JP5589418B2 - 永久磁石形回転機の製造方法 - Google Patents
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Description
永久磁石形同期電動機は磁石配置によって2種類に大別され、回転子コアの表面に永久磁石を貼り付けた構成の表面磁石形同期電動機と、回転子コアに磁石挿入孔を設け、そこに永久磁石を挿入する埋込磁石形同期電動機とがある。
回転子の永久磁石を着磁するには、通常、完成した回転子すなわち回転子コアの外周面に所定形状に成形した永久磁石材料を貼り付けて回転子を構成した状態で、着磁ヨーク内に挿入して永久磁石材料を着磁して永久磁石を形成するようにしている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、スキュー角度の変更やモータ容量の変更を行う場合でも、1つの着磁装置で回転子を形成することができる永久磁石形回転機の製造方法を提供することを目的としている。
図1は本発明の第1の実施形態によって製造した永久磁石形同期回転機を示す断面図である。
この図1において、永久磁石形同期回転機1は表面磁石形同期回転機で構成されている。この永久磁石形同期回転機1は、円筒状フレーム2を有する。この円筒状フレーム2の内周側には円筒状の積層鋼板で形成された固定子3が固定され、この固定子3の内周側には所定の空隙を介して対向する積層鋼板で形成された回転子4が配置されている。この回転子4は中心に挿通された回転軸5が円筒状フレーム2に形成された軸受(図示せず)によって回転自在に支持されている。
磁極ティース13は、ヨーク12に連接する一定幅Twの磁脚部13aと、この磁脚部13aの先端から円周方向に突出する楔状の鍔部13bとで構成されている。
磁極ティース13にはその磁脚部13aに励磁コイル16が集中巻されている。
一方、回転子4は、図2に示すように、回転子ブロック20を所要数例えば3段に積み重ねた状態で回転軸5を挿通して構成されている。
また、永久磁石22は例えば希土類磁石材料を成形した磁性材料を着磁することにより形成されている。
この永久磁石22の着磁は、図4に示すように、回転子コア21に成形した未着時の磁性部材29を固定した状態で、図5に示す着磁装置30によって磁性部材29を着磁処理する。
そして、円周方向の1つ置きの着磁コイル33の巻き方向を逆にすることにより、円周方向の1つ置きの磁界発生部32bから磁性部材29に向かう磁界を発生させるとともに、残りの磁界発生部32bでは、磁性部材29から磁界発生部32bに向かう磁界を発生させる。これによって、回転子ブロック20の隣接する磁性部材29で異なる磁極となるように着磁させて永久磁石22を形成する。
次いで、回転軸のキー溝41bにキー42を係合させて、回転軸5を次の回転子ブロック20の回転子コア21の中心開口21aに挿通して、キー42と中心開口21aに形成したキー溝21bとを係合させる。
これによって、図2に示すように、3段の回転子ブロック20が所望のスキュー角で回転軸5に装着され、これら回転子ブロック20の装着状態で、接着剤、溶接等の固定手段で、回転軸5に各回転子ブロック20を固定することにより、スキューを施した回転子4が構成される。
このように、上記第1の実施形態によると、永久磁石形同期回転機1が表面永久磁石形回転機の構成を有するので、回転子4の永久磁石22の円周方向の中央部がd軸と隣接する永久磁石22間がq軸となって、励磁コイル16に通電してd−q軸電流制御することにより、回転子4を回転駆動することができる。
したがって、回転子ブロック20の段数を任意に設定することにより、必要なモータ容量を得ることができ、積み重ねた複数の回転子ブロック20の隣接する回転子ブロック20を円周方向にずらすことにより、任意のスキュー角を得ることができ、コギングトルクを低減することができる。
なお、上記第1の実施形態においては、8極9スロットの表面磁石形同期電動機を構成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、6極9スロットの表面磁石形同期電動機や4極6スロットの表面磁石形同期電動機等のように、他の異なる極数及びスロット数の表面磁石形同期電動機に本発明を適用することができる。
さらに、上記第1の実施形態においては、円筒状フレーム2を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、他の筒状のフレームを適用することができる。
この第2の実施形態では、回転子ブロックに形成した永久磁石の飛散防止を行うようにしたものである。
第2の実施形態では、図7に示すように、前述した第1の実施形態の構成を有する回転子ブロック20における永久磁石22の外周面に非磁性材料で形成された飛散防止部材としての円筒状リング50が圧入されている。
この第2の実施形態によると、回転子ブロック20自体に、永久磁石22の外周面に飛散防止部材としての円筒状リングが圧入されているので、永久磁石22の飛散を確実に防止することができる。このため、前述した第1の実施形態のように複数の回転子ブロック20を積み重ねて回転軸5に装着して回転子4を構成した後に、円筒状リングを装着する必要がなくなる。
なお、上記第2の実施形態においては、飛散防止部材として円筒状リングを適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、バインドテープで固定したり、熱収縮チューブで固定したりすることができ、任意の飛散防止部材を適用することができる。
Claims (2)
- コイルを巻装した固定子と、前記固定子との対向する回転子コアと、該回転子コアの前記固定子との対向面に円周方向に隣接させた異なる極性の永久磁石とを有し、前記固定子と所定の空隙を隔てて対向して回転する回転子とを備えた永久磁石形回転機の製造方法であって、
前記回転子コア及び前記永久磁石を組立てて複数の回転子ブロックを形成し、
形成した複数の回転子ブロックを個別に着磁装置で着磁し、
着磁した複数の回転子ブロックを複数の前記回転子ブロックに回転軸を挿通する際に、前記回転子ブロック及び回転軸に形成したキー溝と、両キー溝に係合するキーとによって、軸方向の一端から他端に行くに従い順次回転子ブロックを円周方向に所定角度ずらしてスキューを施すように円周方向に固定した
こと特徴とする永久磁石形回転機の製造方法。 - コイルを巻装した固定子と、前記固定子との対向する回転子コアと、該回転子コアの前記固定子との対向面に円周方向に隣接させた異なる極性の永久磁石とを有し、前記固定子と所定の空隙を隔てて対向して回転する回転子とを備えた永久磁石形回転機の製造方法であって、
前記回転子コアと、前記永久磁石と、全前記永久磁石の外周側に装着する飛散防止部材とを組み立てて複数の回転子ブロックを形成し、
形成した複数の回転子ブロックを個別に着磁装置で着磁し、
着磁した複数の回転子ブロックを複数の前記回転子ブロックに回転軸を挿通する際に、前記回転子ブロック及び回転軸に形成したキー溝と、両キー溝に係合するキーとによって、軸方向の一端から他端に行くに従い順次回転子ブロックを円周方向に所定角度ずらしてスキューを施すように円周方向に固定した
ことを特徴とする永久磁石形回転機の製造方法。
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