JP6065469B2 - 液体噴射システム - Google Patents
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Description
そして、液体収容容器の使用前は、運搬等による大気導入口からの液体漏れを防ぐために、大気導入口がフィルムで封止されていたり、ゴム栓(キャップ)で閉塞されていたりする。例えば、特許文献1の構成では、液体収容容器の大気導入口は、ゴム栓で閉塞されている。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するものであり、その目的は、液体収容容器の大気導入口に装着された場合は容易には外れず、しかも、液体収容容器の使用時には取り外しを喚起しやすい大気導入口用のキャップ、そのキャップの収納手段、それらを備えた液体収容容器、及びその液体収容容器を備えた液体噴射システムを提供することにある。
また、キャップ収納部が筐体から突出する突出形状になっている場合、その突出する部分の長さは11mm以上にすれば、よりよく前記キャップの保管装着、または取り外しを容易に行うことが可能となる。
先ず、図1〜図3に基づいて本発明に係る液体噴射システムの一実施例の概略構造について説明する。
図1〜図3は、液体噴射システム1を説明するための図である。図1に示すように、液体噴射システム1は、液体噴射装置としてのインクジェットプリンター2と、液体収容容器としてのインクタンクユニット50と、を含み構成されている。
インクジェットプリンター2は、液体としてのインクを吐出(噴射)する噴射ヘッドとしての記録ヘッド5と、所定の方向に移動可能なヘッドユニット7と、ヘッドユニット7を移動可能に収容し、インクジェットプリンター2の外郭すなわちプリンター本体を成すハウジング(筐体)8(以下において「プリンター本体8」と言うこともある)と、可撓性を有し、ヘッドユニット7の移動に伴って追従変形する変形可動部3を有する、導管としてのインクチューブ13と、を備えている。
インクタンクユニット50は、ハウジング8の側面9の外面に着脱可能に装着されるインク貯留部(液体収容容器)であり、インクタンクユニット50内に収容されたインクは、インクタンクユニット50とヘッドユニット7に両端が接続されたインクチューブ13を介して記録ヘッド5へ供給される。
このインクジェットプリンター2は、前述したスキャナー15を開閉自在に配置すると共に、後面9B(スキャナー15の後部)に被記録材(以下、「用紙」ともいう)Pを給紙するための幅方向Bに延びる給紙口17が設けられている。
また、前記排紙口19の上方には操作パネル21が設けられており、インクジェットプリンター2の各種の操作がこの操作パネル21を使用することによって実行できるように構成されている。
本例におけるインクチューブ13は、一例として、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)のインクを供給する、4本のインクチューブ13C、13M、13Y、13Kにより構成されている。
また、インクタンクユニット50には、各色のインクを収容するインクタンク30(30C,30M、30Y、および30K)が備えられている。
また、インクチューブ13の第1延設部13aの一例として、プリンター本体8の幅方向Bにおいて、中央より幾分右側の位置には、インクチューブ13のU字反転の可動側端部(起点)35となるチューブ支持板35(可動側端部と同じ符号35を用いる)が上方からあてがわれて固定ネジ37によって支持部材33上に固定されている。
継手39には外方に突出しており、プラグ41と連通している他のプラグ43が設けられている。プラグ43にはインクチューブ13の第2延設部13bの一端が嵌め込まれ、軌道修正部45によってインクタンクユニット50の接続部29側に幾分軌道が修正された後、インクチューブ13の第2延設部13bは、プリンター本体8の右側面9Rから外部に延出されている。
そして、プリンター本体8の右側面9Rの部分を利用して、右側面9Rとインクタンクユニット50との間にインクチューブ13のチューブ収容部67が設けられている。なお、インクチューブ13のチューブ収容部67については後段にて詳述する。
図4は、インクタンク30の分解斜視図である。インクタンク30は、インクタンク本体32と、栓部材302と、複数のシート部材34,316,322(「フィルム34,316,322」ともいう。)と、を備える。インクタンク本体32は、ポリプロピレン等の合成樹脂により成形されている。また、インクタンク本体32は、半透明であり外部から内部のインク量を確認できる。インクタンク本体32の形状は、一側面が開口した凹状形状である。インクタンク本体32の凹部には様々な形状のリブ362が形成されている。なお、説明の便宜上、インクタンク本体32について、Z軸正方向側の面を上面fa、Z軸負方向側の面を底面fbとする。また、使用姿勢におけるインクタンク本体32の4つの側面について、X軸正方向側の面を右側面fc、X軸負方向側の面を左側面fd、Y軸正方向側の面(すなわち、開口が形成された面)を正面fe,Y軸負方向側の面を後面ffとする。
次に、本発明の実施例に関る大気導入口用のキャップについて説明する。
図6は大気導入口用のキャップ500を説明するための図である。図6(A)は大気導入口用のキャップ500の平面図、図6(B)は図6(A)に示される大気導入口用のキャップ500の正面図、図6(C)は図6(A)に示される大気導入口用のキャップ500の要部のA−A視断面図である。
キャップ部501は、大気導入口317の端面を覆う大きさの凹部501aを有する。凹部501aの内面には、大気導入口317の少なくとも一部の外周部と密接するリング状のシール部501bが形成されている。シール部501bは複数設けられていてよい。
キャップ部501は、図6(B)に示される矢印P方向、即ち、キャップ部501の円筒の中心軸Mに略平行な方向に沿って、大気導入口317に対し着脱される。キャップ部501が大気導入口317に装着されたときは、シール部501bが大気導入口317の外周に密接するため、インクタンク30の内部からインクが大気導入口317に流れて来ても、外部に漏れることが防止される。
接続部502は、キャップ部501の外周部の一部から、キャップ部501の着脱方向である矢印P方向とは異なる方向(本実施例では、矢印P方向と直角に交差する方向)となる、矢印Q方向、及び矢印T方向に延伸する。従って、ユーザーが把手部503をキャップ500の装着方向と逆方向(矢印P方向における取り外し方向)に引いても、その力が直ちにキャップ部501にはかかり難く、容易には外れないため、誤ってキャップを外すことが防止される。また、接続部502は、矢印Q方向から矢印T方向に略直角に屈曲する屈曲部502aを有する。そのため、把手部503を引っ張ると先ず屈曲部502aに力がかかり、キャップ部501に直接伝達されないため、不用意に外れにくい。
キャップ500は、図7(A)に示される凹部501aを有するキャップ部501の代わりに、図7(B)に示される凸部501dをキャップ部501に有している構成としてもよい。凸部501dは、インクタンクの大気導入口317の内周面に摩擦係合して大気導入口317を閉塞する。
図8を用いて、キャップ収納部の構成について説明する。図8(A)、(B)、(C)は、キャップ500がキャップ収納部400に収納された状態を示す正面断面図である。なお、同図では、プリンター本体(筐体)8の側面9およびキャップ収納部400を二点鎖線で表している。
本実施例では、キャップ収納部400は、キャップ500に保管用の新たな構成部分を形成することはなく、キャップ500のキャップ部501を利用して、キャップ500の収納、保管を実現している。
図8(A)に示すようなキャップ部501が凹部501aを有する場合では、キャップ収納部400が設置面(後に詳細説明)、例えばプリンター本体(筐体)8の側面9から突出された円柱状に形成される。この場合、円柱状に形成されたキャップ収納部400に、キャップ500のキャップ部501を挿入することで、キャップ500がキャップ収納部400に収納、保管されることになる。
また、図8(B)に示すようなキャップ部501が凸部501dを有する場合では、キャップ収納部400が設置面(後に詳細説明))、例えばプリンター本体(筐体)8の側面9から突出された円筒状に形成される。詳細には、キャップ収納部400は、例えばプリンター本体(筐体)8の側面9から突出する円柱の外周に壁面を有する凹部400a(収納凹部)が形成された円筒形状をなしている。この場合、キャップ収納部400に設けられた凹部400aに、キャップ部501の凸部501dを挿入することで、キャップ500がキャップ収納部400に収納、保管されることになる。
また、図8(C)に示すようなキャップ部501が凸部501dを有する場合では、キャップ収納部400が、設置面(後に詳細説明)、例えばプリンター本体(筐体)8の側面9から凹んでいる凹状に形成される。この凹状の凹部400b(収納凹部)がキャップ収納部400となる。この場合、凹部400bに、キャップ部501の凸部501dを挿入することで、キャップ500がキャップ収納部400に収納、保管されることになる。
キャップ500の保管場所は、インクジェットプリンター2のプリンター本体(筐体)8の外側(または内側)や、インクタンクユニット50のケース側面(図1参照)等に設けることができる。換言すれば、キャップ収納部400が前述の保管場所に設けられることになる。
例えば、プリンター本体8の外側にキャップ収納部400を設ける場合は、図1に示すプリンター本体(筐体)8の左側面9L、右側面9R、または後面(裏面)9Bなどに設置しても良い。また、インクタンクユニット50のケース側面にキャップ収納部400を設ける場合は、図2に示すインクタンクユニット50の装着面47、或いはインクタンクユニット50のその他の側面に設けることができる。
このような場所にキャップ収納部400を設けることにより、収納されたキャップ500が、液体噴射システム1の外側(取り扱い者が視認できる側)に設置されることになる。これにより、キャップ500を収納する保管操作がしやすく、さらに一目で保管場所の確認ができるので保管されたキャップ500を探すことなどが不要となることから、キャップ500の再利用の際の脱着動作が容易となる。したがって、キャップ500による大気導入口317(図7参照)の閉塞が確実に行われ、運搬中の大気導入口317からのインク漏れを防ぐことができる。
図9、図10、図11、および図12を用いて、キャップの保管場所(収納場所)の具体例について説明する。図9は、例示1の大気導入口用キャップの保管場所(収納場所)の一例を示す部分斜視図であり、図10は、同じく大気導入口用キャップの保管場所(収納場所)の一例を示す斜視図である。図11は、例示2の大気導入口用キャップの保管場所(収納場所)を示す図であり、(A)は大気導入口用キャップの平面図、(B)はキャップ収納部を示す斜視図である。図12は、例示3の大気導入口用キャップの保管場所(収納場所)の一例を示す斜視図である。なお、図9、図10、図11、および図12は、キャップ500がキャップ収納部400に収納されている様子を示している。
図9、および図10に示すように収納突出部としてのキャップ収納部400は、インクジェットプリンター2のプリンター本体(筐体)8の右側面9Rにおいて、インクタンクユニット50と係合する部分である台座部9aに設けられている。
本例は、チューブ収容部67を利用して、キャップ500の保管を実現する例であり、キャップ収納部400が、台座部9aの外面9bに設置されて、キャップ500の保管を実現する。この場合、プリンター本体8とインクタンクユニット50との間に形成されている空間(チューブ収容部67)を利用していることを特徴としている。インクタンクユニット50がプリンター本体8側に装着される場合、台座部9aに保管(収納)されているキャップ500が外部から目立たない(視認し難い)ので、インクジェットプリンター2の外観の質的低下(デザイン性の低下)を抑制することができる。また、インクジェットプリンター2を僅かに移動させるなどキャップ500を大気導入口317に挿入せずに運搬しても、周囲からのキャップ500への接触が発生しないため、キャップ500の紛失防止などの効果も得ることができる。
突出する縁部9cに囲まれた台座部9aの外面9bにキャップ収納部400を形成する場合、キャップ収納部400の配置位置が突出する縁部9cに近すぎると、キャップ500をキャップ収納部400に取り付けるとき、または取り付けられて(保管して)いるキャップ500を取り外したいときに、手が縁部9cに邪魔(接触)され、作業が行い難く、作業効率が悪くなる虞がある。そのため、キャップ収納部400が突出する縁部9cから18mm以上離れるところ(キャップ500のキャップ部501の縁部から、台座部の突出縁部までの距離(図中W3で示す))にキャップ収納部400を設置することにより、人間の手の指が入り易くなり、キャップの保管装着、または取り外しを容易に行うことが可能となる。これは、人間工学の統計数値により、人間の指の太さの平均値は18mm以下であるためである。
図11(A)、(B)に示すキャップ500’(キャップ500の変形例)の保管(収納)について説明する。なお、キャップ500’については、前述したキャップ500と同様な構成については説明を省略する。
図11(A)に示すキャップ500’は、図4に示されるインクタンク30に突出形成された円筒状の大気導入口317に対し着脱可能に形成されたキャップ部501を備える。
キャップ500’は、更に、大気導入口317に装着されたキャップ部501をユーザーが外す際に把持するための把手部503と、把手部503とキャップ部501とを接続する接続部502とを備える。接続部502は、その延設方向と略直角に屈曲する屈曲部502aを有する。そのため、把手部503を引っ張ると先ず屈曲部502aに力がかかり、キャップ部501に直接伝達されないため、不用意に外れにくい。
キャップ部501はエラストマーやゴム等の弾性体から成り、本実施例では、キャップ部501、接続部502、把手部503は一体的に形成される。
把手部503は、接続部502より大きな幅を有し、接続部502と交わる部分の近傍に収納用穴410が形成されている。本例では、収納用穴410として貫通穴を例示しているが、貫通穴に限らず底部を有する非貫通穴であっても良い。
さらに、キャップ500’が横置きの形で安定的に保管、収納されるように、台座部9aの外面9bにキャップ収納支持用のリブ430(上下2本で一対)が設けられている。
リブ430は、キャップ500’の接続部502を保持するため、上下2本のリブ430の間隔はキャップ500’の接続部522の幅W1と同じ、或いは接続部502の幅W1より僅かに広い間隔で設けられている。
このように設けられたボス420にキャップ500’の収納用穴410を挿入し、上下2本のリブ430の間にキャップ500’の接続部502を入れることでキャップ500’が台座部9aの外面9bに保管、収納される。このように、4本のキャップ500’は、それぞれのキャップ部501と把手部503が交互に配置されて、縦方向(図1のA方向)に保管、収納されることになる。
また、ボス420に加えて、リブ430の間に接続部502を入れてキャップ500’を保持することで、横向きであっても落下などを防止し、確実に保管(収納)することができる。
図12に沿って例示3のキャップの保管場所(収納場所)について説明する。図12は、インクタンクユニット50の斜視図であり、一部カバーを除いた状態を示している。そのため為、図示はされていないが、二つの係合フック49が設置されている面側が装着面47に相当する。なお、キャップについては、前述したキャップ500と同様であるため、その構成については説明を省略する。
例示3では、インクタンクユニット50の装着面47とプリンター本体8の右側面9R(台座部9a)(図12では図示せず)との間に設けられているインクチューブ13のチューブ収容部(空間)67を利用して、キャップ収納ケース440の配設が可能になる。また、キャップ500を2個ずつ重ねてキャップ収納ケース440に収納することができる。このように、例示3のキャップの保管場所(収納場所)でも、前述と同様に液体噴射システム1の外観を損なうことはなく、キャップ500の収納および再利用の実現が可能になる。
Claims (6)
- 噴射ヘッドから液体を噴射する液体噴射装置と、当該液体噴射装置に導管を介して前記液体を供給する液体収容容器と、を有する液体噴射システムであって、
前記液体収容容器には大気を導通する大気導入口が設けられ、前記液体噴射装置の筐体に、前記大気導入口に着脱可能なキャップ部を有するキャップを収納するキャップ収納部が設けられ、
前記キャップ収納部に収納されたキャップどうしの一部が重なるように、前記キャップ収納部が複数配置されていることを特徴とする液体噴射システム。 - 請求項1に記載の液体噴射システムであって、
前記液体噴射装置の筐体には、前記液体収容容器を保持する台座部が設けられており、
前記キャップ収納部は、前記台座部に設けられていることを特徴とする液体噴射システム。 - 請求項1または請求項2に記載の液体噴射システムであって、
前記キャップ収納部は、前記筐体から突出する収納突出部が形成されていることを特徴とする液体噴射システム。 - 請求項1または請求項2に記載の液体噴射システムであって、
前記キャップ収納部は、前記筐体に設けられた収納凹部が形成されていることを特徴とする液体噴射システム。 - 請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載の液体噴射システムであって、
前記台座部の縁部が突出形成されており、前記キャップ収納部と突出形成された前記縁部との距離が18mm以上であることを特徴とする液体噴射システム。 - 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の液体噴射システムであって、
前記大気導入口は、前記液体収容容器から突出する収容容器突出部、或は液体収容容器から凹む収容容器凹部が形成されていることを特徴とする液体噴射システム。
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