JP5825475B2 - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

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本発明は、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に液体としてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
液体を吐出する液体噴射ヘッドの代表例として、インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドが挙げられる。インクジェット式記録ヘッドとしては、例えば、液体が貯留されるマニホールドを有し、該マニホールドに連通する圧力発生室にインクを取り込み、圧電素子などの圧力発生手段で該圧力発生室を変形させて、ノズルから液体を吐出させるヘッド本体を備えたものが知られている。
このようなインクジェット式記録ヘッドには、マニホールド内の圧力変化を吸収するコンプライアンス基板と、該コンプライアンス基板の変形を阻害しない程度の空間であるコンプライアンス空間とが設けられている。そして、コンプライアンス空間を外部に連通させる大気開放路を有するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。コンプライアンス空間が密閉されていると、その内部の圧力の上昇によりコンプライアンス基板が変形しにくくなってしまうが、コンプライアンス空間を外部に連通させることで、コンプライアンス基板の変形を阻害させないことができる。
特開2003−053968号公報
インクに含まれる水分は、蒸発してコンプライアンス基板を透過してコンプライアンス空間に流入する。コンプライアンス空間が外部に連通していると、その傾向は強まる。すなわち、マニホールド内からインクの水分が蒸発し易くなり、その結果、マニホールド内のインクの粘度が増大してしまう。インクの粘度が増大すると、インクの吐出不良や、印刷されたインクの濃度に濃淡差が出るなど、印刷品質が低下してしまう虞がある。
そこで、特許文献1に係るインクジェット式記録ヘッドでは、大気開放路に、高い通路抵抗を有する制御通路を設けることで、水蒸気の通過量を抑制し、コンプライアンス基板から液体が水蒸気となって拡散することを抑えている。
しかしながら、大気開放路内が乾燥していれば、マニホールド内のインクの水分はより蒸発し易くなり、インクの増粘を確実に防止することができない虞がある。また、制御通路を設けるとしても、インクジェット式記録ヘッドの構成や、大気開放路の位置、大きさ、構成などにより、十分な通路抵抗を有する制御通路を設けられない場合もある。
なお、このような問題は、インク以外の液体を噴射する液体噴射装置においても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、液体の増粘を防止して吐出品質が向上した液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、液体が貯留されるマニホールド、該マニホールド内の圧力変化を吸収するコンプライアンス部、及び該コンプライアンス部に対向して設けられたコンプライアンス空間を有し、該マニホールドに連通するノズルから液体を吐出させるヘッド本体と、前記コンプライアンス空間と外部とに連通した空気室と、前記マニホールドに液体を供給する液体流路に連通し、前記マニホールドよりも容積が大きい液体貯留室と、前記液体流路の一部を構成する第1流路を有する第1流路部材と、前記液体流路の一部を構成する第2流路を有する第2流路部材と、前記第1流路部材と前記第2流路部材とに挟持された第3流路部材と、前記第1流路部材と前記第2流路部材とに挟持されて前記第3流路部材の周囲に配置される環状のシール部材とを備え、前記空気室及び前記液体貯留室は、水蒸気が透過可能な樹脂部材で区画され、前記空気室は、前記第1流路部材、前記第2流路部材及び前記シール部材で画成され、前記液体貯留室は、前記第3流路部材と、前記第1流路部材又は前記第2流路部材との間に画成されるとともに、前記第1流路及び前記第2流路に連通し、前記空気室及び前記液体貯留室は、前記第3流路部材と、前記第1流路部材又は前記第2流路部材とを接着する前記樹脂部材である樹脂製接着剤で区画されていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、マニホールド内の液体に含まれる水分の蒸発が抑制され、マニホールド内の液体の増粘が抑制される。この結果、液体の増粘に伴う吐出不良などを抑制することができ、高品質な吐出を行う液体噴射ヘッドを提供することができる。また、流路部材において空気室と液体貯留室とが形成され、液体貯留室からの水蒸気をより確実に空気室に流入させることができる。
また、前記樹脂部材の水蒸気透過率は、前記コンプライアンス部の水蒸気透過率よりも高いことが好ましい。これによれば、より確実に、マニホールド内の液体に含まれる水分の蒸発を抑制することができ、マニホールド内の液体の増粘を一層抑制することができる。
また、前記樹脂部材が前記空気室に露出した面積は、前記コンプライアンス部が前記コンプライアンス空間に面した面積よりも広いことが好ましい。これによれば、より確実に、マニホールド内の液体に含まれる水分の蒸発を抑制することができ、マニホールド内の液体の増粘を一層抑制することができる。
また、前記樹脂部材の前記液体貯留室から前記空気室に至る厚さは、前記コンプライアンス部の厚さよりも薄いことが好ましい。これによれば、より確実に、マニホールド内の液体に含まれる水分の蒸発を抑制することができ、マニホールド内の液体の増粘を一層抑制することができる。
また、前記液体貯留室から前記樹脂部材を透過して前記空気室に流入する水蒸気量が、前記マニホールドから前記コンプライアンス部を透過して前記コンプライアンス空間に流入する水蒸気量よりも多くなるように、前記樹脂部材又は前記コンプライアンス部の水蒸気透過率、表面積及び厚さが設定されていることが好ましい。これによれば、より確実に、マニホールド内の液体に含まれる水分の蒸発を抑制することができ、マニホールド内の液体の増粘を一層抑制することができる。
さらに、本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドを備えることを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、液体の増粘を防止して吐出品質が向上した液体噴射装置が提供される。
上記課題を解決する本発明の他の態様は、液体が貯留されるマニホールド、該マニホールド内の圧力変化を吸収するコンプライアンス部、及び該コンプライアンス部に対向して設けられたコンプライアンス空間を有し、該マニホールドに連通するノズルから液体を吐出させるヘッド本体と、前記コンプライアンス空間と外部とに連通した空気室と、前記マニホールドに液体を供給する液体流路に連通し、前記マニホールドよりも容積が大きい液体貯留室とを備え、前記空気室及び前記液体貯留室は、水蒸気が透過可能な樹脂部材で区画されていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、マニホールド内の液体に含まれる水分の蒸発が抑制され、マニホールド内の液体の増粘が抑制される。この結果、液体の増粘に伴う吐出不良などを抑制することができ、高品質な吐出を行う液体噴射ヘッドを提供することができる。

ここで、前記液体流路の一部を構成する第1流路を有する第1流路部材と、前記液体流路の一部を構成する第2流路を有する第2流路部材と、前記第1流路部材と前記第2流路部材とに挟持された第3流路部材と、前記第1流路部材と前記第2流路部材とに挟持されて前記第3流路部材の周囲に配置される環状のシール部材とを備え、前記空気室は、前記第1流路部材、前記第2流路部材及び前記シール部材で画成され、前記液体貯留室は、前記第3流路部材と、前記第1流路部材又は前記第2流路部材との間に画成されるとともに、前記第1流路及び前記第2流路に連通し、前記空気室及び前記液体貯留室は、前記第3流路部材と、前記第1流路部材又は前記第2流路部材とを接着する前記樹脂部材である樹脂製接着剤で区画されていることが好ましい。これによれば、流路部材において空気室と液体貯留室とが形成され、液体貯留室からの水蒸気をより確実に空気室に流入させることができる。
また、前記樹脂部材の水蒸気透過率は、前記コンプライアンス部の水蒸気透過率よりも高いことが好ましい。これによれば、より確実に、マニホールド内の液体に含まれる水分の蒸発を抑制することができ、マニホールド内の液体の増粘を一層抑制することができる。
また、前記樹脂部材が前記空気室に露出した面積は、前記コンプライアンス部が前記コンプライアンス空間に面した面積よりも広いことが好ましい。これによれば、より確実に、マニホールド内の液体に含まれる水分の蒸発を抑制することができ、マニホールド内の液体の増粘を一層抑制することができる。
また、前記樹脂部材の前記液体貯留室から前記空気室に至る厚さは、前記コンプライアンス部の厚さよりも薄いことが好ましい。これによれば、より確実に、マニホールド内の液体に含まれる水分の蒸発を抑制することができ、マニホールド内の液体の増粘を一層抑制することができる。
また、前記液体貯留室から前記樹脂部材を透過して前記空気室に流入する水蒸気量が、前記マニホールドから前記コンプライアンス部を透過して前記コンプライアンス空間に流入する水蒸気量よりも多くなるように、前記樹脂部材又は前記コンプライアンス部の水蒸気透過率、表面積及び厚さが設定されていることが好ましい。これによれば、より確実に、マニホールド内の液体に含まれる水分の蒸発を抑制することができ、マニホールド内の液体の増粘を一層抑制することができる。
さらに、本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドを備えることを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、液体の増粘を防止して吐出品質が向上した液体噴射装置が提供される。
一実施形態に係る記録装置の概略構成を示す斜視図である。 一実施形態に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 一実施形態に係る記録ヘッドの底面図及び側面図である。 一実施形態に係る記録ヘッドの断面図である。 一実施形態に係る第1流路部材の底面図である。 一実施形態に係る記録ヘッドの要部断面図である。 一実施形態に係るヘッド本体の要部断面図である。 一実施形態に係る大気開放路の平面図及び断面図である。 インク貯留室、空気室等の関係を示す模式図である。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。以下、インクジェット式記録ヘッドは液体噴射ヘッドの一例であり、単に記録ヘッドとも言う。また、インクジェット式記録装置は液体噴射装置の一例である。
図1は、本実施形態に係るインクジェット式記録装置の概略構成を示す斜視図である。インクジェット式記録装置1は、記録ヘッド2を具備する。記録ヘッド2は、インクカートリッジ3とともにキャリッジ4に搭載され、キャリッジ4は、キャリッジ軸9に沿って移動可能に設けられている。
駆動モーター(図示せず)の駆動力が複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ4に伝達されることで、記録ヘッド2を搭載したキャリッジ4はキャリッジ軸9に沿って移動される。
キャリッジ4のキャリッジ軸9に沿う方向の位置は、リニアエンコーダー10によって検出され、検出信号が位置情報として制御部(図示せず)に送信される。これにより、制御部はこのリニアエンコーダー10からの位置情報に基づいてキャリッジ4(記録ヘッド2)の位置を認識しながら、インクの吐出動作等を制御することができる。
また、インクジェット式記録装置1はプラテン5を備えており、紙送り機構8により給紙された紙等の記録媒体である記録シート6がプラテン5に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
図2は、記録ヘッド2の分解斜視図、図3は、記録ヘッド2の底面図及び側面図であり、図4は、図3のA−A線断面図であり、図5は、図3のB−B線断面図であり、図6は、図4の要部を拡大した概略断面図である。
図2〜図4に示すように、本実施形態の記録ヘッド2は、流路部材12と、回路基板13と、ヘッド本体14と、ヘッドカバー15とを備えている。
流路部材12は、インクカートリッジ3からのインクをヘッド本体14に供給する液体流路が形成された部材である。具体的には、流路部材12は、第1流路部材17と、第2流路部材21と、第3流路部材19とが接合されて構成されている。
第1流路部材17は、上面に複数のインクカートリッジ3が着脱可能に取り付けられるインクカートリッジ装着部22を備えている。インクカートリッジ装着部22の底部上面には、装着される各インクカートリッジ3に対応して複数のインク導入針23が形成されている。本実施形態では、4色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)のインクに対応して、4本のインク導入針23が列設されている。
インク導入針23の内部には第1流路24が形成されている。インク導入針23をインクカートリッジ3に挿入することで、第1流路24とインクカートリッジ3内部とが連通される。
また、図5に示すように、第1流路部材17の底面(第2流路部材21側の面)には、インク貯留室95(詳細は後述する)の一部を構成する凹部93が4本形成されている。上述した第1流路24は、各凹部93の一端に開口している。
図2及び図6に示すように、第2流路部材21は、第2流路部材21の厚さ方向に貫通した第2流路29を備えている。第2流路29は、第1流路部材17側に向けて拡径したテーパ形状を有しており、開口部には、フィルター20が配設される。また、第2流路29の回路基板13側は、回路基板13側に突出しており、後述する回路基板13の流路挿通孔34に挿通されている。
図6に示すように、第3流路部材19は、第1流路部材17と第2流路部材21とに挟持されている。第3流路部材19は、第1流路部材17とでインク貯留室95(液体貯留室)を画成する部材である。
インク貯留室95は、液体貯留室の一例であり、液体流路(第1流路24及び第2流路29)に連通し、後述する空気室100とは樹脂製接着剤102で区画された空間である。また、インク貯留室95は、後述するヘッド本体14のマニホールド52よりも容積が大きい。
具体的には、第1流路部材17の各凹部93(図5参照)が第3流路部材19の各凸部94に封止されることでインク貯留室95が画成される。凸部94は、インク貯留室95の一部を構成するものであり、第1流路部材17の各凹部93に対向して4本設けられている(図2参照)。第3流路部材19は、各凸部94の周縁部に塗布された樹脂製接着剤102で第1流路部材17に接着されている。これにより、第1流路部材17の各凹部93の開口は第3流路部材19の各凸部94で封止され、4つのインク貯留室95が形成される。なお、第3流路部材19は第2流路部材21とも接着剤で接着されている。
本実施形態に係るインク貯留室95は、第1流路24と第2流路29の径と略同等の径を有する流路として形成され、当該流路の容積がマニホールド52の容積よりも大きくなっている。
もちろん、液体流路としては、インク貯留室95のような形態に限定されない。例えば、液体流路の途中を拡幅し、その拡幅した部分をインク貯留室としてもよい。また、液体流路の途中から分岐して、マニホールド52よりも容積の大きな空間をインク貯留室としてもよい。
第3流路部材19には、厚さ方向に貫通する連通路27が4つ設けられている。各連通路27は、各凸部94の一端に開口するとともに、第2流路部材21の第2流路29にフィルター20を介して連通している。すなわち、インク貯留室95は、第1流路24及び第2流路29に連通している。なお、フィルター20は、第1流路24内のインクに混入した気抱や異物を捕捉するものである。
このような構成の流路部材12によれば、第1流路24、インク貯留室95及び第2流路29から構成された液体流路にインクカートリッジ3からインクが供給され、当該インクがヘッド本体14に供給される。
図2、図4〜図6に示すように、第1流路部材17と第2流路部材21との間には、シール部材18が挟持されている。シール部材18は、第3流路部材19の外径よりも大きい内径を有し、環状に形成された樹脂等から成る弾性部材である。本実施形態では、第2流路部材21の第1流路部材17側の面にボス(図示せず)が設けられており、このボスが第2流路部材21を貫通した状態で加熱され、かしめられている。これにより、シール部材18は、第1流路部材17と第2流路部材21とから圧力が加えられている。
これらのシール部材18、第1流路部材17及び第2流路部材21により、空気室100が画成されている。この空気室100の詳細については後述する。
図2及び図4に示すように、回路基板13は、表面にIC、抵抗等の電装部品が実装されたものである。回路基板13は、第2流路部材21とヘッド本体14との間に配設されている。
回路基板13は、ヘッド本体14の振動子ユニット45を構成するフレキシブルケーブル33が接合されている。また、回路基板13には、コネクター32が設けられており、図示しない信号ケーブル(図示せず)が接続される。当該信号ケーブルは、インクジェット式記録装置1の制御部に接続される。回路基板13は、当該信号ケーブルを通じて制御部から送られてくる駆動信号等が送信され、フレキシブルケーブル33を介して振動子ユニット45を駆動する。
また、回路基板13には、第2流路29に対応する領域に、厚さ方向に貫通した流路挿通孔34が形成されている。流路挿通孔34には、第2流路29の下端が挿通され、第2流路29の下端は、回路基板13より下方でヘッドケース本体47のインク供給路70(図7参照)に接続される。
図7は、本実施形態に係るヘッド本体の断面図である。図示するように、ヘッド本体14は、流路ユニット39と、ヘッドケース41と圧力発生手段の一例である振動子ユニット45とを具備する。
流路ユニット39は、ノズルプレート49、流路形成基板50、振動板51から構成されている。
流路形成基板50には、各圧力発生室38が隔壁によって区画されてその幅方向に複数並設されている。例えば、本実施形態では、複数の圧力発生室38が並設された列が流路形成基板50に2列設けられている。
各圧力発生室38の列の外側には、各圧力発生室38に供給されるインクを貯留するマニホールド52が、流路形成基板50を厚さ方向に貫通して設けられている。そして、各圧力発生室38とマニホールド52とは、個別流路であるインク供給路53を介して連通している。
このような流路形成基板50は、本実施形態では、シリコン単結晶基板からなり、流路形成基板50に設けられる圧力発生室38等は、流路形成基板50をエッチングすることによって形成されている。
流路形成基板50の一方面側にはノズル36が形成されたノズルプレート49が接合されている。圧力発生室38のマニホールド52とは反対の端部側は、ノズル36に連通している。
また、流路形成基板50の他方面側、すなわち圧力発生室38の開口面側には振動板51が接合され、各圧力発生室38はこの振動板51によって封止されている。そしてこの振動板51上には、圧力発生室38内にインク滴を噴射するための圧力を発生する圧力発生手段である振動子ユニット45が設けられている。振動子ユニット45は、その先端部が振動板51上に当接した状態で固定されている。
振動子ユニット45は、固定板42と該固定板42に固定された圧電素子43と圧電素子43に接合されたフレキシブルケーブル33とから構成されている。圧電素子43は、本実施形態では、圧電材料61と電極形成材料62及び63とを縦に交互にサンドイッチ状に挟んで積層されたものである。この圧電素子43の振動に寄与しない不活性領域が固定板42に固着されている。
ここで、振動子ユニット45の先端が当接する振動板51は、例えば、樹脂フィルム等の弾性部材からなる弾性膜55と、この弾性膜55を支持する、例えば、金属材料等からなる支持板54との複合板で形成されており、弾性膜55側が流路形成基板50に接合されている。
また、振動板51の各圧力発生室38に対向する領域内には、圧電素子43の先端部が当接する島部60が設けられている。すなわち振動板51の各圧力発生室38の周縁部に対向する領域に他の領域よりも厚さの薄い薄肉部58が形成されて、この薄肉部58の内側にそれぞれ島部60が設けられている。
振動板51のマニホールド52に対向する領域には、薄肉部58と同様に、支持板54がエッチングにより除去されて実質的に弾性膜55のみで構成されるコンプライアンス部59が設けられている。コンプライアンス部59の弾性膜55は、例えば、厚さが数μm程度のPPS(ポリフェニレンサルファイド)フィルムなどの樹脂材料から形成されている。インクは、コンプライアンス部59の弾性膜55を透過しないが、インクに含まれる水分が蒸発した水蒸気は透過する。
振動板51には、ヘッドケース41が接合されている。ヘッドケース41は、ヘッドケース本体47と、補強部材48とから構成されている。ヘッドケース本体47は、例えば、エポキシ系樹脂などの樹脂により作製され、中空箱体状のケース部47a(図2参照)と、該ケース部47aの上端において当該ケース部47aから側方に延出した板状部47b(図2参照)とから構成されている。ケース部47aの下面には補強部材48が接着固定されている。ケース部47aの内部には、補強部材48の挿通口40と連通される収容空部46が形成され、この収容空部46内に振動子ユニット45の一部が収容されている。なお、ケース部47aの下面には、補強部材48に対して位置決めされる突起部75が下方に向けて突設されている(図2参照)。
ヘッドケース本体47及び補強部材48には、厚さ方向に貫通した第1大気連通孔71が形成されている。
補強部材48のコンプライアンス部59に対向する部分には、コンプライアンス部59の変形を許容するコンプライアンス空間56が形成されている。このコンプライアンス空間56は第1大気連通孔71を介して空気室100と連通している。詳細は後述するが、コンプライアンス空間56は第1大気連通孔71を介して空気室100と連通し、該空気室100を経由して大気開放されている。これによりコンプライアンス部59がマニホールド52の圧力変化に伴って良好に変形する。
また、ヘッドケース本体47及び補強部材48には、厚さ方向に貫通したインク供給路70が形成されている。インク供給路70は、一端が上述した第2流路29に連通し、他端がマニホールド52に連通している。
このようなヘッド本体14では、インク滴を噴射する際に、振動子ユニット45及び振動板51の変形によって各圧力発生室38の容積を変化させて所定のノズル36からインク滴を噴射させるようになっている。具体的には、図示しないインクカートリッジからマニホールド52にインクが供給されると、流路部材12の液体流路(第1流路24、インク貯留室95、第2流路29)及びインク供給路70を介して各圧力発生室38にインクが分配される。
実際には、振動子ユニット45の圧電素子43に電圧を印加することにより圧電素子43を収縮させる。これにより、振動板51が圧電素子43と共に変形されて圧力発生室38の容積が広げられ、圧力発生室38内にインクが引き込まれる。そして、ノズル36に至るまで内部にインクを満たした後、回路基板13からフレキシブルケーブル33を経由して送信される記録信号に従い、圧電素子43に印加していた電圧を解除する。これにより、圧電素子43が伸張されて元の状態に戻ると共に振動板51も変位して元の状態に戻る。結果として圧力発生室38の容積が収縮して圧力発生室38内の圧力が高まりノズル36からインク滴が噴射される。
図2〜図4に示すように、上述したヘッド本体14には、ヘッドカバー15が取り付けられている。ヘッドカバー15は、ヘッドケース本体47に接続され、流路ユニット39やヘッドケース41を保護する金属製の部材である。このヘッドカバー15は、薄板部材によって作製され、ヘッドケース41の側面を囲うと共に、下端がノズルプレート49側に略90度屈曲してノズルプレート49の表面に当接している。このヘッドカバー15のノズルプレート49の表面に当接する面は、ノズル36を露出するように枠状に形成されている。また、ヘッドカバー15の上端は、側方に向けてフランジ部80が突設され、このフランジ部80には、ヘッドカバー基準穴81が開設されている(図2参照)。このヘッドカバー基準穴81には、ヘッドケース本体47の下面側に突設されたヘッドカバー位置決め部76が挿通され、ヘッドカバー15が位置決めされる。
ここで、図6及び図8を用いて、コンプライアンス空間56が空気室100を介して大気開放される構成について詳細に説明する。図8(a)は、大気開放路を示す平面図であり、図8(b)は図8(a)のA−A線断面図、図8(c)は図8(a)のB−B線断面図、図8(d)は図8(a)のC−C線断面図である。
図8(a)に示すように、シール部材18は、第3流路部材19の外径よりも大きく、環状に形成されている。シール部材18の内側には、第3流路部材19が配設され(図2、図4参照)、第3流路部材19の外周全体を囲んでいる。
図8(b)に示すように、シール部材18の上面側、すなわち第1流路部材17に接合される側の接合面91には、シール部材18の全周に亘って溝部86が形成されている。
図8(a)及び図8(c)に示すように、シール部材18の接合面91には、溝部86を挟んで、上方に突設した内側壁部89及び外側壁部82がそれぞれ両端に形成されている。これらの内側壁部89及び外側壁部82は、シール部材18の全周に亘って設けられている。内側壁部89と外側壁部82との間には、第1流路部材17の接合部17aが収容され、接合面91には接合部17aが当接される。
図8(b)に示すように、内側壁部89は、隔壁部83近傍の一部が切り欠かれて大気入口部84が形成されている。さらに、接合面91には、大気入口部84及び溝部86に接続された入口溝部86aが形成されている。
また、図8(d)に示すように、外側壁部82は、隔壁部83近傍の一部が切り欠かれて大気出口部85が形成されている。さらに、接合面91には、大気出口部85及び溝部86に接続された出口溝部86bが形成されている。
図8(a)に示すように、シール部材18には、内側壁部89と外側壁部82とを連結する隔壁部83が設けられており、入口溝部86aと出口溝部86bとは、隔壁部83を挟んで対向配置されている。
図6に示すように、上述した構成のシール部材18は、第1流路部材17及び第2流路部材21に挟持されている。すなわち、シール部材18の接合面91には、第1流路部材17の接合部17aが接合され、接合面92には、第2流路部材21のシール受け部21aが接合されている。
接合部17aは、第1流路部材17の下面に、シール部材18の形状に合わせて突出し、幅がシール部材18の内側壁部89と外側壁部82との間隔よりも狭く形成されている。この接合部17aがシール部材18の内側壁部89と外側壁部82との間に収容され、接合面91全体に当接している。このとき、溝部86は接合部17aで開口が封止されて大気開放路90が形成されている。
シール受け部21aは、第2流路部材21の第3流路部材19が配置される面に、シール部材18の形状に合わせて突出した領域である。このシール受け部21aが接合面92全体に当接している。
このように第1流路部材17と第2流路部材21とでシール部材18が挟持されることで、これらの部材から空気室100が画成されている。
空気室100は、ヘッド本体14のコンプライアンス空間56に連通している。具体的には、第2流路部材21及び第3流路部材19には、それぞれ、厚さ方向に貫通した第2大気連通孔101及び第3大気連通孔103が設けられている。第2大気連通孔101は、ヘッド本体14のコンプライアンス空間56に連通しており、第3大気連通孔103は、第2大気連通孔101と空気室100に連通している。
さらに、空気室100は、シール部材18に設けられた大気開放路90を介して記録ヘッド2の外部に連通している。
具体的には、図8(a)及び図8(b)に示すように、大気開放路90を構成する入口溝部86aは、大気入口部84に接続しているので、大気開放路90は空気室100に連通している。このため、空気室100の気体は、矢印に示すように入口溝部86aを介して大気開放路90に進入する。
図8(a)及び図8(c)に示すように、大気開放路90は、隔壁部83により分断されているので、気体は、隔壁部83とは反対側に(図中の時計回りに)進む。
図8(a)及び図8(d)に示すように、大気開放路90を構成する出口溝部86bは、大気出口部85に接続しているので、大気開放路90は外部に連通している。このため、矢印に示すように大気開放路90から外部に気体が排出される。
このように、コンプライアンス空間56は、第1大気連通孔71、第2大気連通孔101、第3大気連通孔103を介して空気室100に連通し、さらに大気開放路90を介して記録ヘッド2の外部に連通している。すなわち、コンプライアンス空間56は、大気開放されている。これによりコンプライアンス部59がマニホールド52の圧力変化に伴って良好に変形することができる。
ここで、図6に示すように、第3流路部材19は、樹脂製接着剤102で第1流路部材17及び第2流路部材21に接合されている。樹脂製接着剤102の一部は、インク貯留室95内に露出しており、樹脂製接着剤102の他の一部は、空気室100内に露出している。換言すれば、インク貯留室95は、樹脂製接着剤102により空気室100と区画されている。
樹脂製接着剤102は、インク(液体)を透過させないが、インクに含まれる水分が蒸発した水蒸気やインクに含まれる気泡などの気体を透過させる性質を有する。したがって、インク貯留室95から空気室100には、樹脂製接着剤102を浸透してインクが漏れず、矢印に示すように、インクからの水蒸気が樹脂製接着剤102を透過して空気室100に流入する構成となっている。樹脂製接着剤102としては、例えば、エポキシ系の接着剤などを用いることができる。
このように、インク貯留室95と空気室100と樹脂製接着剤102で区画することにより、マニホールド52内のインクから水分が過剰に蒸発することを防止することができる。図9を用いて、このことを詳細に説明する。
図9は、マニホールド52、コンプライアンス部59、コンプライアンス空間56、インク貯留室95、空気室100の関係を示す模式図である。
同図に示すように、マニホールド52には、ノズル36(図7参照)に供給されるインクが一時的に貯留されている。このインクに含まれる水分は、記録ヘッド2のおかれる環境の湿度や温度により、蒸発する。このインクに含まれる水分は、コンプライアンス空間56内が乾燥しているほど多く蒸発する。そして、蒸発した水分は、コンプライアンス部59を透過してコンプライアンス空間56に流入する。以後、コンプライアンス空間56から空気室100に流入する水蒸気を「水蒸気A」と称する。
一方、空気室100とインク貯留室95とは、樹脂製接着剤102で区画されている。インク貯留室95においても、インクは液体としては樹脂製接着剤102を透過しないが、インクに含まれる水分が蒸発した水蒸気が透過し、空気室100に流入する。以後、インク貯留室95から空気室100に流入する水蒸気を「水蒸気B」と称する。
水蒸気Aは、空気室100及び大気開放路90を経由して外部に放出されることになる。しかし、大気開放路90の手前の空気室100には、水蒸気Bが流入するため、空気室100に流入しようとする水蒸気Aに対する拡散抵抗は大きなものとなる。したがって、水蒸気Aは、それほど多くは空気室100に流入せず、コンプライアンス空間56内に留まる量が多くなる。
この結果、コンプライアンス空間56が水蒸気Aで湿潤した状態が保たれるので、マニホールド52のインクから水分が蒸発することが抑制される。そして、該水分の蒸発によるインクの増粘も抑制される。
なお、水蒸気Bが空気室100に流入するのであるから、インク貯留室95においてインクが増粘するとも考えられる。しかしながら、インク貯留室95の容積は、マニホールド52の容積よりも大きい。すなわち、インク貯留室95に貯留されるインク量は、マニホールド52に貯留されるインク量よりも多い。このため、インク貯留室95において水分が減少することによるインクの増粘の程度は、マニホールド52におけるインクの増粘の程度よりも小さく、ほとんど無視することができる。
ここで、水蒸気Aをコンプライアンス空間56に留まらせ、コンプライアンス空間56を湿潤に保つために、樹脂製接着剤102の水蒸気透過率を、コンプライアンス部59(弾性膜55)の水蒸気透過率よりも高くした構成としてもよい。この構成により、インク貯留室95から空気室100に透過する水蒸気Bを、マニホールド52からコンプライアンス空間56に透過する水蒸気Aよりも多くすることができる。したがって、空気室100には水蒸気Bが多く流入するので、コンプライアンス空間56に水蒸気Aが留まり、コンプライアンス空間56を湿潤に保つことができる。
また、樹脂製接着剤102が空気室100に面した部分の面積を、コンプライアンス部59(弾性膜55)のコンプライアンス空間56に面した部分の面積よりも広くした構成としてもよい。この構成により、インク貯留室95から空気室100に透過する水蒸気Bを、マニホールド52からコンプライアンス空間56に透過する水蒸気Aよりも多くすることができる。したがって、空気室100には水蒸気Bが多く流入するので、コンプライアンス空間56に水蒸気Aが留まり、コンプライアンス空間56を湿潤に保つことができる。
さらに、樹脂製接着剤102のインク貯留室95から空気室100に至る厚さを、コンプライアンス部59(弾性膜55)の厚さよりも薄くした構成としてもよい。この構成により、インク貯留室95から空気室100に透過する水蒸気Bを、マニホールド52からコンプライアンス空間56に透過する水蒸気Aよりも多くすることができる。したがって、空気室100には水蒸気Bが多く流入するので、コンプライアンス空間56に水蒸気Aが留まり、コンプライアンス空間56を湿潤に保つことができる。
このように、樹脂製接着剤102及びコンプライアンス部59の水蒸気透過率、面積及び厚さについて上述したように設定することで、コンプライアンス空間56が湿潤に保たれ、マニホールド52内のインクが増粘することを抑制することができる。
また、例えば、樹脂製接着剤102の水蒸気透過率をコンプライアンス部59の水蒸気透過率よりも低くする。一方、樹脂製接着剤102の空気室100に面した部分の面積を、コンプライアンス部59のコンプライアンス空間56に面した面積よりも十分大きくすることで、空気室100に流入する水蒸気Bが水蒸気Aよりも多くなるようにしてもよい。すなわち、樹脂製接着剤102及びコンプライアンス部59の水蒸気透過率、面積及び厚さの全てについて、上述したように設定する必要はなく、これらを適宜設定して、空気室100に流入する水蒸気Bが水蒸気Aよりも多くなるようにしてもよい。
以上に説明したように、本発明に係る記録ヘッド2は、コンプライアンス空間56から外部へ至る経路中の空気室100に、インク貯留室95内のインクから生じた水蒸気Bを流入させる構成とした。このような構成により、マニホールド52内のインクから生じた水蒸気Aがコンプライアンス空間56に留まり、コンプライアンス空間56は湿潤に保たれる。コンプライアンス空間56が湿潤であるので、マニホールド52内のインクに含まれる水分の蒸発が抑制され、マニホールド52内のインクの増粘が抑制される。この結果、インクの増粘に伴う印刷不良などを抑制することができ、高品質な印刷を行う記録ヘッド2を提供することができる。
なお、上述した実施形態に係る記録ヘッド2では、インク貯留室95、空気室100は、流路部材12に形成されていたが、任意の部材にこれらを形成してもよい。例えば、ヘッド本体14のヘッドケース41にインク貯留室95や空気室100を設けてもよい。
また、インク貯留室95と空気室100とを区画する樹脂部材として、樹脂製接着剤102を用いたが、このような態様に限定されない。例えば、インク貯留室95と空気室100とを、コンプライアンス部59と同様にPPSなどの弾性膜55で区画するような構成としてもよい。
空気室100を外部に連通させる構成として、シール部材18に大気開放路90を設けたが、このような態様に限定されない。例えば、空気室100を画成する第1流路部材17や第2流路部材21に、空気室100を外部に連通させる連通孔を設けてもよい。
圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧力発生手段として、圧電材料61と電極形成材料62,63とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の圧電素子43を例示したが、圧力発生手段は、特にこれに限定されない。例えば、圧電材料61と電極形成材料62,63とを交互に積層させて積層方向の一端部を振動板51に当接させる横振動型の圧電素子を用いるようにしてもよい。
また、圧力発生手段としては、例えば、下電極、圧電材料からなる圧電体層及び上電極を成膜及びリソグラフィー法によって形成した薄膜型の圧電素子を用いてもよく、また、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型の圧電素子を使用することもできる。また、圧力発生手段として、圧力発生室内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズル開口から液滴を吐出するものや、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口から液滴を吐出させるものなども使用することができる。
また、上述したインクジェット式記録装置1では、記録ヘッド2がキャリッジ4に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、記録ヘッド2が固定されて、紙等の記録シート6を副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用することができる。
なお、上記各実施形態においては、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを、また液体噴射装置の一例としてインクジェット式記録装置を挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド及び液体噴射装置全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドや液体噴射装置にも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられ、かかる液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置にも適用できる。
1 インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 2 インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 12 流路部材、 14 ヘッド本体、 17 第1流路部材、 18 シール部材、 19 第3流路部材、 21 第2流路部材、 24 第1流路、 27 連通路、 29 第2流路、 36 ノズル、 38 圧力発生室、 45 振動子ユニット、 52 マニホールド、 56 コンプライアンス空間、 59 コンプライアンス部、 71 第1大気連通孔、 90 大気開放路、 95 インク貯留室、 100 空気室、 101 第2大気連通孔、 102 樹脂製接着剤、 103 第3大気連通孔

Claims (6)

  1. 液体が貯留されるマニホールド、該マニホールド内の圧力変化を吸収するコンプライアンス部、及び該コンプライアンス部に対向して設けられたコンプライアンス空間を有し、該マニホールドに連通するノズルから液体を吐出させるヘッド本体と、
    前記コンプライアンス空間と外部とに連通した空気室と、
    前記マニホールドに液体を供給する液体流路に連通し、前記マニホールドよりも容積が大きい液体貯留室と
    前記液体流路の一部を構成する第1流路を有する第1流路部材と、
    前記液体流路の一部を構成する第2流路を有する第2流路部材と、
    前記第1流路部材と前記第2流路部材とに挟持された第3流路部材と、
    前記第1流路部材と前記第2流路部材とに挟持されて前記第3流路部材の周囲に配置される環状のシール部材とを備え、
    前記空気室及び前記液体貯留室は、水蒸気が透過可能な樹脂部材で区画され
    前記空気室は、前記第1流路部材、前記第2流路部材及び前記シール部材で画成され、
    前記液体貯留室は、前記第3流路部材と、前記第1流路部材又は前記第2流路部材との間に画成されるとともに、前記第1流路及び前記第2流路に連通し、
    前記空気室及び前記液体貯留室は、前記第3流路部材と、前記第1流路部材又は前記第2流路部材とを接着する前記樹脂部材である樹脂製接着剤で区画されている
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 請求項1に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
    前記樹脂部材の水蒸気透過率は、前記コンプライアンス部の水蒸気透過率よりも高い
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  3. 請求項1又は請求項2に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
    前記樹脂部材が前記空気室に露出した面積は、前記コンプライアンス部が前記コンプライアンス空間に面した面積よりも広い
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  4. 請求項1〜請求項の何れか一項に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
    前記樹脂部材の前記液体貯留室から前記空気室に至る厚さは、前記コンプライアンス部の厚さよりも薄い
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  5. 請求項1〜請求項の何れか一項に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
    前記液体貯留室から前記樹脂部材を透過して前記空気室に流入する水蒸気量が、前記マニホールドから前記コンプライアンス部を透過して前記コンプライアンス空間に流入する水蒸気量よりも多くなるように、前記樹脂部材又は前記コンプライアンス部の水蒸気透過率、表面積及び厚さが設定されている
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  6. 請求項1〜請求項の何れか一項に記載する液体噴射ヘッドを備えることを特徴とする液体噴射装置。
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