JP4770010B2 - Method for producing high syndiotactic vinyl chloride polymer - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高シンジオタクチック塩化ビニル系重合体の製造方法に関するものであり、特に、有機アルミニウム化合物、四塩化チタン及びハロゲン化炭化水素の存在下、塩化ビニル系単量体の重合を行い高シンジオタクチック塩化ビニル系重合体を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に重合体の物理化学的性質は、重合体の一次構造(例えば、分子量、分子量分布、立体構造等)に大きく依存している。その中でも重合体の立体構造は、重合体の熱的特性などと密接な関係にあり、重合体の立体構造制御に関し、種々の検討が行われている。
【0003】
塩化ビニル系重合体は、加工性、物理特性、価格などにおいてバランスの良い材料であり、フィルム、シート等の幅広い分野で使用されている。しかしながら、塩化ビニル系重合体はポリエチレン、ポリプロピレンなどに比べ、機械的強度が低く耐衝撃性を必要とする分野においては、補強材などを添加したコンパウンドとして使用することが一般的である。この機械的強度が低い原因としては、一般的な塩化ビニル系重合体は結晶性が低いことが挙げられる。塩化ビニル系重合体は、分子主鎖中に分岐、頭−頭結合等の不規則構造が存在しており、この不規則構造の低減により結晶性の優れた新規な塩化ビニル系重合体が合成できるものと期待される。
【0004】
そして、重合体の立体構造を制御する方法としては、重合反応時の重合温度を低下することにより、重合体中のシンジオタクチシティーが向上することはすでに知られている。塩化ビニル系重合体においても、特公昭34−2989号公報にはメタノール中で硝酸ウラニルを用い重合を行う方法、特公昭35−7588号公報には過酸化水素等によるレドックス重合法、などの低温重合によるシンジオタクチシティーに富んだ塩化ビニル系重合体の製造方法が提案されている。
【0005】
その他の立体規則性の高い塩化ビニル系重合体を得る方法として、アルデヒド中での重合を行う方法(P.H.Burleigh,J.Am.Chem.Soc.,82,749(1960))、尿素アダクト中での放射線重合を行う方法(桜田一郎、南部慶一、日化、80、307(1959))などが報告されているがいずれも実用化には至っていない。
【0006】
さらにポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィンの重合に用いられるチーグラー触媒を用いた塩化ビニル系重合体の重合については、例えばルイス酸性の低いTi(O−nBu)4により塩化ビニル系重合体を製造する方法(山崎升、工業化学、70(11)、1989(1967))、Ti(O−nBu)4 /AlCl2(C2H5)系に四塩化炭素を加え、塩化ビニル系重合体を製造する方法(山崎升、工業化学、68(5)、881(1965))が報告されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公昭34−2989号公報、特公昭35−7588号公報において提案された方法は、低温という特殊な条件下で重合反応を行うことが必要となり、工業的に非常に不利である。また、塩化ビニル単量体は、常温における立体構造の制御が困難であることより、塩化ビニル系重合体の常温における立体構造の制御に関する報告はいまだされておらず、チーグラー触媒を用いた塩化ビニル系重合体の立体規則性は通常のラジカル重合で得られた塩化ビニル系重合体と同じであり、いまだチーグラー触媒を用いた塩化ビニル系重合体の立体規則性制御に関する報告はなされていない。
【0008】
そこで、本発明は優れた物理的特性を有する高シンジオタクチック塩化ビニル系重合体の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の化合物の存在下で塩化ビニル系単量体の重合を行うことにより、得られる塩化ビニル系重合体が高シンジオタクチシティーとなることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明は、有機アルミニウム化合物(A)、四塩化チタン(B)及びハロゲン化炭化水素(C)の存在下、塩化ビニル系単量体の重合を行うことを特徴とする高シンジオタクチック塩化ビニル系重合体の製造方法に関するものである。
【0011】
以下に、本発明をより詳細に説明する。
【0012】
本発明は、有機アルミニウム化合物(A)、四塩化チタン(B)及びハロゲン化炭化水素(C)の存在下、塩化ビニル系単量体の重合を行うことを特徴とする高シンジオタクチック塩化ビニル系重合体の製造方法に関するものである。
【0013】
本発明において用いられる有機アルミニウム化合物(A)としては、有機アルミニウム化合物の範疇に属するものであればいかなるものも用いることが可能であり、例えば一般式AlX1X2X3(式中、X1,X2,X3はそれぞれ独立的にハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルコキシ基又は置換されていてもよいアリーロキシ基を示す。)で表される有機アルミニウム化合物を用いることが可能である。
【0014】
ここで、X1,X2,X3としては、ハロゲン原子である場合、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子が挙げられ、置換されていてもよいアルキル基である場合、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等が挙げられ、置換されていてもよいアリール基である場合、例えばフェニル基、ナフチル基、塩化フェニル基、臭化フェニル基、メチルフェニル基等が挙げられ、置換されていてもよいアルコキシ基である場合、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基等が挙げられ、置換されていてもよいアリーロキシ基である場合、例えばフェノキシ基、ナフトキシ基、塩化フェノキシ基、臭化フェノキシ基、メチルフェノキシ基等が挙げられ、そのような有機アルミニウム化合物(A)としては、例えばトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、メチルアルミニウムビス(2,6−ジ−tert-ブチル−4−メチルフェノキシド)、ジメチルアルミニウムクロライド、メチルアルミニウムジクロライド等を挙げることができる。
【0015】
そして、本発明においては、特に生産効率よく、結晶性に優れる高シンジオタクチック塩化ビニル系重合体を製造することが可能となることから、有機アルミニウム化合物(A)としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムからなる群から選ばれる一種以上のものが好ましい。
【0016】
本発明において用いられる四塩化チタン(B)としては、一般的に知られている四塩化チタンを用いることができる。
【0017】
本発明において用いられるハロゲン化炭化水素(C)としては、ハロゲン化炭化水素の範疇に属するものであればいかなるものも用いることが可能であり、例えば一般式CClZ1Z2Z3(式中、Z1,Z2,Z3はそれぞれ独立的にハロゲン原子、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルコキシ基又は置換されていてもよいアリーロキシ基を示す。)で表されるハロゲン化炭化水素を用いることが可能である。
【0018】
ここで、Z1,Z2,Z3としては、ハロゲン原子である場合、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子が挙げられ、置換されていてもよいアルキル基である場合、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられ、置換されていてもよいアリール基である場合、例えばフェニル基、ナフチル基、塩化フェニル基、臭化フェニル基、メチルフェニル基等が挙げられ、置換されていてもよいアルコキシ基である場合、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられ、置換されていてもよいアリーロキシ基である場合、例えばフェノキシ基、ナフトキシ基、塩化フェノキシ基、臭化フェノキシ基、メチルフェノキシ基等が挙げられ、そのようなハロゲン化炭化水素(C)としては、例えば四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、四臭化炭素、臭化メチル等を挙げることができる。
【0019】
そして、本発明においては、生産効率よく、結晶性に優れる高シンジオタクチック塩化ビニル系重合体の製造方法となることからハロゲン化炭化水素(C)としては四塩化炭素及び/又はクロロホルムが特に好ましい。
【0020】
また、本発明の製造方法における塩化ビニル系単量体、有機アルミニウム化合物(A)、四塩化チタン(B)とハロゲン化炭化水素(C)の使用比率は任意であり、その中でも特に高シンジタクチック塩化ビニル系重合体が生産効率良く製造できることから塩化ビニル系単量体/有機アルミニウム化合物(A)/四塩化チタン(B)/ハロゲン化炭化水素(C)=50/1/1/1〜150/5/1/250の比率(モル比)範囲で用いることが好ましい。
【0021】
本発明において用いられる塩化ビニル系単量体としては、塩化ビニル単量体単独、又は、塩化ビニル単量体と塩化ビニル単量体との共重合が可能な他のビニル系単量体との混合物を挙げることができる。塩化ビニル単量体との共重合が可能な他のビニル系単量体としては、例えばエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン−1、ブタジエン、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、シアン化ビニリデン、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジンなどを挙げることができる。
【0022】
本発明における製造方法としては、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法などの一般的な重合反応を行うことができる。そして、溶液重合を行う際の溶媒としては特に制限はなく、慣用的な溶媒、例えばヘキサン等の炭化水素系溶媒;アセトン、シクロヘキサン等のケトン類;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;トルエン、ベンゼン等の芳香属系溶媒を挙げることができ、その中でも特にヘキサン、トルエンが好ましい。
【0023】
また、本発明を実施する際には、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気下で重合反応を行うことが好ましい。そして、重合反応を行う際の条件としては、特に制限はなく適宜選択して行うことができ、重合反応圧力としては、常圧下又は加圧下のどちらでもよい。また、重合反応温度としては、例えば−78℃〜50℃の範囲を選択することができ、特に本発明においては、反応温度のコントロールが容易であるが、従来の製造方法においては立体規則性の制御が困難とされていた−20℃〜40℃、なかでも0〜20℃の範囲で重合反応を行っても高シンジオタクチック塩化ビニル系重合体の製造が可能となる。
【0024】
本発明により得らる高シンジオタクチック塩化ビニル系重合体は、例えばフィルム、シート、塗料等の一般的な塩化ビニル系重合体の用途に用いることができる。
【0025】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0026】
なお、以下の実施例における反応は、特に断りのない限り、乾燥窒素雰囲気下で行ったものである。
【0027】
〜塩化ビニル系重合体の数平均分子量及び重量平均分子量の測定〜
実施例及び比較例により得られた塩化ビニル系重合体をゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(日本分光(株)製)にて、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、ポリスチレン換算値の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を測定した。
【0028】
〜塩化ビニル系重合体のNMR測定〜
実施例及び比較例により得られた塩化ビニル系重合体を5重量%の重水素化ニトロベンゼン溶媒とし、100MHzのNMR(商品名:Varian Gemini2000spectrometer)を用いNMR測定を行い、三連子(rr/mr/mm)のrr割合(重量%)を下記式より求め、該rr割合を三連子のシンジオタクチシティーの値として立体規則性を評価した。
【0029】
rr割合(%)=rrピーク/(rrピーク+mrピーク+mmピーク)×100
実施例1
ステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で四塩化チタン0.02ml(0.20mmol)、トリメチルアルミニウム(15wt%のヘキサン溶液)0.12ml(0.24mmol)及び四塩化炭素3ml(30mmol)を熟成時間なしに素早く加えた後、−78℃で塩化ビニル単量体2ml(28.8mmol)を仕込み、20℃に調製した恒温槽に浸し重合反応を開始させた。反応時間が24時間経過した時点で、重合反応系を−78℃に冷却し少量のメタノールを添加することにより重合を停止させた。得られた重合反応溶液を塩酸5vol%を含む大量のメタノール中に投入することにより、塩化ビニル重合体を回収した。
【0030】
得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表1に示す。
【0031】
図1に得られた塩化ビニル重合体のNMR測定の測定結果を示す。
【0032】
得られた塩化ビニル重合体の数平均分子量は11100であり、rr割合は40%であった。
【0033】
実施例2
ステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で四塩化チタン0.02ml(0.20mmol)、トリエチルアルミニウム(15wt%のヘキサン溶液)0.18ml(0.24mmol)及び四塩化炭素3ml(30mmol)を熟成時間なしに素早く加えた後、−78℃で塩化ビニル単量体2ml(28.8mmol)を仕込み、20℃に調製した恒温槽に浸し重合反応を開始させた。反応時間が24時間経過した時点で、重合反応系を−78℃に冷却し少量のメタノールを添加することにより重合を停止させた。得られた重合反応溶液を塩酸5vol%を含む大量のメタノール中に投入することにより、塩化ビニル重合体を回収した。
【0034】
得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表1に示す。
【0035】
得られた塩化ビニル重合体の数平均分子量は13000であり、rr割合は40%であった。
【0036】
実施例3
ステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で四塩化チタン0.02ml(0.20mmol)、トリイソブチルアルミニウム(15wt%のヘキサン溶液)0.32ml(0.24mmol)及び四塩化炭素3ml(30mmol)を熟成時間なしに素早く加えた後、−78℃で塩化ビニル単量体2ml(28.8mmol)を仕込み、20℃に調製した恒温槽に浸し重合反応を開始させた。反応時間が24時間経過した時点で、重合反応系を−78℃に冷却し少量のメタノールを添加することにより重合を停止させた。得られた重合反応溶液を塩酸5vol%を含む大量のメタノール中に投入することにより、塩化ビニル重合体を回収した。
【0037】
得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表1に示す。
【0038】
得られた塩化ビニル重合体の数平均分子量は17300であり、rr割合は41%であった。
【0039】
実施例4
ステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で四塩化チタン0.08ml(0.80mmol)、トリメチルアルミニウム(15wt%のヘキサン溶液)0.48ml(0.96mmol)及び四塩化炭素3ml(30mmol)を熟成時間なしに素早く加えた後、−78℃で塩化ビニル単量体2ml(28.8mmol)を仕込み、20℃に調製した恒温槽に浸し重合反応を開始させた。反応時間が24時間経過した時点で、重合反応系を−78℃に冷却し少量のメタノールを添加することにより重合を停止させた。得られた重合反応溶液を塩酸5vol%を含む大量のメタノール中に投入することにより、塩化ビニル重合体を回収した。
【0040】
得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表1に示す。
【0041】
得られた塩化ビニル重合体の数平均分子量は10300であり、rr割合は41%であった。
【0042】
実施例5
ステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で四塩化チタン0.02ml(0.20mmol)、トリメチルアルミニウム(15wt%のヘキサン溶液)0.12ml(0.24mmol)及び四塩化炭素5ml(50mmol)を熟成時間なしに素早く加えた後、−78℃で塩化ビニル単量体2ml(28.8mmol)を仕込み、20℃に調製した恒温槽に浸し重合反応を開始させた。反応時間が24時間経過した時点で、重合反応系を−78℃に冷却し少量のメタノールを添加することにより重合を停止させた。得られた重合反応溶液を塩酸5vol%を含む大量のメタノール中に投入することにより、塩化ビニル重合体を回収した。
【0043】
得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表1に示す。
【0044】
得られた塩化ビニル重合体の数平均分子量は8100であり、rr割合は40%であった。
【0045】
実施例6
ステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で四塩化チタン0.02ml(0.20mmol)、トリメチルアルミニウム(15wt%のヘキサン溶液)0.12ml(0.24mmol)及び四塩化炭素1ml(10mmol)を熟成時間なしに素早く加えた後、−78℃で塩化ビニル単量体2ml(28.8mmol)を仕込み、20℃に調製した恒温槽に浸し重合反応を開始させた。反応時間が24時間経過した時点で、重合反応系を−78℃に冷却し少量のメタノールを添加することにより重合を停止させた。得られた重合反応溶液を塩酸5vol%を含む大量のメタノール中に投入することにより、塩化ビニル重合体を回収した。
【0046】
得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表1に示す。
【0047】
得られた塩化ビニル重合体の数平均分子量は13500であり、rr割合は39%であった。
【0048】
実施例7
ステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で四塩化チタン0.02ml(020mmol)、トリメチルアルミニウム(15wt%のヘキサン溶液)0.12ml(0.24mmol)、トルエン3ml及び四塩化炭素3ml(30mmol)を熟成時間なしに素早く加えた後、−78℃で塩化ビニル単量体2ml(28.8mmol)を仕込み、20℃に調製した恒温槽に浸し重合反応を開始させた。反応時間が24時間経過した時点で、重合反応系を−78℃に冷却し少量のメタノールを添加することにより重合を停止させた。得られた重合反応溶液を塩酸5vol%を含む大量のメタノール中に投入することにより、塩化ビニル重合体を回収した。
【0049】
得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表1に示す。
【0050】
得られた塩化ビニル重合体の数平均分子量は8500であり、rr割合は39%であった。
【0051】
実施例8
ステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で四塩化チタン0.02ml(0.20mmol)、トリメチルアルミニウム(15wt%のヘキサン溶液)0.12ml(0.24mmol)及び四塩化炭素3ml(30mmol)を熟成時間なしに素早く加えた後、−78℃で塩化ビニル単量体2ml(28.8mmol)を仕込み、30℃に調製した恒温槽に浸し重合反応を開始させた。反応時間が24時間経過した時点で、重合反応系を−78℃に冷却し少量のメタノールを添加することにより重合を停止させた。得られた重合反応溶液を塩酸5vol%を含む大量のメタノール中に投入することにより、塩化ビニル重合体を回収した。
【0052】
得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表1に示す。
【0053】
得られた塩化ビニル重合体の数平均分子量は10200であり、rr割合は37%であった。
【0054】
実施例9
ステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で四塩化チタン0.02ml(0.20mmol)、トリメチルアルミニウム(15wt%のヘキサン溶液)0.12ml(0.24mmol)及び四塩化炭素3ml(30mmol)を熟成時間なしに素早く加えた後、−78℃で塩化ビニル単量体2ml(28.8mmol)を仕込み、−20℃に調製した恒温槽に浸し重合反応を開始させた。反応時間が24時間経過した時点で、重合反応系を−78℃に冷却し少量のメタノールを添加することにより重合を停止させた。得られた重合反応溶液を塩酸5vol%を含む大量のメタノール中に投入することにより、塩化ビニル重合体を回収した。
【0055】
得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表1に示す。
【0056】
得られた塩化ビニル重合体の数平均分子量は28400であり、rr割合は43%であった。
【0057】
実施例10
ステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で四塩化チタン0.02ml(0.20mmol)、トリメチルアルミニウム(15wt%のヘキサン溶液)0.12ml(0.24mmol)及びクロロホルム2.5ml(30mmol)を熟成時間なしに素早く加えた後、−78℃で塩化ビニル単量体2ml(28.8mmol)を仕込み、20℃に調製した恒温槽に浸し重合反応を開始させた。反応時間が24時間経過した時点で、重合反応系を−78℃に冷却し少量のメタノールを添加することにより重合を停止させた。得られた重合反応溶液を塩酸5vol%を含む大量のメタノール中に投入することにより、塩化ビニル重合体を回収した。
【0058】
得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表1に示す。
【0059】
得られた塩化ビニル重合体の数平均分子量は10500であり、rr割合は40%であった。
【0060】
比較例1
ステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、−78℃で塩化ビニル単量体2.6ml(38.1mmol)及びラジカル重合開始剤であるトリブチルホウ素(1mol/LのTHF溶液)0.4ml(0.42mmol)を仕込み、30℃に調製した恒温槽に浸し反応系に少量の空気を加え重合反応を開始させた。反応時間が24時間経過した時点で、重合反応系を−78℃に冷却しラジカル重合禁止剤であるヒドロキノンを添加することにより重合を停止させた。得られた重合反応溶液を大量のメタノール中に投入することにより、塩化ビニル重合体を回収した。
【0061】
得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表2に示す。
【0062】
得られた塩化ビニル重合体の数平均分子量は13600であり、rr割合は32%であった。
【0063】
比較例2
ステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、−78℃で塩化ビニル単量体2.6ml(38.1mmol)及びラジカル重合開始剤であるトリブチルホウ素(1mol/LのTHF溶液)0.4ml(0.42mmol)を仕込み、20℃に調製した恒温槽に浸し反応系に少量の空気を加え重合反応を開始させた。反応時間が24時間経過した時点で、重合反応系を−78℃に冷却しラジカル重合禁止剤であるヒドロキノンを添加することにより重合を停止させた。得られた重合反応溶液を大量のメタノール中に投入することにより、塩化ビニル重合体を回収した。
【0064】
得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表2に示す。
【0065】
図2に得られた塩化ビニル重合体のNMR測定の測定結果を示す。
【0066】
得られた塩化ビニル重合体の数平均分子量は19000であり、rr割合は34%であった。
【0067】
比較例3
ステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で四塩化チタン0.02ml(0.20mmol)及びトリメチルアルミニウム(15wt%のヘキサン溶液)0.12ml(0.24mmol)を熟成時間なしに素早く加えた後、−78℃で塩化ビニル単量体2ml(28.8mmol)を仕込み、20℃に調製した恒温槽に浸し重合反応を開始させた。反応時間が24時間経過した時点で、重合反応系を−78℃に冷却し少量のメタノールを添加することにより重合を停止させた。得られた重合反応溶液を塩酸5vol%を含む大量のメタノール中に投入することにより、塩化ビニル重合体の回収を試みたが、塩化ビニル重合体は得られなかった。
【0068】
塩化ビニル単量体の重合反応は進行していなかった。
【0069】
比較例4
ステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温でテトラブトキシチタン0.07ml(0.20mmol)、トリメチルアルミニウム(15wt%のヘキサン溶液)0.12ml(0.24mmol)及び四塩化炭素3ml(30mmol)を熟成時間なしに素早く加えた後、−78℃で塩化ビニル単量体2ml(28.8mmol)を仕込み、20℃に調製した恒温槽に浸し重合反応を開始させた。反応時間が24時間経過した時点で、重合反応系を−78℃に冷却し少量のメタノールを添加することにより重合を停止させた。得られた重合反応溶液を塩酸5vol%を含む大量のメタノール中に投入することにより、塩化ビニル重合体を回収した。
【0070】
得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表2に示す。
【0071】
得られた塩化ビニル重合体の数平均分子量は18700であり、rr割合は34%であった。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【発明の効果】
本発明は、高シンジオタクチック塩化ビニル系重合体の新規な製造方法を提供するものであり、その工業的価値は極めて高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1により得られた塩化ビニル重合体のカーボン13−NMRスペクトル測定によるメチン部分のスペクトルであり、低磁場側より3連子の立体規則性がrr,mr,mmと帰属される。
【図2】比較例2により得られた塩化ビニル重合体のカーボン13−NMRスペクトル測定によるメチン部分のスペクトルであり、低磁場側より3連子の立体規則性がrr,mr,mmと帰属される。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a high syndiotactic vinyl chloride polymer, and in particular, polymerizes a vinyl chloride monomer in the presence of an organoaluminum compound, titanium tetrachloride and a halogenated hydrocarbon. The present invention relates to a method for producing a syndiotactic vinyl chloride polymer.
[0002]
[Prior art]
In general, the physicochemical properties of a polymer greatly depend on the primary structure (eg, molecular weight, molecular weight distribution, steric structure, etc.) of the polymer. Among them, the three-dimensional structure of the polymer is closely related to the thermal characteristics of the polymer, and various studies have been conducted on the control of the three-dimensional structure of the polymer.
[0003]
Vinyl chloride polymers are well-balanced materials in processability, physical properties, price, and the like, and are used in a wide range of fields such as films and sheets. However, the vinyl chloride polymer is generally used as a compound to which a reinforcing material or the like is added in a field where mechanical strength is low and impact resistance is required as compared with polyethylene, polypropylene and the like. As a cause of the low mechanical strength, a general vinyl chloride polymer has low crystallinity. Vinyl chloride polymers have irregular structures such as branches and head-to-head bonds in the molecular main chain. By reducing these irregular structures, new vinyl chloride polymers with excellent crystallinity are synthesized. It is expected to be possible.
[0004]
As a method for controlling the three-dimensional structure of the polymer, it is already known that the syndiotacticity in the polymer is improved by lowering the polymerization temperature during the polymerization reaction. Even in the case of vinyl chloride polymer, low temperature such as a method of performing polymerization using uranyl nitrate in methanol in Japanese Patent Publication No. 34-2898 and a redox polymerization method using hydrogen peroxide etc. in Japanese Patent Publication No. 35-7588. A method for producing a vinyl chloride polymer rich in syndiotacticity by polymerization has been proposed.
[0005]
Other methods for obtaining a highly stereoregular vinyl chloride polymer include polymerization in an aldehyde (P. H. Burleigh, J. Am. Chem. Soc., 82, 749 (1960)), urea. A method of performing radiation polymerization in an adduct (Ichiro Sakurada, Keiichi Nambu, Nikka, 80, 307 (1959)) has been reported, but none has been put into practical use.
[0006]
Furthermore, with respect to the polymerization of a vinyl chloride polymer using a Ziegler catalyst used for the polymerization of olefins such as polyethylene and polypropylene, for example, a method of producing a vinyl chloride polymer with Ti (O-nBu) 4 having a low Lewis acidity ( Yamazaki Hayao, Kogyo Kagaku, 70 (11), 1989 (1967)), a method of producing a vinyl chloride polymer by adding carbon tetrachloride to a Ti (O-nBu) 4 / AlCl 2 (C 2 H 5 ) system. (Satoshi Yamazaki, Industrial Chemistry, 68 (5), 881 (1965)) has been reported.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, the methods proposed in Japanese Patent Publication Nos. 34-2989 and 35-7588 are extremely disadvantageous industrially because it is necessary to carry out the polymerization reaction under a special condition of low temperature. In addition, since it is difficult to control the three-dimensional structure of the vinyl chloride monomer at room temperature, there has been no report on the control of the three-dimensional structure of the vinyl chloride polymer at room temperature, and vinyl chloride using a Ziegler catalyst is not yet available. The stereoregularity of the polymer is the same as that of the vinyl chloride polymer obtained by ordinary radical polymerization, and no report has been made on the stereoregularity control of the vinyl chloride polymer using a Ziegler catalyst.
[0008]
Therefore, an object of the present invention is to provide a method for producing a highly syndiotactic vinyl chloride polymer having excellent physical properties.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive investigations to solve the above problems, the inventors of the present invention obtained a vinyl chloride polymer obtained by polymerizing a vinyl chloride monomer in the presence of a specific compound. I found out that it was a city and completed the present invention.
[0010]
That is, the present invention is a highly syndiotactic characterized in that a vinyl chloride monomer is polymerized in the presence of an organoaluminum compound (A), titanium tetrachloride (B) and a halogenated hydrocarbon (C). The present invention relates to a method for producing a vinyl chloride polymer.
[0011]
Hereinafter, the present invention will be described in more detail.
[0012]
The present invention provides a high syndiotactic vinyl chloride characterized by polymerizing a vinyl chloride monomer in the presence of an organoaluminum compound (A), titanium tetrachloride (B) and a halogenated hydrocarbon (C). The present invention relates to a method for producing a polymer.
[0013]
As the organoaluminum compound (A) used in the present invention, any organoaluminum compound (A) can be used as long as it belongs to the category of the organoaluminum compound. For example, the general formula AlX 1 X 2 X 3 (wherein X 1 , X 2 and X 3 are each independently a halogen atom, an optionally substituted alkyl group, an optionally substituted aryl group, an optionally substituted alkoxy group or an optionally substituted aryloxy group. It is possible to use an organoaluminum compound represented by
[0014]
Here, as X 1 , X 2 , and X 3, when it is a halogen atom, for example, a fluorine atom, a chlorine atom, a bromine atom, and an iodine atom are exemplified. When it is an optionally substituted alkyl group, for example, methyl Group, ethyl group, n-propyl group, isopropyl group, n-butyl group, isobutyl group, etc., and when it is an aryl group which may be substituted, for example, phenyl group, naphthyl group, phenyl chloride group, bromide Examples thereof include a phenyl group and a methylphenyl group, and examples of the alkoxy group which may be substituted include a methoxy group, an ethoxy group, an n-propoxy group, an isopropoxy group, an n-butoxy group, and an isobutoxy group. In the case of an aryloxy group which may be substituted, for example, phenoxy group, naphthoxy group, phenoxy chloride group, phenoxy group bromide, methyl Examples of the organoaluminum compound (A) include trimethylaluminum, triethylaluminum, triisobutylaluminum, methylaluminum bis (2,6-di-tert-butyl-4-methylphenoxide), Examples thereof include dimethylaluminum chloride and methylaluminum dichloride.
[0015]
In the present invention, it is possible to produce a highly syndiotactic vinyl chloride polymer having particularly high production efficiency and excellent crystallinity. As the organoaluminum compound (A), trimethylaluminum, triethylaluminum can be used. One or more selected from the group consisting of triisobutylaluminum is preferred.
[0016]
As titanium tetrachloride (B) used in the present invention, generally known titanium tetrachloride can be used.
[0017]
Any halogenated hydrocarbon (C) may be used as long as it belongs to the category of halogenated hydrocarbons. For example, the general formula CClZ 1 Z 2 Z 3 (wherein Z 1 , Z 2 and Z 3 are each independently a halogen atom, a hydrogen atom, an optionally substituted alkyl group, an optionally substituted aryl group, an optionally substituted alkoxy group or a substituted group. It is possible to use a halogenated hydrocarbon represented by the following:
[0018]
Here, examples of Z 1 , Z 2 , and Z 3 include a halogen atom, for example, a fluorine atom, a chlorine atom, a bromine atom, and an iodine atom, and an alkyl group that may be substituted, for example, methyl Group, ethyl group, n-propyl group, isopropyl group and the like, and in the case of an aryl group which may be substituted, for example, phenyl group, naphthyl group, phenyl chloride group, phenyl bromide group, methylphenyl group, etc. In the case of an optionally substituted alkoxy group, for example, a methoxy group, an ethoxy group, an n-propoxy group, an isopropoxy group, etc., and in the case of an optionally substituted aryloxy group, for example, a phenoxy group , Naphthoxy groups, phenoxy chloride groups, phenoxy bromide groups, methylphenoxy groups, and the like, and such halogenated hydrocarbons (C) It is then may include, for example, carbon tetrachloride, chloroform, dichloromethane, chloromethane, dichloroethane, trichloroethane, carbon tetrabromide, methyl bromide and the like.
[0019]
In the present invention, carbon tetrachloride and / or chloroform are particularly preferable as the halogenated hydrocarbon (C) because it is a production method of a highly syndiotactic vinyl chloride polymer having high production efficiency and excellent crystallinity. .
[0020]
Further, the use ratio of the vinyl chloride monomer, the organoaluminum compound (A), titanium tetrachloride (B) and the halogenated hydrocarbon (C) in the production method of the present invention is arbitrary. Since a tic vinyl chloride polymer can be produced with high production efficiency, vinyl chloride monomer / organoaluminum compound (A) / titanium tetrachloride (B) / halogenated hydrocarbon (C) = 50/1/1/1 It is preferable to use within a ratio (molar ratio) range of 150/5/1/250.
[0021]
As the vinyl chloride monomer used in the present invention, a vinyl chloride monomer alone or another vinyl monomer capable of copolymerization of a vinyl chloride monomer and a vinyl chloride monomer is used. Mention may be made of mixtures. Examples of other vinyl monomers that can be copolymerized with vinyl chloride monomer include ethylene, propylene, butene, pentene-1, butadiene, acrylonitrile, vinylidene chloride, vinylidene cyanide, N-vinylpyrrolidone, vinyl Examples thereof include pyridine.
[0022]
As the production method in the present invention, general polymerization reactions such as bulk polymerization, suspension polymerization, emulsion polymerization, and solution polymerization can be performed. And there is no restriction | limiting in particular as a solvent at the time of performing solution polymerization, Conventional solvents, For example, hydrocarbon solvents, such as hexane; Ketones, such as acetone and cyclohexane; Ethers, such as 1, 4- dioxane, tetrahydrofuran; Aromatic solvents such as toluene and benzene can be mentioned, and among them, hexane and toluene are particularly preferable.
[0023]
Moreover, when implementing this invention, it is preferable to perform a polymerization reaction in inert atmosphere, such as nitrogen and argon. The conditions for carrying out the polymerization reaction are not particularly limited and can be appropriately selected. The polymerization reaction pressure may be under normal pressure or under pressure. In addition, the polymerization reaction temperature can be selected, for example, in the range of −78 ° C. to 50 ° C. In particular, in the present invention, the reaction temperature can be easily controlled. Even if the polymerization reaction is carried out in the range of −20 ° C. to 40 ° C., especially 0 to 20 ° C., which has been considered difficult to control, a highly syndiotactic vinyl chloride polymer can be produced.
[0024]
The high syndiotactic vinyl chloride polymer obtained by the present invention can be used for general vinyl chloride polymers such as films, sheets and paints.
[0025]
【Example】
EXAMPLES The present invention will be described in detail below with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.
[0026]
The reactions in the following examples were conducted under a dry nitrogen atmosphere unless otherwise specified.
[0027]
-Measurement of number average molecular weight and weight average molecular weight of vinyl chloride polymer-
The vinyl chloride polymers obtained in Examples and Comparative Examples were subjected to gel permeation chromatography (manufactured by JASCO Corporation) using tetrahydrofuran as a solvent, and the number average molecular weight (Mn) in terms of polystyrene and The weight average molecular weight (Mw) was measured.
[0028]
-NMR measurement of vinyl chloride polymer-
Using the vinyl chloride polymer obtained in Examples and Comparative Examples as a deuterated nitrobenzene solvent of 5% by weight, NMR measurement was performed using 100 MHz NMR (trade name: Varian Gemini 2000 spectrometer), and triplet (rr / mr). Rr ratio (% by weight) of / mm) was determined from the following formula, and the stereoregularity was evaluated using the rr ratio as the value of the syndiotacticity of the triplet.
[0029]
rr ratio (%) = rr peak / (rr peak + mr peak + mm peak) × 100
Example 1
In a stainless steel reaction vessel, 0.02 ml (0.20 mmol) of titanium tetrachloride, 0.12 ml (0.24 mmol) of trimethylaluminum (15 wt% hexane solution), and 3 ml (30 mmol) of carbon tetrachloride at room temperature in a nitrogen atmosphere. After rapidly adding without aging time, 2 ml (28.8 mmol) of vinyl chloride monomer was charged at −78 ° C., and immersed in a constant temperature bath prepared at 20 ° C. to initiate the polymerization reaction. When the reaction time reached 24 hours, the polymerization reaction system was cooled to −78 ° C., and a small amount of methanol was added to terminate the polymerization. The obtained polymerization reaction solution was put into a large amount of methanol containing 5 vol% hydrochloric acid to recover a vinyl chloride polymer.
[0030]
The evaluation results of the obtained vinyl chloride polymer are shown in Table 1.
[0031]
The measurement result of the NMR measurement of the obtained vinyl chloride polymer is shown in FIG.
[0032]
The number average molecular weight of the obtained vinyl chloride polymer was 11100, and the rr ratio was 40%.
[0033]
Example 2
In a stainless steel reaction vessel, 0.02 ml (0.20 mmol) of titanium tetrachloride, 0.18 ml (0.24 mmol) of triethylaluminum (15 wt% hexane solution), and 3 ml (30 mmol) of carbon tetrachloride at room temperature in a nitrogen atmosphere. After rapidly adding without aging time, 2 ml (28.8 mmol) of vinyl chloride monomer was charged at −78 ° C., and immersed in a constant temperature bath prepared at 20 ° C. to initiate the polymerization reaction. When the reaction time reached 24 hours, the polymerization reaction system was cooled to −78 ° C., and a small amount of methanol was added to terminate the polymerization. The obtained polymerization reaction solution was put into a large amount of methanol containing 5 vol% hydrochloric acid to recover a vinyl chloride polymer.
[0034]
The evaluation results of the obtained vinyl chloride polymer are shown in Table 1.
[0035]
The number average molecular weight of the obtained vinyl chloride polymer was 13000, and the rr ratio was 40%.
[0036]
Example 3
In a stainless steel reaction vessel, at room temperature under a nitrogen atmosphere, 0.02 ml (0.20 mmol) of titanium tetrachloride, 0.32 ml (0.24 mmol) of triisobutylaluminum (15 wt% hexane solution), and 3 ml (30 mmol) of carbon tetrachloride Was quickly added without aging time, and then 2 ml (28.8 mmol) of vinyl chloride monomer was charged at −78 ° C. and immersed in a thermostatic bath prepared at 20 ° C. to initiate the polymerization reaction. When the reaction time reached 24 hours, the polymerization reaction system was cooled to −78 ° C., and a small amount of methanol was added to terminate the polymerization. The obtained polymerization reaction solution was put into a large amount of methanol containing 5 vol% hydrochloric acid to recover a vinyl chloride polymer.
[0037]
The evaluation results of the obtained vinyl chloride polymer are shown in Table 1.
[0038]
The number average molecular weight of the obtained vinyl chloride polymer was 17300, and the rr ratio was 41%.
[0039]
Example 4
In a stainless steel reaction vessel, 0.08 ml (0.80 mmol) of titanium tetrachloride, 0.48 ml (0.96 mmol) of trimethylaluminum (15 wt% hexane solution), and 3 ml (30 mmol) of carbon tetrachloride at room temperature in a nitrogen atmosphere. After rapidly adding without aging time, 2 ml (28.8 mmol) of vinyl chloride monomer was charged at −78 ° C., and immersed in a constant temperature bath prepared at 20 ° C. to initiate the polymerization reaction. When the reaction time reached 24 hours, the polymerization reaction system was cooled to −78 ° C., and a small amount of methanol was added to terminate the polymerization. The obtained polymerization reaction solution was put into a large amount of methanol containing 5 vol% hydrochloric acid to recover a vinyl chloride polymer.
[0040]
The evaluation results of the obtained vinyl chloride polymer are shown in Table 1.
[0041]
The number average molecular weight of the obtained vinyl chloride polymer was 10300, and the rr ratio was 41%.
[0042]
Example 5
In a stainless steel reaction vessel, 0.02 ml (0.20 mmol) of titanium tetrachloride, 0.12 ml (0.24 mmol) of trimethylaluminum (15 wt% hexane solution), and 5 ml (50 mmol) of carbon tetrachloride at room temperature in a nitrogen atmosphere. After rapidly adding without aging time, 2 ml (28.8 mmol) of vinyl chloride monomer was charged at −78 ° C., and immersed in a constant temperature bath prepared at 20 ° C. to initiate the polymerization reaction. When the reaction time reached 24 hours, the polymerization reaction system was cooled to −78 ° C., and a small amount of methanol was added to terminate the polymerization. The obtained polymerization reaction solution was put into a large amount of methanol containing 5 vol% hydrochloric acid to recover a vinyl chloride polymer.
[0043]
The evaluation results of the obtained vinyl chloride polymer are shown in Table 1.
[0044]
The number average molecular weight of the obtained vinyl chloride polymer was 8100, and the rr ratio was 40%.
[0045]
Example 6
In a stainless steel reaction vessel, 0.02 ml (0.20 mmol) of titanium tetrachloride, 0.12 ml (0.24 mmol) of trimethylaluminum (15 wt% hexane solution) and 1 ml (10 mmol) of carbon tetrachloride at room temperature in a nitrogen atmosphere. After rapidly adding without aging time, 2 ml (28.8 mmol) of vinyl chloride monomer was charged at −78 ° C., and immersed in a constant temperature bath prepared at 20 ° C. to initiate the polymerization reaction. When the reaction time reached 24 hours, the polymerization reaction system was cooled to −78 ° C., and a small amount of methanol was added to terminate the polymerization. The obtained polymerization reaction solution was put into a large amount of methanol containing 5 vol% hydrochloric acid to recover a vinyl chloride polymer.
[0046]
The evaluation results of the obtained vinyl chloride polymer are shown in Table 1.
[0047]
The number average molecular weight of the obtained vinyl chloride polymer was 13500, and the rr ratio was 39%.
[0048]
Example 7
In a stainless steel reaction vessel, at room temperature under a nitrogen atmosphere, 0.02 ml (020 mmol) of titanium tetrachloride, 0.12 ml (0.24 mmol) of trimethylaluminum (15 wt% hexane solution), 3 ml of toluene and 3 ml (30 mmol) of carbon tetrachloride Was quickly added without aging time, and then 2 ml (28.8 mmol) of vinyl chloride monomer was charged at −78 ° C. and immersed in a thermostatic bath prepared at 20 ° C. to initiate the polymerization reaction. When the reaction time reached 24 hours, the polymerization reaction system was cooled to −78 ° C., and a small amount of methanol was added to terminate the polymerization. The obtained polymerization reaction solution was put into a large amount of methanol containing 5 vol% hydrochloric acid to recover a vinyl chloride polymer.
[0049]
The evaluation results of the obtained vinyl chloride polymer are shown in Table 1.
[0050]
The number average molecular weight of the obtained vinyl chloride polymer was 8500, and the rr ratio was 39%.
[0051]
Example 8
In a stainless steel reaction vessel, 0.02 ml (0.20 mmol) of titanium tetrachloride, 0.12 ml (0.24 mmol) of trimethylaluminum (15 wt% hexane solution), and 3 ml (30 mmol) of carbon tetrachloride at room temperature in a nitrogen atmosphere. After quickly adding without aging time, 2 ml (28.8 mmol) of vinyl chloride monomer was charged at −78 ° C., and immersed in a thermostatic bath prepared at 30 ° C. to initiate the polymerization reaction. When the reaction time reached 24 hours, the polymerization reaction system was cooled to −78 ° C., and a small amount of methanol was added to terminate the polymerization. The obtained polymerization reaction solution was put into a large amount of methanol containing 5 vol% hydrochloric acid to recover a vinyl chloride polymer.
[0052]
The evaluation results of the obtained vinyl chloride polymer are shown in Table 1.
[0053]
The number average molecular weight of the obtained vinyl chloride polymer was 10200, and the rr ratio was 37%.
[0054]
Example 9
In a stainless steel reaction vessel, 0.02 ml (0.20 mmol) of titanium tetrachloride, 0.12 ml (0.24 mmol) of trimethylaluminum (15 wt% hexane solution), and 3 ml (30 mmol) of carbon tetrachloride at room temperature in a nitrogen atmosphere. After rapidly adding without aging time, 2 ml (28.8 mmol) of vinyl chloride monomer was charged at −78 ° C., and immersed in a constant temperature bath prepared at −20 ° C. to initiate the polymerization reaction. When the reaction time reached 24 hours, the polymerization reaction system was cooled to −78 ° C., and a small amount of methanol was added to terminate the polymerization. The obtained polymerization reaction solution was put into a large amount of methanol containing 5 vol% hydrochloric acid to recover a vinyl chloride polymer.
[0055]
The evaluation results of the obtained vinyl chloride polymer are shown in Table 1.
[0056]
The number average molecular weight of the obtained vinyl chloride polymer was 28400, and the rr ratio was 43%.
[0057]
Example 10
A stainless steel reaction vessel was charged with 0.02 ml (0.20 mmol) of titanium tetrachloride, 0.12 ml (0.24 mmol) of trimethylaluminum (15 wt% hexane solution) and 2.5 ml (30 mmol) of chloroform at room temperature under a nitrogen atmosphere. After rapidly adding without aging time, 2 ml (28.8 mmol) of vinyl chloride monomer was charged at −78 ° C., and immersed in a constant temperature bath prepared at 20 ° C. to initiate the polymerization reaction. When the reaction time reached 24 hours, the polymerization reaction system was cooled to −78 ° C., and a small amount of methanol was added to terminate the polymerization. The obtained polymerization reaction solution was put into a large amount of methanol containing 5 vol% hydrochloric acid to recover a vinyl chloride polymer.
[0058]
The evaluation results of the obtained vinyl chloride polymer are shown in Table 1.
[0059]
The number average molecular weight of the obtained vinyl chloride polymer was 10500, and the rr ratio was 40%.
[0060]
Comparative Example 1
In a stainless steel reaction vessel, in a nitrogen atmosphere, at −78 ° C., 2.6 ml (38.1 mmol) of vinyl chloride monomer and 0.4 ml of tributylboron (1 mol / L THF solution) as a radical polymerization initiator (0. 42 mmol) was charged and immersed in a constant temperature bath adjusted to 30 ° C., a small amount of air was added to the reaction system to initiate the polymerization reaction. When the reaction time passed 24 hours, the polymerization reaction system was cooled to −78 ° C., and hydroquinone as a radical polymerization inhibitor was added to terminate the polymerization. The obtained polymerization reaction solution was put into a large amount of methanol to recover a vinyl chloride polymer.
[0061]
The evaluation results of the obtained vinyl chloride polymer are shown in Table 2.
[0062]
The number average molecular weight of the obtained vinyl chloride polymer was 13600, and the rr ratio was 32%.
[0063]
Comparative Example 2
In a stainless steel reaction vessel, in a nitrogen atmosphere, at −78 ° C., 2.6 ml (38.1 mmol) of vinyl chloride monomer and 0.4 ml of tributylboron (1 mol / L THF solution) as a radical polymerization initiator (0. 42 mmol) was charged and immersed in a constant temperature bath adjusted to 20 ° C., and a small amount of air was added to the reaction system to initiate the polymerization reaction. When the reaction time passed 24 hours, the polymerization reaction system was cooled to −78 ° C., and hydroquinone as a radical polymerization inhibitor was added to terminate the polymerization. The obtained polymerization reaction solution was put into a large amount of methanol to recover a vinyl chloride polymer.
[0064]
The evaluation results of the obtained vinyl chloride polymer are shown in Table 2.
[0065]
The measurement result of the NMR measurement of the obtained vinyl chloride polymer is shown in FIG.
[0066]
The number average molecular weight of the obtained vinyl chloride polymer was 19000, and the rr ratio was 34%.
[0067]
Comparative Example 3
After rapidly adding 0.02 ml (0.20 mmol) of titanium tetrachloride and 0.12 ml (0.24 mmol) of trimethylaluminum (15 wt% hexane solution) to a stainless steel reaction vessel at room temperature in a nitrogen atmosphere without aging time Then, 2 ml (28.8 mmol) of vinyl chloride monomer was charged at −78 ° C. and immersed in a constant temperature bath prepared at 20 ° C. to initiate the polymerization reaction. When the reaction time reached 24 hours, the polymerization reaction system was cooled to −78 ° C., and a small amount of methanol was added to terminate the polymerization. Recovery of the vinyl chloride polymer was attempted by putting the obtained polymerization reaction solution into a large amount of methanol containing 5 vol% hydrochloric acid, but no vinyl chloride polymer was obtained.
[0068]
The polymerization reaction of the vinyl chloride monomer did not proceed.
[0069]
Comparative Example 4
In a stainless steel reaction vessel, 0.07 ml (0.20 mmol) of tetrabutoxytitanium, 0.12 ml (0.24 mmol) of trimethylaluminum (15 wt% hexane solution) and 3 ml (30 mmol) of carbon tetrachloride at room temperature in a nitrogen atmosphere. After rapidly adding without aging time, 2 ml (28.8 mmol) of vinyl chloride monomer was charged at −78 ° C., and immersed in a constant temperature bath prepared at 20 ° C. to initiate the polymerization reaction. When the reaction time reached 24 hours, the polymerization reaction system was cooled to −78 ° C., and a small amount of methanol was added to terminate the polymerization. The obtained polymerization reaction solution was put into a large amount of methanol containing 5 vol% hydrochloric acid to recover a vinyl chloride polymer.
[0070]
The evaluation results of the obtained vinyl chloride polymer are shown in Table 2.
[0071]
The number average molecular weight of the obtained vinyl chloride polymer was 18700, and the rr ratio was 34%.
[0072]
[Table 1]
[0073]
[Table 2]
[0074]
【The invention's effect】
The present invention provides a novel method for producing a highly syndiotactic vinyl chloride polymer, and its industrial value is extremely high.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a spectrum of a methine moiety measured by carbon 13-NMR spectrum of a vinyl chloride polymer obtained in Example 1, and the stereoregularity of a triplet is assigned as rr, mr, mm from the low magnetic field side. The
FIG. 2 is a spectrum of a methine moiety by carbon 13-NMR spectrum measurement of the vinyl chloride polymer obtained in Comparative Example 2, and the stereoregularity of the triplet is assigned as rr, mr, mm from the low magnetic field side. The
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