JP5993007B2 - 水銀除去用のオキサレート収着剤 - Google Patents

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Description

本技術は、オキサレート収着剤組成物、その製造方法、および排流から水銀を除去するためのオキサレート収着剤組成物の使用方法に関する。
石炭火力プラントおよびごみ焼却炉からの燃焼排出物は、環境中への水銀の放出の主な要因である。水銀は燃焼過程で放出され得る最も毒性が高い金属の1つであることから、水銀放出量の削減は最大の関心事である。水銀は、さらに1990年の空気清浄法(Clean Air Act)において、危険汚染物質に指定されている。水銀は、燃焼する物質の種類および燃焼条件に応じて、元素水銀(Hg(0))、酸化水銀(例えば、ハロゲン化物およびオキシドとして、Hg(I)およびHg(II))、および粒子状水銀を含む数多くの形態で放出され得る。水銀の放出量を減少させるために使用されている多くの技術の中で、活性炭素収着剤による水銀の収着が用いられ得る。このような収着剤は燃焼排気ガス流の中に直接投入され、そこで水銀汚染物質を収着する。水銀で汚染された収着剤は、下流の微粒子抑制装置、例えばバグフィルターまたは静電集塵装置などの中に集められる。
収着効率を向上させるために、収着剤を硫黄、塩素、またはヨウ素によって化学修飾し、水銀結合能が高められた部位を形成し得る。このような化学修飾によって水銀収着能を300倍まで高めることに成功しているが、このような収着剤の製造には、しばしば非実用的な費用がかかり、さらに長時間にわたる熱処理および危険な薬品によるコンディショニングを必要とする。
本技術は、種々の産業施設によって生じる排流からの水銀放出量を減少させるために使用し得る、収着剤組成物を提供する。前記収着剤組成物は、安価な原料から簡単な方法で調製される。従来の収着剤に比べて、本収着剤組成物は、改善された水銀収着能を発揮する。さらに、前記収着剤組成物は、既存の水銀除去インフラ設備と完全に両立できる。
一態様によれば、本技術は、少なくとも1つの炭素収着剤、少なくとも1つのオキサレート、および少なくとも1つの遷移金属陽イオンを含む収着剤組成物を提供する。いくつかの実施形態において、炭素収着剤は活性炭素を含む。いくつかの実施形態において、遷移金属陽イオンには、1つまたは複数のFe(III)、Mn(VII)、またはCo(III)が含まれる。いくつかの実施形態において、オキサレートおよび遷移金属陽イオンは、シュウ酸遷移金属塩である。いくつかの実施形態において、オキサレートの量は、収着剤組成物の全重量に対して約0.1重量%〜約10重量%である。
別の態様によれば、本技術は収着剤組成物の製造方法を提供し、前記方法は、少なくとも1つの炭素収着剤、少なくとも1つのオキサレート、および少なくとも1つの遷移金属陽イオンを接触させて収着剤組成物を形成することを含む。いくつかの実施形態において、遷移金属陽イオンには、1つまたは複数のFe(III)、Mn(VII)、またはCo(III)が含まれる。いくつかの実施形態において、オキサレートおよび遷移金属陽イオンは、シュウ酸遷移金属塩である。いくつかの実施形態において、接触は、液体不存在下で実施される。他の実施形態において、接触は、液体存在下で実施される。このようないくつかの実施形態において、液体は水溶液である。このようないくつかの実施形態において、方法は、収着剤組成物を液体から分離することをさらに含む。いくつかの実施形態において、方法は、収着剤組成物を乾燥することをさらに含む。
本技術は、排流から水銀を減少させるためまたは除去するためにも使用し得る。よって、別の態様によれば、本技術はHg(II)化合物を含むガスを収着剤組成物と接触させることを含み、前記収着剤組成物は、少なくとも1つの炭素収着剤、少なくとも1つのオキサレートおよび少なくとも1つの遷移金属陽イオンを含む。いくつかの実施形態において、ガスには煙道ガスが含まれる。このようないくつかの実施形態において、煙道ガスは石炭火力プラントからまたはごみ焼却炉からのものである。いくつかの実施形態において、炭素収着剤には活性炭素が含まれる。いくつかの実施形態において、遷移金属陽イオンには、1つまたは複数のFe(III)、Mn(VII)、またはCo(III)が含まれる。いくつかの実施形態において、オキサレートおよび遷移金属陽イオンはシュウ酸遷移金属塩である。ある特定の実施形態において、収着剤組成物中のオキサレートの量は、収着剤組成物の全重量に対して約0.1重量%〜約10重量%である。いくつかの実施形態において、接触は約50℃〜約350℃で実施される。いくつかの実施形態において、収着剤組成物は、ガスの中に約0.5lb/MMacf〜約200lb/MMacfの割合で投入される。他の実施形態において、方法は、静電集塵法、バグフィルター法または両方によって、ガスから収着剤組成物を捕捉することをさらに含む。
上記の概要は、単なる例示であり、いかなる方法による限定も意図するものではない。上述の例示的な態様、実施形態および特徴に加えて、下記の図面および詳細な説明を参照することによって、さらなる態様、実施形態および特徴が明確になるであろう。
詳細な説明および特許請求の範囲において記述された例示的な実施形態は、限定することを意味しない。本明細書で提示された主題の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の実施形態も使用することができ、他の改変も行うことができる。
本明細書の全体にわたって規定されているように、本明細書において、本技術は多数の定義を使用して記述されている。
構成要素を記述する文脈において(特に、後述の特許請求の範囲の文脈において)使用する、用語「a」、「an」、「the」および類似の指示語は、本明細書において別段の定めまたは文脈との明らかな矛盾がない限り、単数および複数の両方を含むものと解釈されるべきである。
本明細書で使用する場合、「約(about)」は、当業者によって理解され、使用される文脈に応じてある程度異なるであろう。用語の使用が当業者に明確ではない場合、使用される文脈を考慮して、「約」は、ある特定の用語のプラスまたはマイナス10%までを意味するであろう。
一般的に「置換された」は、その基に含まれる1つまたは複数の水素原子への結合が非水素原子または非炭素原子への結合によって置き換えられた、以下に定義されるような基(例えば、アルキルまたはアリール基)を指す。置換された基には、1つまたは複数の炭素原子(複数可)または水素原子(複数可)への結合が、二重結合または三重結合を含む1つまたは複数のヘテロ原子への結合によって置き換えられた基が含まれる。よって、置換された基は、別段の指定がない限り、1つまたは複数の置換基で置換されているであろう。いくつかの実施形態において、置換された基は1、2、3、4、5、または6個の置換基で置換されている。置換基の例には、ハロゲン(すなわち、F、Cl、Br、およびI);ヒドロキシル;アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、およびヘテロシクリルアルコキシ基;カルボニル(オキソ);カルボキシル;エステル;ウレタン;オキシム;ヒドロキシルアミン;アルコキシアミン;アラルコキシアミン;チオール;スルフィド;スルホキシド;スルホン;スルホニル;スルホンアミド;アミン;N−オキシド;ヒドラジン;ヒドラジド;ヒドラゾン;アジド;アミド;尿素;アミジン;グアニジン;エナミン;イミド;イソシアネート;イソチオシアネート;シアン酸;チオシアネート;イミン;ニトロ基;ニトリル(すなわち、CN);などが含まれる。
アルキル基には、1〜20個の炭素原子、またはいくつかの実施形態において1〜12、1〜8、1〜6、もしくは1〜4個の炭素原子を有する、直鎖および分枝鎖アルキル基が含まれる。アルキル基には、シクロアルキル基もさらに含まれる。直鎖アルキル基の例には、例えばメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、およびn−オクチル基などの、1〜8個の炭素原子の直鎖アルキル基が含まれる。分枝鎖アルキル基の例には、イソプロピル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、イソペンチル、および2,2−ジメチルプロピル基が含まれるが、これらに限定されない。代表的な置換アルキル基は、例えば先に列挙された置換基などで1または複数回置換されていてもよい。例えば、用語ハロアルキルは、1つまたは複数のハロゲン原子で置換されたアルキル基を指す。
アリール基は、ヘテロ原子を含まない、環状の芳香族炭化水素である。アリール基には、単環系、二環系および多環系が含まれる。よって、アリール基には、フェニル、アズレニル、ヘプタレニル、ビフェニレニル、インダセニル、フルオレニル、フェナントレニル、トリフェニレニル、ピレニル、ナフタセニル、クリセニル、ビフェニル、アントラセニル、インデニル、インダニル、ペンタレニル、およびナフチル基が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、アリール基は、基の環部分に6〜14個の炭素原子、他の実施形態において6〜12または6〜10個の炭素原子までをも含む。語句「アリール基」には縮合環を含む基、例えば縮合芳香族−脂肪族環系(例えば、インダニル、テトラヒドロナフチルなど)が含まれるが、環員の1つに他の基、例えばアルキル基またはハロ基が結合したアリール基は含まれない。むしろ、例えばトリルなどの基は、置換アリール基と呼ばれる。代表的な置換アリール基は、1または複数回置換されていてもよい。例えば、一置換アリール基には、上記したような置換基で置換されていてもよい2、3、4、5、もしくは6置換フェニルまたはナフチル基が含まれるが、これらに限定されない。
アラルキル基は、上記に定義したアルキル基であって、アルキル基の水素または炭素の結合が上記に定義したアリール基との結合に置き換えられている。いくつかの実施形態において、アラルキル基は7〜20個の炭素原子、7〜14個の炭素原子または7〜10個の炭素原子を含む。置換アラルキル基は、基のアルキル、アリールまたはアルキルおよびアリール部分の両方で置換されていてもよい。代表的なアラルキル基には、ベンジルおよびフェネチル基ならびに例えば4−エチル−インダニルなどの縮合(シクロアルキルアリール)アルキル基が含まれるが、これらに限定されない。代表的な置換アラルキル基は、例えば先に列挙された置換基などで1または複数回置換されていてもよい。
文脈に別段の指示がない限り、本明細書で使用する場合、用語「水銀」には、例えば水銀元素、Hg(0)、ならびに、例えばHg(I)および/またはHg(II)化合物などにおいて見られるような、水銀が酸化形態である水銀化合物などの、任意の種類の水銀が含まれる。水銀化合物の例には、塩化水銀(I)、塩化水銀(II)、臭化水銀(I)、臭化水銀(II)、ヨウ化水銀(I)、ヨウ化水銀(II)、硫酸水銀(I)、硫酸水銀(II)、硝酸水銀(I)、酢酸水銀(II)、安息香酸(II)、ヨウ素酸水銀(II)、シアン酸水銀(II)、酸化水銀(II)(赤色酸化水銀(II)および黄色酸化水銀(II)の両方を含む)、硫化水銀(II)、ジフェニル水銀(II)、酢酸フェニル水銀、水酸化フェニル水銀、ジメチル水銀(II)、臭化メチル水銀、塩化メチル水銀などが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用する場合、用語「収着剤」は、例えば吸収プロセスおよび/または吸着プロセスなどの収着プロセスを通して別の物質を取り除くことができる物質を意味する。前記用語には吸着剤および吸収剤が含まれる。収着剤は、その表面か、または例えば細孔、割れ目、もしくはチャネルなどの内部構造中に、別の物質の原子、分子、もしくはイオンを濃縮、結合、捕捉、またはその他の方法で保持できる。用語「炭素収着剤」は、炭素を含む収着剤を意味し、かつ以下にさらに定義するように、活性炭素および活性炭を含む。
用語「収着」は、吸収および/または吸着を指す。収着は、収着剤の外表面における相互作用、ならびに収着剤の細孔またはチャネル内での相互作用を含むことを意図している。用語「収着する」は、吸収するおよび/または吸着する、を意味する。
石炭火力プラントおよびごみ焼却施設からの水銀の捕捉を改善するためのより有望な技術の1つは、炭素収着剤を使用して水銀種を収着することである。最も一般的には、排気ガス流の中に炭素収着剤を直接投入することによって燃焼排気ガスから水銀が除去され、炭素収着剤によって水銀が収着される結果になる。水銀で汚染された炭素収着剤は、下流において、種々の粒子捕捉システムを使用して捕捉される。このような水銀除去技術は、既存の工場インフラ(典型的には、フライアッシュを収集するための粒子捕捉システムを既に適切に有している)と完全に両立できるが、従来の炭素収着剤の燃焼ガスからの水銀の捕捉効率は、要求されるものよりも低い。
実験結果および理論的計算は、例えば塩化水銀(I)(すなわち、HgCl、HgClまたは「カロメル」と呼ばれることもある)などのHg(I)種は炭素収着剤によって効果的に収着されるが、他の酸化数の水銀種、例えばHg(II)およびHg(0)は、自然に炭素収着剤から脱着することを示している。Huggins,F.E.ら、Energy Fuels 1999、13(1)、114〜121およびPadak,B.ら、Carbon 2009、47、2855〜2864。炭素収着剤を使用した水銀除去技術に関して、これらの結果は、水銀の捕捉の改善は、Hg(II)をHg(0)に過剰に還元することなく、一時的に収着したHg(II)種をHg(I)に還元することによって達成し得ることを示す。
酸化形態の水銀は還元剤によって還元できる。塩化水銀(II)の塩化水銀(I)への還元は、以下の化学反応式1に示されており、一般に「エダー反応(Eder's reaction)」と呼ばれる。
2HgCl+C 2− → HgCl+2CO+2Cl (1)
エダー反応において、Hg(II)はシュウ酸陰イオンによって還元されてHg(I)になり、二酸化炭素が生じる。エダー反応の原報によると、還元反応は光によって触媒されるように観察された。続報は、酸化還元反応が金属イオンによってもまた触媒されることを示した。Cartledge,G.H.ら、Journal of the American Chemical Society 1933、55(8)、3214〜3221。さらに、金属触媒反応は昇温条件で非常に効率的であり、75℃において数分間でHg(II)から専らHg(I)を生じさせることが示された。Kimura,M.ら、Journal of Physical Chemistry 1973、77(10)、1262〜1265。
本技術の収着剤組成物は、炭素収着剤の中(または上)でHg(II)が選択的かつ効率的にHg(I)に還元されるような、Hg(II)にとって還元的な環境を有する。そのような還元的環境を有さない従来の炭素収着剤と比べて、Hg(I)に対する炭素収着剤の親和性が大きいために、本収着剤組成物は多量の水銀を収着する。したがって、排流から水銀を除去するための従来の炭素収着剤に対して、本収着剤組成物は改善された能力を発揮する。
一態様によれば、本技術は、少なくとも1つの炭素収着剤、少なくとも1つのオキサレート、および少なくとも1つの遷移金属陽イオンを含む収着剤組成物を提供する。炭素収着剤には、例えば活性炭素、活性炭などの種々の炭素含有物質が含まれる。用語「活性炭素」(および「活性炭」)は、一般に、種々の有機物質(化石燃料、石炭、泥炭、亜炭、木炭、骨、糖、ココナツ、木の実の殻、木、ココヤシなどを含むが、これらに限定されない)を熱分解した後に残る、黒い、固体の炭素を含む物質を指し、熱分解の間または後に活性化プロセスを受けている。有機物質の熱分解は、典型的には約600℃〜約900℃の温度で、しばしば窒素またはアルゴンなどのガスによる不活性雰囲気下で実施される。活性炭素は、明確に規定された物質というよりは、高い炭素含有量および大きな表面積によって特徴付けられる多孔質物質であり、典型的には非晶質の炭素と黒鉛結晶との混合物である。活性化は、例えば分解した有機物質を、化学物質、例えば蒸気、二酸化炭素、金属塩化物(例えば、塩化亜鉛)、リン酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、または硫化カリウムなどに高温で曝露するなどの種々の方法によって実施される。活性化に十分な温度は、一般に約250℃〜約1200℃の範囲である。活性炭素は、ミクロポーラス、メソポーラスおよび/またはマクロポーラスな多孔構造を有してもよい。活性炭素は、数多くの商業的な供給源から、種々の物理的形態(例えば、粉末、顆粒、球状ビーズ、繊維、布、押し出し成形物質およびモノリス物質など)および規格(例えば、表面積、孔径、ヨウ素価、モラセス価(molasses numbers)、メチレンブルー吸着量、脱塩素能、硬度および摩耗値、かさ密度、灰分、粒度分布など)で入手できる。本技術は、活性炭素を含む、いずれの形態の炭素収着剤の使用も意図している。
炭素収着剤は、例えば粉末活性炭素のような粉末形態、または顆粒状活性炭素のような顆粒形態でもよい。炭素収着剤の平均粒径は、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、約10μm、約11μm、約12μm、約13μm、約14μm、約15μm、約16μm、約17μm、約18μm、約19μm、約20μm、約25μm、約30μm、約35μm、約40μm、約45μm、約50μm、約55μm、約60μm、約65μm、約70μm、約75μm、約80μm、約85μm、約90μm、約95μm、約100μm、もしくは100μm超であるか、またはこれらの任意の2つの値の間およびそれらの値を含む範囲に入ってもよい。いくつかの実施形態において、炭素収着剤は活性炭素である。いくつかの実施形態において、炭素収着剤は粉末である。いくつかの実施形態において、炭素収着剤の平均粒径は約1μm〜約20μmである。他の実施形態において、炭素収着剤の平均粒径は約6μm〜約15μmである。いくつかの実施形態において、炭素収着剤の平均粒径は100μm超である。
本収着剤組成物は、少なくとも1つのオキサレートも含む。用語「オキサレート」は、本技術分野で一般に理解されているように、シュウ酸基、−O−C(O)C(O)−O−、もしくはその前駆体を含む、任意のイオン性または分子性の物質を指す。オキサレートの例には、シュウ酸、C−C20シュウ酸アルキルエステル(例えば、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸モノエチル、シュウ酸ジブチル、シュウ酸ジ−tert−ブチルなど)、C−C14シュウ酸アリールエステル(例えば、シュウ酸ジフェニル、シュウ酸ビス(ペンタフルオロフェニル)、シュウ酸ビス(2,4−ジニトロフェニル)、シュウ酸ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)など)、C−C20シュウ酸アラルキルエステル(例えば、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸フェネチルなど)、シュウ酸アンモニウムもしくはシュウ酸第四級アンモニウム(例えば、シュウ酸ジアンモニウム、シュウ酸ビス(トリエチルアンモニウム)など);シュウ酸アルカリ金属塩(例えば、シュウ酸一ナトリウム、シュウ酸二ナトリウム、シュウ酸一カリウム、シュウ酸二カリウム、シュウ酸一ナトリウムカリウム、シュウ酸二セシウム);シュウ酸アルカリ土類金属塩(例えば、シュウ酸マグネシウム、シュウ酸カルシウム、シュウ酸亜鉛など);以下にさらに規定するようなシュウ酸遷移金属塩(例えば、シュウ酸セリウム(IV)、シュウ酸マンガン(VII)、シュウ酸コバルト(III)、シュウ酸セシウム(III)、シュウ酸ジスプロシウム(III)、シュウ酸エルビウム(III)、シュウ酸ユウロピウム(III)、シュウ酸ガドリニウム(III)、シュウ酸鉄(II)、シュウ酸鉄(III)、シュウ酸ランタン(III)、シュウ酸ルテチウム(III)、シュウ酸ネオジム(III)、シュウ酸ニッケル(II)、シュウ酸サマリウム(III)、シュウ酸スカンジウム(III)など)、または例えば、シュウ酸クロム(III)カリウム、シュウ酸酸化チタンカリウム、シュウ酸鉄(III)アンモニウム、シュウ酸鉄(III)カリウム、シュウ酸ニオブ酸(V)アンモニウム、シュウ酸チタニルアンモニウム、シュウ酸メチルナトリウム、シュウ酸コバルト(III)カリウム(すなわち、トリオキサラトコバルト酸(III)カリウム)などのオキサレートを含むオキサレート種の混合物などが含まれるが、これらに限定されない。本技術は、無水物形態または水和物(例えば、シュウ酸コバルト(III)カリウム三水和物)を含むがこれに限定されない溶媒和物形態の上記のオキサレートの使用をさらに意図する。オキサレート基の前駆体の例には、ハロゲン化オキサリル(例えば、塩化オキサリルなど)および他の活性化されたオキサリル化合物(例えば、シュウ酸ジ(1−ベンゾトリアゾリル)、シュウ酸N,N'−ジスクシンイミジルなど)が含まれるが、これらに限定されない。本収着剤組成物は、1超のオキサレートを含み得る。いくつかの実施形態において、オキサレートはシュウ酸遷移金属塩、例えば、シュウ酸鉄(III)、シュウ酸マンガン(VII)、またはシュウ酸コバルト(III)カリウムである。
本技術の収着剤組成物は、少なくとも1つの遷移金属陽イオンを含む。用語「遷移金属」は、包含的に、原子番号が21〜30、39〜48、57〜80、および89〜103の範囲の元素を意味する。この範囲は、それぞれ57〜71および89〜103であるランタニド系列およびアクチニド系列の元素を含む。本明細書で使用する場合、用語「遷移金属陽イオン」は、正電気を帯びた遷移金属イオンか、遷移金属が正の酸化数を有する遷移金属錯体のどちらかを意味する。用語「酸化数」は、もし遷移金属に結合している全ての配位子が、配位子と遷移金属とで共有している電子対と共に取り除かれた場合に、遷移金属錯体の遷移金属が有するであろう電荷を指す。遷移金属は、酸化数I、II、III、IV、V、VI、VII、またはVIIIを有し得る。よって、当業者によって理解されようが、遷移金属陽イオンは、典型的には遷移金属塩または遷移金属錯体の形態であろう。よって、用語「遷移金属陽イオン」は、錯陰イオン形態(例えば、コバルトが酸化数IIIを有し、かつ3個の2価陰イオンのシュウ酸配位子が結合している[Co(オキサラト)3−)の遷移金属陽イオンも含む。本収着剤組成物は、1超の遷移金属陽イオンを含み得る。収着剤組成物中に1超の遷移金属陽イオンが存在する場合、遷移金属陽イオンの酸化数は同じであるかまたは異なってもよい。いくつかの実施形態において、遷移金属陽イオンは鉄、マンガン、またはコバルトの陽イオンである。いくつかの実施形態において、遷移金属の酸化数はIIIまたはVIIである。いくつかの実施形態において、遷移金属陽イオンは1つまたは複数のFe(III)、Mn(VII)、またはCo(III)である。
遷移金属陽イオンは、例えば共有結合もしくはイオン結合を介して、オキサレートに結合しているか、または結合していなくてもよい。遷移金属陽イオンがオキサレートに結合している場合、そのような物質は本明細書において「シュウ酸遷移金属塩」と呼ばれる。シュウ酸遷移金属塩の例には、上述したものが含まれるが、これらに限定されない。本収着剤組成物は、1超の遷移金属陽イオンおよび1超のオキサレートを含んでもよく、シュウ酸遷移金属塩になる時に、前記オキサレートがいずれかのもしくは全ての遷移金属陽イオンと結合してもよくまたは結合しなくてもよい。例えば、収着剤組成物はシュウ酸鉄(III)および塩化鉄(III)ならびにシュウ酸を含んでもよい。さらなる例として、収着剤組成物は、硝酸トリス(エチレンジアミン)コバルト(III)、塩化鉄(III)、およびシュウ酸アンモニウムを含んでもよい。いくつかの実施形態において、オキサレートおよび遷移金属陽イオンは、シュウ酸遷移金属塩である。このようないくつかの実施形態において、オキサレートおよび遷移金属陽イオンは、シュウ酸鉄(III)、シュウ酸マンガン(VII)、またはシュウ酸コバルト(III)カリウムである。
先に記述したように、遷移金属陽イオンは、オキサレートと共に、Hg(II)からHg(I)への還元を触媒することができる。したがって、遷移金属陽イオンは触媒量で存在してもよいが、それが必要なわけではない。例えば、シュウ酸鉄(III)を含む本技術の収着剤組成物は、Hg(II)からHg(I)への還元に有効であろうが、例えばシュウ酸アンモニウムなどのオキサレートおよび触媒量の鉄(III)陽イオン、例えば塩化鉄(III)などを含む本技術の異なる収着剤組成物もまた、Hg(II)からHg(I)への還元に有効となり得る。言い方を変えれば、遷移金属陽イオンの量は、収着剤組成物中のオキサレートの量に依存し得るが、それが必要なわけではない。
収着剤組成物の全重量に対するオキサレートの重量パーセントは変化することがある。収着剤組成物の全重量に対するオキサレートの量は、約0.01重量%、約0.05%、約0.1重量%、約0.5重量%、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、またはこれらの任意の2つの値の間およびそれらの値を含む範囲でもよい。いくつかの実施形態において、収着剤組成物の全重量に対するオキサレートの量は、約0.1重量%〜約10重量%または約0.5重量%〜約2重量%である。
オキサレートおよび遷移金属陽イオンは、収着剤組成物上または中のどのような部分に存在してもよい。例えば、オキサレートおよび遷移金属陽イオンは、収着剤組成物の表面および/または収着剤組成物の内部、例えば細孔またはチャネルなどに存在してもよい。オキサレートおよび遷移金属陽イオンは、それぞれ収着剤組成物の異なる部分に存在してもよい。いくつかの実施形態において、オキサレートおよび遷移金属陽イオンの少なくとも1つは、収着剤の表面に存在する。他の実施形態において、オキサレートおよび遷移金属陽イオンの少なくとも1つは、収着剤組成物の内部に存在する。いくつかの実施形態において、オキサレートおよび遷移金属陽イオンは、収着剤組成物の表面だけに存在する。他の実施形態において、オキサレートおよび遷移金属陽イオンは、収着剤組成物の内部だけに存在する。いくつかの実施形態において、オキサレートおよび遷移金属陽イオンは、収着剤組成物の表面と内部の両方に存在する。
本技術は、上記した任意の収着剤組成物の製造方法を提供する。一態様において、方法は、炭素収着剤、オキサレート、および遷移金属陽イオンを接触させて、収着剤組成物を形成することを含む。炭素収着剤、オキサレート、および遷移金属陽イオンは、先に記述されたいずれのものでもよい。いくつかの実施形態において、炭素収着剤、オキサレート、および遷移金属陽イオンの接触は、例えばボールミル粉砕または機械的混合などによって、固相で実施される。これに関して、構成要素は液体または溶媒の不存在下で接触させる。このようないくつかの実施形態において、遷移金属陽イオンおよびオキサレートはボールミル粉砕して粒径約200nmにされ、かつ炭素収着剤と機械的に混合される。オキサレートおよび遷移金属陽イオンは、炭素収着剤の表面に付着し得る。
他の実施形態において、炭素収着剤、オキサレート、および遷移金属は、液体中で接触させる。本明細書で使用する場合、用語「液体」は、当業者によって理解されようが、標準の圧力および温度(STP)で液体である任意の物質を指す。適当な液体には、水、有機溶媒、またはこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。適当な有機溶媒の種類の例には、アルコール、エーテル、グリコールエーテル、ケトン、アミド、ニトリル、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、またはこれらの任意の2つ以上の混合物が含まれるが、これらに限定されない。有機溶媒の具体的な例には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、モノグリム、ジグリム、アセトン、2−ブタノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、アセトニトリル、ヘキサン、イソオクタン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルムなどが含まれる。液体が水と有機液体との混合物である場合、混合物は均質または不均質でもよい。水、有機溶媒、またはそれらの混合物は、場合により追加の溶質を含んでもよく、溶質には遷移金属陽イオン、オキサレート、および/またはシュウ酸遷移金属塩が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、液体は水溶液である。いくつかの実施形態において、液体はオキサレートおよび/または遷移金属陽イオンを含む。いくつかの実施形態において、遷移金属陽イオンは、1つまたは複数のFe(III)、Mn(VII)、またはCo(III)である。いくつかの実施形態において、液体はシュウ酸遷移金属塩を含む。
炭素収着剤、オキサレート、および遷移金属陽イオンは、多数の異なる方法を使用して、液体中で接触させることができる。遷移金属陽イオンおよびオキサレートは、一緒にシュウ酸遷移金属塩の形態で、液体に溶解して(例えば水に溶解して水溶液を形成させる)、炭素収着剤を加えてもよい。シュウ酸遷移金属塩を炭素収着剤の中および/または上に収着して、収着剤組成物をもたらすであろう。このような方法は、実施例1に記述されている。遷移金属陽イオンおよびオキサレートは、別々に、炭素収着剤を含む液体に加えてもよい。所与のシュウ酸遷移金属塩が溶解性に乏しい場合、代替の接触方法を採用してもよい。例えば、オキサレートか遷移金属陽イオンのどちらかが炭素収着剤に収着されるように、オキサレートか遷移金属陽イオンのどちらかを含む第1の液体に炭素収着剤を接触させてもよい。次に、オキサレートか遷移金属陽イオンのどちらかを含む炭素収着剤を、炭素収着剤が遷移金属陽イオンまたはオキサレートを収着して収着剤組成物を形成するように、それぞれ遷移金属陽イオンかオキサレートのどちらかを含む第2の液体と接触させてもよい。これに関して、遷移金属陽イオンおよびオキサレートは、沈降反応によって反応し、収着剤組成物の上および/または中にシュウ酸遷移金属塩を形成し得る。
いくつかの実施形態において、製造方法は、収着剤組成物を液体から分離することをさらに含む。これに関して、炭素収着剤、オキサレート、および遷移金属陽イオンを液体中で接触させた後、こうして形成された収着剤組成物は、典型的には、不均質な混合物の形態、すなわち、液体存在下の収着剤組成物(典型的には不溶性)であろう。収着剤組成物は、例えば遠心分離、デカント、ろ過、留去など、当技術分野で一般に知られている技術のいくつかを使用して、液体から分離し得る。そのような技術の2つ以上の組み合わせも使用し得る。例えば、収着剤組成物をろ過し、続いて加熱、減圧下、または両方によって乾燥してもよい。収着剤組成物を、液体を留去することによって不均質な混合物から分離する場合、液体を蒸発させるのに十分な温度および圧力で不均質な混合物を加熱してもよい。不均質な混合物は、液体の沸点以下までの温度に加熱するかまたは室温付近、約30℃、約40℃、約50℃、約60℃、約70℃、約80℃、約90℃、約100℃、もしくは100℃超の温度に加熱してもよい。不均質な混合物を、液体を留去するために減圧下でさらに加熱して、収着剤組成物を形成し得る。これに関して、不均質な混合物は、約760mmHg、約700mmHg、約600mmHg、約500mmHg、約400mmHg、約300mmHg、約200mmHg、約100mmHg、約50mmHg、約25mmHg、約10mmHgの圧力、もしくは10mmHg未満の圧力またはこれらの任意の2つの値の間およびそれらの値を含む圧力で加熱してもよい。
いくつかの実施形態において、製造方法は、収着剤組成物を乾燥することをさらに含む。収着剤組成物は、収着剤組成物を乾燥するのに十分な温度、圧力、および時間で加熱してもよい。収着剤組成物は、もし接触させるステップで液体を使用した場合、液体の沸点以下までの温度で乾燥してもよく、または室温付近、約30℃、約40℃、約50℃、約60℃、約70℃、約80℃、約90℃、約100℃、もしくは100℃超の温度で乾燥してもよい。収着剤組成物は、約760mmHg、約700mmHg、約600mmHg、約500mmHg、約400mmHg、約300mmHg、約200mmHg、約100mmHg、約50mmHg、約25mmHg、約10mmHgの圧力、もしくは10mmHg未満の圧力、またはこれらの任意の2つの値の間およびそれらの値を含む圧力で乾燥してもよい。収着剤組成物は、約1時間、約4時間、約8時間、約16時間、約1日、約2日、約3日、もしくは3日超、またはこれらの任意の2つの値の間およびそれらの値を含む範囲の時間、乾燥してもよい。
本技術の収着剤組成物は、ガス状および液状の排流から金属を減少させるまたは除去するために使用し得る。そのような金属には、Hg(0)、Hg(I)、および/またはHg(II)を含む種々の形態の水銀の全てが含まれる。一態様において、本技術は、Hg(II)化合物を含むガスを収着剤組成物と接触させることを含む方法を提供し、前記収着剤組成物は炭素収着剤、オキサレートおよび遷移金属陽イオンを含む。これに関して、収着剤組成物はHg(II)をHg(I)に還元し、それによってガスからの水銀収着の向上を可能にする。
本技術の収着剤組成物は、水銀を含む任意のガスから水銀を収着するために使用し得る。水銀を含むガスは、一般にごみ焼却炉、石炭火力プラント、ならびに有機物質を燃焼させるその他の産業によって、例えば化石燃料の燃焼、化石燃料の改質および化石燃料のガス化などを通して生じる。いくつかの実施形態において、ガスは煙道ガスである。本明細書で使用する場合、用語「煙道ガス」は、石炭、油、天然ガスなどの燃焼を含むが、これらに限定されない任意の種類の燃焼プロセスからの排気ガスを指す。水銀種を含むことに加えて、煙道ガスは、典型的には例えばSO、SO、HCl、NO(例えば、NO、NO)、水などのガスを含む。
従来の水銀除去システムにおいては、水銀は、煙道ガスおよびその他のガスから活性炭素を使用して除去される。1つの代表的なプロセスにおいて、粉末活性炭素を煙道ガス流の中に直接投入し、そこでガス状の水銀種を収着する。次いで、水銀で汚染された活性炭素は、バグフィルター(すなわち、織布フィルター)、静電集塵装置(ESP)、湿式もしくは乾式スクラバー、またはハイブリッドシステムなどの、下流の微粒子抑制装置の中に集められる。バグフィルター法において、織布のフィルターバッグが粉末活性炭素を分離および収集するために使用される。織布のフィルターバッグは、慣性力収集、遮断、ブラウン運動、および静電力などの種々の機構を通して粉末活性炭素(およびフライアッシュなどの他の粒子)が集まる表面を提供する。織布のフィルターバッグは、機械的振動バグハウス、逆流バグハウス、およびリバースジェットバグハウスを含む種々のタイプのバグハウスで使用され得る。水銀で汚染された活性炭素は、静電集塵装置で収集してもよい。静電集塵装置は、汚染された活性炭素および他の塵粒を煙道ガスおよび他のガスから分離するために静電力を使用する。静電集塵装置の場合、粒子で汚染された煙道ガスは、複数の放電・収集電極を通して流れ、そこでイオン化場を通過するように粒子が帯電させられる。次いで、帯電した粒子は、接地されたまたは静電気を帯びた電極に引きつけられる。電極上に収集された粒子状物質は、収集電極を叩くか、または振動させることによって除去される。最後に、別の代表的なプロセスにおいて、顆粒状活性炭素のベッドを含む固定床反応装置を使用して、煙道ガスから水銀を除去してもよい。ガス流への粉末活性炭素の直接投入とは異なり、顆粒状活性炭素の物理的位置は、このような水銀除去システム中に固定されている。
本明細書に記述された任意の収着剤組成物は、水銀を収着するために従来の炭素収着剤を使用する上記の水銀除去システムまたは他の任意の水銀除去システムに使用し得る。直接投入用途における本収着剤組成物の使用は、水銀の放出量の削減に特に有利である。特に、固定床反応装置における炭素収着剤の滞留時間(接触時間は数分または数時間)と比較して、水銀を含むガス流の中に投入した炭素収着剤の滞留時間は相対的に短く(ガスと固体の接触時間は数秒)、よって炭素収着剤がガス流から水銀を効率的に除去することが要求される。本収着剤組成物の還元特性、およびその結果改善された収着能は、こうした効率的な水銀除去を可能にする。本技術の収着剤組成物は、約1秒、約5秒、約10秒、約30秒、約1分、約5分、約10分、約30分、約1時間、約5時間、約10時間、約1日、約3日、もしくは3日超、またはこれらの任意の2つの値の間およびそれらの値を含む範囲の時間、ガスと接触させ得る。
本収着剤組成物は、ガスから水銀を除去するのに十分な量で水銀を含むガスに曝露される。所定の体積のガスに接触させる収着剤組成物の量は変化することがある。ガスの体積は、一般に百万実立方フィート、MMacfで表され、「実」は、標準状態(STP)におけるガスの体積ではなく、ガスの実際の体積を指す。収着剤組成物は、約0.1lb(ポンド)/MMacf、約0.5lb/MMacf、約1lb/MMacf、約5lb/MMacf、約10lb/MMacf、約25lb/MMacf、約50lb/MMacf、約75lb/MMacf、約100lb/MMacf、約125lb/MMacf、約150lb/MMacf、約175lb/MMacf、約200lb/MMacf、約225lb/MMacf、約250lb/MMacf、約275lb/MMacf、もしくは約300lb/MMacf、またはこれらの任意の2つの値の間およびそれらの値を含む範囲の割合でガス中に投入してもよい(または他の方法、例えば固定床反応装置などでガスに接触させる)。いくつかの実施形態において、収着剤組成物は、約0.5lb/MMacf〜約200lb/MMacfの割合でガス中に投入される。
本収着剤組成物によるHg(II)からHg(I)への還元は、例えば、煙道または他の燃焼排気ガスにおいて通常遭遇するような昇温条件(例えば、約100℃以上の温度)で、反応速度論的に有利であろう。エントロピーが還元反応を通じて大きく増加するため、還元は熱力学的にも有利である。よって、ガスからの水銀の収着は、より高い温度で有利である。本技術の収着剤組成物は、収着剤組成物の実質的な分解を招くことのない任意の温度で、ガスと接触させ得る。収着剤組成物は、室温付近、約30℃、約40℃、約50℃、約60℃、約70℃、約80℃、約90℃、約100℃、約125℃、約150℃、約175℃、約200℃、約225℃、約250℃、約275℃、約300℃、約325℃、約350℃、約375℃、約400℃、もしくは400℃超、またはこれらの任意の2つの値の間およびそれらの値を含む温度で、ガスと接触させ得る。いくつかの実施形態において、収着剤組成物の接触は、約50℃〜約350℃の温度で実施される。ある特定の実施形態において、収着剤組成物とガスとの接触は、約150℃〜約200℃の温度で実施される。
収着剤組成物をHg(II)化合物を含むガスと接触させた後、収着剤組成物は、先に記述された任意の微粒子抑制装置で収集し得る。いくつかの実施形態において、方法は、静電集塵法、バグフィルター法、または両方によって、ガスから収着剤組成物を捕捉することをさらに含む。
Hg(0)の形態の水銀がガス中に存在し得る。このような金属水銀は、本技術分野で知られている種々の触媒、例えば米国特許第7,776,780号に記述されているようなIrおよびIr/Pt触媒を用いてHg(II)に酸化され得る。さらに、金属水銀は、本技術分野で知られている種々の選択的触媒還元(SCR)触媒を用いて、Caoら、Energy&Fuels 2007、21、145〜156によって記述されているのと同様の方法で、Hg(II)に酸化され得る。ガス中に存在するHg(0)をHg(II)に酸化することによって、Hg(II)を収着可能なHg(I)に選択的かつ効率的に還元する本収着剤組成物は、追加の水銀をガスから除去し得る。よって、いくつかの実施形態において、方法は、ガス中に存在するHg(0)を酸化することをさらに含む。
収着剤組成物と接触させた後のガス(「処理済みガス」)は、収着剤組成物と接触させる前のガス(「未処理ガス」)よりも、水銀が低濃度になり得る。水銀濃度の減少は、一般に任意の減少となり得る。濃度の低下の例は、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、およびこれらの任意の2つの値の間の範囲でもよい。理想的状態では、減少は100%となり得る、すなわち、処理済みガスは検出可能な濃度の水銀を含まない。
上記の水銀の除去または減少のための方法は、概してガス状の排流について記述されているが、本明細書に記述された任意の収着剤組成物は、例えば液体などの他の流体から水銀を除去するために使用し得ることを、当業者は理解するであろう。例えば、収着剤組成物は、水または水溶液から、Hg(II)を含む種々の形態の水銀を除去するために使用し得る。
このように概説した本技術は、以下の実施例を参照することによって、より容易に理解されるであろう。実施例は例示のために提供されたものであり、本技術を限定することを意図するものではない。
オキサレート収着剤組成物の調製
シュウ酸コバルト(III)カリウム三水和物を、それ以上のシュウ酸コバルト(III)カリウム三水和物が溶解しなくなるまで水に溶解することにより、シュウ酸コバルト(III)カリウム三水和物の飽和水溶液を調製する。活性炭(100g、DARCO(登録商標)FGD、粉末活性炭素、約325メッシュ(約44μm)、Norit Americas,Inc.,Mashall,TXから入手可能)を、この溶液1Lに添加する。混合物を室温で24時間撹拌し、次にろ過して、シュウ酸コバルト(III)カリウムを収着している湿った活性炭を形成する。湿った物質を真空下で乾燥して残存する水を除去し、乾燥したオキサレート収着剤組成物を秤量することにより、シュウ酸コバルト(III)カリウムのローディングレベルを算出する。上記の手順で使用するシュウ酸コバルト(III)カリウムおよび/または活性炭の量を調節することにより、シュウ酸コバルト(III)カリウムのローディングレベルを変化させ得る。
オキサレート収着剤組成物の代替的調製
水(200g)中の、高速で撹拌している活性炭混合物(100g、DARCO(登録商標)FGD、粉末活性炭素、約325メッシュ)にシュウ酸コバルト(III)カリウム三水和物(49.4g、100mmol)を添加する。24時間後、混合物をろ過し、シュウ酸コバルト(III)カリウムを収着している湿った活性炭を形成する。湿った物質を集め、真空下で乾燥して残存する水を除去し、オキサレート収着剤を秤量することにより、シュウ酸コバルト(III)カリウムのローディングレベルを算出する。上記の手順で使用するシュウ酸コバルト(III)カリウムおよび/または活性炭の量を調節することにより、シュウ酸コバルト(III)カリウムのローディングレベルを変化させ得る。この手順は、他のオキサレート(例えば、シュウ酸、シュウ酸ナトリウム、シュウ酸鉄(III)など)を使用することにより改変し得る。
煙道ガスからのHg(I)の吸収
実施例1または2からのオキサレート収着剤を、約150〜200℃で、およそ1lb/MMacfの比率で、静電集塵装置またはバグハウスフィルターの上流の煙道ガス中に投入する。Tekran(登録商標)Series 3300 mercury measurement systemを使用して水銀をモニターし、オキサレート収着剤が除去する水銀の割合が、対応するオキサレート抜きの収着剤よりも、全体的により多いことを確認する。
等価物
本明細書で例示的に記述された実施形態は、本明細書に具体的な開示はないが、任意の構成要素または構成要素(複数)、限定または限定(複数)がなくても適切に実施し得る。よって、例えば、用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含む(containing)」などは、拡張的かつ非限定的に解釈すべきである。加えて、本明細書で用いられる用語および表現は、限定ではなく、記述のための語句として使用されており、そしてそのような用語および表現の使用には、そこで示されかつ記述された特徴またはその部分のどのような等価物も排除する意図はなく、一方で特許請求された技術の範囲内において種々の変更が可能であることが認識される。さらに、用語「から本質的になる(consisting essentially of)」は、具体的に列挙された構成要素および特許請求された技術の基本的および新規な特徴に実質的に影響を与えない追加の構成要素を含むと理解されるであろう。用語「からなる(consisting of)」は、特定されていない任意の構成要素を除外する。
本開示は、本出願に記述された特定の実施形態によって限定されず、それらは種々の態様の例示を意図している。当業者には明らかなように、開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、多くの変更および変形を行うことが可能である。本明細書において列挙されたものに加えて、開示の範囲内の機能的に等価な組成物、装置および方法が、上記の記述から当業者には明らかであろう。そのような変更および変形は、添付の特許請求の範囲の範囲内に入ることを意図している。本開示は、特許請求の範囲に権利付与される等価範囲の全てに加えて、添付の特許請求の範囲の用語によってのみ限定される。本開示は、特定の方法、試薬、化合物 組成物または生物系に限定されず、それらは当然に異なり得ると理解すべきである。また、本明細書における用語は、特定の実施形態を記述するためのみ使用され、限定を意図するものではないことも理解されるべきである。
さらに、開示の特徴または態様がマーカッシュグループによって記述されている場合、それによって開示がマーカッシュグループの任意の個々のメンバーまたはメンバーのサブグループによっても記述されていることを、当業者は理解するであろう。
当業者によって理解されようが、任意および全ての目的のために、特に記述の提供に関して、本明細書で開示される全ての範囲は、任意のおよび全ての可能なサブレンジならびにそれらのサブレンジの組み合わせをも包含する。列挙された任意の範囲は、その範囲を少なくとも2分の1、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに等しく分割することを十分に記述し、かつ実施可能にしているものと容易に認識できる。非限定的な例として、本明細書で論じる各範囲は、下部3分の1、中部3分の1、上部3分の1などにたやすく分割し得る。当業者には同様に容易に理解できるであろう通り、「まで(up to)」、「少なくとも(at least)」「超える(greater than)」、「未満(less than)」などの言葉は、列挙された数字を含み、かつ上記したようにその後にサブレンジに分割できる範囲も指す。最後に、当業者には理解できるであろう通り、範囲は個々の数字それぞれを含む。
ある特定の実施形態が例示および記述されているが、下記の特許請求の範囲に規定されているようなより広い態様の技術から逸脱することなく、当技術分野の通常の技術に従ってそれらを変更および改変し得ることを理解されたい。

Claims (23)

  1. 水銀を除去するための収着剤組成物であって、
    少なくとも1つの炭素収着剤、少なくとも1つのオキサレート、および、少なくとも1つの遷移金属陽イオンを含み、
    遷移金属陽イオンが、Co陽イオンである、
    収着剤組成物。
  2. 炭素収着剤が活性炭素を含む、
    請求項1に記載の収着剤組成物。
  3. オキサレートおよび遷移金属陽イオンがシュウ酸遷移金属塩である、
    請求項1に記載の収着剤組成物。
  4. シュウ酸遷移金属塩がシュウ酸コバルト(III)カリウムである、
    請求項3に記載の収着剤組成物。
  5. オキサレートの量が、収着剤組成物の全重量に対して0.1重量%〜10重量%である、
    請求項1に記載の収着剤組成物。
  6. 水銀を除去するための方法であって、
    水銀化合物を含むガスを、少なくとも1つの炭素収着剤、少なくとも1つのオキサレート、および、少なくとも1つの遷移金属陽イオンを含む収着剤組成物と接触させること、
    を含み、
    遷移金属陽イオンが、Co陽イオンである、
    方法。
  7. 炭素収着剤が活性炭素を含む、
    請求項6に記載の方法。
  8. オキサレートおよび遷移金属陽イオンがシュウ酸遷移金属塩である、
    請求項6に記載の方法。
  9. シュウ酸遷移金属塩がシュウ酸コバルト(III)カリウムである、
    請求項8に記載の方法。
  10. 収着剤組成物中のオキサレートの量が、収着剤組成物の全重量に対して0.1重量%〜10重量%である、
    請求項6に記載の方法。
  11. 接触が50℃〜350℃で実施される、
    請求項6に記載の方法。
  12. 収着剤組成物が、8×10−6kg/m〜3.2×10−3kg/mの割合でガス中に投入される、
    請求項6に記載の方法。
  13. 静電集塵法、バグフィルター法、または両方によって、ガスから収着剤組成物を捕捉することをさらに含む、
    請求項6に記載の方法。
  14. ガスが煙道ガスを含む、
    請求項6に記載の方法。
  15. 煙道ガスが石炭火力プラントまたはごみ焼却炉からのものである、
    請求項14に記載の方法。
  16. 水銀を除去するための収着剤組成物の製造方法であって、
    炭素収着剤、オキサレート、および、遷移金属陽イオンを接触させて収着剤組成物を形成すること、
    を含み、
    遷移金属陽イオンが、Co陽イオンである、
    製造方法。
  17. 液体中で接触させる、
    請求項16に記載の方法。
  18. 液体が水溶液である、
    請求項17に記載の方法。
  19. 液体不存在下で接触させる、
    請求項16に記載の方法。
  20. オキサレートおよび遷移金属陽イオンがシュウ酸遷移金属塩である、
    請求項16に記載の方法。
  21. シュウ酸遷移金属塩がシュウ酸コバルト(III)カリウムである、
    請求項20に記載の方法。
  22. 液体から収着剤組成物を分離することをさらに含む、
    請求項17に記載の方法。
  23. 収着剤組成物を乾燥することをさらに含む、
    請求項17に記載の方法。

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