JP5553282B2 - カーボンナノチューブの分離回収方法及びカーボンナノチューブ - Google Patents

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Description

本発明は、金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブを含むカーボンナノチューブ(CNT)から両者を効率的に分離し、なおかつ、半導体型のCNTを構造ごとに分離する方法とそれにより得られるカーボンナノチューブに関する。
CNTはその電気的特性や機械的強度など優れた性質を持ち、究極の新素材として研究開発が精力的に行われている。このCNTは、レーザー蒸発法、アーク放電法、及び化学気相成長法(CVD法)などの種々の方法で合成されている。しかし、現状ではいずれの合成方法を用いても、金属型CNTと半導体型CNTの混合物の形態でしか得られていない。
実使用においては、金属型又は半導体型のいずれか一方の性質のみを用いることが多いため、CNT混合物から金属型、又は半導体型のCNTのみを分離精製するための研究は、至急に解決することが迫られている重要なものである。さらに、半導体型CNTでは、その構造(直径やカイラリティ(後述))によって、半導体の特性が異なることから、均一な構造を持つ半導体型CNTを得るための手法が強く望まれていた。
金属型CNTと半導体型CNTを分離する報告は既にあるが、いずれも産業的に金属型CNTと半導体型CNTを生産する上で問題点を含んでいる。問題点は以下のようにまとめることができる。(1)複雑な工程を経るため自動化ができないこと、(2)長時間を要すること、(3)大量処理ができないこと、(4)高価な設備や薬品を必要とすること、(5)金属型CNTと半導体型CNTのどちらか一方しか得られないこと、(6)回収率が低いこと、などである。
例えば、界面活性剤で分散したCNTを微小電極上で誘電泳動する方法(非特許文献1)や、溶媒中でアミン類を分散剤に用いる手法(非特許文献2、3)、過酸化水素によって半導体型CNTを選択的に燃やす方法(非特許文献4)などがあるが、これらは、前記問題点の中でも、特に、得られる最終物質が金属型CNTのみに限定され、その回収率が低いという問題点が解決されていない。
半導体型CNTと金属型CNTとの混合物を液体中に分散させ、金属型CNTを粒子と選択的に結合させ、粒子と結合した金属型CNTを除去して半導体型CNTを分離する方法(特許文献1)、CNTをニトロニウムイオン含有溶液で処理した後、濾過および熱処理してCNTに含有する金属型CNTを除去し、半導体型CNTを得る方法(特許文献2)、硫酸及び硝酸を用いる方法(特許文献3)、電界を印加してCNTを選択的に移動分離し、電気伝導率範囲を絞った半導体型CNTを得る方法(特許文献4)などがある。
これらは、前記問題点の中でも、特に、得られる最終物質が半導体型CNTのみに限定され、その回収率が低いという問題点が解決されていない。
界面活性剤で分散したCNTを、密度勾配超遠心分離法により、金属型CNTと半導体型CNTに分離する方法がある(非特許文献5)。この方法では超遠心分離機という非常に高価な機器を用いること、超遠心分離操作が長時間を要すること、超遠心分離機自体の大型化は限界があり、並列して超遠心分離機を複数設置することとなり、自動化などの処理が難しいことといった問題点があった。
核酸分子に結合されたCNTからなるCNT−核酸複合体を製造し、イオン交換クロマトグラフィーにより分離する方法がある(特許文献5)。しかし、高価な合成DNAが必要であることや、分離精度があまり高くないため回収率や純度が良くないといった問題点がある。
また、界面活性剤で分散したCNT溶液のpHやイオン強度を調節することで、CNTの種類によって異なる程度のプロトン化を生じさせ、電場をかけることで金属型と半導体型とを分離しようとする報告があるが(特許文献6)、この方法では、分離に先立って、懸濁したナノチューブ混合物のpHやイオン強度を、強酸を用いて前処理する工程を必要とし、またそのための厳密な工程管理を余儀なくされる上、最終的には金属型と半導体型のCNTの分離は達成されていない(特許文献6 実施例4)。
一方、半導体型CNTの直径分離や構造分離に関しても、上記、金属型・半導体型CNTの分離と同様な問題点がある。
上記、密度勾配超遠心分離法により、CNTを直径の違いにより分離することも可能である(非特許文献5)。しかしながら、上記と同様、非常に高価な機器を用いること、長時間を要すること、大型化に限界があること、自動化などの処理が難しいことといった問題点がある。
上記、CNT−核酸複合体を、イオン交換クロマトグラフィーによりCNTの構造を分離することが報告されている(特許文献7)。しかし、この方法では、個別の構造のCNTに対して特定の合成DNAを準備する必要であること、そしてその合成DNAが非常に高価であることといった問題点がある。
前記したとおり、従来の方法は、いずれも前記した問題点を克服できるものになっておらず、新しい考え方に基づくCNTから金属型CNTと半導体型CNTを分離する方法、また、特定の構造の半導体型CNTを分離する方法の開発が望まれていた。
本発明者らは、従来の方法とは相違する新規な金属型CNT及び半導体型CNT分離方法に着手し、以下の発明を完成させた(特許文献9、10、11、12)。その発明は、特定の種類の分散剤とゲルの組み合わせを用いたとき、半導体型CNTを選択的にゲルに吸着させることが可能となり、金属型CNTと分離できるというものである。分離においては、電気泳動(特許文献9、10)や、遠心分離や凍結圧搾、拡散、浸透など(特許文献11)によって、ゲルに吸着した半導体CNTと未吸着のCNTを分離する。これらの方法は、金属型CNTと半導体型CNTの両方が得られる上に、高い回収率で、短時間で分離が可能で、なおかつ、安価な設備で、簡便に、大量処理も可能な非常に優れたものである。
さらに、適当な溶出液を用いてゲルに吸着した半導体型CNTを回収する方法を完成させた(特許文献12)。特に、ゲルにCNT分散液を通過させて半導体型CNTをゲルに吸着させ、未吸着の金属型CNTを溶出させ分離し、ゲルに吸着した半導体型CNTを溶出液で回収する方法は、ゲルの繰り返し使用が可能で、分離の自動化も可能であり、工業的に金属型・半導体型CNTを大量生産する上で非常に優れた手法となる。
また、同様の手法で、溶出液の濃度を調節することにより、金属型・半導体型CNTの分離を行うと同時に、CNTを直径により分離できる手法も発明した(特許文献12)。
この手法は、金属型CNTと半導体型CNTの分離と同時に直径の異なるCNTを得ることが可能な上、高収率、短時間で、なおかつ、安価な設備で、簡便に、大量処理、自動処理も可能な非常に優れたものである。
しかしながら、この方法では、直径分離の精度が低く、均一な構造を持つ半導体型CNTを得るにはさらなる改良が必要であった。
特開2007−31238号公報 特開2005−325020号公報 特開2005−194180号公報 特開2005−104750号公報 特開2006−512276号公報 特開2005−527455号公報 特開2004−142972号公報 特開2006−282418号公報 特開2008−285386号公報 特開2008−285387号公報 国際公開WO2009/075293号パンフレット 特願2009−147557
Advanced Materials 18, (2006) 1468-1470 J. Am. Chem. Soc. 127, (2005) 10287-10290 J. Am. Chem. Soc. 128, (2006) 12239-12242 J. Phys. Chem. B 110, (2006) 25-29 Nature Nanotechnology 1, (2006) 60-65 Nano Letters 9, (2009) 1497-1500 NATURE 460, (2009) 250-253
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであって、金属型と半導体型のCNTを分離するとともに、異なる構造の半導体型CNTを精度良く分離する方法とそれにより得られるカーボンナノチューブを提供することを目的とするものである。
本発明者らは上記課題を解決するため検討を重ねたところ、少量のゲルに対して大過剰のCNT分散液を作用させることによって、単一構造の半導体型CNTを分離できることを見いだした。さらに、ゲルを充填したカラムを直列に複数連結した上で、大過剰のCNT分散液を添加することによって、それぞれのカラムに異なる構造の半導体型CNTを吸着させ、一度に分離・回収することが可能である(図1)。
通常、カラムを用いた分離において分離精度を向上させるためには、試料添加量を担体の結合容量以下、あるいは、試料量を少なくすることによって分離精度の向上を目指す。本発明では、通常の全く逆の発想で、あえて試料添加量を大過剰とすることで分離精度の向上を達成しており、独創的な新規分離方法であるといえる。多種多様な物質が存在する中で、担体に対して親和性の高いもののみを先に結合させ、残りの物質と分離することによって、高精度な分離が達成されていると考えている。
本発明はかかる新規な知見に基づいてなされたものである。
すなわち、この出願によれば、以下の発明が提供される。
<1> ルに対して、該ゲルが吸着することができるカーボンナノチューブの量を超える量のカーボンナノチューブを含むカーボンナノチューブ分散液を作用させて、ゲルに対して吸着力の強いカーボンナノチューブを該ゲルに吸着させる工程と、
着力が弱く未吸着のカーボンナノチューブを含む溶液を分離する工程と、
前記分離後のゲルに溶出液を作用させることにより、ゲルに吸着したカーボンナノチューブを取り出す工程と、
を備えることを特徴とするカーボンナノチューブの分離回収方法。
<2> 前記ゲルはカラムに充填されていることを特徴とする<1>に記載のカーボンナノチューブの分離回収方法。
<3> ゲルを充填したカラムをn段直列して備え(n≧2、nは自然数)、第1段目のカラムに充填したゲルに対して該ゲルが吸着することができるカーボンナノチューブの量を超える量のカーボンナノチューブを含むカーボンナノチューブ分散液を作用させて、第n段目のカラムのゲルにカーボンナノチューブが吸着するまで、第1段目のカラムにカーボンナノチューブ分散液を作用させることにより、n段の各カラムのゲルに1番目からn番目までの吸着力が強いカーボンナノチューブを吸着させる工程と、
すべてのカラムのゲルに吸着しない吸着力の弱いカーボンナノチューブを含む溶液を分離する工程と、
各カラムに個別に溶出液を作用させることにより、各カラムのゲルに吸着したn種類の吸着力の異なるカーボンナノチューブを取り出す工程と、
を備えることを特徴とするカーボンナノチューブの分離回収方法。
<4> 分離後のゲルから吸着力の強い特定の構造を持つ半導体型のカーボンナノチューブを取り出すことを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載のカーボンナノチューブの分離回収方法。
<5> 分離後のゲルから特定の構造として特定の直径を持つ半導体型のカーボンナノチューブを取り出すことを特徴とする<4>に記載のカーボンナノチューブの分離回収方法。
<6> 分離後のゲルから特定の構造として特定のカイラリティを持つ半導体型のカーボンナノチューブを取り出すことを特徴とする<4>に記載のカーボンナノチューブの分離回収方法。
<7> 分離後のゲルから特定の構造として特定の局所曲率半径を持つ半導体型のカーボンナノチューブを取り出すことを特徴とする<4>に記載のカーボンナノチューブの分離回収方法。
<8> <1>〜<3>のいずれかに記載のカーボンナノチューブを取り出す工程で得られる、ゲルに対して吸着力の強いカーボンナノチューブ。
<9> <1>〜<3>のいずれかに記載のカーボンナノチューブを分離する工程で得られる、ゲルに吸着しないカーボンナノチューブ。
本発明によれば、金属型CNTと半導体型CNTを分離すると同時に、半導体型CNTを構造の違いにより分離することが可能となる。また、同様に半導体型CNTの混合物から特定の構造をもつものを分離することも可能である。カラムを用いた連続分離のほか、バッチ式に適用することも可能である。特定の構造の半導体型CNTを一度に複数種、高い精度で得ることができるようになる。上述のように、高価な合成DNAを用いて単一構造の半導体型CNTを分離する手法(非特許文献7)では、個別の構造のCNTに対して特定の配列をもつ合成DNAを準備する必要があるが、本発明では、いずれの構造の半導体型CNTを分離するにも同一の試薬で良く、操作性やコストの面で非常に優れている。また、設備も安価なもので精度良く分離でき、カラムは繰り返し利用可能で、自動化による分離も可能であり、これらの長所から分離コストを大幅に縮小することが可能となる。半導体型CNTを構造によって分離できる、なおかつ、金属型CNTと半導体型CNTの分離を同時に行うこともできる、非常に実効性の高い方法ということができる。
カラムを直列に連結し、単一構造の半導体型CNTを分離・回収する方法の説明図。ゲルを充填したカラムを直列に複数連結した上で、大過剰のCNT分散液を添加することによって、それぞれのカラムに異なる構造の半導体型CNTを吸着させる。未吸着の金属型CNTを多く含むCNT溶液を十分に洗い流した後、それぞれのカラムを分離して(右図、枠内)、溶出液でカラムに吸着したCNTを回収する。 分離試料の光吸収スペクトル(A,B)とラマンスペクトル(C)(HiPco-CNT) 分離試料の写真(HiPco-CNT) 分離試料の蛍光スペクトル測定の結果(HiPco-CNT)。(A)分離前、(B)分離後の各フラクション。励起波長(縦軸)に対する蛍光波長(横軸)の蛍光強度を等高線図で示してある。色の濃い背景に対して、明るくみえるスポット、さらに色濃く見えるスポットの色の濃さの順に強度が強くなることを示している(図右のスケールを参照)。主要なスポットには脇にカイラル指数を示している。 分離試料の光吸収スペクトル(CoMoCAT-CNT) 分離試料の蛍光スペクトル測定の結果(CoMoCAT-CNT) 分離試料の写真(CoMoCAT-CNT) 直列カラムで分離されるCNTのカイラリティの順番と各種パラメータをプロットした結果。(A)カイラル角、(B)直径、(C)局所曲率半径。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明において分離回収される「特定の構造を持つ」カーボンナノチューブには、直径、カイラリティ、局所曲率半径、およびこれらの組み合わせなどで定義される特定の構造において、紫外-可視-近赤外光吸収スペクトル測定、蛍光スペクトル測定、ラマンスペクトル測定などからその構造に基づく特徴が、分離操作前のものと対比したときに明りょうに識別できるものが含まれる。従って、このような分離回収後の特定の構造を持つカーボンナノチューブは、実質的に単一構造からなるものは勿論、特定の構造として2種以上の複数種のものが抽出された混合物であってもよい。また、このような特定の構造を持つカーボンナノチューブが選択的に分離回収されたことが上記のような測定に基づいて識別し得る範囲内において、他の任意の構造のものを若干量含む混合物であってもよい。
本発明は、金属型CNTと半導体型CNTを含む混合物(以下単にCNTとも言う)あるいは、構造の異なる半導体型CNTの混合物を対象とし、金属型CNTと半導体型CNTに分離するとともに異なる構造の半導体型CNTを分離する方法、あるいは、異なる構造のCNTを分離する方法に関するものである。
本発明の異なる構造のCNTを分離する方法は、前述のようにして得られるCNT分散液を、カラムに充填したゲルに過剰量添加することにより、吸着力の強い一部のCNTのみを分離精製するというものである。
ここでいうCNT分散液の過剰量とは、カラムに充填したゲルに対するカーボンナノチューブの吸着容量よりも多い量のことである。つまり、カラムに投入するCNTの量を増やしていった時に、本来ゲルに吸着することができるCNTが、本来ゲルに吸着することができないCNTと同様にカラムに吸着できずに、溶出してしまう量のことである。CNTをカラムに投入した時に、カラムに充填したゲルに吸着せずに回収されたCNTを、再度、新たに準備した同様のカラムに投入した際に、カラムに充填したゲルに吸着するCNTが残っている状態になる時、最初にカラムに投入したCNTの量が過剰量ということになる。
カラムに充填したゲルに対して過剰量のCNT分散液を作用させた時に、特定の構造のCNTのみが結合する原理は、次の様に考えられる。カラムに充填したゲルに対して過剰量のCNT分散液をカラムに投入すると、様々な種類のCNTのうち、ゲルに対して吸着力の強い特定の構造をもつCNTが吸着力の弱いものよりも優先的に吸着していき、吸着力の弱いCNTはゲルに吸着できずに排出される。その結果、ゲルに吸着したCNTの種類は吸着力の強いものに限定され、特定の種類のCNTのみを得ることができる。
さらに、同様のカラムを何段も直列に接続して、カラムに充填したゲルに対して過剰量のCNT溶液を添加して分離を行うと、構造の異なる複数種類のCNTを一度に分離することが可能となる。つまり、1番初めのカラムに最も吸着力の強い構造をもつCNTが吸着し、2番目のカラムには最初のカラムに吸着しなかったCNTの中で最も吸着力の強い構造をもつCNTが吸着し、あとはその繰り返しで、3番目、4番目、5番目・・・のカラムの順に、吸着力の強い順番にCNTが結合して、結果的に、特定の構造を持つCNTを同時に分離できる。
分離に使用するCNTは、製造方法や形状(直径や長さ)あるいは構造(単層、二層など)などについて問題とされることなく、いずれも本発明の分離の対象とすることができる。
一般的に、CNTの構造は(n,m)と言う2つの整数の組からなるカイラル指数により一義的に定義される。本発明でいう、金属型CNTと半導体型CNTとは、カーボンナノチューブをその電気的性質から分けたものであり、金属型CNTは、カイラル指数がn-m=(3の倍数)となるものであり、半導体型CNTは、それ以外の(n-m=3の倍数でない)ものと定義される(非特許文献8 齋藤理一郎、篠原久典 共編「カーボンナノチューブの基礎と応用」培風館、p13〜22)。
[CNT分散液の調製について]
合成されたCNTは通常、金属型CNTと半導体型CNTの両方を含む数十から数百本の束(バンドル)になっている。金属型CNTと半導体型CNTの分離、あるいはCNTの構造による分離に先立って、一本ずつに孤立した状態のCNTとして分散可溶化して、長時間安定に存在させておくことが肝要である。
そこで、CNTの混合物を、分散剤として界面活性剤を添加した溶液に加え、十分に超音波処理を行うことにより、CNTを分散・孤立化させる。この分散処理を施した液には、分散・孤立化したCNTと、分散・孤立化できずにバンドルを形成したままのCNT、合成副産物であるアモルファスカーボンや金属触媒などが含まれる。
超音波処理後に得た分散液を遠心分離機より遠心分離することにより、バンドルのままのCNTやアモルファスカーボン、金属触媒は沈殿し、一方、界面活性剤とミセルをなした孤立CNTは上清として回収できる。得られた上清がCNTの分離に使用する試料となる。
CNT分散液の調製に用いる溶媒としては、水が最も好ましい。この点からCNT分散液の調製には水が使用される。
界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤のいずれもが使用できる。
陰イオン界面活性剤では、アルキル硫酸系で炭素数が10〜14のものや、ドデカンスルホン酸、ドデカノイルサルコシン、ドデカン酸、コール酸などが好ましい。両性界面活性剤では、n-ドデシルホスホコリンなどが好ましい。これらの界面活性剤は混合して使用することができ、また、他の界面活性剤と併用することもできる。
併用される界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤の他、高分子ポリマー、DNA、タンパク質などの分散剤でも良い。界面活性剤などの分散剤の濃度については、使用するCNTの種類や濃度、使用する分散剤の種類などによって異なるが、例えば、終濃度で0.01%〜25%とすることができる。
この方法により、分散液中のCNTの濃度を1μg/ml〜10mg/ml、好ましくは、0.1mg/ml〜1mg/mlとすることができる。試料の添加量は、試料に含まれる分離物が何種類あるかやその組成比率によっても変わってくるが、たとえば、ゲル担体の結合容量に対して数倍から数十倍量とすることができる。
[用いるゲルについて]
使用するゲルは、従来公知の糖質系のゲルである、デキストラン系ゲル(セファクリル:アリルデキストランとN,N’-メチレンビスアクリルアミドのホモポリマー、GEヘルスケア社)、アガロースゲル、デンプンゲルなどや、アクリルアミドゲルなどである。また、これらゲルの混合物、あるいは、これらゲルの構成成分や他の物質の混合物や化合物からなるゲルであってもよい。
ゲル濃度については、例えば、終濃度で0.01%〜25%とするのがよい。
本発明の分離はカラム法に限定されるものではなく、例えば、大過剰のCNT分散液に少量のゲルを添加して、吸着力の強い物質のみをゲルに吸着させて分離回収するというような、バッチ法にも適用できる。
カラムを用いた分離では、カラムへの送液は、オープンカラムを用いて溶媒の重力落下で送液する方法の他、密閉したカラムにポンプで溶液を送液する方法などが適用できる。ポンプを用いた分離では、流速をあげて大量処理を行うことも可能である。クロマトグラフィー装置を用いた自動分離も可能である。
直列に連結したカラムを用いた場合でも、カラムの前後に適当なバルブを配置することによって、分離の全行程を自動化することも可能である。
結合力が弱く、ゲルに吸着しにくいCNTの場合には、分離に用いる溶液の分散剤の濃度を変化させることなどによって吸着力を高めることで、分離が可能となる。
ゲルに吸着したCNTを回収するために、界面活性剤など分散剤を用いることができる。
金属型CNTと半導体型CNTの比率を見積もるために紫外-可視-近赤外光吸収スペクトル測定を利用する。
HiPco法で合成したCNT(HiPco-CNT、直径1.0±0.3nm)を用いた時の結果を例として説明する(図2A、Pristine)。M11と呼ばれる吸収波長帯(およそ450-650nm)は金属型CNTによるものである。S11(およそ900nm以上)、S22(およそ650-900nm)とS33(およそ450nm以下)という3つ吸収波長帯は、半導体型CNTによるものである。ここでは、M11とS22のピークの大きさの比率から金属型CNTと半導体型CNTの比率を見積もる。測定するCNTの平均直径によって吸収波長帯(M11、S11、S22、S33)は変化する。平均直径が細くなるにつれて短波長側に、平均直径が太くなるにつれて長波長側にシフトしていく。
光吸収スペクトル測定では、CNTの吸収が重なり合い、単一のピークが単一のCNTによるものか、異なる種類の複数のCNTのピークが重なり合ったものか区別がつかない。そこで、個別の金属型・半導体型のCNTの区別して検出するために、ラマン分光測定を使用した。分離前のHiPco-CNTを試料に用い、633nmのレーザー光で励起し測定した結果が(図2C、Pristine)である。波数が254、265,284,298cm-1のピークが半導体型CNTに、197、218cm-1のピークが金属型CNTに由来する。いずれのピークも単一構造のCNTに由来し、波数の値が大きなものほど、直径が小さいCNT由来である。
上記のラマン分光測定では、金属型・半導体型CNTをカイラリティごとに検出できるが、存在する一部のCNT由来の情報しか得ることができない。蛍光スペクトル測定は、金属型CNTを測定できないが、半導体型CNTをカイラリティごとに区別して検出することができる。分離後のHiPco-CNTを試料に用いて測定した結果が(図4B)である。縦軸に励起波長、横軸に蛍光波長、蛍光強度を色の濃さで示す等高線図で表示している。スポットして現れるのが、単一カイラリティの半導体型CNTに由来する蛍光である。対応するカイラリティは、スポットの脇に示してある。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明がこれに制限されるものではない。
〈実施例1〉
カラムに大過剰のCNT試料を添加することにより、単一カイラリティの半導体型CNTを分離回収した。
[CNT分散液の調製]
100mgのHipco-CNT(CNI社、化学気相成長法で合成されたCNT、直径1.0±0.3nm)に、2%SDS水溶液(100ml)を加えた。その溶液をチップ型超音波破砕機(ソニファイアー、ブランソン社製、チップ先端径:0.5インチ)を用いて、冷水中で冷却しながら、出力20W/cmで20時間超音波処理した。超音波処理よって得られた分散液を、超遠心分離(197,000×g、15分)にかけた後、上清を80%回収した。この溶液をCNT分散液とした。
[カラムの調製と分離]
ゲルビーズ(セファクリルS-300、GEヘルスケア社)をカラム担体に用いた。長さ7.5cm内径1.5cmのプラスチックカラムに高さが約2mmとなるようにゲルビーズを充填し、脱イオン水を通した後、2%SDS水溶液で平衡化した。そこへ、5mlのCNT分散液を添加した。その後、2%SDS水溶液を添加し、溶液が無色透明になるまでカラムを洗浄した。洗浄後のゲルは紫色を呈していた。ここへ、溶出液の0.05%DOC水溶液を添加することにより、カラムに吸着していたCNTを回収した。得られた水溶液の光吸収スペクトル(Col1)と蛍光スペクトル(Col1)をそれぞれ図2A、4Bに示す。
[光吸収スペクトル測定と蛍光スペクトル測定]
単一構造からなるCNTの光吸収スペクトルは、半導体型であれば、長波長側から、S11、S22、S33という吸収ピークが、金属型であれば、S22とS33の間のあたりに、M11というピークが観測される。これらの吸収ピークは直径によってピークの波長が異なり、直径の大きなCNTであれば長波長側、直径の小さなCNTであれば短波長側へとシフトする。合成されたCNTは、様々な種類・直径のCNTの混合物であり、光吸収スペクトルはこれら混合物のピークの重ねあわせとなって観測される。図2Aの光吸収スペクトル測定の結果を見ると、分離前のCNT(Pristine)ではいくつものピークが認められるが、カラムに吸着・溶出したもの(Col1)は、S11、S22、S33領域にそれぞれ1つずつのピークが認められ、単一カイラリティの半導体CNTが分離されたことが示唆された。
光吸収スペクトルでは別のCNTの吸収ピークが重なっていて判別できない可能性がある。そこで、半導体型CNTの個別のカイラリティを区別して検出することが可能な蛍光スペクトル測定を行った。縦軸に励起波長、横軸に蛍光波長、蛍光強度を色の濃さで示す等高線図で表示している。スポットして現れるのが、単一半導体CNTに由来する蛍光である。分離前の試料には多数のスポットが認められるが(図4A)、分離後の試料のスペクトルは(6,5)CNTのほぼ単一なスポットのみしか認められなかった。
以上の結果は、少量のゲル担体に大過剰のCNT分散液を添加することによって、単一カイラリティのCNTを分離回収できることを示している。
〈実施例2〉
実施例1と同様の実験を、複数のカラムを直列に連結することにより、異なるカイラリティのCNTを別のカラムに一度に吸着させたのち、それぞれのカラムに分けてからカラムに吸着したCNTを回収することにより、カイラリティの異なるCNTを一度に分離回数した。
[カラムの調製と分離]
図1に示すように、6つのカラムを直列に連結した。セファクリルS-200、セファクリルS-300のどちらを用いても分離が可能であるが、(6,5)CNTの純度が良好なセファクリルS-300を1、2段目のカラムに用いた。1段目のカラムには高さ2mm、2段目には高さ3.5mm程度のセファクリルS-300を充填した。3〜6段目のカラムには、セファクリルS-200を高さ6mm程度になるように充填し使用した。分離に先立って、カラムを脱イオン水、2%SDS水溶液で順に平衡化した。
第1段階として、5mlのCNT分散液を添加した後、2%SDS水溶液を送液してカラムに吸着しないCNTを取り除いた。その後、各々のカラムを分離して、それぞれのカラムに吸着しているCNTを0.05%DOC水溶液で溶出し回収した(図1右枠内)。1〜6段目のカラムから溶出・回収したフラクションをCol1〜Col6と名付けた。カラムは2%DOC水溶液で洗浄した後、2%SDS水溶液で再度平衡化を行い、次の分離に使用した。2回目以降の分離では、連結した6つのカラムはすべてセファクリルS-200(高さ6mm)を使用した。試料には1回目の分離でカラムに吸着せずに素通りしたCNT溶液をそのまま使用した。ここで分離回収したフラクションはそれぞれ、Col7〜Col12とした。
次の段階では、2回目の分離でカラムに吸着せずに素通りしたCNT分散液をゲルに吸着させて分離できるようにするために、分散剤の濃度を低くして分離を行った。具体的には、素通りしたCNT分散液を超遠心分離(197,000×g、3時間)によって沈降させて濃縮した後、終濃度が1.5%SDSとなるように希釈して5mlにメスアップし、分離用試料とした。カラムの平衡化と未吸着CNTの溶離液に1.5%SDS水溶液を用いる他は2回目の分離と同様の手順で分離を行い、得られたカラム吸着画分をCol13〜Col18とした。3回目の分離でカラムに吸着しなかったCNT溶液は、再度、カラムに供して1.5%SDSを用いて分離を行い、得られた画分をCol19〜Col24とした。
第3段階では、4回目の分離でカラムに吸着せずに素通りしたCNT溶液を、超遠心分離(197,000×g、3時間)によって濃縮した後、終濃度が1%SDSとなるように希釈して5mlにメスアップし、分離用試料とした。カラムの平衡化と未吸着CNTの溶離液に0.5%SDS水溶液を用いる他は2回目の分離と同様の手順で分離を行い、得られたカラム吸着画分をCol25〜Col30とした。5回目の分離でカラムに吸着しなかったCNT溶液は、再度、カラムに供して分離を行い、得られた画分をCol31〜Col36とした。
最終的にいずれのカラムにも結合しなかったCNT溶液を、金属型CNT(Metal)として回収した。
[光吸収スペクトル測定とラマン測定]
分離した試料の光吸収スペクトルを図2A、Bに示す。図2Aには、分離前(Pristine)、分離後金属型CNT(Metal)、カラムに結合したフラクションCol1〜Col7の結果を、図2Bには、Col8〜Col31のうち抜粋した結果を示している。それぞれのフラクションで異なるピーク形状が認められ、半導体型CNTの構造分離が起きていることがわかる。S11またはS22に注目すると、フラクションが後になるほど、吸収ピークが長波長側へシフトしていく傾向が認められた。言い換えれば、直径の小さなCNTほど早くカラムに結合し、直径の大きなCNTほど後のカラムに結合する傾向があるということである。
図2Cは、分離試料のラマンスペクトルを測定した結果である。ラマン測定の結果からも、直径の小さなCNTが早くカラムに結合する傾向が認められ、光吸収スペクトルから得られる結果と一致した。
光吸収スペクトルがシフトすることから、分離したCNTの溶液の色も各フラクションによって異なる。図3は分離した各フラクションの溶液の写真であり、金属型のものは茶色であり、半導体型のフラクションは、紫色から緑色系への鮮やかな色の変化が認められた。
[蛍光スペクトル測定]
上述のように、蛍光スペクトル測定により、単一構造の半導体型CNTを個別に検出することが可能であり、より詳細な情報を得ることができる。図4Bに、各カラムから溶出されたフラクション(Col1〜Col31)の結果を抜粋して示す。Col1では(6,5)のCNTがほぼ単一にまで分離されており、同様にCol4に(7,5)、Col8に(7,6)、Col16に(8,6)、Col24に(10,2)、Col29に(11,3)といった様に特定のカイラリティのCNTが濃縮されていることが判明した。Col1フラクションにおける(6,5)CNTの割合は算出すると約80%のピーク強度に達していた。
以上の結果は、直列に接続したカラムを用いて、過剰量のCNTを添加することによって、単一カイラリティのCNTを同時に何種類も分離回収できることを示している。
〈実施例3〉
実施例2と同様の実験を、異なる種類のCNT(CoMoCAT-CNT、サウスウェスト・ナノテクノロジーズ社、直径0.8±0.1nm)を用いて行った。カラムには、セファクリルS-300を充填したものを6個つなげて使用し、10mlのCNT分散液を添加した。2%SDS水溶液を展開溶媒に用いた分離を2サイクル繰り返し、いずれのカラムにも結合しなかったCNT溶液を、金属型CNT(Metal)として回収した。本CNTは直径が細くゲルへの吸着が強いため、2%SDS溶液でほぼすべての半導体CNTが吸着した。そのため、SDS濃度を下げての3回目の吸着実験は行わなかった。光吸収スペクトルの結果から、CoMoCAT-CNTを用いた時も、直径の小さなCNTが初めのカラムに吸着し、より太いCNTが遅れて吸着する傾向が認められた(図5)。蛍光スペクトル測定の結果を図6に示す。CoMoCAT-CNTは、元々(6,5)CNTを多く含む試料である(図6A、未分離試料)。分離後Col1フラクションの(6,5)CNTの割合約85%のピーク強度に達しており、HiPco-CNTを試料に用いた時よりも、単一性の高いCNTを得ることができた。溶液の色は、金属型CNTは金色、Col1はアザミ色、Col6はスチールブルーであった(図7)。
実施例2と実施例3の蛍光スペクトル測定の結果から、各フラクションの蛍光強度の相対比を各フラクション間で比較することで、各カイラリティのCNTの相対量の増減を知ることができる。その結果、カラムに結合するカイラリティの順番は、図8のグラフの横軸の順((6,5)、(7,5)、(8,3)、・・・・、(8,7)、(9,7))となった。この結合順の法則性を見いだすために、様々なパラメータについてプロットしてみた。まず、カイラル角についてプロットしてみたところ、法則性を見いだすことができなかった(図8A)。次に、直径についてプロットしたところ、例外があるものの、おおよそ直径が小さなものが早くカラムに結合し分離される結果となった(図8B)。この結果は、光吸収スペクトル測定やラマン測定で得られた結果と一致していた。最後に、円筒状になっているCNTの炭素原子間の結合の曲がり具合を示す局所曲率半径(Local Curvature radius(非特許文献9 J. Phys. Chem. C 111, (2007) 9671-9677))に対してプロットした結果が(図8C)である。その結果、この場合には、局所曲率半径が小さなものほど強くゲルに結合し、局所曲率半径の大きなものほど結合が弱く、後の方のカラムに結合し分離されることが判明した。直径に対してプロットした結果(図8B)よりもばらつきが少なく、強い相関が得られた。
CNTはグラフェンを円筒状に丸めた構造であるため、グラフェンの電子構造と類似の電子構造を持つ。グラフェンと同様に、CNTでは結合に関与する電子の他に、結合に関与しないπ電子があり、そのπ電子の性質がCNTの性質を決定している。π電子は、六角格子と垂直方向にその電子軌道を持っているが、CNTでは、グラフェンシートが丸まって曲率を持つため、CNTの内側のπ軌道は隣のπ電子の軌道との重なりが大きくなり、CNT外側のπ電子軌道は重なりが小さくなる。その結果π電子は軌道の重なりを避けようとして軌道の重心がずれてCNTの外側に張り出した形になる。その際、sp2結合の結合曲率(sp2混成軌道本来の平面からのずれ)が大きいCNTほど(つまり、局所曲率半径が小さいCNTほど)、π電子軌道の外側への張り出しが大きくなる。π電子軌道のCNT外側への張り出しの大きなCNTほどπ電子とセファクリル分子との相互作用が大きくなるため、CNTとゲルとの結合が強くなり、その結果、図8Cに示される様に、結合曲率半径の大きさの順にCNTの構造分離が実現されたものと考えられる。

Claims (9)

  1. ルに対して、該ゲルが吸着することができるカーボンナノチューブの量を超える量のカーボンナノチューブを含むカーボンナノチューブ分散液を作用させて、ゲルに対して吸着力の強いカーボンナノチューブを該ゲルに吸着させる工程と、
    着力が弱く未吸着のカーボンナノチューブを含む溶液を分離する工程と、
    前記分離後のゲルに溶出液を作用させることにより、ゲルに吸着したカーボンナノチューブを取り出す工程と、
    を備えることを特徴とするカーボンナノチューブの分離回収方法。
  2. 前記ゲルはカラムに充填されていることを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブの分離回収方法。
  3. ゲルを充填したカラムをn段直列して備え(n≧2、nは自然数)、第1段目のカラムに充填したゲルに対して該ゲルが吸着することができるカーボンナノチューブの量を超える量のカーボンナノチューブを含むカーボンナノチューブ分散液を作用させて、第n段目のカラムのゲルにカーボンナノチューブが吸着するまで、第1段目のカラムにカーボンナノチューブ分散液を作用させることにより、n段の各カラムのゲルに1番目からn番目までの吸着力が強いカーボンナノチューブを吸着させる工程と、
    すべてのカラムのゲルに吸着しない吸着力の弱いカーボンナノチューブを含む溶液を分離する工程と、
    各カラムに個別に溶出液を作用させることにより、各カラムのゲルに吸着したn種類の吸着力の異なるカーボンナノチューブを取り出す工程と、
    を備えることを特徴とするカーボンナノチューブの分離回収方法。
  4. 分離後のゲルから吸着力の強い特定の構造を持つ半導体型のカーボンナノチューブを取り出すことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブの分離回収方法。
  5. 分離後のゲルから特定の構造として特定の直径を持つ半導体型のカーボンナノチューブを取り出すことを特徴とする請求項4に記載のカーボンナノチューブの分離回収方法。
  6. 分離後のゲルから特定の構造として特定のカイラリティを持つ半導体型のカーボンナノチューブを取り出すことを特徴とする請求項4に記載のカーボンナノチューブの分離回収方法。
  7. 分離後のゲルから特定の構造として特定の局所曲率半径を持つ半導体型のカーボンナノチューブを取り出すことを特徴とする請求項4に記載のカーボンナノチューブの分離回収方法。
  8. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブを取り出す工程で得られる、ゲルに対して吸着力の強いカーボンナノチューブ。
  9. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブを分離する工程で得られる、ゲルに吸着しないカーボンナノチューブ。
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