JP5812968B2 - 電流センサ故障検知装置、電池システム、及び電流センサ故障検知方法 - Google Patents
電流センサ故障検知装置、電池システム、及び電流センサ故障検知方法 Download PDFInfo
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Description
また、電流センサは、充放電の際発生する残留磁気によるヒステリシスが存在するという問題がある。
さらに、電流センサは、大電流用の電流センサは0A近傍の精度が悪く、0A近傍の精度を向上させるためには小電流用の電流センサを必要とする。このように、電流センサは、フルレンジでの精度と0A近傍での精度がトレードオフの関係にある。
充電電流と放電電流とが同じ大きさであるならば、例え精度の高くない電流センサが用いられても、充電電流偏差と放電電流偏差との差は、相殺されて0(零)となるはずである。また、差があったとしても、充放電の際発生する残留磁気によるヒステリシスに起因するものであり、事前に電流センサを較正することでヒステリシスの影響を小さくできる。このため、充電電流偏差と放電電流偏差との差が許容誤差を超える場合とは、電流センサに異常が発生し、正しく電流を計測できない状態となっている可能性が高い。
さらに、本構成は、充電電流偏差と放電電流偏差とを相殺することで、電流センサによる誤差を実質的に小さくできるので、精度の高くない電流センサを用いてもSOCを高い精度で計測できる。
従って、本構成は、電流センサを用いてより精度高く蓄電容量を計測することができる。
そして、較正用回路60は、スイッチ62A,62Dを閉じる一方、スイッチ62B,62Cを開くことでa方向に電流が流れる。また、較正用回路60は、スイッチ62A,62Dを開く一方、スイッチ62B,62Cを閉じることでa方向と逆向きのb方向に電流が流れる。
そして、電流センサ24は、電流センサ24単体性能による充電偏差と放電偏差と、BMS18の計測回路単体が持つアナログ回路のバラつきと共に、較正用回路60に流れる異なる向きの電流の計測結果に基づいて、充放電の際発生する残留磁気によるヒステリシスの影響をキャンセルするように予め較正される。
また、BMS18は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random
Access Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記録媒体等に記録されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。
図5に示されるように、充放電均等運転時間L1は、二次電池12が充電されて放電されるまでを1サイクルとし、それが基準運転時間内において1回以上行われた時間である。充放電不均等運転時間L2は、充電又は放電が行われたものの、1サイクルに至らなかった時間、すなわち、基準運転時間と充放電均等運転時間L1との差である。通常、充放電不均等運転時間L2は充放電均等運転時間L1に比べて非常に短い。
なお、図5において、充電電流(+100A)近傍の斜線で示される領域が、充電電流偏差xを示し、放電電流(−100A)近傍の斜線で示される領域が、放電電流偏差yを示す。
この場合、1回の充放電サイクルは下記(2)式から求められる。なお、下記(2)式で2が乗算されている理由は、1サイクルで充電と放電とが行われるためである。
そして、算出された充放電サイクル数の小数点以下が、充放電不均等運転時間L2に相当する。すなわち、基準運転時間である4時間における充放電不均等運転時間L2は、0.08サイクルに1サイクルの時間である0.495[h]を乗算した0.04[h]となる。
一方、充放電均等運転時間L1は、基準運転時間と充放電不均等運転時間L2との差であるため、3.96[h]となる。
この理由は、異常判定処理によって、充電電流偏差と放電電流偏差とが相殺(キャンセル)されることで、電流センサ24による誤差を実質的に小さくできるためである。このため、例えば、許容SOC誤差が5%であっても計測誤差が7%の電流センサ24を用いることもでき、精度の高くない電流センサ24を用いてもSOCを高い精度で計測できることとなる。
12 二次電池
18 BMS
24 電流センサ
60 較正用回路
72 電流偏差算出部
74 充放電サイクル時間算出部
76 異常判定部
Claims (6)
- 充放電可能な二次電池に流れる電流を計測する電流センサの故障を検知する電流センサ故障検知装置であって、
前記二次電池を、充電電流及び放電電流の平均絶対値を同一とし、充電されて放電されるまでの充放電サイクルを行う充放電均等運転させ、前記電流センサで計測された前記二次電池の充電電流と基準電流との偏差である充電電流偏差、及び前記電流センサで計測された前記二次電池の放電電流と前記基準電流との偏差である放電電流偏差を算出する電流偏差算出手段を備え、
前記充電電流偏差と前記放電電流偏差との差が予め定められた許容誤差の範囲を超える場合に、前記電流センサが異常であると判定する電流センサ故障検知装置。 - 所定の運転時間内において前記二次電池の充放電がサイクルで行われた第1の時間、及び前記運転時間内において前記サイクルを形成できなかった第2の時間を算出する充放電サイクル時間算出手段と、
前記第1の時間における前記充電電流偏差の時間積分と前記放電電流偏差の時間積分との差に前記第2の時間における前記充電電流偏差又は前記放電電流偏差の時間積分を加算した結果が、前記運転時間における予め定められた許容誤差の範囲を超える場合に、前記電流センサが異常であると判定する異常判定手段と、
を備える請求項1記載の電流センサ故障検知装置。 - 前記電流センサは、前記異常判定手段によって前記電流センサが異常であると判定され
た場合に較正される請求項2記載の電流センサ故障検知装置。 - 電流の向きを可変とする較正用回路を備え、
前記電流センサは、前記較正用回路に流れる異なる向きの電流の計測結果に基づいて較正される請求項1から請求項3の何れか1項記載の電流センサ故障検知装置。 - 充放電可能な二次電池と、
前記二次電池に流れる電流を計測する電流センサと、
請求項1から請求項4の何れか1項記載の電流センサ故障検知装置と、
を備える電池システム。 - 充放電可能な二次電池に流れる電流を計測する電流センサの故障を検知する電流センサ故障検知方法であって、
前記二次電池を、充電電流及び放電電流の平均絶対値を同一とし、充電されて放電されるまでの充放電サイクルを行う充放電均等運転させ、前記電流センサで計測された前記二次電池の充電電流と基準電流との偏差である充電電流偏差、及び前記電流センサで計測された前記二次電池の放電電流と前記基準電流との偏差である放電電流偏差を算出する第1工程と、
前記充電電流偏差と前記放電電流偏差との差が予め定められた許容誤差の範囲を超える場合に、前記電流センサが異常であると判定する第2工程と、
を含む電流センサ故障検知方法。
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