JP6158658B2 - 精製水の製造装置 - Google Patents
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Description
特許文献1には、前記従来技術の改良手段として、プレフィルター、軟水化装置、活性炭装置、電解水生成器、逆浸透膜の順で処理して溶存水素を含有する人工透析用水を製造する発明が開示されている(特許文献1の図1)。
前記発明の処理フローを図示すると図4のようになる。但し、図4では、特許文献1の図1の濾過処理(プレフィルター)は省略している。
この製造方法によれば、溶存水素濃度の高い人工透析用水を製造できることが記載されているが、水道水、あるいは地下水などの供給原水中に含まれるイオン濃度が低い場合は、電解効率が低くなり、所望する溶存水素濃度を得ることが困難なケースが出てくる。また、供給原水に対して、人工透析用水として利用される水の量は、通常のRO装置においてはRO濃縮排水を供給原水から差し引いた水量であるのに対して、電解装置を使用する場合は、差し引く水量に電解装置排水も加わり、水の利用効率(回収効率)が低下するという問題もあった。
さらに電解装置排水の排出は、プレフィルター、軟水化装置、活性炭装置によって前処理された前処理水を一部排出することとなり、排出分を余分に前処理することによる前処理設備の大型化の問題もある。また、電解水タンクの設置も必要となり、透析用水製造装置の小型化、省スペース化の点で課題がある。
また、供給原水に対して水の利用効率(回収効率)の高い溶存水素含有の人工透析用水等として使用できる精製水を製造するための省スペース型の製造装置を提供することを別の課題とする。
電解水製造装置(4)、電解水貯水タンク(6)、逆浸透膜装置(RO装置)(3)を有する精製水の製造装置であって、
原水がRO装置(3)に供給されるように接続されており、
RO装置(3)の濃縮水ラインが電解水製造装置(4)に接続されており、
電解水製造装置(4)の電解陰極水ラインが電解水貯水タンク(6)に接続されており、
電解水貯水タンク(6)がRO装置(3)に接続されている、精製水の製造装置を提供する。
軟水器(1)、吸着装置(2)、電解水製造装置(4)、電解水貯水タンク(6)、逆浸透膜装置(RO装置)(3)及びRO装置処理水(透過水)タンク(5)を有する精製水の製造装置であって、
軟水器(1)、吸着装置(2)、電解水貯水タンク(6)、及びRO装置(3)がこの順序で接続されており、
RO装置(3)の透過水ライン(15)が透過水タンク(5)に接続され、
RO装置(3)の濃縮水ライン(17)が電解水製造装置(4)に接続され、
電解水製造装置(4)の電解陰極水ライン(19)が電解水貯水タンク(6)に接続されている、精製水の製造装置を提供する。
軟水器(1)、吸着装置(2)、電解水製造装置(4)、電解水貯水タンク(6)、逆浸透膜装置(RO装置)(3)及びRO装置処理水(透過水)タンク(5)を有する精製水の製造装置であって、
軟水器(1)、吸着装置(2)及びRO装置(3)がこの順序で接続されており、
RO装置(3)の透過水ライン(24)が透過水タンク(5)に接続され、
RO装置(3)の濃縮水ライン(26)が電解水製造装置(4)に接続され、
電解水製造装置(4)の電解陰極水ライン(28)が電解水貯水タンク(6)に接続され、
電解水貯水タンク(6)が、吸着装置(2)及びRO装置(3)の間のライン(23)に接続されている、精製水の製造装置を提供する。
軟水器(1)、吸着装置(2)、電解水製造装置(4)、電解水貯水タンク(6)、逆浸透膜装置(RO装置)(3)及びRO装置処理水(透過水)タンク(5)を有する精製水の製造装置であって、
軟水器(1)、吸着装置(3)及びRO装置(3)がこの順序で接続されており、
RO装置(3)の透過水ライン(44)が透過水タンク(5)に接続され、
RO装置(3)の濃縮水ライン(46)が、電解水製造装置(4)と排出ライン(47)の両方に接続され、
電解水製造装置(4)の電解陰極水ライン(50)が電解水貯水タンク(6)に接続され、
電解水貯水タンク(6)が、吸着装置(2)及びRO装置(3)の間のライン(43)に接続されており、
さらに電解水貯水タンク(6)と吸着装置(2)及びRO装置(3)の間のライン(43)の間の電解陰極水ライン(51)から電解水貯水タンク(6)への返送ライン(53)を備えている、精製水の製造装置を提供する。
また、供給原水に対して水の利用効率(回収効率)の高い溶存水素含有人工透析用水を製造することができる。さらに、従来法に比べて、電解水製造装置の台数削減、前処理設備の処理量低減や電解水タンクの小型化等により省スペース型の製造装置を提供することができる。
原水(水道水又は地下水)の供給源には原水ライン11が接続されている。
原水は、原水ライン11に設置された原水ポンプ61を駆動させて軟水器1に送られる。なお、必要に応じて軟水器1の前にプレフィルターを設置することができる。また、軟水器1と吸着装置2の両方または一方を省略することができ、両方を省略したときは源水ライン11を前処理水タンク6に接続することができる。このとき、運転開始時には、前処理水タンク6内から原水がRO装置3に供給される。
軟水器1は、市販の軟水器を使用することができる。
軟水器1で硬度成分の濃度が低減された水は、ライン12から吸着装置2に送られる。
吸着装置2は、主として残留塩素等を吸着除去するための装置である。
軟水器1と吸着装置2は、RO装置に対する負荷を軽減するための前処理装置となる。
吸着装置2で残留塩素等が除去された水は、ライン13から前処理水タンク6に送られて貯水される。
このように軟水器1と吸着装置2を含む前処理装置で処理(以下、「前処理」という)された前処理水の全量が前処理水タンク6に送られて貯水され、RO装置に供給される。
特許文献1の装置(図4)では、電解水製造装置によって電気分解された前処理水の一部が酸性水として排出されるため、特許文献1の前処理装置では排出分を余分に前処理する必要がある。これに対して、図1の前処理装置では、排出分を余分に前処理する必要がないので、特許文献1の装置と比べると、前処理装置自体を小型化することができる。
図2、図3の精製水の製造装置でも同じ効果が得られる。
RO装置3は公知のものを用いることができ、例えば、ダイセン・メンブレン・システムズ株式会社より販売されている、装置型式VCR40シリーズ、VCR80シリーズ、NER40シリーズ、NER80シリーズ、SHRシリーズ等を用いることができる。
透過水は、前処理水に残存するイオンがさらに除去されており、電気伝導度は1〜20μS程度にまで低下されている。
透過水タンク5内の透過水(RO水)は精製水であり、ライン16から採水されて人工透析液用水等の医療用精製水等として使用される。
濃縮水は、RO装置3で除去されたイオンが濃縮されており、電気伝導度(イオン分)は原水の約3倍にまで上昇されている。
前記濃縮水は、電気伝導度が高いものであるため、電解水製造装置4で電気分解するときの電流値をより大きくすることができる。このため、水の電気分解が促進される結果、電解水製造装置4で得られた電解陰極水は、溶存水素濃度がより高いものになる。
従来の方法では、電導度の低い供給原水を用いた場合に、電解効率が低く十分な溶存水素濃度が得にくかったが、RO濃縮水を使用することにより、電導度が増大した水を電解装置に供給することが可能となり、溶存水素濃度の高い電解陰極水を得ることができる。
電解水製造装置4は公知のものを使用することができ、例えば、特許第3933403号公報に記載されている電解陰極水装置(段落番号0041)、特許第4004523号公報に記載されている電解水生成器(段落番号0030)、市販品である(株)日本トリムの電解透析水整水器(商品名TRIM HD-24D)を使用することができる。
電解水製造装置4で得られた酸性水(電解陽極水)は、ライン18bから排水される。
なお、図1中の101、102、103、104は電磁弁等からなる開閉弁を示しており、精製水の製造装置の運転状態に応じて適宜開閉操作することで、各ラインを開閉するものである。
図1中の各ラインには、必要に応じて適宜開閉弁を設置することができる。
運転開始により原水は、軟水器1、吸着装置2、RO装置3の順に処理されて、透過水(RO水)が透過水タンク5に貯水される。
このとき、透過水タンク5に貯水された透過水は、そのまま採水して人工透析用水等として使用することもできるが、この段階ではまだ透過水中の溶存水素濃度は高くない。
このため、運転開始から最初に透過水タンク5に貯水された透過水は直ちには採水しないで、さらに運転を継続することが望ましい。
この溶存水素濃度の高い電解陰極水は、ライン19から前処理水タンク(電解水貯水タンク)6に送られて貯水される。
このため、前処理水タンク(電解水貯水タンク)6中の溶存水素濃度も高められる。
そして、前処理水タンク(電解水貯水タンク)6の水をRO装置3で処理することで溶存水素濃度の高い透過水が得られ、透過水タンク5に貯水される。
また、特許文献1に示す装置(図4)においては、電解水製造装置が故障した場合には人工透析用精製水の製造を実施できなくなり、透析治療に支障をきたす懸念もあったが、図1に示す精製水の製造装置では、電解水製造装置4が故障した場合には、陰極水製造を停止させて、RO装置3によりRO精製水を製造することは可能であり、透析治療に深刻な支障をきたすこともなくなる。
この溶存水素濃度の高い精製水(人工透析用水)と必要成分を混合して得られた人工透析液は、抗酸化作用が高く、活性酸素種に対して抗酸化作用(還元作用)を発揮することで、人工透析患者に好ましい影響を与えることが期待される。
さらにRO装置3、透過水タンク5と前処理水タンク(電解水貯水タンク)6、さらに各ラインは加熱殺菌や薬液殺菌することができる。
図2で示す精製水の製造装置において、図1の精製水の製造装置と同じ番号のものは、同じものであることを示している。なお、図1の装置と同様に、必要に応じて軟水器1の前にプレフィルターを設置することができる。また、軟水器1と吸着装置2の両方または一方を省略することができ、両方を省略したときは源水ライン11をRO装置3に接続することができる。
原水は、原水ライン21に設置された原水ポンプ71を駆動させて軟水器1に送られる。
軟水器1で硬度成分の濃度が低減された水は、ライン22から吸着装置2に送られる。
吸着装置2で不純物等が除去された水は、ポンプ72を駆動させてライン23からRO装置3に送られて濾過処理される。
透過水タンク5内の透過水(RO水)は、ライン25から採水されて人工透析液用水等の医療用精製水として使用される。
RO装置3で得られた濃縮水は、ライン26から電解水製造装置4に送られて処理される。
ライン29はオーバーフローラインである。オーバーフローラインを設けることにより、図2で示す装置において排出される水の流量は、電解水製造装置4の電解酸性水とオーバーフローで排出されるオーバーフロー水の合計量となる。
ここで、電解酸性水の量は、電解水製造装置4の所定の運転条件で一定量に定まるため、図2の精製水の製造装置において精製水として利用される水の回収率は、オーバーフロー水の水量を調節することにより増大、もしくは減少させることができる。
また、電解水貯水タンク6にオーバーフローラインを設けない場合は、RO装置3の稼働、停止に応じて水位が変動するため、RO装置3への供給流量に応じた水量を確保できるようにタンク容量に余裕を持たせることが必要となるが、オーバーフローラインを設けた場合には、電解水製造装置4の運転中は、常時オーバーフローさせて電解水貯水タンク6の水位を一定に保つことができるため、オーバーフローを行わない場合に比べて、電解水貯水タンク6の小型化が実現できる。
電解水製造装置4で得られた電解陽極水は、ライン27から排水される。
限外濾過膜装置7で濾過処理された水は、微生物が除去されて清浄化されており、かつ溶存水素濃度の高い水であり、ライン31からライン23を経て、RO装置3に送られる。
電解水貯水タンク6内部は塩素が存在しないため、微生物が増殖しやすいが、限外濾過膜装置7を設置することで、ライン30からライン31に至るラインで限外濾過装置7により微生物汚染を除去できる。
図2中の各ラインには、必要に応じて適宜開閉弁を設置することができる。
運転開始により原水は、軟水器1、吸着装置2、RO装置3の順に処理されて、透過水(RO水)が透過水タンク5に貯水される。
このとき、透過水タンク5に貯水された透過水は、そのまま採水して人工透析用水等として使用することもできるが、この段階ではまだ透過水中の溶存水素濃度は高くない。
このため、運転開始から最初に透過水タンク5に貯水された透過水は直ちには採水しないで、さらに運転を継続することが望ましい。
この溶存水素濃度の高い電解陰極水は、ライン28から電解水貯水タンク6に送られて貯水される。
図1の装置では、原水ポンプ61の駆動及び停止と、RO加圧ポンプ62の駆動及び停止を整合させることで、電解水貯水タンク6内の貯水中の溶存水素濃度を一定に保つようにする必要がある。
図2の装置では、電解水貯水タンク6にオーバーフローライン29を設けることにより、電解水製造装置4を運転中は、電解水タンク6を常時オーバーフローさせて、水位を一定に保つ。常時、オーバーフローさせるため、電解水貯水タンク6への電解陰極水流入量を、ライン30を通る電解水貯水タンクからの流出量よりも大きくなるように調節する。
電解水貯水タンク6内の水位が、オーバーフローにより常に一定に保たれることにより、電解水貯水タンク6内の溶存水素濃度を、一定に保つように保持することができ、図1の装置よりも溶存水素濃度の管理が容易となる。
また、オーバーフローライン29を設けない場合には、RO加圧ポンプ62の駆動及び停止に伴って、電解水貯水タンク6内の水位が下降、もしくは上昇する。電解水貯水タンク6内の水位が下がった場合には、電解陰極水が電解水貯水タンク6内の液面に落下・流入することにより、電解水中の溶存水素が大気中に散逸して水素濃度が低下するおそれがある。
図2の装置では、オーバーフローライン29を電解水貯水タンク6の最高部位付近に設け、電解陰極水流入口を電解水貯水タンク6の液面下に配設することにより、前記の溶存水素の散逸が抑えられ、電解水貯水タンク6内の電解水中の水素濃度を高濃度に保持できる利点もある。
そして、電解水貯水タンク6の水をRO装置3で処理することで溶存水素濃度の高い透過水が得られ、透過水タンク5に貯水される。
この溶存水素濃度の高い精製水(人工透析用水)と必要成分を混合して得られた人工透析液は、抗酸化作用が高く、活性酸素種に対して抗酸化作用(還元作用)を発揮することで、人工透析患者に好ましい影響を与えることが期待される。
図3で示す精製水の製造装置において、図1、図2の精製水の製造装置と同じ番号のものは、同じものであることを示している。なお、図1の装置と同様に、必要に応じて軟水器1の前にプレフィルターを設置することができる。また、軟水器1と吸着装置2両方または一方を省略することができ、両方を省略したときは源水ライン11をRO装置3に接続することができる。
原水は、原水ライン41に設置された原水ポンプ81を駆動させて軟水器1に送られる。
軟水器1で硬度成分の濃度が低減された水は、ライン42から吸着装置2に送られる。
吸着装置2で不純物等が除去された水は、ポンプ82を駆動させてライン43からRO装置3に送られて濾過処理される。
透過水タンク5内の透過水(RO水)は、ライン45から採水されて人工透析液用水等の医療用精製水として使用される。
RO装置3で得られた濃縮水は、ライン46、48から電解水製造装置4に送られて処理される。
RO装置3で得られた濃縮水の一部(過剰量)は、ライン47から排水される。ライン47から一部濃縮水を排出することで、電解水製造装置4に送られる濃縮水量を調整する。
ライン52はオーバーフローラインであり、図3の精製水の製造装置における水の回収率は、電解陰極水量、オーバーフロー水量、RO装置3の濃縮水の一部排水量の水量を調節して設定される。
また、電解水貯水タンク6にオーバーフローラインを設けない場合は、RO装置3の稼働、停止に応じて水位が変動するため、RO装置3への供給流量に応じた水量を確保できるようにタンク容量に余裕を持たせることが必要となる。
オーバーフローラインを設けた場合には、電解水製造装置4の運転中は、常時オーバーフローさせて電解水貯水タンク6の水位を一定に保つことができるため、オーバーフローを行わない場合に比べて、電解水貯水タンク6の小型化が実現できる。
電解水製造装置4で得られた電解陽極水は、ライン49から排水される。
限外濾過膜装置7で濾過処理された水は、微生物が除去されて清浄化されており、かつ溶存水素濃度の高い水であり、ライン54からライン43を経て、RO装置3に送られる。
電解水貯水タンク内部は塩素が存在しないため、微生物が増殖しやすいが、限外濾過膜装置7を設置することで、ライン54からライン43に至るラインの微生物汚染を防ぐことができる。また、電解水貯水タンク6には、UV殺菌灯を設けることもできる。
なお、図3中の121、122、123は電磁弁等からなる開閉弁を示しており、精製水の製造装置の運転状態に応じて適宜開閉操作することで、各ラインを開閉するものである。
また、図3中の「FI」は流量計である。
図3中の各ラインには、必要に応じて適宜開閉弁を設置することができ、前記開閉弁と共に、流量計により各ラインに流れる流量を調節する。
運転開始により原水は、軟水器1、吸着装置2、RO装置3の順に処理されて、透過水(RO水)が透過水タンク5に貯水される。
このとき、透過水タンク5に貯水された透過水は、そのまま採水して人工透析用水等として使用することもできるが、この段階ではまだ透過水中の溶存水素濃度は高くない。
このため、運転開始から最初に透過水タンク5に貯水された透過水は直ちには採水しないで、さらに運転を継続することが望ましい。
この溶存水素濃度の高い電解陰極水は、ライン50から電解水の貯水タンク6に送られて貯水される。
図1の装置では、原水ポンプ61の駆動及び停止と、RO加圧ポンプ62の駆動及び停止を整合させることで、電解水貯水タンク6内の貯水水中の溶存水素濃度を一定に保つようにする必要がある。
図3の装置では、電解水貯水タンク6にオーバーフローライン52を設けることにより、電解水製造装置4を運転中は、電解水タンク6を常時オーバーフローさせて、水位を一定に保つ。常時、オーバーフローさせるため、電解水貯水タンク6への電解陰極水流入量を、ライン51を通る電解水貯水タンクからの流出量よりも大きくなるように調節する。電解水貯水タンク6内の水位が、オーバーフローにより常に一定に保たれることにより、電解水貯水タンク6内の溶存水素濃度を、一定に保つように保持することができ、溶存水素濃度の管理が容易となる。
(I)電解水貯水タンク6にオーバーフローライン52を設けて、ライン51を通る電解陰極水量を調節することによりオーバーフロー水量を調整し、ライン43に送られる電解陰極水量と、ライン43を通る原水量との比率を調整すること、
(II)RO装置3で得られた濃縮水の一部をライン47から排水して、電解水製造装置4に送られる濃縮水量を調整すること、
(III)ライン51の途中から、電解水貯水タンク6への返送ライン53を設けることにより、限外濾過膜装置7及びライン43に流れる電解陰極水量を調節すること、
などにより、精製水の製造装置における原水の利用効率(回収効率)を適切に調整することができる。
図3の装置では、オーバーフローライン52を電解水貯水タンク6の最高部位付近に設けて、電解陰極水流入口を電解水貯水タンク6の液面下に配設することにより、前記の溶存水素の散逸が抑えられ、電解水貯水タンク6内の電解水中の水素濃度を高濃度に保持できる利点もある。
そして、電解水の貯水タンク6の水をRO装置3で処理することで溶存水素濃度の高い透過水が得られ、透過水タンク5に貯水される。
この溶存水素濃度の高い精製水(人工透析用水)と必要成分を混合して得られた人工透析液は、抗酸化作用が高く、活性酸素種に対して抗酸化作用(還元作用)を発揮することで、人工透析患者に好ましい影響を与えることが期待される。
実施例1は図1に示す装置(処理フロー)にて、表1に示す運転条件にて運転して、RO水(透過水)を得た。電解水製造装置は1台のみである。
実施例2は図2に示す装置(処理フロー)にて、表1に示す運転条件にて運転して、RO水(透過水)を得た。電解水製造装置は1台のみである。
実施例3は図2に示す装置(処理フロー)にて、表1に示す運転条件にて運転して、RO水(透過水)を得た。電解水製造装置は1台のみである。
比較例1は図4に示す装置(処理フロー)にて、表1に示す運転条件にて運転して、RO水(透過水)を得た。電解水製造装置は2台を使用した。結果を表1に示す。
プレフィルター:10μm×500ml×1本
軟水器:オートトロール社のATS-18
活性炭(吸着装置):繊維状活性炭
RO装置:
実施例1、2、比較例1:ダイセン・メンブレン・システムズ(株)のVCR-42S(4インチスパイラルモジュール×2本;食塩除去率が99%のもの)
実施例3:ダイセン・メンブレン・システムズ(株)のSV08-GP-DRA981F(8インチスパイラルモジュール1本、食塩除去率が99%のもの;実施例1、2、比較例1で使用したRO装置の4倍の造水能力がある)
電解水製造装置:(株)トリムメディカルインスティテュートの電解透析水整水器(商品名TRIM HD-24D
限外濾過膜装置:FS10-FUST653
溶存水素濃度の測定:東亜ディーケーケー(株)のポータブル溶存水素計DH-35A
一方、比較例1(図4の装置)では、電解製造装置で得た陰極水をRO装置で処理した透過水(RO水)を人工透析用水(精製水)とした。
その結果、RO濃縮水を使用する実施例1においては、比較例1に比べてRO水中の溶存水素濃度を高くすることができた。
また、実施例2、実施例3においては、原水の電導度が比較例1より低く、かつ電解水製造装置を1台のみで電解を実施したにも拘らず、RO水中の溶存水素濃度を比較例1とほぼ同等のレベルで発生することができた。
さらにRO濃縮水を使用する実施例1〜3の方が、使用する原水量を約30%も削減することができ、電解水製造装置も比較例では2台必要としたのに対し、実施例1〜3ともに1台で実施できた。使用する原水量の削減や必要な電解水製造装置の台数削減、電解水タンクの小型化等により、精製水(人工透析用水)の製造装置の小型化、省スペース化が可能となった。
また、実施例2、実施例3においては、電解水タンクの後段にUF膜濾過処理を行っているので、微生物汚染が発生することはなかった。
2 吸着装置
3 RO装置
4 電解水製造装置
5 透過水タンク(RO水タンク)
6 前処理水タンク(電解水貯水タンク)
7 限外濾過膜装置
Claims (9)
- 電解水製造装置(4)、電解水貯水タンク(6)、逆浸透膜装置(RO装置)(3)を有しており、
原水がRO装置(3)に供給されるように接続されており、
RO装置(3)の濃縮水ラインが電解水製造装置(4)に接続されており、
電解水製造装置(4)で得られた電解陰極水を送る電解陰極水ラインが電解水製造装置(4)から電解水貯水タンク(6)に接続され、電解水製造装置(4)で得られた電解陽極水を排水するためのライン(18b)が電解水製造装置(4)に接続されており、
電解水貯水タンク(6)の電解陰極水がRO装置(3)に供給されるように電解水貯水タンク(6)とRO装置(3)が配置されており、
RO装置(3)と透過水タンク(5)が透過水を送るライン(15)で接続されており、透過水タンク(5)に接続された採水ライン(16)から採水できるようになっている、人工透析用水の製造装置を使用した精製水の製造方法であって、
原水をRO装置(3)に供給して処理することで透過水と濃縮水を得る、
その後、濃縮水を濃縮水ラインから電解水製造装置(4)に送り電気分解処理して、電解陽極水と溶存水素濃度が高められた電解陰極水を得る、
その後、電解陽極水はライン(18b)から排水し、電解陰極水は電解陰極水ラインから電解水貯水タンク(6)に送り、
その後、電解水貯水タンク(6)内の電解陰極水をRO装置(3)に送り、RO装置(3)で処理した透過水を採水する、精製水の製造方法。 - 軟水器(1)、吸着装置(2)、電解水製造装置(4)、電解水貯水タンク(6)、逆浸透膜装置(RO装置)(3)及びRO装置処理水(透過水)タンク(5)を有しており、
軟水器(1)、吸着装置(2)、電解水貯水タンク(6)、及びRO装置(3)がこの順序で接続されており、
RO装置(3)の透過水ライン(15)が透過水タンク(5)に接続され、
RO装置(3)の濃縮水ライン(17)が電解水製造装置(4)に接続され、
電解水製造装置(4)で得られた電解陰極水を送る電解陰極水ラインが電解水製造装置(4)から電解水貯水タンク(6)に接続され、電解水製造装置(4)で得られた電解陽極水を排水するためのライン(18b)が電解水製造装置(4)に接続されており、
RO装置(3)と透過水タンク(5)が透過水を送るライン(15)で接続されており、透過水タンク(5)に接続された採水ライン(16)から採水できるようになっている、人工透析用水の製造装置を使用した精製水の製造方法であって、
原水をRO装置(3)に供給して処理することで透過水と濃縮水を得る、
その後、濃縮水を濃縮水ラインから電解水製造装置(4)に送り電気分解処理して、電解陽極水と溶存水素濃度が高められた電解陰極水を得る、
その後、電解陽極水はライン(18b)から排水し、電解陰極水は電解陰極水ラインから電解水貯水タンク(6)に送り、
その後、電解水貯水タンク(6)内の電解陰極水をRO装置(3)に送り、RO装置(3)で処理した透過水を採水する、精製水の製造方法。 - さらに電解水貯水タンク(6)とRO装置(3)の間に限外濾過膜装置が設置されている人工透析用水の製造装置を使用する、請求項2記載の精製水の製造方法。
- 軟水器(1)、吸着装置(2)、電解水製造装置(4)、電解水貯水タンク(6)、逆浸透膜装置(RO装置)(3)及びRO装置処理水(透過水)タンク(5)を有しており、
軟水器(1)、吸着装置(2)及びRO装置(3)がこの順序で接続されており、
RO装置(3)の透過水ライン(24)が透過水タンク(5)に接続され、
RO装置(3)の濃縮水ライン(26)が電解水製造装置(4)に接続され、
電解水製造装置(4)で得られた電解陰極水を送る電解陰極水ライン(28)が電解水製造装置(4)から電解水貯水タンク(6)に接続され、電解水製造装置(4)で得られた電解陽極水を排水するためのライン(27)が電解水製造装置(4)に接続されており、
電解水貯水タンク(6)の電解陰極水が、吸着装置(2)及びRO装置(3)の間のライン(23)に供給されるように電解水貯水タンク(6)とライン(23)が配置されており、
RO装置(3)と透過水タンク(5)が透過水を送るライン(24)で接続されており、透過水タンク(5)に接続された採水ライン(25)から採水できるようになっている、人工透析用水の製造装置を使用した精製水の製造方法であって、
原水をRO装置(3)に供給して処理することで透過水と濃縮水を得る、
その後、濃縮水を濃縮水ライン(26)から電解水製造装置(4)に送り電気分解処理して、電解陽極水と溶存水素濃度が高められた電解陰極水を得る、
その後、電解陽極水はライン(27)から排水し、電解陰極水は電解陰極水ライン(28)から電解水貯水タンク(6)に送り、
その後、電解水貯水タンク(6)内の電解陰極水をRO装置(3)に送り、RO装置(3)で処理した透過水を採水する、精製水の製造方法。 - さらに電解水の貯水タンク(6)とライン(23)の間に限外濾過膜装置(7)が設置されている人工透析用水の製造装置を使用する、請求項4記載の精製水の製造方法。
- 電解水貯水タンク(6)がオーバーフローライン(29)を有しており、
オーバーフローライン(29)が、電解水製造装置(4)の運転中、電解水貯水タンク(6)内に流入した過剰量の水をオーバーフローさせることで水位を一定に保つものである人工透析用水の製造装置を使用する、請求項4または5記載の精製水の製造方法。 - 軟水器(1)、吸着装置(2)、電解水製造装置(4)、電解水貯水タンク(6)、逆浸透膜装置(RO装置)(3)及びRO装置処理水(透過水)タンク(5)を有しており、
軟水器(1)、吸着装置(2)及びRO装置(3)がこの順序で接続されており、
RO装置(3)の透過水ライン(44)が透過水タンク(5)に接続され、
RO装置(3)の濃縮水ライン(46)が、電解水製造装置(4)と排出ライン(47)の両方に接続され、
電解水製造装置(4)で得られた電解陰極水を送る電解陰極水ライン(50)が電解水製造装置(4)から電解水貯水タンク(6)に接続され、電解水製造装置(4)で得られた電解陽極水を排水するためのライン(49)が電解水製造装置(4)に接続されており、
電解水貯水タンク(6)の電解陰極水が、吸着装置(2)及びRO装置(3)の間のライン(43)に供給されるように電解水貯水タンク(6)とライン(43)が配置されており、
さらに電解水貯水タンク(6)と吸着装置(2)及びRO装置(3)の間のライン(43)の間の陰極水ライン(51)から電解水貯水タンク(6)への返送ライン(53)を備えており、
RO装置(3)と透過水タンク(5)が透過水を送るライン(44)で接続されており、透過水タンク(5)に接続された採水ライン(45)から採水できるようになっている、人工透析用水の製造装置を使用した精製水の製造方法であって、
原水をRO装置(3)に供給して処理することで透過水と濃縮水を得る、
その後、濃縮水を濃縮水ライン(46)から電解水製造装置(4)に送り電気分解処理して、電解陽極水と溶存水素濃度が高められた電解陰極水を得る、
その後、電解陽極水はライン(49)から排水し、電解陰極水は電解陰極水ライン(50)から電解水貯水タンク(6)に送り、
その後、電解水貯水タンク(6)内の電解陰極水をRO装置(3)に送り、RO装置(3)で処理した透過水を採水する、精製水の製造方法。 - さらに電解水貯水タンク(6)とライン(43)の間において、陰極水ライン(51)と返送ライン(53)との接続位置よりも下流側の陰極水ライン(51)上に限外濾過膜装置(7)が設置されている人工透析用水の製造装置を使用する、請求項7記載の精製水の製造方法。
- 電解水貯水タンク(6)がオーバーフローライン(52)を有しており、
オーバーフローライン(52)が、電解水製造装置(4)の運転中、電解水貯水タンク(6)内に流入した過剰量の水をオーバーフローさせることで水位を一定に保つものである人工透析用水の製造装置を使用する、請求項7または8記載の精製水の製造方法。
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