JP6108018B2 - スポット溶接方法 - Google Patents

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本発明は、亜鉛系めっき鋼板を含む複数枚の鋼板のスポット溶接方法に関する。
近年、自動車分野では、低燃費化やCO排出量の削減のため、車体を軽量化することや、衝突安全性の向上のため、車体部材を高強度化することが求められている。これらの要求を満たすためには、車体部材や各種部品などに高強度鋼板を使用することが有効である。
このような高強度鋼板よりなる車体の組立や部品の取付けなどの工程では、主として、抵抗スポット溶接の使用が広く普及している。スポット溶接して得られた溶接継手の品質指標の一つである継手強度には、せん断方向に引張荷重を負荷して測定する引張せん断強さ(TSS)と、剥離方向に引張荷重を負荷して測定する十字引張強さ(CTS)がある。
高強度鋼板を含むスポット溶接継手におけるCTSは、鋼板の引張強度が増加しても、増加しないか、又は、減少することがある。この理由は、変形能の低下により溶接部への応力集中が高まることや、溶接部に焼きが入ることにより溶接部の靱性が低下することとされている。このため、高強度鋼板にスポット溶接を行った場合に、CTS等の継手強度を向上させる技術が望まれていた。
このような要望のもと、高強度鋼板を含むスポット溶接継手における強度と靭性を確保するため、本溶接の前に通電する前通電工程、又は、本溶接の後に通電する後通電工程を実施する技術が知られている(例えば、特許文献1、参照)。
一方、車体の高防錆化の観点から、部材を耐食性に優れた鋼板で構成する必要がある。亜鉛系めっき鋼板は、耐食性が良好であることが幅広く知られており、上記の軽量化や高強度化の観点から、自動車用として用いられる亜鉛系めっき鋼板においては、めっき原板に高強度鋼板を用いた亜鉛系めっき高強度鋼板が使用されている。
このような亜鉛系めっき高強度鋼板にスポット溶接を行うと、電極と接する鋼板の外側面から、ナゲットに向かって、割れが発生するという問題がある。図1に、亜鉛系めっき鋼板にスポット溶接を行った場合の溶接箇所の割れの概略を示す。亜鉛系めっき鋼板1にスポット溶接を行うと、電極と接する鋼板1の外側面からナゲット2に向かって進展する割れ3や、電極肩部から熱影響部4に進展する割れ5が発生することが知られている。
この割れは、電極の加圧力や鋼板の熱膨張、収縮による引張応力が溶接箇所に加わり、該溶接箇所の鋼板表面で溶融した亜鉛や、亜鉛と電極の銅との合金が、鋼板の結晶粒界に侵入して粒界強度を低下させて引き起こされる、いわゆる液体金属脆性に起因する割れであるといわれている。自動車車体では、溶接箇所の割れが著しいと強度が低下するという問題があり、鋼板の成分組成や組織を制御することにより、溶接箇所の割れを抑制する技術が知られている。
たとえば、特許文献2には、鋼板の成分組成を調整し、スポット溶接時に生成されるオーステナイト相を微細な結晶粒にして、他の相の結晶粒と複雑に入り組んだ金属組織を有するものとすることで、結晶粒界への溶融亜鉛の拡散浸入経路を複雑にして、溶融亜鉛を侵入し難くして、スポット溶接時の液体金属脆化割れを抑制する技術が開示されている。
また、特許文献3には、鋼板の組織制御によって結晶粒界を複雑化するだけでは、溶接部の割れ発生を充分に抑制できないことがあるとして、鋼板の成分組成を調整し、熱間圧延鋼板の粒界酸化深さを5μm以下とし、合金化溶融亜鉛めっき処理前の冷間圧延鋼板にFe系電気めっき処理を行うことによって、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の粒界侵食深さを5μm以下にすることで、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の溶接箇所における割れの発生を抑制する技術が開示されている。
また、特許文献4には、亜鉛などのめっきを施した鋼板から電縫鋼管を製造する際に、液体金属脆化抑制のために、ストリップ端部の突合せ部のめっきを除去する技術が開示されている。
国際公開第2014/196499号 特開2006−265671号公報 特開2008−231493号公報 特開平05−277552号公報
このようにスポット溶接箇所の割れの対策は検討されているものの、一部の亜鉛系めっき鋼板のスポット溶接継手において、又は、一部の非めっき鋼板と亜鉛系めっき鋼板のスポット溶接継手において、依然として、継手における所望の接合強度が得られないことがあった。
本発明は、コロナボンド直外及びコロナボンドのナゲット際の割れを抑制し、継手強度を確保することが可能なスポット溶接方法を提供することを課題とする。
(1)本発明の一態様に係るスポット溶接方法は、少なくとも溶接箇所が重ね合わされた複数枚の鋼板で構成される被溶接部材を溶接電極により加圧して通電する本溶接を行い、更に、前通電及び後通電の少なくとも一方の通電工程を行うスポット溶接方法であって、前記複数枚の鋼板の少なくとも一つが、引張強度が780MPa以上である高強度鋼板であり、前記複数枚の鋼板の少なくとも一つについて、少なくとも前記溶接箇所の重ね合わせ面が亜鉛系めっきで被覆され、前記複数枚の鋼板の総板厚t(mm)が1.35mm以上であり、前記溶接電極間の通電開始時から、溶接終了の際の当該溶接電極間の通電終了時まで、当該溶接電極による前記被溶接部材の加圧を保持したままとし、溶接終了の際、前記溶接電極間の通電終了時から当該溶接電極と前記被溶接部材とを非接触とするまでの通電後保持時間Ht(秒)を下記()式の範囲内とする。
0.015t0.110≦Ht≦0.16t−0.40t+0.53・・・(
上記の構成からなるスポット溶接方法によれば、コロナボンド直外及びコロナボンドのナゲット際の割れを抑制し、継手強度を確保することができる。
)本発明の他の態様によれば、上記(1)スポット溶接方法において、前記複数枚の鋼板の総板厚t(mm)が2.4mm以上3.2mm以下である。
上記態様では、割れの抑制効果と継手強度の確保に加え、被溶接部材の軽量化、高強度化が可能となる。
)本発明の他の態様によれば、上記(1)又は(2)のスポット溶接方法において、前記溶接電極を前記被溶接部材に接触させる直前に、下記(a)〜(d)の条件のうち、一つまたは二つ以上を満たす。
(a)前記溶接電極の軸芯と、前記溶接電極と接触する鋼板表面の垂線とが平行でない状態、
(b)一方の前記溶接電極の先端部から該先端部に最も近い鋼板表面までの距離と、他方の前記溶接電極の先端部から該先端部に最も近い鋼板表面までの距離が異なる状態、
(c)一方の前記溶接電極の軸芯の延長線上に他方の前記溶接電極の軸芯がない状態、及び、
(d)前記溶接箇所の重ね合わせ面の間に隙間を有した状態。
上記態様に規定される外乱因子がある場合に、コロナボンド直外及びコロナボンドのナゲット際の割れが顕著になるが、上記(1)又は(2)のスポット溶接方法によれば、このような割れを抑制し、かつ継手強度を確保することができる。
)本発明の他の態様によれば、上記(1)から()のいずれかのスポット溶接方法において、前記後通電を行わない場合、予め、前記被溶接部材に、前記本溶接における前記溶接電極間の通電終了後、直ちに、当該溶接電極と前記被溶接部材とを非接触とするスポット溶接を行い、鋼板の重ね合わせ面のコロナボンド直外の割れ及びコロナボンドのナゲット際の割れの発生の有無を確認し、コロナボンド直外の割れ及びコロナボンドのナゲット際の割れの少なくとも一方の割れが発生したとき、前記通電後保持時間の範囲内として溶接する。
また、上記(1)から()のいずれかのスポット溶接方法において、前記後通電を行う場合、予め、前記被溶接部材に、前記後通電における前記溶接電極間の通電終了後、直ちに、当該溶接電極と前記被溶接部材とを非接触とするスポット溶接を行い、鋼板の重ね合わせ面のコロナボンド直外の割れ及びコロナボンドのナゲット際の割れの発生の有無を確認し、コロナボンド直外の割れ及びコロナボンドのナゲット際の割れの少なくとも一方の割れが発生したとき、前記通電後保持時間の範囲内として溶接する。
上記態様では、割れが発生した溶接箇所に対して、上記(1)から()のいずれかのスポット溶接方法を適用するため、効率的である。
本発明によれば、亜鉛系めっき鋼板を含む板組のスポット溶接において、外乱因子が存在する場合であっても、コロナボンド直外及びコロナボンドのナゲット際の割れを抑制し、継手強度を確保することができる。
亜鉛系めっき鋼板にスポット溶接を行った場合の溶接箇所の割れの概略を示す図である。 亜鉛系めっき鋼板にスポット溶接を行った溶接箇所の板厚方向の断面におけるコロナボンド直外又はコロナボンドのナゲット際の割れを示す概略図である。 コロナボンド直外又はコロナボンドのナゲット際の割れと継手強度における、総板厚tに対する通電後保持時間Htの関係を示す図である。 溶接電極の軸芯と、該溶接電極と接触する鋼板表面の垂線とが平行でない状態を説明するための概略図である。 対向する溶接電極の各先端部から各鋼板表面までの各距離が異なる状態を説明するための概略図である。 一方の前記溶接電極の軸芯の延長線上に他方の前記溶接電極の軸芯がない状態を説明するための概略図である。 溶接箇所の重ね合わせ面の間に隙間を有した状態を説明するための概略図である。 後通電を行わない場合の溶接電極への通電パターンの例を示す図である。 後通電を行う場合の溶接電極への通電パターンの例を示す図である。 溶接電極の軸芯と、該溶接電極と接触する鋼板表面の垂線とが平行でない状態でスポット溶接を行った溶接箇所の断面写真である。 対向する溶接電極の各先端部から各鋼板表面までの各距離が異なる状態でスポット溶接を行った溶接箇所の断面写真である。 一方の前記溶接電極の軸芯の延長線上に他方の前記溶接電極の軸芯がない状態でスポット溶接を行った溶接箇所の断面写真である。 溶接箇所の重ね合わせ面の間に隙間を有した状態でスポット溶接を行った溶接箇所の断面写真である。
本発明の発明者らは、スポット溶接継手において、所望の継手強度が得られない理由について調査した。図2に、亜鉛系めっき鋼板にスポット溶接を行った後の溶接箇所における、ナゲットを含む板厚方向の断面を示す。図2に示すように、所望の引張強度が得られないスポット溶接継手には、鋼板の重ね合わせ面のコロナボンド直外の割れ6が生じていた。また、コロナボンドのナゲット際の割れ7が生じていることもあった。
そして、スポット溶接の直前における溶接電極と被溶接部材との位置関係において、次の(a)〜(d)のような外乱因子が存在する状態で溶接を行う場合に、鋼板が重ね合わされた内面側で生じるコロナボンド直外及びコロナボンドのナゲット際の割れが発生し易いことがわかった。
(a)溶接電極の軸芯と、該溶接電極と接触する鋼板表面の垂線とが平行でない状態
(b)一方の溶接電極の先端部から該先端部に最も近い鋼板表面までの距離と、他方の溶接電極の先端部から該先端部に最も近い鋼板表面までの距離が異なる状態
(c)一方の前記溶接電極の軸芯の延長線上に他方の前記溶接電極の軸芯がない状態
(d)溶接箇所の重ね合わせ面の間に隙間を有した状態
上記のような外乱因子が存在する場合、溶接電極の加圧保持終了後(電極開放後)において、コロナボンド直外及びコロナボンドのナゲット際に、残留応力が高くなる箇所が生じる。この現象について、本発明者らは、当該箇所の鋼板の結晶粒界に、溶融した亜鉛系めっきが侵入し、粒界強度を低下させ、コロナボンド直外又はコロナボンドのナゲット際の割れを発生させていると考えた。
従来、溶接電極間の通電終了後、直ちに、鋼板と溶接電極を非接触としていた。しかし、通電終了後に溶接電極の加圧保持を継続し、電極開放前に溶融した亜鉛系めっきを凝固させたところ、コロナボンド直外又はコロナボンドのナゲット際の割れが生じない場合があることを見出した。また、加圧保持を継続すると、継手強度が低下する傾向を見出し、割れを抑制でき、かつ継手強度も落とさない加圧保持の時間を検討したところ、溶接電極の加圧保持の時間を総板厚の関数とすることで、割れを抑制できるとともに十分な継手強度が得られることを知見した。
本発明は、亜鉛系めっき鋼板を含む板組のスポット溶接において、種々の外乱因子が存在する場合であっても、鋼板の重ね合わせ面のコロナボンド直外及びコロナボンドのナゲット際に発生する割れを抑制し、高品質のスポット溶接継手を形成できるスポット溶接方法の提供ができる。
更に、溶接継手の強度と靭性を確保するために、前述の本溶接の前後に更に通電を行う技術を適用し、その際に、コロナボンド直外又はコロナボンドのナゲット際の割れを回避することについて検討したところ、溶接終了の際(後通電を行わない場合は本溶接の終了の際、後通電を行う場合は該後通電の終了の際)の溶接電極の加圧保持の時間を総板厚の関数とすることで、割れを回避できるとともに、十分な継手強度及び靭性の溶接継手が得られることを知見した。
以下に、本発明の実施形態を説明するが、本発明がこれらの実施形態のみに限られないことは自明である。
本実施形態に係るスポット溶接方法は、少なくとも溶接箇所が重ね合わされた複数枚の鋼板で構成される被溶接部材を溶接電極により加圧して通電する本溶接を行い、更に、前通電及び後通電の少なくとも一方の通電工程を行うスポット溶接方法であって、前記複数枚の鋼板の少なくとも一つについて、少なくとも前記溶接箇所の重ね合わせ面が亜鉛系めっきで被覆され、前記複数枚の鋼板の総板厚t(mm)が1.35mm以上であり、前記溶接電極間の通電開始時から、溶接終了の際の当該溶接電極間の通電終了時まで、当該溶接電極による前記被溶接部材の加圧を保持したままとし、溶接終了の際、前記溶接電極間の通電終了時から当該溶接電極と前記被溶接部材とを非接触とするまでの通電後保持時間Ht(秒)を下記(1)式の範囲内とする。
0.015t+0.020≦Ht≦0.16t−0.40t+0.70・・・(1)
次に、(1)式について説明するが、この式は、実験的に求められた式である。
図3に、コロナボンド直外又はコロナボンドのナゲット際の割れと継手強度における、総板厚tに対する通電後保持時間Htの関係を示す。図3は、本溶接の前後に、通電する工程を実施せずに、亜鉛系めっきが被覆された種々の鋼種の鋼板を2枚用いてスポット溶接する際に、鋼板の総板厚tと、溶接電極間の溶接通電終了時から溶接電極と被溶接部材とを非接触とするまでの通電後保持時間Htとを種々変更して実施したものである。
なお、総板厚1.35mm未満の被溶接部材においては、コロナボンド直外又はコロナボンドのナゲット際の割れの発生率が少ないため、総板厚1.35mm以上の場合について検討した。
そして、得られた溶接継手について、コロナボンド直外又はコロナボンドのナゲット際の割れの有無と、剥離方向に引張荷重を負荷して測定する十字引張強さ(CTS)を確認した。コロナボンド直外又はコロナボンドのナゲット際の割れは、ナゲットを含む板厚方向の断面を観察して確認し、十字引張強さ(CTS)は、JIS Z3137に規定されている方法により確認した。
図3に示す、三角又は丸のマーカーの総板厚tと通電後保持時間Htにおいては、溶接継手にコロナボンド直外又はコロナボンドのナゲット際の割れは無く、十分なCTSを有していた。それに対して、図3の線Aよりも下に位置する四角のマーカーの総板厚tと通電後保持時間Htにおいては、コロナボンド直外又はコロナボンドのナゲット際の割れを有していた。これより、コロナボンド直外又はコロナボンドのナゲット際の割れが発生する境界(三角又は丸のマーカーと四角のマーカーとの境界)は、線A(Ht=0.015t+0 .020)となることが判明した。
総板厚tに対して、溶接後保持時間Htを線A以上((1)式の左辺以上)の数値となるように設定することで、コロナボンド直外又はコロナボンドのナゲット際の割れが無くなる理由は、次のように考えられる。
コロナボンド直外及びコロナボンドのナゲット際の溶接残留応力が高くなる箇所は、スポット溶接の際に溶接電極により押しつぶされる過程で圧縮状態にあるが、溶接電極が鋼板表面から離れると引張り状態になり引張応力が生じる。コロナボンド直外及びコロナボンドのナゲット際の割れの発生は、コロナボンド直外で溶融した亜鉛系めっき金属が、溶接後にコロナボンド直外及びコロナボンドのナゲット際の溶接残留応力が高い箇所の鋼板の結晶粒界に侵入して、粒界強度を低下させることにより引き起こされる。
残留応力が高くなる箇所が生じるのは、溶接電極が鋼板表面から離れた後(電極開放後)であるため、通電終了後に溶接電極の加圧保持を継続(通電後保持時間Htを延長)し、電極開放前に溶融した亜鉛系めっきを凝固させることで、溶融した亜鉛系めっきが溶接残留応力の高い箇所の鋼板の結晶粒界に侵入せず、割れを抑制できる。そして、亜鉛系めっきの凝固は、鋼板の冷却のされやすさ、つまり、被溶接部材の総板厚tに関係するため、溶接電極の通電後保持時間Htを総板厚tの関数として調整することで、コロナボンド直外又はコロナボンドのナゲット際の割れを抑制できる。
また、図3の線Bよりも上に位置する四角のマーカーの総板厚tと通電後保持時間Htにおいては、溶接継手にコロナボンド直外又はコロナボンドのナゲット際の割れは無いが、CTSの低下が大きかった。これより、十分なCTSが得られる境界(四角のマーカーと三角又は丸のマーカーとの境界)は、図3に示す線B(Ht=0.16t−0.40t+0.70)となることが判明した。
総板厚tに対して、通電後保持時Htを線B以下((1)式の右辺以下)の数値となるように設定することで、十分なCTSを得ることができる理由は、溶接部の冷却速度が速くなりすぎず、ナゲットと熱影響部の硬さが増加しないため、十字引張強さが低下しないものと考えられる。
よって、総板厚t(mm)を関数として、通電後保持時間Ht(秒)を、(0.015t+0 .020)以上、かつ、(0.16t−0.40t+0.70)以下に設定すると、コロナボンド直外又はコロナボンドのナゲット際の割れを抑制することができ、十分なCTSを得ることができることを知見した。
上記実施形態に係るスポット溶接方法では、溶接後保持時間Ht(秒)が、さらに下記(2)式を満たすことがより好ましい。
Ht≦0.10t−0.40t+0.53・・・(2)
溶接後保持時間Htが、総板厚tの関数である(2)式の条件を満たすことで、より高い十字引張強度(CTS)を得ることができ、より信頼性の高いスポット溶接継手を提供できる。
さらに、上記実施形態に係るスポット溶接方法では、溶接後保持時間Htが、さらに下記(3)式を満たすことがより好ましい。
0.015t+0.110≦Ht・・・(3)
溶接電極による冷却は、電極の材料や冷却水の水量によって異なり、冷却の態様にバラツキが生じる場合がある。溶接後保持時間Htが、総板厚tの関数である(3)式の条件を満たすことで、電極の材料や冷却性能によるバラツキを抑え、生産性を確保しながらも所望の継手強度を得ることができる。
上記実施形態に係るスポット溶接方法では、溶接後保持時間Htが、さらに下記(4)式を満たすことがさらに好ましい。
0.015t+0.11≦Ht≦0.10t−0.40t+0.53・・・(4)
本実施形態に係るスポット溶接方法では、溶接電極を被溶接部材に接触させる直前において、以下の外乱因子(a)〜(d)の条件のうち、1又は2以上の条件を満たす場合であっても、コロナボンド直外及びコロナボンドのナゲット際の割れを抑制し、かつ継手強度を確保することができる。
外乱因子(a):溶接電極の軸芯と、該溶接電極と接触する鋼板表面の垂線とが平行でない(非平行である)状態
スポット溶接において、鋼板表面に対して溶接電極を垂直に当てるのが基本である。しかし、被溶接部材に溶接箇所が複数あり、様々な溶接姿勢での溶接を要する場合がある。このような場合、スポット溶接機のティーチング不良や作業時間の制約などのため、溶接姿勢を正す時間を確保できず、溶接電極の軸芯と、当該溶接電極と接触する鋼板表面とが垂直から傾いたままスポット溶接している場合がある。図4の(a)に、溶接電極8の軸芯9と、該溶接電極8と接触する鋼板1の表面の垂線10とが平行でない状態の概略図を示す。
上記のように、溶接電極8の軸芯9と、該溶接電極8と接触する鋼板1の表面との角度が垂直から外れた状態で溶接する場合には、該溶接電極8と接触する鋼板1の表面の垂線10に対して溶接電極8の軸芯9が打角という角度を有する。この打角が0度より大きい状態(溶接電極8の軸芯9が鋼板1の表面に対して垂直ではない状態)で溶接電極8を鋼板1の表面に接触させると、図4の(b)のように鋼板1が変形する。このような変形により、コロナボンドの近傍に比較的応力が高くなる箇所が生じ、この箇所に割れが生じやすくなる。
打角が3度以上の場合に、特にコロナボンド直外及びコロナボンドのナゲット際の割れが生じやすいが、本実施形態のスポット溶接方法では、これら割れの抑制効果がある。また、打角が5度以上の場合、さらにコロナボンド直外及びコロナボンドのナゲット際の割れが生じて継手強度が著しく低下する傾向があるが、本実施形態のスポット溶接方法では、このような品質低下も抑制することができる。なお、溶接電極8と鋼板1との間に感圧紙を挟み、溶接電極8を空打ち(通電をせずに加圧のみをかける)をすることで、溶接電極8の軸芯9と、該溶接電極8と接触する鋼板1の表面との角度が垂直から外れた状態であるか否か検知することができる。
外乱因子(b):一方の溶接電極の先端部から該先端部に最も近い鋼板表面までの距離と、他方の溶接電極の先端部から該先端部に最も近い鋼板表面までの距離が異なる状態
スポット溶接中に、溶接電極挟み込みに対し、保持された板の中心位置を保つために、イコライジング機構を設けることがある。イコライジング機構を設ける場合、その分だけスポット溶接ガンが大形化し、溶接ロボットをそれに対応したものにしなければならず、溶接ロボットのコストが上がる。そのため、スポット溶接ガンにイコライジング機構を設けずに溶接する場合がある。
この場合、図5の(a)に示すように、溶接電極8を被溶接部材(鋼板1)に接触させる直前において、一方の溶接電極8の先端部からこの先端部に近い側の鋼板1の表面までの距離と、他方の溶接電極8の先端部からこの先端部に近い側の鋼板1の表面までの距離が異なる状態にある。このような状態で溶接電極8の接触・加圧を行うと、図5の(b)に示すように、溶接箇所において、一方の鋼板1(図5の場合には、上側の鋼板1)が他方の鋼板1側へ変形させられる。このように変形した状態で溶接を行うと、コロナボンドの近傍に局所的な応力が発生する。そして、この箇所に割れが生じやすくなる。
上記のように、スポット溶接ガンにイコライジング機構を設けずに溶接する場合や、被溶接部材の構成上、溶接電極と鋼板表面との距離を適切に設定できない場合には、溶接電極の軸芯方向において、スポット溶接ガンと被溶接部材との位置ズレが吸収されず、コロナボンド直外やコロナボンドのナゲット際の割れが発生し易い。
イコライジング機構が無く、クリアランスが1mm以上ある場合に、特にコロナボンド直外及びコロナボンドのナゲット際の割れが生じやすいが、このような場合であっても、本実施形態のスポット溶接方法では、コロナボンド直外やコロナボンドのナゲット際の割れの抑制効果がある。
外乱因子(c):一方の前記溶接電極の軸芯の延長線上に他方の前記溶接電極の軸芯がない状態(一方の前記溶接電極の軸芯の延長線に対し、他方の前記溶接電極の軸芯がずれている状態)
多数の打点を溶接すると、溶接電極軸の挫屈やスポット溶接ガンの可動部の摩耗により、図6の(a)に示すように、一方の前記溶接電極8の軸芯9の延長線上に他方の前記溶接電極8の軸芯9がなく、ズレ(以下、「電極芯ズレ」という)が発生することがある。このような電極芯ズレが発生したまま溶接を行うと、図6(b)に示すような変形が加わり、コロナボンドの近傍で応力が生じる場合がある。
溶接電極の電極芯ズレが0.2mm以上である場合、特に、コロナボンド直外やコロナボンドのナゲット際の割れが発生し易い。しかし、本実施形態のスポット溶接方法では、これら割れの抑制効果がある。また、溶接電極の電極芯ズレが1mm以上であり、より大きな応力が生じる場合にも、本実施形態のスポット溶接方法による割れの抑制効果がある。
外乱因子(d):溶接箇所の重ね合わせ面の間に隙間を有した状態
図7の(a)には、2枚の鋼板1の右側に大きな隙間がある例を示している。隙間は、左右で偏りがない場合もある。これらの現象は、たとえば、プレス成形した際、スプリングバックが起こった場合や、スポット溶接を隣り合う位置で順番に行なわないときに、1枚の鋼板が部分的に盛り上がったりする場合に起こる。図7(a)では、鋼板1の間に他の部材11が挿入されている場合を図示している。溶接箇所の重ね合わせ面の鋼板1間に隙間(以下、「板隙」ともいう)を有したままスポット溶接する場合がある。このような板隙が存在する状態で接触・加圧をすると、図7の(b)に示すように、溶接箇所において、鋼板1の局所的な変形が見られる。このように変形した状態で溶接を行うと、コロナボンドの近傍に局所的な応力が発生する。そして、この箇所に割れが生じやすくなる。
被溶接部材において、溶接電極の打点位置における軸芯方向の板隙が1mm以上である場合、特に、コロナボンド直外やコロナボンドのナゲット際の割れが発生し易い。このような場合であっても、本実施形態のスポット溶接方法では、このような割れの抑制効果がある。
更に、本発明者らは、溶接継手の強度と靭性を確保するために、本溶接の前後に通電する工程を実施する技術を適用し、その際に、ロナボンド直外又はコロナボンドのナゲット際の割れを抑制することについて検討した。
上述のように、コロナボンド直外及びコロナボンドのナゲット際の割れの発生は、溶接電極が鋼板表面から離れ、引張の溶接残留応力が高くなった箇所に、溶融した亜鉛系めっき金属が侵入して引き起こされる。
そこで、通電後保持時間Ht(秒)を、溶接終了の際(後通電を行わない場合は本溶接の終了の際、後通電を行う場合は該後通電の終了の際)の溶接電極間の通電終了時から溶接電極と被溶接部材とを非接触とするまでの保持時間として、本溶接の前後に通電する工程を実施しない場合に得られた総板厚t(mm)に対する通電後保持時間Ht(秒)の関係に、そのまま適用することを試みた。
その結果、総板厚t(mm)を関数として、通電後保持時間Ht(秒)を、(1)式の範囲に設定すると、コロナボンド直外又はコロナボンドのナゲット際の割れを抑制することができ、十分なCTSを得ることができることを知見した。
<前通電及び後通電>
本実施形態に係るスポット溶接法は、溶接終了の際(後通電を行わない場合は本溶接の終了の際、後通電を行う場合は該後通電の終了の際)の溶接電極間の通電終了時から溶接電極と被溶接部材とを非接触とするまでの通電後保持時間Ht(秒)を総板厚t(mm)との関係で特定するものであり、以降、後通電を行わない場合と後通電を行う場合に分けて説明する。
図8に、後通電を行わない場合の溶接電極への通電パターンの例を示す。後通電を行わない場合は、被溶接部材である2枚の鋼板を重ね合わせて、両側から2枚の鋼板を挟み込むように、銅合金などからなる溶接電極により加圧して、電流値を前通電電流I(kA)とし、電流値が前通電電流I(kA)の状態を前通電時間t(sec)保持する前通電を行う。
前通電電流I(kA)及び前通電時間t(sec)は、特に限定されるものでなく、散りの発生を抑制するために、前通電電流I(kA)は、本溶接電流I(kA)の0.4倍以上、本溶接電流I(kA)未満、前通電時間t(sec)は、0.02sec以上が例示される。
前通電時間t(sec)が経過すると、溶接電極の加圧を保持したまま、電流値を0(ゼロ)にし、電流値が0(ゼロ)の状態を前通電後冷却時間t(sec)保持する。前通電後冷却時間t(sec)は、0.00sec以上0.25sec未満が例示される。なお、前通電の開始時に、電流値を直ちに前通電電流I(kA)とせず、電流値が前通電電流I(kA)になるまで、電流値を0(ゼロ)から漸増(アップスロープ)させてもよい。
冷却の後、溶接電極の加圧を保持したまま、電流値を本溶接電流I(kA)にして本溶接を行い、溶融金属を形成する。この際の本溶接の条件は、特に限定されるものでない。たとえば、電極をドームラジアス型の先端直径6〜8mmのものとし、加圧力1500〜6000N、通電時間5〜50サイクル(電源周波数50Hz)、通電電流4〜15kAとすることができる。
本溶接が終了すると、溶接電極の加圧を保持したまま、電流値を0(ゼロ)とし、電流値が0(ゼロ)の状態で、上記(1)式を満足する通電後保持時間Ht(秒)保持する。たとえば、総板厚tが4.0mmの場合、通電後保持時間Htを0.24〜1.66秒とすることができる。
これにより、溶接残留応力の高い箇所に溶融した亜鉛系めっきが侵入しなくなるので、コロナボンド直外及びコロナボンドのナゲット際において液体金属割れの発生を防ぐことができ、十分なCTSを得ることができる。
次に、後通電を行う場合は、被溶接部材に対して、前述の前通電及び本溶接を行い、後通電を行うか、又は、前述の本溶接を行い、後通電を行う。次に、後通電を行う場合について、本溶接を行い、後通電を行う場合(前通電を行わない場合)を例に説明する。図5に、後通電を行う場合の溶接電極への通電パターンの例を示す。
本溶接において、被溶接部材である2枚の鋼板を重ね合わせて、両側から2枚の鋼板を挟み込むように、銅合金などからなる溶接電極により加圧して、電流値が本溶接電流I(kA)になるまで、電流値を0(ゼロ)から漸増(アップスロープ)させる。そして、電流値を本溶接電流I(kA)にして、本溶接を行う。なお、電流値が本溶接電流I(kA)になるまで、電流値を0(ゼロ)から漸増(アップスロープ)させずに、電流値を直ちに本溶接電流I(kA)にしてもよい。
本溶接が終了すると、溶接電極の加圧を保持したまま、電流値を0(ゼロ)にし、電流値が0(ゼロ)の状態を本溶接後冷却時間(凝固時間)t(sec)保持し、溶融金属の外周から凝固させて、内側に未凝固域が残る殻状の凝固域を形成する。冷却の時間は、特に限定されるものでなく、後述する後通電によって熱影響部の靱性を向上させるために、0.001〜0.300secが例示される。
本溶接後冷却時間t(sec)が経過すると、溶接電極の加圧を保持したまま、未凝固域が存在しているときに、電流値を後通電電流I(kA)とし、電流値が後通電電流I(kA)の状態を後通電時間t(sec)保持し、後通電を行う。後通電電流I(kA)及び後通電時間t(sec)は、特に限定されるものでなく、熱影響部の靱性に大きく影響するP、S等の偏析を軽減させるために、後通電電流I(kA)は、本溶接電流I(kA)の0.6倍以上、本溶接電流I(kA)以下、後通電時間t(sec)は、0.001〜0.500secが例示される。
なお、スポット溶接の連続打点性の向上のため、電流値を0(ゼロ)にする冷却と後通電とを一つの工程とし、2回以上繰り返してもよい。2回以上繰り返す際は、1回目工程の冷却時間t、後通電電流I、後通電時間tと、それ以降の工程におけるこれらの条件とを同じにすると、作業効率上好ましい。また、後通電における各後通電時間tの合計は、0.080〜2.000secが好ましい。
後通電が終了すると、溶接電極の加圧を保持したまま、電流値を0(ゼロ)とし、電流値が0(ゼロ)の状態で、上記(1)式を満足する通電後保持時間Ht(秒)保持する。たとえば、総板厚tが4.0mmの場合、通電後保持時間Htを0.24〜1.66秒とすることができる。
これにより、溶接残留応力の高い箇所に溶融した亜鉛系めっきが侵入しなくなるので、コロナボンド直外及びコロナボンドのナゲット際において液体金属割れの発生を防ぐことができ、十分なCTSを得ることができる。
また、本発明の溶接法は、コロナボンド直外の割れ及びコロナボンドのナゲット際の割れの少なくとも一方の割れが発生する溶接箇所に対して採用することが効率的で望ましい。そこで、後通電を行わない場合は、本溶接における溶接電極間の通電終了後、後通電を行う場合は、後通電における溶接電極間の通電終了後、直ちに、溶接電極と被溶接部材とを非接触とするスポット溶接を予め行い、コロナボンド直外の割れ及びコロナボンドのナゲット際の割れを確認し、割れが発生したとき、以降、その溶接箇所に対する溶接において、通電後保持時間を上記(1)式の範囲内としてスポット溶接すると良い。
被溶接部材に予め行うスポット溶接は、溶接終了の際、溶接電極間の通電終了後、直ちに、溶接電極と被溶接部材とを非接触にして、通電後保持時間を延長せず、上述のスポット溶接と同様に行う。この際の本溶接、前通電及び後通電の条件は、上述と同様の条件を採用することができる。
そして、重ね合わせ面のコロナボンド直外の割れ及びコロナボンドのナゲット際の割れの発生の有無を確認する。割れの確認は、たとえば、ナゲットを含むように、板厚方向に切断して、その断面を確認して行う。図2に示すような、重ね合わせ面のコロナボンド直外及びコロナボンドのナゲット際の少なくとも一方に割れを確認したとき、総板厚tに対する通電後保持時間Htが上記(1)式を満足するようにして、以降のスポット溶接を実施する。
次に、本発明の溶接法について、さらに、必要な要件や好ましい要件について順次説明する。
<被溶接部材>
(被溶接部材の構成)
スポット溶接される被溶接部材は、少なくとも溶接箇所が重ね合わされた複数枚の鋼板で構成され、そのうちの少なくとも1枚以上の鋼板の重ね合わせ面に亜鉛系めっきが被覆されていれば、特に限定されるものでない。たとえば、全てのスポット溶接される鋼板の重ね合わせ面に亜鉛系めっきが被覆された複数枚の鋼板や、スポット溶接される鋼板の重ね合わせ面に亜鉛系めっきが被覆された鋼板とスポット溶接される鋼板に亜鉛系めっきが被覆されていない鋼板を含む複数枚の鋼板などが例示される。
たとえば、亜鉛系めっきが被覆された、引張強度780MPa以上、Ceqが0.15質量%以上、板厚0.5〜3.0mmの鋼板を2枚準備する。なお、Ceqは下記(5)式に示すものである。
Ceq=[C]+[Si]/30+[Mn]/20+2[P]+4[S]・・・(5)
ただし、[C]、「Si]、[Mn]、[P]、[S]は、C、Si、P、及びSの含有量(質量%)である。
軽量化及び高強度化の観点からは、好ましいCeqは0.18質量%以上である、より好ましくは0.20質量%以上である。
また、スポット溶接される重ね合わせ面に亜鉛系めっきが被覆された鋼板において、スポット溶接される鋼板の重ね合わせ面と反対側の面、つまり、溶接電極との接触面に亜鉛系めっきが、被覆されていても、被覆されていなくもよい。ただし、スポット溶接継手の耐食性を考慮すれば、溶接電極との接触面にも亜鉛系めっきが被覆されていることが好ましい。
(鋼板の枚数、板厚)
スポット溶接される複数枚の鋼板として、図2等では、2枚の鋼板を記載しているが、接合する構造部品の形態に応じて、3枚以上の複数枚の鋼板とすることができる。スポット溶接される各鋼板の板厚は、特に限定されるものでなく、0.5〜3.0mmとすることができる。また、複数枚の鋼板の全体の総板厚tは、1.35mm以上とし、上限は特に限定されるものでなく、総板厚tを7.0mm以下とすることができる。
より好ましい総板厚tの範囲は、2.4mm以上3.2mm以下であり、さらに好ましい範囲は、2.7mm以上3.2mm以下である。総板厚tをこの範囲とすることで、コロナボンド直外及びコロナボンドのナゲット際の割れを抑制し、継手強度を確保し、さらには被溶接部材の軽量化と高強度化が図れる。
(鋼板の形態)
また、鋼板は、少なくとも一部に板状部を有し、当該板状部が互いに積み重ね合わされる部分を有するものであればよく、全体が板でなくともよい。また、複数枚の鋼板は、別々の鋼板から構成されるものに限定されず、1枚の鋼板を管状などの所定の形状に成形したものを重ね合わせたものでもよい。
(鋼板の種類)
また、スポット溶接される被溶接部材の鋼板は、成分組成や、金属組織など、特に限定されるものでない。ただし、溶接される重ね合わせ面に亜鉛系めっきが被覆された鋼板、又は、亜鉛系めっきが被覆された鋼板と亜鉛系めっきを介して重ね合わされている鋼板に対して、TRIP鋼板などでは特に上記の割れが発生しやすいが、それ以外の高強度鋼板でCeqが0.15質量%以上の鋼板を用いたときなどにも、コロナボンド直外及びコロナボンドのナゲット際での割れが発生しやすいため、本発明の溶接法において、特に、このような鋼板を対象としてもよい。
(亜鉛系めっき)
溶接される鋼板に被覆される亜鉛系めっきは、亜鉛を含むめっきであれば、特に限定するものでなく、たとえば、めっき種として、合金化溶融亜鉛めっき、溶融亜鉛めっき、電気亜鉛めっき、亜鉛・ニッケルめっきが例示される。また、亜鉛・アルミニウム・マグネシウム系のめっきも含むことができる。
<予め行うスポット溶接>
上記実施形態に係るスポット溶接方法は、コロナボンド直外の割れ及びコロナボンドのナゲット際の割れの少なくとも一方の割れが発生する溶接箇所に対して採用することが効率的で望ましい。そこで、被溶接部材に溶接電極間の溶接通電終了後、直ちに、溶接電極と被溶接部材とを非接触とするスポット溶接を予め行い、コロナボンド直外の割れ及びコロナボンドのナゲット際の割れを確認し、割れが発生したとき、以降、その溶接箇所に対する溶接において、溶接後保持時間を上記(1)式の範囲内としてスポット溶接すると良い。
被溶接部材に予め行うスポット溶接は、溶接電極間の溶接通電終了後、直ちに、溶接電極と被溶接部材とを非接触にして、溶接後保持時間Htを延長せず、上述のスポット溶接と同様に、2枚の鋼板を重ね合わせて、両側から、2枚の鋼板を挟み込むように、電極を押し付けつつ通電して、断面楕円形状のナゲットを形成する。この際のスポット溶接の条件は、上述と同様の条件を採用することができる。
そして、重ね合わせ面のコロナボンド直外の割れ及びコロナボンドのナゲット際の割れの発生の有無を確認する。割れの確認は、たとえば、ナゲットを含むように、板厚方向に切断して、その断面を確認して行う。図2に示すような、重ね合わせ面のコロナボンド直外及びコロナボンドのナゲット際の少なくとも一方に割れを確認したとき、総板厚tに対する溶接後保持時間Htが上記(1)式を満足するようにして、以降のスポット溶接を実施する。
特に、溶接電極間の通電終了後、直ちに、溶接電極と被溶接部材とを非接触とするスポット溶接を予め行い、コロナボンド直外の割れ及びコロナボンドのナゲット際の割れの少なくとも一方の割れが発生するか否かを確認し、割れが発生した溶接箇所に対して、以降、本発明の溶接法を採用することが効率的で望ましい。
予め行う被溶接部材へのスポット溶接では、溶接終了の際、溶接電極間の通電終了後、直ちに、溶接電極と被溶接部材とを非接触にして、通電後保持時間Htを延長しないこと以外、スポット溶接条件を同等にして実施する。たとえば、溶接条件は、特に限定されるものでなく、通常の溶接条件を採用することができる。たとえば、電極をドームラジアス型の先端直径6〜8mmのものとし、加圧力1500〜6000N、通電時間5〜50サイクル、通電電流4〜15kAとすることができる。
また、溶接電極間の通電終了後、直ちに、溶接電極と被溶接部材とを非接触にするとは、(1)式の左辺未満の通電後保持時間Htで溶接電極と被溶接部材とを非接触とすることである。
(コロナボンド直外及びコロナボンドのナゲット際の割れの確認)
予め行うスポット溶接によって得られたスポット溶接継手のコロナボンド直外及びコロナボンドのナゲット際の割れの発生の有無を確認する場合、コロナボンド直外及びコロナボンドのナゲット際の割れの発生の有無の確認方法は、特に限定されるものでなく、ナゲットを含む板厚方向の断面を観察して行う方法や、スポット溶接継手の引張試験を実施して所定の引張強度が得られるか否かで判定して行う方法を用いることができる。または、スポット溶接部を含む板厚方向の断面の切断位置によっては、コロナボンド直外及びコロナボンドのナゲット際の割れが観察できない場合もあるため、X線透過試験を行って割れを確認してもよい。
コロナボンド直外及びコロナボンドのナゲット際の割れは、亜鉛系めっきが被覆された鋼板の重ね合わせ面、又は、亜鉛系めっきが被覆された鋼板と亜鉛系めっきを介して重ね合わされている鋼板の面に発生する。そして、これらの鋼板の面のうち、コロナボンド内及びその近傍に発生する。コロナボンド内及びその近傍とは、前記鋼板の面のうち、コロナボンドのナゲット側端部から、コロナボンド直径Dcのおよそ1.2倍の範囲までのことである。
(a)から(d)までの1つまたは2つ以上の外乱因子がある場合に、上記実施形態のスポット溶接方法(溶接後保持時間を適正範囲とするスポット溶接方法)を行なう場合、あるいは、予めスポット溶接を行ってから上記実施形態のスポット溶接方法(溶接後保持時間を適正範囲とするスポット溶接方法)を行なう場合を説明した。しかしながら、実機の生産ラインにおいては、打角を測定したり、クリアランスを測定したり、電極の軸芯のずれ量を測定したり、鋼板板間の隙間を測定したりすることが手間である場合がある。これら前提条件なしに、最初から上記実施形態のスポット溶接方法を行なえば、コロナボンド直外及びコロナボンドのナゲット際の割れを抑制することができ、より好ましい。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(実施例1)
表1に、試験に供した鋼板A〜Fについて示す。表1に示す鋼板A〜Fは、合金化溶融亜鉛めっき鋼板であり、その両面に亜鉛めっきが被覆されている。
鋼板A〜Fに施された合金化溶融亜鉛めっきの被覆層は、焼鈍後に亜鉛めっき浴につけ合金化処理をして形成した。
表2〜5に示すような鋼板の組み合わせについて、表2〜5に示す種々の溶接条件と外乱因子にて、サーボガンタイプの溶接機を用いてスポット溶接を行った。また、全てのスポット溶接において、先端の曲率半径:40(mm)の銅製のドームラジアス型で、先端径8(mm)の電極を用いて溶接した。なお、電極間の通電開始時から溶接終了の際の電極間の通電終了時まで、電極による鋼板の加圧を保持したままとし、加圧中は、加圧力を変えないようにした。
そして、得られた各々の溶接継手を溶接部の中心線に沿って切断し、断面を観察することで、割れの有無を判断した。さらに、同溶接条件にてJIS Z 3137に規定の方法で、スポット溶接継手のCTS(十字引張力)を測定した。表2〜5に、割れの有無、CTS及び溶接継手強度比を示す。
溶接継手強度比は、通電後保持時間Ht以外の溶接条件と外乱因子を同じにして形成したスポット溶接継手のCTSを基準とした比である。例えば、番号1aの溶接継手強度比は、通電後保持時間Ht以外同じ溶接条件にてスポット溶接継手を形成した番号1のCTSから番号1aのCTSを減算し、番号1のCTSで割った値に、100を掛けて得られた数値である。同様に番号2bの溶接継手強度比は、番号2のCTSを基準として計算される値である。なお、溶接継手強度比が30以上の場合、CTSが低下したと判定した。表2〜5において、クリアランス1mmとは、イコライジング機構を設けず、電極と鋼板間に1mmのクリアランスが生じた状態を意味する。
表2及び3の結果では、コロナボンド直外及びコロナボンドのナゲット際に割れが発生していない。これは、総板厚tと溶接後保持時間Htとの関係が(1)式を満足するためであると考えられる。
また、表3の実験例よりも表2の実験例の方が比較的CTSが高い傾向にあることがわかる。これは、総板厚tと溶接後保持時間Htとの関係が(2)式を満足するためであると考えられる。
これに対して、表4の結果では、コロナボンド直外又はコロナボンドのナゲット際に割れが発生した。この割れによって、CTSの低下も生じた場合があった。これは、総板厚tと溶接後保持時間Htとの関係が(1)式の左辺の関係を満足しないためであると考えられる。
また、表5の結果では、上記のような割れは見られなかったものの、十分なCTSが得られなかった。これは、総板厚tと溶接後保持時間Htとの関係が(1)式の右辺の関係を満足しないためであると考えられる。
次に、各外乱因子による、溶接箇所の変形態様について説明する。図10は、打角5度でスポット溶接を行った溶接箇所における、板厚方向の断面を光学顕微鏡で撮影した断面写真である。打角を有することにより、ナゲットの左右で鋼板の変形の様子が異なることがわかる。
図11は、イコライジング機構を設けずに鋼板と電極の間に1mmのクリアランスを設けてスポット溶接を行った場合の断面写真である。溶接箇所において、下側の鋼板と上側の鋼板の変形の様子が異なることがわかる。図11の場合、溶接電極の先端部から鋼板表面までの距離が、下側よりも上側の方が小さい。
図12は、対抗する溶接電極の軸芯が1.5mmずれた状態でスポット溶接を行った場合の断面写真である。ナゲットの上下のインデンテーションが非対称となっていることがわかる。
図13は、溶接箇所の重ね合わせ面の間に片側に打点から20mmの場所に高さ2mmの板隙がある状態でスポット溶接を行った場合の断面写真である。ナゲットの左右で鋼板の変形の様子が異なることがわかる。
本発明によれば、スポット溶接において、本溶接又は後通電における溶接電極の通電後保持時間を総板厚の関数とするので、コロナボンド直外及びコロナボンドのナゲット際の割れ抑制と継手強度の確保をすることができる。特に、自動車用の亜鉛系めっき高強度鋼板を含む複数枚の鋼板を対象とし、継手の強度に直接影響を与える、鋼板の重ね合わせ面のコロナボンド直外及びコロナボンドのナゲット際に発生する液体金属割れを防ぎ、継手強度を確保することができるスポット溶接方法に関するものである。よって、本発明は、産業上の利用可能性が高いものである。
1 鋼板
2 ナゲット
3 鋼板の表面からナゲットに向かって進展する割れ
4 熱影響部
5 肩部から熱影響部に向かって進展する割れ
6 コロナボンド直外の割れ
7 コロナボンドのナゲット際に割れ
8 溶接電極
9 軸芯
10 垂線
11 他の部材
A 総板厚と通電後保持時間の関係における割れ発生が無くなる境界線
B 総板厚と通電後保持時間の関係における十分なCTSとなる境界線
Dc コロナボンド直径

Claims (5)

  1. 少なくとも溶接箇所が重ね合わされた複数枚の鋼板で構成される被溶接部材を溶接電極により加圧して通電する本溶接を行い、更に、前通電及び後通電の少なくとも一方の通電工程を行うスポット溶接方法であって、
    前記複数枚の鋼板の少なくとも一つが、引張強度が780MPa以上である高強度鋼板であり、
    前記複数枚の鋼板の少なくとも一つについて、少なくとも前記溶接箇所の重ね合わせ面が亜鉛系めっきで被覆され、前記複数枚の鋼板の総板厚t(mm)が1.35mm以上であり、
    前記溶接電極間の通電開始時から、溶接終了の際の当該溶接電極間の通電終了時まで、当該溶接電極による前記被溶接部材の加圧を保持したままとし、
    溶接終了の際、前記溶接電極間の通電終了時から当該溶接電極と前記被溶接部材とを非接触とするまでの通電後保持時間Ht(秒)を下記()式の範囲内とすることを特徴とするスポット溶接方法。
    0.015t0.110≦Ht≦0.16t−0.40t+0.53・・・(
  2. 前記複数枚の鋼板の総板厚t(mm)が2.4mm以上3.2mm以下であることを特徴とする請求項1記載のスポット溶接方法。
  3. 前記溶接電極を前記被溶接部材に接触させる直前に、下記(a)〜(d)の条件のうち、一つまたは二つ以上を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載のスポット溶接方法。
    (a)前記溶接電極の軸芯と、前記溶接電極と接触する鋼板表面の垂線とが平行でない状態、
    (b)一方の前記溶接電極の先端部から該先端部に最も近い鋼板表面までの距離と、他方の前記溶接電極の先端部から該先端部に最も近い鋼板表面までの距離が異なる状態、
    (c)一方の前記溶接電極の軸芯の延長線上に他方の前記溶接電極の軸芯がない状態、及び、
    (d)前記溶接箇所の重ね合わせ面の間に隙間を有した状態
  4. 請求項1からのいずれか一項に記載のスポット溶接方法において、
    前記後通電を行わない場合、予め、前記被溶接部材に、前記本溶接における前記溶接電極間の通電終了後、直ちに、当該溶接電極と前記被溶接部材とを非接触とするスポット溶接を行い、鋼板の重ね合わせ面のコロナボンド直外の割れ及びコロナボンドのナゲット際の割れの発生の有無を確認し、コロナボンド直外の割れ及びコロナボンドのナゲット際の割れの少なくとも一方の割れが発生したとき、
    前記通電後保持時間の範囲内として溶接することを特徴とするスポット溶接方法。
  5. 請求項1からのいずれか一項に記載のスポット溶接方法において、
    前記後通電を行う場合、予め、前記被溶接部材に、前記後通電における前記溶接電極間の通電終了後、直ちに、当該溶接電極と前記被溶接部材とを非接触とするスポット溶接を行い、鋼板の重ね合わせ面のコロナボンド直外の割れ及びコロナボンドのナゲット際の割れの発生の有無を確認し、コロナボンド直外の割れ及びコロナボンドのナゲット際の割れの少なくとも一方の割れが発生したとき、
    前記通電後保持時間の範囲内として溶接することを特徴とするスポット溶接方法。
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