JP5471538B2 - 刃先交換式溝入れ工具及び端面溝入れ加工方法 - Google Patents
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このようにして、被削材Wの加工穴Hにおける内周面Sの径方向内方に配されるとともに回転軸線WO方向を向く奥面(内径側端面)Bに対して、刃先交換式溝入れ工具100を用いた内径側端面溝入れ加工が行われている。
また、このような溝入れ加工に用いられる他の切削インサートとして、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。
切削インサート30は、そのインサート本体31の延在方向(図23、図24に示すインサート長手軸線C1)が被削材Wの回転軸線WOに対して平行であるとともに、被削材Wの周面S、Rに対して平行に延びて配置されており、一対の切れ刃32は、周面S、Rからの距離が互いに同一とされている。このような切削インサート30の配置状態で、一方の切れ刃32Aが被削材Wの周面S、Rから離間されて端面B、Eに溝入れ加工する際には特に問題はないが、切れ刃32Aが被削材Wの周面S、Rに沿って移動しつつ端面B、Eに対して溝入れ加工する場合には、他方の切れ刃32Bが周面S、Rに接触して傷付けてしまう。尚、図23、図24に示すように、被削材Wにおいて最も工具本体1の基端側に位置する端面Fから加工穴Hの端面B又は段部Uの端面Eまでの深さd1と、他方の切れ刃32Bから端面B、Eまでの距離L3との関係が、d1<L3である場合には接触は無いが、d1≧L3となると接触することから、被削材Wの形状が制限される上、加工中に前記距離L3が縮小されていき前述の接触が生じることが考えられる。このような接触が生じると、被削材Wの加工精度が確保できないばかりか、未使用の他方の切れ刃32Bが傷んでしまうことになる。詳しくは、図25、図26に示すように、他方の切れ刃32Bにおいて被削材Wの周面S、R側に位置するコーナー部43Cが、周面S、Rに接触する。このため、図23及び図24のような被削材Wの周面S、Rに沿った端面溝入れはできなかった。
すなわち本発明は、回転軸線を中心に回転する被削材の端面に向けて切れ刃を突出させた切削インサートと、軸状をなし、先端部に前記切削インサートが着脱自在に装着される工具本体と、を有し、前記切れ刃で前記端面に溝入れ加工する刃先交換式溝入れ工具であって、前記切削インサートは、棒状をなすインサート本体の延在方向の両端部における該インサート本体の上面に一対の切れ刃を備え、前記インサート本体の延在方向の中央及び該延在方向に直交する幅方向の中央を通りこれら延在方向及び幅方向に直交するインサート高さ軸線に関して回転対称、かつ、前記インサート高さ軸線を含み前記延在方向に垂直なインサート仮想平面に関して面対称に形成され、前記切れ刃は、前記インサート本体の延在方向の端縁に形成されて前記幅方向に沿って延びる正面切れ刃と、この正面切れ刃の両端に配置されて前記幅方向にそれぞれ突出する一対のコーナー部と、前記コーナー部から前記延在方向に沿って該インサート本体の中央側に向かうに従い漸次互いの間隔を狭めるようにそれぞれ延びる一対の側面切れ刃とを有し、前記工具本体は、前記切削インサートを該工具本体の側方を向く一側面に沿うように配置しているとともに、前記一対の切れ刃のうち一方の切れ刃を前記先端部の先端面から先端側へ向けて溝入れ方向に突出させており、前記工具本体の中心軸線は、前記先端部を通り前記溝入れ方向に延びており、前記切削インサートは、前記インサート本体の延在方向の中央を通り前記幅方向に沿うインサート幅軸線が、前記幅方向のうち、前記一対のコーナー部における前記工具本体の中心軸線から離間する方向に位置する一方のコーナー部から他方のコーナー部に向かう方向である他方の幅方向へ向かうに従い漸次前記工具本体の上側へ向けて傾斜しており、前記インサート本体の幅方向の中央を通り前記延在方向に沿うインサート長手軸線が、前記一方の切れ刃における一方のコーナー部を含み前記工具本体の上下方向に垂直な工具仮想平面に対して傾斜しているとともに、前記延在方向のうち、前記一対の切れ刃における他方の切れ刃から前記一方の切れ刃に向かう方向である一方の延在方向へ向かうに従い漸次前記工具仮想平面に接近するように前記工具本体の上側へ向けて延びており、前記他方の切れ刃における前記他方のコーナー部よりも前記工具本体の中心軸線から離間する方向に位置する前記一方のコーナー部が、前記一方の切れ刃における前記他方のコーナー部よりも前記中心軸線から離間する方向に位置する前記一方のコーナー部に対して、前記中心軸線に近づく方向に配置されていることを特徴とする。
また本発明は、回転軸線を中心に回転する被削材の端面に向けて切れ刃を突出させた切削インサートと、軸状をなし、先端部に前記切削インサートが着脱自在に装着される工具本体と、を有する刃先交換式溝入れ工具を用いて、前記切れ刃で前記被削材の端面に溝入れ加工する端面溝入れ加工方法であって、前記切削インサートは、棒状をなすインサート本体の延在方向の両端部における該インサート本体の上面に一対の切れ刃を備え、前記インサート本体の延在方向の中央及び該延在方向に直交する幅方向の中央を通りこれら延在方向及び幅方向に直交するインサート高さ軸線に関して回転対称、かつ、前記インサート高さ軸線を含み前記延在方向に垂直なインサート仮想平面に関して面対称に形成され、前記切れ刃は、前記インサート本体の延在方向の端縁に形成されて前記幅方向に沿って延びる正面切れ刃と、この正面切れ刃の両端に配置されて前記幅方向にそれぞれ突出する一対のコーナー部と、前記コーナー部から前記延在方向に沿って該インサート本体の中央側に向かうに従い漸次互いの間隔を狭めるようにそれぞれ延びる一対の側面切れ刃とを有し、前記切削インサートを、前記一対の切れ刃のうち一方の切れ刃を溝入れ方向に突出させて前記工具本体に装着して、該一方の切れ刃を前記溝入れ方向に沿って移動させることにより前記端面に対して溝入れ加工するときに、前記インサート本体の延在方向の中央を通り前記幅方向に沿うインサート幅軸線を、前記幅方向のうち、前記一対のコーナー部における一方のコーナー部から他方のコーナー部に向かう方向である他方の幅方向へ向かうに従い漸次被削材の回転する回転方向の後方側へ向けて傾斜させ、前記インサート本体の幅方向の中央を通り前記延在方向に沿うインサート長手軸線を、前記一方の切れ刃における一方のコーナー部及び前記回転軸線を含む工具仮想平面に対して傾斜させるとともに、前記延在方向のうち、前記一対の切れ刃における他方の切れ刃から前記一方の切れ刃に向かう方向である一方の延在方向へ向かうに従い漸次前記工具仮想平面に接近するように前記回転方向の後方側へ向けて延在させ、被削材のうち、前記端面に隣接して前記回転軸線方向に立ち上がるとともに前記回転軸線回りに沿って形成された周面に対して、前記他方の切れ刃における前記一方のコーナー部を、前記一方の切れ刃における前記周面に沿って前記端面に切り込む前記一方のコーナー部よりも離間して配置することを特徴とする。
また、外径側端面溝入れ加工を行う場合においては、一方の切れ刃の正面切れ刃が前述のように設定されることによって、より高精度に安定して切削加工が行える。詳しくは、刃先交換式溝入れ工具は、工作機械等に装着される際、少なくとも工具本体の前記一側面とは反対側の側方を向く他側面を該工作機械等に当接した状態とされる。切削インサートの一方の切れ刃の正面切れ刃が前記他方の幅方向へ向かうに従い漸次被削材の回転する回転方向の後方側へ向けて傾斜していることにより、溝入れ時に該切れ刃が受ける切削抵抗の分力は、工具本体の前記他側面を工作機械等に押し付けるように作用する。これにより、切削時の刃先交換式溝入れ工具の工作機械等に対する位置が安定するとともに、精度の高い切削加工が安定して行えるのである。
また、前述した接触によって、未使用の他方の切れ刃が傷んでしまうようなことが防止される。
また、本発明に係る端面溝入れ加工方法において、前記切削インサートを前記工具仮想平面に直交する向きから見て、前記インサート幅軸線と前記回転軸線とのなす角度θ1を、90°≦θ1≦90.5°に設定することとしてもよい。
また、本発明に係る端面溝入れ加工方法において、被削材の前記周面は、該被削材に形成された加工穴における前記回転軸線に直交する径方向の内側を向く内周面であり、前記端面は、前記加工穴における前記工具本体の基端側を向く奥面であり、前記一方の切れ刃により、この奥面に対して内径側端面溝入れ加工することとしてもよい。
また、本発明に係る端面溝入れ加工方法において、被削材の前記周面は、該被削材における前記回転軸線に直交する径方向の外側を向く外周面であり、前記端面は、前記外周面に形成された段部における前記工具本体の基端側を向く端面であり、前記一方の切れ刃により、この端面に対して外径側端面溝入れ加工することとしてもよい。
また、本発明に係る端面溝入れ加工方法において、前記一方の切れ刃における前記一対のコーナー部を、前記回転軸線に垂直な被削材仮想平面上に配置することとしてもよい。
また、本発明に係る端面溝入れ加工方法において、前記コーナー部は、凸曲線状の第1コーナー刃を有し、前記一方の切れ刃における前記一方のコーナー部は、このコーナー部に隣接する前記正面切れ刃の延長線と前記第1コーナー刃における前記幅方向の外縁部から前記延長線に向けて延ばした垂線との交点を、前記工具仮想平面上に配置することとしてもよい。
また、本発明に係る端面溝入れ加工方法において、前記コーナー部は、前記第1コーナー刃における前記インサート本体の延在方向の中央側の端部と前記側面切れ刃とを繋ぐ直線状の第2コーナー刃を有し、前記切削インサートを前記工具仮想平面に直交する向きから見て、前記第2コーナー刃を、被削材の前記回転軸線に対して平行となるように延ばして配置することとしてもよい。
また、本発明に係る刃先交換式溝入れ工具において、前記他方の切れ刃における前記一方のコーナー部から前記回転軸線までの距離が、前記一方の切れ刃における前記一方のコーナー部から前記回転軸線までの距離よりも小さいこととしてもよい。
また、本発明に係る端面溝入れ加工方法において、前記他方の切れ刃における前記一方のコーナー部から前記回転軸線までの距離を、前記一方の切れ刃における前記一方のコーナー部から前記回転軸線までの距離よりも小さくすることとしてもよい。
また、本発明に係る刃先交換式溝入れ工具において、前記他方の切れ刃における前記一方のコーナー部から前記回転軸線までの距離が、前記一方の切れ刃における前記一方のコーナー部から前記回転軸線までの距離よりも大きいこととしてもよい。
また、本発明に係る端面溝入れ加工方法において、前記他方の切れ刃における前記一方のコーナー部から前記回転軸線までの距離を、前記一方の切れ刃における前記一方のコーナー部から前記回転軸線までの距離よりも大きくすることとしてもよい。
図1〜図11は、本発明の第1の実施形態に係る刃先交換式溝入れ工具10、及び、この刃先交換式溝入れ工具10に用いられる切削インサート30を示している。本実施形態に係る刃先交換式溝入れ工具10は、軸状に形成され、その中心軸線TOに直交する断面が略円形をなす工具本体1と、この工具本体1の中心軸線TOに沿う先端側の端部(先端部)3に着脱自在に装着されて該工具本体1の先端面1Aから先端側へ向けて切れ刃32を突出させる切削インサート30とを有している。
次に、本発明の第2の実施形態に係る刃先交換式溝入れ工具20について、図12〜図20を参照して説明する。尚、前述の実施形態と同一部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
例えば、前述した実施形態では、工具本体1の先端部3にインサート取付座4が形成されていることとしたが、これに限定されるものではなく、先端部3に着脱可能なヘッド部が装着されているとともに、このヘッド部にインサート取付座4が形成されていることとしてもよい。この場合、インサート取付座4は前記ヘッド部の一側面に開口し形成されるとともに、切削インサート30は、前記一側面に沿うように配置される。また、前述した工具本体1の形状は、前述の実施形態で説明したものに限定されない。
1A 先端面
2C、3C 一側面
3 先端部
10、20 刃先交換式溝入れ工具
30 切削インサート
31 インサート本体
32 切れ刃
32A 一方の切れ刃
32B 他方の切れ刃
41 正面切れ刃
42 側面切れ刃
43 コーナー部
43A 一方の切れ刃において他方の幅方向C2Aとは反対側に位置する一方のコーナー部
43B 一方の切れ刃において他方の幅方向C2A側に位置する他方のコーナー部
43C 他方の切れ刃において他方の幅方向C2Aとは反対側に位置する一方のコーナー部
43D 他方の切れ刃において他方の幅方向C2A側に位置する他方のコーナー部
44 第1コーナー刃
45 第2コーナー刃
B 奥面(端面)
C1 インサート長手軸線(インサート本体の延在方向)
C1A インサート本体の延在方向のうち、他方の切れ刃から一方の切れ刃に向かう方向である、一方の延在方向
C2 インサート幅軸線(インサート本体の幅方向)
C2A インサート本体の幅方向のうち、一方のコーナー部から他方のコーナー部に向かう方向である、他方の幅方向
C3 インサート高さ軸線(インサート本体の高さ方向)
E 端面
H 加工穴
P 延長線VL1と垂線VL2との交点
R 被削材の外周面(周面)
S 内周面(周面)
TO 工具本体の中心軸線
U 段部
VL1 正面切れ刃の延長線
VL2 第1コーナー刃の外縁部から延長線VL1に向けて延ばした垂線
VS1 インサート仮想平面
VS3 工具仮想平面
VS4 被削材仮想平面
W 被削材
WO 被削材の回転軸線
WT 被削材の回転方向
XA 溝入れ方向
Z 上下方向
θ1 インサート幅軸線と被削材の回転軸線とのなす角度
Claims (18)
- 回転軸線を中心に回転する被削材の端面に向けて切れ刃を突出させた切削インサートと、軸状をなし、先端部に前記切削インサートが着脱自在に装着される工具本体と、を有し、前記切れ刃で前記端面に溝入れ加工する刃先交換式溝入れ工具であって、
前記切削インサートは、棒状をなすインサート本体の延在方向の両端部における該インサート本体の上面に一対の切れ刃を備え、前記インサート本体の延在方向の中央及び該延在方向に直交する幅方向の中央を通りこれら延在方向及び幅方向に直交するインサート高さ軸線に関して回転対称、かつ、前記インサート高さ軸線を含み前記延在方向に垂直なインサート仮想平面に関して面対称に形成され、
前記切れ刃は、前記インサート本体の延在方向の端縁に形成されて前記幅方向に沿って延びる正面切れ刃と、この正面切れ刃の両端に配置されて前記幅方向にそれぞれ突出する一対のコーナー部と、前記コーナー部から前記延在方向に沿って該インサート本体の中央側に向かうに従い漸次互いの間隔を狭めるようにそれぞれ延びる一対の側面切れ刃とを有し、
前記工具本体は、前記切削インサートを該工具本体の側方を向く一側面に沿うように配置しているとともに、前記一対の切れ刃のうち一方の切れ刃を前記先端部の先端面から先端側へ向けて溝入れ方向に突出させており、
前記工具本体の中心軸線は、前記先端部を通り前記溝入れ方向に延びており、
前記切削インサートは、
前記インサート本体の延在方向の中央を通り前記幅方向に沿うインサート幅軸線が、前記幅方向のうち、前記一対のコーナー部における前記工具本体の中心軸線から離間する方向に位置する一方のコーナー部から他方のコーナー部に向かう方向である他方の幅方向へ向かうに従い漸次前記工具本体の上側へ向けて傾斜しており、
前記インサート本体の幅方向の中央を通り前記延在方向に沿うインサート長手軸線が、前記一方の切れ刃における一方のコーナー部を含み前記工具本体の上下方向に垂直な工具仮想平面に対して傾斜しているとともに、前記延在方向のうち、前記一対の切れ刃における他方の切れ刃から前記一方の切れ刃に向かう方向である一方の延在方向へ向かうに従い漸次前記工具仮想平面に接近するように前記工具本体の上側へ向けて延びており、
前記他方の切れ刃における前記他方のコーナー部よりも前記工具本体の中心軸線から離間する方向に位置する前記一方のコーナー部が、前記一方の切れ刃における前記他方のコーナー部よりも前記中心軸線から離間する方向に位置する前記一方のコーナー部に対して、前記中心軸線に近づく方向に配置されていることを特徴とする刃先交換式溝入れ工具。 - 請求項1に記載の刃先交換式溝入れ工具であって、
前記切削インサートを前記工具仮想平面に直交する向きから見て、前記インサート幅軸線と前記回転軸線とのなす角度θ1が、90°≦θ1≦90.5°に設定されることを特徴とする刃先交換式溝入れ工具。 - 請求項1又は2に記載の刃先交換式溝入れ工具であって、
前記端面は、被削材に形成された加工穴における前記工具本体の基端側を向く奥面であり、
前記一方の切れ刃は、この奥面に対して内径側端面溝入れ加工することを特徴とする刃先交換式溝入れ工具。 - 請求項1又は2に記載の刃先交換式溝入れ工具であって、
前記端面は、被削材の外周面に形成された段部における前記工具本体の基端側を向く端面であり、
前記一方の切れ刃は、この端面に対して外径側端面溝入れ加工することを特徴とする刃先交換式溝入れ工具。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の刃先交換式溝入れ工具であって、
前記一方の切れ刃における前記一対のコーナー部は、前記回転軸線に垂直な被削材仮想平面上に配置されていることを特徴とする刃先交換式溝入れ工具。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の刃先交換式溝入れ工具であって、
前記コーナー部は、凸曲線状の第1コーナー刃を有し、
前記一方の切れ刃における前記一方のコーナー部は、このコーナー部に隣接する前記正面切れ刃の延長線と前記第1コーナー刃における前記幅方向の外縁部から前記延長線に向けて延ばした垂線との交点を、前記工具仮想平面上に配置していることを特徴とする刃先交換式溝入れ工具。 - 請求項6に記載の刃先交換式溝入れ工具であって、
前記コーナー部は、前記第1コーナー刃における前記インサート本体の延在方向の中央側の端部と前記側面切れ刃とを繋ぐ直線状の第2コーナー刃を有し、
前記切削インサートを前記工具仮想平面に直交する向きから見て、前記第2コーナー刃は、被削材の前記回転軸線に対して平行となるように延びていることを特徴とする刃先交換式溝入れ工具。 - 請求項3、5〜7のいずれか一項に記載の刃先交換式溝入れ工具であって、
前記他方の切れ刃における前記一方のコーナー部から前記回転軸線までの距離が、前記一方の切れ刃における前記一方のコーナー部から前記回転軸線までの距離よりも小さいことを特徴とする刃先交換式溝入れ工具。 - 請求項4〜7のいずれか一項に記載の刃先交換式溝入れ工具であって、
前記他方の切れ刃における前記一方のコーナー部から前記回転軸線までの距離が、前記一方の切れ刃における前記一方のコーナー部から前記回転軸線までの距離よりも大きいことを特徴とする刃先交換式溝入れ工具。 - 回転軸線を中心に回転する被削材の端面に向けて切れ刃を突出させた切削インサートと、軸状をなし、先端部に前記切削インサートが着脱自在に装着される工具本体と、を有する刃先交換式溝入れ工具を用いて、前記切れ刃で前記被削材の端面に溝入れ加工する端面溝入れ加工方法であって、
前記切削インサートは、棒状をなすインサート本体の延在方向の両端部における該インサート本体の上面に一対の切れ刃を備え、前記インサート本体の延在方向の中央及び該延在方向に直交する幅方向の中央を通りこれら延在方向及び幅方向に直交するインサート高さ軸線に関して回転対称、かつ、前記インサート高さ軸線を含み前記延在方向に垂直なインサート仮想平面に関して面対称に形成され、
前記切れ刃は、前記インサート本体の延在方向の端縁に形成されて前記幅方向に沿って延びる正面切れ刃と、この正面切れ刃の両端に配置されて前記幅方向にそれぞれ突出する一対のコーナー部と、前記コーナー部から前記延在方向に沿って該インサート本体の中央側に向かうに従い漸次互いの間隔を狭めるようにそれぞれ延びる一対の側面切れ刃とを有し、
前記切削インサートを、前記一対の切れ刃のうち一方の切れ刃を溝入れ方向に突出させて前記工具本体に装着して、該一方の切れ刃を前記溝入れ方向に沿って移動させることにより前記端面に対して溝入れ加工するときに、
前記インサート本体の延在方向の中央を通り前記幅方向に沿うインサート幅軸線を、前記幅方向のうち、前記一対のコーナー部における一方のコーナー部から他方のコーナー部に向かう方向である他方の幅方向へ向かうに従い漸次被削材の回転する回転方向の後方側へ向けて傾斜させ、
前記インサート本体の幅方向の中央を通り前記延在方向に沿うインサート長手軸線を、前記一方の切れ刃における一方のコーナー部及び前記回転軸線を含む工具仮想平面に対して傾斜させるとともに、前記延在方向のうち、前記一対の切れ刃における他方の切れ刃から前記一方の切れ刃に向かう方向である一方の延在方向へ向かうに従い漸次前記工具仮想平面に接近するように前記回転方向の後方側へ向けて延在させ、
被削材のうち、前記端面に隣接して前記回転軸線方向に立ち上がるとともに前記回転軸線回りに沿って形成された周面に対して、前記他方の切れ刃における前記一方のコーナー部を、前記一方の切れ刃における前記周面に沿って前記端面に切り込む前記一方のコーナー部よりも離間して配置することを特徴とする端面溝入れ加工方法。 - 請求項10に記載の端面溝入れ加工方法であって、
前記切削インサートを前記工具仮想平面に直交する向きから見て、前記インサート幅軸線と前記回転軸線とのなす角度θ1を、90°≦θ1≦90.5°に設定することを特徴とする端面溝入れ加工方法。 - 請求項10又は11に記載の端面溝入れ加工方法であって、
被削材の前記周面は、該被削材に形成された加工穴における前記回転軸線に直交する径方向の内側を向く内周面であり、
前記端面は、前記加工穴における前記工具本体の基端側を向く奥面であり、
前記一方の切れ刃により、この奥面に対して内径側端面溝入れ加工することを特徴とする端面溝入れ加工方法。 - 請求項10又は11に記載の端面溝入れ加工方法であって、
被削材の前記周面は、該被削材における前記回転軸線に直交する径方向の外側を向く外周面であり、
前記端面は、前記外周面に形成された段部における前記工具本体の基端側を向く端面であり、
前記一方の切れ刃により、この端面に対して外径側端面溝入れ加工することを特徴とする端面溝入れ加工方法。 - 請求項10〜13のいずれか一項に記載の端面溝入れ加工方法であって、
前記一方の切れ刃における前記一対のコーナー部を、前記回転軸線に垂直な被削材仮想平面上に配置することを特徴とする端面溝入れ加工方法。 - 請求項10〜14のいずれか一項に記載の端面溝入れ加工方法であって、
前記コーナー部は、凸曲線状の第1コーナー刃を有し、
前記一方の切れ刃における前記一方のコーナー部は、このコーナー部に隣接する前記正面切れ刃の延長線と前記第1コーナー刃における前記幅方向の外縁部から前記延長線に向けて延ばした垂線との交点を、前記工具仮想平面上に配置することを特徴とする端面溝入れ加工方法。 - 請求項15に記載の端面溝入れ加工方法であって、
前記コーナー部は、前記第1コーナー刃における前記インサート本体の延在方向の中央側の端部と前記側面切れ刃とを繋ぐ直線状の第2コーナー刃を有し、
前記切削インサートを前記工具仮想平面に直交する向きから見て、前記第2コーナー刃を、被削材の前記回転軸線に対して平行となるように延ばして配置することを特徴とする端面溝入れ加工方法。 - 請求項12、14〜16のいずれか一項に記載の端面溝入れ加工方法であって、
前記他方の切れ刃における前記一方のコーナー部から前記回転軸線までの距離を、前記一方の切れ刃における前記一方のコーナー部から前記回転軸線までの距離よりも小さくすることを特徴とする端面溝入れ加工方法。 - 請求項13〜16のいずれか一項に記載の端面溝入れ加工方法であって、
前記他方の切れ刃における前記一方のコーナー部から前記回転軸線までの距離を、前記一方の切れ刃における前記一方のコーナー部から前記回転軸線までの距離よりも大きくすることを特徴とする端面溝入れ加工方法。
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