JP6330364B2 - 増幅回路の保護回路 - Google Patents
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Description
このため、トランジスタに流れる電流が所定値よりも大きくなるまでに、上記低抵抗の線材で短絡した場合と比較して時間がかかることになり、結果として、当該トランジスタの破壊を招く可能性が指摘されている。
なお、第1トランジスタに流れる電流が前記参照信号で規定される電流以上であることについては、例えば、出力端子の電圧が参照信号の電流に対応する電圧以上であるか否かによって検出することができる。
前記参照信号出力回路は、前記入力信号の電圧が前記閾値電圧未満の状態から前記閾値電圧以上の状態に遷移したとき、前記所定時間よりも短い時間で、前記参照信号で規定する電流を、前記第2電流から前記第1電流に変化させても良い。
この図の例は、入力信号Vinを増幅してスピーカ30に出力、すなわち放音させる構成を示しており、増幅回路10と、保護回路20とを含む。増幅回路10は、いわゆるD級増幅回路であり、アナログの入力信号Vinを入力端子Inに入力して、スイッチング信号を出力端子Outから出力する。
増幅回路10は、パルス変調回路112と、駆動回路114と、トランジスタ121、122とを含む。パルス変調回路112は、入力信号Vinのレベル(電圧)に応じて例えばパルス幅変調する。なお、パルス幅変調に限られず、パルス密度変調であっても良い。
このため、トランジスタ121が高電位側に対応する信号を出力端子Outに出力する第1トランジスタとなり、トランジスタ122が低電位側に対応する信号を出力端子Outに出力する第2トランジスタとなる。
なお、この説明において特に説明のない限り、グランドGndを電圧ゼロの基準とする。
この構成により、出力端子Outから出力されるスイッチング信号がLPFでアナログ信号に変換されて、スピーカ30から出力されることになる。
本実施形態では、過電流によるトランジスタの破壊を防止するために保護回路20が設けられている。
参照信号出力回路210は、コンパレータ212、スイッチ216、218、抵抗素子R1〜R5を含み、検出回路220は、コンパレータ223、224、AND回路226、OR回路228を含む。コンパレータ212、223、224のそれぞれは、負入力端(−)および正入力端(+)を有し、負入力端(−)に供給された電圧が正入力端(+)に供給された電圧未満である場合、Hレベルを出力し、負入力端(−)に供給された電圧が正入力端(+)に供給された電圧以上である場合、Lレベルを出力する。
参照信号出力回路210では、抵抗素子R2、R3の接続点の電圧が参照信号Ref-Hとして出力され、抵抗素子R3、R4の接続点の電圧が参照信号Ref-Lとして出力される。
Vdd・(R3+R4+R5)/(R1+R2+R3+R4+R5)
となる。
また、参照信号Ref-Lの電圧は、入力信号Vinが閾値電圧Vth以上である場合、
Vdd・(R4+R5)/(R1+R2+R3+R4+R5)
となる。
図2の(a)は、入力信号Vinが閾値電圧Vth以上である場合における参照信号Ref-H、Ref-Lの電圧関係を示す図である。なお、この図は、説明のために抵抗値R1〜R5を互いに等しい場合を想定した電圧関係を示しているが、実際には後述するように、正常動作時に誤検出しないように、かつ、トランジスタに許容される最大の電流に対してマージンを持つような値に別々に設定されることが多い。
Vdd・(R3+R4)/(R2+R3+R4)
となって、入力信号Vinが閾値電圧Vth以上である場合よりも高くなる。
また、参照信号Ref-Lの電圧は、入力信号Vinが閾値電圧Vth未満である場合、
Vdd・(R4)/(R2+R3+R4)
となって、入力信号Vinが閾値電圧Vth以上である場合よりも低くなる。
図2の(b)は、入力信号Vinが閾値電圧Vth未満である場合における参照信号Ref-H、Ref-Lの電圧関係を示す図である。
AND回路226は、コンパレータ223、224の出力信号同士の論理積信号を出力し、OR回路228は、AND回路226による論理積信号とミュート信号(Mute)との論理和信号を、駆動回路114のミュート端子に供給する。なお、ここでいうミュート信号とは、スピーカ30への出力の遮断をHレベルで指示するための信号であり、外部から供給される。
このため、保護回路20において、
(1)出力端子Outが参照信号Ref-Hの電圧未満であって、かつ、参照信号Ref-Lの電圧以上である場合、または、
(2)ミュート信号(Mute)がHレベルである場合、
であれば、OR回路228の出力信号がHレベルとなって、増幅回路10においてトランジスタ121、122をそれぞれ強制的にオフさせる構成となっている。
出力端子Outが地絡した場合にトランジスタ121がオンするとき、電流は、電源電圧Vddの給電線→トランジスタ121→出力端子Out→グランドGndという経路で流れる。このときの地絡が、インダクタンスの小さな線材を介して発生しているのであれば、図3(a)に示されるように、当該電流は時間経過に対して比較的急激に上昇する。
出力端子Outの電圧は、正常の駆動では、電源電圧VddまたはグランドGndのいずれかである。このため、トランジスタ121に流れる電流が、閾値電流Ith以上であることの検出にあたって、出力端子Outの電圧がグランドGndである場合を排除するために、参照信号Ref-Hの電圧未満であることに加えて、参照信号Ref-Lの電圧以上であることを条件としている。なお、参照信号Ref-Hの電圧は、トランジスタ121に流れる電流を判別する際に用いる閾値電流Ithを規定することなる。
なお、正常の駆動では、出力端子Outの電圧は、電源電圧VddまたはグランドGndのいずれかであるので、この切り替わりの際に、当該出力端子Outの電圧が、参照信号Ref-Hの電圧未満であって参照信号Ref-Lの電圧以上の範囲内に、短い時間ではあるが入り込む余地がある。このため、コンパレータ223、224は、比較結果が一定時間以上充足した場合に限り、Hレベルの信号を出力するように、入出力特性が調整されている。
逆にいえば、保護回路20でトランジスタの破壊を防止する観点でいえば、出力端子Outの電圧が低い状態が重要となる。
なお、参照信号Ref-Hは、入力信号Vinが閾値電圧Vth以上の第1電圧であれば、閾値電流Ithとして比較的大きな第1電流を規定し、入力信号Vinが閾値電圧Vth未満の第2電圧であれば、閾値電流Ithとして比較的小さな第2電流を規定する、という関係にある。
図4は、第2実施形態に係る保護回路を含むシステムを示す図である。
第2実施形態では、保護回路20において、コンパレータ212の比較結果である信号Vcmpが遅延ブロック214に入力されるとともに、この遅延ブロック214から出力される信号Boutによってスイッチ216、218がオンオフされる構成となっている。
この図に示されるように、信号VcmpがLレベルからHレベルに変化した場合、すなわち入力信号Vinが閾値電圧Vth未満になった場合、当該変化時点から時間Tdaが経過した時点で信号BoutがLレベルからHレベルに変化する。すなわち、遅延ブロック214は、信号Vcmpの立ち上がりに対しては、時間Tdaだけ遅延させて出力する。
これにより、入力信号Vinの電圧が徐々に低下して、閾値電圧Vth未満となっても直ちにスイッチ216、218がオンせずに、当該未満の状態が時間Tdaだけ継続したときに、スイッチ216、218がオンして、閾値電流Ithが引き下げられる。このため、入力信号Vinの電圧が、低下傾向にあって閾値電圧Vth近傍で振れるような場合、閾値電圧Vth未満となる状態が時間Tdaだけ継続しないと、閾値電流Ithが切り替わらない。したがって、閾値電流Ithの切り替えが抑えられて、誤検出が防止されることになる。
なお、信号VcmpがLレベルからHレベルに変化しても、当該変化時点から時間Tdaよりも短い時間Tdcが経過した時点で再びLレベルになる場合、信号BoutはHレベルに変化せずにLレベルに維持される。
これにより、入力信号Vinが徐々に上昇して、閾値電圧Vth以上になれば、直ちに信号BoutがLレベルとなり、スイッチ216、218がオフして、閾値電流Ithが引き上げられる。
入力信号Vinの電圧が高い状態では、高電位側のトランジスタ121がオンする時間の比率が大きい、すなわちオンしている可能性が高い。このため、入力信号Vinの電圧が高い状態では、正常時(短絡が発生していない状態)であっても、トランジスタ121には、比較的大きな電流が瞬時的に流れる状況にある。この状況において、閾値電流Ithが引き下げられた状態であると、正常であるにもかかわらず、誤検出してしまう可能性が高くなる。第2実施形態では、入力信号Vinの電圧が閾値電圧Vth以上になれば、直ちに閾値電流Ithが引き上げられるので、このような誤検出が防止されることになる。
図6は、その構成の一例を示す図である。
この図の例では、LPFの出力信号が、増幅回路10におけるパルス変調回路112にフィードバックされる。パルス変調回路112は、大振幅であるLPFの出力信号を「1」よりも小さい係数を乗じて、入力信号Vinの小振幅に合わせる。この後、パルス変調回路112は、例えば、小振幅に変換されたフィードバック信号から入力信号を減算し、駆動回路114は、当該減算結果が正であれば、トランジスタ121をオフさせ(トランジスタ122をオンさせ)、当該減算結果が負であれば、トランジスタ121をオンさせ(トランジスタ122をオフさせ)るように制御する構成としても良い。換言すれば、駆動回路114は、入力信号Vinのみならず、出力された信号をも考慮して、トランジスタ121、122を駆動する構成でも良い。
なお、図6に示したようなフィードバックを用いる構成において、図4で示した遅延ブロック214を設けても良い。
Claims (4)
- 高電位側に対応する信号を出力端子に出力する第1トランジスタと、
低電位側に対応する信号を前記出力端子に出力する第2トランジスタと、
入力信号に基づいて前記第1トランジスタまたは前記第2トランジスタの一方をオンに、他方をオフに駆動する駆動回路と、
を有する増幅回路の保護回路であって、
前記入力信号が、閾値電圧以上であれば、第1電流を規定する参照信号を出力し、前記閾値電圧未満であれば、前記第1電流よりも小さい第2電流を規定する参照信号を出力する参照信号出力回路と、
前記第1トランジスタに流れる電流が前記参照信号で規定される電流以上であるか否かを検出する検出回路と、
を具備し、
前記検出回路によって、前記参照信号で規定される電流以上であると検出された場合、前記駆動回路は、前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタの駆動を停止させる
ことを特徴とする増幅回路の保護回路。 - 前記参照信号出力回路は、
前記入力信号の電圧と前記閾値電圧とを比較する比較回路を有し、
前記比較回路によって、前記入力信号の電圧が前記閾値電圧以上である場合、前記参照信号で前記第1電流を規定し、
前記入力信号の電圧が前記閾値電圧未満である場合、前記参照信号で前記第2電流を規定する
ことを特徴とする請求項1に記載の増幅回路の保護回路。 - 前記参照信号出力回路は、
前記入力信号の電圧が前記閾値電圧未満の状態が所定時間継続したとき、前記参照信号で規定する電流を、前記第1電流から前記第2電流に変化させる
ことを特徴とする請求項2に記載の増幅回路の保護回路。 - 前記参照信号出力回路は、
前記入力信号の電圧が前記閾値電圧未満の状態から前記閾値電圧以上の状態に遷移したとき、前記所定時間よりも短い時間で、前記参照信号で規定する電流を、前記第2電流から前記第1電流に変化させる
ことを特徴とする請求項3に記載の増幅回路の保護回路。
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