JP5664005B2 - カラーフィルター用着色組成物及びそれを用いたカラーフィルター、並びに表示装置 - Google Patents
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Description
着色層に用いる材料としては、トリアリールメタン系染料が知られており、熱や光への耐久性を向上させるために、トリアリールメタン染料の対アニオンに芳香族スルホン酸を用いたものが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
しかし、芳香族スルホン酸を対アニオンにもつトリアリールメタン染料は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)などのエステル系溶媒やアクリル酸樹脂及び架橋性モノマーへの溶解性に乏しいため、均一なインキ組成物を与えず、たとえ溶液にできても塗膜中で染料が析出するため、染料の特徴である高い透過性を損なってしまうなどの課題があり、カラーフィルター用着色剤としての仕様を十分に満たしていないために未だ実用に至っていない。
また、特許文献2には、特定構造のトリアリールメタン染料と対アニオンとして芳香族スルホン酸イオンとを有する着色剤を含む組成物が記載されているが、基板との密着性や耐光性が十分ではなかった。
しかしながら、イミド酸を用いたトリアリールメタン系染料をアクリル酸樹脂、及び架橋性モノマー、光重合性開始剤と溶媒とを混合した組成物は、露光感度が低下するとともに現像時の溶解性が乏しいといった問題があった。
なお、電気信頼性は、硬化性着色組成物を用いて液晶セルを作製した場合の電圧保持率により評価することができ、電気信頼性が高いとは該電圧保持率が高いことをいう。
また、上述の特許文献1及び4〜6に開示される、対イオンにアルコキシシランなどの金属アルコキシドを導入したカチオン性染料は、膜中に染料が固定化されており、有機溶媒に染料が流出し難いものとはなっているが、NMPや液晶に対する耐性という点では不十分であり、さらなる改良が必要であることが、本発明者らの検討により明らかとなった。
すなわち、本発明は、
(1)バインダー樹脂、架橋性モノマー、光重合開始剤、着色剤及び溶媒を含み、
前記着色剤が、下記一般式(I)で表されるトリアリールメタン系染料であるカラーフィルター用着色組成物、
(3)前記一般式(I)におけるXがアリールアルキレン基である上記(1)に記載のカラーフィルター用着色組成物、
(4)前記一般式(I)におけるYがパーフルオロアルキル基である上記(1)〜(3)のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物、
(5)前記一般式(I)におけるR5が水素原子であり、R1、R2、R3、R4、及びR6が各々独立に炭素数1〜20のアルキル基である上記(1)〜(4)のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物、
(6)R1、R2、R3、R4、及びR6がすべて同一である上記(5)に記載のカラーフィルター用着色組成物、
(7)R7が炭素数1〜4のアルキル基である上記(1)〜(6)のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物、
(8)基板上に少なくとも着色層を備えてなり、該着色層が上記(1)〜(7)のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物を用いて形成したものであるカラーフィルター、及び
(9)上記(8)に記載のカラーフィルターと対向基板と、前記カラーフィルターと前記対向基板との間に形成された液晶層とを有する液晶表示装置、
を提供するものである。
<カラーフィルター用着色組成物>
本実施形態のカラーフィルター用着色組成物は、バインダー樹脂、架橋性モノマー、光重合開始剤、着色剤及び溶媒を含み、該着色剤が下記一般式(I)で表されるトリアリールメタン系染料であることを特徴とする。
まず、本実施形態における着色剤について説明する。
本実施形態における着色剤は一般式(I)で示されるトリアリールメタン系染料であるが、一般式(I)の前記R1〜R6におけるアルキル基としては、飽和アルキル基、不飽和アルキル基、及びシクロアルキル基が挙げられ、これらは、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、アシルアミノ基、アルキルオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ヒドロキシ基及びシアノ基等の置換基を有していてもよい。
より具体的には、該アルキル基は直鎖または分岐若しくは環状のアルキル基でもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコサニル基、i−プロピル基、sec−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、2−メチルブチル基、i−アミル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、t−アミル基、1,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、2−エチル−2−メチルプロピル基、直鎖または分岐のヘプチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、t−オクチル基、分岐したノニル基、分岐したデシル基、分岐したウンデシル基、分岐したドデシル基、分岐したトリデシル基、分岐したテトラデシル基、分岐したペンタデシル基、分岐したヘキサデシル基、分岐したヘプタデシル基、分岐したオクタデシル基、直鎖または分岐のノナデシル基、直鎖または分岐のエイコサニル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロヘキシルプロピル基、シクロドデシル基、ノルボルニル基、ボルニル基、シス−ミルタニル基、イソピノカンフェニル基、ノルアダマンチル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、1−(1−アダマンチル)エチル基、3,5−ジメチルアダマンチル基、キヌクリジニル基、シクロペンチルエチル基、ビシクロオクチル基が好ましく挙げられる。
また、例えば置換基としてアルキル基を有するアリール基としては、ベンジル基、4−メトキシフェニルエチル基、3−メトキシフェニルエチル基、2−メトキシベンジル基、3−メトキシベンジル基、4−メトキシベンジル基、2−エトキシベンジル基、2−メチルベンジル基、3−メチルベンジル基、4−tert−ブチルベンジル基、2−(トリフルオロメチル)ベンジル基、3−(トリフルオロメチル)ベンジル基、4−フルオロベンジル基、3−ヨードベンジル基、4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル基、3−(トリフルオロメトキシ)ベンジル基及び4−(トリフルオロメチルスルファニル)ベンジル基などが挙げられる。
また、前記のようにR1、R2、R3、R4及びR6は各々異なっていても同一であってもよいが、色素構造の観点からはすべて同一であることが好ましい。
Xで表わされる二価の炭化水素基としては、特に制限はなく、例えば炭素数1〜10の直鎖又は分岐を有するアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、炭素数7〜20のアリールアルキレン基などが挙げられる。具体的には、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、各種ブチレン基などが挙げられ、アリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基などが挙げられる。また、アリールアルキレン基としては、アリールメチレン基、アリールエチレン基、アリールプロピレン基などが挙げられる。これらのうち、炭素数7〜10のアリールアルキレン基が原料の入手および製造上の容易さの点から好ましく、特にアリールメチレン基、アリールエチレン基、アリールプロピレン基が好ましい。
なお、アリールアルキレン基では、オルト体、メタ体及びパラ体があるが、立体障害がないとの観点から、パラ体であることが好ましい。
具体的には、例えば、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、フルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2−フルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−フルオロプロピル基等を挙げることができる。
また、R7はアルキル基であり、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、特にメチル基であることが好ましい。複数あるR7は同一でも異なってもよいが、製造上の容易さの点から、同一であることが好ましい。
対アニオンが、下記式で示される色素は、例えば対アニオンがCl-で示される色素に、対応するスルホニルイミド酸を加え、塩交換を行うことにより合成することができる。
有機顔料は、粒径が均一であることが好ましい。また、顔料分散剤を含有させて分散処理を行うことで、顔料が溶液中で均一に分散した状態の顔料分散液を得ることができる。
前記の顔料分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、ポリエステル系、ポリアミン系、アクリル系などの界面活性剤などが挙げられ、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に使用するバインダー樹脂は、特に限定されないが、耐熱性、現像性、入手性等の観点から選ばれることが好ましい。また、アルカリ可溶性であることが好ましい。
アルカリ可溶性のバインダー樹脂としては、線状有機高分子重合体で、有機溶媒に可溶で、弱アルカリ水溶液で現像できるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば特開昭59−44615号広報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等があり、また同様に側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体が有用である。この他に水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等やポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、ポリ(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール等も有用である。
その他親水性を有するモノマーとしては、テトラヒドロフルフリル基、燐酸、燐酸エステル、4級アンモニウム塩、エチレンオキシ鎖、プロピレンオキシ鎖、スルホン酸およびその塩、モルホリノエチル基等を含んだモノマー等も有用である。
OH基を有する例えば2−ヒドロキシエチルアクリレートと、COOH基を含有する例えばメタクリル酸と、及びこれらと共重合可能なアクリル系若しくはビニル系化合物等のモノマーとの共重合体に、OH基と反応性を有するエポキシ環と炭素−炭素不飽和結合基を有する化合物、例えばグリシジルアクリレートのような化合物を反応させて得られる化合物等が使用できる。OH基との反応ではエポキシ環の他に酸無水物、イソシアネート基およびアクリロイル基を有する化合物も使用できる。また特開平6−102669号公報、特開平6−1938号公報に開示されるエポキシ環を有する化合物にアクリル酸のような不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物に、飽和若しくは不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られる反応物も使用できる。
上記ノボラック樹脂としては、例えばフェノール類とアルデヒド類とを酸触媒の存在下に縮合させて得られるものが挙げられる。上記フェノール類としては、例えばフェノール、クレゾール、エチルフェノール、ブチルフェノール、キシレノール、フェニルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、ナフトールまたはビスフェノールA等が挙げられる。上記フェノール類は単独若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。上記アルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドまたはベンズアルデヒド等が挙げられる。
上記ノボラック樹脂の具体例としては、例えば、メタクレゾール、パラクレゾールまたはこれらの混合物とホルマリンとの縮合生成物が挙げられる。上記ノボラック樹脂は分別等の手段を用いて分子量分布を調節してもよい。また、ビスフェノールCやビスフェノールA等のフェノール性水酸基を有する低分子量成分を上記ノボラック樹脂に混合してもよい。
なお、上記(メタ)アクリル系樹脂としてはベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等から選ばれるモノマーからなる共重合体、重合性側鎖を有する(メタ)アクリル系樹脂、例えば、サイクロマーPシリーズ、プラクセル CF200シリーズ(いずれもダイセル化学工業(株)製)、Ebecryl3800(ダイセルユーシービー(株)製)、ダイヤナ−ルNRシリーズ(三菱レイヨン(株)製)、ビスコートR264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業(株)製)等が好ましい。
また、バインダー樹脂の使用量は、現像性等の観点から、本実施形態のカラーフィルター用着色組成物中の全固形分に対して10〜90質量%の範囲が好ましく、20〜80質量%の範囲がさらに好ましく、30〜70質量%の範囲が特に好ましい。
本実施形態における架橋性モノマーは光重合可能であればいずれのものでも使用可能であるが、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン基を有する、常圧下で100℃以上の沸点を持つエチレン性不飽和基を持つ化合物が好ましい。その具体例としては、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの;特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報、特開昭51−37193号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、特公昭52−30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレート;及びこれらの混合物を挙げることができる。更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものが挙げられる。
架橋性モノマーの組成物中における含有量は、硬化性等の観点から、全固形分に対して0.1〜90質量%の範囲が好ましく、1.0〜80質量%の範囲がさらに好ましく、2.0〜70質量%の範囲が特に好ましい。
本実施形態における光重合開始剤は、上述の重合性を有するモノマーを重合させられるものであれば特に限定されないが、特性、開始効率、吸収波長、入手性、コスト等の観点で選ばれることが好ましい。
上記光重合開始剤としては、トリハロメチルトリアジン系化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、メタロセン化合物、オキシム系化合物、トリアリールイミダゾールダイマー、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物およびその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体およびその塩、ハロメチルオキサジアゾール化合物、3−アリール置換クマリン化合物、等が挙げられ、α−アミノケトン化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、メタロセン化合物、オキシム系化合物、トリアリールイミダゾールダイマーからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含むことが好ましい。
また上記光重合開始剤としては、分解によって酸を発生しない化合物であることが好ましい。
その具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、9−フルオレノン、2−クロロ−9−フルオレノン、2−メチル−9−フルオレノン、9−アントロン、2−ブロモ−9−アントロン、2−エチル−9−アントロン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノン、2−t−ブチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、キサントン、2−メチルキサントン、2−メトキシキサントン、2−メトキシキサントン、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、ジベンザルアセトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルスチリルケトン、p−(ジメチルアミノ)フェニル−p−メチルスチリルケトン、ベンゾフェノン、p−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(またはミヒラーケトン)、p−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾアントロン等や、特公昭51−48516号公報記載のベンゾチアゾール系化合物等や、チヌビン1130、同400等が挙げられる。
具体的には、米国特許第2,367,660号明細書に開示されているビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号明細書および同第2,367,670号明細書に開示されているα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に開示されているアシロインエーテル、米国特許第2,722,512号明細書に開示されているα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3,046,127号明細書および第2,951,758号明細書に開示されている多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書に開示されているトリアリールイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に開示されているベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチル−s−トリアジン系化合物等を挙げることができる。
本実施形態で用いられる溶媒は、組成物の溶解性、塗布性を満足すれば基本的に特に限定されないが、特に染料、バインダー樹脂の溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
好適な溶媒としては、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等の3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル);
これらの添加物の具体例としては、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフロロアルキルアクリレート等の結着樹脂以外の高分子化合物;ノニオン系、カチオン系、アニオン系等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤:2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;およびポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤を挙げることができる。
本実施形態のカラーフィルターは、基板上に少なくとも着色層を備えてなり、該着色層が前記本実施形態のカラーフィルター用着色組成物を用いて形成したものである。
本実施形態のカラーフィルターは、前記カラーフィルター用着色組成物を基板上に回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により塗布して着色層を形成し、所定のマスクパターンを介して露光し、現像液で現像することによって、ネガ型もしくはポジ型の着色されたパターンを形成することで製造することができる。また、前記カラーフィルターの製造方法には、必要により上記レジストパターンを加熱および/または露光により硬化する工程を含まれていてもよい。
この際に使用される放射線としては、特にg線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。
また、これらの基板上に必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止あるいは基板表面の平坦化の為に、下塗り層を設けてもよい。
上記有機溶媒としては、本実施形態の組成物を調製する際に使用される前述の溶媒が挙げられる。
例えば、図1に示すように、本発明の液晶表示装置40は、得られたカラーフィルター10(表示側基板)と、TFTアレイ基板(液晶駆動側基板)を有する対向基板20を対向させ、両基板の内面側周縁部をシール剤により接合すると、両基板は所定距離のセルギャップを保持した状態で貼り合わされる。そして、基板間の間隙部に液晶を満たして密封し、液晶層30とすることにより、液晶パネルに属するアクティブマトリックス方式のカラー液晶表示装置が得られる。なお、ここで、本発明のカラーフィルター10は透明基板1、遮光部2、及び着色層3を有する。
また、有機EL素子の場合は例えば、発光層に本発明のカラーフィルターを積層して用いることができる。
(1)染料中間体(中間体1)の合成
磁気撹拌子を入れた200mLナス型フラスコに、ベーシックブルー7(東京化成工業(株)製、10g)、純水(50mL)及びメタノール(50mL)を入れ、溶液とした。該溶液に水酸化ナトリウム(関東化学(株)製、0.82g)を加え、室温で2時間撹拌した。撹拌を止め、室温で一晩静置した後、析出した赤褐色固体をろ取し、純水で洗浄した。その後、減圧下乾燥して、赤褐色固体(以下「中間体1」と称する。)を得た(8.8g、収率92%、)。
磁気撹拌子をいれ、アルゴンガス置換した100mLシュレンク型反応管に、ジクロロメタン(30mL)、トリフルオロメタンスルホンアミド(東京化成工業(株)製、0.92g)及びトリエチルアミン(関東化学(株)製、4.26mL)を入れた。これらを撹拌して混合した後、2−(4−クロロスルホニルフェニル)エチルトリメトキシシランの50%ジクロロメタン溶液(ACROS社製、3.0mL)を滴下した。還流管を付した後、アルゴンガス気流下、40℃で10時間加熱還流した。室温に戻し、減圧下溶媒および過剰量のトリエチルアミンを除き、褐色の油状物(以下「中間体2」と称する。)の粗生成物を得た。該粗生成物をそのまま、次の反応に用いた。
中間体2の粗生成物が入った反応容器に、メタノール(15mL)をいれ溶解させた。これに中間体1(2.97g)とメタノール(15mL)とを合わせた溶液を加え、室温にて2時間撹拌した。得られた濃青色溶液を減圧下で溶媒を除いた後、アセトン(10mL)とトルエン(20mL)を加え溶液とした。この溶液を純水(30mL)で洗浄した。減圧下溶媒を除き、乾燥させることで例示化合物(1)を得た(3.8g、収率71%:2段階)。反応式は下記に示す通りであり、以下、例示化合物(1)を「染料A」と称する。染料Aの構造を1H−NMR及び29Si−NMRにより決定した。1H−NMR及び29Si−NMRのケミカルシフト(ピーク)の帰属は、以下のとおりである。
1H−NMR(重クロロホルム)δ(TMS,ppm):8.18(d,1H),7.96(d,2H),7.44−7.16(m,8H),6.93(t,1H),6.73(d,4H),6.64(d,1H),3.56(q,2H),3.54(s,9H),3.53(q,8H),2.71(m,2H),1.43(t,3H),1.30(t,12H),0.97(m,2H)。29Si−NMR(重クロロホルム)δ(TMS,ppm):−42.956.
まず、以下の組成からなる感光性透明樹脂組成物を調製した。
・アクリル酸樹脂のPGMEA溶液(有効成分42質量%、樹脂(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=62/38(質量比))、酸価:70mgKOH/g、重量平均分子量:9000、PGMEA=プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート):18質量部
・多官能アクリレートモノマー(SR399E、巴化学):8質量部
・光重合開始剤(2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(商品名イルガキュア907、チバ スペシャルティ ケミカルズ製)):2質量部
・光増感剤(4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン):0.2質量部
・10質量%の染料AのPGMEA溶液:10質量部
・感光性透明樹脂組成物:20質量部
・フッ素系添加剤(メガファックR−08MH(DIC(株)製)):0.02質量部
・PGMEA:2質量部
上記着色樹脂組成物を塗液として、これをスピンコート法によりガラス基板上に塗布し、80℃で乾燥させ、塗膜側から高圧水銀灯にて紫外光を100mJ/m2露光し、硬化させることより評価用の塗膜を作製した。この塗膜を用いて、以下の方法により、NMP耐性、耐熱性及び耐光性の評価を行なった。
NMP耐性評価用のサンプルとしては、高圧水銀灯により露光硬化した後に230℃30分の加熱をして十分に硬化させた塗膜を用いた。
NMP耐性は、ガラス基板上の該塗膜表面にNMPを1滴たらし、10秒静置した後ワイプ(ガードナー社製 ベンコットリントフリーAZ−8)でNMPを拭う。NMP滴下前後での塗膜の分光、すなわちΔEab値をオリンパス(株)製顕微分光装置OSP−SP200を用いて測定し色差を算出することで評価した。色差が小さいほどNMPによる溶出が少なく、NMP耐性が高いということができる。
塗膜を作製したガラス基板を、該基板面が接するようにホットプレート上に載置し、80℃で3分間放置後、高圧水銀灯により200mJ/m2で露光した。次に、該ガラス基板を、以下の条件(a)又は(b)で処理した。処理前後の色差(ΔEab値)を上記と同様にして算出した。なお、ΔEab値は小さい方が耐熱性に優れることを示す。
・条件(a):200℃で30分間放置。
・条件(b):230℃で30分間放置。
ガラス基板上の塗膜をそのままの状態(以下「大気下試料」という。)としたものと、ガラス基板上の塗膜に対して粘着材を塗布したガラス基板を張り合わせたもの(以下、「酸素遮断下試料」という。)の2つの状態を耐光試験のサンプルとした。
大気下試料はキセノンランプ(アトラス社製Ci4000ウェザメータ、内側フィルター:赤外線吸収コーティング(CIRA)、外側フィルター:ソーダライム、波長300nm以下をカット)を用い、420nmの波長で、照度を1.2mW/m2として、5時間照射(21kJ/m2相当)した後、前記耐熱性評価と同様にしてΔEab値を測定した。
酸素遮断下試料については、照射時間を70時間(300kJ/m2相当)に変えたこと以外は、大気下試料の照射条件と同様にしてΔEab値を測定した。
−電圧保持率の測定−
層構成として、ガラス基板/ITO(酸化インジウムスズ)電極/上記着色樹脂組成物からなる塗膜/液晶/ITO電極からなる測定用セルを準備し、下記の条件で電圧保持率測定システム(VHR−1A型、(株)東陽テクニカ製)を用いて電圧保持率を測定した。
(条件)
ITO電極間距離 :5μm
印加電圧パルス振幅 :5V
印加電圧パルス周波数:60Hz
印加電圧パルス幅 :16.67msec
なお、上記着色樹脂組成物からなる塗膜は具体的には下記方法で作製した。
(塗膜の作製方法)
上記着色樹脂組成物を、ガラス基板のITO電極側に、スピンコーターで塗布し、プリベークを行って膜厚2.0〜2.4μmの塗膜を形成した。次いで、塗膜に365nm、405nm及び436nmの各波長を含む紫外線を60mJ/cm2の露光量で所定のパターン状に照射した。その後、0.04質量%水酸化カリウム水溶液を用いて現像し、純水で1分間洗浄して乾燥し、基板のポストベークを行って上記着色樹脂組成物からなる塗膜を作製した。
この評価で、電圧保持率が80%以上であると電気信頼性が高いと評価できる。
実施例1における染料の合成において、中間体2をビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸に変更したこと以外は、実施例1と同様にして染料を得た。該染料は、以下に式(4)として記載する化合物であり、以下「染料B」と称する。実施例1と同様に評価した結果を第1表に示す。
2 遮光部
3 着色層
10 カラーフィルター
20 対向基板
30 液晶層
40 液晶表示装置
Claims (9)
- 前記一般式(I)におけるXがアリーレン基である請求項1に記載のカラーフィルター用着色組成物。
- 前記一般式(I)におけるXがアリールアルキレン基である請求項1に記載のカラーフィルター用着色組成物。
- 前記一般式(I)におけるYがパーフルオロアルキル基である請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物。
- 前記一般式(I)におけるR5が水素原子であり、R1、R2、R3、R4、及びR6が各々独立に炭素数1〜20のアルキル基である請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物。
- R1、R2、R3、R4、及びR6がすべて同一である請求項5に記載のカラーフィルター用着色組成物。
- R7が炭素数1〜4のアルキル基である請求項1〜6のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物。
- 基板上に少なくとも着色層を備えてなり、該着色層が請求項1〜7のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物を用いて形成したものであるカラーフィルター。
- 請求項8に記載のカラーフィルターと対向基板と、前記カラーフィルターと前記対向基板との間に形成された液晶層とを有する液晶表示装置。
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