JP6534060B2 - 点灯装置及び照明器具 - Google Patents

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Description

本発明は、LED(Light Emitting Diode)などの固体発光素子に電流を供給する点灯装置及びそれを用いた照明器具に関する。
LEDは、高効率及び長寿命であることから、照明装置などの光源として用いられている。LEDを用いた照明装置においては、一般に、LEDに供給される電流の大きさを調節することによって光出力を調節する調光方式が用いられる。LEDに供給する電流の大きさを調節できる点灯装置として、SEPIC(Single Ended Primary Inductor Converter)回路などの昇降圧型のDC/DCコンバータを用いた点灯装置が提案されている(例えば、特許文献1)。例えば、全波整流回路の出力電圧を昇降圧型のDC/DCコンバータに入力することにより、力率を改善することができ、かつ、調光可能な点灯装置を実現することができる。
特開2012−221700号公報
SEPIC回路などの昇降圧型のDC/DCコンバータにおいては、電流が連続的に出力される連続モード、又は、電流が出力されない期間を有する不連続モードを用いて出力電流の大きさが調節される。
連続モードの一例である電流臨界モードを用いる場合には、昇降圧型のDC/DCコンバータのスイッチング周期を短くすることによって、出力電流を低下させる。しかしながら、DC/DCコンバータを制御する制御回路における遅延時間などのために、当該スイッチング周期を所定の値(例えば、500nsec程度)以下に設定することは困難である。このため、電流臨界モードを用いるDC/DCコンバータでは、出力電流を所定の電流以下に調節することができない。つまり、電流臨界モードでは、調光の幅が狭い。
一方、不連続モードを用いる場合には、電流を出力する期間及び電流を出力しない期間の長さを、それぞれ自由に調節することができるため、電流臨界モードを用いる場合より、DC/DCコンバータの出力電流を小さい値に調節することができる。しかしながら、不連続モードにおいて、電流を出力する期間を連続的に変化させることによって、DC/DCコンバータの出力電流を連続的に調節しようとしても、出力電流の大きさにちらつき及びがたつきが生じるため出力電流を連続的に調節することができない。これは、電流を出力しない期間において、出力電流は自由振動しており、電流の出力が再開される瞬間における当該自由振動の位相に応じて出力電流の大きさが変動するためである。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、調光の幅が広く、かつ、調光過渡期における出力電流のちらつき及びがたつきを抑制することができる点灯装置及びそれを用いた照明器具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る点灯装置の一態様は、交流電源から供給される交流電流を全波整流する全波整流回路と、全波整流回路から全波整流された電流が供給され、かつ、スイッチング素子を備える昇降圧型のDC/DCコンバータと、スイッチング素子をオン及びオフ制御する制御回路とを備える。制御回路は、DC/DCコンバータからの出力電流の実効値を予め定められた閾値以上の値に調節する場合には、スイッチング素子を電流臨界モードで制御する。一方、出力電流の実効値を当該閾値未満の値に調節する場合には、スイッチング素子を不連続モードで制御する。さらに、制御回路は、スイッチング素子の制御モードを電流臨界モードと不連続モードとの間で切り替える際に、出力電流の実効値を連続的に変化させるように、スイッチング素子のスイッチング周波数を不連続的に変化させる。
本発明によれば、調光の幅が広く、かつ、調光過渡期における出力電流のちらつき及びがたつきを抑制することができる点灯装置及びそれを用いた照明器具を提供することができる。
実施の形態に係る点灯装置及びそれを備える照明器具の回路図である。 実施の形態に係るDC/DCコンバータの主要部を抽出した回路図である。 実施の形態に係るDC/DCコンバータの電流臨界モードで制御される場合におけるスイッチング素子に流れる電流の時間波形の概要を示すグラフである。 実施の形態に係るDC/DCコンバータの各素子に流れる電流の時間波形の一例を示すグラフである。 実施の形態に係る点灯装置のスイッチング素子に流れる電流の時間波形の一例を示すグラフである。 実施の形態に係る点灯装置のスイッチング素子に流れる電流の時間波形の他の一例を示すグラフである。 実施の形態に係る点灯装置のスイッチング素子のスイッチング周波数と、出力電流の実効値との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程(ステップ)、工程の順序などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態)
[点灯装置及び照明器具の全体構成]
まず、実施の形態に係る点灯装置及び照明器具の全体構成について、図面を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に係る点灯装置1及びそれを備える照明器具4の回路図である。なお、図1には、点灯装置1に交流電流を供給する交流電源3も併せて示されている。
図1に示されるように、本実施の形態に係る照明器具4は、点灯装置1及びLED2を備える。
LED2は、点灯装置1から電流を供給される固体発光素子である。LED2は、それぞれ、単一のLEDチップから構成されてもよいし、直列又は並列に接続された複数のLEDチップから構成されてもよい。
点灯装置1は、交流電源3に接続されてLED2に電流を供給する装置である。図1に示されるように、点灯装置1は、全波整流回路19、DC/DCコンバータ20及び制御回路10を備える。
交流電源3は、交流電圧を出力する電源であり、例えば100V〜242Vの交流電圧を出力する商業電源などの系統電源である。
全波整流回路19は、交流電源3から供給される交流電流を全波整流する回路である。全波整流回路19は、例えば、ダイオードブリッジから構成される。
DC/DCコンバータ20は、全波整流回路19から全波整流された電流が供給され、かつ、スイッチング素子14を備える昇降圧型のDC/DCコンバータである。DC/DCコンバータ20の出力電流が、LED2に供給される。本実施の形態では、DC/DCコンバータ20は、SEPIC型の構成を有する。図1に示されるように、DC/DCコンバータ20は、スイッチング素子14以外に、第一のインダクタ11、第二のインダクタ12、第一のキャパシタ13、第二のキャパシタ15、ダイオード16、第三のキャパシタ17及び抵抗18を備える。
DC/DCコンバータ20を構成する各素子の接続態様について、図1を参照しながら説明する。図1に示されるように、第一のキャパシタ13は、全波整流回路19の出力端に接続される。第一のインダクタ11及びスイッチング素子14が直列接続された第一の直列回路31は、全波整流回路19の出力端に接続される。第二のキャパシタ15、ダイオード16及び第三のキャパシタ17が直列接続された第二の直列回路32は、スイッチング素子14の両端に接続される。第二のインダクタ12は、第二のキャパシタ15及びダイオード16の接続点に一端が接続され、かつ、スイッチング素子14及び第三のキャパシタ17の接続点に他端が接続される。また、第三のキャパシタ17に出力される電圧がLED2に印加される。また、抵抗18は、第三のキャパシタ17と第二のインダクタ12との接続点に一端が接続され、他端が点灯装置1の低電位側の出力端子に接続される。
スイッチング素子14は、制御回路10から出力される信号に基づいてスイッチングする(すなわちオン及びオフを繰り返す)素子である。本実施の形態ではスイッチング素子14は、nチャネル型のMOSFET(Metal−Oxide Semiconductor Field−Effect Transistor)で構成される。
制御回路10は、DC/DCコンバータ20のスイッチング素子14をオン及びオフ制御する回路である。制御回路10は、例えば、マイクロコンピュータなどで構成される。制御回路10は、入力端子として、端子DS、端子VD、端子ZCD及び端子FBを備える。また、制御回路10は、出力端子として、端子GDを備える。
端子DSは、点灯装置1の外部から調光信号が入力される端子である。端子DSから入力された調光信号に基づいて、制御回路10は、スイッチング素子14の制御を行う。
端子VDは、全波整流回路19から出力される電圧が入力される端子である。端子VDから入力される電圧に応じて、スイッチング素子14を制御することにより、交流電源3の出力電圧が、例えば、100Vから240Vに変更された場合でも、LED2に供給する電流の大きさを一定とすることができる。
端子ZCDは、ダイオード16に流れる電流に対応する信号が入力される端子である。制御回路10は、端子ZCDから入力された信号に基づいて、ダイオード16に流れる電流がゼロになったことを検出する。
端子FBは、LED2に流れる電流に対応する信号が入力される端子である。本実施の形態では、当該信号として、抵抗18に印加される電圧が用いられる。制御回路10は、端子FBから入力された信号に基づいて、LED2に流れる電流の大きさが調光信号に対応した値となるように、スイッチング素子14をフィードバック制御する。
端子GDは、スイッチング素子14に制御信号を出力するための端子である。制御回路10は、スイッチング素子14をオン及びオフ制御するタイミングを調節することにより、点灯装置1からの出力電流を調節する。
[点灯装置の基本動作]
続いて、点灯装置1の基本動作について図面を用いて説明する。
図2は、本実施の形態に係るDC/DCコンバータ20の主要部を抽出した回路図である。
図3は、本実施の形態に係るDC/DCコンバータ20が電流臨界モードで制御される場合におけるスイッチング素子14に流れる電流I14の時間波形の概要を示すグラフである。なお、図3には、ダイオード16に流れる電流I16も併せて破線で示されている。
なお、図2に示される回路において、入力電圧、入力電流、出力電圧及び出力電流をそれぞれV1、I1、V2及びI2と示す。以下、電流臨界モードで制御される場合のDC/DCコンバータ20の動作の概要を説明する。
DC/DCコンバータ20が、電流臨界モードで制御される場合、スイッチング素子14に流れる電流I14は、図3に示される実線の波形のように時間変化する。なお、図3に示される点線は、入力電圧V1の時間波形の概形を示し、図3に示されるように正弦波状となる。電流臨界モードにおける動作を具体的に説明すると、スイッチング素子14がオン状態の場合には、第一のインダクタ11及び第二のキャパシタ15から、スイッチング素子14に電流が流れることにより、スイッチング素子14に流れる電流I14は、増加する。なお、スイッチング素子14がオン状態の場合には、ダイオード16に逆バイアスが印加され、ダイオード16には電流が流れない。ただし、この場合にも第三のキャパシタ17が放電することにより、DC/DCコンバータ20からは電流が出力される。
一方、所定のオン時間Tonが経過した後、スイッチング素子14がオフ状態に切り替えられた場合には、第一のインダクタ11及び第二のインダクタ12は電流を出力することによって、スイッチング素子14がオン状態の間に蓄えたエネルギーを放出する。これにより、第二のインダクタ12からダイオード16に電流が流れる。ダイオード16に流れる電流I16は、図3に破線で示されるような時間波形で変化し、第二のインダクタ12に蓄えられたエネルギーが減少するに伴って減少する。そして、ダイオード16に流れる電流I16がゼロになったことを制御回路10が検知すると、制御回路10は、スイッチング素子14をオン状態にする信号を出力する。なお、スイッチング素子14がオフ状態の場合には、DC/DCコンバータ20からは、ダイオード16に流れる電流を平滑化した電流が出力される。
制御回路10は、電流臨界モードにおいては、以上のようにスイッチング素子14をオン及びオフ制御する動作を繰り返す。これにより、スイッチング素子14及びダイオード16にそれぞれ流れる電流I14及びI16の電流波形は、図3に示されるように鋸波状となる。
次に、DC/DCコンバータ20が電流臨界モード及び不連続モードで制御される各場合の動作について、図面を用いて詳細に説明する。
図4は、本実施の形態に係るDC/DCコンバータ20の各素子に流れる電流の時間波形の一例を示すグラフである。図4において、第一のインダクタ11、第二のインダクタ12及びスイッチング素子14にそれぞれ流れる電流I11、I12及びI14が示されている。また、図4には、ダイオード16に流れる電流I16も併せて破線で示されている。また、図4には、第一のインダクタ11及び第二のインダクタ12に流れる電流の実効値が一点鎖線で示されている。なお、図4においては、DC/DCコンバータ20が不連続モードで制御される場合の時間波形例が示されている。
DC/DCコンバータ20が、いずれのモードで制御される場合も、スイッチング素子14がオン状態である場合には、図4に示されるように、第一のインダクタ11及び第二のインダクタ12にそれぞれ流れる電流I11及びI12が増加する。この間、スイッチング素子14には、電流I11及びI12の和に相当する電流I14が流れる。
スイッチング素子14は、オン時間Tonに亘ってオン状態に維持された後、制御回路10によってオフ状態に切り替えられる。スイッチング素子14がオフ状態の場合には、各インダクタは、電流を出力することによって、スイッチング素子14がオン状態のときに蓄えたエネルギーを放出する。この間、電流I11及びI12は、それぞれ、ピーク電流値Ip1及びIp2から減少する。また、第二のインダクタ12から出力された電流はダイオード16に流れるため、ダイオード16に流れる電流I16も、第二のインダクタ12に流れる電流と同様に減少する(図4に示される破線の時間波形参照)。
ここで、DC/DCコンバータ20が電流臨界モードで制御される場合には、上述のとおり、ダイオード16に流れる電流I16がゼロになったことを制御回路10が検知すると、制御回路10はスイッチング素子14をオン状態にする信号を出力する。以後、同様に、DC/DCコンバータ20は、上述のオン状態及びオフ状態における動作を繰り返す。すなわち、スイッチング素子14がオフ状態に切り替えられた時点から、電流I16がゼロになるまでに要する時間をToff1とすると、電流臨界モードにおけるスイッチング周期T1は、オン時間Tonとオフ時間Toff1との和となる。
一方、DC/DCコンバータ20が不連続モードで制御される場合には、ダイオード16に流れる電流I16がゼロになった後も、所定の時間Toff2が経過するまで、制御回路10はスイッチング素子14をオフ状態に維持する。電流I16がゼロとなった後には、第一のインダクタ11及び第二のインダクタ12にそれぞれ流れる電流I11及びI12の大きさは、それぞれ所定の値(図4に示される例ではIb及び−Ib)を中心として振動する。なお、図4には、電流の振動の様子は図示されていない。以上のように、不連続モードにおいては、スイッチング素子14がオフ状態に切り替えられた時点から、電流I16がゼロになるまでに要する時間Toff1より、スイッチング素子14のオフ時間Toff(=Toff1+Toff2)の方が長い。また、不連続モードにおけるスイッチング周期Tは、オン時間Tonとオフ時間Toffとの和となる。
続いて、DC/DCコンバータ20の各素子に流れる電流値などについて詳細に説明する。図4に示される例では、スイッチング素子14がオン状態である場合に、第一のインダクタ11に流れる電流I11は、電流値Ibから電流値Ip1まで増加する。また、電流I11の増加量Ipp1(=Ip1−Ib)は、下式1で表される。
Figure 0006534060
ここで、L1は第一のインダクタ11のインダクタンスを、Tonはスイッチング素子14のオン時間を、Toff1は、スイッチング素子14がオフ状態に切り替えられた時点からダイオード16に流れる電流がゼロになるまでに要する時間を、それぞれ示す。
また、同様に、スイッチング素子14がオン状態である場合に、第二のインダクタ12に流れる電流I12は、電流値−Ibから電流値Ip2まで増加する。ここで、電流I12の増加量Ipp2(=Ip2+Ib)は、下式2で表される。
Figure 0006534060
ここで、L2は第二のインダクタ12のインダクタンスを示す。また、上述のとおり、スイッチング素子14に流れる電流I14は、第一のインダクタ11及び第二のインダクタ12にそれぞれ流れる電流の和と等しくなる。したがって、スイッチング素子14に流れる電流I14の最大値は、Ipp1+Ipp2と表すことができる。
[点灯装置の制御モード切替動作]
続いて、本実施の形態に係る点灯装置1の制御モード切替動作について説明する。本実施の形態では、制御回路10は、DC/DCコンバータ20からの出力電流の実効値Ioeffを予め定められた閾値Ith以上の値に調節する場合には、スイッチング素子14を電流臨界モードで制御する。一方、出力電流の実効値Ioeffを閾値Ith未満の値に調節する場合には、制御回路10は、スイッチング素子14を不連続モードで制御する。さらに、スイッチング素子14の制御モードを電流臨界モードと不連続モードとの間で切り替える際に、出力電流の実効値Ioeffを連続的に変化させるように、スイッチング素子14のスイッチング周波数fを不連続的に変化させる。以下、上記制御モード切替動作について図面を用いて説明する。
図5は、本実施の形態に係る点灯装置1のスイッチング素子14に流れる電流I14の時間波形の一例を示すグラフである。図5には、ダイオード16に流れる電流I16も併せて破線で示されている。なお、図5には、点灯装置1の出力電流の実効値Ioeffが一点鎖線で示される。図5に示される当該出力電流の実効値Ioeffからも分かるように、図5の(a)〜(d1)は、それぞれ異なる出力電流(すなわち調光度)となるように点灯装置1を動作させる場合の電流波形が示される。また、図5の(a)の場合から(d1)の場合にかけて順に出力電流が小さくなる(すなわち、調光度が深くなる)。
本実施の形態に係る点灯装置1において、出力電流の実効値Ioeffが閾値Ith以上である場合には、図5の(a)及び(b)に示されるように、制御回路10は、DC/DCコンバータ20のスイッチング素子14を、電流臨界モードで制御する。電流臨界モードでは、制御回路10は、スイッチング素子14のオン時間Tonを調節することにより、出力電流を調節する。
一方、本実施の形態に係る点灯装置1において、出力電流の実効値Ioeffが閾値Ith未満である場合には、図5の(c)及び(d1)に示されるように、制御回路10は、DC/DCコンバータ20のスイッチング素子14を、不連続モードで制御する。図5に示す例においては、制御回路10は、不連続モードとなるようにされたスイッチング周期を一定値(Tc)に維持しながら、スイッチング素子14のオン時間Tonを調節することにより、出力電流の実効値Ioeffを調節する。
なお、不連続モードにおける出力電流の調節方法は、これに限定されない。不連続モードにおける出力電流の他の調整方法について、図面を用いて説明する。
図6は、本実施の形態に係る点灯装置1のスイッチング素子14に流れる電流I14の時間波形の他の一例を示すグラフである。図6には、図5と同様にダイオード16に流れる電流I16が破線で、点灯装置1の出力電流の実効値Ioeffが一点鎖線で、それぞれ示される。図6に示される当該出力電流の実効値Ioeffからも分かるように、図6の(c)及び(d2)には、それぞれ異なる出力電流(すなわち調光度)となるように点灯装置1を動作させる場合の電流波形が示される。また、図6の(c)の場合より(d2)の場合の方が出力電流は小さくなる(すなわち、調光度は深くなる)。
図6に示される例では、制御回路10は、スイッチング素子14のオン時間Tonを一定として、スイッチング周期を調節することにより出力電流の実効値Ioeffを調節する。図6の(d)に示される例では、制御回路10は、スイッチング周期を(c)の場合のスイッチング周期Tcより長いスイッチング周期Td2にすることによって、出力電流の実効値Ioeffを(c)の場合より減少させている。
なお、制御回路10の不連続モードにおける出力電流制御方法は、上述の方法に限定されない。例えば、制御回路10は、スイッチング周期及びオン時間Tonの両方を調節することによって、出力電流の実効値を調節してもよい。
次に、点灯装置1の制御モード切替時の動作について図面を用いて説明する。
図7は、本実施の形態に係る点灯装置1のスイッチング素子14のスイッチング周波数fと、出力電流の実効値Ioeffとの関係を示すグラフである。なお、図7には、人の可聴域(20Hz〜20kHz程度)、及び、リモコンなどに用いられる赤外線通信帯域(35kHz〜40kHz程度)も併せて示される。
まず、点灯装置1が出力電流の実効値Ioeffを最大値から閾値Ithまで減少させる場合について説明する。図7の点Aから点Bまでの直線で示されるように、点灯装置1の制御回路10は、電流臨界モードでスイッチング素子14を制御しながら、スイッチング周波数fを大きくすることによって、出力電流の実効値Ioeffを減少させる。以上のように、点灯装置1は、出力電流の実効値Ioeffが閾値Ith以上の場合には、電流臨界モードで、スイッチング素子14を制御するため、調光過渡期における出力電流のがたつき及びちらつきを抑制することができる。
続いて点灯装置1が出力電流の実効値Ioeffを、閾値Ithから閾値Ith未満に減少させる場合について説明する。上述のとおり、制御回路10は、制御モードを電流臨界モードから不連続モードに切り替える。ここで、制御モードを電流臨界モードと不連続モードとの間で切り替える際に、図7の点B及び点Cで示されるように、出力電流の実効値を連続的に変化させるように、スイッチング素子14のスイッチング周波数を不連続的に変化させる。これにより、図7の点Bから点Cへの調光度を変化させる調光過渡期においても、点灯装置1の出力電流の実効値Ioeffは連続的に変化する。
点灯装置1が出力電流の実効値Ioeffを閾値Ith未満で変化させる場合には、例えば、図7の点Cから点D1までの直線で示されるように、スイッチング周波数fを一定として、オン時間Tonを短くすることにより、出力電流を減少させる(図5の(c)及び(d1)について上述した事項を参照されたい)。また、図7の点Cから点D2までの破線で示されるように、オン時間Tonを一定として、スイッチング周波数fを大きくすることにより、出力電流を減少させてもよい(図6について上述した事項を参照されたい)。以上のように、点灯装置1の出力電流の実効値Ioeffを閾値Ith未満で変化させる場合に、DC/DCコンバータ20を不連続モードで制御することで、電流臨界モードで制御する場合より、深い調光が可能となる。
ここで、出力電流の実効値を連続的に変化させるように、スイッチング周波数を不連続的に変化させる方法について説明する。電流臨界モードにおいては、点灯装置1の出力電流の実効値Ioeff1は、下式3で表される。
Figure 0006534060
ここで、上記式3におけるVac及びLcは、それぞれ、交流電源3の実効電圧値、及び、第一のインダクタ11及び第二のインダクタ12の合成インダクタンスを示す。なお、合成インダクタンスLcは、下式4で表される。
Figure 0006534060
またAは、下式5で表される。
Figure 0006534060
ここで、Voeffは、点灯装置1の出力電圧の実効値を示す。
一方、不連続モードにおいては、点灯装置1の出力電流の実効値Ioeff2は、下式6で表される。
Figure 0006534060
ここで、ηはDC/DCコンバータ20の回路効率(出力電力/入力電力)を示す。
上記式3〜6から、制御モードを電流臨界モード及び不連続モードの間で切り替える場合のパラメータ(オン時間Ton及びスイッチング周期T)を求めることができる。例えば、電流臨界モードから不連続モードに切り替える場合には、当該切り替え時の出力電流の実効値Ioeff2を式6に代入し、式6が成立するようにオン時間Ton及びスイッチング周期Tを定めることができる。オン時間Tonによって、スイッチング素子14に流れる電流のピーク値が定められるため、例えば、スイッチング素子14の耐電流特性に基づいて、オン時間Tonを定めて、当該オン時間Tonに対応するスイッチング周期Tを式6から定めることができる。また、オン時間Tonを電流臨界モードで使用されるオン時間Tonの最大値以下とすることにより、スイッチング素子14に要求される耐電流特性を抑制することができる。すなわち、スイッチング素子14に要求される耐電流特性を、電流臨界モードだけで制御されるSEPIC型のDC/DCコンバータで使用されるスイッチング素子の耐電流特性と同程度とすることができる。
また逆に、不連続モードから電流臨界モードに切り替える場合には、当該切り替え時の出力電流の実効値Ioeff1を式3に代入することにより、オン時間Tonを定めることができる。
また、スイッチング周波数fの帯域は、図7に示すように赤外線通信帯域に近い。スイッチング周波数fが赤外線通信帯域にある場合、点灯装置1は、リモコンなどで使用される赤外線通信に悪影響を与えるノイズを発生するおそれがある。そのため、図7に示されるように、制御回路10は、出力電流の実効値Ioeffが閾値Ith以上の場合には、スイッチング周波数fを赤外線通信帯域より大きい周波数に設定する。一方、制御回路10は、出力電流の実効値Ioeffが閾値Ith未満の場合には、スイッチング周波数fを赤外線通信帯域未満の周波数に設定する。
また、スイッチング周波数fは可聴域にも近い。スイッチング周波数fが可聴域にある場合、点灯装置1の音鳴りが生じるため、図7に示されるように、制御回路10は、スイッチング周波数fを可聴域より大きい周波数に設定する。
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る点灯装置1は、全波整流回路19と、全波整流回路19から全波整流された電流が供給され、かつ、スイッチング素子14を備える昇降圧型のDC/DCコンバータ20と、制御回路10とを備える。制御回路10は、DC/DCコンバータ20からの出力電流の実効値Ioeffを予め定められた閾値Ith以上の値に調節する場合には、スイッチング素子14を電流臨界モードで制御する。一方、出力電流の実効値Ioeffを閾値Ith未満の値に調節する場合には、スイッチング素子14を不連続モードで制御する。さらに、制御回路10は、スイッチング素子14の制御モードを電流臨界モードと不連続モードとの間で切り替える際に、出力電流の実効値Ioeffを連続的に変化させるように、スイッチング素子14のスイッチング周波数を不連続的に変化させる。
これにより、点灯装置1において、制御回路10は出力電流の実効値Ioeffが閾値Ith未満の場合には、不連続モードでスイッチング素子14を制御するため、深い調光を実現できる。すなわち、点灯装置1においては調光の幅を広くすることができる。また、点灯装置1において、出力電流の実効値Ioeffが閾値Ith以上の場合には、制御回路10は電流臨界モードでスイッチング素子14を制御するため、調光過渡期における出力電流のちらつき及びがたつきを抑制することができる。
また、本実施の形態に係る点灯装置1において、DC/DCコンバータ20は、第一のキャパシタ13と、第二のキャパシタ15と、第三のキャパシタ17と、第一のインダクタ11と、第二のインダクタ12と、ダイオード16とをさらに備える。第一のキャパシタ13は、全波整流回路19の出力端に接続される。第一のインダクタ11及びスイッチング素子14が直列接続された第一の直列回路31は、全波整流回路19の出力端に接続される。第二のキャパシタ15、ダイオード16及び第三のキャパシタ17が直列接続された第二の直列回路32は、スイッチング素子14の両端に接続される。第二のインダクタ12は、第二のキャパシタ15及びダイオード16の接続点に一端が接続され、かつ、スイッチング素子14及び第三のキャパシタ17の接続点に他端が接続される。また、第三のキャパシタ17に出力される電圧がLED2に印加される。
また、本実施の形態に係る点灯装置1において、制御回路10は、出力電流の実効値Ioeffが閾値Ith以上の場合には、スイッチング周波数fを赤外線通信帯域より大きい周波数に設定してもよい。また、制御回路10は、出力電流の実効値Ioeffが閾値Ith未満の場合には、スイッチング周波数fを赤外線通信帯域未満の周波数に設定してもよい。
これにより、点灯装置1から発生するノイズによる赤外線通信に対する悪影響を抑制することができる。
また、本実施の形態に係る点灯装置1において、制御回路10は、スイッチング周波数fを可聴域より大きい周波数に設定してもよい。
これにより、点灯装置1が音鳴りすることを抑制することができる。
(変形例など)
以上、本発明に係る点灯装置及び照明器具について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態においては、昇降圧型のDC/DCコンバータとして、SEPIC型のDC/DCコンバータを用いたが、これに限定されない。例えば、フライバック型のDC/DCコンバータを用いてもよい。
また、上記実施の形態においては、LED2に流れる電流に対応する信号に基づいて、スイッチング素子14のオン時間Tonなどを制御する構成を用いたが、スイッチング素子14のオン時間などの制御方法はこれに限定されない。例えば、上記式1及び式2などから理解されるように、点灯装置1の出力電流は、DC/DCコンバータ20への入力電圧に依存することから、当該入力電圧の検出値に基づいて、スイッチング素子14のオン時間などを制御してもよい。
また、上記各実施の形態においては、固体発光素子として、LED2を用いたが、有機EL(Electro−Luminescence)素子を用いてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
1 点灯装置
2 LED(固体発光素子)
3 交流電源
4 照明器具
10 制御回路
11 第一のインダクタ
12 第二のインダクタ
13 第一のキャパシタ
14 スイッチング素子
15 第二のキャパシタ
16 ダイオード
17 第三のキャパシタ
19 全波整流回路
20 DC/DCコンバータ
31 第一の直列回路
32 第二の直列回路

Claims (5)

  1. 交流電源に接続されて固体発光素子に電流を供給する点灯装置であって、
    前記交流電源から供給される交流電流を全波整流する全波整流回路と、
    前記全波整流回路から全波整流された電流が供給され、かつ、スイッチング素子を備える昇降圧型のDC/DCコンバータと、
    前記スイッチング素子をオン及びオフ制御する制御回路とを備え、
    前記制御回路は、前記DC/DCコンバータからの出力電流の実効値を予め定められた閾値以上の値に調節する場合には、前記スイッチング素子を電流臨界モードで制御し、前記出力電流の実効値を前記閾値未満の値に調節する場合には、前記スイッチング素子を不連続モードで制御し、かつ、前記スイッチング素子の制御モードを前記電流臨界モードと前記不連続モードとの間で切り替える際に、前記出力電流の実効値を連続的に変化させるように、前記スイッチング素子のスイッチング周波数を不連続的に変化させる
    点灯装置。
  2. 前記DC/DCコンバータは、
    第一のキャパシタと、第二のキャパシタと、第三のキャパシタと、第一のインダクタと、第二のインダクタと、ダイオードとをさらに備え、
    前記第一のキャパシタは、前記全波整流回路の出力端に接続され、
    前記第一のインダクタ及び前記スイッチング素子が直列接続された第一の直列回路は、前記全波整流回路の出力端に接続され、
    前記第二のキャパシタ、前記ダイオード及び前記第三のキャパシタが直列接続された第二の直列回路は、前記スイッチング素子の両端に接続され、
    前記第二のインダクタは、前記第二のキャパシタ及び前記ダイオードの接続点に一端が接続され、かつ、前記スイッチング素子及び前記第三のキャパシタの接続点に他端が接続され、
    前記第三のキャパシタに出力される電圧が前記固体発光素子に印加される
    請求項1に記載の点灯装置。
  3. 前記制御回路は、
    前記出力電流の実効値が前記閾値以上の場合には、前記スイッチング周波数を赤外線通信帯域より大きい周波数に設定し、
    前記出力電流の実効値が前記閾値未満の場合には、前記スイッチング周波数を赤外線通信帯域未満の周波数に設定する
    請求項1又は2に記載の点灯装置。
  4. 前記制御回路は、前記スイッチング周波数を可聴域より大きい周波数に設定する
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の点灯装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の点灯装置と、
    前記固体発光素子とを備える
    照明器具。
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