JP4950173B2 - 包装方法及び包装材 - Google Patents

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Description

本発明は、運送される包装材や保管されている収納材が未開封であることを確認する包装方法及び包装材に関するものである。
一般に、相手先に荷物を送る際、郵便小包や宅配便などの運送便を利用することが多い。ただ、特に機密書類や貴重品などを送るために運送便を利用するには、送り主の手を離れてから届け先に届くまでの間、被運送物が未開封であったことの確認が求められる。また、機密書類や貴重品などを収納材に収納して保管する場合にも、その間、収納材が未開封であったことの確認が求められる。これに対して、被運送物などを封印シールで封止することにより、被運送物などが未開封であることを確認可能にすることがある(例えば特許文献1)。
実用新案登録第3107438号公報
ところが、被運送物などを封印シールなどで封印したとしても、第三者によって、一旦開封されて再び別の封印シールなどで封印された場合、その被運送物などが開封されたものであるということを認識することができない。
本発明は、運送用の包装材や保管用の収納材などで被包装物を包装したまま未開封であることを確認することができる包装方法、運送方法、保管方法及び包装材の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る包装方法は、包装材で被包装物を包装したまま未開封であったことを確認するものである。具体的には、まず、包装材に識別情報を記入すると共に、透光性材料により透視可能に形成した照合用シートに識別情報を複写する。識別情報としては、例えばサインが挙げられ、このサインは、例えば包装材に照合用シート重ね合わせておくことにより、透光性材料により透視可能に形成された照合用シートに複写される。次いで、被包装物を包装材で包装してこの包装材の封印部を封止する。その後、照合用シートを包装材に重ねて、この包装材に記入した識別情報と照合用シートに複写した識別情報とを照合することにより、識別情報を記入した包装材で被包装物を包装したままであることを確認する。
この構成によると、透視可能な照合用シートを包装材に重ねて、この包装材に記入した識別情報と照合用シートに複写した識別情報とを照合するので、包装材が別の包装材に差し替えられていないことを簡単かつ正確に確認することができる。
ここで、識別情報は、サインや文字、記号、図形、イラストなどどのようなものでもよい。さらに、記入とは、スタンプや印鑑、タイプなどで個別情報を付与することを含む概念であるが、再現性のない手書きのものがより好ましい。識別情報の複写は、複写機などを利用することもできるが、カーボン紙などを利用して筆圧によって複写するようにすれば、その複写を簡単にすることができる。
また、本発明は、送り主から預かった被運送物を届け先に届けると共に、送り主からの引受時から届け先への引渡時までの間、被運送物を包装する包装材が未開封であったことを確認する運送方法を提供する。
具体的には、まず、送り主から被運送物を引き受ける際、送り主が包装材に送り主付与情報を記入する。送り主付与情報としては、例えば送り主が記入するサインが挙げられる。このサインは、例えば包装材に照合用シート重ね合わせておくことにより、透光性材料により透視可能に形成された照合用シートに複写される。次いで、被運送物を包装材で包装してこの包装材の封印部を封止して届け先に搬送する。届け先に被運送物を引き渡す際、照合用シートを包装材に重ねて、この包装材に記入された送り主付与情報と照合用シートに複写された送り主付与情報とを照合することにより、送り主によって送り主付与情報を記入された包装材で被運送物が包装されたままであることを確認する。
この構成によると、上記の包装方法と同様、透視可能な照合用シートを包装材に重ねて、この包装材に記入した送り主付与情報と照合用シートに複写した送り主付与情報とを照合するので、包装材が別の包装材に差し替えられていないことを簡単かつ正確に確認することができる。また、送り主付与情報は、上記の包装方法における識別情報と同様のものであり、記入及びその複写の概念も上記の包装方法におけるものと同じである。
一般に運送便では、運送の確認及び管理に、送り主控え票、届け先控え票及び運送管理票を複写可能に重ねてなる伝票を用い、これを被運送物と一緒に運ぶようにしている。その伝票に、包装材及び照合用シートを重ねて、包装材に記入する送り主付与情報を照合用シートと共に伝票にも複写しておくことができる。なお、照合用シートは、伝票あるいは包装材と一体に形成しておくことができる。
上記構成によると、照合用シートに複写された送り主付与情報と包装材に複写された送り主付与情報との照合においては、両者が共に差し替えられた場合、開封を見破りにくくなるが、伝票にさらに第3の送り主付与情報を複写しておくことにより、三者の照合になるので、より確実に開封を見破ることができる。
伝票の中でも送り主控え票は、被運送物と一緒に運ばれることなく送り主が所持しているので、この送り主控え票に複写した送り主付与情報と照合用シートに複写した送り主付与情報とを照合することにより、照合用シートが差し替えられていないことをより確実なものとすることができる。送り主控え票及び照合用シートに複写された送り主付与情報を照合する手段としては、送り主控え票又はそのコピーを被運送物とは別に届けたり、送り主控え票の画像の電子データを送信したりする手法を例示することができる。
また、伝票には、伝票固有情報が付設されていることが多いので、この伝票固有情報により、伝票を識別するようにしてもよい。この場合、送り主から伝えられた送り主控え票の伝票固有情報と、届け先控え票又は運送管理票の伝票固有情報とを照合するだけで、伝票が差し替えられていないことを確認することができる。これにより、送り主控え票と照合用シートとを直接照合することなく、届け先控え票又は運送管理票に複写された送り主付与情報と照合用シートに複写された送り主付与情報とを照合するだけで、照合用シートが差し替えられていないことをより確実なものとすることができる。
ここで、伝票固有情報は、目視可能に印刷されたコード番号の他、光を照射したときにのみ視認できる蛍光塗料で記載された固有情報、ICチップやバーコードなどに記録された固有情報などを含む概念である。この伝票固有情報を送り主から伝達してもらう手段としては、電話やファックス、電子メール、書面を例示することができる。この際、送り主付与情報を伝票固有情報と共に送ることができる。
包装材及び照合用シートの同時の差し替えを防止するため、包装材で包装した被運送物と照合用シートとを別々にして届け先に届けるようにしてもよい。届け先に照合用シートを届ける手段としては、封筒に入れた照合用シートを別ルートで送る手法を例示することができる。
また、本発明は、被保管物を収納材に収納して保管する間、収納材が未開封であったことを確認する保管方法を提供する。具体的には、収納材に識別情報を記入すると共に、透光性材料により透視可能に形成した照合用シートに識別情報を複写する。次いで、被保管物を収納材に収納してこの収納材の封印部を封止して保管する。その後、照合用シートを収納材に重ねて、この収納材に記入した識別情報と照合用シートに複写した識別情報とを照合することにより、識別情報を記入した収納材に被保管物を収納したままであることを確認する。
この構成により、上記の包装方法や運送方法と同様、収納材が別の収納材に差し替えられていないことを簡単かつ正確に確認することができる。なお、識別情報や記入及びその複写の概念も上記の包装方法及び運送方法におけるものと同じである。
また、本発明は、上記の包装方法、運送方法及び保管方法に使用する包装材を提供する。すなわち、本発明に係る包装材は、被包装物を収容する収容部と、この収容部に被包装物を出し入れする出入口と、被包装物を収容した後に出入口を封印するよう収容部と一体に形成した封印部とを備え、被包装物を包装したまま未開封であることを確認するものであり、封印部に識別情報を付与可能とし、封印部と、この封印部に付与するものと同一の識別情報を付与する照合用シートとを重ね、さらに、照合用シートを透光性材料から透視可能に形成することにより、封印部に重ねて識別情報を照合可能としたものである。
封印部と照合用シートとを重ねる順としては、封印部の表面側に照合用シートを重ねるようにしてもよいが、封印部の裏面側に照合用シートを重ねて、封印部の表面に記入した識別情報を照合用シートに複写可能とするのがより好適である。
つまり、照合用シートに識別情報を記入して封印部に複写した場合、その照合用シートを別の包装材の封印部に重ねて、正規に記入された識別情報をなぞることにより、別の包装材に識別情報を偽造することができるが、封印部の裏面側に照合用シートを重ねることにより、このような識別情報の偽造を防止することができる。なお、包装材を封止した後は、封印部の裏面側に照合用シートを重ねることができないので、識別情報を偽造することもできない。
封印部の裏面側に照合用シートを重ねる構成としては、予め封印部の裏面に照合用シートを取り付けておく構成を例示できる。この構成を封筒状の包装材を例に挙げて具体的に説明すると、封筒状の包装材には、その収容部への出入口を覆うように折り返して貼り付けることによって出入口を封止する蓋部が設けられ、この蓋部が封印部とされる。この封印部としての蓋部の裏面に照合用シートを取り付けておくことにより、封印部の裏面側に照合用シートが重なるので、封印部の表面に記入した識別情報が照合用シートに複写される。
また、封印部の裏面側に照合用シートを重ねる別の構成として、封印部に識別情報を記入する際に封印部の裏面側に照合用シートが重なるように、封印部を貼り付ける部位に照合用シートを取り付けておく構成も採用可能である。この構成を前述の封筒状の包装材を例に挙げて具体的に説明すると、封印部としての蓋部を貼り付ける部位に照合用シートを取り付けておことにより、封印部の裏面側に照合用シートが重なるので、この場合も封印部の表面に記入した識別情報が照合用シートに複写される。
また、封印部の裏面側に、封止用の粘着層と、封印部を封止するまで粘着層を覆う剥離紙とを重ね、この剥離紙を照合用シートと兼用する。そうすれば、封印部に識別情報を記入して収容部に被包装物を収容した後、剥離紙としての照合用シートを剥がすだけで、封印部を簡単に封止すると共に、識別情報が複写された照合用シートを得ることができる。
封印部の裏面側に、管理用伝票を重ねることにより、封印部に記入する識別情報を照合用シートと共に管理用伝票にも複写するようにしてもよい。
上記の包装材は、新規に製造することもできるが、既存の包装材にカーボン紙などの複写手段や、透視可能な照合用シートを付加して使用することもできる。後付けする照合用シートは、封印部の裏面側に取り付ければよい。また、管理用伝票に照合用シートを予め重ねておくこともできる。
以上の説明から明らかな通り、本発明によると、包装材に記入した識別情報と照合用シートに複写した識別情報とを照合するので、包装材が差し替えられておらず、被包装物を包装する包装材の封印部が封止されたままであることを確認することができる。これにより、被運送物が送り主の手を離れてから届け先に届くまでの間、あるいは、被保管物を保管していた間、包装材や収納材が未開封であったことを確認することができるので、機密書類や貴重品などを送るときに運送便を安心して利用したり、機密書類や貴重品などを保管したりすることができる。
本発明に係る包装材及び伝票の斜視図 封印部を封止した包装材及び伝票の斜視図 本発明に係る運送方法の手順を説明する図 本発明に係る包装材の別の形態を示す斜視図 本発明に係る包装材のさらに別の形態を示す斜視図
符号の説明
1、20 包装材
2 被運送物
3 収容部
4 出入口
5、18 封印部
6 サイン
7 照合用シート
8 伝票
8a 送り主控え票
8b 届け先控え票
8c 運送管理票
9、19 粘着層
15 コード番号
以下、本発明に係る包装方法及び包装材の実施の形態について、図面を用いて説明する。
まず、包装材について説明する。図1は本発明に係る包装材及び伝票の斜視図、図2は封印部を封止した包装材及び伝票の斜視図である。
包装材1は、被運送物2を包装したまま未開封であることを確認するものであり、被運送物2を収容する収容部3と、収容部3に被運送物2を出し入れする出入口4と、出入口4を覆うように折り返される蓋部としての封印部5とを備えた封筒状とされて、その封印部5の裏面に、封印部5に記入したサイン(送り主付与情報)6が筆圧によって複写される照合用シート7が剥ぎ取り自在に付設され、封印部5に記入したサイン6と照合用シート7に複写されたサイン6との照合により、被運送物2を包装する包装材1が別の包装材1に差し替えられていないことを確認するようになっている。
この包装材1は、封印部5の裏面側に運送を確認及び管理するための伝票8を重ねて、封印部5の表面にサイン6を記入するようになっており、封印部5に記入されたサイン6が筆圧によって照合用シート7と共に伝票8にも複写される。
収容部3は、重ね合わせた二枚の長方形のシートをその三辺で連続させた形状とされ、二枚のシートの四辺のうち、連続することなく開口したままの残りの一辺が出入口4とされ、この出入口4から二枚のシート間に被運送物2が出し入れされる。
封印部5は、出入口4の周縁から外方に突出する突片とされ、収容部3を構成する二枚のシートのうちの一方に連続して形成されて、出入口4を覆うように内方に折り返されている。この封印部5は、表面にサイン6を記入可能とされると共に、裏面に粘着層9が付設され、収容部3に被運送物2を収容した後、粘着層9を介して封印部5を出入口4の周縁部に貼着することにより、出入口4を封印するようになっている。封止された封印部5は、その形状を保ったまま開封することができず、包装材1から被運送物2を取り出す際に、表面のサイン6が確実に破壊される。
照合用シート7は、透光性材料により透視可能に形成され、封印部5に重ねることにより、封印部5に記入したサイン6と照合用シート7に複写されたサイン6とを照合可能とされている。この照合用シート7は、剥離性のあるシートとされて、封印部5の裏面の粘着層9に重ねて付設され、封印部5に記入したサイン6を照合する機能に加えて、封印部5を封止するまで粘着層9を覆う剥離紙としても兼用される。
照合用シート7の裏面には、筆圧によってサイン6を複写するための両面式のカーボン紙10が付設され、このカーボン紙10の表面側の照合用シート7及び裏面側の伝票8に、封印部5に記入したサイン6を複写するようになっている。さらに、カーボン紙10の裏面側には、剥離紙11が重ねられ、これを剥ぎ取って封印部5にサイン6を記入するまでカーボン紙10を保護している。
カーボン紙10は、剥離紙11よりもわずかに幅狭に形成され、剥離紙11の縁部がカーボン紙10よりも突出している。カーボン紙10及び剥離紙11は、その縁部を幅狭の粘着層12を介して照合用シート7の縁部裏面に止着され、剥離紙11を剥がすことにより、幅狭の粘着層12の裏面半分が露出するようになっている。剥離紙11を剥がしてカーボン紙10の裏面側に伝票8を重ねることにより、伝票8に幅狭の粘着層12を介して照合用シート7が取り付くようになっている。
伝票8は、送り主控え票8a、届け先控え票8b及び運送管理票8cを重ねてなる複写式とされ、その一端の糊付け部13を糊付けされると共に、ミシン目14に沿って各紙票8a、8b、8cを切り取り可能とされている。各紙票8a、8b、8cには、共通するコード番号(伝票固有情報)15が印刷され、このコード番号15によって個々の伝票8を識別可能とされる。なお、運送管理票8cは、物流データ管理用、荷物管理用、受領用などの複数枚の紙票である。
伝票8の各紙票8a、8b、8cには、封印部5に記入したサイン6を複写するサイン欄16が設けられている。幅狭の粘着層12から剥離紙11を剥がして、カーボン紙10の裏面側に伝票8を重ねて封印部5にサイン6を記入することにより、そのサイン6が照合用シート7及び伝票8の各紙票8a、8b、8cのサイン欄16に複写される。また、各紙票8a、8b、8cには、届け先の住所などの必要事項を記入する記入欄17が設けられ、一枚目の送り主控え票8aに必要事項を記入して、その記入内容を他の紙票8b、8cに複写するようになっている。
次に、上記の包装材1を用いて被運送物2を包装して搬送すると共に、包装材1が未開封であったことを確認する運送方法を説明する。図3は本発明に係る運送方法の手順を説明する図である。図3において、包装材1及び伝票8の状態を示す(a)、(b)、(c)及び(e)のそれぞれについて、(a−1)、(b−1)、(c−1)及び(e−1)は斜視図を示し、(a−2)、(b−2)、(c−2)及び(e−2)は断面図を示す。
まず、(a)に示すように、送り主から被運送物2を引き受ける際、包装材1及び伝票8を準備する。
(b)に示すように、封印部5の裏面から剥離紙11を剥がし、伝票8の糊付け部13を封印部5の裏面の幅狭の粘着層12に合わせるようにして、封印部5の裏面側に伝票8を重ねる。このとき、封印部5のサイン記入部が伝票8のサイン欄16に重なり、伝票8に照合用シート7及びカーボン紙10が取り付く。送り主に、封印部5の表面にサイン6を記入してもらう。その際の筆圧により、サイン6がカーボン紙10の表側の照合用シート7と、カーボン紙10の裏側の送り主控え票8aのサイン欄16とに複写され、さらに、サイン6が伝票8の他の紙票8b、8cのサイン欄16にも複写される。
(c)に示すように、封印部5の裏面側から伝票8を取り出すことにより、粘着層9から照合用シート7を剥がし、収容部3に被運送物2を収容した後、封印部5を封止して出入口4を封印する。伝票8に照合用シート7と共に取り付いたカーボン紙10を剥ぎ取り、送り主控え票8aの記入欄17に届け先住所などの必要事項を記入してもらうことにより、その記入内容が伝票8の他の紙票8b、8cに複写される。伝票8から送り主控え票8aを切り取って送り主に渡す。なお、これらの作業は、送り主に依頼することもできる。
(d)に示すように、包装材1で包装した被運送物2と伝票8とを届け先に搬送する。この間に、送り主が電話などを利用して、伝票8のコード番号15を届け先に伝えたり、送り主控え票8aを届け先に別送したりすることもできる。
(e)に示すように、届け先で、包装材1の封印部5に記入されたサイン6の照合と、封印部5など包装材1が破壊されていないことの確認を依頼する。封印部5に記入されたサイン6の照合は、伝票8に複写されたサイン6と照合用シート7に複写されたサイン6とを照合して、照合用シート7が差し替えられていないことを確認した上で、封印部5に記入されたサイン6と照合用シート7に複写されたサイン6とを照合するようにする。ここで、サイン6の照合は、透光性の照合用シート7を他方のサイン6に重ねて照合する。
(f)に示すように、封印部5又は照合用シート7のサイン6が偽造されたとき、それらのサイン6が互いにずれるので、サイン6の偽造を容易に見破ることができる。照合したサイン6が一致することを確認した後、送り主がサイン6を記入した包装材1で被運送物2が包装されたままであり、送り主からの引受時から届け先への引渡時までの間、包装材1が未開封であったことを保証して、届け先に被運送物2を引き渡す。
なお、伝票8のコード番号15が伝えられている場合には、伝えられたコード番号15と届けられた伝票8のコード番号15とが一致することを確認して、伝票8が差し替えられていないことを確認し、包装材1が未開封であったことをより確実に確認する。また、送り主控え票8aが別送されている場合には、送り主控え票8aに複写されたサイン6と照合用シート7に複写されたサイン6を照合して、伝票8が差し替えられていないことを確認し、包装材1が未開封であったことをより確実に確認する。
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、適宜変更を加えることができる。例えば、突片を折り返した構造の蓋部としての封印部5に代えて、図4に示すように、出入口4の周縁部に、粘着層9、照合用シート7、幅狭の粘着層12、カーボン紙10及び剥離紙11を重ねて付設することにより、出入口4の周縁部自体を封印部18としてもよい。また、封筒状の包装材1に代えて、図5に示すように、二つ折りにした一枚のシートの三片を粘着層19を介して封止することによって被運送物2を包装する包装材20を採用することもできる。
包装材1は、被運送物2を運送する運送方法に用いるだけでなく、機密書類や貴重品を収納して保管する収納材として用いることができ、さらにそれ以外にも、未開封であることの確認が求められるあらゆる包装材として用いることができる。なお、いずれの用途においても、封印部5、18に記入するサイン6を照合用シート7に複写しておき、包装材(収納材)1に被包装物や被保管物を収容して封印した後、所望の時期に封印部5、18に照合用シート7を重ねてサイン6を照合するという点で、包装材1の使用方法は、上記の運送方法と同じである。
照合用シート7、粘着層9及びカーボン紙10は、サイン6を記入する際に封印部5の裏面側に重なればよく、封印部5の裏面に、粘着層9及びカーボン紙10を付設する代わりに、封止する際に封印部5を貼着する部位に、粘着層9及びカーボン紙10を付設してもよい。この場合、カーボン紙10を片面式のものとして、封印部5を貼着する部位に、粘着層9、照合用シート7及びカーボン紙10をこの順に付設すればよい。
カーボン紙10を片面式のものとして、伝票8へのサイン6の複写を省略してもよい。封印部5にサイン6を記入するまで、照合用シート7とカーボン紙10との間に保護シートを介在させて、照合用シート7の汚れを防ぐこともできる。カーボン紙10の代わりに、顕色剤と染料を収容したマイクロカプセルとの組合せによるノンカーボンタイプの複写手段を採用してもよい。封印部5に記入したサイン6や照合用シート7に複写されたサイン6を透明フィルムで覆うことにより、これらのサイン6を保護するようにしてもよい。
包装材1は、新規に製造するものに限らず、既存の包装材を利用することもできる。具体的には、既存の包装材の粘着層9が透視可能かつサイン6を複写可能な剥離紙で覆われている場合、この剥離紙を照合用シート7として、これにカーボン紙10を重ねるよう付加すればよい。特に、既存の包装材が封印部5の裏面に粘着層9を有する場合、付加するカーボン紙10を両面式にしておくことにより、伝票8にもサイン6を複写することができる。
既存の包装材が封印部5の裏面に粘着層9を有すると共に、その粘着層9が透視不能あるいはサイン6を複写不能な剥離紙で覆われている場合、その剥離紙に、カーボン紙10及び透視可能な照合用シート7をこの順に重ねるよう付加すればよい。あるいは、剥離紙に、照合用シート7及びカーボン紙10の順に重ねるよう付加することもできる。この場合、付加するカーボン紙10を両面式とすることにより、その裏面側に重ねた伝票8にもサイン6を複写することができる。
既存の包装材が封印部5を貼着する部位に粘着層9を有すると共に、その粘着層9が透視不能あるいはサイン6を複写不能な剥離紙で覆われている場合、その剥離紙の表面に透視可能な照合用シート7を重ねるよう付加し、さらに、この照合用シート7の表面にカーボン紙10を重ねるよう付加すればよい。
また、既存の包装材が封印部5の裏面あるいは封印部5を貼着する部位のいずれに粘着層9を有する場合であっても、予め伝票8の表面に両面式のカーボン紙10を重ねると共に、カーボン紙10の表面に照合用シート7を重ねておき、この伝票8を封印部5の裏面側に重ねることにより、照合用シート7及び伝票8にサイン6を複写することができる。
サイン6は、封印部5に記入するだけでなく、包装材1の他の部位に記入することもできる。この場合、別に用意した照合用シート7にサイン6を複写すればよい。また、照合用シート7を伝票8に付けて、包装材1で包装した被運送物2と一緒に届ける代わりに、照合用シート7と被運送物2とを別々にして届け先に届けるようにし、照合用シート7の偽造を防止するようにしてもよい。
また、封印部5の表面に、透明シールの貼付によって光沢感の相違を失う光沢部及び非光沢部を混在させることもできる。これにより、封印部5をカッターなどで切断して開封した後、その切断部に透明シールを貼付することによって封印部5の切断部を目立たないようにしようとしても、透明シールで覆った光沢部及び非光沢部の光沢感の相違が失われるので、透明シールの貼付を一見して見破ることができる。
本発明に係る包装方法、運送方法、保管方法及び包装材は、運送用の包装材や保管用の収納材などで被包装物を包装したまま未開封であることを確認することができるので、特に機密書類や貴重品などの運送や保管に好適に採用することができる。

Claims (11)

  1. 包装材で被包装物を包装したまま未開封であったことを確認する包装方法であって、
    包装材に再現性のないよう手書きで識別情報を記入すると共に、その際の筆圧により、透光性材料により透視可能に形成した照合用シートに前記識別情報を複写し、次いで、被包装物を前記包装材で包装して該包装材の封印部を封止し、その後、照合用シートを包装材に重ねて、該包装材に記入した識別情報と照合用シートに複写した識別情報とを照合することにより、識別情報を記入した包装材で被包装物を包装したままであることを確認することを特徴とする包装方法。
  2. 送り主から預かった被運送物を届け先に届けると共に、送り主からの引受時から届け先への引渡時までの間、被運送物を包装する包装材が未開封であったことを確認する運送方法であって、
    送り主から被運送物を引き受ける際、透光性材料により透視可能に形成した照合用シートに、送り主によって包装材に再現性のないよう手書きで記入される送り主付与情報をその記入の際の筆圧により複写し、次いで、被運送物を包装材で包装して該包装材の封印部を封止して届け先に搬送し、届け先に被運送物を引き渡す際、照合用シートを包装材に重ねて、該包装材に記入された送り主付与情報と照合用シートに複写された送り主付与情報とを照合することにより、送り主によって送り主付与情報を記入された包装材で被運送物が包装されたままであることを確認することを特徴とする運送方法。
  3. 送り主控え票、届け先控え票及び運送管理票を筆圧により複写可能に重ねてなる伝票に、包装材及び照合用シートを重ねて、包装材に手書きで記入される送り主付与情報を照合用シートと共に伝票にも複写しておき、照合用シートに複写された送り主付与情報と伝票に複写された送り主付与情報との照合により、照合用シートが差し替えられていないことを確認することを特徴とする請求項2に記載の運送方法。
  4. 伝票に付設された伝票固有情報により、伝票が差し替えられていないことを確認することを特徴とする請求項3に記載の運送方法。
  5. 包装材で包装した被運送物と照合用シートとを別々にして届け先に届けることを特徴とする請求項2、3又は4に記載の運送方法。
  6. 被保管物を収納材に収納して保管する間、前記収納材が未開封であったことを確認する保管方法であって、
    収納材に再現性のないよう手書きで識別情報を記入すると共に、その際の筆圧により、透光性材料により透視可能に形成した照合用シートに前記識別情報を複写し、次いで、被保管物を前記収納材に収納して該収納材の封印部を封止して保管し、その後、照合用シートを収納材に重ねて、該収納材に記入した識別情報と照合用シートに複写した識別情報とを照合することにより、識別情報を記入した収納材に被保管物を収納したままであることを確認することを特徴とする保管方法。
  7. 被包装物を収容する収容部と、該収容部に被包装物を出し入れする出入口と、被包装物を収容した後に前記出入口を封印するよう前記収容部と一体に形成された封印部とを備え、前記被包装物を包装したまま未開封であることを確認する包装材であって、
    前記封印部に再現性のないよう手書きで識別情報を記入可能とされ、封印部の裏面側に照合用シートが重ねられ、前記封印部の表面に記入された識別情報をその記入の際の筆圧により照合用シートに複写可能とされ、
    前記照合用シートは、透光性材料により透視可能に形成され、封印部に重ねることによって識別情報を照合可能とされたことを特徴とする包装材。
  8. 封印部の裏面側に、封止用の粘着層と、封印部を封止するまで粘着層を覆う剥離紙とが重ねられ、該剥離紙が、前記照合用シートと兼用されることを特徴とする請求項7に記載の包装材。
  9. 封印部の裏面側に、管理用伝票を重ねることにより、封印部に記入される識別情報が照合用シートと共に前記管理用伝票にも複写されることを特徴とする請求項7又は8に記載の包装材。
  10. 前記照合用シートは、封印部の裏面側に後付けされたことを特徴とする請求項7に記載の包装材。
  11. 前記管理用伝票に照合用シートが予め重ねられたことを特徴とする請求項9に記載の包装材。
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