JP4720781B2 - 車両制御装置のデータ書換システム - Google Patents
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Description
施されないようにすることができる。
また、請求項1に記載の車両制御装置のデータ書換システムにおける上記書換指令の受信及び上記問合せは、請求項2に記載のように、携帯電話回線を通じて行うようにすることができる。
さらに、請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の車両制御装置のデータ書換システムにおいて、前記書換禁止指令が、前記書換指令の配線に使用した回線とは別の複数の回線を用いて各車両の車両制御装置に一斉配信される。
以下、本発明の車両制御装置のデータ書換システムを具体化した実施の形態の説明に先立ち、第1の比較例を、図1〜図7を参照して詳細に説明する。本比較例では、車両制御装置は、書換指令を受信すると、その指令が正当であるか否かの問い合せを行うようにしている。そしてその問合せの回答によって、書換指令が正当であることが確認されたとき
に限り、その書換指令に基づくデータ書換を許可することで、換言すれば、書換指令が正当でないことが確認されたときには、その書換指令に基づくデータ書換を禁止することで、不正な書換指令の配信に応じて不正なデータ書換が実施されることを防止するようにしている。なお、ここでの車両制御装置の「データ書換」とは、車両制御装置に記憶された制御プログラム及び制御データの少くとも一方の書き換えを意味している。
まず図4を参照して、書換実施局11の実施する「書換指令配信処理」の詳細を説明する。書換取り纏め局10から書換指令を受信して本処理が開始されると、書換実施局11はまず、ステップS401において、データ書換の対象となる各車両13の車両制御装置20に、携帯電話回線12を接続して、書換指令を配信する。そして書換実施局11は、続くステップS402において、書換指令を配信した車両13のそれぞれについて、書換指令配信履歴を記録して、本処理を終了する。
続いて図5を参照して、書換実施局11の実施する「回答処理」の詳細を説明する。書換指令を配信した車両13からのコールバックを受けて本処理が開始されると、書換実施局11はまず、ステップS501において、そのコールバックにて通知された車両コードに該当する車両13の書換指令配信履歴を検査し、その有無を確認する。ここで該当車両13の書換指令配信履歴が無ければ(S501:NO)、書換実施局11はステップS505において、問合せを行なった車両13に対して書換指令配信履歴無しを回答して、本処理を終了する。一方、該当車両13の書換指令配信履歴が有れば(S501:YES)、書換実施局11は、ステップS502において、問合せを行なった車両13に対して、書換指令配信履歴有りを回答する。そして書換実施局13は、続くステップS503において、書換用データをその車両13に送信し、更に続くステップS504において、その車両13の書換指令配信履歴をクリアして、本処理を終了する。
まず図6を参照して、車両制御装置20の実施する「問合処理」の詳細を説明する。書換指令を受信して本処理が開始されると、車両制御装置20はまず、ステップS601において、自身が「書換初期モード」にあるか否かを確認する。「書換初期モード」とは、未だ上述の書換許可モード、及び書換禁止モードのいずれのモードにもなっていない状態を示すものであり、書換指令を初めて受信したときの車両制御装置20は、この書換初期モードとされている。ここで、書換初期モードで無いことが確認されると(S601:NO)、車両制御装置20はステップS607において自身を上記「書換禁止モード」に移行して本処理を終了する。一方、書換初期モードとなっていれば(S601:YES)、車両制御装置20は、ステップS602において、先に書換指令を受信した携帯電話回線12を一旦切断する。そして続くステップS603において、自身の記憶する連絡先情報に基き、正当な書換実施局11に携帯電話回線12を継ぎ直す(コールバック)。このときに車両制御装置20は、正当な書換実施局11に自身の車両コードを通知する。ここでコールバックを行うと、書換実施局11は上述の回答処理を実施して、コールバックを行なった車両13に対する書換指令配信履歴の有無を回答することになる。車両制御装置20は、ステップS604において、この回答を受信する。そして車両制御装置20は、書換指令配信履歴有りが回答されたのであれば(S605:YES)、ステップS606にて自身を「書換許可モード」に移行し、そうでなければ(S605:NO)、ステップS607にて自身を「書換禁止モード」に移行して、本処理を終了する。
続いて図7を参照して、車両制御装置20の実施する「データ書換処理」の詳細を説明する。書換用データが受信されて本処理が開始されると、車両制御装置20はまず、ステップS701において、自身が「書換許可モード」にあるか否かを確認する。ここで「書換許可モード」でない(S701:NO)とすれば、書換禁止モードに移行済みであるか、書換指令配信履歴の問合せに対する回答をせぬまま、書換用データを配信したか、のいずれかであり、いずれにせよ、正当な手順を経ないで書換用データが配信されたものと考えられる。そこでこのときの車両制御装置20は、既に書換禁止モードとなっていればそのまま、なっていなければ、ステップS704において書換禁止モードに移行して、本処理を終了する。一方、「書換許可モード」となっていれば(S701:YES)、車両制御装置20はステップS702において、配信された書換用データに基づき、自身のデータ書換を実施する。そして車両制御装置20は、ステップS703において、自身を「書換初期モード」に移行させた後、本処理を終了する。
(1)本比較例では、書換指令を受信すると、その指令が正当であるか否かを車両制御装置20の側から問合せ、正当であると確認されない限り、その指令に基くデータ書換の実施を許可しないようにしている。すなわち、書換指令が正当でないと確認されたときには、その指令に基くデータ書換の実施を禁止するようにしている。そのため、不正な書換指令の配信に対して、その不正な書換指令に基づく不正なデータ書換の実施を好適に防止することができる。
次に、上記車両制御装置のデータ書換システムに対する第2の比較例を、上記第1の比較例と異なる点を中心に説明する。なお以下の説明において、上記第1の比較例のものと同様の構成及び機能を備える部材については、同一の符号を付してその説明を省略する。
同図に示すように書換取り纏め局10は、書換実施局11に書換指令を発行すると、データ書換の対象とする車両13のそれぞれについて、書換指令を発行した旨の履歴(書換指令発行履歴)を記録する。書換取り纏め局10の発行した書換指令を受信した書換実施局11は、データ書換の対象となる各車両13の車両制御装置20に、携帯電話回線12を通じて書換指令を配信するとともに、書換指令を配信した車両13のそれぞれについて、書換指令を配信した旨の履歴(書換指令配信履歴)を記録する。
まず図10を参照して、書換取り纏め局10の実施する「書換指令発行処理」の詳細を説明する。本処理が開始されると、書換取り纏め局10はまず、ステップS1001において、書換実施局11に対し、データ書換の対象となる車両13を指定した上で書換指令を発行する。そして書換取り纏め局10は、続くステップS1002において、データ書換の対象となる車両13のそれぞれについて、書換指令発行履歴を記録して、本処理を終了する。
次に図11を参照して、本比較例においては書換取り纏め局10が実施する「回答処理」の詳細を説明する。車両制御装置20からの問合せを受けて本処理が開始されると、書換取り纏め局10はまず、ステップS1101において、受信した車両コードに該当する車両13に対する書換指令発行履歴を検索し、その有無を確認する。ここで該当車両13の書換指令発行履歴が有れば(S1101:YES)、書換取り纏め局10は、ステップS1102において、車両制御装置20に対して「書換指令発行履歴有り」を回答し、更にステップS1103において、該当車両13についての書換指令発行履歴をクリアして本処理を終了する。一方、該当車両13の書換指令発行履歴が無ければ(S1101:NO)、書換取り纏め局10は、ステップS1104において、車両制御装置20に対して「書換指令発行履歴無し」を回答して本処理を終了する。
ここで図12を参照して、書換実施局11の実施する「書換用データ送信処理」の詳細を説明する。車両制御装置20からの書換用データの送信要求が行われて本処理が開始されると、書換実施局11はまずステップS1201において、送信要求時に通知された車両コードに該当する車両13についての書換指令配信履歴を検索し、その有無を確認する。ここで該当車両13の書換指令配信履歴が有れば(S1201:YES)、書換実施局11は、ステップS1202において車両制御装置20に書換用データを送信し、続くステップS1203において該当車両13の書換指令配信履歴をクリアして本処理を終了する。一方、該当車両13の書換指令配信履歴が無ければ(S1201:NO)、書換実施局11は、そのまま本処理を終了する。
まず図13を参照して、本比較例における「問合処理」の詳細を説明する。書換指令を受信して本処理が開始されると、車両制御装置20はまず、ステップS1301において、自身が上述の「書換初期モード」にあるか否かを確認する。ここで、書換初期モードで無いことが確認されると(S1301:NO)、車両制御装置20はステップS1304にて自身を「書換禁止モード」に移行して本処理を終了する。一方、書換初期モードとなっていれば(S1301:YES)、車両制御装置20は、ステップS1302において、先に書換指令を受信した携帯電話回線12を一旦切断する。そして続くステップS1303において、自身の記憶する連絡先情報に基き、書換取り纏め局10に携帯電話回線12を継ぎ直し(コールバック)、自身の車両コードを通知する。
次に図14を参照して、車両制御装置20の実施する「書換モード設定処理」の詳細を説明する。上記「問合処理」(図13)を実施すると、書換取り纏め局10において「回答処理」(図11)が実施され、自車に対する書換指令発行履歴の有無が回答される。本処理は、この回答の受信に応じて実施される。
(5)本比較例では、車両制御装置20は、受信した書換指令が正当であるか否かの問合せを書換取り纏め局10に対して行うようにしている。そのため、書換実施局11が誤動作や故障によって書換指令を誤って配信した場合にも、その誤った指令に基く不正なデータ書換が実施されないようにすることができる。
・上記各比較例では、受信した書換指令が不正であることが一旦確認されると、以後における書換指令の受付、すなわち書換指令に基くデータ書換の実施を一切禁止するようにしていた。不正な書換指令が配信されるような状況では、データ書換システムに深刻な不具合が発生しており、不正な書換指令が以後も再三に渡り配信される可能性があるため、こうして以後の書換指令の受付けを禁止する対応は有効である。もっとも、再三に渡り、不正な書換指令が配信されたとしても、書換指令を受信する毎にその正当性を確認すれば、不正なデータ書換の実施は回避することができる。よって書換禁止モードを、一度の書換指令及び書換用データの配信に限り有効とし、その都度、解除する(書換初期モードに復帰する)ようにしてもよい。その場合、図6の問合処理において、その実施時に車両制御装置20が書換許可モードにあるか否かに関わらず、同処理の実施後は、書換初期モードに移行する構成とすることになる。より具体的には、書換指令を受信したことで起動するこの問合処理の最初のステップS601にて、モードの判断を行うのではなく、モードを書換初期モードに設定して、図6に示されるステップS602以降の処理を実行するようにすれば良い。第2の比較例においては、図13に示すステップS1301の判断処理を上述の「書換初期モードに設定する」処理へと変更すれば良い。
次に、本発明の車両制御装置のデータ書換システムを具体化した一実施の形態を、上記各比較例と異なる点を中心に説明する。なお以下の説明において、上記各比較例のものと同様の構成及び機能を備える部材については、同一の符号を付してその説明を省略する。
信局31を通じて、各車両13の車両制御装置20に上述の書換禁止指令を一斉配信するように構成されている。各車両13のナビゲーション装置26には、上記FM放送局30からのFM多重放送30Aや、路車間通信局31の光/電波ビーコンからの光/電波通信31Aを受信するための受信器26Aが設置されている。
(6)本実施の形態では、書換指令の配信に使用する回線(携帯電話回線12)とは別の回線(FM多重放送30A、路車間通信システムの光/電波通信31A)を用いて書換禁止指令を各車両13の車両制御装置20に配信し、データ書換の実施を禁止させるようにしている。そのため、書換指令の配信に使用する回線にたとえ問題があったとしても、車両制御装置20のデータ書換を禁止させることが可能となる。
・上記実施の形態では、書換指令の配信用の回線として携帯電話回線12を使用し、書換禁止指令の配信用の回線としてFM多重放送30A及び路車間通信システムの光/電波通信31Aを使用するようにしていたが、両指令の配信に使用する回線の組み合わせは、これに限らず、適宜変更しても良い。要は、書換指令の配信に使用する回線と、書換禁止指令に使用する回線とを別のものとしておけば、書換指令配信用の回線に不具合があっても、書換禁止指令を配信可能とすることができる。
<書換禁止モードからの復帰>
上記実施形態及び各比較例では、車両制御装置20は、書換取り纏め局10や書換実施局11への問合せにより、受信した書換指令が不正であることが確認されたときや、書換禁止指令を受信したときに、自身を「書換禁止モード」に移行して、以後に書換用データを受信しても、データ書換を実施しないようにしていた。もっとも、書換禁止モードのままでは、以降、データ書換は一切実施できないことになるため、適切な時期に書換禁止モードからの復帰を行う必要がある。ここでは、そうした書換禁止モードからの復帰の条件として、以下の条件(イ)、(ロ)を提示する。なお、復帰の条件として下記(イ)、(ロ)のいずれかを採用する以外にも、下記(イ)及び(ロ)のいずれか一方の成立を復帰の条件としたり、下記(イ)及び(ロ)の双方の成立を復帰の条件としたりすることもできる。
(ロ)書換取り纏め局10などから復帰指令を受信すること。
図18は、上記(イ)を復帰条件としたときの、書換禁止モードからの復帰に係る処理(復帰処理)の態様を示している。本処理は、定時割込み処理として車両制御装置20によって周期的に実施されるものとなっている。
Claims (3)
- 無線通信ネットワークを通じて書換指令を配信して各車両の車両制御装置のデータ書換を実施させる車両制御装置のデータ書換システムにおいて、
前記車両制御装置は、前記書換指令を配信する書換実施局から前記書換指令の受信に用いた回線を一旦切断した後、回線を再接続して前記書換指令が正当であるか否かの問合せを行い、前記書換実施局での前記書換指令の発行の履歴の有無により当該受信した書換指令が正当であることが確認されたときに限り、その書換指令に基づくデータ書換を許容するとともに、前記書換指令が正当でないことが確認されたときには、前記書換指令に基づくデータ書換を禁止させるための書換禁止指令を前記書換指令の配信に使用した回線とは別の回線を用いて各車両の車両制御装置に配信し、各車両の車両制御装置は、当該配信された書換禁止指令に基づき以後における前記書換指令の受付を禁止する
ことを特徴とする車両制御装置のデータ書換システム。 - 前記車両制御装置は、前記書換指令の受信及び前記問合せを、携帯電話回線を通じて行う
請求項2に記載の車両制御装置のデータ書換システム。 - 前記書換禁止指令が、前記書換指令の配線に使用した回線とは別の複数の回線を用いて各車両の車両制御装置に一斉配信される
請求項1または2に記載の車両制御装置のデータ書換システム。
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