JP4799744B2 - フェナシルアミン誘導体、それらの製造方法及びそれらを含有する有害生物防除剤 - Google Patents
フェナシルアミン誘導体、それらの製造方法及びそれらを含有する有害生物防除剤 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、有害生物防除剤の有効成分として有用な新規フェナシルアミン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】
特公昭48-18222号公報には、アシルアミノケトン誘導体の製造方法が開示されているが、後記式(I)で表されるフェナシルアミン誘導体に係る具体的記載は見られない。また、該公報には後記する有害生物防除剤としての有用性についても全く示されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
長年にわたり、多数の有害生物防除剤が使用されているが、効力が不十分、有害生物が抵抗性を獲得しその使用が制限される、人畜魚類などに対して毒性が強い、残留性により生態系を乱す等、種々の課題を有するものが少なくない。従って、かかる欠点の少ない安全性の高い新規な有害生物防除剤の開発が望まれている。
また、動物寄生性生物は、家畜、ペット等の体表、胃、腸管、肺、心臓、肝臓、血管、皮下、リンパ組織などに寄生し、貧血、栄養失調、衰弱、体重減少や、腸管壁、各種器官、その他組織の障害など、種々の動物疾患を引き起こす為、その防除が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本願発明者等は、より優れた有害生物防除剤を見出すべくフェナシルアミン誘導体につき種々検討した。その結果、新規なフェナシルアミン誘導体及びその塩が、低薬量で有害生物に対して極めて高い防除効果を有し、且つ哺乳動物、魚類などに対してほとんど悪影響を及ぼさないことを見出し、本発明を完成した。すなわち本発明は、式(I);
【0005】
【化7】
[式中、Aはアルキル、シクロアルキル、Yで置換されていてもよいフェニル、Yで置換されていてもよいピリジル又はYで置換されていてもよいピラゾリルであり、R1及びR2は各々アルキルであり、またR1とR2は一緒になって3〜6員飽和炭素環を形成してもよく、R3は水素原子、アルキル、アルコキシアルキル、アルキルチオアルキル又はCOR4基であり、R4はアルキル又はアルコキシであり、Xはハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニルオキシ、ハロアルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ハロアルキニルオキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、アルケニルチオ、ハロアルケニルチオ、アルキニルチオ、ハロアルキニルチオ、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、ニトロ、シアノ、Yで置換されていてもよいフェニル、Yで置換されていてもよいフェノキシ、Yで置換されていてもよいベンジルオキシ又はYで置換されていてもよいピリジルオキシであり、Yはハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、ニトロ又はシアノであり、nは0〜5の整数であり、nが2以上の場合、Xは同一でも相異なっていてもよく、但し、Aが無置換のフェニルであり、R1及びR2が各々メチルであるか又は一緒になって6員飽和炭素環を形成し、R3が水素原子であり、且つnが0である場合を除く]で表されるフェナシルアミン誘導体又はその塩、それらの製造方法並びにそれらを含有する有害生物防除剤に関する。
【0006】
A、R1、R2、R3、R4、X及びY中のアルキル又はアルキル部分としては、各々炭素数1〜6の直鎖又は分枝状のもの、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられる。
【0007】
A中のシクロアルキルとしては、炭素数3〜6のもの、例えばシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。
【0008】
X中のアルケニル又はアルケニル部分としては、炭素数2〜7の直鎖又は分枝状のもの、例えばビニル、1−プロペニル、アリル、イソプロペニル、1−ブテニル、1,3−ブタジエニル、1−ヘキセニル、1−ヘプテニルなどが挙げられる。また、X中のアルキニル又はアルキニル部分としては、炭素数2〜7の直鎖又は分枝状のもの、例えばエチニル、2−ブチニル、2−ペンチニル、3−ヘキシニル、4−ジメチル−2−ペンチニルなどが挙げられる。
【0009】
A中のYで置換されていてもよいフェニル、Yで置換されていてもよいピリジル及びYで置換されていてもよいピラゾリル、並びにX中のYで置換されていてもよいフェニル、Yで置換されていてもよいフェノキシ、Yで置換されていてもよいベンジルオキシ及びYで置換されていてもよいピリジルオキシの置換基Yの数は1又は2以上であってよく、2以上の場合、これら置換基は同一でも相異なってもよい。
【0010】
X及びY中のハロゲン又は置換基としてのハロゲンとしては、弗素、塩素、臭素又は沃素の各原子が挙げられる。置換基としてのハロゲンの数は1又は2以上であってよく、2以上の場合、各ハロゲンは同一でも相異なってもよい。また、ハロゲンの置換位置はいずれの位置でもよい。
【0011】
前記式(I)で表されるフェナシルアミン誘導体の塩としては、農業上許容されるものであればあらゆるものが含まれるが、例えばナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;ジメチルアミン塩、トリエチルアミン塩のようなアンモニウム塩;塩酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、硝酸塩のような無機酸塩;酢酸塩、メタンスルホン酸塩のような有機酸塩などが挙げられる。
前記式(I)で表されるフェナシルアミン誘導体には、光学異性体が存在し、本発明には各異性体及び異性体混合物の双方が含まれる。
【0012】
前記式(I)で表されるフェナシルアミン誘導体又はその塩(以下本発明化合物と略す)は、以下の反応〔A〕又は〔B〕或は通常の塩の製造方法に従って製造することができる。
【0013】
【化8】
【0014】
反応〔A〕中、A、R1、R2、X及びnは前述の通りである。Zはヒドロキシ、アルコキシ又はハロゲンであり、ハロゲンとしては弗素、塩素、臭素又は沃素の各原子が挙げられる。
反応〔A〕は、通常塩基及び溶媒の存在下で行う。
【0015】
塩基としては、例えばナトリウム、カリウムのようなアルカリ金属;ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウム第3級ブチレートのようなアルカリ金属アルコレート;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのような炭酸塩;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムのような重炭酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのような金属水酸化物;水素化ナトリウム、水素化カリウムのような金属水素化物;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミンのようなアミン類;ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンのようなピリジン類などから1種又は2種以上が適宜選択される。塩基は、式(II)の化合物に対して1〜3倍モル、望ましくは1〜2倍モル使用する。
【0016】
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンのような芳香族炭化水素類;四塩化炭素、塩化メチル、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ヘキサン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルのようなエステル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ピリジンのような極性非プロトン性溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリルのようなニトリル類;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類などから1種又は2種以上が適宜選択される。
【0017】
反応〔A〕は、必要に応じて脱水縮合剤の存在下で行う。該脱水縮合剤としてはN,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミドなどが挙げられる。
反応〔A〕の反応温度は、通常0〜100℃、望ましくは0〜50℃であり、反応時間は、通常0.5〜48時間、望ましくは1〜24時間である。
【0018】
【化9】
【0019】
反応〔B〕中、A、R1、R2、X及びnは前述の通りであり、R3'はアルキル、アルコキシアルキル、アルキルチオアルキル又はCOR4基(R4は前述の通り)であり、Wはハロゲンであり、ハロゲンとしては弗素、塩素、臭素又は沃素の各原子が挙げられる。
【0020】
反応〔B〕は、通常塩基及び溶媒の存在下で行う。
塩基としては、例えばナトリウム、カリウムのようなアルカリ金属;ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウム第3級ブチレートのようなアルカリ金属アルコレート;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのような炭酸塩;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムのような重炭酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのような金属水酸化物;水素化ナトリウム、水素化カリウムのような金属水素化物;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミンのようなアミン類;ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンのようなピリジン類などから1種又は2種以上が適宜選択される。塩基は、式(I−1)の化合物に対して1〜3倍モル、望ましくは1〜1.5倍モル使用する。
【0021】
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンのような芳香族炭化水素類;四塩化炭素、塩化メチル、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ヘキサン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルのようなエステル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ピリジンのような極性非プロトン性溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリルのようなニトリル類;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類などから1種又は2種以上が適宜選択される。
【0022】
反応〔B〕の反応温度は、通常0〜100℃、望ましくは0〜50℃であり、反応時間は、通常1〜300時間、望ましくは1〜150時間である。
【0023】
前記反応〔A〕で使用される式(II)の化合物は新規であり、以下の反応〔C〕又は〔D〕に従って製造することができる。
【0024】
【化10】
【0025】
反応〔C〕中、R1、R2、X及びnは前述の通りである。反応〔C〕においては、反応の後処理或は通常の塩形成反応に準じて化合物(II)の塩を製造することができる。
反応〔C〕は、通常酸化剤及び溶媒の存在下で行う。
酸化剤としては、例えばフェリシアン化カリウムなどが挙げられる。酸化剤は、式(V)の化合物に対して1〜10倍モル、望ましくは1〜5倍モル使用する。
【0026】
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルのようなエステル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ピリジンのような極性非プロトン性溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリルのようなニトリル類;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類;水などから1種又は2種以上が適宜選択される。
【0027】
反応〔C〕の反応温度は、通常20〜150℃、望ましくは50〜100℃であり、反応時間は、通常0.5〜30時間、望ましくは1〜20時間である。
【0028】
【化11】
【0029】
反応〔D〕中、R1、R2、X及びnは前述の通りである。反応〔D〕においては、反応の後処理或は通常の塩形成反応に準じて化合物(II)の塩を製造することができる。
反応〔D〕の環化反応は、通常塩基及び溶媒の存在下で行なう。
【0030】
塩基としては、例えばナトリウム、カリウムのようなアルカリ金属;ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウム第3級ブチレートのようなアルカリ金属アルコレート;水素化ナトリウム、水素化カリウムのような金属水素化物などから1種又は2種以上が適宜選択される。塩基は、式(VI)の化合物に対して1〜3倍モル、望ましくは1〜1.5倍モル使用する。
【0031】
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンのような芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類;メタノール、エタノール、プロパノール、tert-ブタノールのようなアルコール類;アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリルのようなニトリル類などから1種又は2種以上が適宜選択される。
【0032】
反応〔D〕の環化反応の反応温度は、通常0〜150℃、望ましくは30〜100℃であり、反応時間は、通常0.5〜24時間、望ましくは1〜12時間である。
【0033】
反応〔D〕の加水分解反応は、一般的な加水分解反応に準じて行えばよく、通常酸又は塩基及び溶媒の存在下で行う。
【0034】
酸としては、例えば塩化水素、硫酸などが挙げられる。塩基としては例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのような金属水酸化物などが挙げられる。
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、tert-ブタノールのようなアルコール類;アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリルのようなニトリル類;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類;水などから1種又は2種以上が適宜選択される。
【0035】
反応〔D〕の加水分解反応の反応温度は通常0〜100℃、望ましくは20〜80℃であり、反応時間は、通常0.1〜12時間、望ましくは0.1〜1時間である。
【0036】
前記反応〔D〕で使用される式(VI)の化合物は新規であり、以下の反応〔E〕に従って製造することができる。
【0037】
【化12】
【0038】
反応〔E〕中、R1、R2、X及びnは前述の通りである。
反応〔E〕は、必要に応じて溶媒の存在下で行なう。該溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンのような芳香族炭化水素類;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ヘキサン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルのようなエステル類;メタノール、エタノール、プロパノール、tert-ブタノールのようなアルコール類;アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリルのようなニトリル類;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類などから1種又は2種以上が適宜選択される。
【0039】
反応〔E〕のヨウ化メチルは、式(VII)の化合物に対して1〜10倍モル、望ましくは1〜3倍モル使用する。また、ヨウ化メチルは過剰に用いれば溶媒を兼ねることができる。
反応〔E〕の反応温度は、通常0〜100℃、望ましくは10〜50℃であり、反応時間は、通常0.5〜48時間、望ましくは1〜24時間である。
【0040】
前記反応〔E〕で使用される式(VII)の化合物は新規であり、以下の反応〔F〕に従って製造することができる。
【0041】
【化13】
【0042】
反応〔F〕中、R1、R2、X及びnは前述の通りである。
反応〔F〕は一般的なヒドラゾン合成反応に準じて行えばよく、必要に応じて脱水剤及び/又は触媒の存在下で行う。
【0043】
脱水剤としては、例えばモレキュラーシーブなどが挙げられる。脱水剤は、式(V)の化合物の重量に対して通常は1〜30倍、望ましくは5〜10倍使用する。
触媒としては、例えば四塩化チタンなどが挙げられる。
反応〔F〕のジメチルヒドラジンは、式(V)の化合物に対して通常は1〜30倍モル、望ましくは5〜10倍モル使用する。
【0044】
反応〔F〕の反応温度は、通常20〜150℃、望ましくは50〜120℃であり、反応時間は、通常5〜200時間、望ましくは24〜120時間である。
【0045】
本発明化合物を含有する有害生物防除剤の望ましい態様について以下に記述する。
本発明化合物を含有する有害生物防除剤は、特に、殺虫、殺ダニ、殺線虫、殺土壌害虫剤として有用であるが、例えば、ナミハダニ、ニセナミハダニ、カンザワハダニ、ミカンハダニ、リンゴハダニ、チャノホコリダニ、ミカンサビダニ、ネダニなどのような植物寄生性ダニ類;モモアカアブラムシ、ワタアブラムシのようなアブラムシ類、コナガ、ヨトウムシ、ハスモンヨトウ、コドリンガ、ボールワーム、タバコバッドワーム、マイマイガ、コブノメイガ、チャノコカクモンハマキ、コロラドハムシ、ウリハムシ、ボールウィービル、ウンカ類、ヨコバイ類、カイガラムシ類、カメムシ類、コナジラミ類、アザミウマ類、バッタ類、ハナバエ類、コガネムシ類、タマナヤガ、カブラヤガ、アリ類などのような農業害虫類;ネコブセンチュウ類、シストセンチュウ類、ネグサレセンチュウ類、イネシンガレセンチュウ、イチゴメセンチュウ、マツノザイセンチュウなどのような植物寄生性線虫類;ナメクジ、マイマイなどのような腹足類;ダンゴムシ、ワラジムシのような等脚類などのような土壌害虫類;イエダニ、ゴキブリ類、イエバエ、アカイエカなどのような衛生害虫類;バクガ、アズキゾウムシ、コクヌストモドキ、ゴミムシダマシ類などのような貯穀害虫類;イガ、ヒメカツオブシムシ、シロアリ類などのような衣類、家屋害虫類;ケナガコナダニ、コナヒョウダニ、ミナミツメダニのような屋内塵性ダニ類などの防除に有効である。なかでも、本発明化合物を含有する有害生物防除剤は、農業害虫類、植物寄生性線虫類などの防除に特に有効である。また、本発明化合物を含有する有害生物防除剤は、有機リン剤、カーバメート剤、合成ピレスロイド剤などの薬剤に対する各種抵抗性害虫の防除にも有効である。さらに本発明化合物は、優れた浸透移行性を有していることから、本発明化合物を含有する有害生物防除剤を土壌に処理することによって土壌有害昆虫類、ダニ類、線虫類、腹脚類、等脚類の防除と同時に茎葉部の害虫類をも防除することができる。
【0046】
本発明化合物を含有する有害生物防除剤の別の望ましい態様としては、前記した植物寄生性ダニ類、農業害虫類、植物寄生性線虫類、腹足類、土壌害虫類などを総合的に防除する農園芸用の有害生物防除剤が挙げられる。
【0047】
本発明化合物を含有する有害生物防除剤は、通常該化合物と各種農業上の補助剤とを混合して粉剤、粒剤、顆粒水和剤、水和剤、水性懸濁剤、油性懸濁剤、水溶剤、乳剤、液剤、ペースト剤、エアゾール剤、微量散布剤などの種々の形態に製剤して使用されるが、本発明の目的に適合するかぎり、通常の当該分野で用いられているあらゆる製剤形態にすることができる。製剤に使用する補助剤としては、珪藻土、消石灰、炭酸カルシウム、タルク、ホワイトカーボン、カオリン、ベントナイト、カオリナイト及びセリサイトの混合物、クレー、炭酸ナトリウム、重曹、芒硝、ゼオライト、澱粉などの固型担体;水、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、ジオキサン、アセトン、イソホロン、メチルイソブチルケトン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、アルコールなどの溶剤;脂肪酸塩、安息香酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリカルボン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキル硫酸塩、アルキルアリール硫酸塩、アルキルジグリコールエーテル硫酸塩、アルコール硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、アルキルアリールリン酸塩、スチリルアリールリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩のような陰イオン系の界面活性剤や展着剤;ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸ポリグリセライド、脂肪酸アルコールポリグリコールエーテル、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、オキシアルキレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチリルアリールエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシプロピレン脂肪酸エステルのような非イオン系の界面活性剤や展着剤;オリーブ油、カポック油、ひまし油、シュロ油、椿油、ヤシ油、ごま油、トウモロコシ油、米ぬか油、落花生油、綿実油、大豆油、菜種油、亜麻仁油、きり油、液状パラフィンなどの植物油や鉱物油などが挙げられる。これら補助剤は本発明の目的から逸脱しないかぎり、当該分野で知られたものの中から選んで用いることができる。また、増量剤、増粘剤、沈降防止剤、凍結防止剤、分散安定剤、薬害軽減剤、防黴剤など通常使用される各種補助剤も使用することができる。本発明化合物と各種補助剤との配合割合は0.001:99.999〜95:5、望ましくは0.005:99.995〜90:10である。これらの製剤の実際の使用に際しては、そのまま使用するか、または水等の希釈剤で所定濃度に希釈し、必要に応じて各種展着剤を添加して使用することができる。
【0048】
本発明化合物を含有する有害生物防除剤の施用は、気象条件、製剤形態、施用時期、施用場所、病害虫の種類や発生状況などの相違により一概に規定できないが、一般に0.05〜800000ppm、望ましくは0.5〜500000ppmの有効成分濃度で行ない、その単位面積あたりの施用量は、1ヘクタール当り本発明化合物が0.05〜50000g、望ましくは1〜30000gである。また、本発明化合物を含有する有害生物防除剤の別の望ましい態様である農園芸用の有害生物防除剤の施用は、前記有害生物防除剤の施用に準じて行われる。本発明には、このような施用方法による有害生物の防除方法、特に農業害虫類、植物寄生性線虫類の防除方法も含まれる。
【0049】
本発明化合物を含有する有害生物防除剤の種々の製剤、またはその希釈物の施用は、通常一般に行なわれている施用方法すなわち、散布(例えば散布、噴霧、ミスティング、アトマイジング、散粒、水面施用等)、土壌施用(混入、灌注等)、表面施用(塗布、粉衣、被覆等)、浸漬毒餌等により行うことができる。また、家畜に対して前記有効成分を飼料に混合して与え、その排泄物での有害虫、特に有害昆虫の発生及び生育を阻害することも可能である。またいわゆる超高濃度少量散布法(ultra low volume)により施用することもできる。この方法においては、活性成分を100%含有することが可能である。
【0050】
また、本発明化合物を含有する有害生物防除剤は、他の農薬、肥料、薬害軽減剤などと混用或は併用することができ、この場合に一層優れた効果、作用性を示すことがある。他の農薬としては、除草剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺土壌害虫剤、殺菌剤、抗ウィルス剤、誘引剤、抗生物質、植物ホルモン、植物成長調整剤などが挙げられる。特に、本発明化合物と他の農薬の有効成分化合物の1種又は2種以上とを混用或は併用した混合有害生物防除組成物は、適用範囲、薬剤処理の時期、防除活性等を好ましい方向へ改良することが可能である。尚、本発明化合物と他の農薬の有効成分化合物は各々別々に製剤したものを散布時に混合して使用しても、両者を一緒に製剤して使用してもよい。本発明には、このような混合有害生物防除組成物も含まれる。
本発明化合物と他の農薬の有効成分化合物との混合比は、気象条件、製剤形態、施用時期、施用場所、病害虫の種類や発生状況などの相違により一概に規定できないが、一般に1:300〜300:1、望ましくは1:100〜100:1である。また、施用適量は1ヘクタール当りの総有効成分化合物量として0.1〜50000g、望ましくは1〜30000gである。本発明には、このような混合有害生物防除組成物の施用方法による有害生物の防除方法も含まれる。
【0051】
上記他の農薬中の、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤或いは殺土壌害虫剤、すなわち害虫防除剤の有効成分化合物(一般名;一部申請中を含む)としては、例えばプロフェノホス(Profenofos)、ジクロルボス(Dichlorvos)、フェナミホス(Fenamiphos)、フェニトロチオン(Fenitrothion)、EPN、ダイアジノン(Diazinon)、クロルピリホスメチル(Chlorpyrifos-methyl)、アセフェート(Acephate)、プロチオホス(Prothiofos)、ホスチアゼート(Fosthiazate)、ホスホカルブ(Phosphocarb)、カズサホス(Cadusafos)、ジスルホトン(Dislfoton)のような有機リン酸エステル系化合物;
【0052】
カルバリル(Carbaryl)、プロポキスル(Propoxur)、アルジカルブ(Aldicarb)、カルボフラン(Carbofuran)、チオジカルブ(Thiodicarb)、メソミル(Methomyl)、オキサミル(Oxamyl)、エチオフェンカルブ(Ethiofencarb)、ピリミカルブ(Pirimicarb)、フェノブカルブ(Fenobucarb)、カルボスルファン(Carbosulfan)、ベンフラカルブ(Benfuracarb)のようなカーバメート系化合物;
【0053】
カルタップ(Cartap)、チオシクラム(Thiocyclam)のようなネライストキシン誘導体;
ジコホル(Dicofol)、テトラジホン(Tetradifon)のような有機塩素系化合物;
酸化フェンブタスズ(Fenbutatin Oxide)のような有機金属系化合物;
フェンバレレート(Fenvalerate)、ペルメトリン(Permethrin)、シペルメトリン(Cypermethrin)、デルタメトリン(Deltamethrin)、シハロトリン(Cyhalothrin)、テフルトリン(Tefluthrin)、エトフェンプロックス(Ethofenprox)のようなピレスロイド系化合物;
【0054】
ジフルベンズロン(Diflubenzuron)、クロルフルアズロン(Chlorfluazuron)、テフルベンズロン(Teflubenzuron)、フルフェノクスロン(Flufenoxuron)のようなベンゾイルウレア系化合物;
メトプレン(Methoprene)のような幼若ホルモン様化合物;
ピリダベン(Pyridaben)のようなピリダジノン系化合物;
フェンピロキシメート(Fenpyroximate)、フィプロニル(Fipronil)、テブフェンピラド(Tebufenpyrad)、エチピロール(Ethiprole)、トルフェンピラド(Tolfenpyrad)のようなピラゾール系化合物;
【0055】
イミダクロプリド(Imidacloprid)、ニテンピラム(Nitenpyram)、アセタミプリド(Acetamiprid)、チアクロプリド(Thiacloprid)、チアメトキサム(Thiamethoxam)、クロチアニジン(Clothianidin)、ジノテフラン(Dinotefuran)などのネオニコチノイド;
テブフェノジド(Tebufenozide)、メトキシフェノジド(Methoxyfenozide)、クロマフェノジド(Chromafenozide)などのヒドラジン系化合物;
【0056】
ジニトロ系化合物、有機硫黄化合物、尿素系化合物、トリアジン系化合物、ヒドラゾン系化合物また、その他の化合物として、ブプロフェジン(Buprofezin)、ヘキシチアゾクス(Hexythiazox)、アミトラズ(Amitraz)、クロルジメホルム(Chlordimeform)、シラフルオフェン(Silafluofen)、トリアザメイト(Triazamate)、ピメトロジン(Pymetrozine)、ピリミジフェン(Pyrimidifen)、クロルフェナピル(Chlorfenapyr)、インドキサカルブ(Indoxacarb)、アセキノシル(Acequinocyl)、エトキサゾール(Etoxazole)、シロマジン(Cyromazine)、1,3−ジクロロプロペン(1,3-dichloropropene)のような化合物;などが挙げられる。更に、BT剤、昆虫病原ウイルス剤などのような微生物農薬、アベルメクチン(Avermectin)、ミルベメクチン(Milbemectin)、スピノサッド(Spinosad)のような抗生物質などと、混用、併用することもできる。
【0057】
上記他の農薬中の、殺菌剤の有効成分化合物(一般名;一部申請中を含む)としては、例えば、メパニピリム(Mepanipyrim)、ピリメサニル(Pyrimethanil)、シプロジニル(Cyprodinil)のようなピリミジナミン系化合物;
【0058】
トリアジメホン(Triadimefon)、ビテルタノール(Bitertanol)、トリフルミゾール(Triflumizole)、エタコナゾール(Etaconazole)、プロピコナゾール(Propiconazole)、ペンコナゾール(Penconazole)、フルシラゾール(Flusilazole)、マイクロブタニル(Myclobutanil)、シプロコナゾール(Cyproconazole)、ターブコナゾール(Terbuconazole)、ヘキサコナゾール(Hexaconazole)、ファーコナゾールシス(Furconazole-cis)、プロクロラズ(Prochloraz)、メトコナゾール(Metconazole)、エポキシコナゾール(Epoxiconazole)、テトラコナゾール(Tetraconazole)、オキスルポコナゾール(Oxpoconazole)、シプコナゾール(Sipconazole)のようなアゾール系化合物;
【0059】
キノメチオネート(Quinomethionate)のようなキノキサリン系化合物;
マンネブ(Maneb)、ジネブ(Zineb)、マンゼブ(Mancozeb)、ポリカーバメート(Polycarbamate)、プロピネブ(Propineb)のようなジチオカーバメート系化合物;
フサライド(Fthalide)、クロロタロニル(Chlorothalonil)、キントゼン(Quintozene)のような有機塩素系化合物;
ベノミル(Benomyl)、チオファネートメチル(Thiophanate-Methyl)、カーベンダジム(Carbendazim)、4−クロロ−2−シアノ−1−ジメチルスルファモイル−5−(4−メチルフェニル)イミダゾールのようなイミダゾール系化合物;
【0060】
フルアジナム(Fluazinam)のようなピリジナミン系化合物;
シモキサニル(Cymoxanil)のようなシアノアセトアミド系化合物;
メタラキシル(Metalaxyl)、オキサジキシル(Oxadixyl)、オフレース(Ofurace)、ベナラキシル(Benalaxyl)、フララキシル(Furalaxyl)、シプロフラム(Cyprofuram)のようなフェニルアミド系化合物;
ジクロフルアニド(Dichlofluanid)のようなスルフェン酸系化合物;
水酸化第二銅(Cupric hydroxide)、有機銅(Oxine Copper)のような銅系化合物;
【0061】
ヒドロキシイソキサゾール(Hydroxyisoxazole)のようなイソキサゾール系化合物;
ホセチルアルミニウム(Fosetyl-Al)、トルコホスメチル(Tolcofos-Methyl)、S−ベンジル O,O−ジイソプロピルホスホロチオエート、O−エチル S,S−ジフェニルホスホロジチオエート、アルミニウムエチルハイドロゲンホスホネートのような有機リン系化合物;
キャプタン(Captan)、キャプタホル(Captafol)、フォルペット(Folpet)のようなN−ハロゲノチオアルキル系化合物;
プロシミドン(Procymidone)、イプロジオン(Iprodione)、ビンクロゾリン(Vinclozolin)のようなジカルボキシイミド系化合物;
【0062】
フルトラニル(Flutolanil)、メプロニル(Mepronil)、ゾキサミド(Zoxamide)のようなベンズアニリド系化合物;
トリホリン(Triforine)のようなピペラジン系化合物;
ピリフェノックス(Pyrifenox)のようなピリジン系化合物;
フェナリモル(Fenarimol)、フルトリアフォル(Flutriafol)のようなカルビノール系化合物;
フェンプロピディン(Fenpropidine)のようなピペリジン系化合物;
【0063】
フェンプロピモルフ(Fenpropimorph)のようなモルフォリン系化合物;
フェンチンヒドロキシド(Fentin Hydroxide)、フェンチンアセテート(Fentin Acetate)のような有機スズ系化合物;
ペンシキュロン(Pencycuron)のような尿素系化合物;
ジメトモルフ(Dimethomorph)のようなシンナミック酸系化合物;
ジエトフェンカルブ(Diethofencarb)のようなフェニルカーバメート系化合物;
【0064】
フルジオキソニル(Fludioxonil)、フェンピクロニル(Fenpiclonil)のようなシアノピロール系化合物;
アゾキシストロビン(Azoxystrobin)、クレソキシムメチル(Kresoxim-Methyl)、メトミノフェン(Metominofen)、トリフロキシストロビン(Trifloxystrobin)、ピコキシストロビン(Picoxystrobin)のようなストロビルリン系化合物;
ファモキサドン(Famoxadone)のようなオキサゾリジノン系化合物;
エタボキサム(Ethaboxam)のようなチアゾールカルボキサミド系化合物;
【0065】
シルチオファム(Silthiopham)のようなシリルアミド系化合物;
イプロバリカルブ(Iprovalicarb)のようなアミノアシッドアミドカーバメート系化合物;
フェナミドン(Fenamidone)のようなイミダゾリジン系化合物;
フェンヘキサミド(Fenhexamid)のようなハイドロキシアニリド系化合物;
フルスルファミド(Flusulfamide)のようなベンゼンスルホンアミド系化合物;
【0066】
アトラキノン系化合物;クロトン酸系化合物;抗生物質またその他の化合物として、イソプロチオラン(Isoprothiolane)、トリシクラゾール(Tricyclazole)、ピロキロン(Pyroquilon)、ジクロメジン(Diclomezine)、プロベナゾール(Pro.benazole)、キノキシフェン(Quinoxyfen)、プロパモカルブ塩酸塩(Propamocarb Hydrochloride)、スピロキサミン(Spiroxamine)、クロルピクリン(Chloropicrin)、ダゾメット(Dazomet)、カーバムナトリウム塩(Metam-sodium);などが挙げられる。
【0067】
その他、本発明化合物と混用或いは併用することが可能な農薬としては、例えは、Farm Chemicals Handbook(1998年版)に記載されているような除草剤の有効成分化合物、特に土壌処理型のものなどがある。
【0068】
また、本発明化合物を含有する有害生物防除剤は、動物寄生生物防除剤、特に動物内部寄生性生物の防除剤として又は寄生生物起因動物疾患の防除剤として有用であるが、例えば(1)カイセンダニ、メソスチグマチド、スカピー、ツツガムシ、フタトビチマダニ、オウシマダニなどのダニ類;ネコノミ、イヌノミ、ネズミノミ、ケオプトネズミノミ、ヒトノミなどのノミ類;ウシジラミ、ウマジラミ、ヒツジジラミ、ウシホソジラミ、アタマジラミなどのシラミ類;イヌハジラミなどのハジラミ類;ウシアブ、ウアイヌカカ、ツメトゲブユなどの吸血性双翅目害虫のように宿主動物の体外に寄生する寄生生物;(2)肺虫、ベンチュウ、結節状ウオーム、胃内寄生虫、回虫、糸状虫類などの線虫類;サナダムシ;吸虫;コクシジウム、マラリア原虫、腸内肉胞子虫、トキソプラズマ、クリプトスポリジウムなどの原生動物のように宿主動物の体内に寄生する寄生生物の防除に有効である。
【0069】
本発明化合物は、通常適当な担体と共に粉剤、粒剤、顆粒剤、錠剤、散剤、カプセル剤、液剤、乳剤などの剤形に製剤して使用される。適当な担体としては、飼料用薬剤等に利用されているもの、例えば乳糖、蔗糖、ブドウ糖、澱粉、麦粉、コーン粉、大豆油粕、脱脂米糠、炭酸カルシウム、その他市販の飼料原料等を挙げることができる。また、本発明化合物は、担体と共に各種ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類、酵素製剤、解熱剤、鎮静剤、消炎剤、殺菌剤、着色剤、芳香剤、保存剤等と配合併用して使用することもできる。本発明化合物の投与濃度としては、防除対象寄生生物、投与方法、投与目的、疾病症状等によって異なるが、飼料中に配合して投与する場合であれば通常0.1ppm以上の濃度となるよう投与するのが適当である。
【0070】
本発明化合物は、例えば特開平5-70350号公報や、特表平11-500439号公報に記載された試験方法に準じた試験により動物寄生生物、例えばノミ、コクシジウム、糸状虫に対する防除効果を示す。
【0071】
本発明における別の望ましい態様は以下の通りである。
[1]前記式(I)において、Xがハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ハロアルケニルオキシ、ハロアルキニルオキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、ハロアルケニルチオ、ハロアルキニルチオ、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、ニトロ、シアノ、Yで置換されていてもよいフェニル、Yで置換されていてもよいフェノキシ又はYで置換されていてもよいピリジルオキシであるフェナシルアミン誘導体又はその塩。
【0072】
[2]前記式(I)において、Xがハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、ニトロ、シアノ、Yで置換されていてもよいフェノキシ又はYで置換されていてもよいピリジルオキシであるフェナシルアミン誘導体又はその塩。
【0073】
[3]前記式(I)において、AがYで置換されていてもよいフェニルであり、R1及びR2が各々アルキルであり、R3が水素原子であり、Xがハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、ハロアルキルスルフィニル、ハロアルキルスルホニル、Yで置換されていてもよいフェノキシ又はYで置換されていてもよいピリジルオキシであり、Yがハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ又はハロアルキルチオであり、nが1〜3の整数であるフェナシルアミン誘導体又はその塩。
【0074】
【実施例】
次に本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。まず本発明化合物の合成例を記載する。
【0075】
合成例1
3,5-ジクロロ-N-[(4'-エチル-1,1-ジメチル)フェナシル]ベンズアミド(化合物No.1-84)の合成
(1)80℃に加熱した水360mlにフェリシアン化カリウム41g、次いで4-エチルイソブチロフェノン5.5gを加えた後28%アンモニア水50mlを30分間かけて滴下し、85〜90℃で16時間反応させた。反応混合物を酢酸エチルで抽出した後減圧濃縮した。残渣を水で希釈し、塩酸にて酸性とした後酢酸エチルで洗浄した。水層をNaOH水で中和し、酢酸エチルで抽出した後無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して、油状のα-アミノ-4-エチルイソブチロフェノン0.54gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H-NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.24(t,3H),1.53(s,6H),2.66(q,2H),7.22(d,2H),7.87(d,2H),
【0076】
(2)α-アミノ-4-エチルイソブチロフェノン0.16g及びジクロロエタン4mlの混合物にトリエチルアミン0.13gを加え、氷冷下で3,5-ジクロロベンゾイルクロライド0.18gを加えた後室温で6時間反応させた。反応混合物を水中に投入し、塩化メチレンで抽出した後水洗した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n-ヘキサン=15/85)で精製して、融点176〜177℃の目的物0.12gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H-NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.23(t,3H),1.86(s,6H),2.67(q,2H),7.24(dd,2H),7.38(s,1H),7.46(d,2H),
7.59(d,2H),7.89(dd,2H)
【0077】
合成例2
2-クロロ-N-[(4'-クロロ-1,1-ジメチル)フェナシル]ベンズアミド(化合物No.1-54)の合成
(1)4-クロロイソブチロフェノン5.92g、N,N-ジメチルヒドラジン19.5g及びモレキュラーシーブ(3A)29.6gの混合物をオートクレーブ中100℃で110時間反応させた。反応混合物を塩化メチレンで希釈した後濾過した。濾液を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後減圧濃縮して、油状の4-クロロイソブチロフェノンジメチルヒドラゾン5.82gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H-NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.05(d,6H),2.31(bs,6H),2.85(m,1H),7.14(d,2H),7.32(d,2H)
【0078】
(2)4-クロロイソブチロフェノンジメチルヒドラゾン5.82g及び無水エタノール3.5mlの混合物にヨウ化メチル7.82gを加え、室温で15時間反応させた。反応混合物を減圧濃縮して得た残渣にエーテルを加えて攪拌した。析出した固体を濾取し、エーテルにて洗浄した後乾燥し、融点107〜112℃の4-クロロイソブチロフェノンジメチルヒドラジンヨウ化メチル塩10.19gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H-NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.13(d,6H),2.83(m,1H),3.58(s,9H),7.28(d,2H),7.53(d,2H)
【0079】
(3)4-クロロイソブチロフェノンジメチルヒドラジンヨウ化メチル塩10.19g及び無水メタノール35mlの混合物に、ナトリウム0.70g及び無水メタノール15mlより調製したナトリウムメトキシド溶液を室温で滴下した後、還流下で3時間反応させた。反応混合物を減圧濃縮し、残渣に水、次いで塩酸を加え弱酸性とした後30分間攪拌した。生じた固体をろ取し、乾燥してα-アミノ-4-クロロイソブチロフェノン塩酸塩(融点275℃/分解)2.46gを得た。一方、ろ液を塩化メチレンで洗浄した後、NaOH水で中和した。塩化メチレンで抽出した後無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮して、油状のα-アミノ-4-クロロイソブチロフェノン0.77gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H-NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.58(s,6H),7.41(d,2H),7.96(d,2H)
【0080】
(4)α-アミノ-4-クロロイソブチロフェノン0.77g及びジクロロエタン22mlの混合物にトリエチルアミン0.47gを加え、そこへ2-クロロベンゾイルクロライド0.68g及びジクロロエタン3mlの混合物を室温で滴下した。滴下終了後、同温度で15時間反応させた。反応混合物を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n-ヘキサン=3/7)で精製して、融点99〜102℃の目的物1.05gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H-NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.76(s,6H),6.98(s,1H),7.26(dd,1H),7.30〜7.42(m,5H),7.97(dd,2H)
【0081】
合成例3
3,5-ジクロロ-N-[(4'-クロロ-1,1-ジメチル)フェナシル]ベンズアミド(化合物No.1-63)の合成
α-アミノ-4-クロロイソブチロフェノン塩酸塩0.49g及びジクロロエタン14mlの混合物に室温でトリエチルアミン0.47g、次いで3,5-ジクロロベンゾイルクロライド0.44gを加え、同温度で15時間反応させた。反応混合物を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後減圧濃縮した。得られた残渣にn-ヘキサンを加え、固体をろ取し、乾燥して、 融点169〜171℃の目的物0.46gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H-NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.79(s,6H),7.04(s,1H),7.36(dd,2H),7.50(s,1H),7.54(d,2H),7.91(dd,2H)
【0082】
合成例4
2-クロロ-N-[(3',4'-ジクロロ-1,1-ジメチル)フェナシル]ベンズアミド(化合物No.1-78)の合成
α-アミノ-3,4-ジクロロイソブチロフェノン0.22g、2-クロロ安息香酸0.148g及びジクロロメタン8mlの混合物に室温でN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド0.215g及びジクロロメタン7mlの混合物を滴下し、同温度で20時間反応させた。反応混合物を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n-ヘキサン=3/7)で精製して、融点116〜120℃の目的物0.26gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H-NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.76(s,6H),6.89(s,1H),7.25〜7.29(m,1H),7.33〜7.37(m,2H),
7.42〜7.46(m,2H),7.87(dd,2H),8.15(d,2H)
【0083】
合成例5
N-メチル-N-[(1,1-ジメチル)フェナシル]-2-トリフルオロメチルベンズアミド(化合物No.1-27)の合成
N-[(1,1-ジメチル)フェナシル]-2-トリフルオロメチルベンズアミド0.33g及びテトラヒドロフラン5mlの混合物に室温で60%水素化ナトリウム38mgを加え、同温度で1時間攪拌した後ヨウ化メチル0.28gを加え、同温度で20時間反応させた。反応混合物を水中投入し、水洗して無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮して得た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n-ヘキサン=3/7)で精製して、融点149〜150℃の目的物0.30gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H-NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /400MHz )
1.64(s,3H),1.67(s,3H),2.92(s,3H),6.65(dd,1H),7.40〜7.44(m,4H),
7.47〜7.49(m,1H),7.59(dd,1H),7.92(dd,2H)
【0084】
次に、前記式(I)で表される本発明化合物の代表例を第1〜4表に挙げるが、これら化合物は前記合成例或は前記した本発明化合物の種々の製造方法に基づいて合成することができる。
尚、表中で使用する略号は以下の通りである。
Me:メチル基、Et:エチル基、Pr:プロピル基、Bu:ブチル基、Ph:フェニル基、allyl:アリル基
【0085】
【化14】
表中、4-[X-1]とあるのは、4位にX-1が置換することを示す。他の記載も同様である。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】
【表3】
【0089】
【表4】
【0090】
【表5】
【0091】
【表6】
【0092】
【表7】
【0093】
【表8】
【0094】
【表9】
【0095】
【表10】
【0096】
次に試験例を記載する。
試験例1 サツマイモネコブセンチュウに対する効果試験
サツマイモネコブセンチュウ汚染土壌300mlに本発明化合物の濃度が1600ppmに調製した薬液7mlを潅注した後、薬剤が均一に分散するように混和した。処理土壌をポット(直径9cm、高さ8cm)に詰めた後、2葉期のトマト苗を移植し、温室内に置いた。トマト移植3〜4週間後、根部に形成された根こぶの着生程度を以下の根こぶ指数に従って判定した。
【0097】
【表11】
【0098】
その結果、前記化合物No.1-1、1-4、1-5、1-17、1-18、1-19、1-24、1-27、1-28、1-31、1-38、1-49、1-50、1-51、1-54、1-64、1-65、1-70、1-77、1-83、1-84、1-93、1-95、1-125、1-126、1-127、1-128、1-130、1-131、1-132、1-133、1-134、1-135、1-136、1-138、1-139、1-140、1-141、1-142、1-143、1-147、1-151、1-155、1-156、1-157、1-158、1-159、1-160、1-161、1-162、1-163、1-164、1-166、1-167、1-168、1-169、1-171、1-172、1-173、1-174、1-175、1-176、1-177、1-178、1-179、1-180、1-211、1-212、1-213及び2-2が、根こぶ指数1以下の高い防除効果を示した。
【0099】
試験例2 オーシストに対する効果試験
アイメリア テネラ野外株を鶏雛で感染増殖させて新鮮未成熟オーシストを得、これに本発明化合物の所定濃度の溶液を10又は30分感作させ、感作した未成熟オーシストを遠心し、上清を取り除き2%重クロム酸カリウム水溶液を加え25℃で4日間スポルレーションすることにより良好なオーシスト防除効果が確認される。
【0100】
試験例3 イヌ糸状虫に対する効果試験
イヌ糸状虫(Dirofilaria immitis)を皮下感染させたイヌに、本発明化合物を経口投与する。感染から200日後の検死時に、処理動物の肺や心臓へのイヌ糸状虫寄生成虫数を調査することにより、良好なイヌ糸状虫防除効果が確認される。
【0101】
次に製剤例を記載する。
製剤例1
(1)本発明化合物 20重量部
(2)クレー 72重量部
(3)リグニンスルホン酸ソーダ 8重量部
以上のものを均一に混合して水和剤とする。
【0102】
製剤例2
(1)本発明化合物 5重量部
(2)タルク 95重量部
以上のものを均一に混合して粉剤とする。
【0103】
製剤例3
(1)本発明化合物 20重量部
(2)N,N′−ジメチルアセトアミド 20重量部
(3)ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル 10重量部
(4)キシレン 50重量部
以上のものを均一に混合、溶解して乳剤とする。
【0104】
製剤例4
(1)クレー 68重量部
(2)リグニンスルホン酸ソーダ 2重量部
(3)ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート 5重量部
(4)微粉シリカ 25重量部
以上の各成分の混合物と、本発明化合物とを4:1の重量割合で混合し、水和剤とする。
【0105】
製剤例5
(1)本発明化合物 50重量部
(2)オキシレーテッドポリアルキルフェニルフォスフェート-トリエタノールアミン 2重量部
(3)シリコーン 0.2重量部
(4)水 47.8重量部
以上のものを均一に混合、粉砕した原液に更に
(5)ポリカルボン酸ナトリウム 5重量部
(6)無水硫酸ナトリウム 42.8重量部
を加え均一に混合、造粒、乾燥して顆粒水和剤とする。
【0106】
製剤例6
(1)本発明化合物 5重量部
(2)ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル 1重量部
(3)ポリオキシエチレンの燐酸エステル 0.1重量部
(4)粒状炭酸カルシウム 93.9重量部
(1)〜(3)を予め均一に混合し、適量のアセトンで希釈した後、(4)に吹付け、アセトンを除去して粒剤とする。
【0107】
製剤例7
(1)本発明化合物 2.5重量部
(2)N−メチル−2−ピロリドン 2.5重量部
(3)大豆油 95.0重量部
以上のものを均一に混合、溶解して微量散布剤(ultra low volume formulation)とする。
Claims (7)
- 式(I);
- Xがハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-7ハロアルケニル、C2-7ハロアルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C2-7ハロアルケニルオキシ、C1-6ハロアルキニルオキシ、C1-6アルキルチオ、C1-6ハロアルキルチオ、C1-6ハロアルケニルチオ、C1-6ハロアルキニルチオ、C1-6アルキルスルフィニル、C1-6ハロアルキルスルフィニル、C1-6アルキルスルホニル、C1-6ハロアルキルスルホニル、ジC1-6アルキルアミノスルホニル、ニトロ、シアノ、Yで置換されていてもよいフェニル、Yで置換されていてもよいフェノキシ又はYで置換されていてもよいピリジルオキシである請求項1記載のフェナシルアミン誘導体又はその塩。
- Xがハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C1-6アルキルチオ、C1-6ハロアルキルチオ、C1-6アルキルスルフィニル、C1-6ハロアルキルスルフィニル、C1-6アルキルスルホニル、C1-6ハロアルキルスルホニル、ジC1-6アルキルアミノスルホニル、ニトロ、シアノ、Yで置換されていてもよいフェノキシ又はYで置換されていてもよいピリジルオキシである請求項1記載のフェナシルアミン誘導体又はその塩。
- AがYで置換されていてもよいフェニルであり、R1及びR2が各々C1-6アルキルであり、R3が水素原子であり、Xがハロゲン、C1-6ハロアルキル、C1-6ハロアルコキシ、C1-6ハロアルキルチオ、C1-6ハロアルキルスルフィニル、C1-6ハロアルキルスルホニル、Yで置換されていてもよいフェノキシ又はYで置換されていてもよいピリジルオキシであり、Yがハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ハロアルコキシ又はC1-6ハロアルキルチオであり、nが1〜3の整数である請求項1記載のフェナシルアミン誘導体又はその塩。
- 式(I);
で表される化合物とを反応させるか、或は(2)式(I−1);
- 請求項1のフェナシルアミン誘導体又はその塩を有効成分として含有する殺線虫剤。
- 請求項1のフェナシルアミン誘導体又はその塩の有効成分量を使用する線虫の防除方法。
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