JP6222210B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
従来、吸気側可変バルブタイミング機構および排気側可変バルブタイミング機構を備える内燃機関の制御装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
このような内燃機関は、吸気側可変バルブタイミング機構および排気側可変バルブタイミング機構により、クランクシャフトに対する吸気カムシャフトおよび排気カムシャフトの回転位相を変化させることによって、吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングを可変するように構成されている。そして、内燃機関の運転状態に応じて、吸気バルブおよび排気バルブのオーバーラップ期間が制御されることにより、出力の向上、燃費の向上および排気エミッションの低減などを図ることが可能である。
そして、特許文献1の内燃機関の制御装置では、加速運転から定常運転に移行する際に、オーバーラップ期間がゼロにされていた状態から、排気バルブのバルブタイミングを所定量だけ進角するとともに、吸気バルブのバルブタイミングを所定量よりも大きく進角する。これにより、筒内圧力が高い状態で排気バルブが開くので、内部EGR量を増加することが可能である。
特開2007−32515号公報
ここで、吸気側可変バルブタイミング機構および排気側可変バルブタイミング機構を備える内燃機関では、初期状態(運転開始前)のときに、排気バルブのバルブタイミングが最進角位置に設定され、吸気バルブのバルブタイミングが最遅角位置に設定される。このため、初期状態のときに、オーバーラップ期間が負の値で最小、すなわちマイナスオーバーラップ期間が最大になっている。なお、マイナスオーバーラップとは、排気バルブが閉じてから吸気バルブが開くまでの間に吸気バルブおよび排気バルブの両方が閉状態になる期間が存在することをいう。
そして、このような内燃機関の制御装置では、運転状態に応じてベースマップから吸気バルブおよび排気バルブの目標位相角と目標オーバーラップ期間とを算出し、その目標位相角と実位相角との偏差がなくなるように吸気側可変バルブタイミング機構および排気側可変バルブタイミング機構が制御される。
なお、排気バルブの目標位相角とは、排気バルブの初期位置(最進角位置)からの目標とされる遅角量であり、吸気バルブの目標位相角とは、吸気バルブの初期位置(最遅角位置)からの目標とされる進角量である。また、ベースマップから算出される各目標値(以下、「ベースマップ値」ともいう)は、運転状態に応じた燃費最適点となる値である。
このように燃費最適点となる目標位相角に基づいてバルブタイミングを制御する場合には、たとえば、吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが進角されるときに、図8に示すように、作動方向がオーバーラップを減少させる側である排気バルブの追従遅れなどに起因して、実際のオーバーラップ期間が目標オーバーラップ期間を過渡的に超えるおそれがある。
そこで、吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが進角されるときに、作動方向がオーバーラップを増加させる側である吸気バルブの目標位相角をベースマップ値よりも低い値に設定することにより、実際のオーバーラップ期間が目標オーバーラップ期間を超えないようにすることが考えられる。しかしながら、目標位相角をベースマップ値よりも低くすると、吸気バルブのバルブタイミングが燃費最適点に収束するのに時間を要する。
なお、吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが遅角されるときについても同様の課題が存在する。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、実際のオーバーラップ期間が目標オーバーラップ期間を超えるのを抑制しながら、バルブタイミングをベースマップ値に収束しやすくすることが可能な内燃機関の制御装置を提供することである。
本発明による内燃機関の制御装置は、吸気バルブのバルブタイミングを可変する吸気側可変バルブタイミング機構と、排気バルブのバルブタイミングを可変する排気側可変バルブタイミング機構とを備える内燃機関を制御するものであり、第1算出手段と、第2算出手段と、第1目標位相角設定手段と、第2目標位相角設定手段とを備える。第1算出手段は、内燃機関の回転速度および負荷率に基づいて、吸気バルブおよび排気バルブの目標位相角と目標オーバーラップ期間とを算出するように構成されている。第2算出手段は、吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが進角される場合に、目標オーバーラップ期間および排気バルブの実位相角に基づいて吸気バルブの目標位相角を算出するように構成されている。第1目標位相角設定手段は、吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが進角される場合に、排気バルブの目標位相角として第1算出手段により算出された値を設定するとともに、吸気バルブの目標位相角として第2算出手段により算出された値を設定するように構成されている。第2目標位相角設定手段は、吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが進角される場合において、排気バルブが閉じてから吸気バルブが開くまでの間に吸気バルブおよび排気バルブの両方が閉状態になるマイナスオーバーラップ時に、排気バルブおよび吸気バルブの目標位相角として第1算出手段により算出された値を設定するように構成されている。
なお、排気バルブの目標位相角とは、排気バルブの初期位置(最進角位置)からの目標とされる遅角量であり、吸気バルブの目標位相角とは、吸気バルブの初期位置(最遅角位置)からの目標とされる進角量である。また、排気バルブの実位相角とは、排気バルブの実際の位相角(初期位置からの遅角量)である。また、オーバーラップ期間とは、吸気バルブおよび排気バルブの両方が開状態になる角度範囲(期間)であり、目標オーバーラップ期間はその目標値である。すなわち、オーバーラップ期間が正の値であれば、吸気バルブおよび排気バルブの両方が開状態になる期間が存在し、オーバーラップ期間が負の値であれば、吸気バルブおよび排気バルブの両方が閉状態になる期間が存在する。
このように構成することによって、第1算出手段により、運転状態に応じてベースマップから吸気バルブの目標位相角(ベースマップ値)を算出するとともに、第2算出手段により、ベースマップ値以下の吸気バルブの目標位相角を算出することができる。そして、吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが進角される場合におけるオーバーラップ時には、吸気バルブの目標位相角として第2算出手段により算出された値を設定することにより、実際のオーバーラップ期間が目標オーバーラップ期間を超えるのを抑制することができる。また、吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが進角される場合におけるマイナスオーバーラップ時には、吸気バルブの目標位相角として第1算出手段により算出された値を設定することにより、吸気バルブのバルブタイミングをベースマップ値に収束しやすくすることができる。したがって、吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが進角される場合に、実際のオーバーラップ期間が目標オーバーラップ期間を超えるのを抑制しながら、吸気バルブのバルブタイミングをベースマップ値に収束しやすくすることができる。
上記内燃機関の制御装置において、吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが進角される場合に、第1算出手段により算出された吸気バルブの目標位相角と、排気バルブの実位相角とに基づいて、マイナスオーバーラップ時であるか否かを判断する判断手段を備えていてもよい。
このように構成すれば、マイナスオーバーラップ時であるか否かを容易に判断することができる。
上記内燃機関の制御装置において、第2算出手段は、吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが遅角される場合に、目標オーバーラップ期間および吸気バルブの実位相角に基づいて排気バルブの目標位相角を算出するように構成され、第1目標位相角設定手段は、吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが遅角される場合に、排気バルブの目標位相角として第2算出手段により算出された値を設定するとともに、吸気バルブの目標位相角として第1算出手段により算出された値を設定するように構成され、第2目標位相角設定手段は、吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが遅角される場合において、マイナスオーバーラップ時に、排気バルブおよび吸気バルブの目標位相角として第1算出手段により算出された値を設定するように構成されていてもよい。なお、吸気バルブの実位相角とは、吸気バルブの実際の位相角(初期位置からの進角量)である。
このように構成すれば、吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが遅角される場合に、実際のオーバーラップ期間が目標オーバーラップ期間を超えるのを抑制しながら、排気バルブのバルブタイミングをベースマップ値に収束しやすくすることができる。
この場合において、吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが遅角される場合に、第1算出手段により算出された排気バルブの目標位相角と、吸気バルブの実位相角とに基づいて、マイナスオーバーラップ時であるか否かを判断する判断手段を備えていてもよい。
このように構成すれば、マイナスオーバーラップ時であるか否かを容易に判断することができる。
上記内燃機関の制御装置において、第2算出手段は、吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが進角される場合に、目標オーバーラップ期間と排気バルブの実位相角とバルブ振れ角度とに基づいて吸気バルブの目標位相角を算出するように構成されていてもよい。なお、バルブ振れ角度とは、吸気バルブおよび排気バルブの開閉動作に伴い周期的に増減するカム反力により変動する吸気バルブおよび排気バルブの角度範囲であって、たとえば予め設定された値である。
このように構成すれば、吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが進角される場合に、カム反力によって吸気バルブおよび排気バルブが変動したとしても、実際のオーバーラップ期間が目標オーバーラップ期間を超えるのを抑制することができる。
上記第2算出手段がバルブ振れ角度に基づいて吸気バルブの目標位相角を算出する内燃機関の制御装置において、吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが進角される場合に、第1算出手段により算出された吸気バルブの目標位相角と、排気バルブの実位相角と、バルブ振れ角度とに基づいて、マイナスオーバーラップ時であるか否かを判断する判断手段を備えていてもよい。
このように構成すれば、バルブ振れ角度を考慮してマイナスオーバーラップ時であるか否かを判断することができる。
上記第2算出手段がバルブ振れ角度に基づいて吸気バルブの目標位相角を算出する内燃機関の制御装置において、第2算出手段は、吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが遅角される場合に、目標オーバーラップ期間と吸気バルブの実位相角とバルブ振れ角度とに基づいて排気バルブの目標位相角を算出するように構成され、第1目標位相角設定手段は、吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが遅角される場合に、排気バルブの目標位相角として第2算出手段により算出された値を設定するとともに、吸気バルブの目標位相角として第1算出手段により算出された値を設定するように構成され、第2目標位相角設定手段は、吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが遅角される場合において、マイナスオーバーラップ時に、排気バルブおよび吸気バルブの目標位相角として第1算出手段により算出された値を設定するように構成されていてもよい。
このように構成すれば、吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが遅角される場合に、カム反力によって吸気バルブおよび排気バルブが変動したとしても、実際のオーバーラップ期間が目標オーバーラップ期間を超えるのを抑制することができる。
この場合において、吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが遅角される場合に、第1算出手段により算出された排気バルブの目標位相角と、吸気バルブの実位相角と、バルブ振れ角度とに基づいて、マイナスオーバーラップ時であるか否かを判断する判断手段を備えていてもよい。
このように構成すれば、バルブ振れ角度を考慮してマイナスオーバーラップ時であるか否かを判断することができる。
本発明による内燃機関の制御装置は、吸気バルブのバルブタイミングを可変する吸気側可変バルブタイミング機構と、排気バルブのバルブタイミングを可変する排気側可変バルブタイミング機構とを備える内燃機関を制御するものであり、第1算出手段と、第2算出手段と、第1目標位相角設定手段と、第2目標位相角設定手段とを備える。第1算出手段は、内燃機関の回転速度および負荷率に基づいて、吸気バルブおよび排気バルブの目標位相角と目標オーバーラップ期間とを算出するように構成されている。第2算出手段は、吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが遅角される場合に、目標オーバーラップ期間および吸気バルブの実位相角に基づいて排気バルブの目標位相角を算出するように構成されている。第1目標位相角設定手段は、吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが遅角される場合に、排気バルブの目標位相角として第2算出手段により算出された値を設定するとともに、吸気バルブの目標位相角として第1算出手段により算出された値を設定するように構成されている。第2目標位相角設定手段は、吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが遅角される場合において、排気バルブが閉じてから吸気バルブが開くまでの間に吸気バルブおよび排気バルブの両方が閉状態になるマイナスオーバーラップ時に、排気バルブおよび吸気バルブの目標位相角として第1算出手段により算出された値を設定するように構成されている。
本発明の内燃機関の制御装置によれば、実際のオーバーラップ期間が目標オーバーラップ期間を超えるのを抑制しながら、バルブタイミングをベースマップ値に収束しやすくすることができる。
本発明の第1実施形態によるECUにより制御されるエンジンの一例を示した概略構成図である。 図1の吸気側VVT機構およびそれを制御する吸気側OCVを説明するための図である。 図1のECUの構成を示したブロック図である。 第1実施形態におけるバルブタイミングの目標位相角設定制御を説明するためのフローチャートである。 第1実施形態において、吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが進角される場合におけるオーバーラップ時の開閉タイミングの一例を示した図である。 第1実施形態において、吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが進角される場合におけるマイナスオーバーラップ時の開閉タイミングの一例を示した図である。 本発明の第2実施形態におけるバルブタイミングの目標位相角設定制御を説明するためのフローチャートである。 従来例における吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが進角される場合の開閉タイミングの一例を示した図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態では、車両に搭載されるエンジン(内燃機関)1を制御するECU400に本発明を適用した場合について説明する。
(第1実施形態)
−エンジン−
エンジン1は、図1に示すように、たとえばポート噴射型4気筒ガソリンエンジンであって、シリンダブロック1a内にピストン1cが設けられている。ピストン1cはコネクティングロッド16を介してクランクシャフト15に連結されている。なお、図1はエンジン1の1気筒の構成のみを示している。
また、シリンダブロック1aの上端にはシリンダヘッド1bが取り付けられており、このシリンダヘッド1bとピストン1cとの間に燃焼室1dが形成されている。エンジン1の燃焼室1dには点火プラグ3が配置されている。点火プラグ3の点火タイミングはイグナイタ4によって調整される。
エンジン1のシリンダブロック1aの下部にはオイルパン18が設けられている。このオイルパン18に貯留された潤滑油は、エンジン1の運転時に、オイルストレーナ20(図2参照)を介してオイルポンプ19によって汲み上げられて、エンジン1内の各部の潤滑・冷却等に使用される。また、この潤滑油は、後述する吸気側VVT機構100inおよび排気側VVT機構100exの作動油としても利用される。なお、オイルポンプ19は、たとえば、エンジン1のクランクシャフト15の回転によって駆動される機械式ポンプである。
クランクシャフト15にはシグナルロータ17が取り付けられ、そのシグナルロータ17の近傍にはクランクポジションセンサ37が配置されている。このクランクポジションセンサ37は、クランクシャフト15の回転位置を検出するために設けられている。また、エンジン1のシリンダブロック1aには冷却水の温度を検出する水温センサ31が配置されている。
エンジン1の燃焼室1dには吸気通路11および排気通路12が接続されている。吸気通路11には、エアクリーナ7、吸入空気量を計測するエアフロメータ32、吸入空気温度を計測する吸気温センサ33、および、吸入空気量を調整するための電子制御式のスロットルバルブ5などが配置されている。スロットルバルブ5はスロットルモータ6によって駆動される。スロットルバルブ5の開度はスロットル開度センサ36によって検出される。排気通路12には、排気ガス中の酸素濃度を検出するO2センサ34および触媒コンバータ(三元触媒)8が配置されている。
吸気通路11と燃焼室1dとの間には吸気バルブ13が設けられ、排気通路12と燃焼室1dとの間には排気バルブ14が設けられている。これら吸気バルブ13および排気バルブ14の開閉駆動は、クランクシャフト15の回転がタイミングベルト等を介して伝達される吸気カムシャフト21および排気カムシャフト22の各回転によって行われる。吸気カムシャフト21の端部には吸気バルブ13のバルブタイミングを可変とする吸気側VVT機構100inが設けられ、排気カムシャフト22の端部には排気バルブ14のバルブタイミングを可変とする排気側VVT機構100exが設けられている。吸気側VVT機構100inおよび排気側VVT機構100exの詳細については後述する。
また、吸気カムシャフト21および排気カムシャフト22の近傍にはそれぞれ吸気側カムポジションセンサ38および排気側カムポジションセンサ39が配置されている。吸気側カムポジションセンサ38は、吸気カムシャフト21の回転位置を検出するために設けられ、排気側カムポジションセンサ39は、排気カムシャフト22の回転位置を検出するために設けられている。
吸気通路11には燃料噴射用のインジェクタ(燃料噴射弁)2が配置されている。このインジェクタ2から噴射された燃料は吸入空気と混合されて混合気となって燃焼室1dに導入される。燃焼室1dに導入された混合気は点火プラグ3にて点火されて燃焼・爆発する。この混合気の燃焼・爆発によりピストン1cが往復運動してクランクシャフト15が回転する。
−VVT機構−
次に、吸気側VVT機構100inおよびそれを制御する吸気側OCV(オイルコントロールバルブ)200inについて説明する。なお、排気側VVT機構100exおよび排気側OCV200exは、それぞれ、吸気側VVT機構100inおよび吸気側OCV200inと略同様に構成されているため、それらについての説明は省略する。
吸気側VVT機構100inは、図2に示すように、ベーンロータ101と、ベーンロータ101を収容するハウジング102とを備えている。ベーンロータ101は、吸気カムシャフト21(図1参照)に連結されている。ハウジング102にはタイミングプーリ102aが設けられ、そのタイミングプーリ102aは、図示しないタイミングベルトを介してクランクシャフト15(図1参照)に連結されている。ハウジング102の内部には、ベーンロータ101のベーン101aによって仕切られる進角側油圧室111および遅角側油圧室112が形成されている。
そして、吸気側VVT機構100inでは、進角側油圧室111内の油圧と遅角側油圧室112内の油圧とに応じてベーンロータ101がハウジング102に対して相対的に回動する。すなわち、進角側油圧室111内の油圧を遅角側油圧室112内の油圧よりも高くすると、吸気カムシャフト21の回転位相はクランクシャフト15の回転位相に対して進められる(進角)。これとは逆に、遅角側油圧室112内の油圧を進角側油圧室111の油圧よりも高くすると、吸気カムシャフト21の回転位相はクランクシャフト15の回転位相に対して遅らされる(遅角)。このように、クランクシャフト15に対する吸気カムシャフト21の回転位相の調整によって吸気バルブ13のバルブタイミングが可変となる。
吸気側VVT機構100inには、進角側油圧室111と遅角側油圧室112とに供給する作動油の油圧を制御する吸気側OCV200inが接続されている。
吸気側OCV200inには、オイルポンプ19によってオイルパン18から汲み上げられた潤滑油(作動油)がオイル供給通路131を介して供給される。吸気側OCV200inは、進角側通路121を介して進角側油圧室111に接続され、遅角側通路122を介して遅角側油圧室112に接続されている。また、吸気側OCV200inには2つのオイル排出通路132および133が接続されている。吸気側OCV200inは電磁駆動式の流量制御弁であり、ECU400(図3参照)によって制御される。
吸気側OCV200inは、ケーシング201の内部に往復移動可能に配設されたスプール202と、スプール202を一方側に付勢する圧縮コイルばね203と、圧縮コイルばね203の付勢力に抗してスプール202を他方側に移動させるための電磁ソレノイド204とを備えている。
そして、吸気側OCV200inでは、スプール202が移動することによって、進角側通路121および遅角側通路122に対する作動油の給排量が変化することにより、進角側油圧室111および遅角側油圧室112内の油圧を調整することが可能である。
−ECU−
次に、エンジン1を制御するECU400について説明する。
ECU400は、図3に示すように、CPU401と、ROM402と、RAM403と、バックアップRAM404と、入力インターフェース405と、出力インターフェース406と、これらを接続するバス407とを備えている。なお、ECU400は、本発明の「第1算出手段」、「第2算出手段」、「第1目標位相角設定手段」、「第2目標位相角設定手段」および「判断手段」の一例であり、CPU401がROM402に記憶されたプログラムを実行することによりこれらが実現される。
CPU401は、ROM402に記憶された各種制御プログラムやマップなどに基づいて演算処理を実行する。ROM402には、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップなどが記憶されている。RAM403は、CPU401による演算結果や各種センサの検出結果などを一時的に記憶するメモリである。バックアップRAM404は、イグニッションをオフする際に保存すべきデータなどを記憶する不揮発性のメモリである。
入力インターフェース405には、水温センサ31、エアフロメータ32、吸気温センサ33、O2センサ34、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ35、スロットル開度センサ36、クランクポジションセンサ37、吸気側カムポジションセンサ38、排気側カムポジションセンサ39、および、車速を検出する車速センサ30などが接続されている。
出力インターフェース406には、インジェクタ2、イグナイタ4、スロットルモータ6、吸気側OCV200in、および、排気側OCV200exなどが接続されている。
そして、ECU400は、各種センサの出力信号に基づいて、スロットルモータ6の駆動制御(スロットル開度制御)、インジェクタ2の燃料噴射制御および点火プラグ3の点火時期制御などを含むエンジン1の各種制御を実行する。
また、ECU400は、エンジン1の運転状態に応じて吸気側VVT機構100inおよび排気側VVT機構100exを制御する。具体的には、ECU400は、エンジン1の運転状態に基づいて吸気バルブ13および排気バルブ14の目標位相角を設定し、その目標位相角と実位相角(実際の位相角)との偏差がなくなるように吸気側OCV200inおよび排気側OCV200exを制御する。
ここで、エンジン1では、初期状態(運転開始前)のときに、排気バルブ14のバルブタイミングが最進角位置に設定され、吸気バルブ13のバルブタイミングが最遅角位置に設定されている。このため、初期状態のときに、オーバーラップ期間が負の値で最小、すなわちマイナスオーバーラップ期間が最大になっている。なお、マイナスオーバーラップとは、排気バルブが閉じてから吸気バルブが開くまでの間に吸気バルブおよび排気バルブの両方が閉状態になる期間が存在することをいう。
なお、排気バルブ14の目標位相角とは、排気バルブ14の初期位置(最進角位置)からの目標とされる遅角量であり、吸気バルブ13の目標位相角とは、吸気バルブ13の初期位置(最遅角位置)からの目標とされる進角量である。
−バルブタイミングの目標位相角設定制御−
次に、図4を参照して、ECU400により実行されるバルブタイミングの目標位相角設定制御について説明する。なお、以下のフローは、ECU400により所定の時間間隔毎に繰り返し実行される。
まず、図4のステップST1において、各種情報が取得される。たとえば、エアフロメータ32から吸入空気量が取得され、クランクポジションセンサ37の検出結果に基づいてエンジン1の回転速度(単位時間あたりの回転数)が算出される。また、クランクポジションセンサ37および吸気側カムポジションセンサ38の検出結果に基づいて吸気バルブ13の実位相角InFPAが算出され、クランクポジションセンサ37および排気側カムポジションセンサ39の検出結果に基づいて排気バルブ14の実位相角ExFPAが算出される。
次に、ステップST2において、エンジン1の運転状態に応じてベースマップから吸気バルブ13および排気バルブ14の目標位相角と目標オーバーラップ期間とが算出される。具体的には、エンジン1の回転速度と負荷率とをパラメータとする第1のベースマップから吸気バルブ13の目標位相角(ベースマップ値)InTPAを算出するとともに、エンジン1の回転速度と負荷率とをパラメータとする第2のベースマップから目標オーバーラップ期間TOPAを算出する。そして、以下の式(1)から排気バルブ14の目標位相角(ベースマップ値)ExTPAを算出する。すなわち、排気バルブ14のベースマップ値ExTPAとは、吸気バルブ13のベースマップ値InTPAと目標オーバーラップ期間TOPAとを用いて算出される算出値である。
ExTPA=TOPA−(InTPA+IOPA)・・・(1)
なお、式(1)において、IOPAは、初期状態のオーバーラップ期間(角度範囲)であり負の値である。また、初期状態のオーバーラップ期間IOPAと、第1および第2のベースマップとは、たとえばROM402に記憶されている。負荷率は、エンジン1への最大吸入空気量に対する現在の運転状態における吸入空気量の割合であり、たとえば、吸入空気量およびエンジン1の回転速度に基づいて算出される。
このステップST2で算出された各目標値(吸気バルブ13のベースマップ値InTPA、排気バルブ14のベースマップ値ExTPAおよび目標オーバーラップ期間TOPA)は、運転状態に応じた燃費最適点となる値であり、本発明の「第1算出手段により算出された値」に相当する。
次に、ステップST3において、吸気側VVT機構100inが進角側に変位するか否かが判断される。なお、吸気側VVT機構100inが進角側に変位するか否かは、吸気バルブ13の目標位相角と実位相角とに基づいて判断される。すなわち、ステップST1で算出された吸気バルブ13の実位相角InFPAと、ステップST2で算出された吸気バルブ13の目標位相角InTPAとを比較し、目標位相角InTPAが実位相角InFPAよりも大きい場合に進角側に変位すると判断する。そして、吸気側VVT機構100inが進角側に変位する場合には、ステップST4に移る。その一方、吸気側VVT機構100inが進角側に変位しない(遅角側に変位する)場合には、ステップST5に移る。
次に、ステップST4において、排気側VVT機構100exが進角側に変位するか否かが判断される。なお、排気側VVT機構100exが進角側に変位するか否かは、排気バルブ14の目標位相角と実位相角とに基づいて判断される。すなわち、ステップST1で算出された排気バルブ14の実位相角ExFPAと、ステップST2で算出された排気バルブ14の目標位相角ExTPAとを比較し、目標位相角ExTPAが実位相角ExFPAよりも小さい場合に進角側に変位すると判断する。そして、排気側VVT機構100exが進角側に変位する場合には、ステップST6に移る。その一方、排気側VVT機構100exが進角側に変位しない(遅角側に変位する)場合には、ステップST9に移る。
また、ステップST5において、排気側VVT機構100exが進角側に変位するか否かが判断される。なお、排気側VVT機構100exが進角側に変位するか否かは、ステップST4と同様の方法で判断される。そして、排気側VVT機構100exが進角側に変位する場合には、ステップST9に移る。その一方、排気側VVT機構100exが進角側に変位しない(遅角側に変位する)場合には、ステップST10に移る。
[吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが進角される場合]
そして、吸気バルブ13および排気バルブ14のバルブタイミングが進角される場合(ステップST3およびST4でYes)には、ステップST6において、吸気バルブ13の目標位相角が再計算される。これは、オーバーラップを増加させる側の吸気バルブ13の目標位相角としてベースマップ値InTPAを用いると、オーバーラップを減少させる側の排気バルブ14の追従遅れなどに起因して、実際のオーバーラップ期間FOPAが目標オーバーラップ期間TOPAを超えるおそれがあるためである。つまり、後述するように、実際のオーバーラップ期間FOPAが目標オーバーラップ期間TOPAを超えるのを抑制するために、オーバーラップを増加させる側の吸気バルブ13の目標位相角が再計算される。吸気バルブ13の目標位相角は以下の式(2)により算出される。
InTPA2=TOPA−(ExFPA+IOPA)・・・(2)
なお、式(2)において、InTPA2は、再計算された吸気バルブ13の目標位相角である。この目標位相角InTPA2は、図5に示すように、ベースマップ値InTPA以下の値であり、本発明の「第2算出手段により算出された値」に相当する。
この式(2)では、たとえば、吸気バルブ13の実位相角InFPAが目標位相角(ベースマップ値)InTPAに到達する前に、実際のオーバーラップ期間FOPAが目標オーバーラップ期間TOPAに到達した場合には、排気バルブ14の実位相角ExFPAの変位を待ち、その実位相角ExFPAの変位に連れて目標位相角InTPA2がベースマップ値InTPAに近づくようになっている。そして、排気バルブ14の実位相角ExFPAが目標位相角(ベースマップ値)ExTPAになると、吸気バルブ13の目標位相角InTPA2がベースマップ値InTPAになる。すなわち、再計算された目標位相角InTPA2は、排気バルブ14の実位相角ExFPAに対して、実際のオーバーラップ期間FOPAが目標オーバーラップ期間TOPAを超えない範囲で許容できる吸気バルブ13の目標値である。
その後、ステップST7において、マイナスオーバーラップ時であるか否かが判断される。具体的には、以下の式(3)が成立するか否かが判断され、式(3)が成立しない場合に、マイナスオーバーラップ時であると判断される。そして、マイナスオーバーラップ時である場合には、ステップST9に移る。その一方、マイナスオーバーラップ時ではない(オーバーラップ時である)場合には、ステップST8に移る。
InTPA≧−IOPA−ExFPA・・・(3)
なお、式(3)では、図6に示すように、初期状態の負のオーバーラップ期間IOPAの範囲内から排気バルブ14の実位相角ExFPAを差し引いて残った領域内に、吸気バルブ13の目標位相角InTPAが位置するか否かを判定し、その領域内に目標位相角InTPAが位置する場合に式(3)が不成立となりマイナスオーバーラップ時であると判定される。
そして、図5に示すように、オーバーラップ時(ステップST7でNo)には、ステップST8において、オーバーラップを増加させる側の吸気バルブ13の目標位相角として、ステップST6で再計算された目標位相角InTPA2が設定され、オーバーラップを減少させる側の排気バルブ14の目標位相角として、ステップST2で算出されたベースマップ値ExTPAが設定される。つまり、吸気バルブ13および排気バルブ14のバルブタイミングが進角される状況におけるオーバーラップ時には、実際のオーバーラップ期間FOPAが目標オーバーラップ期間TOPAを超えないように、吸気バルブ13の目標位相角として、ベースマップ値InTPA以下の再計算された目標位相角InTPA2が設定される。
なお、オーバーラップ時では、吸気バルブ13の目標位相角の下限ガード値として−IOPA−ExFPAが設定されており、必要以上に抑制された値にならないようになっている。すなわち、吸気バルブ13の再計算された目標位相角InTPA2が、下限ガード値(−IOPA−ExFPA)よりも低い場合には、吸気バルブ13の目標位相角として下限ガード値が設定される。なお、IOPAは初期状態のオーバーラップ期間であり、ExFPAは排気バルブ14の実位相角である。
その一方、図6に示すように、マイナスオーバーラップ時(ステップST7でYes)には、ステップST9において、吸気バルブ13の目標位相角として、ステップST2で算出されたベースマップ値InTPAが設定され、排気バルブ14の目標位相角として、ステップST2で算出されたベースマップ値ExTPAが設定される。つまり、吸気バルブ13および排気バルブ14のバルブタイミングが進角される状況におけるマイナスオーバーラップ時には、吸気バルブ13の目標位相角に制限をかける必要がないことから、吸気バルブ13の目標位相角としてベースマップ値InTPAが設定される。
[吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが遅角される場合]
そして、吸気バルブ13および排気バルブ14のバルブタイミングが遅角される場合(ステップST3およびST5でNo)には、ステップST10において、排気バルブ14の目標位相角が再計算される。これは、オーバーラップを増加させる側の排気バルブ14の目標位相角としてベースマップ値ExTPAを用いると、オーバーラップを減少させる側の吸気バルブ13の追従遅れなどに起因して、実際のオーバーラップ期間FOPAが目標オーバーラップ期間TOPAを超えるおそれがあるためである。つまり、後述するように、実際のオーバーラップ期間FOPAが目標オーバーラップ期間TOPAを超えるのを抑制するために、オーバーラップを増加させる側の排気バルブ14の目標位相角が再計算される。排気バルブ14の目標位相角は以下の式(4)により算出される。
ExTPA2=TOPA−(InFPA+IOPA)・・・(4)
なお、式(4)において、ExTPA2は、再計算された排気バルブ14の目標位相角である。この目標位相角ExTPA2は、ベースマップ値ExTPA以下の値であり、本発明の「第2算出手段により算出された値」に相当する。
この式(4)では、たとえば、排気バルブ14の実位相角ExFPAが目標位相角(ベースマップ値)ExTPAに到達する前に、実際のオーバーラップ期間FOPAが目標オーバーラップ期間TOPAに到達した場合には、吸気バルブ13の実位相角InFPAの変位を待ち、その実位相角InFPAの変位に連れて目標位相角ExTPA2がベースマップ値ExTPAに近づくようになっている。そして、吸気バルブ13の実位相角InFPAが目標位相角(ベースマップ値)InTPAになると、排気バルブ14の目標位相角ExTPA2がベースマップ値ExTPAになる。すなわち、再計算された目標位相角ExTPA2は、吸気バルブ13の実位相角InFPAに対して、実際のオーバーラップ期間FOPAが目標オーバーラップ期間TOPAを超えない範囲で許容できる排気バルブ14の目標値である。
その後、ステップST11において、マイナスオーバーラップ時であるか否かが判断される。具体的には、以下の式(5)が成立するか否かが判断され、式(5)が成立しない場合に、マイナスオーバーラップ時であると判断される。そして、マイナスオーバーラップ時である場合には、ステップST9に移る。その一方、マイナスオーバーラップ時ではない(オーバーラップ時である)場合には、ステップST12に移る。
ExTPA≧−IOPA−InFPA・・・(5)
なお、式(5)では、初期状態の負のオーバーラップ期間IOPAの範囲内から吸気バルブ13の実位相角InFPAを差し引いて残った領域内に、排気バルブ14の目標位相角ExTPAが位置するか否かを判定し、その領域内に目標位相角ExTPAが位置する場合に式(5)が不成立となりマイナスオーバーラップ時であると判定される。
そして、オーバーラップ時(ステップST11でNo)には、ステップST12において、オーバーラップを増加させる側の排気バルブ14の目標位相角として、ステップST10で再計算された目標位相角ExTPA2が設定され、オーバーラップを減少させる側の吸気バルブ13の目標位相角として、ステップST2で算出されたベースマップ値InTPAが設定される。つまり、吸気バルブ13および排気バルブ14のバルブタイミングが遅角される状況におけるオーバーラップ時には、実際のオーバーラップ期間FOPAが目標オーバーラップ期間TOPAを超えないように、排気バルブ14の目標位相角として、ベースマップ値ExTPA以下の再計算された目標位相角ExTPA2が設定される。
なお、オーバーラップ時では、排気バルブ14の目標位相角の下限ガード値として−IOPA−InFPAが設定されており、必要以上に抑制された値にならないようになっている。すなわち、排気バルブ14の再計算された目標位相角ExTPA2が、下限ガード値(−IOPA−InFPA)よりも低い場合には、排気バルブ14の目標位相角として下限ガード値が設定される。なお、IOPAは初期状態のオーバーラップ期間であり、InFPAは吸気バルブ13の実位相角である。
その一方、マイナスオーバーラップ時(ステップST11でYes)には、ステップST9において、吸気バルブ13の目標位相角として、ステップST2で算出されたベースマップ値InTPAが設定され、排気バルブ14の目標位相角として、ステップST2で算出されたベースマップ値ExTPAが設定される。つまり、吸気バルブ13および排気バルブ14のバルブタイミングが遅角される状況におけるマイナスオーバーラップ時には、排気バルブ14の目標位相角に制限をかける必要がないことから、排気バルブ14の目標位相角としてベースマップ値ExTPAが設定される。
[吸気バルブのバルブタイミングが進角され、排気バルブのバルブタイミングが遅角される場合]
そして、吸気バルブ13のバルブタイミングが進角され、排気バルブ14のバルブタイミングが遅角される場合(ステップST3でYes、ステップST4でNo)には、吸気バルブ13および排気バルブ14のバルブタイミングがオーバーラップ期間を増加させる側に変位するため、実際のオーバーラップ期間FOPAが目標オーバーラップ期間TOPAを超えることがない。このため、ステップST9において、吸気バルブ13の目標位相角として、ステップST2で算出されたベースマップ値InTPAが設定され、排気バルブ14の目標位相角として、ステップST2で算出されたベースマップ値ExTPAが設定される。
[吸気バルブのバルブタイミングが遅角され、排気バルブのバルブタイミングが進角される場合]
そして、吸気バルブ13のバルブタイミングが遅角され、排気バルブ14のバルブタイミングが進角される場合(ステップST3でNo、ステップST5でYes)には、吸気バルブ13および排気バルブ14のバルブタイミングがオーバーラップ期間を減少させる側に変位するため、ステップST9において、吸気バルブ13の目標位相角として、ステップST2で算出されたベースマップ値InTPAが設定され、排気バルブ14の目標位相角として、ステップST2で算出されたベースマップ値ExTPAが設定される。
なお、第1実施形態において、ECU400によりステップST2が実行されることによって本発明の「第1算出手段」が実現され、ECU400によりステップST6またはST10が実行されることによって本発明の「第2算出手段」が実現される。また、ECU400によりステップST8またはST12が実行されることによって本発明の「第1目標位相角設定手段」が実現され、ECU400によりステップST9が実行されることによって本発明の「第2目標位相角設定手段」が実現される。また、ECU400によりステップST7またはST11が実行されることによって本発明の「判断手段」が実現される。
−効果−
第1実施形態では、上記のように、運転状態(たとえば、エンジン1の回転速度および負荷率)に応じてベースマップから吸気バルブ13の目標位相角(ベースマップ値)InTPAを算出するとともに、吸気バルブ13および排気バルブ14のバルブタイミングが進角される場合に、オーバーラップ期間を増加させる側に変位する吸気バルブ13の目標位相角として、ベースマップ値InTPA以下の目標位相角InTPA2を算出(再計算)するように構成されている。
このように構成することによって、吸気バルブ13および排気バルブ14のバルブタイミングが進角される場合におけるオーバーラップ時には、吸気バルブ13の目標位相角として再計算された目標位相角InTPA2を設定することにより、実際のオーバーラップ期間FOPAが目標オーバーラップ期間TOPAを超えるのを抑制することができる。また、吸気バルブ13および排気バルブ14のバルブタイミングが進角される場合におけるマイナスオーバーラップ時には、吸気バルブ13の目標位相角としてベースマップ値InTPAを設定することにより、吸気バルブ13のバルブタイミングをベースマップ値InTPAに収束しやすくすることができる。すなわち、マイナスオーバーラップ時には、オーバーラップ時とは異なり、吸気バルブ13の目標位相角を制限する必要がないので、目標位相角としてベースマップ値InTPAを設定する。したがって、吸気バルブ13および排気バルブ14のバルブタイミングが進角される場合に、実際のオーバーラップ期間FOPAが目標オーバーラップ期間TOPAを超えるのを抑制しながら、吸気バルブ13のバルブタイミングをベースマップ値InTPAに収束しやすくすることができる。その結果、燃費の向上を図ることができる。
また、第1実施形態では、運転状態(たとえば、エンジン1の回転速度および負荷率)に応じてベースマップから排気バルブ14の目標位相角(ベースマップ値)ExTPAを算出するとともに、吸気バルブ13および排気バルブ14のバルブタイミングが遅角される場合に、オーバーラップ期間を増加させる側に変位する排気バルブ14の目標位相角として、ベースマップ値ExTPA以下の目標位相角ExTPA2を算出(再計算)するように構成されている。
このように構成することによって、吸気バルブ13および排気バルブ14のバルブタイミングが遅角される場合におけるオーバーラップ時には、排気バルブ14の目標位相角として再計算された目標位相角ExTPA2を設定することにより、実際のオーバーラップ期間FOPAが目標オーバーラップ期間TOPAを超えるのを抑制することができる。また、吸気バルブ13および排気バルブ14のバルブタイミングが遅角される場合におけるマイナスオーバーラップ時には、排気バルブ14の目標位相角としてベースマップ値ExTPAを設定することにより、排気バルブ14のバルブタイミングをベースマップ値ExTPAに収束しやすくすることができる。すなわち、マイナスオーバーラップ時には、オーバーラップ時とは異なり、排気バルブ14の目標位相角を制限する必要がないので、目標位相角としてベースマップ値ExTPAを設定する。したがって、吸気バルブ13および排気バルブ14のバルブタイミングが遅角される場合に、実際のオーバーラップ期間FOPAが目標オーバーラップ期間TOPAを超えるのを抑制しながら、排気バルブ14のバルブタイミングをベースマップ値ExTPAに収束しやすくすることができる。その結果、排気エミッションの低減を図ることができる。
また、第1実施形態では、上記した式(3)が成立するか否かを判断することによって、容易に、マイナスオーバーラップ時であるか否かを判断することができる。同様に、上記した式(5)が成立するか否かを判断することによって、容易に、マイナスオーバーラップ時であるか否かを判断することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態によるバルブタイミングの目標位相角設定制御について説明する。なお、エンジン1およびそれを制御するECU400などは、第1実施形態と略同様に構成されているため、重複する部分についての説明は省略する。
ここで、吸気カムシャフト21が吸気バルブ13を開閉駆動する際に、吸気バルブ13の開閉動作に伴いカム反力(バルブスプリングから受ける力)が周期的に増減し、その増減するカム反力が吸気側VVT機構100inに作用する。同様に、排気カムシャフト22が排気バルブ14を開閉駆動する際に、排気バルブ14の開閉動作に伴いカム反力が周期的に増減し、その増減するカム反力が排気側VVT機構100exに作用する。
そして、吸気側VVT機構100inに増減するカム反力が作用すると、吸気バルブ13が所定の角度範囲で変動する(目標位相角に対する実位相角の振れが発生する)場合があり、排気側VVT機構100exに増減するカム反力が作用すると、排気バルブ14が所定の角度範囲で変動する場合がある。このように、吸気バルブ13および排気バルブ14のバルブタイミングにおいて目標位相角に対する実位相角の振れが生じた場合には、実際のオーバーラップ期間が目標オーバーラップ期間を超え、内部EGR量が過多になるおそれがある。
そこで、第2実施形態では、カム反力に起因するバルブ振れ角度を考慮して目標位相角を設定することにより、カム反力によって吸気バルブ13および排気バルブ14が変動したとしても、実際のオーバーラップ期間が目標オーバーラップ期間を超えるのを抑制するようになっている。
次に、図7を参照して、第2実施形態によるバルブタイミングの目標位相角設定制御について説明する。なお、図7のフローは、ECU400により所定の時間間隔毎に繰り返し実行される。また、ステップST1〜ST5は、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
[吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが進角される場合]
吸気バルブ13および排気バルブ14のバルブタイミングが進角される場合(ステップST3およびST4でYes)には、ステップST6aにおいて、吸気バルブ13の目標位相角が再計算される。第2実施形態では、カム反力に起因するバルブ振れ角度を考慮した吸気バルブ13の目標位相角が算出される。吸気バルブ13の目標位相角は以下の式(6)により算出される。
InTPA3=TOPA−(ExFPA+(IOPA+OSPA))・・・(6)
なお、式(6)において、InTPA3は、再計算された吸気バルブ13の目標位相角である。この目標位相角InTPA3は、ベースマップ値InTPA以下の値であり、本発明の「第2算出手段により算出された値」に相当する。TOPAは、ステップST2で算出された目標オーバーラップ期間であり、IOPAは、初期状態のオーバーラップ期間である。ExFPAは、ステップST1で算出された排気バルブ14の実位相角である。
OSPAは、バルブ振れ角度であり、たとえば、カム反力に起因する吸気バルブ13の振れ角度(変動する角度範囲)と、カム反力に起因する排気バルブ14の振れ角度とを合計した値である。なお、バルブ振れ角度OSPAは、吸気バルブ13の振れ角度と排気バルブ14の振れ角度との合計値に所定のマージン(余裕代)が加算されていてもよい。また、バルブ振れ角度OSPAは、たとえば、エンジン1の諸元などに応じて予め設定された値であり、ROM402に記憶されている。
この式(6)で算出される目標位相角InTPA3は、上記した式(2)で算出される第1実施形態の目標位相角InTPA2に比べて、バルブ振れ角度OSPA分だけ小さい値になる。すなわち、再計算された目標位相角InTPA3は、カム反力に起因して吸気バルブ13および排気バルブ14に振れ(変動)が生じたとしても、実際のオーバーラップ期間FOPAが目標オーバーラップ期間TOPAを超えないように設定された値である。
そして、ステップST7aにおいて、マイナスオーバーラップ時であるか否かが判断される。具体的には、以下の式(7)が成立するか否かが判断され、式(7)が成立しない場合に、マイナスオーバーラップ時であると判断される。そして、マイナスオーバーラップ時である場合には、ステップST9aに移る。その一方、マイナスオーバーラップ時ではない(オーバーラップ時である)場合には、ステップST8aに移る。
InTPA≧−(IOPA+OSPA)−ExFPA・・・(7)
なお、式(7)において、InTPAは、ステップST2で算出された吸気バルブ13の目標位相角(ベースマップ値)である。このステップST7aでは、カム反力に起因する吸気バルブ13および排気バルブ14の振れ(変動)によってオーバーラップする可能性がある場合にはオーバーラップ時であると判断するようになっている。
そして、オーバーラップ時(ステップST7aでNo)には、ステップST8aにおいて、オーバーラップを増加させる側の吸気バルブ13の目標位相角として、ステップST6aで再計算された目標位相角InTPA3が設定され、オーバーラップを減少させる側の排気バルブ14の目標位相角として、ステップST2で算出されたベースマップ値ExTPAが設定される。
なお、オーバーラップ時では、吸気バルブ13の目標位相角の下限ガード値として−IOPA−ExFPAが設定されており、必要以上に抑制された値にならないようになっている。すなわち、吸気バルブ13の再計算された目標位相角InTPA3が、下限ガード値(−IOPA−ExFPA)よりも低い場合には、吸気バルブ13の目標位相角として下限ガード値が設定される。
その一方、マイナスオーバーラップ時(ステップST7aでYes)には、ステップST9aにおいて、吸気バルブ13の目標位相角として、ステップST2で算出されたベースマップ値InTPAが設定され、排気バルブ14の目標位相角として、ステップST2で算出されたベースマップ値ExTPAが設定される。
[吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが遅角される場合]
そして、吸気バルブ13および排気バルブ14のバルブタイミングが遅角される場合(ステップST3およびST5でNo)には、ステップST10aにおいて、排気バルブ14の目標位相角が再計算される。第2実施形態では、カム反力に起因するバルブ振れ角度を考慮した排気バルブ14の目標位相角が算出される。排気バルブ14の目標位相角は以下の式(8)により算出される。
ExTPA3=TOPA−(InFPA+(IOPA+OSPA))・・・(8)
なお、式(8)において、ExTPA3は、再計算された排気バルブ14の目標位相角である。この目標位相角ExTPA3は、ベースマップ値ExTPA以下の値であり、本発明の「第2算出手段により算出された値」に相当する。InFPAは、ステップST1で算出された吸気バルブ13の実位相角である。
この式(8)で算出される目標位相角ExTPA3は、上記した式(4)で算出される第1実施形態の目標位相角ExTPA2に比べて、バルブ振れ角度OSPA分だけ小さい値になる。すなわち、再計算された目標位相角ExTPA3は、カム反力に起因して吸気バルブ13および排気バルブ14に振れ(変動)が生じたとしても、実際のオーバーラップ期間FOPAが目標オーバーラップ期間TOPAを超えないように設定された値である。
その後、ステップST11aにおいて、マイナスオーバーラップ時であるか否かが判断される。具体的には、以下の式(9)が成立するか否かが判断され、式(9)が成立しない場合に、マイナスオーバーラップ時であると判断される。そして、マイナスオーバーラップ時である場合には、ステップST9aに移る。その一方、マイナスオーバーラップ時ではない(オーバーラップ時である)場合には、ステップST12aに移る。
ExTPA≧−(IOPA+OSPA)−InFPA・・・(9)
なお、式(9)において、ExTPAは、ステップST2で算出された排気バルブ14の目標位相角(ベースマップ値)である。このステップST11aでは、カム反力に起因する吸気バルブ13および排気バルブ14の振れ(変動)によってオーバーラップする可能性がある場合にはオーバーラップ時であると判断するようになっている。
そして、オーバーラップ時(ステップST11aでNo)には、ステップST12aにおいて、オーバーラップを増加させる側の排気バルブ14の目標位相角として、ステップST10aで再計算された目標位相角ExTPA3が設定され、オーバーラップを減少させる側の吸気バルブ13の目標位相角として、ステップST2で算出されたベースマップ値InTPAが設定される。
なお、オーバーラップ時では、排気バルブ14の目標位相角の下限ガード値として−IOPA−InFPAが設定されており、必要以上に抑制された値にならないようになっている。すなわち、排気バルブ14の再計算された目標位相角ExTPA3が、下限ガード値(−IOPA−InFPA)よりも低い場合には、排気バルブ14の目標位相角として下限ガード値が設定される。
その一方、マイナスオーバーラップ時(ステップST11aでYes)には、ステップST9aにおいて、吸気バルブ13の目標位相角として、ステップST2で算出されたベースマップ値InTPAが設定され、排気バルブ14の目標位相角として、ステップST2で算出されたベースマップ値ExTPAが設定される。
[吸気バルブのバルブタイミングが進角され、排気バルブのバルブタイミングが遅角される場合]
そして、吸気バルブ13のバルブタイミングが進角され、排気バルブ14のバルブタイミングが遅角される場合(ステップST3でYes、ステップST4でNo)には、吸気バルブ13および排気バルブ14のバルブタイミングがオーバーラップ期間を増加させる側に変位するため、実際のオーバーラップ期間FOPAが目標オーバーラップ期間TOPAを超えることがない。このため、ステップST9aにおいて、吸気バルブ13の目標位相角として、ステップST2で算出されたベースマップ値InTPAが設定され、排気バルブ14の目標位相角として、ステップST2で算出されたベースマップ値ExTPAが設定される。
[吸気バルブのバルブタイミングが遅角され、排気バルブのバルブタイミングが進角される場合]
そして、吸気バルブ13のバルブタイミングが遅角され、排気バルブ14のバルブタイミングが進角される場合(ステップST3でNo、ステップST5でYes)には、吸気バルブ13および排気バルブ14のバルブタイミングがオーバーラップ期間を減少させる側に変位するため、ステップST9aにおいて、吸気バルブ13の目標位相角として、ステップST2で算出されたベースマップ値InTPAが設定され、排気バルブ14の目標位相角として、ステップST2で算出されたベースマップ値ExTPAが設定される。
なお、第2実施形態において、ECU400によりステップST6aまたはST10aが実行されることによって本発明の「第2算出手段」が実現される。また、ECU400によりステップST8aまたはST12aが実行されることによって本発明の「第1目標位相角設定手段」が実現され、ECU400によりステップST9aが実行されることによって本発明の「第2目標位相角設定手段」が実現される。また、ECU400によりステップST7aまたはST11aが実行されることによって本発明の「判断手段」が実現される。
−効果−
第2実施形態では、上記のように、吸気バルブ13および排気バルブ14のバルブタイミングが進角される場合に、目標オーバーラップ期間TOPAおよび排気バルブ14の実位相角ExFPAに加えてバルブ振れ角度OSPAを用いて、オーバーラップ期間を増加させる側に変位する吸気バルブ13の目標位相角InTPA3を算出(再計算)するように構成されている。そして、吸気バルブ13および排気バルブ14のバルブタイミングが進角される場合におけるオーバーラップ時には、吸気バルブ13の目標位相角として再計算された目標位相角InTPA3を設定するように構成されている。
このように構成することによって、オーバーラップを増加させる側の吸気バルブ13について、第1実施形態に比べてバルブ振れ角度OSPA分だけ小さい目標位相角InTPA3を設定することにより、カム反力によって吸気バルブ13および排気バルブ14が変動したとしても、実際のオーバーラップ期間FOPAが目標オーバーラップ期間TOPAを超えるのを抑制することができる。したがって、内部EGR量が過多になるのを抑制することができる。
また、第2実施形態では、吸気バルブ13および排気バルブ14のバルブタイミングが遅角される場合に、目標オーバーラップ期間TOPAおよび吸気バルブ13の実位相角InFPAに加えてバルブ振れ角度OSPAを用いて、オーバーラップ期間を増加させる側に変位する排気バルブ14の目標位相角ExTPA3を算出(再計算)するように構成されている。そして、吸気バルブ13および排気バルブ14のバルブタイミングが遅角される場合におけるオーバーラップ時には、排気バルブ14の目標位相角として再計算された目標位相角ExTPA3を設定するように構成されている。
このように構成することによって、オーバーラップを増加させる側の排気バルブ14について、第1実施形態に比べてバルブ振れ角度OSPA分だけ小さい目標位相角ExTPA3を設定することにより、カム反力によって吸気バルブ13および排気バルブ14が変動したとしても、実際のオーバーラップ期間FOPAが目標オーバーラップ期間TOPAを超えるのを抑制することができる。したがって、内部EGR量が過多になるのを抑制することができる。
また、第2実施形態では、バルブ振れ角度OSPAを考慮してマイナスオーバーラップ時であるか否かを判断することによって、カム反力に起因する吸気バルブ13および排気バルブ14の振れ(変動)によってオーバーラップする可能性がある場合に、オーバーラップ時であると判断することができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
(他の実施形態)
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、第1実施形態では、吸気バルブ13および排気バルブ14のバルブタイミングが進角される場合におけるマイナスオーバーラップ時に、吸気バルブ13の目標位相角としてベースマップ値InTPAを設定し、かつ、吸気バルブ13および排気バルブ14のバルブタイミングが遅角される場合におけるマイナスオーバーラップ時に、排気バルブ14の目標位相角としてベースマップ値ExTPAを設定する例を示したが、これに限らず、吸気バルブ13および排気バルブ14のバルブタイミングが進角される場合におけるマイナスオーバーラップ時に、吸気バルブ13の目標位相角としてベースマップ値InTPAを設定すれば、吸気バルブ13および排気バルブ14のバルブタイミングが遅角される場合におけるマイナスオーバーラップ時に、排気バルブ14の目標位相角として再計算された目標位相角ExTPA2を設定するようにしてもよい。同様に、吸気バルブ13および排気バルブ14のバルブタイミングが遅角される場合におけるマイナスオーバーラップ時に、排気バルブ14の目標位相角としてベースマップ値ExTPAを設定すれば、吸気バルブ13および排気バルブ14のバルブタイミングが進角される場合におけるマイナスオーバーラップ時に、吸気バルブ13の目標位相角として再計算された目標位相角InTPA2を設定するようにしてもよい。
また、第1実施形態では、吸気側VVT機構100inが吸気側OCV200inによって制御される例を示したが、これに限らず、吸気側VVT機構が電動式であってもよい。なお、排気側VVT機構100exについても同様である。
また、第1実施形態では、吸気バルブ13および排気バルブ14の作用角が一定である例を示したが、これに限らず、吸気バルブおよび排気バルブの作用角が可変であってもよい。
また、第1実施形態では、エンジン1の回転速度および負荷率に基づいてベースマップ値を算出する例を示したが、これに限らず、エンジンの回転速度および負荷率に加えて、その他のパラメータを考慮してベースマップ値を算出するようにしてもよい。
また、第1実施形態では、吸気バルブ13の目標位相角を再計算した後に、マイナスオーバーラップ時か否かを判断する例を示したが、これに限らず、マイナスオーバーラップ時か否かを判断し、マイナスオーバーラップ時ではない場合に、吸気バルブの目標位相角を再計算するようにしてもよい。すなわち、図4のフローチャートは、一例であってその手順に限定されるものではない。
また、第1実施形態では、エンジン1が4気筒ガソリンエンジンである例を示したが、これに限らず、エンジンがディーゼルエンジンなどであってもよいし、エンジンの気筒数や形式(V型や水平対向型等)はどのようなものであってもよい。
また、第1実施形態では、オイルポンプ19が機械式である例を示したが、これに限らず、オイルポンプが電動式であってもよい。
また、第1実施形態では、吸気バルブ13のベースマップ値InTPAと目標オーバーラップ期間TOPAとに基づいて排気バルブ14のベースマップ値ExTPAが算出される例を示したが、これに限らず、排気バルブのベースマップ値がマップから導出されるようにしてもよい。また、排気バルブの目標位相角と目標オーバーラップ期間とをマップから導出し、その結果を用いて吸気バルブの目標位相角を算出するようにしてもよい。
なお、上記した第1実施形態の変形例を第2実施形態に適用してもよい。
また、第2実施形態では、バルブ振れ角度OSPAが予め設定された値である例を示したが、これに限らず、バルブ振れ角度がエンジンの運転状態に応じて算出される算出値であってもよい。
本発明は、吸気側可変バルブタイミング機構および排気側可変バルブタイミング機構を備える内燃機関を制御する内燃機関の制御装置に利用可能である。
1 エンジン(内燃機関)
13 吸気バルブ
14 排気バルブ
100in 吸気側VVT機構(吸気側可変バルブタイミング機構)
100ex 排気側VVT機構(排気側可変バルブタイミング機構)
400 ECU(内燃機関の制御装置)

Claims (9)

  1. 吸気バルブのバルブタイミングを可変する吸気側可変バルブタイミング機構と、排気バルブのバルブタイミングを可変する排気側可変バルブタイミング機構とを備える内燃機関の制御装置であって、
    内燃機関の回転速度および負荷率に基づいて、前記吸気バルブおよび前記排気バルブの目標位相角と目標オーバーラップ期間とを算出する第1算出手段と、
    前記吸気バルブおよび前記排気バルブのバルブタイミングが進角される場合に、前記目標オーバーラップ期間および前記排気バルブの実位相角に基づいて前記吸気バルブの目標位相角を算出する第2算出手段と、
    前記吸気バルブおよび前記排気バルブのバルブタイミングが進角される場合に、前記排気バルブの目標位相角として前記第1算出手段により算出された値を設定するとともに、前記吸気バルブの目標位相角として前記第2算出手段により算出された値を設定する第1目標位相角設定手段と、
    前記吸気バルブおよび前記排気バルブのバルブタイミングが進角される場合において、前記排気バルブが閉じてから前記吸気バルブが開くまでの間に前記吸気バルブおよび前記排気バルブの両方が閉状態になるマイナスオーバーラップ時に、前記排気バルブおよび前記吸気バルブの目標位相角として前記第1算出手段により算出された値を設定する第2目標位相角設定手段とを備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記吸気バルブおよび前記排気バルブのバルブタイミングが進角される場合に、前記第1算出手段により算出された吸気バルブの目標位相角と、前記排気バルブの実位相角とに基づいて、マイナスオーバーラップ時であるか否かを判断する判断手段を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記第2算出手段は、前記吸気バルブおよび前記排気バルブのバルブタイミングが遅角される場合に、前記目標オーバーラップ期間および前記吸気バルブの実位相角に基づいて前記排気バルブの目標位相角を算出するように構成され、
    前記第1目標位相角設定手段は、前記吸気バルブおよび前記排気バルブのバルブタイミングが遅角される場合に、前記排気バルブの目標位相角として前記第2算出手段により算出された値を設定するとともに、前記吸気バルブの目標位相角として前記第1算出手段により算出された値を設定するように構成され、
    前記第2目標位相角設定手段は、前記吸気バルブおよび前記排気バルブのバルブタイミングが遅角される場合において、マイナスオーバーラップ時に、前記排気バルブおよび前記吸気バルブの目標位相角として前記第1算出手段により算出された値を設定するように構成されていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  4. 請求項3に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記吸気バルブおよび前記排気バルブのバルブタイミングが遅角される場合に、前記第1算出手段により算出された排気バルブの目標位相角と、前記吸気バルブの実位相角とに基づいて、マイナスオーバーラップ時であるか否かを判断する判断手段を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  5. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記第2算出手段は、前記吸気バルブおよび前記排気バルブのバルブタイミングが進角される場合に、前記目標オーバーラップ期間と前記排気バルブの実位相角とバルブ振れ角度とに基づいて前記吸気バルブの目標位相角を算出するように構成されていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  6. 請求項5に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記吸気バルブおよび前記排気バルブのバルブタイミングが進角される場合に、前記第1算出手段により算出された吸気バルブの目標位相角と、前記排気バルブの実位相角と、前記バルブ振れ角度とに基づいて、マイナスオーバーラップ時であるか否かを判断する判断手段を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  7. 請求項5または6に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記第2算出手段は、前記吸気バルブおよび前記排気バルブのバルブタイミングが遅角される場合に、前記目標オーバーラップ期間と前記吸気バルブの実位相角と前記バルブ振れ角度とに基づいて前記排気バルブの目標位相角を算出するように構成され、
    前記第1目標位相角設定手段は、前記吸気バルブおよび前記排気バルブのバルブタイミングが遅角される場合に、前記排気バルブの目標位相角として前記第2算出手段により算出された値を設定するとともに、前記吸気バルブの目標位相角として前記第1算出手段により算出された値を設定するように構成され、
    前記第2目標位相角設定手段は、前記吸気バルブおよび前記排気バルブのバルブタイミングが遅角される場合において、マイナスオーバーラップ時に、前記排気バルブおよび前記吸気バルブの目標位相角として前記第1算出手段により算出された値を設定するように構成されていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  8. 請求項7に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記吸気バルブおよび前記排気バルブのバルブタイミングが遅角される場合に、前記第1算出手段により算出された排気バルブの目標位相角と、前記吸気バルブの実位相角と、前記バルブ振れ角度とに基づいて、マイナスオーバーラップ時であるか否かを判断する判断手段を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  9. 吸気バルブのバルブタイミングを可変する吸気側可変バルブタイミング機構と、排気バルブのバルブタイミングを可変する排気側可変バルブタイミング機構とを備える内燃機関の制御装置であって、
    内燃機関の回転速度および負荷率に基づいて、前記吸気バルブおよび前記排気バルブの目標位相角と目標オーバーラップ期間とを算出する第1算出手段と、
    前記吸気バルブおよび前記排気バルブのバルブタイミングが遅角される場合に、前記目標オーバーラップ期間および前記吸気バルブの実位相角に基づいて前記排気バルブの目標位相角を算出する第2算出手段と、
    前記吸気バルブおよび前記排気バルブのバルブタイミングが遅角される場合に、前記排気バルブの目標位相角として前記第2算出手段により算出された値を設定するとともに、前記吸気バルブの目標位相角として前記第1算出手段により算出された値を設定する第1目標位相角設定手段と、
    前記吸気バルブおよび前記排気バルブのバルブタイミングが遅角される場合において、前記排気バルブが閉じてから前記吸気バルブが開くまでの間に前記吸気バルブおよび前記排気バルブの両方が閉状態になるマイナスオーバーラップ時に、前記排気バルブおよび前記吸気バルブの目標位相角として前記第1算出手段により算出された値を設定する第2目標位相角設定手段とを備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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