JP5994046B2 - ティーバッグ用蓋付き茶器 - Google Patents
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Description
本発明はティーバッグを用いて茶などを淹れるために用いる蓋付き茶器に関する。
茶などの乾燥飲料を浸出するには通常、急須やティーポット、湯呑みなどの茶器を用いる。また、乾燥飲料の浸出液を得る方法は、散の茶葉を茶器中で直接浸出し濾して浸出液を得る方法と、茶葉を不織布など透水性を有する袋に封入したティーバッグを茶器中で浸出し浸出液を得る方法が一般的である。以下、乾燥飲料の浸出方法の現状における課題と本発明による改善策について茶葉を例に記載する。
散の茶葉を急須で淹れる方法は、急須内で散の茶葉が拡散するため可溶分の浸出が均一となり、注ぎ切りも良く、風味よく浸出することができる。しかし、注いだ際に茶殻が急須内の濾し網に刺さったり目詰まりし、雑菌の繁殖を防ぐためにも使用の都度十分な洗浄を行わなければならない。また、茶殻の処理はわずらわしいものであり、ゴミとして回収する作業も面倒である。茶葉を量り急須に投入する際には、茶葉をこぼさないよう注意しなければならず、おいしく淹れるには茶葉の量を適量とすることが必要であるが、これを目分量で量るには熟練を要する。
一方、ティーバッグによる方法では、茶葉が透水性バッグに封入されていることから、取扱いは容易で注ぐ際には茶漉しは不要であり、急須の洗浄や茶殻の後始末が容易である。また、茶葉はあらかじめ製造工程で定量化されていることから、茶葉の計量に気遣う必要がなく容易にお茶を淹れることができる。
しかし、ティーバッグによる浸出では茶葉がバッグ内に封じ込められているため、茶葉からの可溶分の浸出が速やかにおこなわれず浸出に時間を要する。また、注ぐ際には急須を傾けてもバッグ内で湯を吸収し膨張した茶葉中に高濃度の浸出液が留まってしまうため、散の茶葉に比べ可溶分の浸出が不足し、概して淹れた際の水色は薄く香味が不良となる。
そこで、ティーバッグからの浸出を促すためにティースプーンの底面等でティーバッグを押さえ水切りを行ってみると、押圧が強すぎる場合には茶葉からタンニンが過剰抽出され、苦渋味が増すなど品質に大きな影響を及ぼす。このように、ティーバッグ茶の浸出においては適度な押圧により絞ることが有効であり、その押圧の強弱は品質に大きく影響を及ぼすものである。
また、散の茶葉、ティーバッグともに、浸出液中に必要以上に永くとどめておくとタンニンの溶出が進み苦渋味の強い浸出液となってしまうため,注ぎ切った茶葉は浸出液に再度浸ることのないようにしなければならない。特にティーバッグでは絞りが不足し、ティーバッグ内の茶葉中に高濃度の浸出液が留まったままにしておくと茶葉の品質劣化が進み、二煎目以降の風味も低下させてしまう。
ティーバッグ用の茶葉は通常、バッグ内で茶葉の可溶分の浸出を促すため、また、バッグ包装時の定量投入をしやすくするために細かく破砕されたものが用いられている。紅茶などの発酵茶は製茶工程ですでに酸化していることから破砕による品質への影響は比較的少ないが、煎茶などの不発酵茶においては製茶後の破砕は製品の酸化を進めるため、浸出液の水色、香気、滋味品質を大きく損ねてしまう。このため不発酵茶をティーバッグ化する場合には破砕は極力避けるべきであるが、茶葉を破砕せずにティーバッグに封入した場合、蒸熱し原葉を揉み込みんでこより状に体積を凝た乾燥茶葉は、湯に浸すと元の原葉の形態に戻ろうと展開するために嵩は大きくなり、ティーバッグ内では葉の展開が十分にできず,水を飽和状態に吸ったスポンジ状となり、外部への可溶分の浸出は進まない。この
ため、ティーバッグは品質の高い煎茶類には適しておらず、現状での煎茶におけるティーバッグ利用はもっぱら安価で低品質のものに限られている。
ため、ティーバッグは品質の高い煎茶類には適しておらず、現状での煎茶におけるティーバッグ利用はもっぱら安価で低品質のものに限られている。
また、通常、注ぐ際の茶葉は散の茶葉、ティーバッグともに急須内の浸出液中に浸った状態であるため、浸出液を湯呑に注ぎ出す際には注ぎはじめは浸出液濃度は薄く、後になるほど茶葉の吸水中可溶分が溶け出すために濃くなっていく。このため、数杯の湯呑に注ぐ際には濃度を均一にするために、何回にも注ぎ分ける必要がある。
湯呑やティーカップなどの飲容器に直接ティーバッグを入れ飲用する場合においても急須と同様に、ティーバッグでは浸出液の水色は薄く香味が不良となり、2煎目以降もおいしく飲めない。
以上のことから高品質な茶葉の浸出を、だれでもが簡単で手軽に、かつ上手に淹れられるようにするには、ティーバッグを用いて、ティーバッグの欠点である注ぎきり時の絞りを的確にでき、かつ浸出後のティーバッグを液中に留めない茶器を得ることが最良の方法である。
急須におけるティーバッグの押圧方法については、特許文献1には押圧片による上下可動方式およびハンドルを握り連結部材を介し圧迫板を急須内壁に押し当てるてこ方式が開示されており、特許文献2には使い捨てカップのための蓋に容器内で吸水したティーバッグを蓋下方の容器内液面上に引き上げ垂直方向に垂らし、ウイング部で両横を挟み絞る方式が開示されており、特許文献3には急須を傾けて静置することにより浸出を終えた茶葉が液面にふれない構造の急須が開示されている。
特許文献1に記載の、押圧片による上下可動方式およびハンドルを握り連結部材を介し圧迫板を急須内壁に押し当てるてこ方式においては、急須に注がれた湯中でティーバッグを機械操作により複数回押圧しティーバッグ内外の水の交換を促進することがねらいであり、旧来の透水性の不良な素材への対応を目的としたものである。しかるに現在用いられるティーバッグ素材は、透水性の高い不織布やナイロン・ポリ乳酸の網が主でティーバッグの透水性は改善されており、これらの素材のものにおいては茶葉が湯を包含し膨張したティーバッグの水切りをいかに適切に、かつ簡単に行えるかが課題である。 また、特許
文献1の技術においては、注ぎ切り時のティーバッグは急須の湯中にあるためティーバッグ内の茶葉は品質の劣化が進み2煎目以降の品質も不良にする。また、注ぎ切りの際には機械的に押圧を続けなければならず、操作が不便であり、さらに押圧機構が複数の部品で構成されており、洗浄時に手間を要することや故障の発生、可動接触部での材料の摩耗片による異物混入が懸念されるとともに、製造コストも上昇する。特許文献1に記載の二つ
の実施例ともに、バネや連結部材・ハンドルなど、外部への部材の張り出しがあり、急須の操作感や美観を損ねる。
文献1の技術においては、注ぎ切り時のティーバッグは急須の湯中にあるためティーバッグ内の茶葉は品質の劣化が進み2煎目以降の品質も不良にする。また、注ぎ切りの際には機械的に押圧を続けなければならず、操作が不便であり、さらに押圧機構が複数の部品で構成されており、洗浄時に手間を要することや故障の発生、可動接触部での材料の摩耗片による異物混入が懸念されるとともに、製造コストも上昇する。特許文献1に記載の二つ
の実施例ともに、バネや連結部材・ハンドルなど、外部への部材の張り出しがあり、急須の操作感や美観を損ねる。
特許文献2に記載の使い捨てカップを想定した蓋においては、容器内で吸水したティーバッグを蓋下方の容器内液面上に引き上げ垂直方向に垂らし、ウイング部で両横を挟み絞る方式であるが、ティーバッグを液面に接しないで垂直方向に垂らすには蓋の本体部分を長くしなければならず、蓋の内容積は大きくなりかさばるとともに保温効果を減じることとなり、複数人の茶を淹れる急須等ではティーバッグも大型となることから実用的でない。また、ティーバッグを絞るためには2本の指でウイングを挟み込む操作が必要となる。さらに、ウイングは蝶番様に閉じることから均一な押圧ができず、両ウイングを一定の隙間に止める機構がないため指の押圧が強い場合はティーバッグを絞りすぎ、逆に押圧が弱いと絞り不足となり所定の濃度を得ることが難しい。
特許文献3に記載の急須は、急須を傾けて静置することにより浸出を終えた茶葉が液面にふれない構造であるが、本法ではティーバッグを絞ることができない。また、急須内の残液が多い場合は茶葉が液に浸ってしまい、残液を注ぐ際にも再度、茶葉が液に浸ってしまう恐れがある。
本発明は、以上のような従来のティーバッグ用茶器の欠点に鑑み、簡素な機構で注ぎきりが簡単で良好にでき、浸出後のティーバッグを液中に留めない抽出用茶器を提供することを目的としている。
第1の発明の蓋付き茶器は、ティーバッグに入った乾燥植物を浸出するための蓋付き茶器において、茶器上部の開口部と想定される液面との間に水切りを有し、前記水切り内のいずれの場所においても閉じた状態の蓋の底面と前記水切りは概ね一定の隙間を保つことを特徴とする。
第2の発明の蓋付き茶器は、第1の発明の蓋付き茶器において、水切りの着脱を可能と
することを特徴とする。
することを特徴とする。
第3の発明の蓋付き茶器は、第1の発明及び第2の発明の蓋付き茶器において、閉じた状態の蓋の底面と水切りとの隙間が調整可能であることを特徴とする。
上記のように構成したことで、本発明の茶器は、以下の効果を奏する。第1の発明の蓋付き茶器は、急須、ティーポットまたは湯呑等の蓋を閉じた状態において蓋底面と水切り天面は略水平で平行に保たれており、その隙間は規定されるため、茶器内で湯を吸収し膨張したティーバッグを水切り天面に平らに配置し蓋を完全に閉じることにより、挟まれたティーバッグは蓋の押圧により規定の厚さにまで均一に絞ることができ、目的とする濃度の浸出液を得ることができる。ティーバッグへの押圧は蓋を閉め切る操作だけでティーバッグに所定の押圧を得ることができる。また、蓋を完全に閉めず途中で留めた場合にはティーバッグの絞り程度は軽くなることから、蓋の閉じ加減で浸出液の濃度を薄く調整することができる。
水切りは、想定される浸出液面より高い位置に配置されていることから、絞られたティーバッグは再び浸出液に浸ることはなく、浸出液の品質に影響を及ぼすことはない。ティーバッグの水切りを適切に終えた浸出液は均質となることから何回にも注ぎ分ける必要がなく、また、浸出液を茶器内に留めておいてもティーバッグの浸漬に伴う品質低下がないことからポットとして利用することもできる。急須またはティーポットを注ぐ際は蓋を指で押さえ注ぐことから、水切りと蓋底部に挟まれたティーバッグが茶器内に落下することはない。2煎目以降は、再びティーバッグを急須底部に戻し湯を注ぎ浸出することで1煎目
と同様の効果が得られる。
と同様の効果が得られる。
第1の発明の蓋付き茶器は、特許文献1の課題として指摘した浸出後のティーバッグが
茶器の浸出液中に残るという問題点を解決することができる。また、特許文献2の課題として指摘した垂直状のティーバッグを絞る方法による保温性の低下と外観上の欠点を、略水平の状態で絞る方法としたことにより解決することができ、さらに角度の付いた偏圧でなく平行状態での押圧となることから均一な押圧でティーバッグを絞ることができる。特許文献3の課題として指摘した、ティーバッグを絞れない、注ぐ際にティーバッグが再度浸出液に浸るという問題点も当然解決することができる。
茶器の浸出液中に残るという問題点を解決することができる。また、特許文献2の課題として指摘した垂直状のティーバッグを絞る方法による保温性の低下と外観上の欠点を、略水平の状態で絞る方法としたことにより解決することができ、さらに角度の付いた偏圧でなく平行状態での押圧となることから均一な押圧でティーバッグを絞ることができる。特許文献3の課題として指摘した、ティーバッグを絞れない、注ぐ際にティーバッグが再度浸出液に浸るという問題点も当然解決することができる。
第2の発明の蓋付き茶器の着脱可能な水切りは、所定の位置に装着することにより設定した隙間を確保することができティーバッグを適切に絞る役割を果たす。使用後には取り外せることで急須、ティーポット、湯呑ともに、茶器の洗浄の作業が容易になり茶渋が固着しやすい茶器の内部を清潔に保つことができる。湯呑においては飲用の際に水切りが飲み手の鼻にふれる場合があるので、載せているティーバッグとともに湯呑から一時的に取り出せる着脱型の水切りの方が実用的である。
第3の発明は、蓋用内ツバ上または水切り用内ツバ上へのスペーサーの挿入、もしくは裏面が複数の異なる厚みを有する蓋を用いることにより、前記閉じた状態の蓋の底面と上記水切りとの隙間を調整することができることから、ティーバッグの形態や茶葉の種類、内容量が異なる多様なティーバッグをひとつの急須で対応することができる。裏面が複数の異なる厚みを有する蓋を用いた場合は、蓋を回動するだけで隙間を調整できるため便利である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の蓋付き茶器の実施形態を説明する。ただし、本発明の技術的範囲は以下の実施形態に示した具体的な用途や形状・寸法などには限定されない。
図1は本発明の実施例1の着脱可能な水切りと、水切りの下および蓋の下にスペーサーを挟ませた急須の構成図であり、図2はその断面図である。水切り3は急須1の内周壁に沿った略半月状であり人数分用の茶葉を封入した当該ティーバッグ4がほぼ平らに載せられる大きさを有し、排水用の小穴10が設けられている。水切りで塞がない急須開口部はティーバッグ4の出し入れおよび注湯用の空間である。水切り3は急須1の内部上方で注ぎ口の対面方向にあり、想定される液面5より高い位置にある馬蹄形状の水切り用内ツバ6および回転止め突起7により、定位置に配置される。この際、水切り内のいずれの場所においても、閉じた状態の蓋2の底面と水切り3は概ね一定の隙間が保たれており、蓋底面の形状が凸状または凹状である場合には、水切り天面も蓋底面にあわせた凹状または凸状を呈する。本発明の実施例では脱着可能な水切りとしたが、急須と一体となった水切りであってもよい。
本発明の実施例1の水切りを備えた蓋付き急須によるティーバッグに入った乾燥植物を浸出する方法を以下に示す。ティーバッグ4を浸出する際には、まず適量の熱湯を水切り3の対面方向の急須開口部から急須1に注ぎ、1分程度静置し急須1を暖めるとともに湯温を適温に下げる。その後、ティーバッグ4を付属のひも9を用いて急須底部へ投入し、ひも9は急須1の外にたらし、蓋2を閉じる。この状態で茶葉の浸出を進め、適当な時間を経過後、蓋2を開けひも9を用いてティーバッグ4を水切り3の上に平らに載せる。その後、ひも9を急須の外に垂らし蓋2を垂直方向に下げ、蓋2を完全に閉じる。この蓋2の全閉操作により、所定の隙間でティーバッグ4が絞られることにより余分な浸出液が急須内にしたり落ち適度な濃度の浸出液を得ることができる。次に急須1を持ち上げ蓋2に指を添え各湯呑に注ぎ分ける。浸出液が残った場合には空いた湯呑みに再度注いでもよく、2煎目用に急須内に残してもよい。2煎目を淹れる際には、まず蓋2を開け、ひも9を用いて水切り3に載っているティーバッグ4を開口部から急須底部に移し、ひも9を急須1の外にたらし、熱湯を開口部より注ぎ再び蓋2を閉める。このように繰り返すことで煎茶の場合、数煎目までおいしく味わうことができる。飲み終えたティーバッグはすでに水切りされていることから、水がしたり落ちることはなく片付ける際には容易である。
本発明の実施例1の水切りを備えたティーバッグ用急須は、スペーサーを用いることによりティーバッグへの押圧を制御することができる。押圧を強めたい場合は、馬蹄型スペーサー11を注ぎ口8と反対側に配置された水切り用内ツバ6と水切り3の間に挟むことにより、馬蹄型スペーサー11の厚みの分だけ水切り3の位置が高くなり、蓋2の底面との隙間が狭まり押圧を強めることができる。逆に押圧を弱めたい場合は、リング型スペーサー13を蓋用内ツバ12と蓋2との間に挟むと密閉状態を保ちつつ蓋2の位置がリング型スペーサー13の厚みの分だけ高くなり、蓋2の底面との隙間が広くなり押圧を弱めることができる。これらスペーサーの枚数を多くする、もしくは厚みの異なるスペーサーを用いることにより、多様な包装素材や形状、茶葉量、茶品質のティーバッグを一つの急須で最適な浸出液を得ることができる。また、一煎目は軽く絞り香りが引き立つように抽出し,二煎目はスペーサーを追加または変更して強く絞り味を楽しむなど高級煎茶の本格的な味わい方が出来る。
図3は本発明の実施例2の着脱可能な水切りと、蓋の下にスペーサーを挟ませた湯呑みの構成図であり、図4はその断面図である。湯呑みの場合、当該ティーバッグ4が一人用でスペーサーも小型となること、水切り用内ツバ、蓋用内ツバがなく滑らかとした飲み口と対面する位置にスペーサーを配置する。他は実施例1の急須と同様の構成である。
湯呑みにおいては形状により傾げた際にスペーサーが鼻に接する場合がある。この際には飲用の前に湯飲み14の蓋2を開け次に水切り3のつまみ16を指でつまんで水切り3とティーバッグ4をセットで持ち上げて湯呑みの外に仮置きする。飲用時は水切り3と対面側で湯呑み14の内周壁に蓋用内ツバ12がついていない滑らかな飲み口15より飲むと飲みやすい。2煎目を入れる際は、仮置きした水切り3の水切りつまみ16を指でつまんで水切り3に載ったティーバッグ4をともに持ち上げ湯呑み14の所定の位置に水切り3をセットし、ティーバッグ4のひも9を用いてティーバッグ4を湯呑み14の底部に移しひも9を湯呑み14の外にたらし、2煎目の湯を注ぐ。飲み終えたティーバッグ4はすでに水切りされていることから、水がしたり落ちることはなく片付ける際には容易である。
図5は水切りが急須と一体で、蓋中心部から放射状に3等分され、それぞれ異なる厚みを持った蓋を有する本発明の実施例3の急須を示し、図6は蓋裏面の厚みを表すマークを表面に付けた蓋の表面を示す。水切りの上に膨張したティーバッグ4を置き、蓋底面が厚い強圧面17で蓋2を閉じると両者の隙間が狭くなりティーバッグ4への押圧が増す。逆に蓋底面が薄い低圧面19で蓋2を閉じると両者の隙間が広くなり、ティーバッグ4への押圧は弱くなる。ティーバッグへの中間の押圧が必要な時には、蓋裏面の中圧面18を選択する。蓋2を用いる場合の水切り3の形状は蓋裏面の放射状面に合わせた形状とし、注ぎ口8と対角の急須内壁に設けるとよい。本発明の実施例3では蓋裏面を120度に等分し厚みを3水準確保することにより、蓋2の回動だけで3通りの押圧が選択できる例を示したが、蓋底面は180度に分割し厚みを2水準としてもよい。また、テトラ型ティーバッグ専用とした場合にはテトラ型の底面角が60度であることから、最大で蓋底面を60度に分割し6水準の厚みを構成することができる。また、蓋底面の厚みを表すマーク21を蓋表面に記すことにより、その都度蓋底面を確認することなく好みの押圧を選択することができる。
図7は水切りが急須本体と一体で、かつスペーサーを用いた急須を示す。急須1にリング型スペーサー13を蓋用内ツバ12の上に挟むことにより、水切り3と蓋2底面の隙間を任意に拡大することができる。水切りが急須本体と一体となる急須は、水切りが固定されていることからガタつきがないため操作感がよく、水切りを紛失してしまうこともない。また、一体化したデザインを得ることができる。
図8には水切り上でティーバッグ角部のはみ出しを防止するためのガイド22およびひも通し溝23を備えた急須を示す。通常のティーバッグは座布団型で底面が四角形であり、略半月状の水切りに載せた場合にティーバッグ4の外側の角が円形の急須開口部や湯呑開口部よりはみ出す場合がある。これを防止するため、蓋用内ツバ12が一部内側に略水平に張り出した形状のガイド22一対を設け、その中央付近から茶器周壁上部に連なる、ひも9を通すためのひも通し溝23を設けてある。使用にあたっては、吸水し膨張したティーバッグ4をひも9を用い水切り3上に置き、さらにひも9をひも通し溝23に導きひも9を外方向に引っ張ることにより、ティーバッグ4は外方向に引き寄せられ、ティーバッグ4の両肩はガイド22と水切り3と蓋2と急須茶器1の内周壁に押されティーバッグ4の中心方向に縮まり急須茶器1からのはみ出しを防ぐことが出来る。
図9には着脱可能な水切りとして、既成の散の茶葉用の急須および湯呑でも用いることができる吊り下げ型の水切りを示す。本法では急須1もしくは湯呑14の蓋用内ツバ12上に、水切り懸架支持具24を置き、これにより想定される液面5より高い位置で、かつ、蓋を閉じた際の蓋底面と水切り天面の隙間が所定の間隔となる位置に水切り3を配置する。吊り下げ型の水切りは後付けが可能であり、蓋用リング型スペーサー13の併用により隙間の調整もできる。既成の急須もしくは湯呑みの蓋底面の形状が凸状または凹状である場合には、水切り天面も蓋底面に合わせて凹状または凸状に合わせるとよい。
本発明は、ティーバッグ化された緑茶、紅茶、ハーブ、薬草などの乾燥抽出飲料の浸出方法を改善し、目的とする品質の浸出液が容易に得られるようにした浸出器具であり、特にこれまでティーバッグにすると品質が十分に得られなかった高級煎茶などを、手軽にだれでもが簡単においしく淹れることができる。このため、茶専門店など乾燥飲料の販売業等にあっては、オリジナルの上質ティーバッグ煎茶を本発明による急須や湯呑み茶器を用いた最良の淹れ方をあわせて顧客に提示することにより消費拡大につなげられる可能性がある。また、宿泊施設等の備え付けのティーバッグ茶にあっても、本発明における急須や湯呑み茶器を用いて上質ティーバッグ煎茶を上手に淹れられる方法を提示することにより、上質なサービスを提供することができる。本発明のティーバッグ用の急須、湯呑、ティーポットは構造が簡素で、洗浄が容易であり故障することがなく、製造にあたり特殊な技術や材料を要せず、廉価で供給することができる。本発明の急須茶器は、容器開口部にカップ状の濾し網を取り付けることができ、通常の散の茶葉を淹れる急須としても利用可能である。
1 急須本体
2 蓋
3 水切り
4 ティーバッグ
5 液面
6 水切り用内ツバ
7 回転止め突起
8 注ぎ口
9 ひも
10 小穴
11 馬蹄型スペーサー
12 蓋用内ツバ
13 リング型スペーサー
14 湯呑み
15 飲み口
16 水切りつまみ
17 強圧面
18 中圧面
19 低圧面
20 蓋摺合せ面
21 マーク
22 ガイド
23 ひも通し溝
24 水切り懸架支持具
2 蓋
3 水切り
4 ティーバッグ
5 液面
6 水切り用内ツバ
7 回転止め突起
8 注ぎ口
9 ひも
10 小穴
11 馬蹄型スペーサー
12 蓋用内ツバ
13 リング型スペーサー
14 湯呑み
15 飲み口
16 水切りつまみ
17 強圧面
18 中圧面
19 低圧面
20 蓋摺合せ面
21 マーク
22 ガイド
23 ひも通し溝
24 水切り懸架支持具
Claims (3)
- ティーバッグに入った乾燥植物を浸出するための蓋付き急須または蓋付き湯呑であって、急須の注ぎ口または湯呑の飲み口に対向する容器内周壁の上部で、閉じた蓋の底面に対向する位置に略半月状または扇状の水切りを具える茶器において、
前記蓋の底面は蓋の中心から放射状に2〜6等分割され、それぞれ底面高の異なる段差を有することを特徴とする茶器。 - ティーバッグに入った乾燥植物を浸出するための蓋付き急須または蓋付き湯呑であって、急須の注ぎ口または湯呑の飲み口に対向する容器内周壁の上部で、閉じた蓋の底面に対向する位置に略半月状または扇状の水切りを具える茶器において、
容器内周壁上部に周設した蓋を係止するための蓋用内ツバ上に、装着可能なリング状のスペーサーを有することを特徴とする茶器。 - 急須の注ぎ口または湯呑の飲み口に対向する容器内周壁の、閉じた蓋の底面に対向する位置に水切りを係止する水切り用内ツバを周設し、
または蓋用内ツバ上に水切り懸架支持具を配設することにより、水切りが着脱可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の茶器。
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