JP5420848B2 - 美白剤及び美白用皮膚外用剤 - Google Patents
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Description
上記グリセロールリン酸誘導体の中でも、グリセロールホスホリルエタノールアミン、グリセロールホスホリルイノシトールが好ましい。また、グリセロール誘導体、好ましくはグリセロールホスホリルエタノールアミン及びグリセロールホスホリルイノシトールは、大豆リン脂質の脱アシル化物であるのが好ましい。
本発明は、グリセロールリン酸誘導体の少なくとも一種を有効成分とする美白剤に関する。本発明の美白剤は、一種のグリセロールリン酸誘導体を有効成分とするものであってもよいし、異なる二種以上のグリセロールリン酸誘導体を有効成分とするものであってもよい。本明細書では、「グリセロールリン酸誘導体」とは、グリセリンの3つの水酸基の水素原子のいずれかが、リン酸誘導体で置換された化合物をいうものとする。その例には、グリセロールホスリルコリン(以下、「GPC」という場合がある)、グリセロールホスホリルエタノールアミン(以下、「GPE」という場合がある)、及びグリセロールホスホリルイノシトール(以下、「GPI」という場合がある)が含まれる。GPC、GPE及びGPIはそれぞれ、以下の一般式で表される化合物である。
本発明に使用するこれらの化合物の合成方法については特に制限されるものではない。リン脂質を脱アシル化して得られる化合物、及び脱アシル化工程を経ずに、化学合成によって得られる化合物のいずれも用いることができる。
[例1:美白剤の調製]
GPCとして和光純薬製の試薬を用いた。
GPE及びGPIについては、それぞれ、市販されているジパルミトイルホスファジルエタノールアミン(和光純薬製)、ホスファチジルイノシトール・ナトリウム塩(和光純薬製)を脱アシル化処理することで製造した。脱アシル化は、アルコール中で金属ナトリウム又はナトリウムアルコラートを作用させることで進行させた。また、同様な方法により大豆リン脂質を脱アシル化処理したもの(以下、GSPという場合がある)も製造した。
マウス由来のB16メラノーマ培養細胞を使用し、GPE及びGPIの美白作用を評価した。具体的には、6穴プレートに10%FBS含有MEM培地を適量とりB16メラノーマ細胞を播種し、37℃、二酸化炭素濃度5%中にて静置した。翌日、製造例1で得られた化合物を、含水エタノール(水/エタノール=50/50(体積比))に溶解して添加した。培養5日目に培地を交換し、再度検体調製液を添加した。翌日、培地を除き、1枚のプレートについて、細胞をリン酸緩衝液にて洗浄した後回収し、B16メラノーマ培養細胞の白色化度を以下の基準にて評価した。対照には検体を添加しないものを用意した。なお、試料は、GPE及びGPIの濃度10%に調製し、培地2mLに30、50、及び100μL添加した。
(判定基準)
++:対照に対してあきらかに白色である。
+ :対照に対して白色である。
− :対照と同じ黒色である。
結果を下記表に示す。
以下の方法で化粧水を調製した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(11)を混合溶解する。
B.下記成分(12)〜(18)を混合溶解する。
C.AにBを加え均一に混合して化粧水を得た。
(成分) (%)
(1)グリセリン 3.0
(2)1,3−ブチレングリコール 2.0
(3)プロピレングリコール 4.0
(4)オレイルアルコール 0.1
(5)モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 1.5
(6)ポリオキシエチレン(20E.O.)ラウリル
エーテル 0.5
(7)スクワラン 0.5
(8)エチルアルコール 20.0
(9)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(10)酢酸dl−α−トコフェロール*1 0.5
(11)香料 適量
(12)ソウハクヒ抽出液*2 0.5
(13)リンゴ抽出物*3 0.5
(14)dl−ピロリドンカルボン酸ナトリウム*4 0.2
(15)ローカストビーンガム 1.0
(16)GPI*5 2.0
(17)GPE*6 2.0
(18)精製水 残量
*1 エーザイ社製
*2 丸善製薬社製
*3 丸善製薬社製
*4 味の素社製
*5 例1で調製したもの
*6 例1で調製したもの
以下の方法でクリームを調製した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(10)を加熱混合し、70℃に保つ。
B.下記成分(11)〜(20)を加熱混合し、70℃に保つ。
C.AにBを加えて乳化する。
D.Cを冷却後、下記成分(21)を加えて混合しクリームを得た。
(成分) (%)
(1)スクワラン 20.0
(2)ミツロウ 5.0
(3)ホホバ油 5.0
(4)モノステアリン酸グリセリル 2.0
(5)モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 2.0
(6)モノステアリン酸ソルビタン 2.0
(7)フィトステロール*1 0.5
(8)キャンデリラロウ 1.0
(9)グリセリン 5.0
(10)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(11)ユリ抽出物*2 1.0
(12)ニンジン抽出物*3 1.0
(13)イチョウ抽出物*4 1.0
(14)オウゴン抽出物*5 1.0
(15)クララ抽出物*6 1.0
(16)加水分解米抽出物*7 1.0
(17)甘草抽出物*8 1.0
(18)トウキ抽出物*9 1.0
(19)GPE*10 2.0
(20)精製水 残量
(21)香料 適量
*1 エーザイ社製
*2 丸善製薬社製
*3 丸善製薬社製
*4 常磐植物化学研究所社製
*5 丸善製薬社製
*6 丸善製薬社製
*7 テクノーブル社製
*8 丸善製薬社製
*9 日本粉末薬品社製
*10 例1で調製したもの
以下の方法でクレンジングクリームを調製した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(9)を加熱混合し、70℃に保つ。
B.下記成分(10)〜(14)を加熱混合し、70℃に保つ。
C.AにBを加えて乳化する。
D.Cを冷却後、下記成分(15)を加えて混合しクレンジングクリームを得た。
(成分) (%)
(1)パラフィンワックス 10.0
(2)ミツロウ 3.0
(3)ワセリン 15.0
(4)流動パラフィン 41.0
(5)セスキオレイン酸ソルビタン 4.2
(6)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 0.8
(7)水素添加大豆リン脂質 0.5
(8)メドゥホーム油*1 1.0
(9)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(10)クインスシード抽出物*2 1.0
(11)サボンソウ抽出物*3 1.0
(12)ゼニアオイ抽出物*4 1.0
(13)GPI*5 0.5
(14)精製水 残量
(15)香料 適量
*1 日本サーファクタント社製
*2 香栄興業社製
*3 丸善製薬社製
*4 丸善製薬社製
*5 例1で調製したもの
以下の方法で乳液を調製した。
(製法)
A.下記成分(14)〜(23)を加熱混合し、70℃に保つ。
B.下記成分(1)〜(13)を加熱混合し、70℃に保つ。
C.AにBを加えて乳化する。
D.Cを冷却後、下記成分(24)、(25)、及び(26)を加えて混合し乳液を得た。
(成分) (%)
(1)モノステアリン酸ソルビタン 0.3
(2)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 0.1
(3)親油型モノステアリン酸グリセリル 0.2
(4)ステアリン酸 0.5
(5)セタノール 0.5
(6)スクワラン 3.0
(7)流動パラフィン 4.0
(8)植物性スクワラン*1 0.2
(9)トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 2.0
(10)ジメチルポリシロキサン 1.0
(11)水素添加大豆リン脂質 0.1
(12)ニコチン酸dl−α−トコフェロール*2 0.05
(13)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(14)カルボキシビニルポリマー 0.1
(15)水酸化ナトリウム 0.05
(16)グリセリン 5.0
(17)1,3−ブチレングリコール 7.0
(18)精製水 残量
(19)GPE*3 0.8
(20)ユキノシタ抽出物*4 2.0
(21)GSP*5 0.8
(22)ヒアルロン酸ナトリウム1%水溶液*6 5.0
(23)アセチルグルタミン酸*7 0.3
(24)エチルアルコール 5.0
(25)多孔質シリカ 3.0
(26)香料 適量
*1 日光ケミカルズ社製
*2 エーザイ社製
*3 例1で調製したもの
*4 丸善製薬社製
*5 例1で調製したもの
*6 日光ケミカルズ社製
*7 協和醗酵社製
以下の方法で乳液を調製した。
(製法)
A.下記成分(13)〜(22)を加熱混合し、70℃に保つ。
B.下記成分(1)〜(12)を加熱混合し、70℃に保つ。
C.AにBを加えて均一に乳化する。
D.Cを冷却後、下記成分(23)、(24)、及び(25)を加えて混合し乳液を得た。
(成分) (%)
(1)モノステアリン酸ソルビタン 0.3
(2)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 0.1
(3)親油型モノステアリン酸グリセリル 0.2
(4)ステアリン酸 0.5
(5)セタノール 0.5
(6)スクワラン 3.0
(7)流動パラフィン 4.0
(8)トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 2.0
(9)ジメチルポリシロキサン 1.0
(10)水素添加大豆リン脂質 0.1
(11)ルチン*1 0.2
(12)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(13)カルボキシビニルポリマー 0.1
(14)水酸化ナトリウム 0.05
(15)グリセリン 5.0
(16)1,3−ブチレングリコール 7.0
(17)GPE*2 0.1
(18)精製水 残量
(19)酵母抽出物*3 0.5
(20)GPI*4 0.1
(21)シャクヤク抽出物*5 0.5
(22)モモ抽出物*6 0.5
(23)エチルアルコール 5.0
(24)多孔質シリカ 3.0
(25)香料 適量
*1 シグマ社製
*2 例1で調製したもの
*3 BIO−DELL社製
*4 例1で調製したもの
*5 丸善製薬社製
*6 丸善製薬社製
以下の方法でパックを調製した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(7)を混合し、70℃に加熱し溶解する。
B.下記成分(8)〜(13)を混合溶解する。
C.下記成分(14)〜(16)を混合溶解する。
D.BをAに加え、混合した後、冷却し、更にCを混合してパックを得た。
(成分) (%)
(1)ポリビニルアルコール 13.0
(2)無水ケイ酸 0.5
(3)ポリエチレングリコール 0.5
(4)メドゥホーム油*1 0.2
(5)ポリオキシプロピレン(10P.O.)
メチルグルコシド 5.0
(6)グリセリン 5.0
(7)精製水 残量
(8)茶抽出物*2 1.0
(9)ハマナス抽出物*3 1.0
(10)無水カフェイン*4 1.0
(11)GSP*5 3.0
(12)リン酸−L−アスコルビルマグネシウム*6 3.0
(13)精製水 10.0
(14)パラオキシ安息香酸エチル 0.1
(15)エチルアルコール 13.0
(16)香料 適量
*1 日本サーファクタント工業社製
*2 丸善製薬社製
*3 丸善製薬社製
*4 純正薬品工業社製
*5 例1で調製したもの
*6 日光ケミカルズ社製
以下の方法でクリームファンデーションを調製した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(11)を加熱混合し、70℃に保つ。
B.下記成分(12)〜(17)を加熱混合し、70℃に保つ。
C.AにBを加えて乳化する。
D.Cを冷却後、下記成分(18)を加えて混合しクリームファンデーションを得た。
(成分) (%)
(1)セスキオレイン酸ソルビタン 3.0
(2)自己乳化型モノステアリン酸グリセリル 2.0
(3)ステアリン酸アルミニウム 0.5
(4)セレシンワックス 5.0
(5)スクワラン 10.0
(6)流動パラフィン 15.0
(7)ワセリン 5.0
(8)酸化チタン 8.0
(9)タルク 4.0
(10)着色顔料 適量
(11)パラオキシ安息香酸メチル 0.05
(12)プロピレングリコール 5.0
(13)キンギンカ抽出物*1 1.0
(14)アルニカ抽出物*2 1.0
(15)マロニエ抽出物*3 1.0
(16)GPI*4 2.0
(17)精製水 残量
(18)香料 適量
*1 長岡香料社製
*2 丸善製薬社製
*3 香栄興業社製
*4 例1で調製したもの
以下の方法でリキッドファンデーションを調製した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(9)を混合溶解する。
B.Aに下記成分(20)〜(25)を加え、均一に混合し、70℃に保つ。
C.下記成分(10)〜(19)を均一に溶解し、70℃に保つ。
D.CにBを添加して乳化する。
E.Dを冷却後、下記成分(26)を加えて混合しリキッドファンデーションを得た。
(成分) (%)
(1)液状ラノリン 2.0
(2)流動パラフィン 5.0
(3)ステアリン酸 2.0
(4)セタノール 1.0
(5)自己乳化型モノステアリン酸グリセリル 1.0
(6)パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル 8.0
(7)4−tert−ブチル−4’−メトキシ
ジベンゾイルメタン 2.0
(8)パルミチン酸レチノール*1 0.2
(9)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(10)グリセリン 5.0
(11)トリエタノールアミン 1.0
(12)カルボキシメチルセルロース 0.2
(13)ベントナイト 0.5
(14)オウバク抽出液*2 5.0
(15)精製水 残量
(16)マンニトール*3 0.1
(17)GPE*4 0.05
(18)GPI*5 0.05
(19)甘草抽出物*6 0.5
(20)酸化チタン 6.0
(21)微粒子酸化チタン 2.0
(22)微粒子酸化亜鉛 5.0
(23)マイカ 2.0
(24)タルク 4.0
(25)着色顔料 4.0
(26)香料 適量
*1 日本ロシュ社製
*2 丸善製薬社製
*3 シグマ社製
*4 例1で調製したもの
*5 例1で調製したもの
*6 丸善製薬社製
以下の方法で日焼け止め乳液を調製した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(10)を混合し、70℃に保つ。
B.下記成分(11)〜(15)を混合し、70℃に保つ。
C.AにBを添加して、均一に乳化する。
D.Cを冷却後、下記成分(16)〜(19)を加えて混合し日焼け止め乳液を得た。
(成分) (%)
(1)ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン 1.0
(2)ジメチルポリシロキサン 5.0
(3)オクタメチルシクロテトラシロキサン 20.0
(4)イソノナン酸イソトリデシル 5.0
(5)パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル 5.0
(6)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(7)シリコーン処理微粒子酸化チタン 10.0
(8)シリコーン処理微粒子酸化亜鉛 10.0
(9)ポリスチレン末 3.0
(10)トリメチルシロキシケイ酸 0.5
(11)ジプロピレングリコール 3.0
(12)エチルアルコール 10.0
(13)GPE*1 10.0
(14)食塩 0.2
(15)精製水 残量
(16)β−カロチン*2 0.01
(17)カミツレ抽出物*3 1.0
(18)カシス抽出物*4 1.0
(19)香料 適量
*1 例1で調製したもの
*2 シグマ社製
*3 丸善製薬社製
*4 丸善製薬社製
Claims (5)
- グリセロールホスホリルエタノールアミン又はグリセロールホスホリルイノシトールを有効成分とするメラニン生成抑制剤。
- 少なくともグリセロールホスホリルエタノールアミンを有効成分とする請求項1に記載のメラニン生成抑制剤。
- 少なくともグリセロールホスホリルイノシトールを有効成分とする請求項1又は2に記載のメラニン生成抑制剤。
- 前記グリセロールホスホリルエタノールアミン又はグリセロールホスホリルイノシトールが、大豆リン脂質の脱アシル化物である請求項1〜3のいずれか1項に記載のメラニン生成抑制剤。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のメラニン生成抑制剤を有効成分として含有するメラニン生成抑制用皮膚外用剤。
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Publications (2)
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