JP5114983B2 - 現像装置および画像形成装置 - Google Patents
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トナーとキャリアを含み、上記トナーとキャリアの相互の摩擦接触によって上記トナーが第1の極性に帯電されると共に上記キャリアが上記第1の極性とは異なる第2の極性に帯電される現像剤と、
上記現像剤を収容する現像槽の開口部に配置された第1の搬送部材と、
第1の領域を介して上記第1の搬送部材に対向し、第2の領域を介して上記静電潜像担持体に対向する第2の搬送部材と、
上記第1の搬送部材と上記第2の搬送部材との間に第1の電界を形成して、上記第1の搬送部材が保持している現像剤からトナーを上記第2の搬送部材に移動・分離させる第1の電界形成手段と、
上記第2の搬送部材と上記静電潜像担持体との間に第2の電界を形成して、上記第2の搬送部材が保持している上記トナーを上記静電潜像担持体の静電潜像に移動させて上記静電潜像を可視像化する第2の電界形成手段を備えており、
上記現像剤は、上記トナーと行動を共にする平均一次粒径100〜850nmの大径粒子Aおよび上記キャリアと行動を共にする平均一次粒径100〜850nmの大径粒子Bをさらに含むことを特徴とする現像装置、ならびに上記現像装置を含む画像形成装置に関する。
図1は、本発明に係る電子写真式画像形成装置の画像形成に関連する部分を示す。画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、およびそれらの機能を複合的に備えた複合機のいずれであってもよい。画像形成装置1は、静電潜像坦持体である感光体12を有する。実施形態において、感光体12は円筒体で構成されているが、本発明はそのような形態に限定されるものでなく、代わりに無端ベルト式の感光体も使用可能である。感光体12は、図示しないモータに駆動連結されており、モータの駆動に基づいて矢印14方向に回転するようにしてある。感光体12の周囲には、感光体12の回転方向に沿って、帯電ステーション16、露光ステーション18、現像ステーション20、転写ステーション22、およびクリーニングステーション24が配置されている。
現像装置34は、第1の成分粒子である非磁性トナーと第2の成分粒子である磁性キャリアを含む2成分現像剤と以下に説明する種々の部材を収容する現像槽(ハウジング)42を備えている。図面を簡略化することで発明の理解を容易にするため、現像槽42の一部は削除してある。現像槽42は感光体12に向けて開放された一連の開口部(44、52)を備えており、この開口部44の近傍に形成された空間46にトナー搬送部材(第2の搬送部材)である現像ローラ48が設けてある。現像ローラ48は、円筒状の部材(第2の回転円筒体)であり、感光体12と平行に且つ感光体12の外周面と所定の現像ギャップ50を介して、回転可能に配置されている。
供給領域90でスリーブ60から現像ローラ48にトナー6を効率的に移動させるために、現像ローラ48とスリーブ60は電界形成装置110と電気的に接続されている。電界形成装置110は、搬送ローラと現像ローラとの間に第1の電界を形成して、搬送ローラが保持している現像剤からトナーを現像ローラに移動・分離させる第1の電界形成手段と、現像ローラと感光体との間に第2の電界を形成して、現像ローラが保持している上記を感光体の静電潜像に移動させて静電潜像を可視像化する第2の電界形成手段とからなっている。第1および第2の電界形成手段を構成する電源の具体例が図3A〜図7に示してある。
本発明において現像剤はトナーとキャリアを主成分とする2成分現像剤であって、特定の大径粒子Aおよび大径粒子Bをさらに含むものである。
大径粒子Aはトナーと行動を共にする粒子であって、平均一次粒径100〜850nmを有するものである。トナーと行動を共にするとは、第1の電界形成手段によって搬送ローラが保持している現像剤からトナーを現像ローラに移動・分離させるに際し、トナーと共に現像ローラに移動・分離されることを意味する。そのような大径粒子Aはその後、トナーと共に、第2の電界形成手段によって現像ローラから感光体に移動し、クリーニングブレードと感光体との間隙に供給されるので、静止層が有効に形成され、クリーニング不良を抑制できる。大径粒子Aは全ての粒子がトナーと共に行動しなければならないというわけではなく、現像剤に含まれる大径粒子Aのうち50%を越えるものがトナーと共に行動すればよい。大径粒子Aが小さすぎると、クリーニングブレードと感光体との間をすり抜けやすくなるためクリーニングの効果が不十分となり画像ノイズが発生する。一方で、大きすぎると、繰り返し画像形成を行った場合に、ブレードクリーニング時や押圧転写時に感光体に傷をつけ易くなり、そのため、クリーニングブレードにも傷がはいり、拭き残し等のクリーニング不良が発生する。
具体的には例えば、キャリアとの摩擦接触により負極性に帯電されるトナーを用いる場合、大径粒子Aは通常、キャリアとの摩擦接触により負極性に帯電される粒子が使用され、例えば鉄粉に対するブローオフ帯電量が−5〜−100μC/gの範囲内であるものが使用できる。そのような負帯電性大径粒子Aとしては、例えば、シリカ、酸化チタン等の無機粒子、ならびに含フッ素アクリル系モノマーまたは/および含フッ素メタクリル系モノマーを含有するポリマー等のフッ素樹脂、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂等の負帯電性熱可塑性樹脂あるいは負帯電性熱硬化性樹脂で構成された有機粒子が使用できる。また樹脂粒子に含有させることによって当該粒子に負帯電性を付与し得る負荷電制御剤を樹脂粒子中に含有させたものを使用してもよい。負荷電制御剤としては、例えば、サリチル酸系またはナフトール系のクロム錯体、アルミニウム錯体、鉄錯体および亜鉛錯体等を使用できる。負荷電制御剤が含有される樹脂として、例えば、アクリル系樹脂、スチレン・アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂等が使用できる。さらに粒子の表面をコートすることによって当該粒子に負帯電性を付与し得る負帯電性表面処理剤を粒子表面にコートしたものを使用してもよい。粒子としては特に制限されるものではなく、例えば、正帯電性大径粒子として使用可能な後述の無機粒子および有機粒子が使用できる。負帯電性表面処理剤としては、例えば、前記の負帯電性熱可塑性樹脂あるいは負帯電性熱硬化性樹脂、フッ素系シリコーンオイル等をそのまま、または所望により溶媒に溶解させて使用できる。
具体的には例えば、キャリアとの摩擦接触により負極性に帯電されるトナーを用いる場合、大径粒子Bは通常、キャリアとの摩擦接触により正極性に帯電される粒子が使用され、例えば鉄粉に対するブローオフ帯電量が+5〜+100μC/gの範囲内であるものが使用できる。そのような正帯電性大径粒子Bとしては、正帯電性大径粒子Aとして例示した同様の粒子が使用できる。
トナー、キャリア、および現像剤に含まれる他の粒子の具体的な材料を説明する。
トナーには、画像形成装置で従来から一般に使用されている公知のトナーを使用できる。トナー粒径は、例えば約3〜15μmである。バインダー樹脂中に着色剤を含有させたトナー、荷電制御剤や離型剤を含有するトナー、表面に添加剤を保持するトナーも使用できる。
トナーに使用されるバインダー樹脂は、限定的ではないが、例えば、スチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体、例えばスチレン・アクリル系樹脂)、ポリエステル樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、またはそれらの樹脂を任意に混ぜ合わせたものである。バインダー樹脂は、軟化温度が約80〜160℃の範囲、ガラス転移点が約50〜75℃の範囲であることが好ましい。
着色剤は、公知の材料、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、活性炭、マグネタイト、ベンジンイエロー、パーマネントイエロー、ナフトールイエロー、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、ウルトラマリンブルー、ローズベンガル、レーキーレッド等を用いることができる。着色剤の添加量は、一般に、バインダー樹脂100重量部に対して、2〜20重量部であることが好ましい。
荷電制御剤は、従来から荷電制御剤として知られている材料が使用できる。具体的に、正極性に帯電するトナーには、例えばニグロシン系染料、4級アンモニウム塩系化合物、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール系化合物、ポリアミン樹脂が荷電制御剤として使用できる。負極性に帯電するトナーには、Cr、Co、Al、Fe等の金属含有アゾ系染料、サリチル酸金属化合物、アルキルサリチル酸金属化合物、カーリックスアレーン化合物が荷電制御剤として使用できる。荷電制御剤は、バインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の割合で用いることが好ましい。
その他、現像剤の流動化を促進する流動化剤を添加してもよい。流動化剤には、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機微粒子や、アクリル樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂微粒子が使用できる。特にシランカップリング剤、チタンカップリング剤、およびシリコーンオイル等で疎水化した材料を用いるのが好ましい。流動化剤は、トナー100重量部に対して、0.1〜5重量部の割合で添加させることが好ましい。これら添加剤の個数平均一次粒径は9〜100nm、特に9〜100nm未満であることが好ましい。
キャリアは、従来から一般に使用されている公知のキャリアを使用できる。バインダー型キャリアやコート型キャリアのいずれを用いてもよい。キャリア粒径は、限定的ではないが、約15〜100μmが好ましい。
磁性体からなるキャリアコア粒子にシリコーン樹脂コートがなされてなるコート型キャリアであって、平均粒径約33μmのコニカミノルタビジネステクノロジーズ社製bizhub C350用キャリアをキャリアAとして用いた。
個数平均粒径350nmのチタン酸ストロンチウム粒子にフッ素系シリコーンオイルを、チタン酸ストロンチウム粒子に対して0.2重量%で表面処理し、大径粒子x1を得た。この大径粒子のブローオフ帯電量は−5μc/gであった。
個数平均粒径50、100、850、1000nmのチタン酸ストロンチウム粒子を用いたこと以外、大径粒子x1の製造方法と同様の方法により、それぞれ大径粒子x2〜x5を得た。これらの大径粒子のブローオフ帯電量は−5μc/gであった。
個数平均粒径350nmのチタン酸ストロンチウム粒子にフッ素系シリコーンオイルを、チタン酸ストロンチウム粒子に対して1重量%で表面処理し、大径粒子x6を得た。この大径粒子のブローオフ帯電量は−99μc/gであった。
個数平均粒径350nmのチタン酸ストロンチウム粒子に表面処理をおこなわないで、そのまま大径粒子y1として用いた。この大径粒子のブローオフ帯電量は+5μc/gであった。
個数平均粒径50、100、850、1000nmのチタン酸ストロンチウム粒子に表面処理をおこなわないで、そのままそれぞれ大径粒子y2〜y5として用いた。これらの大径粒子のブローオフ帯電量は+5μc/gであった。
個数平均粒径350nmのチタン酸ストロンチウム粒子にN−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシランをチタン酸ストロンチウム粒子に対して1重量%で表面処理し、大径粒子y6を得た。この大径粒子のブローオフ帯電量は+98μc/gであった。
ブローオフ帯電量の測定は、ブローオフ粉体帯電量測定装置(東芝ケミカル社製)を用い、鉄粉キャリア(Z−150/250)(パウダーテック社製)に対してサンプルを濃度0.2wt%で混合したものを、ターブラーミキサーで1分間混合した際の値で示してある。装置条件はSUS400mesh、ブロー圧力1kgf/cm2、60秒値である。
トナー粒子はコニカミノルタビジネステクノロジーズ社製bizhub C350用トナー粒子を用いた。
湿式造粒法により作成された体積平均粒径約6.5μmのトナー粒子100重量部に対し、第1の疎水性シリカ0.2重量部、第2の疎水性シリカ0.5重量部、疎水性酸化チタン0.5重量部、大径粒子x1を2重量部、および大径粒子y1を2重量部を、ヘンシェルミキサ(三井金属鉱山社製)を用いて40m/sの速度で3分間表面処理を行って外添処理し、負帯電性トナーを得た。
第2の疎水性シリカは、個数平均一次粒径20nmのシリカ(#90:日本アエロジル社製)をHMDSにより表面処理したものである。
疎水性酸化チタンは、個数平均一次粒径30nmのアナターゼ型酸化チタンを水系湿式中で疎水化剤であるイソブチルトリメトキシシランにより表面処理をしたものである。
上記負帯電性トナーとキャリアAを重量混合比(トナー/キャリア)8/92で混合して得られた現像剤を、図1に示す形態の現像装置を組み込んだ画像形成装置(bizhub C350;コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)に搭載した。この画像形成装置を用いて、画像面積率5%のオリジナル画像を10万枚プリントした。トナーは、現像剤のトナー濃度検出結果に基づいて補給するよう制御している。
帯電性は、現像ローラ上のトナーの帯電量をブローオフ粉体帯電量測定装置(東芝ケミカル社製)により測定し、初期に対する10万枚プリント後の帯電量低下率(Rc)によって評価した。
○;Rcは5%未満であった;
△;Rcは5%以上、10%未満であったが、実用上問題なかった;
×;Rcは10%以上であった。
クリーニング性は、10万枚プリント後の画像および感光体表面について、クリーニングに起因する画像ノイズ(クリーニング不良による拭き残し、BS、フィルミング)に基づいて評価した。
○;感光体表面には拭き残し、フィルミングおよびBSの発生がなかった;
△:拭き残し、フィルミングおよびBSの発生が感光体表面にある;
×:拭き残し、フィルミングおよびBSの発生が感光体表面にあり、画像上でも確認できた。
耐刷5万枚直後、および10万枚直後において、現像剤に含まれる大径粒子Aは50%を越える割合で、トナーと共に行動し、現像ローラ48に移動・分離されていた。一方、大径粒子Bは50%を越える割合で、キャリアと共に行動していた。
大径粒子Aが50%を越える割合で、トナーと共に行動したことは、以下の測定により明らかであった。初期の現像剤に含まれるトナー粒子に対する大径粒子A(x1)の割合Xa(重量%)を算出した。現像ローラ回転方向に関し供給領域90より下流側であって現像領域96より上流側における現像ローラ上のトナー混合物を採取し、トナー粒子に対する大径粒子A(x1)の割合Xb(重量%)を測定した。Xb/Xaが0.5を越えていることを確認した。
大径粒子Bが50%を越える割合で、キャリアと共に行動したことは、以下の測定により明らかであった。初期の現像剤に含まれるトナー粒子に対する大径粒子B(y1)の割合Ya(重量%)を算出した。現像ローラ回転方向に関し供給領域90より下流側であって現像領域96より上流側における現像ローラ上のトナー混合物を採取し、トナー粒子に対する大径粒子B(y1)の割合Yb(重量%)を測定した。1−Yb/Yaが0.5を越えていることを確認した。
大径粒子A、Bの割合Xb、Ybは、大径粒子A、Bそれぞれについて以下の方法を実施することにより求めることができる。大径粒子を溶媒に溶かし、その濃度と吸光度との関係を示す検量線を作成する。トナーも同じ様に溶媒に溶かしその濃度と吸光度との関係を示す検量線を作成する。サンプリングしたトナーを溶解させ、その溶液の吸光度を測定し、前記検量線から大径粒子の含有割合を導き出す。吸光度の測定には一般的な吸光光度計を用いることができる。
現像ローラ上で採取されたトナー混合物における大径粒子Bの含有割合[Yb/(Xb+Yb)]は、初期の現像剤における大径粒子Bの含有割合[Ya/(Xa+Ya)]より小さくなっていた。
表に記載の大径粒子を、表に記載の添加量で用いたこと以外、実施例1と同様の方法により、トナーの製造および評価を行った。
実施例2〜10では、耐刷5万枚直後、および10万枚直後において、現像剤に含まれる大径粒子Aは50%を越える割合で、トナーと共に行動し、現像ローラ48に移動・分離されていた。一方、大径粒子Bは50%を越える割合で、キャリアと共に行動していた。また実施例2〜10では、現像ローラ上で採取されたトナー混合物における大径粒子Aの含有割合[Xb/(Xb+Yb)]は、初期の現像剤における大径粒子Aの含有割合[Xa/(Xa+Ya)]より大きくなっていた。現像ローラ上で採取されたトナー混合物における大径粒子Bの含有割合[Yb/(Xb+Yb)]は、初期の現像剤における大径粒子Bの含有割合[Ya/(Xa+Ya)]より小さくなっていた。
Claims (2)
- トナーとキャリアを含む現像剤を用いて、静電潜像担持体上の静電潜像を可視像化する現像装置であって、
トナーとキャリアを含み、上記キャリアが磁性体を含有し、上記トナーとキャリアの相互の摩擦接触によって上記トナーが第1の極性に帯電されると共に上記キャリアが上記第1の極性とは異なる第2の極性に帯電される現像剤と、
上記現像剤を収容する現像槽の開口部に配置され、磁石体を内蔵する第1の搬送部材と、
第1の領域を介して上記第1の搬送部材に対向し、第2の領域を介して上記静電潜像担持体に対向する第2の搬送部材と、
上記第1の搬送部材と上記第2の搬送部材との間に第1の電界を形成して、上記第1の搬送部材が保持している現像剤からトナーを上記第2の搬送部材に移動・分離させる第1の電界形成手段と、
上記第2の搬送部材と上記静電潜像担持体との間に第2の電界を形成して、上記第2の搬送部材が保持している上記トナーを上記静電潜像担持体の静電潜像に移動させて上記静電潜像を可視像化する第2の電界形成手段を備えており、
上記現像剤は、帯電極性がトナーの帯電極性と同一極性であって、上記トナーと行動を共にする平均一次粒径100〜850nmの大径粒子Aおよび帯電極性がトナーの帯電極性と逆極性であって、上記キャリアと行動を共にする平均一次粒径100〜850nmの大径粒子Bをさらに含むことを特徴とする現像装置。 - 請求項1に記載の現像装置を含む画像形成装置。
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