JP5445412B2 - 複合酸化物粉末の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は複合酸化物の製造方法に関し、詳しくは、セラミック電子部品用のセラミック原料として好適に用いることが可能な複合酸化物の製造方法に関する。
微粒で結晶性に優れたチタン酸バリウムなどの複合酸化物を経済的に製造することが可能な複合酸化物粉末の製造方法として、以下に説明するような方法が提案されている。
例えば、一般式ABO3で表されるペロブスカイト構造を有する複合酸化物粉末の製造方法として、結晶水を含有したAサイト成分を構成する元素の水酸化物と、250m2/g以上の比表面積を有する酸化チタン粉末とを混合する混合処理工程を有し、混合処理工程は、加熱処理を行うことにより結晶水の水分のみでAサイト成分の溶解した溶解液を生成する溶解液生成工程と、酸化チタン粉末と溶解液とが反応して反応合成物を生成する反応工程とを含み、溶解液生成工程と反応工程とが連続的に進行するようにした複合酸化物粉末の製造方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、特許文献1には、得られた複合酸化物を仮焼することが開示されている。
そして、この特許文献1の発明の方法によれば、異相が少なく、所望の超微粒、かつ、結晶性に優れた複合酸化物が得られ、これを仮焼処理することにより、立方晶系複合酸化物から結晶系が転移して、結晶性に優れた正方晶系の複合酸化物を製造することができるとされている。
ところで、積層セラミックコンデンサの誘電体層として用いられているセラミック焼結体層(例えば、BaTiO3系セラミック層)を構成するセラミック粒子の粒子径が微細になると、誘電率が低下することが知られているが、この誘電率の低下は、セラミック焼結体の結晶性(結晶軸のa軸に対するc軸の比(c/a軸比))の低下に起因して生じるものである。
この誘電率の低下の問題を解決するためには、誘電体層としてのセラミック焼結体層となる以前の、焼結前の原料粉末(例えば、チタン酸バリウム系材料の仮焼粉末)の段階における粉末の粒径が微小で、結晶性の高い原料粉末であることが必要である。
この観点から、特許文献1では、合成した微粒のチタン酸バリウム粉末を900〜1000℃で仮焼することにより、c/a軸比が1.0075〜1.0088、比表面積が7.31〜3.88m2/gの微細なチタン酸バリウム粉末が得られるようにしている。
しかしながら、積層セラミックコンデンサの素子厚み(内部電極間に介在する誘電体層の厚み)が1μm未満の領域になると、特許文献1の方法で得られるチタン酸バリウム粉末では、十分ではないのが実情である。
また、他の複合酸化物の製造方法として、二酸化炭素が存在しない雰囲気下において、酸化チタン粒子と水溶性バリウム化合物とを、前記酸化チタン粒子のモル数に対して等モルで前記水溶性バリウム化合物を加え、pHが11.5以上13.0以下の水溶液中で、100℃以下の温度で反応させる反応工程を有するチタン酸バリウム粉末の製造方法が提案されている(特許文献2の請求項2)。
この特許文献2の発明の方法によれば、塩素不純物の混入を防止しつつ、粒度分布の狭いチタン酸バリウム粉末を安価に製造することができるとされている。
しかしながら、特許文献2の発明の方法では、比表面積が40m2/gの酸化チタンから、粒径が0.085〜0.115μmのチタン酸バリウム粉末が合成されているものの、得られるチタン酸バリウムの結晶性は十分に高いとは考えにくく、また、仮焼も実施していないことから結晶性は低いものと推測される(段落0025)。
また、特許文献2の方法の場合、CO2の存在しない雰囲気で合成することが必要で、製造工程に制約が生じるという問題点がある。
また、特許文献1および2のいずれにも、TiO2素材に必要な粉体特性の範囲は明確にされておらず、特許文献1および2のいずれの方法によっても、特性の高い積層セラミックコンデンサに求められるような、粉末の粒径が微小で、結晶性の高い原料粉末を得ることは困難であるのが実情である。
特許第4200427号公報 特許第4057475号公報
本発明は、上記課題を解決するものであり、誘電体層の積層数が多く、薄層化された積層セラミックコンデンサの誘電体層の構成材料などの用途に好適に用いることが可能な、微細で、表面積が大きく、結晶性の高いペロブスカイト型複合酸化物を効率よく、しかも経済的に製造することが可能なペロブスカイト型複合酸化物の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のペロブスカイト型複合酸化物の製造方法は、
一般式ABO3で表され、前記Aがアルカリ土類金属、前記Bがチタンであるペロブスカイト型複合酸化物の製造方法であって、
X線回折によって測定される(101)面の回折ピークの積分幅が2.0°以下であるアナターゼ型の酸化チタン粉末を水に分散させた酸化チタンスラリーを調製するスラリー調製工程と、
前記酸化チタンスラリーにアルカリ土類元素の水酸化物を添加して反応させることによりペロブスカイト型複合酸化物を生成させる反応工程と、
前記反応工程で生成したペロブスカイト型複合酸化物を熱処理する工程と
を具備することを特徴としている。
本発明のペロブスカイト型複合酸化物の製造方法においては、前記酸化チタン粉末の比表面積が100〜450m2/gであることが好ましい。
また、前記アルカリ土類元素の水酸化物として、水和水を含まない水酸化物を用いることが好ましい。
また、前記アルカリ土類元素の水酸化物が水酸化バリウムであり、前記ペロブスカイト型複合酸化物がBaTiO3であることが好ましい。
また、AサイトがBaであり、かつ、その一部が、Srおよび/またはCaにより置換されていることを特徴としている。
本発明の一般式ABO3Aがアルカリ土類金属、Bがチタン)で表されるペロブスカイト型複合酸化物の製造方法は、X線回折によって測定される(101)面の回折ピークの積分幅が2.0°以下であるアナターゼ型の酸化チタン粉末を水に分散させた酸化チタンスラリーを調製するスラリー調製工程と、酸化チタンスラリーにアルカリ土類元素の水酸化物を添加して反応させることによりペロブスカイト型複合酸化物を生成させる反応工程とを備えているので、従来の固液反応により得られるペロブスカイト型複合酸化物よりも比表面積が大きいペロブスカイト型複合酸化物を得ることができる。
すなわち、X線回折によって測定される(101)面の回折ピークの積分幅が2.0°以下である酸化チタン粉末を用いた場合、積分幅が2.0°を超える酸化チタンを用いる場合に比べて、より大きい比表面積を有するペロブスカイト型複合酸化物を、特に複雑な製造工程を必要とすることなく製造することが可能になる。
また、本発明においては、反応工程で生成したペロブスカイト型複合酸化物を熱処理するようにしているので、c/a軸比を高めて、結晶性の高いペロブスカイト型複合酸化物を得ることができる。
例えば、800〜1000℃の温度で熱処理することで、c/a軸比が大きい(1を超える)正方晶のペロブスカイト型複合酸化物が得られる。また、本発明においては、積分幅が2.0°以下の酸化チタン粉末を用いるようにしているので、積分幅が2.0°を超える酸化チタンを用いた場合よりも、熱処理工程における粒成長を抑制することが可能になり、比表面積が大きく、かつ、c/a軸比の大きい、結晶性の高いペロブスカイト型複合酸化物を得ることができる。
また、本発明のペロブスカイト型複合酸化物の製造方法においては、比表面積が100〜450m2/gの酸化チタン粉末を用いることにより、比表面積が50m2/g以上のペロブスカイト型複合酸化物を効率よく製造することが可能になる。
また、アルカリ土類元素の水酸化物として、水和水を含まない水酸化物を用いることにより、酸化チタン粉末などが分散したスラリーに固体のまま直接に添加することが可能になり、製造プロセスを簡略化することができる。また、水和水を含まないアルカリ土類元素の水酸化物を用いることにより、スラリーに添加した時点で、その溶解熱により温度上昇が起こるので、合成反応が促進される。
また、アルカリ土類元素の水酸化物が水酸化バリウムである場合、ペロブスカイト型複合酸化物であるBaTiO3粉末を効率よく製造することができる。なお、水和水を含まない水酸化バリウムを酸化チタンスラリーに直接に添加することにより、その溶解熱でスラリーが100℃付近まで急激に温度上昇することから、合成反応を促進して、ペロブスカイト型複合酸化物であるBaTiO3粉末をさらに効率よく製造することができる。
また、本発明によれば、Aサイトを構成するBaの一部を、Srおよび/またはCaにより置換した組成のペロブスカイト型複合酸化物を製造することも可能であり、その場合には、特性を調整して、所望の特性を有するペロブスカイト型複合酸化物を効率よく製造することができる。
なお、Baと置換するSrおよび/またはCaの成分原料は、酸化チタンスラリーに含ませておくことも可能であり、また、反応工程の直前に、アルカリ土類元素の水酸化物よりも先にあるいは同時に、酸化チタンスラリーに添加することも可能である。
本発明の一実施例(実施例1)においてTi原料として用いたTiO2の、X線回折によって測定される(101)面の回折ピークの積分幅と、反応により得られたチタン酸バリウム粉末の比表面積の関係を示す図である。 本発明の実施例1において得た、仮焼後のチタン酸バリウム粉末の比表面積と、結晶のc/a軸比との関係を示す図である。
以下に本発明の実施例を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
表1に示すような比表面積を有するNo.1〜No.9のアナターゼ型の酸化チタン(TiO2)粉末を準備した。
そして、X線回折(CuKαを線源とする)により、各TiO2粉末の(101)面の積分幅を求めた。なお、積分幅は、各TiO2粉末について、X線回折装置を用いて(101)面のピークを測定し、そのピークの面積(積分強度)をピーク強度で除することにより求めた。表1において、*を付したNo.8および9は、本発明の要件を満たさない比較用のTiO2である。
それから、表1のNo.1〜No.9の各TiO2粉末と、純水とを混合し、酸化チタン(TiO2)の含有率が23重量%の9種類の酸化チタンスラリーを作製した。
ただし、本発明においては、通常、酸化チタンスラリー中の酸化チタン濃度は10重量%以上であればよい。
それから作製した各酸化チタンスラリーを加熱して70℃まで昇温させた後、酸化チタンスラリーを攪拌しながら、所定のBa/Ti比となるように水酸化バリウムを添加した。この実施例では、水酸化バリウムとして水和水を含まない水酸化バリウム(Ba(OH)2)を固形の状態で添加した。固形の状態で添加することにより溶解熱で、スラリーの温度が100℃近くに上昇し、速やかに反応を開始させることができる。
なお、水酸化バリウムを添加するときの酸化チタンスラリーの温度は、通常は、40℃以上であればよい。
また、水酸化バリウムは水溶液にして添加することも可能である。その場合、加熱して昇温させることにより必要な反応を行わせることができる。
ただし、上述のように、TiO2スラリーの昇温に溶解熱を有効に利用できるため、水酸化バリウムは水和水を含まないものを固形の状態で添加することが望ましい。
上述のようにして水酸化バリウムを添加した後、攪拌しながら80℃以上の温度で1h保持して酸化チタンと水酸化バリウムを反応させることにより、チタン酸バリウム(BaTiO3)スラリーを得た。それから、得られたスラリーを乾燥することにより、チタン酸バリウム(BaTiO3)粉末を得た。
Ti原料として用いたTiO2について上述のようにして求めた積分幅の値と、得られたチタン酸バリウム粉末の比表面積の関係を、表1および図1に示す。
Figure 0005445412
表1および図1より、積分幅が2.0°以下のTiO2を用いることにより、比表面積の大きなチタン酸バリウム粉末が得られることがわかる。
例えば、No.2の酸化チタン(積分幅1.58°)とNo.8の酸化チタン(積分幅2.20°)を用いた場合を比較すると、両者は、いずれも原料TiO2の比表面積がほぼ400m2/gと同等であるが、合成されたBaTiO3粉末の比表面積は、No.2の酸化チタン(積分幅1.58°)を用いた場合には58m2/gであるのに対し、No.8の酸化チタン(積分幅2.20°)を用いた場合33m2/gと、積分幅が2.0°以下のNo.2の酸化チタンを用いた場合の方が、比表面積の大きいチタン酸バリウム粉末が得られることがわかる。
なお、X線回折によって測定される(101)面の回折ピークの積分幅が2.0°を超えるTiO2を用いた場合、比表面積の大きなチタン酸バリウム粉末が得られないのは、積分幅が2.0°を超えるような結晶性の低いTiO2は、アルカリに溶解しやすく、TiO2の溶解−再析出反応が起こりやすくなるため、粒成長あるいは近隣粒子どうしの結合が起こり、水酸化バリウムとの反応により得られるチタン酸バリウム粉末も、粒子が大きく、比表面積が低下することによる。
さらに、これらの粉末を熱処理炉を用いて、800〜1000℃の範囲で温度条件を異ならせて仮焼した。
仮焼後のチタン酸バリウム粉末の比表面積と、結晶のc/a軸比との関係を、表2および図2に示す。
Figure 0005445412
上記実施例より、本発明の方法によれば、微粒で比表面積が大きく、結晶性の高いペロブスカイト型複合酸化物が得られることが確認された。
このように、積分幅が2.0°以下のTiO2を用いた場合、比表面積の大きなチタン酸バリウム粉末が得られるのは以下の理由による。すなわち、X線回折によって測定される(101)面の回折ピークの積分幅が2.0°以下の、結晶性の高いTiO2はアルカリに溶解しにくく、TiO2の溶解−再析出反応も起こりにくいため、粒成長や近隣粒子どうしの結合を生じにくいため、水酸化バリウムとの反応により得られるチタン酸バリウム粉末は、粒子が小さく、比表面積が増大する。その結果、仮焼後にも、微粒で比表面積が大きく、しかもc/a軸比が大きくて、結晶性の高いチタン酸バリウム粉末を得ることができる。
最終組成が(Ba0.95Ca0.05)TiO3となるように、表1のNo.5の酸化チタン(TiO2)粉末と、炭酸カルシウム(CaCO3)粉末と、水酸化バリウム(Ba(OH)2)粉末とを準備した。
それから、酸化チタン粉末(表1のNo.5の酸化チタン粉末)と、炭酸カルシウム(CaCO3)粉末と、純水とを混合し、TiO2とCaCO3の合計の含有率が23重量%であるスラリーを作製した。
このCa成分を含む酸化チタンスラリーを加熱して70℃まで昇温させた後、攪拌しながら、所定のBa/Ti比となるように水酸化バリウムを添加した。
ここでも、水酸化バリウムとしては、水和水を含まない水酸化バリウム(Ba(OH)2)を固形の状態で添加した。
そして、攪拌しながら80℃以上の温度で1h保持して反応を行わせることにより(Ba,Ca)TiO3スラリーを得た。
その後、得られたスラリーを乾燥することにより、Baの一部がCaにより置換されたチタン酸バリウム粉末((Ba,Ca)TiO3粉末)を得た。
この実施例2の方法によれば、比表面積の大きい、一般式(Ba0.95Ca0.05)TiO3で表されるようなペロブスカイト型複合酸化物粉末が得られることが確認された。
なお、上記反応により得られたペロブスカイト型複合酸化物粉末((Ba0.95Ca0.05)TiO3粉末)の比表面積は約60m2/gであった。
また、この(Ba0.95Ca0.05)TiO3粉末を、熱処理炉を用いて、800〜1000℃の範囲で温度条件を異ならせて仮焼した。
その結果、比表面積が14m2/g前後になるような条件(例えば、820℃、2hの条件)で仮焼した場合には、c/a軸比が1.007程度の結晶性の高いペロブスカイト型複合酸化物粉末((Ba0.95Ca0.05)TiO3粉末)が得られることが確認された。
なお、この実施例2ではCaソースとして炭酸カルシウム(CaCO3)粉末を用いたが、CaソースはCaCO3粉末に限定されるものではなく、例えば、酢酸カルシウム、硝酸カルシウム、水酸化カルシウムなどの各種塩を用いることも可能である。
最終組成が(Ba0.95Sr0.05)TiO3となるように、表1のNo.5の酸化チタン(TiO2)粉末と、硝酸ストロンチウム(Sr(NO32)粉末と、Ba(OH)2粉末とを準備した。
それから、酸化チタン粉末(表1のNo.5の酸化チタン粉末)と、硝酸ストロンチウム(Sr(NO32)粉末と、純水とを混合し、TiO2とSr(NO32の合計量の含有率が23重量%であるスラリーを作製した。
このSr成分を含む酸化チタンスラリーを加熱して70℃まで昇温させた後、攪拌しながら、所定のBa/Ti比となるように水酸化バリウムを添加した。
ここでも、水酸化バリウムとしては、水和水を含まない水酸化バリウム(Ba(OH)2)を固形の状態で添加した。
そして、水酸化バリウムを添加した後、攪拌しながら80℃以上の温度で1h保持して反応を行わせることにより(Ba,Sr)TiO3スラリーを得た。
それから、得られたスラリーを乾燥することにより、Baの一部がSrにより置換されたチタン酸バリウム粉末((Ba,Sr)TiO3粉末)を得た。
この実施例3の方法によれば、比表面積の大きい、一般式(Ba0.95Sr0.05)TiO3で表されるようなペロブスカイト型複合酸化物粉末が得られることが確認された。なお、上記反応により得られたペロブスカイト型複合酸化物粉末((Ba0.95Sr0.05)TiO3粉末)の比表面積は約60m2/gであった。
また、この(Ba0.95Sr0.05)TiO3粉末を、熱処理炉を用いて、800〜1000℃の範囲で温度条件を異ならせて仮焼した。
その結果、比表面積が14m2/g前後になるような条件(例えば、830℃、2hの条件)で仮焼した場合には、c/a軸比が1.007程度の結晶性の高いペロブスカイト型複合酸化物粉末((Ba0.95Sr0.05)TiO3粉末)が得られることが確認された。
なお、この実施例3ではSrソースとして硝酸ストロンチウム(Sr(NO32)粉末を用いたが、Srソースは(Sr(NO32)粉末に限定されるものではなく、例えば、水酸化ストロンチウム、炭酸ストロンチウムなどを用いることも可能である。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、酸化チタン粉末を水に分散させた酸化チタンスラリーの固形分濃度、酸化チタンスラリーにアルカリ土類元素の水酸化物を添加して反応させる際の反応温度や反応時間などの条件、原料である酸化チタン粉末の比表面積の範囲、アルカリ土類元素の種類、Aサイトの一部をSrおよび/またはCaで置換する際の置換割合、反応工程で生成したペロブスカイト型複合酸化物を熱処理する際の条件などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。

Claims (5)

  1. 一般式ABO3で表され、前記Aがアルカリ土類金属、前記Bがチタンであるペロブスカイト型複合酸化物の製造方法であって、
    X線回折によって測定される(101)面の回折ピークの積分幅が2.0°以下であるアナターゼ型の酸化チタン粉末を水に分散させた酸化チタンスラリーを用意するスラリー調製工程と、
    前記酸化チタンスラリーにアルカリ土類元素の水酸化物を添加して反応させることによりペロブスカイト型複合酸化物を生成させる反応工程と、
    前記反応工程で生成したペロブスカイト型複合酸化物を熱処理する工程と
    を具備することを特徴とするペロブスカイト型複合酸化物の製造方法。
  2. 前記酸化チタン粉末の比表面積が100〜450m2/gであることを特徴とする請求項1記載のペロブスカイト型複合酸化物の製造方法。
  3. 前記アルカリ土類元素の水酸化物として、水和水を含まない水酸化物を用いることを特徴とする請求項1または2記載のペロブスカイト型複合酸化物の製造方法。
  4. 前記アルカリ土類元素の水酸化物が水酸化バリウムであり、前記ペロブスカイト型複合酸化物がBaTiO3であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のペロブスカイト型複合酸化物の製造方法。
  5. AサイトがBaであり、かつ、その一部が、Srおよび/またはCaにより置換されていることを特徴とする請求項3記載のペロブスカイト型複合酸化物の製造方法。
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