JP5275769B2 - ズームレンズおよび撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、および情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistance)等に好適に用いられるズームレンズおよび撮像装置に関する。
近年、デジタルスチルカメラ等の撮像装置においては、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子の小型化が進むにつれて、装置全体としての小型化が求められている。撮像装置全体の小型化を図るためにも、レンズ系が全体的に小型化(レンズ全長の短縮化およびレンズ外径の小型化)されていることが好ましい。
特許文献1ないし4には、物体側から順に、屈折力が正、負、正、正の4つのレンズ群が配設された4群方式のズームレンズが開示されている。これらの文献に記載のズームレンズにおいて、絞りは変倍時に独立もしくは一部のレンズ群と共に移動する方式とされている。
特開2006−235062号公報 特開2005−215385号公報 特許3706783号公報 特許第3392881号公報
しかしながら、特許文献1に記載のズームレンズは、変倍時に、絞りが隣接するレンズ群とは独立に移動する方式であるが、像面に対する変倍時の絞り移動距離が比較的大きいため、絞り移動機構が長くなり、小型化が困難である。また、第1レンズ群の焦点距離が比較的長いため、レンズ全長も長くなり小型化が困難である。
また、特許文献3に記載のズームレンズは、変倍時に、絞りが第3レンズ群と一緒に移動する方式であるが、第3レンズ群の焦点距離が第4レンズ群と同等のため、変倍時に第3レンズ群の移動量が大きくなり小型化が困難である。また、第1レンズ群の焦点距離が比較的長いため、レンズ全長も長くなり小型化が困難である。
また、特許文献2および4に記載のズームレンズは、変倍時に、絞りが望遠端において広角端よりも像側に移動する方式であるため、望遠時に第1レンズ群と絞りとの距離が大きくなり、第1レンズ群のレンズ外径が拡大して、小型化が困難である。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、高変倍比でありながら、全体的に小型化の図られたズームレンズおよび撮像装置を提供することにある。
本発明によるズームレンズは、物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、絞りと、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とが配設されると共に、少なくとも第1レンズ群、第2レンズ群、絞り、および第3レンズ群を光軸に沿って移動させることにより変倍を行うようになされ、変倍時に、絞りが、広角端において望遠端よりも像面に近づき、かつ、望遠端において広角端よりも第2レンズ群に近づくように移動するように構成され、かつ、以下の条件式を満足するように構成されているものである。式中、fwは広角端における全系の焦点距離、ftは望遠端における全系の焦点距離、f1は第1レンズ群の合成焦点距離、X1は広角端から望遠端への変倍の際の第1レンズ群の移動量、IHは最大像高とする。
4.0<f1/fw<7.0 ……(1)
0.2<X1/ft<0.3 ……(2)
0.7<IH/fw<0.9 ……(8)
本発明によるズームレンズでは、物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、絞りと、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とを配設すると共に、少なくとも第1レンズ群、第2レンズ群、絞り、および第3レンズ群を光軸に沿って移動させることにより変倍を行うようにしたことで、高変倍比でありながら、全体的に小型化を図りやすくなる。特に、適切な条件式を満足しつつ、変倍時に、絞りが、広角端において望遠端よりも像面に近づき、かつ、望遠端において広角端よりも第2レンズ群に近づくように移動するようになされていることで、レンズ全長が抑えられると共に、第1レンズ群を通過する光線の高さを低くして第1レンズ群のレンズ径が抑えられ、全体的に小型化が図りやすくなる。
そして、さらに、次の好ましい構成を適宜採用して満足することで、より小型化等に有利となる。
本発明によるズームレンズにおいて、以下の少なくとも1つの条件式を満足していることが好ましい。式中、f3は第3レンズ群の合成焦点距離、f4は第4レンズ群の合成焦点距離、Dwは広角端における絞りと第3レンズ群の最も物体側のレンズ面との光軸上間隔とする。Pwは広角端における絞りと像面との光軸上距離、Ptは望遠端における絞りと像面との光軸上距離とする
.2<f3/f4<0.5 ……(3)
0.0<Dw/ft<0.1 ……(4)
0.4<(Pt−Pw)/fw<0.9 ……(7
また、本発明によるズームレンズにおいて、第1レンズ群が物体側から順に、物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズおよび物体側に凸の正レンズからなる接合レンズと、物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズとで構成されていることが好ましい。この場合において、以下の条件式を満足することが好ましい。式中、N12は第1レンズ群中の接合レンズを構成する正レンズのd線での屈折率、ν12は第1レンズ群中の接合レンズを構成する正レンズのd線におけるアッベ数とする。
1.57<N12<1.65 ……(5)
62.0<ν12<70 ……(6)
また、第2レンズ群は、物体側より順に、像側の面が物体側に比べて曲率半径の絶対値の小さい凹面とされた負レンズと、両凹レンズと、物体側に凸面を有する正レンズとからなり、それらの各レンズは互いに接合されていない構成であることが好ましい。この場合において、以下の条件式を満足することが好ましい。式中、ν23は第2レンズ群中の正レンズのd線におけるアッベ数とする。
20<ν23<25 ……(9)
また、第3レンズ群は、物体側より順に、物体側の面が像側に比べて曲率半径の絶対値の小さい凸面とされた正レンズおよび像側に凹面を有する負レンズからなる接合レンズと、少なくとも1面が非球面形状の単レンズとで構成されていることが好ましい。
また、第4レンズ群は、1枚の正レンズのみで構成されていても良い。また、その正レンズは、少なくとも1面が非球面形状であっても良い。また、第4レンズ群が合焦時に移動するものであっても良い。
本発明による撮像装置は、本発明によるズームレンズと、このズームレンズによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力する撮像素子とを備えたものである。
本発明による撮像装置では、本発明の小型化の図られた高性能のズームレンズを撮像レンズとして用いて、装置全体としての小型化が図られる。
本発明のズームレンズによれば、物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、絞りと、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とを配設した構成において、変倍時におけるレンズ群と絞りの移動を、適切な条件式と組み合わせつつ最適化するようにしたので、高変倍比でありながら、全体的に小型化を図ることができる。
また、本発明の撮像装置によれば、上記本発明の小型化の図られた高性能のズームレンズを撮像レンズとして用いるようにしたので、高変倍比の良好な撮像性能を維持しつつ、装置全体としての小型化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1(A),(B),(C)は、本発明の一実施の形態に係るズームレンズの第1の構成例を示している。この構成例は、後述の第1の数値実施例(図6(A)、(B)および図7)のレンズ構成に対応している。なお、図1(A)は広角端(最短焦点距離状態)での光学系配置、図1(B)は中間域(中間焦点距離状態)での光学系配置、図1(C)は望遠端(最長焦点距離状態)での光学系配置に対応している。同様にして、後述の第2ないし第5の数値実施例のレンズ構成に対応する第2ないし第5の構成例の断面構成を、図2(A),(B),(C)〜図5(A),(B),(C)に示す。図1(A),(B),(C)〜図5(A),(B),(C)において、符号Riは、最も物体側の構成要素の面を1番目として、像側(結像側)に向かうに従い順次増加するようにして符号を付したi番目の面の曲率半径を示す。符号Diは、i番目の面とi+1番目の面との光軸Z1上の面間隔を示す。なお符号Diについては、変倍に伴って変化する部分の面間隔D5,D11,D12,D17,D19のみ符号を付す。なお、各構成例共に基本的な構成は同じなので、以下では図1(A),(B),(C)に示した第1の構成例を基本にして説明する。
このズームレンズは、光軸Z1に沿って物体側から順に、第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4とを備えている。光学的な開口絞りStは、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間に配置されている。
このズームレンズは、例えばビデオカメラ、およびデジタルスチルカメラ等の撮影機器のほか、PDA等の情報携帯端末にも搭載可能である。このズームレンズの像側には、搭載されるカメラの撮影部の構成に応じた部材が配置される。例えば、このズームレンズの結像面(撮像面)には、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子100が配置される。撮像素子100は、このズームレンズによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するものである。少なくとも、このズームレンズと撮像素子100とで、本実施の形態における撮像装置が構成される。最終レンズ群(第4レンズ群G4)と撮像素子100との間には、レンズを装着するカメラ側の構成に応じて、種々の光学部材GCが配置されていても良い。例えば撮像面保護用のカバーガラスや赤外線カットフィルタなどの平板状の光学部材が配置されていても良い。
図32(A),(B)は、本実施の形態に係る撮像装置の一例として、デジタルスチルカメラを示している。特に図32(A)は、このデジタルスチルカメラを前側から見た外観を示し、図32(B)は、このデジタルスチルカメラを背面側から見た外観を示している。このデジタルスチルカメラは、カメラ本体10を備え、そのカメラ本体10の前面側の中央上部に、ストロボ光を照射するストロボ発光部31が設けられている。カメラ本体10の上面側には、レリーズボタン32と電源ボタン33が設けられている。カメラ本体10の背面側には、表示部36と操作部34,35とが設けられている。表示部36は、撮像された画像を表示するためのものである。カメラ本体10の前面側中央部には、撮影対象からの光が入射する撮影開口が設けられ、その撮影開口に対応する位置にレンズ部20が設けられている。レンズ部20は、沈胴式の鏡筒内にレンズ部材を収納したものである。カメラ本体10内には、レンズ部20によって形成された被写体像に応じた撮像信号を出力するCCD等の撮像素子、その撮像素子から出力された撮像信号を処理して画像を生成する信号処理回路、およびその生成された画像を記録するための記録媒体等が設けられている。このデジタルスチルカメラでは、レリーズボタン32を押圧操作することにより、1フレーム分の静止画の撮影が行われ、この撮影で得られる画像データがカメラ本体10内の記録媒体(図示せず)に記録される。このようなカメラにおけるレンズ部20として、本実施の形態におけるズームレンズを用いることで、高解像の撮像信号が得られる。カメラ本体10側では、その撮像信号に基づいて高解像の画像を生成することができる。
図33は、このズームレンズが搭載される撮像装置の一例としてビデオカメラの構成例を示している。このビデオカメラは、カメラ本体1と、カメラ本体1の上部に設けられたカメラ用レンズ2とを備えている。カメラ本体1内には、カメラ用レンズ2によって形成された被写体像に応じた撮像信号を出力するCCD等の撮像素子100、その撮像素子100から出力された撮像信号を処理して画像を生成する信号処理回路、およびその生成された画像を記録するための記録媒体等が設けられている。カメラ本体1にはまた、撮影した画像を表示するための表示ユニット3が取り付けられている。このようなビデオカメラにおけるカメラ用レンズ2としても、本実施の形態におけるズームレンズを適用可能である。
なお、本実施の形態におけるズームレンズは、例えば1000万画素以上、特に1200万画素から1600万画素程度の高画素の撮像装置に好適である。
このズームレンズは、少なくとも第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、開口絞りSt、および第3レンズ群G3を光軸に沿って移動させることにより変倍を行うようになされている。さらに、変倍時に第4レンズ群G4を移動させるようにしても良い。また第4レンズ群G4を合焦時に移動させるようにしても良い。多くのレンズ群を移動群にすることで、少数のレンズ群のみを移動群にする場合に比べて、各レンズ群が受け持つ変倍作用または像面補正作用の負担を軽減することができる。
より詳しくは、広角端から中間域へ、さらに望遠端へと変倍させるに従い、各レンズ群および開口絞りStは、例えば図1(A)の状態から図1(B)の状態へ、さらに図1(C)の状態へと、図に実線で示した軌跡を描くように移動する。特に、開口絞りStが、広角端において望遠端よりも像面に近づき、かつ、望遠端において広角端よりも第2レンズ群G2に近づくように移動する。また、開口絞りStと第3レンズ群G3との光軸上間隔が広角端において望遠端よりも大きくなるように各レンズ群および開口絞りStが移動する。また、第4レンズ群G4は、変倍時に、広角端よりも望遠端において像面に近づくように移動させると良い。
第1レンズ群G1は、全体として正の屈折力を有している。第1レンズ群G1は、例えば3つのレンズで構成することができる。より具体的には、第1レンズ群G1は物体側より順に、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズL11および物体側に凸の正レンズL12からなる接合レンズと、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL13とで構成されていることが好ましい。
第2レンズ群G2は、全体として負の屈折力を有している。第2レンズ群G2は、例えば3つのレンズで構成することができる。より具体的には、第2レンズ群G2は物体側より順に、像側の面が強い凹面(物体側に比べて曲率半径の絶対値の小さい凹面)とされた負レンズL21と、両凹レンズL22と、物体側に凸面を有する正レンズL23とで構成されていることが好ましい。また、それらの各レンズが互いに接合されていない構成とされていることが好ましい。
第3レンズ群G3は、全体として正の屈折力を有している。第3レンズ群G3は、例えば3つのレンズで構成することができる。より具体的には、第3レンズ群G3は物体側より順に、物体側の面が強い凸面(像側に比べて曲率半径の絶対値の小さい凸面)とされた正レンズL31および像側に凹面を有する負レンズL32からなる接合レンズと、少なくとも1面が非球面形状の単レンズL33とで構成されていることが好ましい。
第4レンズ群G4は、全体として正の屈折力を有している。第4レンズ群G4は1枚の正レンズL41のみで構成されていることが好ましい。また、その正レンズL41は、少なくとも1面が非球面形状であることが好ましい。
このズームレンズは、以下の条件式を適宜選択的に満足するように構成されていることが好ましい。ただし、fwは広角端における全系の焦点距離、ftは望遠端における全系の焦点距離、f1は第1レンズ群G1の合成焦点距離、X1は広角端から望遠端への変倍の際の第1レンズ群G1の移動量を示す。f3は第3レンズ群G3の合成焦点距離、f4は第4レンズ群G4の合成焦点距離、Dwは広角端における開口絞りStと第3レンズ群G3の最も物体側のレンズ面との光軸上間隔を示す。
4.0<f1/fw<7.0 ……(1)
0.2<X1/ft<0.3 ……(2)
0.2<f3/f4<0.5 ……(3)
0.0<Dw/ft<0.1 ……(4)
また、第1レンズ群G1内の接合レンズを構成する正レンズL12に関して、以下の条件式を満足することが好ましい。ただし、N12は正レンズL12のd線での屈折率、ν12は正レンズL12のd線におけるアッベ数を示す。
1.57<N12<1.65 ……(5)
62.0<ν12<70 ……(6)
また、以下の条件式を適宜選択的に満足するように構成されていることが好ましい。ただし、Pwは広角端における開口絞りStと像面との光軸上距離、Ptは望遠端における開口絞りStと像面との光軸上距離を示す。IHは最大像高を示す。
0.4<(Pt−Pw)/fw<0.9 ……(7)
0.7<IH/fw<0.9 ……(8)
また、第2レンズ群G2中の正レンズL23に関して、以下の条件式を満足することが好ましい。ただし、ν23は正レンズL23のd線におけるアッベ数を示す。
20<ν23<25 ……(9)
次に、以上のように構成されたズームレンズの作用および効果を説明する。
このズームレンズでは、物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、絞りStと、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4とを配設すると共に、少なくとも第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、絞りSt、および第3レンズ群G3を光軸Z1に沿って移動させることにより変倍を行うようにしたことで、高変倍比でありながら、全体的に小型化を図りやすくなる。特に、適切な条件式を満足しつつ、変倍時に、絞りStが広角端において望遠端よりも像面に近づき、かつ、望遠端において広角端よりも第2レンズ群G2に近づくように移動するようになされていることで、レンズ全長が抑えられると共に、第1レンズ群G1を通過する光線の高さを低くして第1レンズ群G1のレンズ径が抑えられ、全体的に小型化が図りやすくなる。
また、第1レンズ群G1に、負レンズL11および正レンズL12からなる接合レンズを用いることで、軸上色収差を補正することができ、特に望遠端での軸上色収差の低減が可能となる。さらに、物体側に凸面を向けた正レンズL13を配置することで、像面湾曲と歪曲を補正することができる。
また、第2レンズ群G2を物体側より順に、像側の面が強い凹面とされた負レンズL21と、両凹レンズL22と、物体側に凸面を有する正レンズL23とで構成し、それらの各レンズを互いに接合されていない構成とすることで、変倍域全域での諸収差の変動を抑えることができる。より詳しくは、第2レンズ群G2によって次のような作用・効果が得られる。このズームレンズにおいて、レンズ全長の短縮化を進めると第2レンズ群G2の屈折力が強くなり、変倍時に収差の変動が大きくなりやすい。従って、第2レンズG2を互いに接合しない3枚のレンズで構成することで、接合する場合に比べ、設計自由度が高くなり収差の変動の少ない設計が可能となる。また、物体側より順に、負レンズL21と両凹レンズL22とを配置することで、像面湾曲と歪曲を補正ができ、さらに正レンズL23を配置することで、広角端での倍率色収差と望遠端での軸上色収差とを良好に補正することができる。
また、第3レンズ群G3を物体側より順に、物体側の面が強い凸面とされた正レンズL31および像側に凹面を有する負レンズL32からなる接合レンズと、少なくとも1面が非球面形状の単レンズL33とで構成することで、望遠端に比べ開口絞りStとの距離が離れる広角端における諸収差を補正できる。より詳しくは、第3レンズ群G3によって次のような作用・効果が得られる。このズームレンズでは、開口絞りStを望遠端に比べて広角端において第3レンズG3と離す構成としたため、望遠端に比べて広角端における光線の高さが高くなり、広角端における像面湾曲と歪曲が増大しやすくなる。従って、正レンズL31と負レンズL32の像側に非球面形状の単レンズL33を配置することで、広角端での像面湾曲と歪曲とを補正でき、同時に球面収差を補正することができる。また、正レンズL31と負レンズL32を接合することで、軸上色収差を補正することができる。
また、第4レンズ群G4を変倍時に、広角端よりも望遠端において像面に近づくように移動させる構成とすることで、高変倍比でありながら、レンズ全長を短くすることができる。また、合焦時に第4レンズ群G4を移動させる構成とすることで、合焦の高速化を達成することができる。より詳しくは、第4レンズ群G4によって次のような作用・効果が得られる。第4レンズ群G4は、変倍時に広角端よりも望遠端において像面に近づくよう移動すると、広角端に比べて望遠端における第3レンズG3と第4レンズ群G4との群間隔をより広げることができるため、高変倍化を達成し易い。また広角端に比べて、望遠端における近距離撮影時の像面移動量が大きく、合焦時に移動するレンズも広角端に比べて、望遠端における移動量が大きくなる。第4レンズ群G4を合焦で使用する場合、広角端よりも望遠端において像面に近づくように移動することで、近距離撮影時の望遠端での第4レンズ群G4の位置を広角端での位置に近づけることができる。第4レンズ群G4をモータで駆動させる場合、広角端から望遠端での変倍全域において、第4レンズ群G4の変倍時と合焦時を含めた移動量を抑えることができ、第4レンズ群G4の枠を支持するガイドの長さを減らし、沈胴時のレンズ長の短縮化が可能となる。
また、第4レンズ群G4を1枚の正レンズL41のみで構成することで、低廉化と小型化とを達成することができる。また、合焦時に移動するレンズの重量を軽量化することができ、合焦の高速化を達成することができる。さらに、その正レンズL41の少なくとも1面を非球面形状とすることで、像面湾曲を補正することができ、よりレンズ全長の小型化を達成することができる。
上記条件式(1)は、第1レンズ群G1の焦点距離f1に関する式で、この式を満足することで、光学系を小型化できると共に、変倍域全域での収差を良好に補正することができる。条件式(1)の下限を下回ると第1レンズ群G1の屈折力が強くなるため、光学系の小型化には有利であるが、第1レンズ群G1にて発生する収差が増大するため、変倍域全域にて良好に収差を補正することが困難となる。また、上限を上回ると第1レンズ群G1の屈折力が小さくなるため、レンズ全長が長くなり、第1レンズ群G1の外径も拡大されるため、光学系の小型化を達成することができない。
上記条件式(2)は、広角端から望遠端への第1レンズ群G1の移動量に関する式で、この式を満足することで、光学系を小型化することができる。条件式(2)の下限を下回ると第1レンズ群G1の移動量が少なくなるため、第1レンズ群G1の移動機構の長さは短くなるが、望遠端におけるレンズ全長が長くなり、光学系の小型化を達成することができない。上限を上回ると第1レンズ群G1の移動量が大きくなるため、望遠端におけるレンズ全長の短縮には有利であるが、第1レンズ群G1の移動機構が長くなるため沈胴時の光学系の小型化を達成することができない。
上記条件式(3)は、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4の焦点距離に関する式で、この式を満足することで、光学系を小型化できると共に、撮像素子への光線の入射角を小さくすることができる。条件式(3)の下限を下回ると第3レンズ群G3の屈折力が強くなるため、レンズ全長は短くなるが、第4レンズ群G4の屈折力が小さくなるため、撮像素子への光線の入射角が大きくなり、シェーディングに影響を与えやすい。また、上限を上回ると第4レンズ群G4の屈折力が強くなるため、撮像素子への入射角は小さくなり、シェーディングに影響を与えづらいが、第3レンズ群G3の屈折力が小さくなるため、レンズ全長が長くなり、小型化が困難となる。
上記条件式(4)は、広角端における開口絞りStと第3レンズ群G3との軸上間隔に関する式で、この式を満足することで、光学系を小型化することができる。条件式(4)の下限を下回ると広角端における開口絞りStと第3レンズ群G3との距離が縮まる反面、第1レンズ群G1および第2レンズ群G2との距離が増大するため第1レンズ群G1における光束の有効範囲が大きくなり、レンズ外径の小型化が困難となる。上限を上回ると広角端における開口絞りStと第3レンズ群G3との距離が増大するため、第3レンズ群G3における光束の有効範囲が大きくなる。このため、沈胴時に第3レンズ群G3を退避する構成にした場合に、沈胴時の鏡筒外径が大きくなる。
上記条件式(5),(6)は、第1レンズ群G1における正レンズL12のレンズ材料に関する式で、この条件式を満足することで変倍全域での光学性能を良好に補正することができる。条件式(5)の下限を下回るとペッツバール和が増大し、望遠端での像面湾曲が増大する。条件式(5)の上限を上回ると正レンズL12の像側面における全反射条件の臨界角が小さくなるため、全反射が起きやすく、迷光が発生しやすい。条件式(6)の下限を下回ると、望遠端での軸上色収差が増大し、上限を上回ると広角端での倍率色収差が増大する。
上記条件式(7)は、変倍時の絞り移動距離に関する式で、この式を満足することで、第1レンズ群G1のレンズ外径を小型化できると共に、沈胴時のレンズ長の短縮化を達成できる。条件式(7)の下限を下回ると変倍時の開口絞りStの移動量が少なくなるため、絞り移動機構の長さは短縮できるが、第1レンズ群G1における光束の有効範囲が大きくなり、レンズ外径の小型化が困難となる。また、上限を上回ると第1レンズ群G1における光束の有効範囲が小さくなることより、レンズ外径の小型化には有利であるが、絞り移動機構の長さが長くなり、沈胴時のレンズ長の短縮化が困難となる。
上記条件式(8)は、広角端における最大画角に関する式で、この式を満足することで広い画角まで撮影することができる。
上記条件式(9)は、第2レンズ群G2における正レンズL23のアッベ数に関する式で、この式満足することにより、色収差を良好に補正することができる。条件式(9)の下限を下回ると望遠端における軸上色収差が増大し、上限を上回ると望遠端における倍率色収差が増大する。
以上説明したように、本実施の形態に係るズームレンズによれば、物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、開口絞りStと、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4とを配設した構成において、変倍時における各レンズ群および絞りStの移動を、適切な条件式と組み合わせつつ最適化するようにしたので、高変倍比でありながら、全体的に小型化を図ることができる。また、本実施の形態に係るズームレンズを搭載した撮像装置によれば、高変倍比の良好な撮像性能を維持しつつ、装置全体としての小型化を図ることができる。
次に、本実施の形態に係るズームレンズの具体的な数値実施例について説明する。以下では、複数の数値実施例をまとめて説明する。
図6(A),(B)および図7は、図1(A),(B),(C)に示したズームレンズの構成に対応する具体的なレンズデータを示している。特に図6(A)にはその基本的なレンズデータを示し、図6(B)および図7にはその他のデータを示す。図6(A)に示したレンズデータにおける面番号Siの欄には、実施例1に係るズームレンズについて、最も物体側の構成要素の面を1番目として、像側に向かうに従い順次増加するようにして符号を付したi番目(i=1〜21)の面の番号を示している。曲率半径Riの欄には、図1(C)において付した符号Riに対応させて、物体側からi番目の面の曲率半径の値(mm)を示す。面間隔Diの欄についても、同様に物体側からi番目の面Siとi+1番目の面Si+1との光軸上の間隔(mm)を示す。Ndiの欄には、物体側からi番目の面Siとi+1番目の面Si+1との間のd線(587.6nm)に対する屈折率の値を示す。νdjの欄には、物体側からj番目の光学要素のd線に対するアッベ数の値を示す。図6(A)にはまた、諸データとして、広角端および望遠端における全系の近軸焦点距離f(mm)、画角(2ω)およびFナンバー(FNO.)の値についても示す。
実施例1に係るズームレンズは、変倍に伴って開口絞りStと各レンズ群が光軸上を移動するため、開口絞りStと各レンズ群の前後の面間隔D5,D11,D12,D17,D19の値は可変となっている。図6(B)には、これらの面間隔D5,D11,D12,D17,D19の変倍時のデータとして、広角端、中間および望遠端における値を示す。
図6(A)のレンズデータにおいて、面番号の左側に付された記号「*」は、そのレンズ面が非球面形状であることを示す。実施例1に係るズームレンズは、第3レンズ群G3内の単レンズL33の両面S16,S17と、第4レンズ群G4内の正レンズL41の物体側の面S18とが非球面形状となっている。図6(A)の基本レンズデータには、これらの非球面の曲率半径として、光軸近傍の曲率半径の数値を示している。
図7には実施例1に係るズームレンズにおける非球面データを示す。非球面データとして示した数値において、記号“E”は、その次に続く数値が10を底とした“べき指数”であることを示し、その10を底とした指数関数で表される数値が“E”の前の数値に乗算されることを示す。例えば、「1.0E−02」であれば、「1.0×10-2」であることを示す。
実施例1に係るズームレンズの非球面データとしては、以下の式(A)によって表される非球面形状の式における各係数An,Kの値を記す。Zは、より詳しくは、光軸から高さhの位置にある非球面上の点から、非球面の頂点の接平面(光軸に垂直な平面)に下ろした垂線の長さ(mm)を示す。
Z=C・h2/{1+(1−K・C2・h21/2}+ΣAn・hn ……(A)
(n=3以上の整数)
ただし、
Z:非球面の深さ(mm)
h:光軸からレンズ面までの距離(高さ)(mm)
K:離心率
C:近軸曲率=1/R
(R:近軸曲率半径)
n:第n次の非球面係数
実施例1に係るズームレンズの非球面は、非球面係数AnとしてA3〜A14までの次数を有効に用いている。
以上の実施例1に係るズームレンズと同様にして、図2(A),(B),(C)に示したズームレンズの構成に対応する具体的なレンズデータを実施例2として、図8(A),(B)および図9に示す。実施例2に係るズームレンズは、第3レンズ群G3内の単レンズL33の両面S16,S17と、第4レンズ群G4内の正レンズL41の両面S18,S19とが非球面形状となっている。
また同様にして、図3(A),(B),(C)に示したズームレンズの構成に対応する具体的なレンズデータを実施例3として、図10(A),(B)および図11に示す。また同様にして、図4(A),(B),(C)に示したズームレンズの構成に対応する具体的なレンズデータを実施例4として、図12(A),(B)および図13に示す。また同様にして、図5(A),(B),(C)に示したズームレンズの構成に対応する具体的なレンズデータを実施例5として、図14(A),(B)および図15に示す。
なお、実施例3ないし5のズームレンズについては、実施例1に係るズームレンズと同様の面が非球面形状となっている。
図16には、上述の各条件式に関する値を、各実施例についてまとめたものを示す。図16から分かるように、各条件式について、各実施例の値がその数値範囲内となっている。
図17(A)〜(D)はそれぞれ、実施例1に係るズームレンズにおける広角端での球面収差、非点収差、ディストーション(歪曲収差)および倍率色収差を示している。図18(A)〜(D)は中間域における同様の各収差を示し、図19(A)〜(D)は、望遠端における同様の各収差を示している。各収差図には、d線(587.6nm)を基準波長とした収差を示す。球面収差図および倍率色収差図には、波長460nm、波長615nmについての収差も示す。非点収差図において、実線はサジタル方向、破線はタンジェンシャル方向の収差を示す。FNO.はF値、ωは半画角を示す。
同様に、実施例2に係るズームレンズについての諸収差を図20(A)〜(D)(広角端)、図21(A)〜(D)(中間域)および図22(A)〜(D)(望遠端)に示す。同様にして、実施例3および5に係るズームレンズについての諸収差を図23〜図31の(A)〜(D)に示す。
以上の各数値データおよび各収差図から分かるように、各実施例について、各変倍域で諸収差が良好に補正され、高変倍比でありながら、全体的に小型化の図られたズームレンズが実現できている。
なお、本発明は、上記実施の形態および各実施例に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、各レンズ成分の曲率半径、面間隔および屈折率の値などは、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得る。
本発明の一実施の形態に係るズームレンズの第1の構成例を示すものであり、実施例1に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係るズームレンズの第2の構成例を示すものであり、実施例2に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係るズームレンズの第3の構成例を示すものであり、実施例3に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係るズームレンズの第4の構成例を示すものであり、実施例4に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係るズームレンズの第5の構成例を示すものであり、実施例5に対応するレンズ断面図である。 実施例1に係るズームレンズのレンズデータを示す図であり、(A)は基本的なレンズデータを示し、(B)は変倍に伴って移動する部分の面間隔のデータを示す。 実施例1に係るズームレンズの非球面に関するデータを示す図である。 実施例2に係るズームレンズのレンズデータを示す図であり、(A)は基本的なレンズデータを示し、(B)は変倍に伴って移動する部分の面間隔のデータを示す。 実施例2に係るズームレンズの非球面に関するデータを示す図である。 実施例3に係るズームレンズのレンズデータを示す図であり、(A)は基本的なレンズデータを示し、(B)は変倍に伴って移動する部分の面間隔のデータを示す。 実施例3に係るズームレンズの非球面に関するデータを示す図である。 実施例4に係るズームレンズのレンズデータを示す図であり、(A)は基本的なレンズデータを示し、(B)は変倍に伴って移動する部分の面間隔のデータを示す。 実施例4に係るズームレンズの非球面に関するデータを示す図である。 実施例5に係るズームレンズのレンズデータを示す図であり、(A)は基本的なレンズデータを示し、(B)は変倍に伴って移動する部分の面間隔のデータを示す。 実施例5に係るズームレンズの非球面に関するデータを示す図である。 条件式に関する値を各実施例についてまとめて示した図である。 実施例1に係るズームレンズの広角端における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 実施例1に係るズームレンズの中間域における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 実施例1に係るズームレンズの望遠端における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 実施例2に係るズームレンズの広角端における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 実施例2に係るズームレンズの中間域における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 実施例2に係るズームレンズの望遠端における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 実施例3に係るズームレンズの広角端における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 実施例3に係るズームレンズの中間域における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 実施例3に係るズームレンズの望遠端における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 実施例4に係るズームレンズの広角端における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 実施例4に係るズームレンズの中間域における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 実施例4に係るズームレンズの望遠端における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 実施例5に係るズームレンズの広角端における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 実施例5に係るズームレンズの中間域における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 実施例5に係るズームレンズの望遠端における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 本発明の一実施の形態に係る撮像装置としてのデジタルスチルカメラの一構成例を示す外観図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像装置としてのビデオカメラの一構成例を示す外観図である。
符号の説明
GC…光学部材、G1…第1レンズ群、G2…第2レンズ群、G3…第3レンズ群、G4…第4レンズ群、St…開口絞り、Ri…物体側から第i番目のレンズ面の曲率半径、Di…物体側から第i番目と第i+1番目のレンズ面との面間隔、Z1…光軸、100…撮像素子。

Claims (11)

  1. 物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、絞りと、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とが配設されると共に、少なくとも前記第1レンズ群、前記第2レンズ群、前記絞り、および前記第3レンズ群を光軸に沿って移動させることにより変倍を行うようになされ、
    変倍時に、前記絞りが、広角端において望遠端よりも像面に近づき、かつ、望遠端において広角端よりも前記第2レンズ群に近づくように移動するように構成され、かつ、以下の条件式を満足するように構成されている
    ことを特徴とするズームレンズ。
    4.0<f1/fw<7.0 ……(1)
    0.2<X1/ft<0.3 ……(2)
    0.7<IH/fw<0.9 ……(8)
    ただし、
    fw:広角端における全系の焦点距離
    ft:望遠端における全系の焦点距離
    f1:第1レンズ群の合成焦点距離
    X1:広角端から望遠端への変倍の際の第1レンズ群の移動量
    IH:最大像高
    とする。
  2. さらに以下の条件式を満足する
    ことを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
    0.2<f3/f4<0.5 ……(3)
    ただし、
    f3:第3レンズ群の合成焦点距離
    f4:第4レンズ群の合成焦点距離
    とする。
  3. さらに以下の条件式を満足する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のズームレンズ。
    0.0<Dw/ft<0.1 ……(4)
    ただし、
    Dw:広角端における絞りと第3レンズ群の最も物体側のレンズ面との光軸上間隔
    とする。
  4. 前記第1レンズ群が物体側から順に、物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズおよび物体側に凸の正レンズからなる接合レンズと、物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズとからなり、以下の条件式を満足するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のズームレンズ。
    1.57<N12<1.65 ……(5)
    62.0<ν12<70 ……(6)
    ただし、
    N12:第1レンズ群中の接合レンズを構成する正レンズのd線での屈折率
    ν12:第1レンズ群中の接合レンズを構成する正レンズのd線におけるアッベ数
    とする。
  5. さらに以下の条件式を満足する
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のズームレンズ。
    0.4<(Pt−Pw)/fw<0.9 ……(7)
    ただし、
    Pw:広角端における絞りと像面との光軸上距離
    Pt:望遠端における絞りと像面との光軸上距離
    とする。
  6. 前記第2レンズ群が物体側より順に、像側の面が物体側に比べて曲率半径の絶対値の小さい凹面とされた負レンズと、両凹レンズと、物体側に凸面を有する正レンズとからなり、それらの各レンズは互いに接合されていない
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  7. さらに以下の条件式を満足する
    ことを特徴とする請求項6に記載のズームレンズ。
    ただし、
    20<ν23<25 ……(9)
    ν23:第2レンズ群中の正レンズのd線におけるアッベ数
    とする。
  8. 前記第3レンズ群が物体側より順に、物体側の面が像側に比べて曲率半径の絶対値の小さい凸面とされた正レンズおよび像側に凹面を有する負レンズからなる接合レンズと、少なくとも1面が非球面形状の単レンズとからなる
    ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  9. 前記第4レンズ群が1枚の正レンズのみで構成され、その正レンズの少なくとも物体側の面が非球面形状である
    ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  10. 前記第4レンズ群が合焦時に移動する
    ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載のズームレンズと、
    前記ズームレンズによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力する撮像素子と
    を備えたことを特徴とする撮像装置。
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