JP5040317B2 - 記録装置、記録制御プログラムおよび記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、記録ヘッドが搭載され、被記録材に対して主走査方向へ往復動可能に配設さ
れたキャリッジと、被記録材を副走査方向へ搬送可能な被記録材搬送手段とを備えた記録
装置、該記録装置の記録制御プログラムおよび記録方法に関する。
記録ヘッドが搭載され、被記録材に対して主走査方向へ往復動可能に配設されたキャリ
ッジと、被記録材を副走査方向へ搬送可能な被記録材搬送手段とを備えた記録装置がある
(例えば、特許文献1を参照)。この記録装置のキャリッジは、非接触で被記録材の端部
を検出するセンサ(PWセンサ、PW検出器、紙幅センサ等と呼ばれる。以下、「PWセ
ンサ」と言う。)を搭載する。この記録装置において、例えば、キャリッジが主走査方向
へ往復動しているときに、このPWセンサが被記録材を走査して当該被記録材の主走査方
向の端部位置を検出する。当該記録装置は、その主走査方向の端部位置から当該被記録材
の主走査方向幅を特定し、特定した当該被記録材の主走査方向幅に基づいて当該被記録材
に対する液体噴射領域の主走査方向幅(主走査方向のドット形成領域幅)を設定する。
また、被記録材への記録実行制御に際しては、上記の主走査方向のドット形成領域幅の
他、副走査方向のドット形成領域の開始位置及び終了位置も特定する必要がある。そのた
め、このPWセンサを備えた記録装置においては、記録実行中の被記録材の先端位置及び
後端位置(副走査方向の先端位置及び後端位置)を検出するのにもPWセンサが利用され
ることがある。例えば、記録開始時に記録開始位置まで被記録材を搬送するときに、当該
被記録材の先端をPWセンサで検出すれば、搬送経路における当該被記録材の先端位置を
特定してドット形成領域の開始位置まで搬送することができる。
一方、記録実行中の主走査動作の度に被記録材を走査して被記録材の有無を検出すれば
、PWセンサで被記録材が検出されなかった主走査動作の時点で、記録実行中の被記録材
の後端がPWセンサより副走査方向下流側へ通過したことを特定することができる。つま
り、この主走査動作時の被記録材の搬送位置でのPWセンサの検出位置を搬送経路におけ
る当該被記録材の後端位置とみなし、この後端位置をドット形成領域の終了位置として、
その位置より後方側(副走査方向上流側)の領域へのドット形成をマスクする制御等を実
行することができる。
特開2005−74968号公報
しかしながら、上記のようにしてPWセンサで記録実行中の被記録材の後端を検出して
から被記録材より後方側のドット形成をマスクする制御を実行するには、PWセンサで被
記録材の後端を検出した時点で、当該被記録材の後端がドットを形成する記録ヘッド等よ
り副走査方向上流側に位置していないと、PWセンサで被記録材の後端を検出する前に当
該被記録材の後端より後方側にドットを形成してしまう可能性がある。そのため、PWセ
ンサは、ドットを形成する記録ヘッド等より一定以上の間隔をもって副走査方向上流側に
配置されていなければならないというキャリッジ上の位置の制約があった。
また、上記のようにして特定した記録実行中の被記録材の後端位置は、主走査動作間の
搬送量の範囲内でばらつくことになるため、最大その搬送量分の誤差が生ずる虞がある。
そのため、記録実行中の被記録材の後端位置より後方側の領域へのドット形成をマスクす
る制御を高精度に実行できないという課題があった。
さらに、PWセンサに代えて、記録ヘッドよりも副走査方向の上流に被記録材の後端を
検出するセンサを新たに設け、このセンサによって後端が搬送されたことを検知してから
一定距離だけ被記録材を送ってからマスクする制御を開始することも考えられる。しかし
ながら、この場合には、被記録材を搬送する手段のガタは経時的な変化によって、予め特
定した上記一定距離と、センサによって検知される後端位置から記録ヘッドまでの実際の
距離とが乖離するという課題があった。
本発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、記録実行中の被記
録材の後端をより高い精度で特定して、記録実行中の被記録材の後端位置より後方側の領
域へのドット形成をマスクする制御をより高精度に実行することができる記録装置を提供
することにある。
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様は、複数のノズルからなるノズル列を有
する記録ヘッドが搭載され、被記録材に対して主走査方向へ往復動可能に配設されたキャ
リッジと、被記録材を主走査方向に交差する副走査方向へ搬送する被記録材搬送手段と、
記録ヘッドより副走査方向上流側の所定位置に配設され、被記録材搬送手段で副走査方向
へ搬送される被記録材の副走査方向の少なくとも後端を検出する第1の被記録材検出手段
と、キャリッジに搭載され、第1の被記録材検出手段より副走査方向下流側において被記
録材の少なくとも後端を検出する第2の被記録材検出手段と、キャリッジを主走査方向へ
往復動させながら被記録材の記録面に、記録データに基づいて記録ヘッドのノズルからイ
ンクドットを吐出させ、かつ、被記録材搬送手段により被記録材を副走査方向へ所定の搬
送量で搬送させることにより被記録材への記録を実行する記録制御手段とを備えた記録装
置であって、記録制御手段は、第2の被記録材検出手段の検出点から、記録ヘッドのノズ
ル列の複数のノズルうちの副走査方向最上流側ノズルまでの副走査方向の距離を、記録実
行に先立って第1補正値として記憶し、記録実行に先立って、記録制御手段は、被記録材
搬送手段により被記録材を搬送させて、第1の被記録材検出手段が後端を検出した時点か
ら第2の被記録材検出手段が後端を検出した時点までの被記録材の搬送量に基づいて、第
1の被記録材検出手段の検出点から第2の被記録材検出手段の検出点までの副走査方向の
距離を算出して第2補正値として記憶し、記録制御手段は、記録実行中の被記録材の後端
が第1の被記録材検出手段で検出された時点から第1補正値に第2補正値を加算した距離
に相当する搬送量だけ当該被記録材が搬送された時点で、記録ヘッドによるドット形成を
マスクする制御を開始する、ことを特徴とした記録装置である。
上記課題を達成するため、本発明の第2の態様は、記録ヘッドが搭載され、被記録材に
対して主走査方向へ往復動可能に配設されたキャリッジと、被記録材を副走査方向へ搬送
可能な被記録材搬送手段と、該被記録材搬送手段より副走査方向上流側の所定位置に配設
され、前記被記録材搬送手段で副走査方向へ搬送される被記録材の副走査方向の先端及び
後端を検出可能な第1の被記録材検出手段と、前記キャリッジに搭載され、前記第1の被
記録材検出手段より副走査方向下流側において非接触で被記録材の端部を検出可能な第2
の被記録材検出手段と、前記キャリッジを主走査方向へ往復動させながら被記録材の記録
面に記録データに基づいて前記記録ヘッドでドットを形成する制御及び前記被記録材搬送
手段により被記録材を副走査方向へ所定の搬送量で搬送する制御を実行して被記録材の記
録面への記録を実行する記録制御手段とを備えた記録装置であって、前記記録制御手段は
、当該記録装置の製造工程において物理的に測定した前記第2の被記録材検出手段の検出
点から前記記録ヘッドのノズル列の副走査方向最上流側ノズルまでの副走査方向の距離を
第1補正値として予め記憶し、前記第1の被記録材検出手段が後端を検出した時点から前
記第2の被記録材検出手段が後端を検出した時点までの被記録材の搬送量に基づいて、前
記第1の被記録材検出手段の検出点から前記第2の被記録材検出手段の検出点までの副走
査方向の距離を論理的に測定して第2補正値として予め記憶し、記録実行中の被記録材の
後端が前記第1の被記録材検出手段で検出された時点から第1補正値に第2補正値を加算
した距離に相当する搬送量だけ当該被記録材が搬送された時点で、前記記録ヘッドによる
ドット形成をマスクする制御を開始する、ことを特徴とした記録装置である。
第1補正値は、キャリッジに配設される第2の被記録材検出手段の検出点から記録ヘッ
ドのノズル列の副走査方向最上流側ノズルまでの副走査方向の距離である。この第1補正
値は、記録装置の製造工程において、記録装置ごとに物理的に測定するので、各記録装置
固有の補正値ということになる。したがって、記録装置の製造工程において、キャリッジ
に対する記録ヘッド及び第2の被記録材検出手段の取付位置に製造誤差の範囲内でばらつ
きが生じても、記録ヘッドのノズル列の副走査方向最上流側ノズルから第2の被記録材検
出手段の検出点までの副走査方向の距離を高精度に特定することができる。
尚、本発明における第1補正値の「第2の被記録材検出手段の検出点から記録ヘッドの
ノズル列の副走査方向最上流側ノズルまでの副走査方向の距離」とは、副走査方向すなわ
ち被記録材の搬送方向の距離であるから、第2の被記録材検出手段の検出点が記録ヘッド
のノズル列の副走査方向最上流側ノズルより副走査方向上流側にあれば、正方向の距離(
正の数値)となり、第2の被記録材検出手段の検出点が記録ヘッドのノズル列の副走査方
向最上流側ノズルより副走査方向下流側にあれば、逆方向の距離(負の数値)となる。
第2補正値は、第1の被記録材検出手段の検出点から第2の被記録材検出手段の検出点
までの副走査方向の距離である。この第2補正値は、被記録材を副走査方向へ搬送して第
1の被記録材検出手段が後端を検出した時点から第2の被記録材検出手段が後端を検出し
た時点までの被記録材の搬送量から論理的に特定することができる。したがって、記録装
置の製造工程において、第1の被記録材検出手段の取付位置や被記録材搬送手段の搬送精
度に製造誤差の範囲内でばらつきが生じても、第1の被記録材検出手段の検出点から第2
の被記録材検出手段の検出点までの副走査方向の距離を高精度に特定することができる。
このことから、第1補正値に第2補正値を加算した距離は、第1の被記録材検出手段の
検出点から記録ヘッドのノズル列の副走査方向最上流側ノズルまでの距離ということにな
る。すなわち、記録実行中の被記録材の後端を第1の被記録材検出手段で検出した時点か
ら第1補正値に第2補正値を加算した距離に相当する搬送量だけ被記録材を搬送した時点
で、当該被記録材の後端が記録ヘッドのノズル列の副走査方向最上流側ノズルに到達する
ということになる。したがって、被記録材の後端位置を第1の被記録材検出手段で検出す
れば、従来のように第2の被記録材検出手段で記録実行中の被記録材の後端を検出しなく
ても、その後の搬送量から、記録実行中の被記録材の後端が記録ヘッドのノズル列の副走
査方向最上流側ノズルに到達した時点を高精度に特定することができる。
また、従来のように記録実行中の被記録材の後端位置を第2の被記録材検出手段で検出
する必要がなくなるので、従来のように第2の被記録材検出手段(PWセンサ)がドット
を形成する記録ヘッド等より一定以上の間隔をもって副走査方向上流側に配置されてなけ
ればならない、というキャリッジ上の位置の制約が生じない。
これにより、本発明の第1および2の態様に記載の記録装置によれば、記録実行中の被
記録材の後端をより高い精度で特定して、記録実行中の被記録材の後端位置より後方側の
領域へのドット形成をマスクする制御をより高精度に実行することができるという作用効
果が得られる。
また、記録装置ごとに第1補正値及び第2補正値が設定されるので、第1の被記録材検
出手段、第2の被記録材検出手段、記録ヘッド、キャリッジ、被記録材搬送手段等の取付
位置や組み付け等の製造誤差の範囲内でのばらつき並びに個々の部品精度のばらつきに起
因した各記録装置固有の搬送誤差や被記録材端部の検出誤差に影響されることなく、記録
実行中の被記録材の後端位置より後方側の領域へのドット形成をマスクする制御をより高
精度に実行することができるという作用効果が得られる。
そして、記録実行中の被記録材の後端位置より後方側の領域へのドット形成をマスクす
る制御をより高精度に実行することができるので、記録ヘッドからインクを噴射して被記
録材の記録面にドットを形成するインクジェット式記録装置等の記録装置においては、特
に被記録材の四辺に余白なく記録を実行する縁なし記録実行時に、被記録材の外側に打ち
捨てられるインクの量をより少なくすることができる。したがって、被記録材の外側に打
ち捨てられる無駄なインク消費を低減させることができるとともに、いわゆるインクミス
トの発生量もより減少させることができるので、キャリッジの往復動機構や被記録材搬送
手段等がインクミストによって性能劣化する虞も低減させることができる。
本発明の第3の態様は、前述した第1の態様において、前記記録制御手段は、所定累計
数の被記録材への記録がなされた時点における最後の記録後の被記録材を排出する前に、
当該記録後の被記録材を当該記録後の被記録材の後端が前記第1の被記録材検出手段で検
出されるまで副走査方向上流側へ逆送するとともに前記第2の被記録材検出手段で当該記
録後の被記録材の後端を検出することが可能な位置まで前記キャリッジを移動させた後、
当該記録後の被記録材を副走査方向へ搬送し、前記第1の被記録材検出手段が後端を検出
した時点から前記第2の被記録材検出手段が後端を検出した時点までの当該記録後の被記
録材の搬送量に基づいて、前記第1の被記録材検出手段の検出点から前記第2の被記録材
検出手段の検出点までの副走査方向の距離を論理的に測定して前記第2補正値を更新して
、当該記録後の被記録材を排出する、ことを特徴とした記録装置である。
このように、所定累計数の被記録材への記録がなされた時点で、最後の記録後の被記録
材を排出する前に、当該記録後の被記録材を利用して第2補正値を取得し、記憶している
第2補正値を更新する。それによって、所定累計数の記録実行ごとに第2補正値が更新さ
れるので、例えば経年変化によって被記録材搬送手段の搬送精度の低下が生じた場合には
、その搬送精度の低下に応じた適正な第2補正値を設定して、記録実行中の被記録材の後
端位置より後方側の領域へのドット形成をマスクする制御を実行することができる。した
がって、記録実行中の被記録材の後端位置より後方側の領域へのドット形成をマスクする
制御を経年変化等に対応して高精度に実行することが可能になる。
本発明の第4の態様は、前述した第1の態様又は第3の態様において、前記記録制御手
段は、所定のタイミングで定期的に、前記第1の被記録材検出手段が後端を検出した時点
から前記第2の被記録材検出手段が後端を検出した時点までの被記録材の搬送量に基づい
て、前記第1の被記録材検出手段の検出点から前記第2の被記録材検出手段の検出点まで
の副走査方向の距離を論理的に測定して前記第2補正値を更新する、ことを特徴とした記
録装置である。
このように、所定のタイミングで定期的に、記憶している第2補正値を更新する。それ
によって、所定のタイミングで定期的に第2補正値が更新されるので、例えば経年変化に
よって被記録材搬送手段の搬送精度の低下が生じた場合には、その搬送精度の低下に応じ
た適正な第2補正値を設定して、記録実行中の被記録材の後端位置より後方側の領域への
ドット形成をマスクする制御を実行することができる。また、経年変化によって前記第1
または第2の被記録材検出手段の閾値に変化が生じた場合に、適正な第2補正値を設定し
て、被記録材の後端位置より後方側の領域へのドット形成をマスクする制御を実行するこ
とができる。したがって、記録実行中の被記録材の後端位置より後方側の領域へのドット
形成をマスクする制御を経年変化等に対応して高精度に実行することが可能になる。この
「所定のタイミング」は、例えば、一定時間経過後の最初の記録実行時、記録装置電源O
N後の最初の記録実行時、等である。
本発明の第5の態様は、前述した第1の態様〜第4の態様のいずれかにおいて、前記記
録制御部は、被記録材の種別ごとに固有の前記第2補正値を記憶し、被記録材への記録実
行時には、当該被記録材の種別に対応する前記第2補正値に基づいて、前記記録ヘッドに
よるドット形成をマスクする制御を実行する、ことを特徴とした記録装置である。
被記録材には、例えば普通紙や写真用紙等、多種多様な種別があるが、被記録材の種別
が異なると、例えば表面の摩擦抵抗が種別ごとに異なること等に起因して、被記録材搬送
手段で被記録材を搬送する際に生ずる搬送誤差が異なってくる。そのため、第1の被記録
材検出手段の検出点から第2の被記録材検出手段の検出点までの搬送量に基づいて論理的
に測定される第2補正値は、厳密には被記録材の種別ごとに適正値が異なってくる。そこ
で、このように、被記録材の種別ごとに異なる第2補正値を設定することによって、記録
実行中の被記録材の後端位置より後方側の領域へのドット形成をマスクする制御を被記録
材の種別に応じて適正に実行することができるので、記録実行中の被記録材の後端位置よ
り後方側の領域へのドット形成をマスクする制御をさらに高精度に実行することが可能に
なる。
本発明の第6の態様は、前述した第1の態様〜第5の態様のいずれかにおいて、前記被
記録材搬送手段により搬送される被記録材を摺接支持しつつ被記録材の記録面と前記記録
ヘッドのヘッド面との間隔を所定間隔に規定するプラテンを備え、前記第2の被記録材検
出手段は、前記プラテンの被記録材摺接面の光反射率と被記録材の記録面の光反射率との
差から前記プラテン上にある被記録材の端部を非接触で検出可能な光学式センサを有して
いる、ことを特徴とした記録装置である。
このように、プラテンの被記録材摺接面の光反射率と被記録材の記録面の光反射率との
差からプラテン上にある被記録材の端部を非接触で検出可能な光学式センサを利用するこ
とによって、被記録材の端部を非接触で検出可能な第2の被記録材検出手段を構成するこ
とができる。
本発明の第7の態様は、複数のノズルからなるノズル列を有する記録ヘッドが搭載され
、被記録材に対して主走査方向へ往復動可能に配設されたキャリッジと、被記録材を主走
査方向に交差する副走査方向へ搬送する被記録材搬送手段と、記録ヘッドより副走査方向
上流側の所定位置に配設され、被記録材搬送手段で副走査方向へ搬送される被記録材の副
走査方向の少なくとも後端を検出する第1の被記録材検出手段と、キャリッジに搭載され
、第1の被記録材検出手段より副走査方向下流側において被記録材の少なくとも後端を検
出する第2の被記録材検出手段とを備えた記録装置において、キャリッジを主走査方向へ
往復動させながら被記録材の記録面に、記録データに基づいて記録ヘッドのノズルからイ
ンクドットを吐出させ、かつ、被記録材搬送手段により被記録材を副走査方向へ所定の搬
送量で搬送させることにより被記録材への記録を実行する制御をコンピュータに実行させ
るための記録制御プログラムであって、コンピュータに、第2の被記録材検出手段の検出
点から、記録ヘッドのノズル列の複数のノズルうちの副走査方向最上流側ノズルまでの副
走査方向の距離を、記録実行に先立って第1補正値として記憶する手順、記録実行に先立
って、被記録材搬送手段により被記録材を搬送させて、第1の被記録材検出手段が後端を
検出した時点から第2の被記録材検出手段が後端を検出した時点までの被記録材の搬送量
に基づいて、第1の被記録材検出手段の検出点から第2の被記録材検出手段の検出点まで
の副走査方向の距離を算出して第2補正値として記憶する手順、および、記録実行中の被
記録材の後端が第1の被記録材検出手段で検出された時点から第1補正値に第2補正値を
加算した距離に相当する搬送量だけ当該被記録材が搬送された時点で、記録ヘッドによる
ドット形成をマスクする制御を開始する手順を実行させることを特徴とした記録制御プロ
グラムである。
本発明の第8の態様は、記録ヘッドが搭載され、被記録材に対して主走査方向へ往復動
可能に配設されたキャリッジと、被記録材を副走査方向へ搬送可能な被記録材搬送手段と
、該被記録材搬送手段より副走査方向上流側の所定位置に配設され、前記被記録材搬送手
段で副走査方向へ搬送される被記録材の副走査方向の先端及び後端を検出可能な第1の被
記録材検出手段と、前記キャリッジに搭載され、前記第1の被記録材検出手段より副走査
方向下流側において非接触で被記録材の端部を検出可能な第2の被記録材検出手段とを備
えた記録装置において、前記キャリッジを主走査方向へ往復動させながら被記録材の記録
面に記録データに基づいて前記記録ヘッドでドットを形成する制御及び前記被記録材搬送
手段により被記録材を副走査方向へ所定の搬送量で搬送する制御を実行して被記録材の記
録面への記録を実行する制御をコンピュータに実行させるための記録制御プログラムであ
って、当該記録装置の製造工程において物理的に測定した前記第2の被記録材検出手段の
検出点から前記記録ヘッドのノズル列の副走査方向最上流側ノズルまでの副走査方向の距
離を第1補正値として予め記憶する手順と、前記第1の被記録材検出手段が後端を検出し
た時点から前記第2の被記録材検出手段が後端を検出した時点までの被記録材の搬送量に
基づいて、前記第1の被記録材検出手段の検出点から前記第2の被記録材検出手段の検出
点までの副走査方向の距離を論理的に測定して第2補正値として予め記憶する手順と、記
録実行中の被記録材の後端が前記第1の被記録材検出手段で検出された時点から第1補正
値に第2補正値を加算した距離に相当する搬送量だけ当該被記録材が搬送された時点で、
前記記録ヘッドによるドット形成をマスクする制御を開始する手順とを有する、ことを特
徴とした記録制御プログラムである。
本発明の第7および8の態様に記載の記録制御プログラムによれば、この記録制御プロ
グラムを実行可能な任意の記録装置に、本発明の第1の態様に記載の発明と同様の作用効
果をもたらすことができる。
本発明の第9の態様は、前述した第7の態様において、所定累計数の被記録材への記録
がなされた時点における最後の記録後の被記録材を排出する前に、当該記録後の被記録材
を当該記録後の被記録材の後端が前記第1の被記録材検出手段で検出されるまで副走査方
向上流側へ逆送する手順と、前記第2の被記録材検出手段で当該記録後の被記録材の後端
を検出することが可能な位置まで前記キャリッジを移動させる手順と、当該記録後の被記
録材を副走査方向へ搬送し、前記第1の被記録材検出手段が後端を検出した時点から前記
第2の被記録材検出手段が後端を検出した時点までの当該記録後の被記録材の搬送量に基
づいて、前記第1の被記録材検出手段の検出点から前記第2の被記録材検出手段の検出点
までの副走査方向の距離を論理的に測定して前記第2補正値を更新する手順と、当該記録
後の被記録材を排出する手順とを有する、ことを特徴とした記録制御プログラムである。
本発明の第9の態様に記載の記録制御プログラムによれば、この記録制御プログラムを
実行可能な任意の記録装置に、本発明の第2の態様に記載の発明と同様の作用効果をもた
らすことができる。
本発明の第10の態様は、複数のノズルからなるノズル列を有する記録ヘッドが搭載さ
れ、被記録材に対して主走査方向へ往復動可能に配設されたキャリッジと、被記録材を主
走査方向に交差する副走査方向へ搬送する被記録材搬送手段と、記録ヘッドより副走査方
向上流側の所定位置に配設され、被記録材搬送手段で副走査方向へ搬送される被記録材の
副走査方向の少なくとも後端を検出する第1の被記録材検出手段と、キャリッジに搭載さ
れ、第1の被記録材検出手段より副走査方向下流側において被記録材の少なくとも後端を
検出する第2の被記録材検出手段とを備えた記録装置において、キャリッジを主走査方向
へ往復動させながら被記録材の記録面に、記録データに基づいて記録ヘッドのノズルから
インクドットを吐出させ、かつ、被記録材搬送手段により被記録材を副走査方向へ所定の
搬送量で搬送させることにより被記録材への記録を実行する記録方法であって、第2の被
記録材検出手段の検出点から、記録ヘッドのノズル列の複数のノズルうちの副走査方向最
上流側ノズルまでの副走査方向の距離を、記録実行に先立って第1補正値として記憶する
手順、記録実行に先立って、被記録材搬送手段により被記録材を搬送させて、第1の被記
録材検出手段が後端を検出した時点から第2の被記録材検出手段が後端を検出した時点ま
での被記録材の搬送量に基づいて、第1の被記録材検出手段の検出点から第2の被記録材
検出手段の検出点までの副走査方向の距離を算出して第2補正値として記憶する手順、お
よび、記録実行中の被記録材の後端が第1の被記録材検出手段で検出された時点から第1
補正値に第2補正値を加算した距離に相当する搬送量だけ当該被記録材が搬送された時点
で、記録ヘッドによるドット形成をマスクする制御を開始する手順を備えることを特徴と
した記録方法である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、本発明に係る「記録装置」の一例としてのインクジェット式記録装置の概略構成
について説明する。
図1は、本発明に係るインクジェット式記録装置の要部平面図であり、図2はその側面
図である。図3は、本発明に係るインクジェット式記録装置の概略のブロック図である。
インクジェット式記録装置50は、記録ヘッド62を搭載したキャリッジ61と、第一
の被記録材検出手段の一例である紙検出器33、第2の被記録材検出手段の一例であるP
Wセンサ34と、被記録材への記録を実行する記録制御部100とを備える。被記録材の
一例は記録用紙Pである。インクジェット式記録装置50のキャリッジ61は、記録ヘッ
ド62およびPWセンサ34を搭載する。キャリッジ61は、キャリッジ軸51に軸支さ
れ、CRモータ63(図3)の回転駆動力が図示していない無端ベルトによるベルト伝達
機構によって伝達されて主走査方向Xに往復動する。キャリッジ61がキャリッジ軸51
に沿って往復動することにより、記録紙Pにインクを噴射して記録を行う記録ヘッド62
を記録紙Pに対して主走査方向Xに走査させる。記録ヘッド62のヘッド面と対向する位
置には、プラテン52が設けられる。このプラテン52は、後述する「被記録材搬送手段
」により搬送される記録紙Pを摺接支持しつつ記録紙Pの記録面と記録ヘッド62のヘッ
ド面との間隔を所定間隔に規定する。
キャリッジ61の主走査方向Xへの往復動領域の一端側の外側には、キャッピング装置
59が設けられている。記録を実行しない待機状態においては、キャリッジ61がキャッ
ピング装置59の上まで移動して停止し、キャッピング装置59に配設されているキャッ
プCPによって記録ヘッド62のヘッド面が封止される。このキャリッジ61の停止位置
は、ホームポジションHPとして規定される。
また、インクジェット式記録装置50は、搬送駆動ローラ53、搬送従動ローラ54、
PFモータ58(図3)を有する。これら搬送駆動ローラ53、搬送従動ローラ54およ
びPFモータ58は、「被記録材搬送手段」の一例である。搬送駆動ローラ53は、PF
モータ58の回転駆動力が歯車伝達されて回転し、搬送駆動ローラ53の回転により、記
録紙Pは副走査方向Yに搬送される。搬送従動ローラ54は、複数設けられており、それ
ぞれ個々に搬送駆動ローラ53に付勢され、記録紙Pが搬送駆動ローラ53の回転により
搬送される際に、記録紙Pに接しながら記録紙Pの搬送に従動して回転する。搬送駆動ロ
ーラ53の外周面には、高摩擦抵抗を有する皮膜が施されている。搬送従動ローラ54に
よって、搬送駆動ローラ53の外周面に押しつけられた記録紙Pは、摩擦抵抗によって搬
送駆動ローラ53の外周面に密着し、搬送駆動ローラ53の回転によって副走査方向に搬
送される。
搬送駆動ローラ53の副走査方向Yの上流側には、多数の記録紙Pを積重可能な「被記
録材積重手段」としての給紙トレイ57が配設されている。給紙トレイ57は、例えば普
通紙やフォト紙等の記録紙Pを給紙(給送)する。給紙トレイ57の近傍には、給紙トレ
イ57に積重されている記録紙Pの最上位の記録紙Pを「被記録材搬送手段」へ自動給送
するASF(オート・シート・フィーダ)が設けられている。ASFは、「自動給送手段
」の一例であって、給紙トレイ57に設けられた給紙ローラ57b及び図示してない分離
パッドを有する自動給紙機構である。給紙ローラ57bは、給紙トレイ57の一方側に配
置されている。記録紙ガイド57aは、記録紙Pの幅に合わせて幅方向に摺動可能に給紙
トレイ57に設けられている。
そして、PFモータ58(図3)の回転駆動力が歯車伝達されて回転する給紙ローラ5
7bの回転駆動力と、分離パッドの摩擦抵抗により、給紙トレイ57に置かれた記録紙P
が給紙される。その際に、複数の記録紙Pが一度に給紙されることなく最上位の記録紙P
のみが正確に分離されて一枚ずつ自動給紙される。給紙ローラ57bと搬送駆動ローラ5
3との間には、紙検出器33が配設されている。
インクジェット式記録装置50は、さらに、記録実行後の記録紙Pを排紙する手段とし
て、排紙駆動ローラ55と排紙従動ローラ56とを有する。これら排紙駆動ローラ55お
よび排紙従動ローラ56搬送駆動ローラ53も、「被記録材搬送手段」の一例である。排
紙駆動ローラ55は、PFモータ58(図3)の回転駆動力が歯車伝達されて回転し、排
紙駆動ローラ55の回転により、記録実行後の記録紙Pは副走査方向Yに排紙される。排
紙従動ローラ56は、周囲に複数の歯を有し、各歯の先端が記録紙Pの記録面に点接触す
るように鋭角的に尖った歯付きローラになっている。複数の排紙従動ローラ56は、それ
ぞれ個々に排紙駆動ローラ55に付勢され、記録紙Pが排紙駆動ローラ55の回転により
排紙される際に記録紙Pに接して記録紙Pの排紙に伴い従動回転する。
そして、給紙ローラ57bや搬送駆動ローラ53及び排紙駆動ローラ55を回転駆動す
るPFモータ58(図3)、並びにキャリッジ61を主走査方向Xに駆動するCRモータ
63(図3)は、後述する記録制御部100により駆動制御される。また、記録ヘッド6
2も同様に、記録制御部100により駆動制御されて記録紙Pの表面にインクを噴射する
。記録制御部100は、キャリッジ61を主走査方向Xへ往復動させながら記録ヘッド6
2から記録紙Pへインクを噴射してドットを形成する動作と、記録紙Pを副走査方向Yへ
所定の搬送量で搬送する動作とを交互に繰り返しながら記録紙Pへの記録制御を実行する
引き続き図1〜図3を参照しながら「記録制御手段」としての記録制御部100につい
て説明する。
記録制御部100は、ROM101、RAM102、ASIC(特定用途向け集積回路
)103、MPU104、「不揮発性記憶媒体」としての不揮発性メモリ105、PFモ
ータドライバ106、CRモータドライバ107及びヘッドドライバ108を備えている
。MPU104には、ASIC103を介して搬送駆動ローラ53の回転量を検出する「
回転量検出手段」としてのロータリエンコーダ31、キャリッジ61の移動量を検出する
「キャリッジ移動量検出手段」としてのリニアエンコーダ32、搬送される記録紙Pの先
端及び後端を検出する紙検出器33、主走査方向Xの記録紙Pの端部を検出するためのP
Wセンサ34、及びインクジェット式記録装置50の電源をON/OFFするための電源
スイッチ35の出力信号が入力される。
ロータリエンコーダ31は、搬送駆動ローラ53の回転に連動して回転するロータリス
ケール311と、ロータリスケール311の外周に沿って等間隔に形成されているスリッ
トを検出するロータリスケールセンサ312とを有している(図2)。搬送駆動ローラ5
3の回転に伴い変化するロータリスケールセンサ312の出力信号は、ASIC103を
介してMPU104へ出力される。
リニアエンコーダ32は、キャリッジ61の移動方向及び移動量を特定可能な検出信号
を出力する「キャリッジ移動検出手段」の一例である。リニアエンコーダ32は、キャリ
ッジ61の近傍に主走査方向Xと略平行に配置されたリニアスケール321と、リニアス
ケール321に等間隔に形成されているスリットを検出するキャリッジ61に搭載された
リニアスケールセンサ322とを有している(図2)。キャリッジ61の主走査方向Xの
移動量に応じたパルスの周期が移動速度に伴い変化するリニアスケールセンサ322の出
力信号は、ASIC103を介してMPU104へ出力される。
紙検出器33は、「第1の被記録材検出手段」の一例である。紙検出器33は、立位姿
勢への自己復帰習性が付与され、かつ記録紙Pの搬送方向(副走査方向Y)にのみ回動し
得るよう記録紙Pの搬送経路内に突出する状態で枢支されたレバーを有し、このレバーの
先端が記録紙Pに押されることでレバーが回動し、それによって記録紙Pが検出される(
図2)。紙検出器33は、給紙ローラ57bより給紙された記録紙Pの始端位置及び搬送
中の記録紙Pの終端位置を検出し、その検出信号は、ASIC103を介してMPU10
4へ出力される。
PWセンサ34は、「第2の被記録材検出手段」の一例である。PWセンサ34は、キ
ャリッジ61の記録紙Pの記録面と対向する部分に、プラテン52の記録紙摺接面の光反
射率と記録紙Pの記録面の光反射率との差からプラテン52上にある記録紙Pの端部を非
接触で検出し、その検出信号は、ASIC103を介してMPU104へ出力される。P
Wセンサ34は、記録ヘッド62より搬送方向(副走査方向Y)の上流側に配設されてお
り、キャリッジ61を主走査方向Xに往復動させる際に、記録ヘッド62の記録実行領域
より搬送方向(副走査方向Y)の上流側の記録紙Pを検出することができる。当該実施例
におけるPWセンサ34は、発光ダイオードから成る発光部と、フォトトランジスタから
成る受光部とを有し、発光部から発した光が検出対象の記録紙P又はプラテン52に当た
って反射し、反射した光を受光部にて受光し、その受光量に応じて出力電圧が変化する反
射型フォトインタラプタを有している。
記録制御部100のシステムバスには、ROM101、RAM102、ASIC103
、MPU104及び不揮発性メモリ105が接続されている。MPU104は、インクジ
ェット式記録装置50の記録制御を実行するための演算処理やその他必要な演算処理を行
う。ROM101には、MPU104によるインクジェット式記録装置50の制御に必要
な記録制御プログラム(ファームウェア)等が格納されており、記録制御プログラムの処
理に必要な各種データ等は不揮発性メモリ105に記憶されている。RAM102は、M
PU104の作業領域や記録データ等の格納領域として用いられる。
ASIC103は、DCモータであるPFモータ58及びCRモータ63の速度制御、
並びに記録ヘッド62の駆動制御を行う為の制御回路を有している。MPU104から送
られてくる制御命令、ロータリエンコーダ31の出力信号、及びリニアエンコーダ32の
出力信号に基づいて、PFモータ58及びCRモータ63の速度制御を行う為の各種演算
を行い、その演算結果に基づくモータ制御信号をPFモータドライバ106及びCRモー
タドライバ107へ送出する。また、MPU104から送出される記録データ等に基づい
て、記録ヘッド62の制御信号を演算生成してヘッドドライバ108へ送出して記録ヘッ
ド62を駆動制御する。ASIC103は、「情報処理装置」としてのパーソナルコンピ
ュータ301等との情報伝送を実現する「情報伝送手段」としてホストIF112を有し
ている。
つづいて、「記録実行中の被記録材の後端位置より後方側の領域へのドット形成をマス
クする制御」(以下、単に「マスク制御」と言う。)を実行するために、記録実行中の記
録紙Pの搬送方向後端(副走査方向Yの後端)を特定する手順について説明する。
図4は、本発明に係るインクジェット式記録装置50の要部を模式的に示した平面図で
ある。
記録実行中の記録紙Pは、搬送駆動ローラ53及び排紙駆動ローラ55の駆動回転によ
り副走査方向Yへ搬送される。紙検出器33は、この搬送駆動ローラ53及び排紙駆動ロ
ーラ55で副走査方向Yへ搬送される記録紙Pの副走査方向Yの先端及び後端を検出可能
であり、搬送駆動ローラ53及び排紙駆動ローラ55より副走査方向Yの上流側の所定位
置、すなわち、記録ヘッド62よりも副走査方向Yの上流側に配されている。また、PW
センサ34は、紙検出器33より副走査方向Yの下流側において非接触で記録紙Pの端部
を検出可能であり、キャリッジ61の記録ヘッド62の近傍に配設され、キャリッジ61
を主走査方向Xへ往復動させることにより記録紙Pの記録面をPWセンサ34で走査する
ことができる。
記録制御部100は、当該インクジェット式記録装置50の製造工程において物理的に
測定したPWセンサ34の検出点Y2から記録ヘッド62のノズル列Nの副走査方向最上
流側ノズル位置Y3までの副走査方向Yの距離を、第1補正値αとして、記録実行に先立
って予め不揮発性メモリ105(図3)に記憶している。この第1補正値αは、具体的に
は例えば、キャリッジ61をインクジェット式記録装置50へ組み付ける前に、測定器具
等を用いてキャリッジ61上で実測して求める。すなわち、第1補正値αは、インクジェ
ット式記録装置50の製造工程において、インクジェット式記録装置50ごとに物理的に
測定するので、各インクジェット式記録装置50固有の補正値ということになる。
ここで、当該実施例においては、PWセンサ34の検出点Y2は、記録ヘッド62のノ
ズル列Nの副走査方向最上流側ノズル位置Y3より副走査方向Yの上流側に配置されてい
るが、本発明におけるPWセンサ34の配置は、特にこの配置に限定されない点が特徴的
である。例えば、記録ヘッド62のノズル列Nの副走査方向最上流側ノズル位置Y3より
副走査方向Yの下流側にPWセンサ34の検出点Y2が配置されるように構成しても良い
。尚、第1補正値αは、PWセンサ34の検出点Y2が記録ヘッド62のノズル列Nの副
走査方向最上流側ノズル位置Y3より副走査方向Yの上流側にあれば、正の補正値となり
、第1補正値αは、PWセンサ34の検出点Y2が記録ヘッド62のノズル列Nの副走査
方向最上流側ノズル位置Y3より副走査方向Yの下流側にあれば、負の補正値となる。
また、記録制御部100は、紙検出器33の検出点Y1で記録紙Pの後端を検出した時
点からPWセンサ34の検出点Y2で記録紙Pの後端を検出した時点までの記録紙Pの搬
送量に基づいて、紙検出器33の検出点Y1からPWセンサ34の検出点Y2までの副走
査方向Yの距離を論理的に測定して第2補正値βとして予め不揮発性メモリ105(図3
)に記憶している。この第2補正値βは、具体的には例えば、紙検出器33の検出点Y1
で記録紙Pの後端を検出した時点からPWセンサ34の検出点Y2で記録紙Pの後端を検
出した時点までの搬送駆動ローラ53の回転量と搬送駆動ローラ53の外周長とから算出
する。搬送駆動ローラ53の回転量は、ロータリエンコーダ31(図1〜図3)の出力信
号(出力パルス数)及びロータリエンコーダ31の分解能から算出する。
図5は、記録制御部100における記録紙Pへの記録制御手順及びマスク制御手順を示
したフローチャートである。以下、当該フローチャートと図4も参照しつつ説明する。
給紙トレイ57から記録紙Pを給紙して記録開始位置まで記録紙Pを搬送した後(ステ
ップS1)、オーバーライド領域長Lに初期値をセットして初期化する(ステップS2)
。このオーバーライド領域長Lとは、前述したマスク制御に使用する値であり、記録実行
中の記録紙Pの後端(副走査方向Yの後端)から記録ヘッド62のノズル列Nの副走査方
向最上流側ノズル位置までの記録紙Pの長さを意味する値である。尚、初期値は、0以外
の所定値とする。給紙された記録紙Pに対しては、キャリッジ61を主走査方向Xへ往復
動させながら記録ヘッド62から記録紙Pへインクを噴射してドットを形成する記録動作
(主走査動作)を実行し(ステップS3)、記録紙Pを副走査方向Yへ所定の搬送量で搬
送する搬送動作(ステップS4:副走査動作)を実行する。
つづいて、記録紙Pの搬送動作後に紙検出器33で記録紙Pを検出しているか否かを判
定する(ステップS5)。紙検出器33で記録紙Pを検出している場合には(ステップS
5でYes)、当該記録紙Pへの記録が終了しているか否かを判定する(ステップS11
)。当該記録紙Pの記録が終了している場合には(ステップS11でYes)、当該記録
紙Pを排紙して(ステップS12)当該手順を終了し、当該記録紙Pの記録が終了してい
ない場合には(ステップS11でNo)、ステップS3に戻って当該記録紙Pの記録動作
(ステップS3)及び搬送動作(ステップS4)を続行する。
一方、紙検出器33で記録紙Pを検出していない場合には(ステップS5でNo)、つ
づいて、オーバーライド領域長Lが初期値のままか否かを判定する(ステップS6)。オ
ーバーライド領域長Lが初期値のままである場合には(ステップS6でYes)、直前の
搬送動作(ステップS4)の際に記録紙Pの後端が紙検出器33の検出点Y1を通過した
と判定して、第1補正値αに第2補正値βを加算した値をオーバーライド領域長Lにセッ
トする(ステップS7)。つづいて、当該記録紙Pへの記録が終了しているか否かを判定
し(ステップS11)、当該記録紙Pの記録が終了している場合には(ステップS11で
Yes)、当該記録紙Pを排紙して(ステップS12)当該手順を終了する。当該記録紙
Pの記録が終了していない場合には(ステップS11でNo)、ステップS3に戻って当
該記録紙Pの記録動作(ステップS3)及び搬送動作(ステップS4)を続行する。
オーバーライド領域長Lには、第1補正値αに第2補正値βを加算した値がセットされ
ているので(ステップS6でNo)、当該記録紙Pの記録動作(ステップS3)及び搬送
動作(ステップS4)が繰り返される度に、オーバーライド領域長Lから搬送動作時の搬
送量が減算されて更新され(ステップS8)、オーバーライド領域長Lが0未満になった
か否かが判定される(ステップS9)。オーバーライド領域長Lが0未満でない間は(ス
テップS9でNo)、つづいて、当該記録紙Pへの記録が終了しているか否かを判定し(
ステップS11)、当該記録紙Pの記録が終了している場合には(ステップS11でYe
s)、当該記録紙Pを排紙して(ステップS12)当該手順を終了する。当該記録紙Pの
記録が終了していない場合には(ステップS11でNo)、ステップS3に戻って当該記
録紙Pの記録動作(ステップS3)及び搬送動作(ステップS4)を続行する。
そして、オーバーライド領域長Lが0未満になった時点で(ステップS9でYes)、
当該記録紙Pの後端が記録ヘッド62のノズル列Nの副走査方向最上流側ノズル位置Y3
に到達したと判定してマスク制御を開始する(ステップS10)。当該記録紙Pへの記録
が終了しているか否かを判定し(ステップS11)、当該記録紙Pの記録が終了していな
い場合には(ステップS11でNo)、ステップS3に戻って当該記録紙Pの記録動作(
ステップS3)及び搬送動作(ステップS4)を続行する。当該記録紙Pの記録が終了し
た時点で(ステップS11でYes)、当該記録紙Pを排紙して(ステップS12)当該
手順を終了する。
図4からも明らかなように、第1補正値αに第2補正値βを加算したオーバーライド領
域長Lは、紙検出器33の検出点Y1から記録ヘッド62のノズル列Nの副走査方向最上
流側ノズル位置Y3までの距離ということになる。したがって、図5のフローチャートに
示した手順のように、記録実行中の記録紙Pの後端が紙検出器33の検出点Y1で検出さ
れた時点から第1補正値αに第2補正値βを加算した距離に相当する搬送量(オーバーラ
イド領域長L)だけ当該記録紙Pが搬送された時点(オーバーライド領域長L<0となっ
た時点)で、当該記録紙Pの後端が記録ヘッド62のノズル列Nの副走査方向最上流側ノ
ズル位置Y3に到達したと判定することができる。
そして、そのタイミングでマスク制御を開始するようにすれば、従来のようにPWセン
サ34で記録実行中の記録紙Pの後端を検出する必要がなく、記録実行中の記録紙Pの後
端が記録ヘッド62のノズル列Nの副走査方向最上流側ノズル位置Y3に到達した時点を
従来よりも高精度に特定してマスク制御を開始することができる。また、従来のように記
録実行中の記録紙Pの後端位置をPWセンサ34で検出する必要がなくなるので、従来の
ようにPWセンサ34が記録ヘッド62より一定以上の間隔をもって副走査方向Yの上流
側に配置されてなければならない、というキャリッジ61上におけるPWセンサ34の配
置の制約が生じない。
このようにして、本発明に係るインクジェット式記録装置50によれば、記録実行中の
記録紙Pの後端をより高い精度で特定して、記録実行中における記録紙Pの後端のマスク
制御をより高精度に実行することができる。
また、インクジェット式記録装置50ごとに第1補正値α及び第2補正値βが設定され
るので、紙検出器33、PWセンサ34、記録ヘッド62、キャリッジ61、搬送駆動ロ
ーラ53等の取付位置や組み付け等の製造誤差の範囲内でのばらつき並びに個々の部品精
度のばらつきに起因した各インクジェット式記録装置50固有の搬送誤差や記録紙Pの端
部の検出誤差に影響されることなく、記録実行中における記録紙Pの後端のマスク制御を
より高精度に実行することができる。
そして、記録実行中における記録紙Pの後端のマスク制御をより高精度に実行すること
ができるので、特に記録紙Pの四辺に余白なく記録を実行する縁なし記録実行時に、記録
紙Pの外側に打ち捨てられるインクの量をより少なくすることができる。したがって、記
録紙Pの外側に打ち捨てられる無駄なインク消費を低減させることができるとともに、い
わゆるインクミストの発生量を減少させることができるので、キャリッジ61の往復動機
構や搬送駆動ローラ53の回転駆動機構等がインクミストによって性能劣化する虞も低減
させることができる。
図6は、記録制御部100における記録紙Pへの記録制御手順及び第2補正値βの更新
手順を示したフローチャートである。以下、当該フローチャートと図4も参照しつつ説明
する。
給紙トレイ57から記録紙Pを給送して記録開始位置まで記録紙Pを搬送した後(ステ
ップS21)、キャリッジ61を主走査方向Xへ往復動させながら記録ヘッド62から記
録紙Pへインクを噴射してドットを形成する動作(ステップS22:主走査動作)と、記
録紙Pを副走査方向Yへ所定の搬送量で搬送する動作(ステップS23:副走査動作)と
を交互に繰り返しながら(ステップS24でNo)記録紙Pへの記録を実行する。そして
、当該記録紙Pへの記録が終了した時点で(ステップS24でYes)、記録紙Pを排出
する前に第2補正値βの前回更新時から記録を実行した記録紙Pの累計数が「所定累計数
」としての100枚以上か否かを判定する(ステップS25)。
第2補正値βの前回更新時から記録を実行した記録紙Pの累計数が100枚以上でない
場合には(ステップS25でNo)、そのまま記録紙Pを排紙して(ステップS35)当
該手順を終了する。一方、第2補正値βの前回更新時から記録を実行した記録紙Pの累計
数が100枚以上である場合には(ステップS25でYes)、当該記録紙Pを排紙する
前に、記録紙Pを一定の搬送量で逆送(副走査方向Yと逆方向へ搬送)する。この一定の
搬送量は、記録紙Pの後端が再び紙検出器33の検出点Y1を通過する搬送位置まで記録
紙Pを逆送するのに十分な搬送量とする必要がある。
つづいて、紙検出器33で記録紙Pが検出される搬送位置まで記録紙Pが逆送されてい
るか否かを判定し(ステップS27)、紙検出器33で記録紙Pが検出されていなければ
、何らかの異常が生じているとみなして記録紙Pを排紙し(ステップS35)、当該手順
を終了する。一方、紙検出器33で記録紙Pが検出されている場合には(ステップS27
でYes)、記録紙Pが正常に逆送されたと判定して、以下説明する第2補正値βの更新
ステップ(ステップS28〜S34)へと移行する。
まず、紙検出器33で記録紙Pの後端を検出するまで記録紙Pを搬送方向(副走査方向
Y)へ搬送し(ステップS28)、紙検出器33の検出点Y1で記録紙Pの後端を検出し
た時点の記録紙Pの搬送位置をY1として記憶する(ステップS29)。つづいて、PW
センサ34で記録紙Pの後端を検出可能な位置までキャリッジ61を移動させた後、PW
センサ34で記録紙Pの後端を検出するまで記録紙Pを搬送方向(副走査方向Y)へ搬送
し(ステップS30)、PWセンサ34の検出点Y2で記録紙Pの後端を検出した時点の
記録紙Pの搬送位置をY2として記憶する(ステップS31)。
そして、Y2からY1を減算して第2補正値βを算出し(ステップS32)、算出した
第2補正値βが理論値の範囲内か否かを判定する(ステップS33)。この理論値とは、
紙検出器33の検出点Y1からPWセンサ34の検出点Y2までの設計上の距離に機構的
公差の幅をもたせた数値範囲である。
算出した第2補正値βがこの理論値の範囲内にない場合には(ステップS33でNo)
、何らかの要因で記録紙Pが正常に搬送されなかったために、理論値から大きく外れた適
正でない第2補正値βが算出されたと判定して、不揮発性メモリ105に記憶されている
第2補正値βを更新せずに、そのまま記録紙Pを排紙して(ステップS35)当該手順を
終了する。一方、算出した第2補正値βがこの理論値の範囲内である場合には(ステップ
S33でYes)、不揮発性メモリ105に記憶されている第2補正値βを、算出した新
たな第2補正値βで更新し(ステップS34)、記録紙Pを排紙して(ステップS35)
当該手順を終了する。
このように、所定累計数の記録紙Pへの記録がなされた時点で、最後の記録後の記録紙
Pを排出する前に、その記録後の記録紙Pを利用して第2補正値βを取得し、記憶してい
る第2補正値βを更新する。それによって、所定累計数の記録実行ごとに第2補正値βが
更新されるので、例えば経年変化によって搬送駆動ローラ53による搬送精度の低下が生
じた場合には、その搬送精度の低下に応じた適正な第2補正値βを設定して、記録実行中
における記録紙Pの後端のマスク制御を実行することができる。また、経年変化によって
紙検出器33やPWセンサ34の閾値に変化が生じた場合に、適正な第2補正値を設定し
て、被記録材の後端位置より後方側の領域へのドット形成をマスクする制御を実行するこ
とができる。尚、この「所定累計数」は、当該実施例では100枚に設定されているが、
特にこの数に限定されるものではなく、記録装置の構成等に応じて設定される数であるこ
とは言うまでもない。
また、所定累計数の記録が実行されたこと以外に、所定のタイミングで定期的に上記の
手順によって第2補正値βを更新するようにしても良い。この「所定のタイミング」は、
どのような条件で設定されても差し支えないが、例えば、一定時間経過後の最初の記録実
行時やインクジェット式記録装置50を電源ONした後の最初の記録実行時等としておけ
ば、記録実行頻度が比較的少ない場合であっても適当なタイミングで第2補正値βを更新
することが可能になる。
さらに、記録紙Pの種別が異なると、例えば表面の摩擦抵抗が種別ごとに異なること等
に起因して、搬送駆動ローラ53で記録紙Pを搬送する際に生ずる搬送誤差が異なってく
る。そこで、記録紙Pの種別ごとに固有の第2補正値βを記憶し、記録紙Pへの記録実行
時には、その記録紙Pの種別に対応する第2補正値βに基づいて、記録実行中における記
録紙Pの後端のマスク制御を実行するようにするのがより好ましい。それによって、記録
実行中における記録紙Pの後端のマスク制御を、さらに高精度に実行することができる。
尚、本発明は上記実施例に限定されることなく、インクジェット式記録装置等のプリン
タの他、複写機やファクシミリ等の記録装置においても実施可能であるとともに、特許請
求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内
に含まれるものであることは言うまでもない。
本発明に係るインクジェット式記録装置の概略の平面図である。 本発明に係るインクジェット式記録装置の概略の側面図である。 本発明に係るインクジェット式記録装置の概略のブロック図である。 インクジェット式記録装置の要部を模式的に示した平面図である。 記録制御手順及びマスク制御手順を示したフローチャートである。 第2補正値の更新手順を示したフローチャートである。 第2補正値の更新手順を示したフローチャートである。
符号の説明
33 紙検出器、34 PWセンサ、50 インクジェット式記録装置、51 キャリッ
ジガイド軸、52 プラテン、53 搬送駆動ローラ、54 搬送従動ローラ、55 排
紙駆動ローラ、56 排紙従動ローラ、57 給紙トレイ、57b 給紙ローラ、58
PFモータ、59 キャッピング装置、61 キャリッジ、62 記録ヘッド、63 C
Rモータ、100 記録制御部、101 ROM、102 RAM、103 ASIC、
104 MPU、105 不揮発性メモリ、106 PFモータドライバ、107 CR
モータドライバ、108 ヘッドドライバ、P 記録紙、X 主走査方向、Y 副走査方

Claims (10)

  1. 複数のノズルからなるノズル列を有する記録ヘッドが搭載され、被記録材に対して主走査方向へ往復動可能に配設されたキャリッジと、
    前記被記録材を主走査方向に交差する副走査方向へ搬送する被記録材搬送手段と、
    前記記録ヘッドより副走査方向上流側の所定位置に配設され、前記被記録材搬送手段で副走査方向へ搬送される被記録材の副走査方向の少なくとも後端を検出する第1の被記録材検出手段と、
    前記キャリッジに搭載され、前記第1の被記録材検出手段より副走査方向下流側において前記被記録材の少なくとも後端を検出する第2の被記録材検出手段と、
    前記キャリッジを主走査方向へ往復動させながら前記被記録材の記録面に、記録データに基づいて前記記録ヘッドのノズルからインクドットを吐出させ、かつ、前記被記録材搬送手段により被記録材を副走査方向へ所定の搬送量で搬送させることにより前記被記録材への記録を実行する記録制御手段と
    を備えた記録装置であって、
    前記記録制御手段は、前記第2の被記録材検出手段の検出点から、前記記録ヘッドの前記ノズル列の前記複数のノズルうちの副走査方向最上流側ノズルまでの副走査方向の距離を、記録実行に先立って第1補正値として記憶し、
    記録実行に先立って、前記記録制御手段は、前記被記録材搬送手段により前記被記録材を搬送させて、前記第1の被記録材検出手段が後端を検出した時点から前記第2の被記録材検出手段が後端を検出した時点までの被記録材の搬送量に基づいて、前記第1の被記録材検出手段の検出点から前記第2の被記録材検出手段の検出点までの副走査方向の距離を算出して第2補正値として記憶し、
    前記記録制御手段は、記録実行中の被記録材の後端が前記第1の被記録材検出手段で検出された時点から第1補正値に第2補正値を加算した距離に相当する搬送量だけ当該被記録材が搬送された時点で、前記記録ヘッドによるドット形成をマスクする制御を開始する、ことを特徴とした記録装置。
  2. 記録ヘッドが搭載され、被記録材に対して主走査方向へ往復動可能に配設されたキャリッジと、被記録材を副走査方向へ搬送可能な被記録材搬送手段と、該被記録材搬送手段より副走査方向上流側の所定位置に配設され、前記被記録材搬送手段で副走査方向へ搬送される被記録材の副走査方向の先端及び後端を検出可能な第1の被記録材検出手段と、前記キャリッジに搭載され、前記第1の被記録材検出手段より副走査方向下流側において非接触で被記録材の端部を検出可能な第2の被記録材検出手段と、前記キャリッジを主走査方向へ往復動させながら被記録材の記録面に記録データに基づいて前記記録ヘッドでドットを形成する制御及び前記被記録材搬送手段により被記録材を副走査方向へ所定の搬送量で搬送する制御を実行して被記録材の記録面への記録を実行する記録制御手段とを備えた記録装置であって、
    前記記録制御手段は、当該記録装置の製造工程において測定した前記第2の被記録材検出手段の検出点から前記記録ヘッドのノズル列の副走査方向最上流側ノズルまでの副走査方向の距離を第1補正値として予め記憶し、
    前記第1の被記録材検出手段が後端を検出した時点から前記第2の被記録材検出手段が後端を検出した時点までの被記録材の搬送量に基づいて、前記第1の被記録材検出手段の検出点から前記第2の被記録材検出手段の検出点までの副走査方向の距離を測定して第2補正値として予め記憶し、
    記録実行中の被記録材の後端が前記第1の被記録材検出手段で検出された時点から第1補正値に第2補正値を加算した距離に相当する搬送量だけ当該被記録材が搬送された時点で、前記記録ヘッドによるドット形成をマスクする制御を開始する、ことを特徴とした記録装置。
  3. 請求項1において、前記記録制御手段は、所定累計数の被記録材への記録がなされた時点における最後の記録後の被記録材を排出する前に、当該記録後の被記録材を当該記録後の被記録材の後端が前記第1の被記録材検出手段で検出されるまで副走査方向上流側へ逆送するとともに前記第2の被記録材検出手段で当該記録後の被記録材の後端を検出することが可能な位置まで前記キャリッジを移動させた後、当該記録後の被記録材を副走査方向へ搬送し、
    前記第1の被記録材検出手段が後端を検出した時点から前記第2の被記録材検出手段が後端を検出した時点までの当該記録後の被記録材の搬送量に基づいて、前記第1の被記録材検出手段の検出点から前記第2の被記録材検出手段の検出点までの副走査方向の距離を測定して前記第2補正値を更新して、当該記録後の被記録材を排出する、ことを特徴とした記録装置。
  4. 請求項1又は3において、前記記録制御手段は、所定のタイミングで定期的に、前記第1の被記録材検出手段が後端を検出した時点から前記第2の被記録材検出手段が後端を検出した時点までの被記録材の搬送量に基づいて、前記第1の被記録材検出手段の検出点から前記第2の被記録材検出手段の検出点までの副走査方向の距離を測定して前記第2補正値を更新する、ことを特徴とした記録装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、前記記録制御部は、被記録材の種別ごとに固有の前記第2補正値を記憶し、被記録材への記録実行時には、当該被記録材の種別に対応する前記第2補正値に基づいて、前記記録ヘッドによるドット形成をマスクする制御を実行する、ことを特徴とした記録装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において、前記被記録材搬送手段により搬送される被記録材を摺接支持しつつ被記録材の記録面と前記記録ヘッドのヘッド面との間隔を所定間隔に規定するプラテンを備え、
    前記第2の被記録材検出手段は、前記プラテンの被記録材摺接面の光反射率と被記録材の記録面の光反射率との差から前記プラテン上にある被記録材の端部を非接触で検出可能な光学式センサを有している、ことを特徴とした記録装置。
  7. 複数のノズルからなるノズル列を有する記録ヘッドが搭載され、被記録材に対して主走査方向へ往復動可能に配設されたキャリッジと、前記被記録材を主走査方向に交差する副走査方向へ搬送する被記録材搬送手段と、前記記録ヘッドより副走査方向上流側の所定位置に配設され、前記被記録材搬送手段で副走査方向へ搬送される被記録材の副走査方向の少なくとも後端を検出する第1の被記録材検出手段と、前記キャリッジに搭載され、前記第1の被記録材検出手段より副走査方向下流側において前記被記録材の少なくとも後端を検出する第2の被記録材検出手段とを備えた記録装置において、前記キャリッジを主走査方向へ往復動させながら前記被記録材の記録面に、記録データに基づいて前記記録ヘッドのノズルからインクドットを吐出させ、かつ、前記被記録材搬送手段により被記録材を副走査方向へ所定の搬送量で搬送させることにより前記被記録材への記録を実行する制御をコンピュータに実行させるための記録制御プログラムであって、前記コンピュータに、
    前記第2の被記録材検出手段の検出点から、前記記録ヘッドの前記ノズル列の前記複数のノズルうちの副走査方向最上流側ノズルまでの副走査方向の距離を、記録実行に先立って第1補正値として記憶する手順、
    記録実行に先立って、前記被記録材搬送手段により前記被記録材を搬送させて、前記第1の被記録材検出手段が後端を検出した時点から前記第2の被記録材検出手段が後端を検出した時点までの被記録材の搬送量に基づいて、前記第1の被記録材検出手段の検出点から前記第2の被記録材検出手段の検出点までの副走査方向の距離を算出して第2補正値として記憶する手順、および、
    記録実行中の被記録材の後端が前記第1の被記録材検出手段で検出された時点から第1補正値に第2補正値を加算した距離に相当する搬送量だけ当該被記録材が搬送された時点で、前記記録ヘッドによるドット形成をマスクする制御を開始する手順を実行させることを特徴とした記録制御プログラム。
  8. 記録ヘッドが搭載され、被記録材に対して主走査方向へ往復動可能に配設されたキャリッジと、被記録材を副走査方向へ搬送可能な被記録材搬送手段と、該被記録材搬送手段より副走査方向上流側の所定位置に配設され、前記被記録材搬送手段で副走査方向へ搬送される被記録材の副走査方向の先端及び後端を検出可能な第1の被記録材検出手段と、前記キャリッジに搭載され、前記第1の被記録材検出手段より副走査方向下流側において非接触で被記録材の端部を検出可能な第2の被記録材検出手段とを備えた記録装置において、前記キャリッジを主走査方向へ往復動させながら被記録材の記録面に記録データに基づいて前記記録ヘッドでドットを形成する制御及び前記被記録材搬送手段により被記録材を副走査方向へ所定の搬送量で搬送する制御を実行して被記録材の記録面への記録を実行する制御をコンピュータに実行させるための記録制御プログラムであって、
    当該記録装置の当該記録装置の製造工程において測定した前記第2の被記録材検出手段の検出点から前記記録ヘッドのノズル列の副走査方向最上流側ノズルまでの副走査方向の距離を第1補正値として予め記憶する手順と、
    前記第1の被記録材検出手段が後端を検出した時点から前記第2の被記録材検出手段が後端を検出した時点までの被記録材の搬送量に基づいて、前記第1の被記録材検出手段の検出点から前記第2の被記録材検出手段の検出点までの副走査方向の距離を測定して第2補正値として予め記憶する手順と、
    記録実行中の被記録材の後端が前記第1の被記録材検出手段で検出された時点から第1補正値に第2補正値を加算した距離に相当する搬送量だけ当該被記録材が搬送された時点で、前記記録ヘッドによるドット形成をマスクする制御を開始する手順とを有する、ことを特徴とした記録制御プログラム。
  9. 請求項7において、所定累計数の被記録材への記録がなされた時点における最後の記録後の被記録材を排出する前に、当該記録後の被記録材を当該記録後の被記録材の後端が前記第1の被記録材検出手段で検出されるまで副走査方向上流側へ逆送する手順と、
    前記第2の被記録材検出手段で当該記録後の被記録材の後端を検出することが可能な位置まで前記キャリッジを移動させる手順と、
    当該記録後の被記録材を副走査方向へ搬送し、前記第1の被記録材検出手段が後端を検出した時点から前記第2の被記録材検出手段が後端を検出した時点までの当該記録後の被記録材の搬送量に基づいて、前記第1の被記録材検出手段の検出点から前記第2の被記録材検出手段の検出点までの副走査方向の距離を測定して前記第2補正値を更新する手順と、
    当該記録後の被記録材を排出する手順とをさらに実行させる、ことを特徴とした記録制御プログラム。
  10. 複数のノズルからなるノズル列を有する記録ヘッドが搭載され、被記録材に対して主走査方向へ往復動可能に配設されたキャリッジと、前記被記録材を主走査方向に交差する副走査方向へ搬送する被記録材搬送手段と、前記記録ヘッドより副走査方向上流側の所定位置に配設され、前記被記録材搬送手段で副走査方向へ搬送される被記録材の副走査方向の少なくとも後端を検出する第1の被記録材検出手段と、前記キャリッジに搭載され、前記第1の被記録材検出手段より副走査方向下流側において前記被記録材の少なくとも後端を検出する第2の被記録材検出手段とを備えた記録装置において、前記キャリッジを主走査方向へ往復動させながら前記被記録材の記録面に、記録データに基づいて前記記録ヘッドのノズルからインクドットを吐出させ、かつ、前記被記録材搬送手段により被記録材を副走査方向へ所定の搬送量で搬送させることにより前記被記録材への記録を実行する記録方法であって、
    前記第2の被記録材検出手段の検出点から、前記記録ヘッドの前記ノズル列の前記複数のノズルうちの副走査方向最上流側ノズルまでの副走査方向の距離を、記録実行に先立って第1補正値として記憶する手順、
    記録実行に先立って、前記被記録材搬送手段により前記被記録材を搬送させて、前記第1の被記録材検出手段が後端を検出した時点から前記第2の被記録材検出手段が後端を検出した時点までの被記録材の搬送量に基づいて、前記第1の被記録材検出手段の検出点から前記第2の被記録材検出手段の検出点までの副走査方向の距離を算出して第2補正値として記憶する手順、および、
    記録実行中の被記録材の後端が前記第1の被記録材検出手段で検出された時点から第1補正値に第2補正値を加算した距離に相当する搬送量だけ当該被記録材が搬送された時点で、前記記録ヘッドによるドット形成をマスクする制御を開始する手順
    を備えることを特徴とした記録方法。
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