JP6107780B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、前席用空調装置および後席用空調装置を有する車両の制御装置に関するものである。
車両用空調制御装置にあっては、コンプレッサ、コンデンサおよびエバポレータを含む冷風生成器と、エンジン冷却水を熱源とする温風生成器とを有して、冷風と温風との混合比率をエアミックスダンパによって変更して、所望温度の空調風を得るようにしている。そして、空調風は、ブロアファンによって車室内に送風されることになり、ブロアファンの回転数変更によって送風量が変更される。上記コンプレッサは、エンジンにより駆動され、また冷却水の循環を行うウオータポンプもエンジンにより駆動されるのが一般的である。したがって、エンジンが停止したときには、コンプレッサおよびウオータポンプが停止されるため、熱交換器としてのエバポレータやヒータコアには熱媒体が流通されない状態となる。
また、車両用空調制御装置にあっては、目標室内温度となるように実際の室内温度を自動制御するオートエアコンが主流となっている。空調の自動制御は、車室内の環境条件、車室外の環境条件、乗員による空調操作状態(特に目標室内温度の設定)を表すパラメータに応じて行われて、空調吹出温度、空調風の吹き出し口、空調風の吹出量等が自動設定されることになる。
一方、最近の車両では、燃費向上のために、車両停止時や停止直前の極低速時にエンジンを自動停止させるいわゆるアイドルストップを行うものが多くなっている。このアイドルストップは、あらかじめ設定された停止条件が成立しているを条件に実行され、この開始条件としては、例えば、車速が零であること(車両停止であること)、ブレーキ操作されていること、アクセル操作されていないこと、変速機がD位置にある等の全ての条件を満足するものとして設定されることが一般的である。
アイドルストップによるエンジン自動停止中にあっても、乗員の快適性確保の観点から、空調装置の動作を継続することが行われている。すなわち、エンジン自動停止されていても、エバポレータが所定の上限温度にまで上昇するまではその冷却機能を利用した空調制御を継続して行ない、ヒータコアが所定の下限温度にまで低下するまではその加温機能を利用した空調制御を継続して行うことがある。
一方、ワゴン車や大型のSUV車にあっては、3列シートと呼ばれるように、第1列となる運転席を含む前席となる第1列目シートの後方に、第2列目のシート、第2列目のシートの後方に配設される3列目のシートを有するものがある。この場合、空調のための車室内空間が大きくなるため、特許文献1には、前席となる第1列目シート用となる前席用空調装置の他に、前席用空調装置とは別個独立して後席用空調装置を設けることが行われている。
乗車人数が多くなると車室内の湿度が高くなる傾向にある。特許文献2には、乗車人数に応じて、アイドルストップを行っている時間を変更する一方、湿度センサにより検出される車室内湿度が高いときは、空調装置による除湿作用を行う機会を増大させて、フロントウインドガラスの曇り止めを図るものが開示されている。
特開2010−76516号公報 特開2010−280354号公報
アイドルストップによるエンジン自動停止中であっても、前席用乗員への快適性確保と後席乗員への快適性確保とを共に確保すべく、前席用空調装置および後席用空調装置の両方の空調制御を継続して行うこと、つまり前席用ブロアと後席用ブロアとをそれぞれ継続して作動させることが考えられる。しかしながら、前後の各ブロアの風量を、エンジン自動停止直前と同じ風量とした場合には、エンジンが停止されていて乗員が音に敏感になっていることから、ブロア作動音を騒音として感じてしまう事態を生じやすいものとなり、またブロア作動による消費電力も大きくなってしまうことになる。
このため、騒音低下(消費電力低減)とエンジン自動停止中の空調制御を長く確保するという両方の観点から、ブロア風量を低下させることが考えられる。しかしながら、内気循環の状態で前後の各ブロア風量を低下させた場合、第3列目シート付近、特に第3列目シートの上部空間付近に空気が滞留して、第3列目シートの乗員に新たな空調風を十分に供給できない状態となり、第3列目シートの乗員に不快感を与えてしまうことが生じてしまうという問題を生じやすいものとなる。このような問題は、冷風を第3列目シートの上部空間に供給することが望まれる冷房時に生じやすいものとなり、またエンジン自動停止中に限らず、エンジン作動中であってもブロア風量が小さいときに生じやすいものとなる。とりわけ、後席用空調装置の冷風吹出口が、直接第3列目シートに向かうのではなく、第1列目シートの後部付近で第2列目シートの前方に位置される場合に上記問題を生じやすいものとなる。
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、車両が前後の空調装置を有すると共に第3列目シートを有する場合に、ブロア風量が小さいときの第3列目シートの乗員の快適性を確保できるようにした車両の制御装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明にあっては、基本的に、第3列目シートの後方に設けられたエキストラクタを有効に利用して、空調風を車室内前方から後方へ向けてスムーズに流れるようにしてある。すなわち、エキストラクタは、例えば後バンパに隠されるようにして車室内と外気とを連通するための弁機構(逆止弁機構)であり、例えばドアを閉めるとき等において車室内圧力が高くなったときに開弁されて、車室内圧力を外気に逃がすようになっている。そして、本発明では、内気循環されている状態でかつブロア風量が小さいときには、前席用空調装置を外気を導入する状態に切換えて、この外気導入により高くなった車室内圧力をエキストラクタを通して外気へ解放させることにより、新たな空調風が第3列目シートを通過しつつ後方へと流れるようにしてある。
具体的には、本発明にあっては、次のような第1の解決手法を採択してある。すなわち、請求項1に記載のように、
前席用空調装置および該前席用空調装置とは別個独立した後席用空調装置を有し、あらかじめ設定された停止条件に基づいてエンジンを自動停止するようにした車両の制御装置であって、
乗員が着座されるシートとして、前方から後方へ順次、運転席を含む第1列目シート、第2列目シート、第3列目シートを有し、
前記第3列目シートの後方に、車室内圧力が高くなったときに、車室内圧力を外気に逃がすエキストラクタが設けられ、
内気循環での空調中にエンジン自動停止されたときに、前記前席用空調装置における前席用ブロアおよび前記後席用空調装置における後席用ブロアをそれぞれ風量を低下させた状態で継続して作動させる一方、該前席用空調装置が外気を導入する状態に切換えられる、
ようにしてある。
上記第1の解決手法によれば、内気循環での空調中にアイドルストップによるエンジン自動停止が行われたときは、ブロア風量を低下させつつ前席用空調装置が外気を導入する状態に切換えられるので、エキストラクタを利用した車室後部へ向けての空調風の流れが形成されて、第3列目シートの乗員の快適性を確保することができる。勿論、エンジン自動停止時には、ブロア風量が低下されるので、騒音の問題も防止あるいは抑制されると共に、消費電力を低減することができる。
また、本発明にあっては、次のような第2の解決手法を採択してある。すなわち、請求項4に記載のように、
前席用空調装置および該前席用空調装置とは別個独立した後席用空調装置を有する車両の制御装置であって、
乗員が着座されるシートとして、前方から後方へ順次、運転席を含む第1列目シート、第2列目シート、第3列目シートを有し、
前記第3列目シートの後方に、車室内圧力が高くなったときに、車室内圧力を外気に逃がすエキストラクタが設けられ、
前記各空調装置のブロア風量が所定値以下の小さいときでしかも前記前席用空調装置における空調状態として内気循環の状態が第2所定時間以上継続されたときに、前記前席用空調装置が外気を導入する状態に切換えられる、
ようにしてある。
上記第2の解決手法によれば、走行中にあっても、第3列目シートに空調風が滞留しやすい状況のときは、エキストラクタを利用した車室後部へ向けての空調風の流れが形成されて、第3列目シートの乗員の快適性を確保することができる。
前記第1の解決手法を前提とした好ましい態様は、請求項2に記載のとおりであり、前記第2の解決手法を前提とした好ましい態様は請求項5に記載のとおりであり、各解決手法を前提とした好ましい態様は請求項6以下に記載のとおりである。すなわち、
エンジン自動停止から第1所定時間以上経過したことを条件として、前記前席用空調装置が外気を導入する状態に切換えられる、ようにしてある(請求項2対応)。この場合、第3列目シートに空調風が滞留して第3列目シートの乗員が不快感を感じるようになるまでには、ブロア風量が低下されてからしばらく猶予があるので、この猶予期間は外気導入状態への切換えを保留して、好ましい空調状態を極力長く確保する上で好ましいものとなる。
前記第1所定時間が、外気温度が高いときは低いときに比して短い時間に設定される、ようにしてある(請求項3対応)。この場合、外気温度が高いほど第3列目シートの乗員が不快感を感じるようになる時期が早まるので、この外気温度が高いほど外気導入状態に切換えるタイミングを早くして、第3列目シートの乗員の快適性確保の上で好ましいものとなる。
前記第2所定時間が、外気温度が高いときは低いときに比して短い時間に設定される、ようにしてある(請求項5対応)。この場合、請求項3に対応した効果と同様の効果を得ることができる。
前記前席用空調装置の冷風吹出口が、前記第1列目シートの前方に位置され、
前記後席用空調装置の冷風吹出口が、前記第1列目シートの後部付近でかつ前記第2列目シートの前方に位置され、
前記前席用空調装置が外気を導入する状態への切換えが、冷房時を条件として実行される、
ようにしてある(請求項6対応)。この場合、内気循環でかつブロア風量が小さいときに、冷風の吹出口の位置設定が第3列目シート付近で空調風の滞留を生じさせやすいものとなるが、このような滞留を防止して、第3列目シートの乗員の快適性を確保することができる。
前記後席用空調装置の空調風吸込口が、内気のみを吸い込みようにされている、ようにしてある(請求項7対応)。この場合、後席用空調装置は、その配置位置等の制約から内気のみを導入可能な場合であっても、前席用空調装置での外気導入とエキストラクタを利用して、第3列目シートの乗員の快適性を確保することができる。
前記前席用空調装置における前席用熱交換器および前席用ブロアがそれぞれ、インストルメントパネル内に配設され、
前記後席用空調装置における後席用熱交換器および後席用ブロアがそれぞれ、運転席と助手席との間に位置するセンターコンソール内に配設され、
前記後席用熱交換器の熱容量が、前記前席用熱交換器の熱容量よりも小さくされている、
ようにしてある(請求項8対応)。この場合、熱容量が大きくて大型となる前席用熱交換器を前席用ブロアと共に一般的に行われているインストルメントパネル内に配設しつつ、熱容量が小さくて小型となる後席用熱交換器を後席用ブロアと共にセンターコンソール内に配設して、車室内スペースを極力犠牲にしないようにする上で好ましいものとなる。
本発明によれば、ブロア風量が小さいときの第3列目シートの乗員の快適性を確保できる。
本発明が適用された車両の簡略側面図。 本発明が適用された車両の簡略平面図。 空調システムの一例を示す系統図。 前席用空調装置における冷風生成器と温風生成器との一例を示す図。 前席用空調装置における空調の操作パネル部分の一例を示す図。 後席用空調装置における冷風生成器と温風生成器との一例を示す図。 後席用空調装置における空調の操作パネル部分の一例を示す図。 前席用空調装置における空調システムの制御系統例を示す図。 エンジン自動停止の制御系統例を示す図。 後席用空調装置における空調システムの制御系統例を示す図。 冷房時における本発明の制御例を示すタイムチャート。 外気導入状態へ切換えるまでの第1所定時間の設定例を示す特性図。 本発明の制御例を示すフローチャート。 本発明の別の制御例を示すフローチャート。
図1、図2は、本発明が適用された車両Vの一例を示すもので、乗員が着座されるシートが、前方から後方へ順次、運転席および助手席からなる前席としての第1列目シートST1、後席としての第2列目シートST2、後席としての第3列目シートST3の3列シートとされている。図1、図2中、SHはステアリングハンドル、DPはインストルメントパネルである。また、フロントウインドガラスが符号FGで示され、運転席と助手席との間のセンターコンソールが符号CCで示される。
車両Vは、サイドドアとして、第1列目シートST1の左右側方にある左右の前サイドドアSD1と、第2列目シートST2の左右側方にある後サイドドアSD2とを有する。第3列目シートST3への乗り降りは、後サイドドアSD2を利用して行われる。そして、車両Vは、その後壁部が、開閉されるバックドアBDにより構成されている。図2に示すように、第1列目シートST1は、運転席と助手席とで構成されて、2名が着座可能とされている。第2列目シートST2は、3人が着座可能とされている。第3列目シートST3は、2人が着座可能とされている。
各シート(のシートクッション)には、乗員が着座されたことを検出するための例えば感圧スイッチ等からなる乗員(着座)検出センサJSが配設されている。また、車両Vには、後サイドドアSD2が開かれていることを検出するドアスイッチDS1と、バックドアBDが開かれていることを検出するドアスイッチDS2とが設けられている。
車体後部には、エキストラクタETRが設けられている(図1参照)。このエキストラクタETRは、一種の逆止弁であって、車室内圧力が高くなると開弁されて、車室内圧力が大気(外気)に解放されて、車室内圧力が過度に高まってしまう事態を防止する。このエキストラクタETRは、車体のうち例えばリアバンパの直前方に配設されて、外部から目視されないようにされている。なお、エキストラクタETRそのものは従来からよく知られたものなので、これ以上の説明は省略する。
車両Vには、互いに別個独立した前席用空調装置Kと、後席用空調装置KRとが設けられている。まず、図3を参照しつつ、前席用空調装置Kについて説明する。流入口1を有する通路部2には、その上流側(流入口1)から下流側に向かって順次、切換ダンパ3、ブロアファン4、エバポレータ5が配設されている。通路部2のうちエバポレータ5の下流側部分が、隔壁6によって互いに並列に2つの独立通路7、8に区画され、この独立通路7、8の下流側は互いに合流された共通室9とされている。
前記隔壁6には、2つの独立通路7、8に突出するようにして、ヒータコア10が保持されている。独立通路7には、ヒータコア10の直上流側においてエアミックスダンパ11が配設されている。同様に、独立通路8には、ヒータコア10の直上流側においてエアミックスダンパ12が配設されている。通路部2には、前記共通室9よりも上流側の独立通路7に臨ませて運転席用のエア通路13が開口されている。また、通路部2には、前記共通室9よりも上流側の独立通路8に臨ませて助手席用のエア通路14が開口されている。さらに、共通室9に臨ませて、複数のエア通路15〜17が開口されている。エア通路15は例えばデフロスタ用とされ、エア通路16、17は例えばサイドベント用とされている。各エア通路13〜17には、開度調整用のダンパ13A〜17Aが配設されている。
エアミックスダンパ11の開度(位置)変更により、エバポレータ5を通過した冷却エアがヒータコア10を経由する割合が変更されて、独立通路7を通過した直後のエアの温度および湿度が調整される。この独立通路7を通過した直後のエアが、運転席に供給されることになる。なお、エアミックスダンパ11は、電気式のモータ(アクチュエータ)11Aによって駆動されて、開度0%〜100%の範囲で任意の開度をとり得るようになっている。
エアミックスダンパ12の開度(位置)変更により、エバポレータ5を通過した冷却エアがヒータコア10を経由する割合が変更されて、独立通路8を通過した後のエアの温度および湿度が調整される。この独立通路8を通過した直後のエアが、助手席に供給されることになる。なお、エアミックスダンパ12は、電気式のモータ(アクチュエータ)12Aによって駆動されて、開度0%〜100%の範囲で任意の開度をとり得るようになっている。
前述の説明から明らかなように、実施形態では、運転席用と助手席用との空調が個別に制御可能となっている。そして、エアミックスダンパ11、12の開度を図中実線で示す100%としたときに、運転席および助手席に対する空調温度がもっとも高くされる。逆に、エアミックスダンパ11、12の開度を図中破線で示す0%としたときに、運転席および助手席に対する空調温度がもっとも低くされる。なお、エア通路15〜17へは、独立通路7と8とを通過した空調エアが混合された混合エアが供給されることになる。
18は、流入口1近傍に設けられた内気導入口であり、前述した切換ダンパ1により外気導入と内気循環とが切換えられる。切換ダンパ1による外気導入量と内気導入量との割合も変更可能であり、例えば内気循環率を70%(内気循環量が70%で、外気導入量が30%ということ)というようにすることが可能である。
図4は、エバポレータ5に対する冷媒の循環経路と、ヒータコア10に対するエンジン冷却水の循環経路を示すものである。この図4において、コンプレッサ50の回転軸に取付けたプーリ51と、エンジンEG(のクランク軸)に取付けたプーリ52との間にベルト53が巻回されて、エンジンEGによってコンプレッサ50が回転駆動される。コンプレッサ50によって圧縮された冷媒が、配管54、コンデンサ55、配管56を経てエバポレータ5に供給される。エバポレータ5に供給された冷媒は、空調風と熱交換された後に、配管57を経てコンプレッサ50に戻される。上記コンプレッサ50、コンデンサ55、エバポレータ5が、冷風生成器の主要構成要素となる。なお、プーリ51にはクラッチ51Aが組み込まれて、エンジンEGが作動しているときでも、適宜コンプレッサ50の駆動を停止可能とされている。
一方、エンジンEGによって駆動されるウオータポンプ60からの冷却水は、配管61を経てヒータコア10に供給されて、ヒータコア10によって空調風と熱交換される。そして、ヒータコア10内の冷却水は、配管62を経てウオータポンプ60へ戻される。このウオータポンプ60とヒータコア10とが、温風生成器の主要構成要素となる。なお、図4では、簡略化のため、冷房に関連した膨張弁等の小物部品や冷却水の冷却に関連したラジエタ、バイパス通路、サーモスタット弁等は、図示を略してある。
図5は、乗員により操作される空調用パネル部KPの一例を示すものであり、インストルメントパネルにセットされている。実施形態では、運転席と助手席とで左右独立して温度制御するものに対応しており、乗員により操作されるスイッチとして、次のように設定されている。
まず、スイッチ21は、オートエアコンをONするメインスイッチであり、プッシュ式とされている。スイッチ22は、運転席の温度設定スイッチであり、ダイアル式とされている。スイッチ23は、オートエアコンのOFFスイッチであり、プッシュ式とされている。スイッチ24は、風量調整用スイッチであり、ダイアル式とされている。スイッチ25は、助手席用の温度を個別に選択する際に操作されるもので、プッシュ式とされている。スイッチ26は、助手席用の温度調整用であり、ダイアル式とされている。
スイッチ31は、エアコンをOFFするスイッチである。スイッチ32は、フロントデフロスタ作動用のスイッチである。スイッチ33は、リアデフロスタ作動用スイッチである。スイッチ34、35は、空調風の吹出口選択用スイッチである。スイッチ36は、外気導入選択用のスイッチである。スイッチ37は、内気循環選択用のスイッチである。各スイッチ31〜37は、それぞれプッシュ式とされている。
後席用空調装置KRは、その構成は前席用空調装置Kと基本的に共通であるので、前席用空調装置Kに対応した構成要素には、前席用空調装置Kについて用いた符号に「R」の符号を付してその重複した説明は省略する。すなわち、通路部が符号2Rで示され、ブロアが符号4Rとして示され、エバポレータが符号5Rで示され、共通室が符号9Rで示され、ヒータコアが符号10Rで示され、エアミックスダンパが符号12Rで示される。
後席用空調装置KRについて、前席用空調装置Kと相違する部分は、次のとおりである。まず、内気のみが流入されるようになっている(外気導入はなし)。また、吹出口は、第2列目シートST2に着座する乗員に対して、足下用の吹出口18Rと、顔用の吹出口19Rとを有するのみとなっており、その切換用のリアモードダンパが符号20Rで示される。
後席用空調装置KR用のエバポレータ5R、ヒータコア10Rは、前席用空調装置Kにおけるものよりも小容量(小型)とされている。後席用空調装置KR用のエバポレータ5Rは、図5においては図示を略すが、前席用空調装置K用のエバポレータ5と直列あるいは並列に配管57に接続されている。同様に、後席用空調装置KR用のヒータコア10Rは、図5においては図示を略すが、前席用空調装置K用のヒータコア10と直列あるいは並列に配管62に接続されている。なお、後席用空調装置KR用のエバポレータ5R用に、別途コンプレッサ50、コンデンサ55を設けるようにしてもよく、またヒータコア10R用に、別途エンジン冷却水配管を設けるようにしてもよい。
図1、図2に示すように、上述した前席用空調装置K(のエバポレータ5、ヒータコア10)は、インストルメントパネルDP内に装備され、後席用空調装置KR(のエバポレータ5R、ヒータコア10R)は、センターコンソールCC内に装備されている。そして、後席用空調装置KRの吹出口18R、19Rは、センターコンソールCCの後端部に位置されている(第1列目シートST1の後部付近で第2列目シートST2の前方に位置されている)。
図7は、後席用の空調用パネル部KPRの一例を示すものであり、センターコンソールCCの後部に配設されている。実施形態では、乗員により操作されるスイッチとして、次のように設定されている。まず、スイッチ21Rは、後席用空調装置KRをONするメインスイッチであり、プッシュ式とされている。スイッチ22Rは、温度設定スイッチであり、ダイアル式とされている。スイッチ23Rは、オートエアコンのオンスイッチであり、プッシュ式とされている。スイッチ24Rは、風量変更スイッチであり、ダイアル式とされている。スイッチ31Rは、エアコンをOFFするスイッチであり、プッシュ式とされている。スイッチ34Rは、空調風の吹出口選択用スイッチであり、プッシュ式とされている(プッシュする毎に吹出口が変更)。
図8は、前席用の空調システムKの制御系統例を示すものである。この図8中、UKは、マイクロコンピュータを利用して構成された空調システム用のコントローラ(制御ユニット)である。このコントローラUKには、前述した各種スイッチからの信号が入力される他、温度センサS0で検出されたヒータコア10の温度、外気温センサS1で検出された外気温度、内気温センサS2で検出された室内温度、日射センサS3で検出された車室内への日射状態、温度センサS4で検出されたエバポレータ8の温度に関する信号、エアミックスダンパ11、12の実際の開度を検出する開度センサ11B、12Bからの信号が入力される。また、コントローラUKは、前述した各ダンパ等の機器類1、4、11(11A)、12(12A)、13A〜17A、18の他、エンジンと冷媒圧縮用コンプレッサとの動力伝達経路に介在されたコンプレッサクラッチ51A(図4をも参照)を制御するようになっている。コントローラUKと、上記センサ、スイッチ、機器類とは、低速通信系でもって接続されている。
コントローラUKは、基本的に、各種センサS0〜S4で検出される車内外の環境条件と乗員によるスイッチ操作状態に応じて、目標室内温度を設定すると共に、実際の室内温度が目標室内温度にするのに最適な空調風吹出量、空調エア温度、空調風の吹出口の選択等を自動制御する。
上記コントロールユニットUKは、後席用空調装置KR用のコントロールユニットUKRと接続されており。このコントロールユニットUKRの制御系等例が図10に示される。図10において、図8に示すものに対応したセンサや機器類については、図8で示す符号に「R」の符号を付加することにより、その重複した説明は省略する。
図8に示す低速通信系となるコントローラUKは、インストルメントパネルに設けたメータを介して、高速通信系(CAN)に対して接続されている。この高速通信系には、エンジン自動停止と自動再始動を含むエンジン制御を行うPCM、自動変速機の変速制御等を行うTCM、エンジン自動停止時の自動ブレーキ制御を含むブレーキ制御を行うDSC、ドアの開閉状態の検出を含む車体回りの制御を行うBCM、キーの車内置き忘れの検出を含むスマートキーレスに関する制御を行うキーレスコントロールモジュール(SKEで表示)、パワーステアリング制御を行うEHPASが含まれる。コントローラUKには、PCMからアイドリングストップ状態に関する情報が入力される一方、コントローラUKからPCMに対して、後述するように、空調制御状態に応じてアイドリングストップの許可信号または禁止信号を出力するようになっている。また、DSCには車速センサS10が接続されており、車速センサS10で検出された車速信号は、CANを経由してコントローラUKおよびPCMに入力される。
上記BCMには、図1に示す各スイッチJS、DS1、DS2からの信号が入力されるようになっている。このドアスイッチDS1、DS2による検出信号に基づいて、後サイドドアSD1あるいはバックドアBDが荷物の積み降ろし等で所定時間以上開いていたときは、後席の空調が大きく乱れている一方、このことは乗員が十分に承知していることから、後席用空調装置KRに対する空調要請は低いものであると考えられる。したがって、この場合は、後席用空調装置KRの空調制御状態に応じたアイドルストップ禁止信号を出力しないようにするようになっている。なお、この点は本発明とは直接関係がないので、これ以上の説明は省略する。
図9は、アイドリングストップに関する制御を行うPCMに関する詳細な制御系統例を示すものである。この図9において、PCMには、各種センサあるいはスイッチS10〜S19からの信号が入力される。センサS11は、アクセル開度を検出するアクセルセンサである。センサS12は、スロットル開度を検出するスロットルセンサである。センサS13は、クランクシャフトの回転角度位置を検出する角度センサである。センサS14は、吸気温度を検出する吸気温センサである。センサS14は、冷却水温を検出する水温センサである。センサS16は、負圧式倍力装置を有するブレーキ装置における負圧を検出する負圧センサである。スイッチS17は、ブレーキペダルが踏み込み操作されていることを検出するブレーキスイッチであり(ストップライトスイッチと兼用)。センサS18は、自動変速機のレンジ位置を検出するレンジ位置センサである。S19は、バッテリの充電量、電圧、消費電流等を総合的に検出するバッテリセンサである。
PCMは、エンジンの自動停止(アイドルストップ)と自動再始動の制御に関連して、次のような各種機器類41〜47を制御するようになっている。すなわち、41は、スロットルバルブを駆動するアクチュエータであり、エンジン自動停止時に全閉とされる。42は、電動式の可変バルブタイミング装置における駆動モータであり、エンジン自動停止時に、自動再始動に備えて吸気弁の開閉タイミングを遅らせる。43は、燃料噴射弁であり、エンジン自動停止の際に燃料噴射がカットされる。44はイグニッションコイルであり、エンジン自動停止時には通電が停止されて点火が禁止される。45はスタータモータであり、エンジン自動再始動時に駆動される。46は、オルタネータであり、エンジン自動停止時に、オルタネータの負荷を上げることによりエンジン回転数を下げる。47は、DC/DCコンバータであり、エンジン自動再始動時のためにクランキングを行う際に、バッテリの電力低下を補うように制御される。
車両停止時にエンジンを自動停止するアイドルストップが行われるが、これは、後述するアイドルストップ禁止条件の1つでも成立していないことを条件に実行される。より具体的には、アイドルストップの実行条件が、例えば車速が0でかつブレーキペダルが踏み込み操作されているときとして設定されて、この実行条件が成立しており、かつ後述する禁止条件が成立していないときに、アイドルストップによるエンジン自動停止が行われることになる)。
自動停止禁止条件(アイドルストップ禁止条件)
(1)車速が0でないとき。
(2)乗員によるブレーキ操作が行われていないとき。
(3)アクセルペダルが踏み込み操作されているとき。
(4)バッテリに関連して、電圧が所定電圧以下の低電圧のとき、充電量があらかじめ設定された所定充電量以下のとき、消費電流があらかじめ設定された所定電流以上のとき、あるいはバッテリ制御システムが異常のとき(異常信号発生のとき)。
(5)ハンドル舵角がニュートラル位置から所定の小舵角範囲内にないとき。
(6)変速機に関連して、変速機がDレンジ位置にないとき、油温が所定温度範囲内にないとき、油圧が所定圧力範囲内にないとき、変速機異常信号が発生されているとき、クラッチ(ロックアップクラッチを含む)に異常があるとき。
(7)エンジンに関連して、冷却水温度が所定温度範囲にないとき、吸気温度が高すぎるとき、大気圧が低いとき。
(8)負圧式倍力装置を含むブレーキ装置でのブレーキ負圧が不足するとき、あるいはエンジンシステムの異常信号が発生されたとき。
(9)車体回りに関連して、イグニッションキーが車外に持ち出されているとき(スマートキーレスエントリーシステムの場合)、シートベルトが取外されているとき、いずれかのドアが開いているとき、あるいはボンネットが開いているとき。
(10)路面の傾斜角度が大きいとき。
(11)空調用コントローラUKから自動停止禁止信号が出力されているとき。この点については、後に詳述する。
上述の自動停止禁止条件はあくまで一例を示すものであり、その他の禁止条件を付加してもよい。例えば、エンジン自動停止を運転者の意思によってキャンセル(禁止)するISスイッチ(図示略)がONされているとき、エンジン回転数があらかじめ設定された回転数(安定したときのアイドル回転数よりもかなり高い回転数)以上の高回転であるととき、等の条件をさらに追加してもよい。逆に、上記禁止条件の一部を削除した設定とすることもできる。
エンジンを自動停止しているアイドルストップ状態からエンジンを自動再始動する自動再始動開始条件としては、上記自動停止禁止条件のいずれか1つが解除されたときとして設定することができるが、特に、少なくとも乗員によるブレーキ操作が解除されたときを自動再始動の条件として設定するのが好ましい。
次に、空調システムK(KRについても基本的に同じ)に関連した自動停止禁止条件について説明する。まず、空調の自動制御は、内気温センサS2で検出される実際の室内温度が、乗員により選択された温度調整ダイアル22、26に基づいて設定される目標室内温度に近づくように制御される。この空調自動制御に際しては、空調風の温度、吹出口の選択、空調風吹出量等が自動制御されることになる。
空調用のコントローラUKは、次の場合に、空調を優先すべく、車両停止時におけるエンジンの自動停止を禁止する禁止信号を出力する。なお、空調用コントローラUKは、自動停止禁止信号を出力しないときは、自動停止許可信号を出力する。
空調システム側からの自動停止禁止条件
(1)空調システムKにおける各種センサ等の異常が発生したとき。
(2)外気温度が、極めて高いとき(例えば40度C以上)、または極めて低いとき(例えば−10度C以下)。
(3)デフロスタを使用しているとき(視界確保を優先)。
(4)乗員により選択された室内温度が、高温側の上限値であるとき(暖房要求が極めて強いとき)。
(5)乗員により選択された室内温度が、低温側の下限値でありかつエアコン作動されているとき(冷房要求が極めて強いとき)。
(6)目標室内温度と実際の室内温度との偏差が所定値よりも大きいとき。
空調用コントローラUKは、上記自動停止禁止条件が成立しないときは、エンジン自動停止時であっても、空調制御を行う。このことは、後席用の空調用コントローラUKRにおいても同じである。
ここで、アイドルストップによるエンジン自動停止中は、基本的に、前席用空調装置Kおよび後席用空調装置KR共に、その動作を継続して行うようになっている。ただし、実施形態では、冷房中での上記動作継続中に、前後のエバポレータ5、5Rのいずれか一方の温度があらかじめ設定された所定の上限温度(限界温度)を超える高温になったときは、冷風生成機能を期待できないことから、自動停止の禁止信号を出力して、エンジンを自動再始動させるようになっている。同様に、暖房中での上記動作継続中に、前後のヒータコア10、10Rの温度があらかじめ設定された所定の下限温度(限界温度)を超える低温になったときは、温風生成機能を期待できないことから、自動停止の禁止信号を出力して、エンジンを自動再始動させるようになっている。
次に、アイドルストップによるエンジン自動停止中における空調制御の点について説明する。まず、図11のタイムチャートを参照しつつ、冷房時での空調制御について説明するが、図11中、「Rec」は内気循環率を示す。
まず、図11のt1時点よりも前の時点では、内気循環の状態でもって空調が行われている一方(内気導入率が100%で、外気導入率が0%)、前後の空調用コントローラUK、UKR側ではアイドルストップ許可判定されているが、例えば車速が0にならない走行中であるとして、エンジン自動停止が行われていない状態である。t1時点になると、車速が0になる等により、アイドルストップ実行条件が成立し、かつ禁止条件が成立していないとして、エンジンが自動停止される。
エンジンが自動停止されたときは、前後の各ブロア4、4Rは、その作動が継続されると共に、、その風量がエンジン自動停止直前の風量から低下される。各ブロア4、4Rの作動継続により、冷風が車室内に供給されて、乗員の快適性を確保する上で好ましいものとなる。また、ブロア風量の低下により、ブロア作動による騒音が防止あるいは抑制されると共に、消費電力も低減されることになる。
t1時点から第1所定時間(Timer・IS)が経過したt2時点になると、前席用空調装置Kが、外気導入状態へと切換えられる。この外気導入状態では、極力車室内の冷温状態が維持されるように、例えば内気導入率が70%(外気導入率が30%)とされる。
上記第1所定時間は、例えば図12に示すように、外気温度に応じて変更するのが好ましい。すなわち、外気温度が高いときは低いときに比して第1所定時間が短く設定される。より具体的には、外気温度が高くなるのに応じて例えば線形的に第1所定時間が短くされる(上限値と下限値の設定圧力)。
t2時点後のt3時点になると、例えば前席用エバポレータ5が所定の上限温度(例えば12℃)以上となる。このt3時点では、十分に冷えた冷風を生成できないときであるとして、エンジンが自動再始動される。なお、後席用エバポレータ5Rが所定の上限温度(例えば12℃)以上となったときも、エンジンが自動再始動される。
次に、図13のフローチャートを参照しつつ、前述した図11に示すような制御を行うための制御例について説明する。なお、以下の説明でQはステップを示す。
まず、Q1においてデータ入力された後、Q2において、現在冷房制御中であるか(冷風生成時であるか)否かが判別される。このQ2の判別でYESのときは、Q3において、現在アイドルストップによるエンジン自動停止中であるか否かが判別される。このQ3の判別でYESのときは、Q4において、第3列目シートに着座されている乗員数が1以上であるか否かが判別される(第3列目シートへの乗員の有無の確認)。このQ4の判別でYESのときは、Q5において、外気温度が所定温度(例えば35℃)以下であるか否かが判別される。
上記Q5の判別でYESのときは、Q6において、エンジン自動停止してから第1所定時間((Timer・IS)が経過したか否かが判別される。このQ6の判別でYESのときは、Q7において、内気循環率が例えば70%とされて、残りの30%分だけ外気が導入される。
前記Q2の判別でNOのときは、温風生成時(暖房時)であり、このときはQ8において、内気循環率が0%(外気導入率100%)とされる。
前記Q3の判別でNOのとき、Q4の判別でNOのとき、Q5の判別でNOのとき、あるいはQ6の判別でNOのときは、それぞれ、Q9において、内気循環率が100%とされる(外気導入率0%)。このQ9を経る処理が、冷房時での通常のモードであり、車室内を低温に維持するために、高温の外気を導入しない制御とされる。これに対して、Q7の処理は、本発明特有の処理で、第3列目シートを通して空調風を車室内後方まで十分に流通させる処理となる。
Q7の後、Q8の後あるいはQ9の後は、Q10において、空調制御に基づくエンジン自動停止を実行(あるいは継続)するのかエンジンを自動再始動するかの判定処理が行われる。
図14は、本発明の別の制御例を示すものであり、エンジン作動中を前提とした制御となっている。まず、Q21においてデータ入力された後、Q22において、現在冷房制御中であるか(冷風生成時であるか)否かが判別される。このQ22の判別でYESのときは、Q23において、第3列目シートに着座されている乗員数が1以上であるか否かが判別される(第3列目シートへの乗員の有無の確認)。このQ23の判別でYESのときは、Q24において、外気温度が所定温度(例えば35℃)以下であるか否かが判別される。
上記Q24の判別でYESのときは、内気循環で空調を行っている時間が所定時間(第2所定時間)以上継続したか否かが判別される。Q24での所定時間は、例えば外気温度が高いときは低いときに比して短くなるように変更することができ、この場合、例えば図12に示すような特性とすることができる。ただし、外気温度に応じた所定時間は、図12の場合よりも長く設定するのが好ましい(例えば外気温度が25度Cのときに、所定時間を20秒に設定する等)。
上記Q25の判別でYESのときは、Q26において、ブロア風量があらかじめ設定された所定値よりも小さいか否かが判別される。このQ26での判別は、例えばブロア風量を7段階で変更する場合に、例えば風量が小さい方から2番目の段階以下となる風量が例えば○ル選択されているときに、風量が所定値よりも小さいと判断することができる。このQ26の判別でYESのときは、Q27において、吸込口の内気循環率が例えば70%とされる(30%だけ外気導入)。なお、Q27の制御を実行している時間(継続時間)は、車室後部に空調風が滞留しなくなる時間を考慮してあらかじめ設定された所定継続時間に限って行うようにすることもでき、この場合、所定継続時間を、ブロア風量が小さいほどあるいは外気温度が高いほど長くなるように変更することができる。
前記Q22の判別でNOのときは、温風生成時(暖房時)であり、このときはQ28において、内気循環率が0%(外気導入率100%)とされる。
前記Q23の判別でNOのとき、Q24の判別でNOのとき、Q25の判別でNOのとき、あるいはQ26の判別でNOのときは、それぞれ、Q29において、内気循環率が100%とされる(外気導入率0%)。このQ29を経る処理が、冷房時での通常のモードであり、車室内を低温に維持するために、高温の外気を導入しない制御とされる。これに対して、Q27の処理は、本発明特有の処理で、第3列目シートを通して空調風を車室内後方まで十分に流通させる処理となる。
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。第2列目のシートST2への着座可能人数が例えば2名で、第3列目シートST3への着座可能人数が3名であってもよい。後席用空調装置KRは、その吹出口(特に冷風吹出口)をルーフ付近の高所に設けたものであってもよい。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
本発明は、後席へ着座可能な乗員数が多くなる車両用として好適である。
UK:コントローラ
UKR:コントローラ(後席用)
EG:エンジン
ETR:エキストラクタ
K:空調システム
KR:空調システム(後席用)
JS:乗員センサ
S0:温度センサ(前席用ヒータコア温度検出用)
S0R:温度センサ(後席用ヒータコア温度検出用)
S4:温度センサ(前席用エバポレータ温度検出用)
S4R:温度センサ(後席用エバポレータ温度検出用)
4:ブロアファン
4R:ブロアファン(後席用)
5:エバポレータ
5R:エバポレータ(後席用)
10:ヒータコア
10R:ヒータコア(後席用)
50:コンプレッサ
55:コンデンサ
60:ウオータポンプ

Claims (8)

  1. 前席用空調装置および該前席用空調装置とは別個独立した後席用空調装置を有し、あらかじめ設定された停止条件に基づいてエンジンを自動停止するようにした車両の制御装置であって、
    乗員が着座されるシートとして、前方から後方へ順次、運転席を含む第1列目シート、第2列目シート、第3列目シートを有し、
    前記第3列目シートの後方に、車室内圧力が高くなったときに、車室内圧力を外気に逃がすエキストラクタが設けられ、
    内気循環での空調中にエンジン自動停止されたときに、前記前席用空調装置における前席用ブロアおよび前記後席用空調装置における後席用ブロアをそれぞれ風量を低下させた状態で継続して作動させる一方、該前席用空調装置が外気を導入する状態に切換えられる、
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  2. 請求項1において、
    エンジン自動停止から第1所定時間以上経過したことを条件として、前記前席用空調装置が外気を導入する状態に切換えられる、ことを特徴とする車両の制御装置。
  3. 請求項2において、
    前記第1所定時間が、外気温度が高いときは低いときに比して短い時間に設定される、ことを特徴とする車両の制御装置。
  4. 前席用空調装置および該前席用空調装置とは別個独立した後席用空調装置を有する車両の制御装置であって、
    乗員が着座されるシートとして、前方から後方へ順次、運転席を含む第1列目シート、第2列目シート、第3列目シートを有し、
    前記第3列目シートの後方に、車室内圧力が高くなったときに、車室内圧力を外気に逃がすエキストラクタが設けられ、
    前記各空調装置のブロア風量が所定値以下の小さいときでしかも前記前席用空調装置における空調状態として内気循環の状態が第2所定時間以上継続されたときに、前記前席用空調装置が外気を導入する状態に切換えられる、
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  5. 請求項4において、
    前記第2所定時間が、外気温度が高いときは低いときに比して短い時間に設定される、ことを特徴とする車両の制御装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、
    前記前席用空調装置の冷風吹出口が、前記第1列目シートの前方に位置され、
    前記後席用空調装置の冷風吹出口が、前記第1列目シートの後部付近でかつ前記第2列目シートの前方に位置され、
    前記前席用空調装置が外気を導入する状態への切換えが、冷房時を条件として実行される、
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、
    前記後席用空調装置の空調風吸込口が、内気のみを吸い込みようにされている、ことを特徴とする車両の制御装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、
    前記前席用空調装置における前席用熱交換器および前席用ブロアがそれぞれ、インストルメントパネル内に配設され、
    前記後席用空調装置における後席用熱交換器および後席用ブロアがそれぞれ、運転席と助手席との間に位置するセンターコンソール内に配設され、
    前記後席用熱交換器の熱容量が、前記前席用熱交換器の熱容量よりも小さくされている、
    ことを特徴とする車両の制御装置。
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