<第1実施形態>
図1乃至図6に基づいて、本発明の第1実施形態に係る用紙加工装置を説明する。
[全体構成]
図1は、用紙加工装置を模式的に示す縦断面図である。用紙加工装置1は、装置本体10の両端に給紙手段11と、排紙台12とを備えている。給紙手段11は、給紙台111と、給紙台111に積載された用紙Sを上から一枚ずつ分離して搬送する吸引搬送ベルト112とを備えている。給紙手段11から排紙台12へは、吸引搬送ベルト112により搬送される用紙Sを受け取って排紙台12まで搬送する複数個の搬送ローラ20からなる搬送手段2によって用紙搬送路21が構成されている。搬送手段2は、用紙Sを、矢印X1方向に搬送するようになっている。説明の都合上、矢印X1が示す用紙搬送方向において、給紙手段11側を「上流側」とし、排紙台12側を「下流側」として説明する。また、装置全体を用紙搬送方向X1に見た時の上下左右を、装置及び各部品の上下左右として説明する。用紙搬送路21上には、上流側から、用紙搬送路21上の用紙の先端を検出する用紙前端センサ30と、用紙S上に形成されたレジストレーションマークやバーコードを読み取るCCDセンサ31と、用紙Sに対して所定の加工を行う用紙加工部4とが設けられている。用紙加工部4は、スリット加工部として、搬送される用紙を用紙搬送方向X1に沿って裁断するスリット加工ユニット40を備えている。更に、用紙搬送路21上には、用紙加工部4において裁断加工された用紙Sのうち不要な裁ち屑SWを排除する裁ち屑排除手段5と、裁ち屑排除手段5の下流側において、裁ち屑排除手段5により裁ち屑SWが排除され、用紙搬送路21上に残り継続して搬送される用紙Sの検出を行う用紙検出部9とが設けられている。
また、用紙加工装置1は、装置全体の作動を制御する制御部6を装置本体10内に備えており、制御部6に電気的に接続され、用紙Sの加工条件を入力する操作パネル70を有する入力部7を装置本体10の表面に備えている。更に、用紙加工装置1は、用紙搬送路21上から排除された裁ち屑SWを回収するごみ箱13を、装置本体10の底部に備えている。
[用紙加工部]
用紙加工部4のスリット加工ユニット40について、説明する。図2は、スリット加工ユニットの要部の斜視図である。
スリット加工ユニット40は、裁断刃801と、裁断刃801を保持するホルダ802とを有する裁断機80を備えている。ホルダ802は、上回転刃801Aを保持する上ホルダ802Aと下回転刃801Bを保持する下ホルダ802Bとからなり、裁断機80は、上ホルダ802Aと下ホルダ802Bとを、用紙搬送路21を挟んで対向するように配置している。上回転刃801Aと下回転刃801Bとは、互いの用紙幅方向側面の一部を擦り合わせるようにホルダ802に保持されていることにより、用紙Sを裁断することができる。
スリット加工ユニット40は、装置本体10の図示しない左右のフレーム間に渡設される、ねじ軸401とガイド軸402と駆動軸403とを備えている。駆動軸403は、装置本体10に設けられた、図示しない駆動手段により回転可能に設けられ、上回転刃801Aは、上ホルダ802Aを貫通する駆動軸403に、下回転刃801Bは、下ホルダ802Bを貫通する駆動軸403に、それぞれの駆動軸403と共に回転するように、設けられている。なお、上回転刃801Aおよび下回転刃801Bは、ともに駆動回転するように構成したが、何れか一方を駆動回転し、他方を従動回転するように構成してもよい。
上ホルダ802Aおよび下ホルダ802Bには、それぞれガイド孔803が設けられており、各ガイド孔803には、ガイド軸402が挿通している。
上ホルダ802Aの上面および下ホルダ802Bの下面には、それぞれナット部804が設けられている。ホルダ802の各ナット部804には、ねじ軸401が螺合している。各ねじ軸401のうち何れか一方のねじ軸401は、装置本体10に設けられた、図示しない駆動手段により回転可能に設けられ、該駆動手段と、各ねじ軸401と、各ガイド軸402とによって裁断刃移動手段81が構成されている。各ねじ軸401は、同一方向に同一速度で回転するように、図示しない駆動伝達手段を介して連結しており、該駆動伝達手段は、裁断刃移動手段81の駆動手段に連結するねじ軸401から、他方のねじ軸401に駆動を伝達する。すなわち、裁断刃移動手段81は、各ねじ軸401を回転することによって、ホルダ802を各ガイド軸402に沿って用紙幅方向に移動するようになっている。
[裁ち屑排除手段]
裁ち屑排除手段5について、説明する。図3は、裁ち屑排除手段を上流側から見た斜視図である。
裁ち屑排除手段5は、用紙搬送方向X1に対して直交する面を有する基部500と、基部500の下部に、基部500から上流側に屈曲されて用紙搬送方向X1に平行な面を有し上下方向に延在するように、一体的に形成された排除部501とを有する排除部材50を備えている。基部500の下部から排除部501の上部に亘って溝502が設けられており、溝502には軸受503が嵌合している。基部500の上部には、ナット部504が設けられている。
裁ち屑排除手段5は、装置本体10の図示しない左右のフレーム間に渡設される、ねじ軸510とガイド軸511とを備えている。軸受503のガイド孔505には、ガイド軸511が挿通しており、また、ナット部504には、ねじ軸510が螺合している。ねじ軸510は、装置本体10に設けられた図示しない駆動手段により回転可能に設けられ、該駆動手段と、ねじ軸510と、ガイド軸511とによって排除部材移動手段51が構成されている。すなわち、排除部材移動手段51は、ねじ軸510を回転することによって、排除部材50をガイド軸511に沿って用紙幅方向に移動するようになっている。
排除部501の下部には、上流側から下流側に向けて下方に傾斜し、用紙搬送路21の上方から用紙搬送路21の下方まで延在する案内部506が設けられている。案内部506は、用紙搬送路21上を搬送される裁ち屑SWに接触することにより、裁ち屑SWを用紙搬送路21上から排除し、ごみ箱13に案内するようになっている。
また、裁ち屑排除手段5は、用紙Sの搬送される領域よりも用紙幅方向外側に、排除部材50が搬送される用紙Sに接触しない、非接触位置を設けており、排除部材50を非接触位置に移動することにより、裁断した用紙Sを排除部材50に接触させずに、排紙台12に排出することができる。
[用紙検出部]
用紙検出部9について、説明する。図4は、用紙検出部を下流側から見た斜視図である。
用紙検出部9は、用紙搬送路21を挟んで対向して配置され、用紙搬送路21の上方に配設された受光部900および用紙搬送路21の下方に配設された発光部901と、受光部900を保持する受光部ブラケット902と、発光部901を保持する発光部ブラケット903とを有する、用紙検出器90を備えている。
受光部ブラケット902は、用紙搬送方向X1に対し直交する面を有する基部9020と、基部9020の中間部両側端に、基部9020から下流側に屈曲されて用紙搬送方向X1に平行な面を有し上下方向に延在するように、一体的に形成された側部9021と、基部9020の下端に、基部9020から下流側に屈曲されて水平面に平行な面を有し用紙搬送方向に延在するように、一体的に形成された保持部9022とを有している。各側部9021には、それぞれ上端から中央部に亘って溝904が設けられ、各溝904には、それぞれ軸受905が嵌合しており、基部9020の上部には、ナット部906が設けられている。また、保持部9022の下面には受光部900が固設されている。
更に、基部9020の上流側面の下部に固着され、該固着された部分から下流側に屈曲されて受光部900の下方に延在する受光部ガイド907Aが設けられ、受光部ガイド907Aには、発光部901が発する光を遮らないように通光孔908が設けられている。
発光部ブラケット903は、受光部ブラケット902を上下反転させた構成となっており、用紙搬送方向X1に対し直交する面を有する基部9030と、基部9030の中間部両側端に、基部9030から下流側に屈曲されて用紙搬送方向X1に平行な面を有し上下方向に延在するように、一体的に形成された側部9031と、基部9030の上端に、基部9030から下流側に屈曲されて水平面に平行な面を有し用紙搬送方向に延在するように、一体的に形成された保持部9032とを有している。各側部9031には、それぞれ下端から中央部に亘って溝904が設けられ、各溝904には、それぞれ軸受905が嵌合しており、基部9030の下部には、ナット部906が設けられている。また、保持部9032の上面には発光部901が固設されている。
更に、基部9030の上流側面の上部に固着され、該固着された部分から下流側に屈曲されて発光部901の上方に延在する発光部ガイド907Bが設けられ、発光部ガイド907Bには、発光部901が発する光を遮らないように通光孔908が設けられている。
また、用紙検出部9は、装置本体10の図示しない左右のフレーム間に渡設される、ねじ軸910とガイド軸911とを備えている。各軸受905のガイド孔909には、ガイド軸911が挿通しており、また、各ナット部906には、ねじ軸910が螺合している。各ねじ軸910のうち何れか一方のねじ軸910は、装置本体10に設けられた図示しない駆動手段により回転可能に設けられ、該駆動手段と、各ねじ軸910と、各ガイド軸911とによって検出器移動手段91が構成されている。各ねじ軸910は、同一方向に同一速度で回転するように、図示しない駆動伝達手段を介して連結しており、該駆動伝達手段は、検出器移動手段91の駆動手段に連結するねじ軸910から、他方のねじ軸910に駆動を伝達する。すなわち、検出器移動手段91は、各ねじ軸910を回転することによって、用紙検出器90を各ガイド軸911に沿って用紙幅方向に移動するようになっている。
[制御部]
制御部6は、入力された用紙Sの加工条件に基づいて、ホルダ802を移動させて、裁断刃801を裁断位置に位置するように、裁断刃移動手段81の作動を制御し、排除部材50を移動させて、排除部材50の案内部506を裁ち屑SWに接触する位置に位置するように、排除部材移動手段51の作動を制御し、用紙検出器90を移動させて、用紙検出器90を裁ち屑SWが排除されて用紙搬送路21上に残り継続して搬送される用紙Sの幅方向搬送範囲内、換言すると、継続して搬送される用紙Sによって受光部900に向けて発光部901が発する光を遮るような位置に位置するように、検出器移動手段91の作動を制御する。すなわち、排除部材50および用紙検出器90は、ホルダ802の用紙幅方向の移動に連動して移動される。
なお、制御部6は、加工条件が変更されて裁断位置が変更されると、裁断刃801を裁断位置に位置するように、ホルダ802を用紙幅方向に移動、すなわち、裁断刃移動手段81を作動する。また、排除部材移動手段51および検出器移動手段91のそれぞれの作動を、裁断刃移動手段81の作動に連動し、排除部材50および用紙検出器90を用紙幅方向に移動させる。すなわち、排除部材50および用紙検出器90が、ホルダ802の用紙幅方向の移動に連動して移動されるので、裁断位置が変更された場合であっても、裁ち屑SWを排除でき、また、裁ち屑SWが排除され、用紙搬送路21上に残り継続して搬送される用紙Sを検出することができる。
更に、制御部6は、給紙台111、吸引搬送ベルト112、および搬送ローラ20にそれぞれ連結する図示しない駆動手段の作動を制御することにより、用紙Sを搬送する。
また、制御部6は、用紙検出器90が出力する用紙Sの検出信号に応じて、用紙Sの加工処理に係る装置全体の作動を継続、または停止する。例えば、用紙前端センサ30により用紙Sの前端を検出した時点から第1所定時間が経過するまでに用紙検出器90により用紙Sの前端を検出し、且つ用紙検出器90により用紙Sの前端を検出した時点から第2所定時間が経過するまでに用紙検出器90により用紙Sの後端を検出した場合、用紙Sが正常に搬送されたものと判断し、以後も同様に装置全体の作動を継続するが、第1所定時間が経過するまでに用紙検出器90により用紙Sの前端を検出できない場合、または第2所定時間が経過するまでに用紙検出器90により用紙Sの後端を検出できない場合、用紙検出器90の上流側または下流側において用紙Sの搬送不良が発生していると判断し、装置全体の作動を停止する。
[作動]
本実施形態の用紙加工装置の作動について、説明する。図5および図6は、用紙加工装置における要部を上から見た模式説明図である。
まず、入力部7によって、図5に示すような用紙Sの裁断加工を行うように、用紙Sの加工条件が設定される。なお、この設定は、通常は、作業者が操作パネル70を操作することにより行われるが、用紙Sに印刷された、加工条件を示すバーコードを、レジストレーションマークとともに、CCDセンサ31によって自動で読み取ることにより行われてもよく、また、装置本体10の外部に接続されるパーソナルコンピュータまたはその他の端末装置により行われてもよい。
次に、制御部6による制御を受けて、裁断刃移動手段81が作動することにより、ねじ軸401の回転量が検出されながら、各ねじ軸401が回転し、880が各ガイド軸402に沿って用紙幅方向に移動する。その後、裁断刃801が裁断位置に位置すると、裁断刃移動手段81の作動が停止されて、ねじ軸401の回転が停止する。なお、図5においては、裁断位置は、用紙幅方向の中央付近に設定されている。
また、制御部6による制御を受けて、排除部材移動手段51が作動することにより、ねじ軸510の回転量が検出されながら、ねじ軸510が回転し、排除部材50が各ガイド軸511に沿って用紙幅方向に移動する。その後、案内部506が裁ち屑SWに接触する位置に位置すると、排除部材移動手段51の作動が停止されて、ねじ軸510の回転が停止する。なお、図5においては、裁ち屑SWは、裁断位置の右側に発生するものとして設定されている。
また、制御部6による制御を受けて、検出器移動手段91が作動することにより、ねじ軸910の回転量が検出されながら、ねじ軸910が回転し、用紙検出器90が各ガイド軸911に沿って用紙幅方向に移動する。その後、用紙検出器90が、裁ち屑SWが排除され、用紙搬送路21上に残り継続して搬送される用紙Sの幅方向搬送範囲内に位置すると、検出器移動手段91の作動が停止されて、ねじ軸910の回転が停止する。なお、図5においては、裁ち屑SWが排除され、用紙搬送路21上に残り継続して搬送される用紙Sは、裁断位置の左側に発生するものとして設定されている。
そして、給紙台111、吸引搬送ベルト112、および搬送ローラ20に連結したそれぞれの図示しない駆動手段が作動し、給紙台111に積載された用紙Sを上から一枚ずつ下流側に送り出し、送り出された用紙Sの前端を用紙前端センサ30にて検出し、次いでCCDセンサ31の直下を搬送される用紙Sから適宜バーコードやレジストレーションマークをCCDセンサ31で読み取り、用紙加工部4に搬送する。
また、駆動軸403に連結された図示しない駆動手段が作動することにより、回転刃801が回転する。用紙加工部4に至った用紙Sを、回転する裁断刃801により、用紙搬送方向X1に沿って裁断し、更に下流側に搬送する。
裁断刃801により裁断した用紙Sのうち、右側の用紙が、排除部材50の案内部506に接触する。案内部506は、接触した用紙S、すなわち裁ち屑SWの搬送する向きを下向きに偏向し、裁ち屑SWをごみ箱13に回収する。また、裁断刃801により裁断した用紙Sのうち、左側の用紙Sは、排除部材50の案内部506に接触しないので、用紙搬送路21上に残り継続して搬送され、用紙検出器90が、継続して搬送される用紙Sを検出する。
そして、用紙検出部9を通過した用紙Sを更に搬送し、排紙台12上に排出する。複数枚の用紙Sの加工を行う場合は、用紙Sに対する、給紙台111上から吸引搬送ベルト112による送り出し、搬送ローラ20による搬送、用紙加工部4での裁断加工、および裁ち屑排除手段5による裁ち屑SWの排除を繰り返す。
また、制御部6による制御を受けて、用紙前端センサ30により用紙Sの前端を検出した時点から第1所定時間が経過するまでに用紙検出器90により用紙Sの前端を検出し、且つ用紙検出器90により用紙Sの前端を検出した時点から第2所定時間が経過するまでに用紙検出器90により用紙Sの後端を検出した場合、用紙Sが正常に搬送されたものと判断し、以後も同様に装置全体の作動を継続するが、第1所定時間が経過するまでに用紙検出器90により用紙Sの前端を検出できない場合、または第2所定時間が経過するまでに用紙検出器90により用紙Sの後端を検出できない場合、用紙検出器90の上流側または下流側において用紙Sの搬送不良が発生していると判断し、装置全体の作動を停止する。
所定枚数の用紙Sの加工を行ったら、装置全体の作動を停止する。
また、用紙Sの加工条件を、図6に示すような用紙Sの裁断加工を行うように設定変更を行った場合、すなわち、設定変更後の加工条件は、裁断位置が、図5に示した裁断位置と同じであり、裁ち屑SWは、裁断位置の左側に発生するものとし、裁ち屑SWが排除され、用紙搬送路21上に残り継続して搬送される用紙Sは、裁断位置の右側に発生するものとした設定に変更した場合の用紙加工装置の作動について、裁断刃移動手段81、排除部材移動手段51、検出器移動手段91それぞれの作動、および裁ち屑SWの排除と用紙検出器90による用紙Sの検出に関してのみ説明することとし、それ以外は、設定変更前と同様に作動するので説明を省略する。
まず、制御部6による制御を受けて、裁断刃移動手段81が作動するが、設定変更前と裁断位置が同じであるため、各ねじ軸401を回転することなく、裁断刃移動手段81の作動が停止する。
また、制御部6による制御を受けて、排除部材移動手段51が作動することにより、ねじ軸510の回転量が検出されながら、ねじ軸510が回転し、排除部材50が各ガイド軸511に沿って、図6の仮想線で示す裁断位置より右側の位置から、左側に移動する。その後、図6の実線で示す裁断位置より左側の位置、すなわち、案内部506が裁ち屑SWに接触する位置に位置すると、排除部材移動手段51の作動が停止されて、ねじ軸510の回転が停止する。
また、制御部6による制御を受けて、検出器移動手段91が作動することにより、ねじ軸910の回転量が検出されながら、ねじ軸910が回転し、用紙検出器90が各ガイド軸911に沿って、図6の仮想線で示す裁断位置より左側の位置から、右側に移動する。その後、用紙検出器90が、図6の実線で示す裁断位置より右側の位置、すなわち、裁ち屑SWが排除され、用紙搬送路21上に残り継続して搬送される用紙Sの幅方向搬送範囲内の位置に位置すると、検出器移動手段91の作動が停止されて、ねじ軸910の回転が停止する。
裁断刃801により裁断した用紙Sのうち、左側の用紙が、排除部材50の案内部506に接触する。案内部506は、接触した用紙S、すなわち裁ち屑SWの搬送される向きを下向きに偏向し、裁ち屑SWをごみ箱13に回収する。また、裁断刃801により裁断した用紙Sのうち、右側の用紙Sは、排除部材50の案内部506に接触しないので、用紙搬送路21上に残り継続して搬送され、用紙検出器90が、継続して搬送される用紙Sを検出する。
ところで、裁断した用紙Sを排除部材50に接触させずに、排紙台12に排出する場合には、排除部材移動手段51が作動することにより、ねじ軸510の回転量が検出されながら、ねじ軸510が回転し、排除部材50が各ガイド軸511に沿って、排除部材50を用紙幅方向に移動する。その後、排除部材50が、用紙Sの搬送される領域よりも用紙幅方向外側に設けられ用紙Sに接触しない非接触位置に位置すると、排除部材移動手段51の作動が停止されて、ねじ軸510の回転が停止する。したがって、裁断刃801により裁断し発生する、右側の用紙Sと左側の用紙Sとをともに、排除部材50に接触することなく搬送し、排紙台12に排出する。
[効果]
本実施形態の用紙加工装置によれば、次のような効果を発揮できる。
(1)排除部材50が、用紙幅方向に移動可能、すなわち、裁ち屑SWを用紙搬送路21外に排除する接触位置に変位可能に設けられているので、排除部材50を裁断された用紙Sに対して選択的に接触させて不要な裁ち屑SWを排除することができる。
(2)用紙検出器90が、用紙加工部4で裁断加工された後、裁ち屑SWが排除され、用紙搬送路21上に残り継続して搬送される用紙Sの幅方向搬送範囲内に設けられるので、
用紙検出器90で搬送されている用紙Sを検出することができる。
(3)また、用紙検出器90は、用紙幅方向に移動可能に設けられているので、用紙検出器90を、裁ち屑SWが排除され、用紙搬送路21上に残り継続して搬送される用紙Sの幅方向搬送範囲内に容易に位置させることができる。
(4)裁断刃801を有する裁断機80が、用紙幅方向に移動可能に設けられているので、裁断位置を任意に設定することができる。
(5)設定された用紙Sの加工条件に基づいて、裁断機80が用紙幅方向に移動されるので、裁断機80の裁断刃801を、裁断位置に容易に移動させることができる。
(6)設定された用紙Sの加工条件に基づいて、排除部材50が自動用紙幅方向に移動されるので、排除部材50を、裁ち屑SWを用紙搬送路21外に排除する接触位置に容易に変位させることができる。
(7)また、設定された用紙Sの加工条件に基づいて、用紙検出器90が自動で用紙幅方向に移動されるので、用紙検出器90を、裁ち屑SWが排除され、用紙搬送路21上に残り継続して搬送される用紙Sの幅方向搬送範囲内に容易に位置させることができる。
(8)また、排除部材50が、用紙Sの搬送される領域よりも用紙幅方向外側に設けられた用紙Sに接触しない位置に移動可能、すなわち、非接触位置に変位可能に設けられているので、裁断した用紙Sを排除部材50に接触させず用紙検出器90により検出した後、そのまま排紙台12に排出することができる。
[変形例]
図7および図8に基づいて、本発明の第1実施形態の変形例に係る用紙加工装置を説明する。図7および図8は、用紙加工装置における要部を上から見た模式説明図である。
用紙加工装置1は、用紙検出器90を、裁断刃801から用紙幅方向に所定距離をおいた両側に配設することができる。
図7における加工条件は、裁断位置が、用紙幅方向の中央より少し右側の位置であり、裁ち屑SWは、裁断位置の右側に発生するものとし、裁ち屑SWが排除され、用紙搬送路21上に残り継続して搬送される用紙Sは、裁断位置の左側に発生するものとした設定となっている。そして、裁断刃801の左側に配設された用紙検出器90が、継続して搬送される用紙Sを検出し、裁断刃801の右側に配設された用紙検出器90は、用紙Sを検出しない。
また、図8における加工条件は、裁断位置が、図7で示した裁断位置と同じで、用紙幅方向の中央より少し右側の位置であり、裁ち屑SWは、裁断位置の左側に発生するものとし、裁ち屑SWが排除され、用紙搬送路21上に残り継続して搬送される用紙Sは、裁断位置の右側に発生するものとした設定となっている。そして、裁断刃801の右側に配設された用紙検出器90が、継続して搬送される用紙Sを検出し、裁断刃801の左側に配設された用紙検出器90は、用紙Sを検出しない。
本変形例によれば、用紙検出器90を、裁断刃801から用紙幅方向に所定距離をおいた両側に配設しているので、裁ち屑SWが排除され、用紙搬送路21上に残り継続して搬送される用紙Sが、裁断位置の右側または左側の何れに発生しても、何れか一方の用紙検出器90により検出することができる。
<第2実施形態>
第1実施形態の、裁ち屑排除手段5は、用紙搬送方向X1においてスリット加工ユニット40(裁断機80)から離れた位置に設けられているが、本実施形態の、裁ち屑排除手段5は、スリット加工ユニット40(裁断機80)に連結しており、一体的に設けられている。
図9は、前記図1と同様の用紙加工装置を模式的に示す縦断面図であり、図10および図11は、前記図5乃至8と同様の用紙加工装置における要部を上から見た模式説明図である。図10および図11に示すように、スリット加工ユニット40は、裁断機80を用紙幅方向に2つ並べて設けており、右側に設けた裁断機80Aと左側に設けた80Bにそれぞれ係合する第1実施形態と同様の裁断刃移動手段81によって、各裁断機80は独立して用紙幅方向に移動可能である。
また、図12は、裁ち屑排除手段が一体的に設けられたスリット加工ユニットの要部の斜視図であり、特に、裁断機80Aの周辺を示した図である。図12に基づいて、本実施形態に係る裁ち屑排除手段5を説明する。裁ち屑排除手段5は、裁断機80Aの上ホルダ802Aの下流側面に図示しないボルトにより上部が固定され、下部が下ホルダ802Bの下端近傍まで垂下した連結板52と、連結板52の下部の上流側面に接着または図示しないボルトにより固定された排除部材50とを備えている。排除部材50は、裁ち屑SWを用紙搬送路21上から排除し、ごみ箱13に案内するための案内部506を有する排除部501からなる。すなわち、排除部材50が、ホルダ802の下流部に連結されており、裁ち屑排除手段5は、排除部材移動手段51を単独で備えず、裁断刃移動手段81が、排除部材移動手段51を兼ねている。したがって、裁断機80Aが用紙幅方向に移動すると、裁断機80Aに連結した排除部材50も用紙幅方向に移動する。
また、裁断機80Aと裁断機80Bとは、基本的に左右対称の構造となっており、裁断機80Aにおいては、排除部材50が、裁断刃801の右側に設けられており、裁断機80Bにおいては、排除部材50が、裁断刃801の左側に設けられている。したがって、裁断機80Bが用紙幅方向に移動すると、裁断機80Bに連結した排除部材50も用紙幅方向に移動する。
なお、本実施形態における用紙加工装置1には、裁断刃801および排除部材50が用紙Sに接触しない、用紙Sの搬送される領域よりも用紙幅方向外側に、非接触位置が設けられており、該非接触位置は、裁断機80Bの裁断刃801および排除部材50が用紙Sに接触しないように、用紙Sの搬送される領域よりも用紙幅方向左外側に設けられた左側非接触位置と、裁断機80Aの裁断刃801および排除部材50が用紙Sに接触しないように、用紙Sの搬送される領域よりも用紙幅方向右外側に設けられた右側非接触位置とからなる。
制御部6は、入力された用紙Sの加工条件に基づいて、裁断機80Aの裁断刃801および裁断機80Bの裁断刃801の何れを用いて裁断加工するのか決定し、各裁断機80を、裁断位置、または非接触位置に移動するように、裁断刃移動手段81の作動を制御する。また、制御部6は、入力された用紙Sの加工条件に基づいて、用紙検出器90を、裁ち屑SWが排除され、用紙搬送路21上に残り継続して搬送される用紙Sの幅方向搬送範囲内の位置に移動するように、検出器移動手段91の作動を制御する。
図10に示す用紙Sの裁断加工においては、裁断機80Aの裁断刃801により用紙Sを裁断し、裁断位置の右側に発生する用紙Sを、裁断機80Aに一体的に設けられた排除部材50によって、裁ち屑SWとして排除し、裁断位置の左側に発生する用紙は、排除部材50に接触しないので、用紙搬送路21上に残り継続して搬送され、用紙検出器90が、継続して搬送される用紙Sを検出する。このとき、裁断機80Bは、左側非接触位置に位置している。
図11に示す用紙Sの裁断加工においては、裁断機80Bの裁断刃801により用紙Sを裁断し、裁断位置の左側に発生する用紙Sを、裁断機80Bに一体的に設けられた排除部材50によって、裁ち屑SWとして排除し、裁断位置の右側に発生する用紙は、排除部材50に接触しないので、用紙搬送路21上に残り継続して搬送され、用紙検出器90が、継続して搬送される用紙Sを検出する。このとき、裁断機80Aは、右側非接触位置に位置している。
なお、その他の構造は、前記第1実施形態と同じであり、同じ部品および部分には、同じ符号を付してある。
本実施形態によれば、前記第1実施形態と同様の効果を発揮するだけでなく、排除部材50が、ホルダ802の下流部に連結されているので、次の効果を発揮することができる。
(1)排除部材移動手段51を単独で備える必要がなく、構成を簡素化できる。
(2)各裁断機80を裁断位置に移動させるだけで、排除部材50を、裁ち屑SWを用紙搬送路21外に排除する接触位置に容易に変位させることができる。
<第3実施形態>
本実施形態の裁ち屑排除手段5は、前記第2実施形態と同様に、裁ち屑排除手段5が、スリット加工ユニット40(裁断機80)に連結している。ただし、前記第2実施形態の裁ち屑排除手段5は、1つの裁断機80に対して1つの排除部材50を設けているが、本実施形態の裁ち屑排除手段5は、1つの裁断機80に対して2つの排除部材50を設けている。
図13は、前記図1および図9と同様の用紙加工装置を模式的に示す縦断面図であり、図14は、裁ち屑排除手段が一体的に設けられたスリット加工ユニットの右側面略図であり、図15は、図14の裁ち屑排除手段が一体的に設けられたスリット加工ユニットの要部のXV矢視略図である。また、図16は、図14の裁ち屑排除手段を変位させた状態を示す裁ち屑排除手段が一体的に設けられたスリット加工ユニットの右側面略図であり、図17は、図16の裁ち屑排除手段が一体的に設けられたスリット加工ユニットの要部のXVII矢視略図である。
図14乃至図17に示すように、裁断機80は、前記第2実施形態と同様の裁断刃移動手段81によって、用紙幅方向に移動可能である。また、裁ち屑排除手段5は、裁断機80の上ホルダ802Aの下流側面に連結し、下流側に向けて突出した支持部53を備えており、支持部53の右側面は裁断刃801よりも右側に位置し、支持部806の左側面は裁断刃801よりも左側に位置している。
裁ち屑排除手段5の排除部材50は、排除部501からなり、排除部501の下部には、上流側から下流側に向けて下方に傾斜する案内部506が設けられている。また、排除部501の上部には、2つの長穴507が上下方向に延設されており、更に、排除部501の上部には、下流側に向けて突出した形状をなす、把持部508が形成されている。
支持部53の右側面および左側面には、それぞれ用紙幅方向に突出するピン530が2本ずつ設けられている。支持部53は、その右側面と左側面とに、排除部材50を1つずつ支持するようになっており、支持部53の右側面の各ピン530に、一方の排除部材50の排除部501の各長穴507が係合し、支持部53の左側面の各ピン530に、他方の排除部材50の排除部501の各長穴507が係合することにより、各排除部材50を支持している。すなわち、1つの裁断機80(ホルダ802)に対して2つの排除部材50が連結しており、各排除部材50は、裁断刃801から用紙幅方向に所定距離をおいた両側に配設されている。
また、各排除部材50は、長穴507に沿って、ピン530が長穴507の上端で係合する位置とピン530が長穴507の下端で係合する位置との間で、上下方向にスライド可能に設けられるとともに、図示しないロック手段によりピン530が長穴507の上端で係合する位置とピン530が長穴507の下端で係合する位置とで保持可能に設けられている。すなわち、各排除部材50を上下方向に変位させるための変位手段は、少なくとも各長穴507と各ピン530とを有している。各排除部材50は、ピン807が長穴507の上端で係合する位置において、用紙Sと接触可能な接触位置に位置し、長穴507の下端で係合する位置において、用紙Sに接触不可能な非接触位置に位置する。したがって、作業者は、把持部508を把持し、排除部材50を上下方向にスライドさせることにより、各排除部材50を接触位置と非接触位置との間で各々独立して変位させることができる。
したがって、裁ち屑排除手段5は、排除部材移動手段51を単独で備えず、裁断刃移動手段81が、排除部材移動手段51を兼ねており、裁断機80が用紙幅方向に移動すると、裁断機80に連結した排除部材50も用紙幅方向に移動する。
制御部6は、入力された用紙Sの加工条件に基づいて、裁断機80を移動させて裁断刃801が裁断位置に合致するように、裁断刃移動手段81の作動を制御する。そして、作業者は、裁断位置の右側に発生する用紙Sを、裁ち屑SWとして排除部材50によって排除する場合には、図14および図15に示すように、支持部53の右側に支持されている排除部材50を接触位置に、支持部53の左側に支持されている排除部材50を非接触位置にそれぞれ変位させ、また、裁断位置の左側に発生する用紙Sを、裁ち屑SWとして排除部材50によって排除する場合には、図16および図17に示すように、支持部53の右側に支持されている排除部材50を非接触位置に、支持部53の左側に支持されている排除部材50を接触位置にそれぞれ変位させる。また、制御部6は、入力された用紙Sの加工条件に基づいて、用紙検出器90を、裁ち屑SWが排除され、用紙搬送路21上に残り継続して搬送される用紙Sの幅方向搬送範囲内の位置に移動するように、検出器移動手段91の作動を制御する。
なお、本実施形態におけるスリット加工ユニット40には、前記第2実施形態と同様に裁断機80を用紙幅方向に2つ並べて設けても良いが、前記第1実施形態と同様に裁断機80を1つだけ設けても良い。その他の構造は、前記第2実施形態と同じであり、同じ部品および部分には、同じ符号を付してある。
本実施形態によれば、前記第1実施形態および前記第2実施形態と同様の効果を発揮するだけでなく、1つの裁断機80に対して2つの排除部材50が設けられ、各排除部材50を接触位置と非接触位置との間で各々独立して変位させることができるので、次の効果を発揮することができる。
(1)裁断刃801の右側または左側の何れの側に裁ち屑SWが発生しても、裁ち屑SWを排除することができる。
(2)各排除部材50を非接触位置に位置させることにより、裁ち屑SWを発生させずに、裁断した用紙Sを排紙台12まで搬送することができる。
<第4実施形態>
前記第3実施形態の、用紙検出部9は、単独で検出器移動手段91を備えているが、本実施形態の、用紙検出部9は、スリット加工ユニット40(裁断機80)に連結して設けられている。
図18は、前記図1、図9および図13と同様の用紙加工装置を模式的に示す縦断面図であり、図19は、用紙検出部が連結して設けられたスリット加工ユニット周辺の右側面略図であり、図20は、図19の用紙検出部が連結して設けられたスリット加工ユニット周辺の要部のXX矢視略図である。
図19および図20に示すように、裁断機80は、前記第3実施形態と同様の裁断刃移動手段81によって、用紙幅方向に移動可能である。また、裁ち屑排除手段5は、前記第3実施形態と同様に、1つの裁断機80(ホルダ802)に対して2つの排除部材50が連結しており、各排除部材50が、裁断刃801から用紙幅方向に所定距離をおいた両側に配設されるとともに、変位手段により、接触位置と非接触位置との間で各々独立して変位可能に構成されている。また、裁ち屑排除手段5は、排除部材移動手段51を単独で備えず、裁断刃移動手段81が、排除部材移動手段51を兼ねており、裁断機80が用紙幅方向に移動すると、裁断機80に連結した排除部材50も用紙幅方向に移動する。
用紙検出部9は、一端側が裁断機80の上ホルダ802Aの上端面に図示しないボルトにより固定された上連結板92と、一端側が裁断機80の下ホルダ802Bの下端面に図示しないボルトにより固定された下連結板93と、上連結板92の他端側と下連結板93他端側にそれぞれ固定された用紙検出器90とを備えている。
上連結板92は、上ホルダ802Aの上端面に固定された一端側を含み、該一端から支持部53の下流側面よりも下流側に水平に延在する腕部920と、腕部920の下流端から下方に向けて屈曲して延在する垂直部921と、垂直部921の下端から下流側に向けて屈曲して水平に延在する保持部922とを有している。また、下連結板93は、下ホルダ802Bの下端面に固定された一端側を含み、該一端から下ホルダ802Bの下流側面よりも下流側に水平に延在する腕部930と、腕部930の下流端から上方に向けて屈曲して延在する垂直部931と、垂直部931の上端から下流側に向けて屈曲して水平に延在する保持部932とを有している。
用紙検出器90は、保持部922の水平面に、裁断刃801よりも右側に位置するように図示しないボルトにより固定された受光部900Aと、保持部922の水平面に、裁断刃801よりも左側に位置するように図示しないボルトにより固定された受光部900Bと、保持部932の水平面に、裁断刃801よりも右側に位置し、且つ受光部900Aと対向するように図示しないボルトにより固定された発光部901Aと、保持部932の水平面に、裁断刃801よりも左側に位置し、且つ受光部900Bと対向するように図示しないボルトにより固定された発光部901Bとからなっている。
すなわち、用紙検出器90が、ホルダ802の下流側に連結されており、用紙検出部9は、検出器移動手段91を単独で備えず、裁断刃移動手段81が、検出器移動手段91を兼ねている。したがって、裁断機80が用紙幅方向に移動すると、裁断機80に連結した用紙検出器90も用紙幅方向に移動する。
制御部6は、入力された用紙Sの加工条件に基づいて、裁断機80を移動させて裁断刃801が裁断位置に合致するように、裁断刃移動手段81の作動を制御する。作業者は、例えば、図19および図20に示す用紙Sの裁断加工においては、支持部53の右側に支持されている排除部材50を接触位置に、支持部53の左側に支持されている排除部材50を非接触位置にそれぞれ変位させる。この場合、裁断位置の右側に発生する用紙Sは、裁ち屑SWとして排除部材50によって排除され、裁断位置の左側に発生する用紙Sは、用紙搬送路21上に残り継続して搬送される。そして、用紙検出器90は、裁断機80の移動に伴って用紙幅方向に移動しているので、裁断刃801より左側に位置する受光部900Bおよび発光部901Bが、継続して搬送される用紙Sを検出する。
なお、その他の構造は、前記第3実施形態と同じであり、同じ部品および部分には、同じ符号を付してある。
本実施形態によれば、前記第1実施形態乃至前記第3実施形態と同様の効果を発揮するだけでなく、用紙検出器90が、ホルダ802の下流側に連結されており、また、裁断刃801の用紙幅方向両側に、用紙検出器90を備えているので、次の効果を発揮することができる。
(1)検出器移動手段91を単独で備える必要がなく、構成を簡素化できる。
(2)裁断刃801の右側または左側の何れの側に、裁ち屑SWが排除され用紙搬送路21上に残り継続して搬送される用紙Sが発生しても、受光部900Aおよび発光部901A、または受光部900Bおよび発光部901Bによって、継続して搬送される用紙Sを検出することができる。
<他の実施形態>
前記第1実施形態乃至前記第4実施形態においては、用紙加工部4としては、スリット加工ユニット40を1つだけ備えていたが、複数のスリット加工ユニット40を備えることができ、また、スリット加工以外の用紙の加工を行う用紙加工部4を備えることもできる。
例えば、図21に示す用紙加工装置1は、用紙搬送方向X1に沿って、7つの用紙加工部(4A,4B,4C,4D,4E,4F,4G)を備えている。第1用紙加工部4Aは、 特に、用紙Sの両側縁部を用紙搬送方向X1に沿って裁断するマージンスリット加工ユニット41を備えており、マージンスリット加工ユニット41は、前記第2実施形態のスリット加工ユニット40と同じ構成である。第2用紙加工部4B、第3用紙加工部4C、第4用紙加工部4Dおよび第5用紙加工部4Eは、第1用紙加工部4Aを通過して用紙搬送路21上を搬送される用紙Sを用紙搬送方向X1に沿って裁断するスリット加工ユニット40をそれぞれ備えており、前記第1実施形態のスリット加工ユニット40と同じ構成である。第6用紙加工部4Fは、第5用紙加工部4Eを通過して用紙搬送路21上を継続して搬送される用紙Sに対して、用紙幅方向に沿った折り目を形成する折り型加工ユニット42を備えている。第7用紙加工部4Gは、第6用紙加工部4Fを通過して用紙搬送路21上を搬送される用紙Sを、用紙幅方向に沿って裁断するカッタユニット43を備えている。また、第5用紙加工部4Eと第6用紙加工部4Fとの間には、裁ち屑排除手段5と用紙検出部9とが設けられている。すなわち、第2用紙加工部4B乃至第5用紙加工部4E、裁ち屑排除手段5、および用紙検出部9は、前記第1実施形態の構成と同様である。なお、裁ち屑排除手段5を用紙搬送方向X1に沿って複数配設しても良く、裁ち屑排除手段5は、排除部材50を用紙幅方向に複数備えても良い。
そして、制御部6は、入力された用紙Sの加工条件に基づいて、第1用紙加工部4A乃至第5用紙加工部4Eの各裁断機80を移動させて各裁断刃801がそれぞれの裁断位置に合致するように、各裁断刃移動手段81の作動を制御し、排除部材50を移動させて排除部材50が裁ち屑SWに接触する接触位置に合致するように、排除部材移動手段51の作動を制御し、用紙検出器90を移動して用紙検出器90が、裁ち屑SWが排除され、用紙搬送路21上に残り継続して搬送される用紙Sの幅方向搬送範囲内の位置に位置するように、検出器移動手段91の作動を制御する。また、制御部6は、用紙検出器90による用紙Sの検出信号に応じて、折り型加工ユニット42での折り型加工およびカッタユニット43での用紙幅方向に沿った裁断加工を折り型形成位置および裁断位置に合わせるよう、第6用紙加工部4Fおよび第7用紙加工部4Gの作動を制御する。
したがって、用紙加工装置1が、複数の用紙加工装置部を備えることにより、用紙Sに対してより多くの加工を施すことができ、この場合においても、裁ち屑SWが排除され、用紙搬送路21上に残り継続して搬送される用紙Sを用紙検出器90によって検出することができる。なお、第1用紙加工部4A乃至第5用紙加工部4Eによる加工はスリット加工に限らず、用紙Sに対して複数種別の加工を施すために、例えば、裁断刃801に代えてミシン目加工またはハーフカット加工などを施す加工具を備えた、他の加工ユニットを用いるように構成することができる。また、用紙Sに対する加工種別を自由に変更できるように、マージンスリット加工ユニット41、スリット加工ユニット40、ミシン目加工用の加工ユニットおよびハーフカット用の加工ユニットに取っ手400を設けて、各加工ユニットを装置本体10に対して着脱可能に構成することも可能である。