JP4874148B2 - アクチュエータ - Google Patents
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Description
まず、スライダ側にボールナットが嵌合する穴をあけ、そこにボールナットを挿入した後、スライダとボールナットをピンで結合・固定する方法がある。
又、別の方法として、ボールナットの端面にフランジを設け、該フランジに対してスライダを固定ねじ部材によって固定する方法がある。
まず、第1の従来例の場合であるが、ボールナットをスライダに嵌合・挿入させた後にボールナット及びスライダに設けられたピン穴に平行ピンを挿入することになるが、その際、ボールナット及びスライダに設けられているピン穴の位置を合わせた後に平行ピンを挿入しなければならず、この作業が非常に煩雑であった。
次に、第2の従来例の場合であるが、ボールナットの端面に設けられているフランジに固定ねじによってスライダを固定する必要がある。その際、アクチュエータ内に固定ねじをねじ込むための工具を挿入する必要があるが、その作業が面倒であり、その為、組立・調整作業が困難になってしまうという問題があった。これは、アクチュエータが小型になればなる程顕著であった。
又、これは何れのタイプの従来例についても共通していえることであるが、アクチュエータとしての性能を確保するために、アクチュエータに組み込まれる各々の部品を高精度に加工しなければならないという問題があった。例えば、ボールネジの曲りや、ボールナットのボールネジに対する同軸度、ボールナットが固定されるスライダの嵌合部分とガイドとの走り精度、真直度、等が確保できていない場合、ボールネジに対してボールナットの「コジレ」が発生してしまい、それによって、摺動抵抗の増加や異音の発生、ひいてはボールナットの短寿命化を招く恐れがあった。
特に、ガイド一体型のアクチュエータの場合、ガイドの一部となるスライダ部分にボールナットが組み込まれ嵌合される構成となるので、ガイド部分との相対的な寸法精度が非常に重要となっていた。その上、高精度に加工された部品を組み込む際にも、スライダの走りとフレーム両端で支持されたボールネジの軸心調整を正確に行う必要があり、そのためにスライダを全長に渡り移動させながら、ボールネジ及びボールナットの軸心調整を行うという煩雑な作業を行う必要があった。そして、これらの作業を精度良く行うためには熟練を要することになる。
又、請求項2によるアクチュエータは、請求項1記載のアクチュエータにおいて、上記スライダとナットの間には回転方向の動きを規制する回転規制部材が設置されていることを特徴とするものである。
又、請求項3によるアクチュエータは、請求項1記載のアクチュエータにおいて、上記弾性部材はばね部材によって構成されていることを特徴とするものである。
又、請求項4によるアクチュエータは、請求項1記載のアクチュエータにおいて、上記弾性部材はゴム材から構成されていることを特徴とするものである。
又、請求項5によるアクチュエータは、請求項1記載のアクチュエータにおいて、上記スライダは二つのスライダ要素からなる二つ割りの構成になっていることを特徴とするものである。
又、請求項6によるアクチュエータは、請求項1記載のアクチュエータにおいて、上記スライダは金属製であり、ダイカスト或いはメタルインジェクションによって製造されたものであることを特徴とするものである。
又、請求項7によるアクチュエータは、請求項1記載のアクチュエータにおいて、上記ネジ・ナットはボールネジ・ボールナットであることを特徴とするものである。
又、請求項2によるアクチュエータは、請求項1記載のアクチュエータにおいて、上記スライダとナットの間には回転方向の動きを規制する回転規制部材が設置されているので、スライダとナットとの間の不用意な位置ずれを防止することができる。
又、上記弾性部材としては、例えば、ばね部材、ゴム材等の使用が考えられる。
又、上記スライダを二つのスライダ要素からなる二つ割りの構成にした場合には、簡単な構成で所望の効果を得ることができる。
又、請求項6によるアクチュエータは、請求項1記載のアクチュエータにおいて、上記スライダは金属製であり、ダイカスト或いはメタルインジェクションによって製造されたものであるので、面倒な機械加工を要することなく所望の複雑な形状の部品を容易に得ることができる。
又、上記ボール・ナットとしてはボールネジ・ボールナットであること考えられる。
その際、まず、下部スライダ要素11とボールナット7との間に回転を規制する回転規制ピン15を介在させるようにしている。この回転規制ピン15によってボールナット7と下部スライダ要素11を回転方向に一体化させるようにしている。又、上部スライダ要素13と下部スライダ要素11との間にも位置決めピン16、16が設置されている。
尚、ダイカスト以外にもメタルインジェクション等によって製造することがあり、この場合には、上記下部スライダ要素11と上部スライダ要素13は、鉄、ステンレス(SUS)、チタン等によって製造されることになる。
よって、複雑な形状であっても機械加工を要することなく製造することができる。
尚、上記上部スライダ要素13と下部スライダ要素11は4本の固定ねじ部材19によって一体化されるように構成されている。
尚、図2中符号51はストッパ部材、符号53はシール部材を示している。
まず、アクチュエータの製造・組立作業が容易になり、それによって、製造・組立作業に要するコストの低減を図ることができる。すなわち、ボールナット7とスライダ9との固着構造において、スライダ9側を二つ割り構造とし、下部スライダ要素11と上部スライダ要素13との間にボールナット7を挟み込むとともに、その間に板ばね17を介在させる構成にしたからである。上記板ばね17がスライダ9とボールナット7等各部品の加工精度誤差に基づく位置ずれ等(ボールナット7の偏心や偏角、ボールナット7のコジレ等)を吸収することになるので、それらの部品に対する寸法精度の裕度が拡大されることになり、それによって、製造・組立作業が容易化されるものである。
又、上記構成を採用することにより、下部スライダ要素11と上部スライダ要素13は金属を使用したダイカスト或いはメタルインジェクション等によって製造することが可能になり(寸法精度の裕度が拡大されたため)、複雑な機械加工を要することなく低コストで製造することができる。
又、スライダ9とボールナット7との間には回転規制ピン15が設置されているので、両者間の位置ずれ、ボールナット7の回転方向への不用意な変位は確実に防止される。
又、本実施の形態の場合には、スライダ9を上下下二つ割りとして下部スライダ要素11と上部スライダ要素13とから構成しているので、ボールナット7の組込作業も容易である。
例えば、前記一実施の形態では、弾性部材として板ばねを使用した例を挙げて説明したが、それ以外にも、例えば、コイルばね、ゴム材、等、様々な部材の使用が考えられる。
又、前記一実施の形態では、スライダを上下二つ割りにした構成を例に挙げて説明したが、三つ割り以上の構成も想定される。
又、前記一実施の形態の場合には、上部スライダ要素とボールナットの間に一個の板ばねを介在させた構成を例に挙げて説明したが、弾性部材の個数、介在させる位置等についてもこれを特に限定するものではない。
又、スライダとナットとの間の回転規制部材としては、ピン以外にもキー構造の採用が考えられる。
3 ボールネジ
7 ボールナット
9 スライダ
11 上部スライダ要素
13 下部スライダ要素
15 回転規制ピン
16 位置決めピン
17 板ばね(弾性部材)
Claims (7)
- 回転可能な状態で設置されたネジと、上記ネジに対してその回転を規制された状態で螺合・配置されたナットと、上記ナットに対して固定されたスライダと、を具備してなるアクチュエータにおいて、
上記スライダは複数個のスライダ要素からなる複数割り構造になっていて、上記複数のスライダ要素の間に上記ナットを挟み込んで固定する構成になっており、
上記スライダ要素と上記ナットとの間に各部品の寸法誤差を吸収するための弾性部材が介在されていることを特徴とするアクチュエータ。 - 請求項1記載のアクチュエータにおいて、
上記スライダとナットの間には回転方向の動きを規制する回転規制部材が設置されていることを特徴とするアクチュエータ。 - 請求項1記載のアクチュエータにおいて、
上記弾性部材はばね部材によって構成されていることを特徴とするアクチュエータ。 - 請求項1記載のアクチュエータにおいて、
上記弾性部材はゴム材から構成されていることを特徴とするアクチュエータ。 - 請求項1記載のアクチュエータにおいて、
上記スライダは二つのスライダ要素からなる二つ割りの構成になっていることを特徴とするアクチュエータ。 - 請求項1記載のアクチュエータにおいて、
上記スライダは金属製であってダイカスト或いはメタルインジェクションによって製造されたものであることを特徴とするアクチュエータ。 - 請求項1記載のアクチュエータにおいて、
上記ネジ・ナットはボールネジ・ボールナットであることを特徴とするアクチュエータ。
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