JP6234391B2 - 表示装置の製造方法及び表示装置用樹脂溶液 - Google Patents

表示装置の製造方法及び表示装置用樹脂溶液 Download PDF

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Description

本発明は、表示装置の製造方法に関し、詳しくは、液晶表示装置、有機ELディスプレイ、有機EL照明、電子ペーパー、タッチパネル、カラーフィルター等の表示装置又は表示装置用部材がフレキシブル基板上に形成された表示装置の製造方法に関するものである。
液晶表示装置や有機EL表示装置等の表示装置は、テレビのような大型ディスプレイや、携帯電話、パソコン、スマートフォンなどの小型ディスプレイ等、各種のディスプレイ用途に使用されている。表示装置の代表的なものとして有機EL表示装置があるが、例えば、この有機EL表示装置では、支持基材であるガラス基板上に薄膜トランジスタ(以下、TFT)を形成し、電極、発光層、電極を順次形成し、最後に別途ガラス基板や多層薄膜等で気密封止して作られる。
ここで、ガラス基板を従来のガラス基板から樹脂基材へと置き換えることにより、薄型・軽量・フレキシブル化が実現でき、表示装置の用途を更に広げることができる。しかしながら、樹脂は一般にガラスと比較して寸法安定性、透明性、耐熱性、耐湿性、ガスバリア性等に劣るため、現時点では研究段階にあり種々の検討がなされている。
例えば、特許文献1は、フレキシブルディスプレイ用プラスチック基板として有用なポリイミド、及びその前駆体に係る発明に関し、シクロへキシルフェニルテトラカルボン酸等のような脂環式構造を含んだテトラカルボン酸類を用いて、各種ジアミンと反応させたポリイミドが透明性に優れることを報告している。この他にも、支持基材にフレキシブルな樹脂を用いて軽量化を図る試みがなされており、例えば、下記の非特許文献1及び2では、透明性の高いポリイミドを支持基材に適用した有機EL表示装置が提案されている。
このように、ポリイミド等の樹脂フィルムがフレキシブルディスプレイ用フレキシブル基板に有用であることは知られているが、表示装置の製造工程は、既にガラスを用いて行なわれており、その生産設備の大半はガラスを使用することを前提に設計されている。したがって、既存の生産設備を有効活用しながら、表示装置を生産することを可能とすることが望ましい。
その検討の具体例の一つとして、ガラスを支持体として用いて、ガラス上に樹脂基板を積層した状態で所定の表示装置の製造工程を完了させ、その後にガラスを取り除くことで、フレキシブル基板上に表示部を備えた表示装置の製造方法が知られている(特許文献2〜8、非特許文献3〜4参照)。そして、これらの場合、表示装置の製造工程のうち所定の工程ではガラスと樹脂基板の剥離が発生なく良好に密着していることと、表樹脂基板上に形成された表示部(ディスプレイ部)に損傷を与えずに樹脂基材とガラスとを分離することが必要となる。
すなわち、非特許文献3では、ガラス上に塗布して固着した樹脂基材に対し、所定の表示部を形成した後、EPLaR(Electronics on Plastic by Laser Release)プロセスと呼ばれる方法によりガラス側からレーザーを照射して、表示部を備えた樹脂基材をガラスから分離する。この方法では、樹脂基材上に表示部を形成した後にレーザーを照射するため、樹脂基材を通過したレーザーがTFT、カラーフィルターなどの機能層にダメージを与える恐れがある。特に、樹脂基材に透明性の高い樹脂を適用すると、レーザーが樹脂層を透過しやすく、機能層へのダメージの恐れが一層高くなる。機能層へのダメージを避けるためにレーザーの強度を低くすると、生産性が低下するといった問題がある。
一方、非特許文献4記載の方法は、EPLaR法の欠点を改善した方法であって、剥離層をガラス基板に塗布して形成した後、剥離層の上にポリイミド樹脂を塗布し、有機EL表示装置の製造工程が完了した後に剥離層からポリイミドフィルム層を剥離する方法である。すなわち、この方法は、剥離層2をガラス1に形成した後に、剥離層2よりも一回り大きくポリイミド層3を形成し、その後、所定のTFT及び有機EL工程のプロセス処理を行い、TFT/有機ELパネル部(表示部)4を形成した後、剥離層2の内側の切断線5に沿って剥離層2まで切断して、ポリイミド層3及びTFT/有機ELパネル部(表示部)4を剥離層2から剥離するというものである。しかしながら、非特許文献4には、その剥離層にどのようなものを使用するかなど具体的記載がない。そのため、実際に剥離層からの分離がどの程度の力を要するのか、また、分離されたポリイミド層3の表面性状がどのような状態になるのか不明である。また剥離層の面積をポリイミド層の面積より小さくする必要があるため、有機EL表示装置の形成可能な面積に制限があり、生産性に課題がある。生産性の低下を防止するために剥離層の面積を大きくすると、剥離層の外周部でガラスに接着しているポリイミド層の面積が小さくなり、工程中の応力により剥離が発生しやすくなるといった問題がある。
特許文献2記載の方法は、ガラス上にパリレンまたは環状オレフィン共重合体からなる剥離層を形成した後に、非特許文献4記載の方法と同様に剥離層よりも一回り大きくポリイミド層を形成し、その上に電子デバイスの作製を行なった後、ポリイミド層を剥離する方法である。ディスプレイ用途に必要となるTFTの形成には、一般に400℃程度に達するアニール工程が必要であるが、この方法では、剥離層の耐熱性がポリイミドより劣るため、ポリイミド層の熱処理温度や電子デバイスを作成する際の最高温度が剥離層の耐熱性に制限されるという課題がある。また、ガラスと剥離層との間、及び、剥離層とポリイミド層との間の接着は弱いため、工程中の応力に耐えられず剥離の原因となりうる。さらに剥離層の熱膨張係数はポリイミドより大きく、樹脂種の違いによる熱膨張係数の差が反りの要因となりうる。
特許文献3記載の方法は、支持体上に樹脂層を形成した後、樹脂層上に光電変換素子を形成する光起電力装置の製造方法であり、光電変換装置部分を囲繞する位置に支持体と樹脂層の密着力が高い部分を設ける方法である。樹脂層としてポリイミドが例示されているが、支持体からポリイミドを剥離可能とする手法についての開示はない。有機EL表示装置では、光起電力装置と異なり非常に高いガスバリア性が要求されるため、樹脂層上に緻密なバリア層を形成することが必須であるが、支持体と樹脂層の剥離強度が高いと、剥離時にバリア層にクラックが入り、ガスバリア性が低下する恐れがある。さらに、表示装置には、より薄化、軽量化が求められており、樹脂層の薄化に対するニーズは光起電力装置と比較し、はるかに強い。樹脂層の厚みが30μm以下の場合、支持体と樹脂層の剥離強度を適切に制御せずに、剥離を行なった場合、樹脂層に伸びが生じ、ガスバリア層、回路、TFT、カラーフィルター、ITO等の表示装置の機能層がダメージを受ける。また、支持体の再利用のためには、光起電力装置部分を囲繞する部分も、支持体から剥離する必要があるが、特許文献3の方法は光起電力装置部分よりさらに密着力が強い部分が必須であるため、この部分の剥離が困難となる可能性がある。
特許文献4、特許文献5においては、特定の化学構造を有するジアミンと酸無水物の比率を変えることにより、支持体とポリイミドフィルム基板の剥離強度を制御するデバイスの製造方法が開示されているが、所定の工程内での支持体とポリイミドフィルム基板の確実な剥離防止と、所定の工程後の良剥離性を同時に満足する手法についての記載はない。さらに得られたポリイミドは黄褐色に着色し透明性に劣るため、表示装置への適用範囲は限定される。また、特許文献5に剥離強度が160N/m未満では、プロセス中でのウェット洗浄工程に耐えられない等、実用的デバイスとしての利用は困難であるとの開示がある。
特許文献6の方法は、無機材料である支持体と樹脂層の積層体の製造方法であり、支持体の表面のカップリング剤処理を行なった後、UV照射等によりこのカプリング剤のパターン化処理を行ない、剥離強度が異なる良好接着部分と易剥離部分をもつ積層体の製造方法である。この方法では、カップリング剤処理、パターンニングが必要であるため、工程数の増加によるコストアップ、歩留り低下の問題がある。また、それぞれの部分の剥離強度を再現性良く所定の値に制御することは困難である。さらに、実用上、支持体は再利用し繰り返し使用される場合が多く、再利用のためには、良好接着部分が容易に剥離できることが好ましいが、良好接着部分の剥離性について考慮はなく、実施例によると良好接着部分の剥離強度の多くは500N/m以上となっており、剥離は容易ではない。
特許文献7の方法は、支持体に設けたフィルム材料層を加熱してフィルム層にした後、表示層形成前にフィルム形成温度より高い温度で周辺部を加熱することにより接着力の高い剥離防止部を設け、さらに表示層形成後に上記剥離防止部を加熱し、支持基板からフィルム材料を剥離する表示装置の製造方法が開示されている。この方法では、フィルム材料の部分的な加熱が表示層形成前、形成後の二回必要であり、工程数の増加によるコストアップ、さらにレーザー等の剥離専用設備が必要となるといった課題がある。また、表示層形成部の剥離強度を制御する手段についての記載はない。
特許文献8の方法は、支持体上に剥離層を形成した後、剥離層上にフレキシブル基板を形成し、剥離層とフレキシブル基板の間で剥離を行なう方法である。剥離層として、モリブデン、ニッケル、窒化ケイ素が開示されている。この方法では、パターンニングされた剥離層形成のためにスパッタリング、フォトリソエッチング等の工程が必要となり、工程数の増加によるコストアップの問題がある。また、製造工程中、剥離層の脱落物による異物混入、工程汚染の恐れがある。支持体の工程投入前および再利用前のブラシ洗浄等で剥離層が脱落した場合、フレキシブル基板の剥離不良の問題も発生する。
これらの方法は、いずれもガラスを支持基材として用いて、ガラスに固定したフレキシブル基板に表示部を形成することで、フレキシブル基板の取り扱い性や寸法安定性を担保することができ、しかも、液晶表示装置や有機EL表示装置等の表示装置を製造する現行の製造ラインで、そのままガラスを使用できる利点がある。
しかしながら、上記の方法では、支持体とフレキシブル基板が剥離の発生なく積層され、所定の表示部を形成した後に極めて簡便に分離でき、フレキシブル基板や表示部に与えるダメージが少なく、かつ、フレキシブル基板から除去された支持基材に残留するフレキシブル基板が簡易な手段で除去できる、という観点では十分でなく、更なる改善が必要であった。
特開2008-231327号公報 特開2010-67957号公報 特開平4-212475号公報 特開2012-140560号公報 特開2012-140561号公報 特開2013-10340号公報 特開2013-73001号公報 特開2013-168445号公報
S. An et.al.,"2.8-inch WQVGA Flexible AMOLED Using High Performance Low Temperature Polysilicon TFT on Plastic Substrates", SID2010 DIGEST, p706(2010) Oishi et.al.,"Transparent PI for flexible display",IDW'11 FLX2/FMC4-1 E.I. Haskal et. al. "Flexible OLED Displays Made with the EPLaR Process",Proc.Eurodisplay '07,pp.36-39 (2007) Cheng-Chung Lee et. al. "A Novel Approach to Make Flexible Active Matrix Displays",SID10 Digest,pp.810-813(2010)
そこで、本発明の目的は、予め支持体と一体化されたフレキシブル基板に対して、所定の機能層を形成した後、支持体からフレキシブル基板を容易に分離できて、表示装置を簡便に得ることができる方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、機能層が形成される機能層形成領域のフレキシブル基板と支持体との剥離強度が200N/m以下0.1N/m以上にすると共に、上記機能層形成領域を囲繞する位置に、フレキシブル基板が支持体から剥離されるのを防止する剥離防止部を形成しておき、機能層形成領域のフレキシブル基板と剥離防止部とを分離した上で、機能層を備えたフレキシブル基板から支持体を除去することにより、フレキシブル基板の取り扱い性や寸法安定性を担保しながら機能層を精度良く製造でき、しかも、支持体からフレキシブル基板を容易に分離して表示装置を得ることができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、支持体に樹脂溶液を塗布して、支持体上にフレキシブル基板を形成するフレキシブル基板形成工程と、前記フレキシブル基板上に機能層を形成する機能層形成工程と、機能層が形成されたフレキシブル基板から支持体を除去する支持体除去工程とを有して、表示装置を製造する方法であって、前記フレキシブル基板が二以上の樹脂層から形成されており、前記機能層が形成される機能層形成領域におけるフレキシブル基板と支持体との剥離強度が200N/m以下0.1N/m以上であると共に、前記機能層形成領域を囲繞する位置に前記フレキシブル基板を形成する樹脂層のいずれか一つ以上が機能層形成領域の外周が和に張り出して支持体に接着して、フレキシブル基板が支持体から剥離されるのを防止する剥離防止部を形成して、かつ該剥離防止部の厚みを機能層形成領域のフレキシブル基板の厚みより薄くしておくことで、前記機能層形成領域若しくは剥離防止部に対応する支持体の部分への局所的な化学的表面処理、又は、前記剥離防止部に対応する支持体の部分への局所的な加熱を行うことなく、前記支持体除去工程において、機能層形成領域のフレキシブル基板と剥離防止部とを分離した上で、機能層を備えたフレキシブル基板から支持体を除去することを特徴とする表示装置の製造方法である。
また、本発明支持体に樹脂溶液を塗布して、支持体上にフレキシブル基板を形成するフレキシブル基板形成工程と、前記フレキシブル基板上に機能層を形成する機能層形成工程と、機能層が形成されたフレキシブル基板から支持体を除去する支持体除去工程とを有して、表示装置を製造する方法であって、前記機能層が形成される機能層形成領域におけるフレキシブル基板と支持体との剥離強度が200N/m以下0.1N/m以上であり、前記機能層形成領域を囲繞する位置には、機能層の構成材料の一部が機能層形成領域の外周側に張り出して支持体に接着して、フレキシブル基板が支持体から剥離されるのを防止する剥離防止部を形成しておくことで、前記機能層形成領域若しくは剥離防止部に対応する支持体の部分への局所的な化学的表面処理、又は、前記剥離防止部に対応する支持体の部分への局所的な加熱を行うことなく、前記支持体除去工程において、機能層形成領域のフレキシブル基板と剥離防止部とを分離した上で、機能層を備えたフレキシブル基板から支持体を除去することを特徴とする。
また、本発明の表示装置の製造方法は、好ましくは、前記支持体除去工程において、剥離防止部を支持体から除去した後、機能層を備えたフレキシブル基板から支持体を除去することを特徴とする。
また、本発明の表示装置の製造方法は、好ましくは、前記剥離防止部におけるフレキシブル基板と支持体との剥離強度が500N/m以下であることを特徴とする。
また、本発明の表示装置の製造方法は、好ましくは、前記剥離防止部を形成する機能層の一部の構成材料が、無機基材により形成される無機層であることを特徴とする。
また、本発明の表示装置の製造方法は、好ましくは、前記機能層形成工程に先駆けて、フレキシブル基板形成工程で形成されたフレキシブル基板の機能層形成領域に対応する位置のみにUVレーザー光を照射することで、機能層形成領域のフレキシブル基板と支持体との剥離強度に比べて、機能層形成領域を囲繞する位置のフレキシブル基板と支持体との剥離強度を高めて剥離防止部を形成することを特徴とする。
また、本発明の表示装置の製造方法は、好ましくは、前記フレキシブル基板の厚みが0
.1μm以上30μm以下であることを特徴とする。
また、本発明の表示装置の製造方法は、好ましくは、前記フレキシブル基板がポリイミドからなることを特徴とする。
また、本発明の表示装置の製造方法は、好ましくは、前記フレキシブル基板形成工程において、支持体にポリイミド又はポリイミド前駆体の樹脂溶液を塗布した後、酸化性雰囲気で熱処理してフレキシブル基板を得ることを特徴とする。
また、本発明の表示装置の製造方法は、好ましくは、前記フレキシブル基板形成工程において、支持体にポリイミド又はポリイミド前駆体の樹脂溶液を塗布した後、280℃以上で熱処理してフレキシブル基板を得ることを特徴とする。
また、本発明の表示装置の製造方法は、好ましくは、前記フレキシブル基板形成工程において、支持体にポリイミド又はポリイミド前駆体の樹脂溶液を塗布した後、連続熱処理でフレキシブル基板を得ることを特徴とする。
また、本発明の表示装置の製造方法は、好ましくは、表示装置がタッチパネルであることを特徴とする。
本発明の表示装置の製造方法は、その製造工程において、支持体への局所的な化学的表面処理または加熱を行うことなく、支持体とフレキシブル基板が剥離の発生なく積層され、所定の機能層を形成した後に極めて簡便に表示装置を分離でき、かつ、フレキシブル基板や機能層にダメージを与えないため、量産性に優れる。また、表示装置を除去した後に支持体に残留する枠状のフレキシブル基板(つまり、剥離防止部に対応する部分)が簡易な手段で除去できるため、支持体の再利用が容易となる。その結果、表示装置の製造において、ガラス基板からフレキシブル基板への置き換えを更に促進することができる。
図1は、参考例1に係る表示装置の製造方法を示す模式説明図である。 図2は、実施例2に係る表示装置の製造方法を示す模式説明図である。 図3は、実施例3に係る表示装置の製造方法を示す模式説明図である。 図4は、実施例4に係る表示装置の製造方法を示す模式説明図である。 図5は、参考例5に係る表示装置の製造方法を示す模式説明図である。 図6は、実施例6に係る表示装置の製造方法を示す模式説明図である。 図7は、実施例7に係る表示装置の製造方法を示す模式説明図である。 図8は、比較例4に係る表示装置の製造方法を示す模式説明図である。 図9は、機能層形成領域を固定する基体を有して表示装置の製造方法に用いられる剥離装置を示す模式説明図である。
以下、本発明の表示装置の製造方法の一形態について、詳細に説明する。
先ず、支持体を準備する。この支持体は、例えば、有機EL表示装置の製造過程において、機能層として表示部を形成する際の台座の役割を担う。また、タッチパネルの製造工程において、透明導電膜の成膜や回路加工など電極層を形成する際の台座の役割を担う。この支持体については、各種表示装置を形成する表示部等の機能層の製造過程での熱履歴や雰囲気等に耐え得るような化学的強度や機械的強度を備えたものであれば特に制限されず、ガラス、セラミック、シリコン、金属箔や、剛性を有する樹脂板、ガラスと樹脂の複合材料が例示されるが、好適には、ガラス板又はシリコンウェハーを用いるのがよい。上記支持体は公知の洗浄方法や表面処理を行なってもよいが、支持体上に洗浄や化学的表面処理を局所的に行なうパターニングは必要としない。支持体として、ガラスを使用する場合、例えば、有機EL表示装置やタッチパネルの製造において一般的に使用されるものを利用することができる。但し、本発明で製造する表示装置では、表示装置における支持基材は樹脂層からなるフレキシブル基板である。つまり、上記支持体は、フレキシブル基板上に表示部等の機能層を形成する際に台座の役割をするものであって、機能層の製造過程でフレキシブル基板の取り扱い性や寸法安定性等を担保することはあっても、最終的には除去されて表示装置を構成するものではない。
また、本発明の表示装置の製造方法は、この支持体の上に樹脂溶液を塗布し、この支持体上にフレキシブル基板を形成するフレキシブル基板形成工程、上記フレキシブル基板上に表示部等の機能層を形成し、機能層を形成する機能層形成工程、及び上記機能層が形成されたフレキシブル基板から支持体を除去する支持体除去工程の各工程を含む。
先ず、フレキシブル基板形成工程について説明する。
フレキシブル基板形成工程において、支持体の上に樹脂溶液を塗布した後に、熱処理をすることが好ましい。前記熱処理は、支持体上に塗布した樹脂溶液から溶媒を除去すると共に、樹脂を硬化させて、耐熱性、耐溶剤性等に優れたフレキシブル基板を形成して、かつ、そのフレキシブル基板の支持体からの剥離性を付与する効果がある。この条件は、上記熱処理における昇温時の最高加熱温度(最高到達温度)より20℃低い温度から最高到達温度までの高温加熱温度域での加熱時間(以下、「高温保持時間」という。)を15分以内とすることが好ましい。この高温保持時間が15分を超えると、フレキシブル基板が脆化する傾向になる。また、フレキシブル基板に透明性が求められる場合、高温保持時間が15分を超えると着色等によってフレキシブル基板の透明性が低下する傾向にある。フレキシブル基板の機械的強度及び透明性を維持するためには高温保持時間は短い方が良いが、短すぎると上記熱処理の効果が十分に得られない可能性がある。最適な高温保持時間は、加熱方式、支持体の熱容量、フレキシブル基板の厚み等によって異なるが、例えば、フレキシブル基板がポリイミドである場合は、0.5分以上5分以内とすることがさらに好ましい。
なお、本発明では、フレキシブル基板形成工程において、前記機能層形成領域又は剥離防止部に対応する支持体の部分に対し、局所的な化学的表面処理又は加熱を行わない。ここで、化学的表面処理とは、例えば、シランカップリング剤等の低分子化合物、モリブデン、ニッケル、窒化ケイ素等の無機物または高分子化合物の塗布、スパッタリング、蒸着またはラミネートが挙げられ、粗化等の物理的表面処理とは異なる。
フレキシブル基板形成工程での上記熱処理における適切な最高加熱温度は、樹脂や溶剤の種類、樹脂厚み、支持体の材質や厚み、加熱時間によって異なるが、フレキシブル基板がポリイミドである場合は、230℃以上であることが好ましい。最高加熱温度が230℃より低いと、得られたフレキシブル基板中に溶剤が残留し、これが製造工程中で問題となる可能性がある。また、後の支持体除去工程において支持体の除去を容易にするためには、最高到達温度は280℃より高い温度が好ましく、330℃より高い温度がさらに好ましい。上記熱処理は、上記積層体を熱処理装置内に設置し移動することなく熱処理を行なうバッチ熱処理でもよく、所定の温度に設定された熱処理装置内を、上記積層体を連続的に移送することにより熱処理を行う連続熱処理でもよい。上記連続熱処理は、上記バッチ熱処理と比較し、生産性の向上、熱処理温の均一化、最高加熱温度の短時間化で有利である。なお、フレキシブル基板がポリイミドの場合、熱処理温度の上限はポリイミドの化学構造によって異なるが、熱処理温度が高すぎるとポリイミドの機械的特性や光学特性が低下することなどから、実質的には550℃である。
また、フレキシブル基板がポリイミドである場合は、好ましくは、上記熱処理を酸化性雰囲気で行うことが好ましい。酸化性雰囲気で熱処理することで、支持体からフレキシブル基板の剥離を容易にするという効果がある。ここで、酸化性雰囲気とは、酸素原子を5%以上含む気体であり、具体的には空気、酸素、酸素富化空気、酸素ガスと不活性ガスの混合ガス等が挙げられるが、空気雰囲気での熱処理は、コストが安いので好ましい。
また、フレキシブル基板を構成する樹脂の化学構造は、以下に説明するように、上記機能層の形成領域におけるフレキシブル基板と支持体との剥離強度(以下、「機能層形成領域の剥離強度」という。)が200N/m以下0.1N/m以上となるものであれば限定されないが、耐熱性、寸法安定性の観点からポリイミドが好ましい。
上記フレキシブル基板がポリイミドである場合、上記ポリイミドの構造は、下記一般式(1)で表される構造単位を含む。
Figure 0006234391
ここで、Ar1は4価の有機基を表し、Arは2価の有機基を表す。
Ar1は、好ましくは、下記式(4)で表される4価の有機基のいずれかである。
Figure 0006234391
また、Ar2は、好ましくは下記一般式(2)又は(3)で表される。ここで、R1〜R8は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、炭素数1〜5までのアルキル基若しくはアルコキシ基、又はフッ素置換炭化水素基である。
Figure 0006234391
フレキシブル基板と支持体の剥離性を良好とするためには、Ar1またはArにおいてフッ素原子またはフッ素置換炭化水素基を含む、いわゆる含フッ素ポリイミドを用いるのがより好ましい。例えば、一般式(2)にあってはR1〜R4のうち、また、一般式(3)にあってはR1〜R8のうち、それぞれ少なくとも一つはフッ素原子又はフッ素置換炭化水素基であるのが好ましい。
また、上記フレキシブル基板がポリイミドである場合、上記樹脂溶液は、ポリイミド又はポリイミド前駆体の溶液である。ポリイミド前駆体の溶液の場合、原料のジアミンと酸無水物とを溶媒の存在下で重合し、ポリイミド前駆体の溶液とした後、これを支持体上に塗布し、熱処理によりイミド化することによって製造することができる。また、ポリイミドの溶液の場合、ポリイミドの溶液を支持体上に塗布し、熱処理により乾燥することによって製造することができる。
ポリイミドフィルムの分子量は、原料のジアミンと酸無水物のモル比を変化させることで主に制御可能であるが、通常、そのモル比は1:1である。必要に応じて、0.985〜1.015まで調整することができる。
前記ポリイミド前駆体の溶液は、先ず、ジアミンを有機溶媒に溶解させた後、その溶液に酸二無水物を加え、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸を製造することができる。有機溶媒としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、n-メチルピロリジノン、2−ブタノン、ジグライム、キシレン等が挙げられ、これらを1種若しくは2種以上併用して使用することもできる。
得られたポリイミド前駆体の溶液を支持体に塗布する際、ポリイミド前駆体の濃度や分子量の調整により、当該溶液の粘度は500〜70000cpsの範囲とすることが好ましい。塗布の方法は、特に限定されず、所定の厚み精度が得られるのであれば、公知の方法、例えば、スピンコーター、スプレーコーター、バーコーターや、スリット状ノズルから押し出す方法が適用できる。また、樹脂溶液の塗布面となる基体や基材の表面に対して適宜表面処理を施した後に、塗布を行ってもよい。
また、上記フレキシブル基板は、その厚みは制限されないが、厚みの下限は0.1μmが好ましく、0.3μmがさらに好ましい。厚みが0.3μmより薄いと、製造工程中に混入した異物によりフレキシブル基板にピンホールが発生する可能性があり、0.1μmより薄いと支持体表面の異常突起によりピンホールが発生する可能性がある。厚みの上限は30μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下がさらに好ましい。表示装置の厚みを十分に薄くするためには、フレキシブル基板の厚みは30μm以下にするのがよく、良好なフレキシブル性を得るためには10μm以下にするのがよい。さらに、5μm以下とすることにより、表示装置用途において必要となる、広い波長領域での高い透過率を得ることができる。
ここで、上記機能層形成領域におけるフレキシブル基板と支持体との剥離強度が200N/m以下0.1N/m以上である必要がある。
機能層形成領域の剥離強度が200N/mより高い場合、フレキシブル基板上に形成するバリア層や、さらにはTFT、カラーフィルター、回路、ITO等の機能層が、支持体からの剥離時にダメージを受けやすくなる。バリア層がダメージを受けた場合、初期の表示装置としての特性に問題がない場合でも、長期間使用後の特性が低下する。支持体とフレキシブル基板が接着していない場合、機能層形成工程中の応力や温度変化による支持体とフレキシブル基板との熱膨張差などで、支持体からのフレキシブル基板の浮きが生じることがあるため、機能層形成領域は剥離強度で0.1N/m以上で支持体と接着していることが必要である。このため、本発明においては、機能層形成領域の剥離強度は低い方が好ましく、機能層形成領域の剥離強度は200N/m以下0.1N/m以上であり、好ましくは50N/m以下0.1N/m以上であり、より好ましくは10N/m以下0.1N/m以上である。
また、上記フレキシブル基板の440nmから780nmの波長領域での透過率が80%以上であることが好ましい。表示装置が有機表示EL装置である場合、有機ELの発光層から出る光の波長が主に440nmから780nmであることから、有機EL表示装置に用いられる基板としてはこの波長領域での平均の透過率が少なくとも80%以上であることが好ましい。より好ましくは、440nmから780nmでの平均の透過率は85%以上である。
また、上記フレキシブル基板は単層の樹脂層で形成されてもよく、複数の樹脂層で形成されてもよい。複数層からなる場合であって、例えば支持体と接する層を第一樹脂層とし、この第一樹脂層の支持体と接する面と反対側の面に接する樹脂層を第二樹脂層とすると、第一樹脂層と第二樹脂層は、同一の化学構造でもよく、異なる化学構造でもよい。上記フレキシブル基板が複数の樹脂層からなる場合は、少なくとも支持体と接する層(先の例で言えば第一樹脂層)が上述したポリイミドの構造を有することが好ましい。より好ましくは、複数の樹脂層の全てが上述したポリイミドの構造を有するのがよい。なお、フレキシブル基板が複数の樹脂層からなる場合、これらの樹脂層の間にSiO等の無機層を設けてもよい。
フレキシブル基板を複数の樹脂層で形成する場合、いずれかの樹脂層の少なくとも一部が他の樹脂層の周辺部より張り出すように形成してもよい。これにより、フレキシブル基板の周辺部に機能層形成領域より厚みが薄い部分を設けることになり、製造工程中にフレキシブル基板の端面に集中する応力を分散でき、支持体とフレキシブル基板とが製造工程中に剥離することを防止できる。
すなわち、例えば、支持体上に樹脂溶液を塗布して熱処理して得た第一樹脂層上に、樹脂溶液を塗布して熱処理して、第一樹脂層よりも膜厚が大きく、かつ第一樹脂層よりひとまわり小さい第二樹脂層を積層させて、第二樹脂層より張り出した第一樹脂層の張出部が剥離防止部を形成する。
そして、第二樹脂層上に機能層を形成した後に剥離防止部を切断分離すれば、残った第一及び第二の樹脂層がフレキシブル基板を構成する。ここで、第一樹脂層の張り出す距離(幅)は、第一樹脂層と第二樹脂層を合わせた厚み以上であることが好ましく、第一樹脂層と第二樹脂層を合わせた厚みの10倍以上であることがより好ましい。このようにして、機能層が形成される機能層形成領域のフレキシブル基板と上記支持体との剥離強度が200N/m以下0.1N/m以上であると共に、上記機能層形成領域を囲繞する(取り囲む)位置に、機能層形成領域のフレキシブル基板より剥離しにくい剥離防止部を形成しておくことで、フレキシブル基板上に機能層を備えてなる表示装置を製造するのに好適な積層構造体とすることができる。また、第二樹脂層の膜厚は、第一樹脂層の膜厚と同程度でも良く、小さくても良い。また、第一樹脂層及び第一樹脂層上に積層した第二樹脂層の層厚の合計が、剥離防止部上の第一樹脂層の層厚よりも大きいことが好ましい。膜厚の平均値が1μm以上大きいことがより好ましい。ここで、膜厚の平均値は、ダイヤルゲージまたはマイクロメーターで測定した任意の10点の膜厚の平均値である。
次に、機能層形成工程について説明する。
機能層は、製造する表示装置によって異なる。例えば、有機EL装置の場合はバリア層、TFT、ITO、有機EL発光層、カラーフィルター層などが挙げられる。また、タッチパネルの場合は、透明導電膜、メタルメッシュなどの電極層が挙げられる。これらの機能層の形成方法は、公知の方法を適用できる。
また、上記機能層を囲繞する位置に、フレキシブル基板が支持体から剥離されるのを防止する剥離防止部を形成し、次の支持体除去工程において、上記剥離防止部から機能層形成領域のフレキシブル基板を分離した後、機能層を備えたフレキシブル基板から支持体を除去する。
ここで、剥離防止部は、上記支持体除去工程において、その他の部分(すなわち機能層形成領域のフレキシブル基板)より剥離し難ければ、その形状や性質は特定されない。例えば、剥離防止部に対応するフレキシブル基板と支持体との剥離強度(以下、「剥離防止部の剥離強度」という。)は、機能層形成領域のフレキシブル基板と支持体との剥離強度と同じでもよく、また機能層形成領域の剥離強度より高くてもよく、低くてもよい。例えば、支持体を再利用する場合には、機能層を備えたフレキシブル基板が除去された後に支持体上に残る枠状のフレキシブル基板を完全に除去する必要がある。このため、上記剥離防止部の剥離強度は500N/m以下であることが好ましく、200N/m以下であることがさらに好ましい。剥離防止部の剥離強度が500N/mより高いと、例えばスクレーパーやクリップを用いた剥離防止部の除去が困難になる可能性がある。200N/m以下であると、真空吸引や粘着剤による剥離防止部の除去が容易になる。なお、この剥離防止部の剥離強度の好ましい下限は、機能層形成領域のフレキシブル基板の剥離強度の下限と同じく0.1N/mである。
剥離防止部の形成方法は、上記剥離防止部の機能を満たすものであれば限定しないが、例えば、以下に示す形成方法が好ましい。
先ず、上記剥離防止部の形成方法の好ましい例のひとつは、フレキシブル基板を複数の樹脂層とすることである。すなわち、フレキシブル基板が少なくとも第一樹脂層と第二樹脂層とを有するようにして、支持体上に形成した第一樹脂層の表面を第二樹脂層で被覆すると共に、第二樹脂層の外周部が支持体と接着されるようにして、この第二樹脂層の外周部が係止部材の役割をして剥離防止部を構成し、支持体から第一樹脂層が剥離するのを防止する。それにより、第二樹脂層上に機能層を形成して、機能層形成領域のフレキシブル基板を剥離防止部から切断分離した後には、剥離防止部を除いた第一及び第二樹脂層がフレキシブル基板となる。このようにして、機能層が形成される機能層形成領域のフレキシブル基板と支持体との剥離強度が200N/m以下0.1N/m以上であると共に、上記機能層形成領域を囲繞する位置に、機能層形成領域のフレキシブル基板より剥離しにくい剥離防止部を形成しておくことで、フレキシブル基板上に機能層を備えてなる表示装置を製造するのに好適な積層構造体とすることができる。また、第二樹脂層の膜厚は、第一樹脂層の膜厚と同程度でも良く、小さくても良い。また、この場合、第一樹脂層及び第一樹脂層上に積層した第二樹脂層の層厚の合計が、剥離防止部上の第一樹脂層の層厚よりも大きいことが好ましい。膜厚の平均値が1μm以上大きいことがより好ましい。
また、上記剥離防止部の形成方法の別の好ましい例は、支持体のフレキシブル基板に接する面の一部を粗化した個所とすることである。すなわち、機能層形成領域の外周側のフレキシブル基板と接する位置に支持体が部分粗化面を有しており、該部分粗化面に対応して積層されたフレキシブル基板の周縁部分を剥離し難くする。ここで、粗化とは、支持体表面に凹部を形成することも含む。また、粗化の方法は、公知の方法を用いることができるが、好ましくはサンドブラスト、エッチングである。サンドブラストにより粗化する場合、剥離防止部の粗度Raは0.01μm以上が好ましく、0.1μm以上がさらに好ましく、また、10μm以下が好ましく、3μm以下がさらに好ましい。
また、上記剥離防止部の形成方法の別の好ましい例は、支持体とフレキシブル基板との両方に接着している剥離防止層を形成することである。すなわち、機能層形成領域の外周側でフレキシブル基板の周縁部と支持体との間に剥離防止層を介在させる。ここで、上記剥離防止層は、テープ、両面テープ、ポリイミド、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、金属などが挙げられる。耐熱性、ハンドリング性の観点から、ポリイミドを用いることが好ましい。テープ、両面テープを用いる場合、テープのフィルムがポリイミドからなることが好ましい。金属は、支持体表面に銀ペースト、アルミニウムペースト、銅ペーストなどを支持体表面に塗布した後、加熱し焼結し形成してもよい。剥離防止層は支持体とフレキシブル基板の両方に接着していれば、フレキシブル基板の形成前に剥離防止層を形成してもよく、フレキシブル基板の形成後に剥離防止層を形成してもよい。
また、上記剥離防止部の形成方法の別の好ましい例は、機能層形成工程に先駆けて、フレキシブル基板形成工程で形成されたフレキシブル基板の機能層形成領域に対応する位置のみにUVレーザー光を照射し、機能層形成領域の外周側はUVレーザー光が照射されないようにして、機能層形成領域のフレキシブル基板と支持体との剥離強度に比べて、機能層形成領域を囲繞する位置のフレキシブル基板と支持体との剥離強度が高い剥離防止部を形成することである。機能層形成後にUVレーザー光を照射することにより、フレキシブル基板から支持体を除去する方法は公知であるが(非特許文献3等)、この場合、UVレーザー光がフレキシブル基板を通過し、機能層にダメージを与える可能性がある。特に、フレキシブル基板のUVレーザー光の波長域での透過率が高い場合、機能層へダメージを与えるといった問題が発生しやすい。そこで、機能層を形成する領域に対して、機能層形成前にUVレーザー光を照射することにより、機能層へのダメージを与えることなく、表示装置の製造が可能となる。
また、上記剥離防止部の別の好ましい例は、剥離防止部が機能層を構成する機能層構成材料の一部により形成され、支持体上に形成したフレキシブル基板の表面の一部と、該フレキシブル基板の外周にあたる支持体の表面とを機能層構成材料からなる膜で被覆するようにして、この機能層構成材料からなる膜が係止部材を構成して、支持体からフレキシブル基板が剥離するのを防止する。好ましくは、この機能層構成材料がフレキシブル基板の表面から支持体まで連続的に形成され、かつ、当該機能層構成材料が支持体に接着している形態であって、機能層の一部の構成材料が機能層形成領域の外周側に張り出されるようにする。すなわち、このような係止部材を構成する機能層構成材料が、機能層を形成する少なくとも1種の材料と同じ材料からなると共に、フレキシブル基板における機能層形成領域に対して成膜した機能膜と連接してなる場合には、機能層を形成して剥離防止部から切断分離された後には、当該機能膜が機能層の少なくとも一部を構成する。
ここで、機能層構成材料とは、製造過程完了後の最終的な表示装置を構成する材料であり、例えば、無機層としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、炭化珪素、酸化炭化珪素、炭化窒素珪素、窒化珪素、窒化酸化珪素等の無機酸化物膜からなるバリア層や、ITO (tin-doped indium oxide) 、SnO、ZnO、IZO等の透明導電膜が挙げられる。また、機能層構成材料として、カラーレジスト、ブラックレジストなどのカラーフィルター材料を用いてもよい。例えば、タッチパネルの場合は、無機層としてITO、SnO、ZnO、IZO等の透明導電膜やメタルメッシュが用いられる。なお、「連続的に形成」とは、機能層構成材料がフレキシブル基板の表面からフレキシブル基板の端面を経由し支持体の表面まで繋がって形成されていることを意味する。上記機能層構成材料は、フレキシブル基板の周囲全辺で連続的に形成されることは必須ではないが、上記機能層構成材料として無機層を用いた場合、製造工程中、水分や溶剤がフレキシブル基板と接触することを防ぐ機能も有するため、フレキシブル基板の周囲全辺に上記機能層構成材料を連続的に形成することも好ましい形態の一つである。
次に、支持体除去工程について説明する。この工程においては、上記剥離防止部と上記機能層形成領域のフレキシブル基板を分離した後、フレキシブル基板から支持体を除去する。すなわち、フレキシブル基板に機能層を形成した後には、機能層を備えたフレキシブル基板の機能層形成領域を剥離防止部から切断分離して、当該フレキシブル基板から支持体を除去することで、フレキシブル基板上に機能層を備えた表示装置を得ることができる。
機能層形成領域のフレキシブル基板と剥離防止部との分離は、機能層形成領域のフレキシブル基板を支持体から剥離する際に、剥離防止部に応力がかからないように分離すればよく、フレキシブル基板のみを分離してもよく、支持体ごと分離してもよい。分離の手段は特に限定されず、例えばナイフやローラーブレードなどの刃を使用してもよい。ここで、例えば、機能層の一部を構成するバリア層を形成後、刃を使用し機能層形成領域と剥離防止部との分離を行う場合、フレキシブル基板切断時に切断面から発生するバリア層のクラックの防止のため、フレキシブル基板および刃の少なくとも一方を加熱してもよい。適切な加熱温度は、切断方法、フレキシブル基板およびバリア層の種類などによって異なるが、フレキシブル基板のガラス転移温度以上に加熱することが好ましい。また、アルカリ水溶液やプラズマ等によるエッチング、レーザーを分離の手段としてもよい。
フレキシブル基板から支持体を除去するプロセスは、特に制限はないが、例えば、図9に示すような機能層形成領域を固定する基体を有する剥離装置を用いて、除去に必要な応力を基体から機能層形成領域のフレキシブル基板に加え、支持体の除去を行った後、基体から機能層形成領域を分離するようにしてもよい。その際、支持体を除去するために加える応力によるフレキシブル基板の延伸や機能層への損傷を防止するために、吸引、粘着などの方法で機能層形成領域の面全体を基体に固定してもよい。吸引により機能層形成領域を基体に固定する場合、基体内部から基体表面に繋がる細孔を有する基体を使用し、基体内部を減圧にし、真空を利用して基体表面に機能層形成領域を固定した状態で、フレキシブル基板から支持体を除去した後、基体内部の減圧を解き、基体から機能層形成領域を分離する方法でもよい。ここで、基体は樹脂でもよく、ステンレスなどの金属であってもよい。また、基体−機能層形成領域積層部分の端部に応力をかけ、当該端部から分離しても良いし、前記基体−機能層形成領域積層部分の全面に応力をかけ、全面をほぼ同時に分離しても良い。基体の表面形状は曲面であってもよい。このような剥離装置を用いる方法以外には公知の方法を採用でき、例えば、有機溶剤やアルカリ水溶液を用いたり、UVレーザー光や加熱による剥離を適用したりしてもよい。
機能層形成領域のフレキシブル基板と剥離防止部とを分離した後、先に剥離防止部を支持体から除去し、機能層形成領域のフレキシブル基板のみを支持体上に残し、その後、機能層形成領域のフレキシブル基板から支持体を除去しても良い。機能層形成領域を構成するフレキシブル基板から支持体を除去する際には、機能層形成領域を粘着、吸引などの方法で剥離装置に固定し、剥離に必要な応力を機能層形成領域に加える必要があるが、先に剥離防止部を支持体から除去する上記の方法によると、機能層形成領域を剥離装置に固定するために精密な位置合わせを行う必要がなく、また、剥離装置から剥離のための応力を効率的に機能層形成領域に伝達することができる。
更に、機能層形成領域のフレキシブル基板と剥離防止部とを分離した後、先に剥離防止部を支持体から除去し、機能層形成領域のフレキシブル基板のみを支持体上に残し、その後、機能層形成領域のフレキシブル基板から支持体を除去する方法によると、機能層形成領域を構成するフレキシブル基板から支持体を除去する際に、フレキシブル基板と支持体の間に、フレキシブル基板の端面からスクレーパーを差し入れることが容易になる。スクレーパーを使用することにより、剥離時に機能層にかかる応力が低減でき、機能層の損傷を防止できる。
以下、実施例等に基づいて本発明の内容をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の範囲に限定されるものではない。なお、各種評価は次のとおりにして行った。
「剥離強度」
東洋精機製作所社製ストログラフを用いて、ポリイミドを短冊状に切断したサンプルについて、180度剥離試験法によるピール強度を測定することにより評価した。
「熱膨張係数」
3mm×15mmのサイズのポリイミドフィルムを、熱機械分析(TMA)装置にて5.0gの荷重を加えながら一定の昇温速度(20℃/min)で30℃から260℃の温度範囲で引張り試験を行い、温度に対するボリイミドフィルムの伸び量から熱膨張係数(×10−6/K)を測定した。
「透過率」
ポリイミドフィルム(50mm×50mm)をU4000形分光光度計にて、440nmから780nmにおける光透過率の平均値を求めた。
「機能層形成部の剥離性」
ポリイミドと支持体との積層体から、人手により機能層形成領域のポリイミドの剥離を行い、剥離強度が強く人手での剥離が不可の場合を×とし、剥離が可能な場合を△とし、剥離が容易なときは○とし、剥離が極めて容易なときは◎と評価した。
「バリアクラック」
80nmのシリコン窒化膜をCVDで成膜し、クラックの発生をヤマト科学社製マイクロスコーフKH−7700で観察した。10mm角の視野において、クラックの数が20個以上の場合は評価結果を×とし、10個以上20個未満の場合は評価結果を○とし、10個未満またはクラックが無い場合を◎とした。
「水浸漬」
ポリイミドと支持体との積層体を20℃の水に1時間浸漬した後、水中から取り出しポリイミドと支持体の剥離の有無を目視で確認した。剥離箇所がなかった場合は評価結果を○とし、全面剥離または剥離箇所があった場合は評価結果を×とした。
以下の合成例や実施例および比較例において取扱われるポリアミド酸(ポリイミド前駆体)溶液の合成に用いた原料、芳香族ジアミノ化合物、芳香族テトラカルボン酸の酸無水物化合物、溶剤を以下に示す。
〔芳香族ジアミノ化合物〕
・1,4−フェニレンジアミン(PPD)
・4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DAPE)
・2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(mTB)
・1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPER)
・2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)
〔芳香族テトラカルボン酸の無水物化合物〕
・無水ピロメリット酸(PMDA)
・2,3,2’,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)
・4,4‘−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA)
〔溶媒〕
・N、N―ジメチルアセトアミド(DMAc)
(合成例1)
窒素気流下で、PPD8.0gを300mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながら溶剤DMAcg中に加え加温し、50℃で溶解させた。次いで、BPDAを22.0g加えた。その後、溶液を室温で3時間攪拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリアミド酸溶液aを得た。なお、このポリアミド酸aを加熱することにより茶褐色のポリイミドaが得られる。
(合成例2)
窒素気流下で、TFMB18.9gを500mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながら溶剤DMAc中に加え溶解させた。次いで、6FDAを26.1g加えた。その後、溶液を室温で5時間攪拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリアミド酸溶液bを得た。なお、このポリアミド酸bを加熱することにより透明なポリイミドbが得られる。
(合成例3)
窒素気流下で、TFMB26.3gを500mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながら溶剤DMAc中に加え溶解させた。次いで、PMDAを16.1g、6FDAを1.8g加えた。その後、溶液を室温で5時間攪拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリアミド酸溶液cを得た。なお、このポリアミド酸cを加熱することにより透明なポリイミドcが得られる。
(合成例4)
窒素気流下で、BAPP29.1gを500mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながら溶剤DMAc中に加え溶解させた。次いで、BPDA3.23gおよびPMDA13.6を加えた。その後、溶液を室温で3時間攪拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリアミド酸溶液dを得た。なお、このポリアミド酸dを加熱することにより茶褐色のポリイミドdが得られる。
(合成例5)
窒素気流下で、MABA66.5gおよびDAPE34.5gを2Lのセパラブルフラスコの中で攪拌しながら溶剤DMAcg中に加え溶解させた。次いで、PMDA92.6gを加えた。その後、溶液を室温で1.5時間攪拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリアミド酸溶液eを得た。なお、このポリアミド酸eを加熱することにより茶褐色のポリイミドeが得られる。
(合成例6)
窒素気流下で、mTB20.3gおよびTPE−R3.1gを500mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながら溶剤DMAcg中に加え溶解させた。次いで、PMDA18.4およびBPDA6.2gを加えた。その後、溶液を室温で4時間攪拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリアミド酸溶液fを得た。なお、このポリアミド酸fを加熱することにより黄褐色のポリイミドfが得られる。
参考例1]
支持体として厚さ30μmのフェライト系ステンレス箔を用い、その4辺の端部から10mmの部分をサンドブラストにより粗化を行った。続いて、フレキシブル基板を形成するために、このステンレス箔上の4辺から内側へ5mmの部分を残して、ポリアミド酸溶液aをアプリケーターを用いて熱処理後の厚みが8μmとなるように塗布した。次いで、熱風オーブンを用いて、100℃で5分加熱した後、370℃まで4℃/分で昇温し、続いて500℃まで20℃/分で昇温し40分保持し、図1に示したような、ステンレス箔とポリイミドaとの積層体を得た。ここで、ステンレス箔とポリイミドaの積層部分において、粗化が行われた部分が剥離防止部に相当し、粗化が行われていない部分が機能層形成領域に相当する。この積層体の水浸漬試験の結果、剥離は見られなかった。積層体の4辺を端部から12mmを切断除去した後、残存するポリイミドa(機能層形成領域)は、支持体から極めて容易に剥離可能であった。この積層体の中央部(残存するポリイミドa)の剥離強度は8N/mであり、上記粗化を行った部分(剥離防止部)の剥離強度は80N/mであった。その他、熱膨張係数の評価結果を表1に示した。
[実施例2]
支持体として厚さ0.5mm、150mm×150mmの大きさの無アルカリガラスを用いて、その上にアプリケーターにより、熱処理後の膜厚が3μmとなるようにポリアミド酸溶液bを140mm×140mmの大きさで塗布し、熱風オーブンを用いて、130℃、150℃でそれぞれ2分加熱乾燥し、樹脂溶液中の溶剤を除去した。次いで、熱処理後の厚みが22μmとなるように、ポリアミド酸溶液bを130mm×130mmの大きさで塗布し、熱風オーブンを用いて、130℃、150℃、200℃、250℃で合計30分加熱後、360℃で1分間加熱し、図2に示したような、支持体であるガラスとフレキシブル基板であるポリイミドbとの積層体を得た。この支持体1上に形成されたポリイミドbは、二層に重ねた厚み25μmの部分が機能層形成領域に相当し(130mm×130mmの大きさを有する)、その周囲に厚さ3μmの張り出し部分が剥離防止部に相当する(約5mmの張り出し幅を有する)。この積層体の水浸漬試験の結果、剥離は見られなかった。ポリイミドbの4辺を端部から8mmの箇所に切れ目を入れた後、ポリイミドbは中央部(上記切れ目の内側部分)、周辺部(上記切れ目の外側部分)ともに支持体から極めて容易に剥離可能であった。その他、剥離強度、熱膨張係数、透過率の評価結果を表1に示した。
[実施例3]
支持体として厚さ0.5mm、150mm×150mmの大きさの無アルカリガラスを用いて、その上にアプリケーターにより、熱処理後の膜厚が22μmとなるようにポリアミド酸溶液cを130mm×130mmの大きさで塗布し、熱風オーブンを用いて、120℃で5分加熱乾燥し、樹脂溶液中の溶剤を除去した。次いで、熱処理後の厚みが3μmとなるように、ポリアミド酸溶液dを140mm×140mmの大きさでポリアミド酸cの層を覆うように塗布し、熱風オーブンを用いて、130℃、150℃、200℃、250℃で合計30分加熱後、360℃で1分間加熱し、図3に示したような、支持体であるガラスとポリイミドc及びポリイミドdとの積層体を得た。この積層体は、ポリイミドc及びポリイミドdによりフレキシブル基板を形成し、ポリイミドcの厚み22μmとポリイミドdの厚み3μmとからなる厚み25μmの部分が機能層形成領域に相当し(130mm×130mmの大きさを有する)、その周囲にポリイミドdからなる厚さ3μmの張り出し部分が剥離防止部に相当する(約5mmの幅張り出し幅を有する)。この積層体の水浸漬試験の結果、剥離は見られなかった。ポリイミドc及びポリイミドdからなるポリイミドの4辺を端部から8mmの箇所に切れ目を入れた後、ポリイミドの中央部(上記切れ目の内側部分)は極めて容易に剥離可能であり、周辺部(上記切れ目の外側部分)の剥離も可能であった。その他、剥離強度、熱膨張係数の評価結果を表1に示した。
[実施例4]
支持体として厚さ0.5mm、150mm×150mmの大きさの無アルカリガラスを用いて、その上にアプリケーターにより、熱処理後の膜厚が25μmとなるようにポリアミド酸溶液eを130mm×130mmの大きさで塗布し、熱風オーブンを用いて、90℃で10分間加熱した。次いで、塗布したポリアミド酸溶液eの平行する二辺上に、ポリアミド酸溶液eとガラスの両方にかかるようにポリアミド酸溶液dを熱処理後の厚みが25μmとなるように6mm幅で塗布し、熱風オーブンを用いて、90℃から360℃まで20℃/分で加熱を行ない、図4に示したような、フレキシブル基板を形成するポリイミドeと支持体であるガラスとの積層体を得た。ポリイミドdは、ポリイミドeの表面からガラス表面まで連続的に形成されていることが目視で確認され、ポリイミドeとガラスとにそれぞれ約3mm接していた。ここで、ポリイミドeがガラスと接しており、かつポリイミドdと接していない部分が機能層形成領域に相当し、ポリイミドdがガラスと接している部分が剥離防止部に相当する。この積層体の水浸漬試験の結果、剥離は見られなかった。ポリイミドdと接しているポリイミドdの二辺から1mm内側の位置に切れ目を入れた後、中央部(上記切れ目の内側部分)は容易に剥離可能であり、ポリイミドdはガラスから剥離可能であった。その他、剥離強度、熱膨張係数、バリアクラックの評価結果を表1に示した。
参考例5]
支持体として厚さ0.5mm、150mm×150mmの大きさの無アルカリガラスを用いて、その上にアプリケーターにより、熱処理後の膜厚が2μmとなるようにポリアミド酸溶液dを、ガラスの四辺に沿って10mm幅で塗布し、熱風オーブンを用いて、130℃で20秒加熱した。次いで、ポリアミド酸溶液fを140mm×140mmの大きさで塗布し、熱風オーブンを用いて、90℃から360℃まで20℃/分で加熱を行ない、図5に示したような、フレキシブル基板を形成するポリイミドfと支持体であるガラスとの積層体を得た。このとき、ポリイミドdはポリイミドfに約5mm接していた。ここで、ポリイミドfがガラスと接している部分が機能層形成領域に相当し、ポリイミドdが剥離防止部に相当する。この積層体の水浸漬試験の結果、剥離は見られなかった。ポリイミドfの4辺を端部から8mmの箇所に切れ目を入れた後、ポリイミドの中央部(上記切れ目の内側部分、機能層形成部に相当)は極めて容易に剥離可能であり、周辺部(上記切れ目の外側部分)の剥離も可能であった。その他、剥離強度、熱膨張係数、バリアクラックの評価結果を表1に示した。
[実施例6]
支持体として厚さ0.5mm、150mm×150mmの大きさの無アルカリガラスを用いて、その上にアプリケーターにより、熱処理後の膜厚が10μmとなるようにポリアミド酸溶液cを140mm×140mmの大きさで塗布し、熱風オーブンを用いて、130℃で加熱乾燥し、樹脂溶液中の溶剤を除去した。次いで、150℃、200℃、250℃で合計30分加熱後、360℃で1分間加熱し、支持体であるガラスとフレキシブル基板であるポリイミドcとの積層体を得た。次いで、図6に示したように、この積層体のポリイミドc側の全面に、厚さ80nmのシリコン窒化膜をCVDで成膜した。シリコン窒化膜からなるバリア層は機能層であって、ポリイミドcの表面からガラス表面まで連続的に形成されていることがSEMによる観察で確認された。ここで、ポリイミドc上にシリコン窒化膜が成膜されている部分が機能層形成領域に相当し、ガラス表面にシリコン窒化膜が成膜されている部分が剥離防止部に相当する。この積層体の水浸漬試験の結果、剥離は見られなかった。ポリイミドcの4辺を端部から3mmの箇所に切れ目を入れた後、ポリイミドの中央部(上記切れ目の内側部分)および周辺部(上記切れ目の外側部分)は極めて容易に剥離可能であった。その他、剥離強度、熱膨張係数、透過率、バリアクラックの評価結果を表1に示した。
[実施例7]
支持体として厚さ0.5mm、150mm×150mmの大きさの無アルカリガラスを用いて、その上にアプリケーターにより、熱処理後の膜厚が25μmとなるようにポリアミド酸溶液cを140mm×140mmの大きさで塗布し、熱風オーブンを用いて、130℃で5分加熱乾燥し、樹脂溶液中の溶剤を除去した。次いで、150℃、200℃、250℃で合計30分加熱後、360℃で1分間加熱し、支持体であるガラスとフレキシブル基板であるポリイミドcとの積層体を得た。次に、ポリイミドcの4辺をポリイミドの端部から5mmの位置でカミソリの刃を用いて、ガラス表面まで切れ目を入れた後、周辺部のポリイミドを4辺ともガラスから剥離した。この周辺部の剥離は極めて容易であった。次いで、図7に示したように、この積層体上にポリイミドcを覆うように、成膜後の厚みが5μmとなるようにガラスペーストを140×140mmの大きさで塗布し、100℃で10分、150℃で2分、380℃で2分、400℃で10分加熱を行った。ガラスペーストから形成したバリア層は、ポリイミドcの表面からガラス表面まで連続的に形成されていることがSEMによる観察で確認された。ここで、ポリイミドc上にガラスペーストが成膜されている部分が機能層形成領域に相当し、ガラス表面にガラスペーストが成膜されている部分が剥離防止部に相当する。この積層体の水浸漬試験の結果、剥離は見られなかった。ポリイミドcの4辺を端部から3mmの箇所に切れ目を入れた後、ポリイミドの中央部(上記切れ目の内側部分)および周辺部(上記切れ目の外側部分)は極めて容易に剥離可能であった。その他、剥離強度、熱膨張係数、透過率、バリアクラックの評価結果を表1に示した。
[実施例8]
ポリアミド酸溶液bをガラス上に二層重ねて塗布した後の加熱処理として、130℃、150℃、200℃、250℃で合計30分加熱後、360℃で6分間加熱したこと以外は実施例2と同様にして、ガラスとポリイミドbの積層体を得た。この積層体の水浸漬試験の結果、剥離は見られなかった。ポリイミドbの4辺を端部から8mmの箇所に切れ目を入れた後、ポリイミドbは中央部(上記切れ目の内側部分)、周辺部(上記切れ目の外側部分)ともに極めて容易に剥離可能であった。その他、剥離強度、熱膨張係数、透過率の評価結果を表1に示した。
[実施例9]
ポリアミド酸溶液cをガラス上に塗布した後の加熱処理として、130℃で5分加熱乾燥し、樹脂溶液中の溶剤を除去し、次いで、150℃、200℃、250℃で合計30分加熱後、320℃で1分間加熱したこと以外は、実施例6と同様にして、ガラスとポリイミドcの積層体を作成し、更に実施例6と同様にシリコン窒化膜を製膜した。シリコン窒化膜からなるバリア層は、ポリイミドcの表面からガラス表面まで連続的に形成されていることがSEMによる観察で確認された。この積層体の水浸漬試験の結果、剥離は見られなかった。ポリイミドの4辺を端部から3mmの箇所に切れ目を入れた後、ポリイミドの中央部(上記切れ目の内側部分)および周辺部(上記切れ目の外側部分)は極めて容易に剥離可能であった。その他、剥離強度、熱膨張係数、バリアクラックの評価結果を表1に示した。
[実施例10]
熱処理後の膜厚が4μmとなるようにポリアミド酸溶液cを塗布したこと以外は、実施例6と同様にして、ガラスとポリイミドcの積層体を作成し、更に実施例6と同様にシリコン窒化膜を製膜した。シリコン窒化膜からなるバリア層は、ポリイミドcの表面からガラス表面まで連続的に形成されていることがSEMによる観察で確認された。この積層体の水浸漬試験の結果、剥離は見られなかった。ポリイミドの4辺を端部から3mmの箇所に切れ目を入れた後、ポリイミドの中央部(上記切れ目の内側部分)および周辺部(上記切れ目の外側部分)は極めて容易に剥離可能であった。その他、剥離強度、熱膨張係数の評価結果を表1に示した。
[比較例1]
サンドブラストにより粗化を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にしてステンレス箔とポリイミドaの積層体を得た。この積層体の水浸漬試験の結果、ポリイミドaはステンレス箔から剥離した。その他、剥離強度、熱膨張係数の評価結果を表1に示した。
[比較例2]
熱処理をイナートオーブンで行ったこと以外は、実施例1と同様にしてステンレス箔とポリイミドaの積層体を得た。オーブン中の酸素濃度は約1%であった。この積層体の水浸漬試験の結果、剥離は見られなかった。積層体の4辺を端部から12mmを切断除去した後、残存するポリイミドaは人手では剥離はできなかった。この積層体の中央部(残存するポリイミドa)の剥離強度は1800N/mであり、剥離防止部の剥離強度は高すぎて測定不能であった。その他、熱膨張係数の評価結果を表1に示した。
[比較例3]
実施例3と同様にして、ガラスとポリイミドc、ポリイミドdの積層体を得た後、ポリイミドに切れ目を入れずに、ポリイミドc及びdの剥離を行った結果、剥離は可能であったが、剥離中にポリイミドc及びdにしわが生じた。その他、剥離強度、熱膨張係数の評価結果を表1に示した。
[比較例4]
実施例7と同様にして、4辺を剥離したポリイミドcとガラスの積層体を得た後、この積層体のポリイミドc側の全面に、80nmのシリコン窒化膜をCVDで成膜した。その結果、図8に示したように、シリコン窒化膜からなるバリア層は連続的に形成されず、ポリイミドcの側面にはシリコン窒化膜が成膜されていないことがSEMによる観察で確認された。つまり、剥離防止部は存在しない。この積層体の水浸漬試験の結果、ポリイミドcがガラスから剥離した。その他、剥離強度、熱膨張係数、透過率、バリアクラックの評価結果を表1に示した。
[比較例5]
ポリイミドの4辺に切れ目を入れなかったこと以外は、実施例6と同様にしてガラスからポリイミドを剥離した後、シリコン窒化膜を観察した結果、実施例6におけるポリイミドの中央部に対応する箇所にはクラックはなかったものの、周辺部から約20mmの範囲には多数のクラックが確認された。その他、剥離強度、熱膨張係数、透過率、バリアクラックの評価結果を表1に示した。
[比較例6]
ポリアミド酸溶液cの代わりにポリアミド酸溶液dを塗布したこと以外は、実施例6と同様にして、ガラスとポリイミドdの積層体を作成し、さらに実施例6と同様にシリコン窒化膜を製膜した。シリコン窒化膜からなるバリア層は、ポリイミドdの表面からガラス表面まで連続的に形成されていることがSEMによる観察で確認された。この積層体の水浸漬試験の結果、剥離は見られなかった。ポリイミドの4辺を端部から3mmの箇所に切れ目を入れた後、積層体の中央部(上記切れ目の内側部分)および周辺部(上記切れ目の外側部分)は人手で剥離は可能であったものの、剥離時にポリイミドに伸び、しわが発生することが観察された。その他、剥離強度、熱膨張係数、バリアクラックの評価結果を表1に示した。
[比較例7]
ガラス上にポリアミド酸溶液cを塗布して130℃で5分加熱乾燥し、樹脂溶液中の溶剤を除去し、次いで、150℃、200℃、250℃で合計30分加熱後、270℃で1分間加熱したこと以外は、実施例6と同様にして、ガラスとポリイミドcの積層体を作成し、更に実施例6と同様にシリコン窒化膜を製膜した。シリコン窒化膜からなるバリア層は、ポリイミドcの表面からガラス表面まで連続的に形成されていることがSEMによる観察で確認された。この積層体の水浸漬試験の結果、剥離は見られなかった。積層体の4辺を端部から3mmの箇所に切れ目を入れた後、積層体の中央部(上記切れ目の内側部分)および周辺部(上記切れ目の外側部分)は人手では剥離はできなかった(剥離強度は200N/m超)。その他、剥離強度、熱膨張係数、透過率の評価結果を表1に示した。
[比較例8]
ポリアミド酸溶液aを用いて、別途ガラス上に塗布して実施例1と同様の硬化条件でポリイミドaのフィルムを得た。得られたポリイミドaのフィルムの4辺の端部から5mmの部分に粘着剤を塗布したのち、粘着剤を塗布した面を厚さ30μmのフェライト系ステンレスに圧着し、ステンレス箔とポリイミドaの積層体を得た。この積層体の水浸漬試験の結果、ステンレスとポリイミドの界面へ水が浸入し、ステンレスからのポリイミドの浮きが見られた。その他、剥離強度、熱膨張係数の評価結果を表1に示した。
Figure 0006234391
[実施例11]
上記実施例6と同様にして、ガラスとポリイミドcの積層体を得て、この積層体のポリイミドc側の全面に厚さ80nmのシリコン窒化膜をCVDで成膜した。このシリコン窒化膜が透湿を阻止するガスバリア層として機能し、その上面にカラーフィルター層を形成した。そして、ポリイミドcの4辺に対して、端部から3mmの箇所に切れ目を入れた後、カラーフィルター層が形成された部分にあたるポリイミドcの中央部(上記切れ目の内側部分)を剥離したところ、ガスバリア層やカラーフィルター層にクラック等が発生することなく、極めて容易に剥離することができ、ポリイミドcをフレキシブル基板に用いたカラーフィルター基板を得ることができた。

Claims (12)

  1. 支持体に樹脂溶液を塗布して、支持体上にフレキシブル基板を形成するフレキシブル基板形成工程と、前記フレキシブル基板上に機能層を形成する機能層形成工程と、機能層が形成されたフレキシブル基板から支持体を除去する支持体除去工程とを有して、表示装置を製造する方法であって、
    前記フレキシブル基板が二以上の樹脂層から形成されており、前記機能層が形成される機能層形成領域におけるフレキシブル基板と支持体との剥離強度が200N/m以下0.1N/m以上であると共に、前記機能層形成領域を囲繞する位置に前記フレキシブル基板を形成する樹脂層のいずれか一つ以上が機能層形成領域の外周側に張り出して支持体に接着して、フレキシブル基板が支持体から剥離されるのを防止する剥離防止部を形成して、かつ該剥離防止部の厚みを機能層形成領域のフレキシブル基板の厚みより薄くしておくことで、前記機能層形成領域若しくは剥離防止部に対応する支持体の部分への局所的な化学的表面処理、又は、前記剥離防止部に対応する支持体の部分への局所的な加熱を行うことなく、前記支持体除去工程において、機能層形成領域のフレキシブル基板と剥離防止部とを分離した上で、機能層を備えたフレキシブル基板から支持体を除去することを特徴とする表示装置の製造方法。
  2. 支持体に樹脂溶液を塗布して、支持体上にフレキシブル基板を形成するフレキシブル基板形成工程と、前記フレキシブル基板上に機能層を形成する機能層形成工程と、機能層が形成されたフレキシブル基板から支持体を除去する支持体除去工程とを有して、表示装置を製造する方法であって、
    前記機能層が形成される機能層形成領域におけるフレキシブル基板と支持体との剥離強度が200N/m以下0.1N/m以上であり、前記機能層形成領域を囲繞する位置には、機能層の構成材料の一部が機能層形成領域の外周側に張り出して支持体に接着して、フレキシブル基板が支持体から剥離されるのを防止する剥離防止部を形成しておくことで、前記機能層形成領域若しくは剥離防止部に対応する支持体の部分への局所的な化学的表面処理、又は、前記剥離防止部に対応する支持体の部分への局所的な加熱を行うことなく、前記支持体除去工程において、機能層形成領域のフレキシブル基板と剥離防止部とを分離した上で、機能層を備えたフレキシブル基板から支持体を除去することを特徴とする表示装置の製造方法。
  3. 前記支持体除去工程において、剥離防止部を支持体から除去した後、機能層を備えたフレキシブル基板から支持体を除去することを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置の製造方法。
  4. 前記剥離防止部におけるフレキシブル基板と支持体との剥離強度が500N/m以下である請求項1又は2に記載の表示装置の製造方法。
  5. 前記剥離防止部を形成する機能層の一部の構成材料が、無機材料により形成される無機層である請求項に記載の表示装置の製造方法。
  6. 前記機能層形成工程に先駆けて、フレキシブル基板形成工程で形成されたフレキシブル基板の機能層形成領域に対応する位置のみにUVレーザー光を照射することで、機能層形成領域のフレキシブル基板と支持体との剥離強度に比べて、機能層形成領域を囲繞する位置のフレキシブル基板と支持体との剥離強度を高めて剥離防止部を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置の製造方法。
  7. 前記フレキシブル基板の厚みが0.1μm以上30μm以下である請求項1又は2に記載の表示装置の製造方法。
  8. 前記フレキシブル基板がポリイミドからなる請求項1又は2に記載の表示装置の製造方法。
  9. 前記フレキシブル基板形成工程において、支持体にポリイミド又はポリイミド前駆体の樹脂溶液を塗布した後、酸化性雰囲気で熱処理してフレキシブル基板を得る請求項に記載の表示装置の製造方法。
  10. 前記フレキシブル基板形成工程において、支持体にポリイミド又はポリイミド前駆体の樹脂溶液を塗布した後、280℃以上で熱処理してフレキシブル基板を得る請求項に記載の表示装置の製造方法。
  11. 前記フレキシブル基板形成工程において、支持体にポリイミド又はポリイミド前駆体の樹脂溶液を塗布した後、連続熱処理でフレキシブル基板を得る請求項に記載の表示装置の製造方法。
  12. 表示装置がタッチパネルである請求項1又は2に記載の表示装置の製造方法。
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