「透明基板15上に第1半透光膜17aによって形成された第1半透光部13」とは、透明基板15上に第1半透光膜17aが形成され、かつ、遮光膜16が形成されていない第1半透光部13を意味する。同様に、「透明基板15上に、第1半透光部13と同じ成分の半透光膜であって、かつ、第1半透光部13より膜厚が小さい第2半透光膜17bによって形成された第2半透光部14」とは、透明基板15に、第1半透光部13と同じ成分の半透光膜であって、かつ、第1半透光部13より膜厚が小さい第2半透光膜17bが形成され、なおかつ、遮光膜16が形成されていない第2半透光部14を意味する。
第1半透光部13と第2半透光部14とは、第1半透光膜17aと第2半透光膜17bとの膜厚差に応じて、露光光の代表波長に対する光透過率が異なる。具体的には、第1半透光部13は、第2半透光部14よりも露光光の代表波長に対する光透過率が低くなっている。第1半透光部13と第2半透光部14の光透過率の差は、例えば、3〜15%とすることができる。また、露光光の代表波長に対する第1半透光部13の光透過率は、例えば、15〜60%とすることができ、第2半透光部14の光透過率は、18〜75%とすることができる。
また、ここでは好ましい形態として、遮光部12と第2半透光部14とが隣接する部分を有している。また、第1半透光部13と第2半透光部14とは、両者の間に介在する遮光膜16によって分離されている。そして、この遮光膜16上に積層された半透光膜17は、第1半透光部13側に位置する第1半透光膜17aと第2半透光部14側に位置する第2半透光膜17bの両方を含んでいる。また、第2半透光部14に隣接する遮光部12を形成している遮光膜16のエッジ部分E1には、第1半透光膜17aよりも膜厚が小さい第2半透光膜17bが積層されており、当該遮光膜16に隣接する第2半透光部14にも、上記エッジ部分E1と同じ膜厚で第2半透光膜17bが積層されている。また、遮光膜16のエッジ部分E1に積層されている第2半透光膜17bの寸法L5(図3(D)を参照)は、上述した描画データのサイジングに適用したアライメントマージンα(図3(A)を参照)に対応する寸法となる。
また、他の好ましい形態として、第1半透光部13と第2半透光部14とは互いに隣接する部分を有していない。具体的には、第1半透光部13と第2半透光部14との間には遮光部12(遮光膜16)が介在し、この遮光部12によって第1半透光部13と第2半透光部14とが分離されている。このような構成であれば、第1半透光部13と遮光部12との境界や、第2半透光部14と遮光部12との境界が、遮光部12によって画定される。また、この遮光部12は、単一の膜からなる遮光膜16によって形成されている。このため、第2半透光部14が遮光部12に隣接し、この遮光部12によって第2半透光部14が囲まれている形態の転写用パターンに本実施形態の製造方法を適用すれば、より高くCD精度を維持できるという利点が得られる。その理由は、次のとおりである。
まず、上記図3(A)に示す第1レジストパターン形成工程において、第2残膜部23を形成するための描画時の照射エネルギーは、通常の描画時に適用する照射エネルギーよりも相対的に小さくなる。このため、第1残膜部22と第2残膜部23との間のドーズ量の差が小さく、第2残膜部23のレジストパターン断面の垂直性が低くなりやすい(断面の倒れが顕著になりやすい)。したがって、CDを決定するためのレジストの減膜を厳密に行う必要がある。これに対して、本実施形態では、第2半透光部14に対して、第1半透光部13が隣接せず、遮光部12が隣接して配置されている。このようなパターンであれば、遮光膜パターニング工程で遮光膜16をパターニングする際に、第2半透光部14と遮光部12の境界が既に画定されているため、CD精度が劣化するリスクを低減することができる。このため、より高くCD精度を維持できることになる。
更に、上記第1レジストパターン形成工程では、遮光膜16をパターニングして得られる遮光膜パターン16pのパターン幅内にアライメントマージンαを設定している。このため、レジスト膜18の描画とレジスト膜19の描画との間で生じる可能性のあるアライメントずれをアライメントマージンαによって吸収することができる。したがって、遮光部12の領域を遮光膜16によって正確に画定したうえで、第2半透光部14の領域を正確に画定することができる。
また、例えば上記図1に示すように、第2半透光部14が遮光部12に隣接し、この遮光部12によって第2半透光部14が囲まれているパターンは、特にCD精度を高く維持することができるため、より好ましいものとなる。
更に、本実施形態に係るフォトマスク10の転写用パターンでは、透光部11が第1半透光部13に隣接し、この第1半透光部13によって透光部11が囲まれている。
ここで、上記図1に示す転写用パターンにおいて、第2半透光部14に隣接する遮光部12のうち、第2半透光部14の両側でこれに隣接する遮光部12の2つのパターン部分、すなわち第2半透光部14を間に挟んで線対称な位置であって、第2半透光部14を介して互いに対向する位置にある2つのパターン部分のパターン幅(CD)をそれぞれW1(μm)、W2(μm)とする。そうした場合、W1及びW2は、描画データの段階で同一寸法に形成(設定)している。ただし、描画データの段階では同一寸法に形成したパターンであっても、複数回の描画や、複数回のエッチングにより形成されるパターンであれば、設計どおりに同一寸法として形成することは容易でない。すなわち、複数回の描画を行う場合には、相対的なアライメントずれが生じ、このアライメントずれを完全に防止することはできない。また、複数回のエッチングを行う場合には、エッチングによってパターニングが行われた後に、更に、エッチング作用のある液との接触を受けた膜の端面が、サイドエッチングによって後退する。したがって、最終的なパターンCD寸法を非対称に変動させる要素があり得ることから、上記のW1及びW2を設計どおりに同一寸法として形成することは容易ではない。
ただし、本実施形態では、上述した製造工程の説明からも明らかなとおり、遮光部12の領域は、遮光膜16のパターニングによって画定する。更に、半透光膜17のパターニングにおいては、半透光膜17のみがエッチング対象となる。このため、確定した遮光部12のCDに影響が無い。したがって、設計上、上記のW1とW2が等しいパターンであるとき、被転写体上においても、W1とW2が実質的に等しく、たとえそれらの間に誤差(差異)が生じるとしても、|W1−W2|≦0.1μmとなる。これは、例えばフォトマスク主表面の面積(表示装置製造用のフォトマスク主表面は、一辺が300mm以上の四角形が主である)におけるパターニング面内ばらつきが生じた場合と考えられる。
<3.第2実施形態に係るフォトマスクの構成>
図4は本発明の第2実施形態に係るフォトマスクの構成を示すもので、(A)は側断面図、(B)は平面図である。なお、図4の(B)では便宜上、(A)の側断面図との対応関係が理解しやすいように、(A)と同様のハッチング処理を施している。また、本実施形態では、上記第1実施形態と同様の部分に同じ符号を付し、重複する説明はできるだけ省略する。
図示したフォトマスク10は、透光部11と、遮光部12と、第1半透光部13と、第2半透光部14とを含む4階調の転写用パターンを備えるものである。この転写用パターンは、上記第1実施形態の場合と比較して、以下の点が異なる。すなわち、第2実施形態のフォトマスク10が備える転写用パターンでは、透光部11に遮光部12が隣接し、この遮光部12によって透光部11が囲まれている。また、透光部11と第2半透光部14とは、それぞれ異なる遮光部12のパターンによって囲まれている。
<4.第2実施形態に係るフォトマスクの製造方法>
次に、本発明の第2実施形態に係るフォトマスクの製造方法について、図5及び図6を用いて説明する。本実施形態に係るフォトマスクの製造方法(製造工程)は、上記第1実施形態と同様に、準備工程と、遮光膜パターニング工程(レジストパターニング工程、遮光膜エッチング工程)と、第1レジスト除去工程と、半透光膜形成工程と、半透光膜パターニング工程(レジスト膜形成工程、第1レジストパターン形成工程、第1エッチング工程、第2レジストパターン形成工程、第2エッチング工程)と、第2レジスト除去工程と、を含む。以下、各工程について順に説明する。
[準備工程]
まず、準備工程では、図5(A)に示すように、透明基板15上に遮光膜16が形成されるとともに、遮光膜16の表面にレジスト膜18が形成されたレジスト付のフォトマスクブランク20を用意する。
[遮光膜パターニング工程]
次に、遮光膜16をパターニングする遮光膜パターニング工程を行う。遮光膜パターニング工程では、レジストパターン形成工程と、遮光膜エッチング工程と、を順に行う。
(レジストパターン形成工程)
レジストパターン形成工程では、図5(B)に示すように、上記のレジスト膜18を描画及び現像することにより、透明基板15の遮光膜16上にレジストパターン18pを形成する。
(遮光膜エッチング工程)
遮光膜エッチング工程では、図5(C)に示すように、上記のレジストパターン18pをマスクとして遮光膜16をエッチングすることにより、透明基板15上に遮光膜パターン16pを形成する。
[第1レジスト除去工程]
第1レジスト除去工程では、図5(D)に示すように、上記のレジストパターン18pを除去(剥離)する。
[半透光膜形成工程]
半透光膜形成工程では、図5(E)に示すように、主表面に遮光膜パターン16pが形成された透明基板15上に、所定の成膜方法によって半透光膜17を形成する。
[半透光膜パターニング工程]
次に、半透光膜17をパターニングする半透光膜パターニング工程を行う。半透光膜パターニング工程では、レジスト膜形成工程と、第1レジストパターン形成工程と、第1エッチング工程と、第2レジストパターン形成工程と、第2エッチング工程と、を順に行う。また、半透光膜パターニング工程では、実質的に半透光膜17のみをエッチングする。
(レジスト膜形成工程)
レジスト膜形成工程では、図5(F)に示すように、半透光膜17が形成された透明基板15上に、半透光膜17を覆う状態でレジスト膜19を形成する。
ここまでの工程では、透光部11に隣接する遮光部12に対応する領域に遮光膜パターン16pを残すように遮光膜16をパターニングする以外は、上記第1実施形態と同様である。
(第1レジストパターン形成工程)
第1レジストパターン形成工程では、図6(A)に示すように、上記のレジスト膜19を描画及び現像することにより、レジストパターン19pを形成する。レジスト膜19は描画装置を用いて描画するが、この描画には上記第1実施形態で述べた階調描画法を適用する。これにより、図示のような段差形状をもつレジストパターン(第1レジストパターン)19pが得られる。
ここで、本工程でレジスト膜19を描画する場合と、図5(B)に示す工程でレジスト膜18を描画する場合との間には、アライメントずれを生じる可能性がある。そこで、このアライメントずれを生じる可能性を排除するため、レジスト膜19の描画に適用する描画データにサイジングを施す。具体的には、上記第1実施形態と同様に、遮光膜16によって規定される第2半透光部14の寸法に対して、アライメントマージンαを加味したサイジングを描画データに施すことにより、描画すべき第2残膜部23の寸法L1を第2半透光部14となる領域の寸法L2よりも大きく設定している。
また、本実施形態では、最終的に得ようとする転写用パターンにおいて、透光部11と第1半透光部13とが隣接する部分を有しないため、上記第1実施形態で述べたエッチングマージンβ(図3(A)を参照)を加味する必要はない。ただし、透光部11には遮光部12が隣接している。そこで本実施形態では、遮光膜16によって規定される透光部11の寸法に対しても、アライメントマージンαを加味したサイジングを描画データに施すことにより、描画すべき開口部21の寸法L6を透光部11となる領域の寸法L7よりも大きく設定している。
(第1エッチング工程)
第1エッチング工程では、図6(B)に示すように、レジストパターン19pをマスクとして半透光膜17をエッチングする。これにより、上記の開口部21で露出している半透光膜17がエッチングによって除去される。その結果、開口部21で透明基板15が露出した状態となる。
本実施形態では、半透光膜17が遮光膜16と同様にCr含有膜になっているため、上記の遮光膜16のエッチングに適用したエッチング剤(エッチング液)と同成分のものを用いて、半透光膜17をウェットエッチングすることができる。この工程でも、エッチング対象は半透光膜17のみ(単一膜)となる。このため、エッチングの所要時間は、半透光膜17の組成と膜厚に依存する。よって、エッチングの所要時間は、実験的にあるいはシミュレーション等によって予め求めておくことができる。
また、本実施形態では、上述したように開口部21の寸法L6にアライメントマージンαを加味している。このため、開口部21では、透明基板15上に直接積層された半透光膜17だけなく、遮光膜16上に積層された半透光膜17の一部もエッチングによって除去される。したがって、エッチング後は、遮光膜16のエッジ部分E2が開口部21に直接露出した状態となる。このエッジ部分E2の領域は、描画データのサイジングに適用したアライメントマージンαの寸法に基づいて形成される。
また、本実施形態では、遮光膜16と半透光膜17がいずれもCrを含有する膜になっている。このため、遮光膜16のエッジ部分E2で遮光膜材料がエッチング液に接触することにより、その表面部分が僅かにエッチングされることがある。そうした場合、エッジ部分E2で遮光膜16の表面が僅かに損傷したり、その膜厚が僅かに減少したりすることがあるが、遮光膜16としての遮光性能には影響を与えない。また、遮光膜16の表面がエッチングの影響を受ける場合にも、その膜厚の減少量は、エッジ部分E2以外の遮光膜16の膜厚に対して、1/5以下である。より好ましくは1/1000〜1/10、更に好ましくは、1/100〜1/10とすることができる。
したがって、遮光膜16が半透光膜17のエッチング液による影響を受ける場合においても、遮光膜16がエッチング除去されるのではなく、その膜厚の一部が減少するだけである。つまり、エッチング除去の対象となるのは半透光膜17のみである。本発明では、このようなエッチングを含めて、実質的に単一膜のエッチングとする。このため、特許文献1に採用されているような、2つの膜を連続してエッチング除去する工程は、本発明のフォトマスクの製造方法に適用する必要がない。
ここで、対象膜をエッチングによって除去するのに要する時間を「エッチング所要時間」と定義し、遮光膜16のエッチング所要時間をT1、半透光膜17(図6(D)において減膜する前のもの)のエッチング所要時間をT2とすると、T1>T2、好ましくは、T2/T1=1/4〜1/20であることが好ましい。このような場合は、上記のエッジ部分E2で遮光膜16の表面が一部エッチングされても、遮光膜16の遮光性を、より完全な状態に維持することができる。また、遮光膜16の遮光性の維持という観点からすると、フォトマスクブランク20における遮光膜16の膜厚を、半透光膜17の膜厚の5倍〜50倍とすることが好ましい。また、遮光部12のうち、上記のエッジ部分E2の遮光性については、遮光膜16の光学濃度(OD)が、エッジ部分E2においても2.0以上であり、より好ましくは3.0以上、更に好ましくは4.0以上であるのがよい。
(第2レジストパターン形成工程)
第2レジストパターン形成工程では、図6(C)に示すように、上記のレジストパターン19pの膜厚を最表面から所定量だけ減少させる処理(レジスト減膜処理)を行うことにより、第2レジストパターンとなるレジストパターン19p’を形成する。これにより、第2残膜部23ではレジストが除去されて開口し、この開口部分に半透光膜17(すなわち、第2半透光部14の形成領域)が新たに露出した状態となる。
(第2エッチング工程)
第2エッチング工程では、図6(D)に示すように、上記のレジスト減膜処理によって新たに露出した半透光膜17をエッチングして、半透光膜17の膜厚を減少させる処理(半透光膜減膜処理)を行う。半透光膜減膜処理では、レジストパターン19p’をマスクとして、上記第1実施形態と同様のエッチング剤(エッチング液)を作用させることにより、半透光膜17の膜厚を減少させる。そして、第2半透光部14に求められる光透過率としての所望値を示す減膜量となったところで、エッチングを停止する。その際、遮光膜16のエッジ部分E1を覆っている半透光膜17も一緒に減膜される。これにより、半透光膜17は、本工程で減膜されない第1半透光膜17aと、本工程で減膜される第2半透光膜17bとに分かれる。また、第2残膜部23であった部分には、第2半透光膜17bによって第2半透光部14が形成される。
また、本工程においては、エッジ部分E2に露出している遮光膜16においても、エッチング液と接触することとなる。また、本実施形態では、遮光膜16と半透光膜17がいずれもCrを含有する膜であるため、同じエッチング液によってエッチングの作用を受けやすい。ただし、本工程は、半透光膜17をエッチングによって除去するのではなく、半透光膜17の膜厚を減少させる工程であって、エッチング時間はわずかである。このため、上記図6(B)の第1エッチング工程で受けるエッチングの影響と合わせても、遮光性能への影響は無い。
[第2レジスト除去工程]
第2レジスト除去工程では、図6(E)に示すように、レジストパターン19p’を除去(剥離)する。これにより、第1残膜部22であった部分には、上記半透光膜減膜処理で減膜されなかった第1半透光膜17aが新たに露出した状態となる。また、第1残膜部22であった部分には、透明基板15を直接覆う第1半透光膜17aによって第1半透光部13が形成される。
以上の工程により、透光部11、遮光部12、第1半透光部13及び第2半透光部14を含む4階調の転写用パターンを備えたフォトマスク10(図4を参照)が完成する。
このフォトマスク10がもつ転写用パターンは、上記第1実施形態と同様に、以下の構成を備えるものとなる。
すなわち、転写用パターンは、透明基板15を露出してなる透光部11と、透明基板15上に第1半透光膜17aによって形成された第1半透光部13と、透明基板15上に、第1半透光部13と同じ成分の半透光膜であって、かつ、第1半透光部13より膜厚が小さい第2半透光膜17bによって形成された第2半透光部14と、透明基板15に遮光膜16と半透光膜17がこの順に積層されてなる遮光部12とを有し、かつ、遮光膜16と半透光膜17は、同じエッチング剤によってエッチングされる材料によって構成される。
また、本実施形態においても、「透明基板15上に第1半透光膜17aによって形成された第1半透光部13」とは、透明基板15上に第1半透光膜17aが形成され、かつ、遮光膜16が形成されていない第1半透光部13を意味する。同様に、「透明基板15上に、第1半透光部13と同じ成分の半透光膜であって、かつ、第1半透光部13より膜厚が小さい第2半透光膜17bによって形成された第2半透光部14」とは、透明基板15に、第1半透光部13と同じ成分の半透光膜であって、かつ、第1半透光部13より膜厚が小さい第2半透光膜17bが形成され、なおかつ、遮光膜16が形成されていない第2半透光部14を意味する。
ただし、本実施形態においては、透光部11と第2半透光部14がそれぞれ遮光部12と隣接し、かつ、遮光部12によって囲まれている点で、上記第1実施形態とは異なる。また、本実施形態のフォトマスク10がもつ転写用パターンにおいては、第1半透光部13と第2半透光部14とが互いに隣接する隣接部を有していないことが好ましい。この場合は、転写用パターン上に存在する透光部11、遮光部12、および半透光部(13,14)の各々の領域が、すべて遮光膜パターニング工程によって確定される。したがって、遮光膜16のパターニングと半透光膜17のパターニングとの重ね合わせ(Overlay)精度が極めて高いという利点がある。
また、遮光部12と第2半透光部14とが隣接する部分において、遮光膜16のエッジ部分E1には、第1半透光膜17aよりも膜厚が小さい第2半透光膜17bが積層されており、当該遮光膜16に隣接する第2半透光部14にも、上記エッジ部分E1と同じ膜厚で第2半透光膜17bが積層されている。また、遮光膜16のエッジ部分E1に積層されている第2半透光膜17bの寸法L5(図6(D)を参照)は、上述した描画データのサイジングに適用したアライメントマージンα(図6(A)を参照)に対応する寸法となる。
一方、透光部11に隣接する遮光部12のエッジ部分E2においては、遮光膜16上に積層した半透光膜17が除去され、遮光膜16が露出している。透光部11と隣接する遮光部12のエッジ部分E2では、その遮光部12を形成する遮光膜16の膜厚が一部減少している。この点は、上記第1実施形態と異なる。エッジ部分E2の遮光膜16の表面は、膜厚の一部分がエッチングにより失われていてもよい。その場合であっても、エッジ部分E2を含む遮光膜16の光学濃度(OD)は、2.0以上に維持されている。
また、本実施形態においても、第2半透光部14に隣接する遮光部12のパターン構成上、第2半透光部14を間に挟んで線対称な位置であって、第2半透光部14を介して互いに対向する位置にある2つのパターン部分のパターン幅(CD)、すなわちW1及びW2は、描画データの段階で同一寸法に形成(設定)している。そして、上記の製造工程の説明からも明らかなとおり、遮光部12の領域は遮光膜パターニング工程によって画定している。また、半透光膜パターニング工程においては、半透光膜17のみをエッチングの対象としている。このため、遮光膜パターニング工程で画定した遮光部12のパターン幅W1及びW2は、半透光膜パターニング工程の影響を受けない。したがって、被転写体上においても、W1とW2が実質的に等しく、たとえそれらの間に誤差(差異)が生じるとしても、|W1−W2|≦0.1μmとなる。この点は、透光部11に隣接する遮光部12のパターン幅W3,W4についても同様である。
<5.第1実施形態と第2実施形態に共通する事項>
続いて、上述した第1実施形態と第2実施形態に共通な事項について述べる。
本発明に係る4階調のフォトマスク10において、第1半透光部13は、第2半透光部14よりも露光光の代表波長に対する光透過率が低く、その差は、例えば、3〜15%とすることができる。例えば、第1半透光部13の光透過率は、15〜60%、第2半透光部14の光透過率は、18〜75%とすることができる。
また、本発明に係るフォトマスクの製造方法においては、すべてのエッチング工程において、実質的に単一の膜を対象にエッチング除去を実施する。このため、エッチング除去の対象となる膜のジャストエッチング時間に基づいてエッチング終点を決定することができる。すなわち、本発明に係るフォトマスクの製造方法によれば、従来の技術にみられた、エッチング終了後も膜の断面がエッチング液に曝されて、サイドエッチングによるCD精度の劣化を生じる不都合が解消される。このため、本発明は、高精度品のフォトマスクを実現するうえできわめて有利である。
また、本発明に係るフォトマスクの利点として、第1半透光部13を形成する第1半透光膜17aと第2半透光部14を形成する第2半透光膜17bは、もともと同じ成分の半透光膜17であるため、同じ成膜工程において成膜されたものとすることができる。すなわち、1回の半透光膜17の成膜によって、光透過率の異なる2つの半透光部(13,14)を形成することができる。その場合、成膜工程で膜厚方向に組成傾斜が生じる場合には、第1半透光部13と第2半透光部14において、組成比が完全に一致しないこともあるが、本発明に係るフォトマスクは、そのような場合を排除するものではない。
換言すると、本発明では、露光光透過率の異なる2種類の半透光部を形成するに際して、組成の異なる2種類の半透光膜を成膜する必要がない。また、本発明では、それぞれの半透光部に所望の光透過率を得るために、半透光膜を積層(複数回にわたって成膜)する必要がない。このため、所望の電子デバイスを製造するためのフォトマスクの設計において、第1半透光部13及び第2半透光部14の光透過率を自由に設定することができる。また、目標とする光透過率に適合するように第1半透光部13及び第2半透光部14を正確に形成することができる。
また、本発明に係るフォトマスクの製造方法によれば、膜のサイドエッチングによる寸法精度の劣化を抑止し、極めて精緻なパターン寸法をもって転写用パターンを形成することができる。その理由は、エッチング工程におけるエッチング時間に関して、それぞれの膜のジャストエッチング時間を基に、最適なエッチング終点を適用できるからである。更に、半透光膜17のエッチング時間は短いため、面内のCDばらつきを抑えることができる。
また、本発明のフォトマスク10が備える転写用パターンは、第1半透光部13と第2半透光部14とが互いに直接隣接せず、両者の間に遮光部12が介在している。更に、透光部11と第2半透光部14とが互いに直接隣接していない。このような転写用パターンをもつフォトマスク10を、本発明のフォトマスクの製造方法によって製造する場合は、遮光膜パターニング工程でパターニングされた遮光膜16(遮光膜パターン16p)により、透光部11、遮光部12、第1半透光部13及び第2半透光部14の各領域が画定する。このため、複数回の描画による相対的なアライメントずれの影響を受けないものとすることができる点で好ましい。
また、本発明に係るフォトマスク10は、透光部11、遮光部12、第1半透光部13及び第2半透光部14をもつ、4階調のフォトマスクである。もちろん、本発明の効果を妨げない限りにおいて、更に異なる階調や、位相シフタなどを備えたフォトマスクであってもよい。また、本発明の効果を妨げない範囲で、遮光膜16、第1半透光膜17a、第2半透光膜17b以外の膜、例えば、光学膜(反射防止膜や位相シフト膜など)や機能膜(エッチングマスク膜、エッチングストッパ膜など)を有していてもよい。
本発明に係るフォトマスク10の用途には特に制限はないものの、本発明は、例えば液晶表示装置、有機EL表示装置等の表示装置の製造用のフォトマスクにおいて、パターン高集積化、精細化を図るうえで有利に適用することができる。また本発明は、転写用パターンのデザインにも特に制限はない。すなわち、本発明は、上記図1及び図4に例示するホールパターンのほかにも、例えばドットパターン、ライン・アンド・スペース・パターンなどにも適用可能である。
また、本発明のフォトマスクはCD精度が極めて良好であることから、本発明は、例えば、転写用パターンに含まれる最小パターンの線幅(CD)が、3μm以下のフォトマスクの製造に適用して有利であり、更には、最小パターンの線幅が2.5μm未満、より先端品としては、2μm未満のものにも適用可能である。なお、最小パターンの線幅は通常0.5μm以上である。
<6.表示装置の製造方法>
次に、本発明に係る表示装置の製造方法について説明する。
まず、本発明に係るフォトマスクの用途には上述したとおり制限はない。また、本発明に係るフォトマスクは、特に、複数のレイヤを積層して構成される表示装置用基板において、1枚のマスクで複数のレイヤのパターニングを可能とする、多階調のフォトマスクに有利に適用することができる。
その場合、本発明の表示装置の製造方法は、次の2つの工程を含むものとなる。すなわち、上述した本発明のフォトマスクの製造方法によって得られるフォトマスク、または本発明のフォトマスクを用意する工程と、用意したフォトマスクに露光装置を用いて露光光を照射することにより、そのフォトマスクが備える転写用パターンを被転写体上に転写する工程と、を含み、更にその他の必要な種々の工程を経ることにより、表示装置を製造することができる。
本発明のフォトマスクは、少なくとも透光部11、遮光部12、第1半透光部13及び第2半透光部14を含む4階調、またはそれ以上の多階調のフォトマスクであるため、例えばこれ1枚の使用によって2つのレイヤのパターニングが可能である。このため、例えば、本発明のフォトマスクを液晶表示装置の製造方法に適用すれば、ブラックマトリクス形成用のパターンと、メイン及びサブフォトスペーサ用のパターンを、1枚のフォトマスクの使用によって形成することができる。したがって、本発明のフォトマスクを利用することは、表示装置の生産効率を高めたりコストを低減したりする点でメリットが大きい。
また、本発明のフォトマスクは、液晶表示装置(LCD)用、或いは平面型表示装置(FPD)用等として知られる露光装置を用いて露光することができる。その場合の露光装置としては、例えば、i線、h線、およびg線を含む露光光を用い、開口数(NA)が0.08〜0.15、コヒーレントファクタ(σ)が0.7〜0.9程度の等倍光学系をもつ、等倍露光のプロジェクション露光装置を用いることができる。露光には通常照明(ゼロ次光がフォトマスクに垂直に入射する照明)が使用できるが、輪帯照明などいわゆる変形照明を適用しても良い。もちろん、これ以外にも、例えば、プロキシミティ露光用のフォトマスクとして用いることもできる。
また、多階調のフォトマスクの使用は、表示装置などのデバイスの製造に必要なフォトマスクの枚数を低減し、これによって表示装置などのデバイスを低コストで製造できることが利点であるが、本発明では、このような利点に加えて、次のような利点もある。
本発明では、4階調の転写用パターンを形成するための描画回数が2回のみであり、描画装置の占有時間が小さく、短納期で生産できるという、コストメリットが加わる。すなわち、本発明のフォトマスクは、2回の描画と現像工程のみによって形成された被ウェットエッチング断面により、各領域が確定されている。この条件下で、アライメントずれのない理想的なフォトマスクを製造できる点は、産業上大きな意義がある。
なお、本発明におけるフォトマスクは、4階調の転写用パターンを備えるものに限らず、4階調よりも多い多階調の転写用パターンを備えるものも含む。例えば、更に他の半透光膜を用いたもの、或いは、露光時に解像不可能な微細パターンを用いることによって、中間調としたものなどにおいても、本発明の効果を全部又は一部奏する限りにおいて、本発明から排除されない。
10…フォトマスク
11…透光部
12…遮光部
13…第1半透光部
14…第2半透光部
15…透明基板
16…遮光膜
17…半透光膜
18…レジスト膜
19…レジスト膜
20…フォトマスクブランク

Claims (21)

  1. 透明基板上に、半透光膜及び遮光膜がそれぞれパターニングされて得られた、透光部、遮光部、第1半透光部及び第2半透光部を含み、前記第1半透光部と前記第2半透光部の光透過率が互いに異なる転写用パターンを備えるフォトマスクの製造方法において、
    前記透明基板上に前記遮光膜が形成されたフォトマスクブランクを用意する準備工程と、
    前記遮光膜をパターニングして前記遮光部を形成する遮光膜パターニング工程と、
    パターニングされた前記遮光膜を含む前記透明基板上に前記半透光膜を形成する半透光膜形成工程と、
    前記半透光膜をパターニングすることにより、
    前記透明基板上に前記半透光膜が形成されてなる、前記第1半透光部と、
    前記透明基板上に、前記半透光膜が減膜されてなる、前記第1半透光部における前記半透光膜よりも膜厚の小さい半透光膜が形成された、前記第2半透光部と、
    前記透明基板が露出する前記透光部と
    を形成する半透光膜パターニング工程と、を有し、
    前記半透光膜形成工程では、前記遮光膜と同じエッチング剤によってエッチングされる材料で前記半透光膜を形成し、
    前記半透光膜パターニング工程では、実質的に前記半透光膜のみをエッチングする
    ことを特徴とする、フォトマスクの製造方法。
  2. 透明基板上に、半透光膜及び遮光膜がそれぞれパターニングされて得られた、透光部、遮光部、第1半透光部及び第2半透光部を含み、前記第1半透光部と前記第2半透光部の光透過率が互いに異なる転写用パターンを備えるフォトマスクの製造方法において、
    前記透明基板上に前記遮光膜が形成されたフォトマスクブランクを用意する準備工程と、
    前記遮光膜をパターニングする遮光膜パターニング工程と、
    パターニングされた前記遮光膜を含む前記透明基板上に前記半透光膜を形成する半透光膜形成工程と、
    前記半透光膜上にレジスト膜を形成した後、前記レジスト膜を描画及び現像することにより、レジストが除去された開口部、レジストが残存する第1残膜部、及び前記第1残膜部よりもレジストが薄く残存する第2残膜部を有する第1レジストパターンであって、前記開口部が前記透光部の領域に対応し、前記第1残膜部が前記遮光部及び第1半透光部の領域に対応し、前記第2残膜部が前記第2半透光部に対応する第1レジストパターンを形成する第1レジストパターン形成工程と、
    前記第1レジストパターンをマスクとして、前記開口部に露出する前記半透光膜をエッチングする第1エッチング工程と、
    前記第1レジストパターンの膜厚を減少させることにより、前記第2残膜部に対応する領域で前記半透光膜が新たに露出する第2レジストパターンを形成する第2レジストパターン形成工程と、
    前記新たに露出した部分の前記半透光膜をエッチングして、前記半透光膜の膜厚を減少させる第2エッチング工程と、
    を有することを特徴とする、フォトマスクの製造方法。
  3. 前記第1エッチング工程のエッチングレートをR1、前記第2エッチング工程のエッチングレートをR2とするとき、R1>R2の条件を満たすことを特徴とする、請求項2に記載のフォトマスクの製造方法。
  4. 前記半透光膜形成工程では、前記遮光膜と同じエッチング剤によってエッチングされる材料で前記半透光膜を形成することを特徴とする、請求項2又は3に記載のフォトマスクの製造方法。
  5. 前記第1エッチング工程及び第2エッチング工程では、実質的に前記半透光膜のみをエッチングすることを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載のフォトマスクの製造方法。
  6. 第1レジストパターン形成工程に含まれる描画工程は、1回の描画工程のみであることを特徴とする、請求項2〜のいずれかに記載のフォトマスクの製造方法。
  7. 前記遮光膜と前記半透光膜は、同一の金属を含有することを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載のフォトマスクの製造方法。
  8. 前記転写用パターンにおいて、前記第2半透光部と前記遮光部とが隣接することを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載のフォトマスクの製造方法。
  9. 前記転写用パターンにおいて、前記第2半透光部は、前記遮光部に隣接して囲まれることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載のフォトマスクの製造方法。
  10. 前記第1レジストパターン形成工程では、前記第2半透光部となる領域の寸法に対し、アライメントマージンを基にして、前記遮光部側に、寸法を大きくするサイジングを施した描画データを用いて、前記レジスト膜を描画することを特徴とする、請求項8又は9に記載のフォトマスクの製造方法。
  11. 前記遮光膜のエッチング所要時間をT1、前記半透光膜のエッチング所要時間をT2とするとき、T2/T1が1/4〜1/20であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載のフォトマスクの製造方法。
  12. 前記転写用パターンは、表示装置製造用のパターンであることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載のフォトマスクの製造方法。
  13. 透明基板上に、半透光膜及び遮光膜がそれぞれパターニングされて得られた、少なくとも4階調の転写用パターンを備えるフォトマスクであって、
    前記転写用パターンは、
    前記透明基板が露出してなる透光部と、
    前記透明基板上に前記半透光膜によって形成された第1半透光部と、
    前記透明基板上に、前記半透光膜と同じ成分の半透光膜であって、かつ、前記第1半透光部より膜厚が小さい半透光膜によって形成された第2半透光部と、
    前記透明基板上に遮光膜と半透光膜がこの順に積層されてなる遮光部とを有し、
    前記遮光膜と前記半透光膜は、同じエッチング剤によってエッチングされる材料からなる、
    ことを特徴とする、フォトマスク。
  14. 前記遮光部は、前記第2半透光部と隣接する部分を有するとともに、前記第2半透光部と隣接するエッジ部分に、前記第1半透光部より膜厚が薄い半透光膜が積層されていることを特徴とする、請求項13に記載のフォトマスク。
  15. 前記転写用パターンは、前記第1半透光部と前記第2半透光部とが隣接部を有していないことを特徴とする、請求項13又は14記載のフォトマスク。
  16. 前記転写用パターンにおいて、前記第2半透光部は、前記遮光部に隣接して囲まれていることを特徴とする、請求項1315のいずれかに記載のフォトマスク。
  17. 前記転写用パターンにおいて、前記第2半透光部は、前記遮光部に隣接して囲まれるとともに、前記第2半透光部に対して、対向する位置にある前記遮光部の幅をそれぞれW1(μm)、W2(μm)とするときに、前記W1と前記W2の差異が0.1(μm)以下であることを特徴とする、請求項1316のいずれかに記載のフォトマスク。
  18. 前記遮光部は、前記透光部と隣接する部分を有するとともに、前記透光部と隣接するエッジ部分で前記遮光膜の膜厚が一部減少していることを特徴とする、請求項1317のいずれかに記載のフォトマスク。
  19. 前記転写用パターンは、表示装置製造用のパターンであることを特徴とする、請求項13〜18のいずれかに記載のフォトマスク。
  20. 表示装置の製造方法において、露光装置を用いて、請求項1〜12のいずれかに記載の製造方法によるフォトマスク、又は、請求項1319のいずれかに記載のフォトマスクに露光光を照射し、前記フォトマスクが備える転写用パターンを被転写体上に転写する工程を含む、
    ことを特徴とする、表示装置の製造方法。
  21. 前記露光装置を用いて前記フォトマスクに露光光を照射する場合に、i線、h線、およびg線を含む波長域の露光光を適用することを特徴とする、請求項20に記載の表示装置の製造方法。
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