JP5563773B2 - 除草剤組成物 - Google Patents

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本発明は除草剤組成物に関する。より詳しくは、本発明は、除草活性成分のフルフェナセットと、特定の公知除草活性成分とを有効成分として含有する除草剤組成物に関する。
フルフェナセットは、除草活性化合物としてよく知られたものである(非特許文献1)。また、フルフェナセットを包含するヘテロアリールオキシアセトアミドを含有する除草剤が知られている(特許文献1)。フルフェナセットは特にイネ科雑草と一部広葉雑草に対して、高い除草効果を示す一方、ハコベ、シロザ、タデ類などの広葉雑草の生育期処理では必ずしも十分な除草効果を現わさない。
日本特許公表 平成7年 第509695号 公報
The Pesticide Manual 14版、2006年(British Crop Production Council 発行)
本発明者らは、下記に示す組成物が、極めて優れた除草効果を現わすことを見い出した。
かくして、本発明は、活性成分として(a)フルフェナセットと、(b)リニュロン、オキサジアルギル、プロメトリン、フルミオキサジン、イマザモックス、ベンタゾン、プロポキシカルバゾン、DCMU、ペンディメタリン、フルルタモン、クロロIPC、インダノファン、オキサジアゾン、ベンフレセート、メトラクロール、アラクロール、フェノキサプロップエチル、エトキシスルフロン、DBN、MCP−Na、ピコリナフェン、フルアジホップ、S−メトラクロール、セトキシジム、ブタミホス、プロピザミド、ビアラホス、パラコート、ピロキサスルホン、ジフルフェニカン及びジクワットより成る群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする除草剤組成物を提供するものである。
発明の上記組成物によれば、驚くべきことに、各活性化合物をそれぞれ単独に使用した場合と比較し、それらのそれぞれの単独での効果の和よりも、実質的に高い除草効果を現し、その結果、雑草防除を行うに際し、これまで用いられてきた個々の薬剤濃度を実質的に減じることが可能となる。同時に、該組成物によれば、巾広い除草スペクトルを獲得することができる。
本発明の組成物において、(b)成分として使用される除草性化合物は、前記非特許文献等に記載される公知の一般名で示される化合物である。(b)成分の除草性化合物は、それぞれ単独で本発明の組成物に用いることができ、又は二種以上の組み合わせで用いることもできる。(b)成分の除草性化合物の好ましいものとしては、リニュロン、オキサジアルギル、プロメトリン、フルミオキサジン、イマザモックス、ベンタゾン、プロポキシカルバゾン、DCMU、ペンディメタリン、フルルタモン、プロメトリン、ジフルフェニカンを挙げることができる。
本発明の組成物において、(a)成分と(b)成分との混合比は、該組成物の適用時期、適用地域、施用方法等に応じて比較的広い範囲にわたり変えることができるが、一般には、(a)成分のフルフェナセット1重量部に対し、(b)成分である除草性化合物の少なくとも1種を1/100〜100重量部、好ましくは1/20〜10重量部の範囲内で使用することができる。より具体的に、(a)成分のフルフェナセット1重量部あたりの(b)成分の使用割合を、(b)成分の代表例をもって、下記に示す。
(b−1)リニュロン:1/2〜2重量部、好ましくは、1〜1.5重量部
(b−2)プロメトリン:1〜2重量部、好ましくは、1〜1.5重量部
(b−3)フルミオキサジン:1/20〜1/5重量部、好ましくは、1/15〜1/10重量部
(b−4)オキサジアルギル:1/2〜2重量部、好ましくは、1〜1.5重量部
(b−5)イマザモックス:1/30〜1/5重量部、好ましくは、1/20〜1/10重量部
(b−6)ベンタゾン:1/5〜5重量部、好ましくは、1/2〜2重量部
(b−7)プロポキシカルバゾン:1/15〜1/2重量部、好ましくは、1/10〜1/5重量部
(b−8)DCMU:1/5〜2重量部、好ましくは、1/2〜1重量部
(b−9)ペンディメタリン:1〜10重量部、好ましくは、2〜5重量部
(b−10)クロロIPC:1〜10重量部、好ましくは、2〜5重量部
(b−11)フルルタモン:1〜5重量部、好ましくは、2〜3重量部
(b−12)ジフルフェニカン:1/8〜1重量部、好ましくは、1/4〜1/2重量部
本発明の組成物は、強力な除草効果を現わす。従って、畑地及び水田に発生する各種の雑草に対して使用することができる。
雑草とは広義には、望ましくない場所に生育するすべての植物を意味する。
本発明の組成物は、例えば下記の植物と雑草との間で使用できる。
双子葉雑草の属:カラシ(Sinapis)、マメグンバイナズナ(Lepidium)、ヤエムグラ・キヌタソウ(Galium)、ハコベ(Stellaria)、アカザ・アリタソウ(Chenopodium)、イラクサ(Urtica)、ハンゴンソウ・ノボロギク・キオン(Senecio)、ヒユ・ハゲイトウ(Amaranthus)、スベリヒユ・マツバボタン(Portulaca)、オナモミ(Xanthium)、アサガオ(Ipomoea)、ミチヤナギ(Polygonum)、ブタクサ(Ambrosia)、ノアザミ・フジアザミ(Cirsium)、ノゲシ(Sonchus)、ナス・ジャガイモ(Solanum)、イヌガラシ(Rorippa)、オドリコソウ(Lamium)、クワガタソウ・イヌノフグリ(Veronica)、チョウセンアサガオ(Datura)、スミレ・パンジー(Viola)、チシマオドロ(Galeopsis)、ケシ(Papaver)、ヤグルマギク(Centaurea)、ハキダメギク(Galinsoga)、キカシグサ(Rotala)、アゼナ(Lindernia)、イヌカミツレ(Matricaria)等々。
双子葉栽培植物の属:ワタ(Gossypium)、ダイズ(Glycine)、フダンソウ・サトウダイコン(Beta)、ニンジン(Daucus)、インゲンマメ・アオイマダ(Phaseolus)、エンドウ(Pisum)、ナス・ジャガイモ(Solanum)、アマ(Linum)、サツマイモ・アサガオ(Ipomoe)、ソラマメ・ナンテンハギ(Vicia)、タバコ(Nicotiana)、トマト(Lycopersicon)、ナンキンマメ(Arachis)、アブラナ・ハクサイ・カブラ・キャベツ(Brassica)、アキノノゲシ(Lactuca)、キュウリ・メロン(Cucunis)、カボチャ(Cucurbita)等々。
単子葉雑草の属:ヒエ(Echinochloa)、エノコロ・アワ(Setaria)、キビ(Panicum)、メヒシバ(Digitaria)、アワガエリ・チモシー(Phleum)、イチゴツナギ・スズメノカタビラ(Poa)、ウシノケグサ・ドボシガラ(Festuca)、オヒシバ・シコクビエ(Eleusine)、ドクムギ(Lolium)、キツネガヤ・イヌムギ(Bromus)、カラスムギ・オートムギ(エンバク)(Avena)、カヤツリグサ・パピルス・シチトウイ・ハマスゲ(Cyperus)、モロコシ(Sorghum)、カモジグサ(Agropyron)、コナギ(Monochoria)、テンツキ(Fimbristylis)、オモダカ・クワイ(Sagittaria)、ハリイ・クログワイ(Eleocharis)、ホタルイ・ウキヤグラ・フトイ(Scirpus)、スズメノヒエ(Paspalum)、カモノハシ(Ischaemum)、ヌカボ(Agrostis)、スズメノテッポウ(Alopecurus)、ギョウギシバ(Cynodon)等々。
単子葉栽培植物の属:イネ(Oryza)、トウモロコシ・ホップコーン(Zea)、コムギ(Triticum)、オオムギ(Hordeum)、カラスムギ・オートムギ(エンバク)(Avena)、ライムギ(Secale)、モロコシ(Sorghum)、キビ(Panicum)、サトウキビ・ワセオバナ(Saccharum)、パイナップル(Ananas)、アスパラガス(Asparagus)、ネギ・ニラ(Allium)等々。
本発明の組成物の使用は、上記の植物に限定されることはなく、他の植物に対しても同様に適用され得る。また、使用濃度によって、該組成物は、雑草を非選択的に防除でき、例えば、工場等の産業用地、鉄道軌道、道路そして植林地並びに非植林地等に於いて使用できる。
更に、該組成物は、多年性植物栽培において、雑草防除に使用でき、例えば、植林、観賞用植林、果樹園、ブドウ園、カンキツ果樹園、ナッツ果樹園、バナナ栽培場、コーヒー栽培場、茶栽培場、ゴム栽培場、ギネアアブラヤシ栽培場、ココア栽培場、小果樹園及びホップ栽培地に適用でき、また一年性植物栽培に於いて、選択的雑草防除のために、適用できる。
本発明の組成物は、雑草の防除のために使用するに際して、通常の製剤形態にすることができる。その製剤形態としては、例えば、液剤、エマルジョン、水和剤、懸濁剤、粉剤、可溶性粉剤、粒剤、顆粒状水和剤、懸濁エマルジョン濃厚物、固型剤(ジャンボ剤)、浮遊性粒剤、重合体物質中のマイクロカプセル等を挙げることができる。
これらの製剤はそれ自体既知の方法によって調製することができる。例えば、前記の(a)成分及び(b)成分を、拡展剤、即ち、液体希釈剤及び/又は固体希釈剤、必要な場合には、界面活性剤、即ち、乳化剤及び/又は分散剤及び/又は泡沫形成剤を用いて混合することによって、本発明に従う製剤を調製することができる。
拡展剤として水を用いる場合には、例えば有機溶媒を補助溶媒として使用することができる。液体希釈剤としては、例えば、芳香族炭化水素類(例えば、キシレン、トルエン、アルキルナフタレン等)、クロル化芳香族又はクロル化脂肪族炭化水素類(例えば、クロロベンゼン類、塩化エチレン類、塩化メチレン等)、脂肪族炭化水素類[例えば、シクロヘキサン等又はパラフィン類(例えば、鉱油留分、鉱物及び植物油等)]、アルコール類(例えば、ブタノール、グリコール及びそれらのエーテル又はエステル等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、強極性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等)などの有機溶媒及び水を挙げることができる。
固体希釈剤としては、例えば、アンモニウム塩及び粉砕天然鉱物(例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク、石英、アタパルガイト、モンモリロナイト、珪藻土等)、粉砕合成鉱物(例えば、高分散ケイ酸、アルミナ、ケイ酸塩等)などを挙げることができる。また、粉剤のための固体担体としては、例えば、粉砕且つ分別された岩石(例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石、白雲石等)、無機及び有機物粉の合成粒、有機物質細粒体(例えば、おがくず、ココやしの実のから、とうもろこしの穂軸、タバコの茎等)などを使用することができる。
乳化剤及び/又は泡沫剤としては、非イオン及び陰イオン乳化剤[例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル類(例えば、アルキルアリールポリグリコールエーテル類、アルキルスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アリールスルホン酸塩類等)]、アルブミン加水分解生成物等を挙げることができる。
分散剤としては、例えば、リグニンサルファイト廃液及びメチルセルロースが適当である。
固着剤も、製剤(粉剤、粒剤、乳剤)に使用することができ、該固着剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、天然及び合成ポリマー(例えば、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート類等)、天然燐脂質類(例えば、セファリン類及びレシチン類)及び合成燐脂質類等を挙げることができる。更に、添加剤として鉱物油及び植物油類も使用することができる。
着色剤を使用することもでき、該着色剤としては、無機顔料類(例えば、酸化鉄、酸化チタン、プルシアンブルー等)、アリザリン染料、アゾ染料又は金属フタロシアニン染料のような有機染料類、そして更に、鉄、マンガン、ボロン、銅、コバルト、モリブデン及び亜鉛の塩のような微量要素を挙げることができる。
製剤は、一般に、(a)成分と(b)成分を合計で0.1乃至95重量%、好ましくは0.5乃至90重量%の範囲内の濃度で含有することができる。
本発明の組成物は雑草を防除するためにそのままあるいはその製剤の形態で使用することができ、また、使用時に(a)成分と(b)成分をタンク混合することも可能であり、更に他の公知の活性化合物、特に、通常水田に使用される活性化合物、例えば、殺菌剤、殺虫剤、植物生長調整剤、植物栄養剤、土壌改良剤、薬害軽減剤及び他の除草剤を配合することも可能である。その好適例として、本発明の組成物に、式(I)の化合物(a)1重量部あたり、薬害軽減剤として、例えば1−(α,α−ジメチルベンジル)−3−p−トリルウレアを1〜200重量部、好ましくは2〜100重量部の範囲内の量で加えることができる。
本発明の組成物は、そのまま、あるいはそれら製剤の形態で、又は該製剤から更に希釈して調製した施用形態、例えば、散布用調製液(ready−to−use solution)、乳剤、懸濁剤、粉剤、水和剤、粒剤又は固型剤の形態で使用することができる。これらの形態の製剤は、通常の方法、例えば、液剤散布(watering)、噴霧(spraying、atomizing)、散粉、散粒等の方法で水田に施用することができる。
本発明の組成物は、田植前、田植時又は田植後の水田に施用することができる。施用しうる該組成物の量は実質的な範囲で変えることができる。その施用量は、例えば、(a)成分と(b)成分の合計量として0.01〜5kg/ha、好ましくは0.05〜4/kg/haの範囲内とすることができる。
本発明による組成物の優れた効果を以下の実施例によりさらに具体的に説明する。しかし、本発明はこれのみに限定されるべきものではない。
生物試験例及び製剤例:
供試薬剤の調製
担体:アセトン5重量部
界面活性剤:ベンジルオキシポリグリコールエーテル1重量部
上記の担体及び界面活性剤と1重量部の活性化合物((a)成分又は(b)成分)とを混合し、得られる製剤を水で希釈して所定薬量の供試薬剤を調製する。
試験例1 雑草防除効果試験
方法
直径9cmのプラスティック製ポットに畑土壌を充填し、メヒシバ、スズメノカタビラ、スズメノテッポウ、オオイヌタデあるいはイヌカミツレの種子を表層に播種、覆土後、温室内に設置し適宜灌水した。各草種の発生始め(1〜2葉期)に所定濃度の各除草剤及びこれらの混合溶液を各植物体上部よりスプレー処理した(散布水量1000L/ha)。試験は3連性で実施し、除草剤処理後1週、2週、3週、4週、5週、6週及び7週日に、各処理区の除草効果を肉眼で観察評価した。除草効果の評価は、完全枯死を100%とし、0%を効果無しとした。
結果を第1表〜第5表に示す。
活性成分の表示の(a)、(b−1)〜(b−12)は前記したものを示す。
Figure 0005563773
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製剤例1
活性化合物(a)3重量部、活性化合物(b−1)3重量部、ベントナイト(モンモリロナイト)33重量部、タルク(滑石)58重量部及びリグニンスルホン酸塩 3重量部の混合物に、水25重量部を加えて良く捏化し、押し出し式造粒機により10〜40メッシュの粒状とし、40〜50℃で乾燥して粒剤とする。
製剤例2
0.2〜2mmに粒径分布を有する粘土鉱物粒96重量部を回転混合機に入れ、回転下に液体希釈剤と共に活性化合物(a)2重量部及び活性化合物(b−2)2重量部を噴霧し均等にしめらせた後、40〜50℃で乾燥して粒剤とする。
製剤例3
活性化合物(a)4重量部、活性化合物(b−4)4重量部、エチレングリコール 10重量部、ポリオキシアルキレントリスチリルフェニルエーテル 3重量部、キサンタンガム 10重量部、14%シリコールオイルエマルジョン 0.5重量部及び水 68.5重量部の混合物を良く撹拌した後、粉砕機(ダイノーミルKDL型)で粉砕し、水性懸濁製剤とする。
本発明の除草剤組成物は、前記試験例に示したとおり、各種の雑草に対して的確な防除効果を現わすと共に、優れた残効性を現わす。

Claims (4)

  1. 活性成分として、(a)フルフェナセットと、(b)オキサジアルギル、プロメトリン、イマザモックス、ベンタゾン、DCMU、ペンディメタリン、フルルタモン、及びクロロIPCより成る群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする除草剤組成物。
  2. (a)フルフェナセット1重量部に対し、(b)成分である化合物群より選択される少なくとも1種の化合物を1/100重量部〜100重量部の範囲内で含有する請求項1に記載の組成物。
  3. (a)フルフェナセット1重量部に対し、(b)成分である化合物群より選択される少なくとも1種の化合物を1/20重量部〜10重量部の範囲内で含有する請求項1に記載の組成物。
  4. 請求項1に記載の除草剤組成物により雑草を防除する方法。
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