JP4914325B2 - 遮音壁用パネルの落下防止用ワイヤロープ用の落下防止金具および遮音壁 - Google Patents
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Description
例えば下記の特許文献1には、リングを備えたいわゆるアイボルトを支柱および遮音パネルへ取り付けて、各々のアイボルトのリング部へ落下防止用ワイヤロープを順に縫うが如くに通した構成が開示されている。ただし、前記アイボルトを使用した場合には、いずれか一つの遮音パネルに交換の必要が生じた場合、落下防止用ワイヤロープは、該当する遮音壁用パネルのアイボルトから完全に抜け外れるまで上・下方向に引き抜く移動をさせねばならない。したがって、遮音壁を形成するべく一連に建て込まれた近隣の遮音壁用パネルや支柱のアイボルトからも完全に抜き外すことになり、遮音壁用パネルの交換作業が大掛かりなものになってしまい、手間と時間がかかる。勿論、遮音壁を設置する当初においても、各アイボルトのリング部へ落下防止用ワイヤロープを順序よく縫うが如くに通す必要があり、慎重な作業を必要とし、手間と時間がかかる。
しかし、線材を湾曲させた構成すぎない止着環部は、強度、剛性に劣り、落下防止用ワイヤロープの用途、機能を完全に満たせるかの疑念がある。また、この外装板落下防止装置(止着環部)は、外装板(いわゆる背面側の遮音パネル)の背面側へ突き出るように取り付けて使用するものであり、これに通した落下防止用ワイヤロープの存在と併せて、遮音パネルの背面側が乱雑で見苦しい景観、意匠感を呈することになる。更にこの外装板落下防止装置は、外装板や支柱へ取り付けたボルトを基礎にして、その外端部に張線具を取り付け、さらにその止着環部へ落下防止用ワイヤロープを通す構成であり、いわゆる構成部品が多く、構造が複雑であるから、製造および使用に手間がかかり、高価なものである。
一定の間隔を開けて建てられた支柱20、20間へ取り付けて設置された遮音壁用パネル21又は22の落下防止用ワイヤロープ2を通して支持させる落下防止金具であって、
落下防止金具1は、並立する複数の支持壁11、12と、前記支持壁11、12を繋ぐ着座壁13とで形成され、
前記複数の支持壁11、12にはそれぞれ、ワイヤロープ通し孔15から着座壁13側に向かってワイヤロープ通し溝16が形成され、前記ワイヤロープ通し溝16は着座壁側に向かって開口されていると共に、複数の支持壁11、12のワイヤロープ通し溝16は互い違いに異なる反対方向の向きに形成されており、
前記着座壁13が、ボルト3で遮音壁用パネル21又は22へ取り付けられる構成であることを特徴とする。
並立する支持壁11、12のワイヤロープ通し孔15を着座壁13側に向かって開口するワイヤロープ通し溝16は、一側の溝辺16aがワイヤロープ通し孔15の接線方向に着座壁13まで形成され、他側の溝辺16bは着座壁13との間に落下防止用ワイヤロープ2の外径よりも少し大きい幅寸の出入り口16cを形成するべく切除されていることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載した遮音壁用パネルの落下防止用ワイヤロープを通す落下防止金具1は、鋼板のプレス加工品であることを特徴とする。
一定の間隔を開けて建てられた支柱20、20間へ取り付けて設置された遮音壁用パネル21又は22に、請求項1〜3に記載した構成の落下防止金具1が、一つの遮音壁用パネル21又は22に少なくとも1個の割合で、それぞれボルト3止めにより取り付けられており、上下・左右方向に連絡する配置の各落下防止金具1、1を順に縫うように各々のワイヤロープ通し孔15へ落下防止用ワイヤロープ2が通されていることを特徴とする。
この落下防止金具1は、その着座壁13をボルト3止めにより遮音壁用パネル21又は22の必要位置へ簡単に取り付けることができる。そして、落下防止用ワイヤロープ2は並立する支持壁11、12のワイヤロープ通し溝16を利用してワイヤロープ通し孔15へ滑り込ませる形に通すことができ、勿論、逆の操作で抜き外すことも可能である。よって、遮音壁構築現場での使い勝手に優れる上に、遮音壁を構築する複数の遮音壁用パネルの中の1枚に交換の必要が生じた場合には、その遮音壁用パネルの落下防止金具1に通して支持させた落下防止用ワイヤロープ2を、当該落下防止金具1のワイヤロープ通し孔15から抜き外して交換作業を進めることができる。そして、交換作業の終了後には再び、その遮音パネルの落下防止金具1のワイヤロープ通し孔16へ通し直すことが容易に可能であるから、遮音壁用パネルの交換作業等に要する手間が極めて少なくて済む。即ち、故障のある遮音壁用パネルのみを単独で交換等することが容易に可能であり、極めて作業性に優れる。
もとより、仮に車両の衝突事故などで遮音壁を構成する遮音壁用パネル21又は22が支柱20から突き飛ばされるような事態が生じても、落下防止金具1は並立する複数の支持壁11、12のワイヤロープ通し孔15が共同して、即ちそれぞれのワイヤロープ通し溝16が互い違いに異なる反対方向の向きに形成されている構成の故に、落下防止用ワイヤロープ2をきっちり拘束する機能と強度および作用効果を確実に働くので、遮音壁用パネル21又は22の落下防止の機能と目的は必要十分に達せられるのである。
落下防止金具1は、並立する複数の支持壁11、12と、前記支持壁11、12を繋ぐ着座壁13とで形成され、
前記複数の支持壁11、12にはそれぞれ、ワイヤロープ通し孔15から着座壁13側に向かってワイヤロープ通し溝16が形成され、前記ワイヤロープ通し溝16は着座壁側に向かって開口されていると共に、複数の支持壁11、12のワイヤロープ通し溝16は互い違いに異なる反対方向の向きに形成されており、
前記着座壁13が、ボルト3で遮音壁用パネル21又は22へ取り付けられる構成である。
この落下防止金具1は、例えば厚さが3mm程度の鋼板をプレス加工法により製造した実施例である。本実施例の場合は、並立する二つの支持壁11、12はほぼ同形、同大に形成され、この二つの支持壁11、12を繋ぐ着座壁13とで全体をほぼコ字形状に形成されている。もっとも、支持壁は二つの構成に限らない。
因みに、支持壁11、12の大きさは48×50mm程度、二つの支持壁11、12の内法間隔は24mm程度である。前記着座壁13には、ボルト止め用の孔14が孔径6mm程度に形成されている。
なお、図2Aに明りょうな傾斜部17は、後述するように落下防止用ワイヤロープ2をワイヤロープ通し溝16へ入れ込む作業(操作)を容易にするワイヤロープ誘導部である。
したがって、後述する遮音壁に車両等が衝突して遮音壁用パネルが落下することは落下防止用ワイヤロープ2と落下防止金具1の働きによって確実に防止されるのであり、落下防止の作用効果は十分に高いのである。
図示した遮音壁は、例えば高速道路などの側辺に沿って例えば3m前後の間隔を開けて建てられたH鋼支柱20、20の間へ、遮音壁用パネルとして、前面(つまり車道側)には吸音パネル21を取り付け、背面(民地側)に遮音パネル22を取り付けた構成の実施例である。
H鋼支柱20に対して吸音パネル21および遮音パネル22を取り付ける構造および作業の詳細については、既に種々公知、周知に属する技術であるから、ここで詳しく説明することは省略する。たとえば図4に見るようなボルト止め23が一般的に実施されている。吸音パネル21及び遮音パネル22は、H鋼支柱20の高さ方向に必要な枚数を順次積み重ねて取り付けられる。
その上で、上下方向に連絡する配置とした各落下防止金具1、1を順に縫うように、各々の各ワイヤロープ通し孔15へ落下防止用ワイヤロープ2を通して遮音壁の構築が進められる。
21 吸音パネル
22 遮音パネル
2 落下防止用ワイヤロープ
1 落下防止金具
11、12 支持壁
13 着座壁
14 ボルト止め用の孔
15 ワイヤロープ通し用孔
16 ワイヤロープ通し溝
3 ボルト
16c 出入り口
16a、16b ワイヤロープ通し溝の溝辺
Claims (4)
- 一定の間隔を開けて建てられた支柱間へ取り付けて設置された遮音壁用パネルの落下防止用ワイヤロープを通して支持させる落下防止金具であって、
落下防止金具は、並立する複数の支持壁と、前記支持壁を繋ぐ着座壁とで形成され、
前記複数の支持壁にはそれぞれ、ワイヤロープ通し孔から着座壁側に向かってワイヤロープ通し溝が形成され、前記ワイヤロープ通し溝は着座壁側に向かって開口されていると共に、複数の支持壁のワイヤロープ通し溝は互い違いに異なる反対方向の向きに形成されており、
前記着座壁が、ボルトで遮音壁用パネルへ取り付けられる構成であることを特徴とする、遮音壁用パネルの落下防止用ワイヤロープの落下防止金具。 - 並立する支持壁のワイヤロープ通し孔を着座壁側に向かって開口させるワイヤロープ通し溝は、一側の溝辺がワイヤロープ通し孔の接線方向に着座壁まで形成され、他側の溝辺は着座壁との間に落下防止用ワイヤロープの外径よりも少し大きい幅寸の出入り口を形成するべく切除されていることを特徴とする、請求項1に形成した遮音壁用パネルの落下防止用ワイヤロープの落下防止金具。
- 落下防止金具は鋼板のプレス加工品であることを特徴とする、請求項1又は2に記載した遮音壁用パネルの落下防止用ワイヤロープの落下防止金具。
- 一定の間隔を開けて建てられた支柱間へ取り付けて設置された遮音壁用パネルに、請求項1〜3に記載した落下防止金具が、一つの遮音壁用パネルに少なくとも1個の割合で、それぞれボルト止めにより取り付けられ、上下・左右方向に連絡する配置の各落下防止金具を順に縫うように各々のワイヤロープ通し孔へ落下防止用ワイヤロープが通されていることを特徴とする、遮音壁。
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