JP4714107B2 - 車両用赤外光照射ランプ - Google Patents
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Description
この為、赤外光用の配光パターンを優先すると、ハイビームでは十分な遠方照射が行えず、良好な遠方視認性が確保し難くなる。一方、ハイビーム用の配光パターンを優先すると、赤外光照射では赤外光が集束して横方向へ拡散されず、歩道や路肩等の側方向への赤外光照射が不十分となる。従って、赤外光とハイビームとを切り換えて出射する為には、互いの配光パターンを妥協しなければならず、必ずしも使い勝手が良いとは言えなかった。
前記投影レンズの後方側焦点よりも後方側に設けられ、発光するフィラメントを有する光源バルブと、
前記光源バルブからの光を前方へ向けて前記光軸よりに反射するリフレクタと、
前記リフレクタと前記投影レンズとの間に設けられた赤外光透過フィルタと、を備えた車両用赤外光照射ランプであって、
前記赤外光透過フィルタは、前記投影レンズの後方側焦点よりも後方に配置され、赤外光透過膜が前記リフレクタからの反射光を遮る透過位置と反射光を遮らない退避位置との間を変位可能であると共に、前記リフレクタからの光を拡散させる拡散部を備え、前記拡散部の溝底部が光軸上近傍にある凹形状であることを特徴とする車両用赤外光照射ランプにより達成される。
そこで、ハイビーム時には遠方を照射して良好な遠方視認性が確保されるようにリフレクタの配光パターンを設定しても、赤外光照射時には拡散部によって赤外光を横方向へ拡散させて、歩道や路肩等、側方向への赤外光の照射を補うことが可能となる。
前記投影レンズの後方側焦点よりも後方側に設けられ、発光するフィラメントを有する光源バルブと、
前記光源バルブからの光を前方へ向けて前記光軸よりに反射するリフレクタと、
前記リフレクタと前記投影レンズとの間に設けられた赤外光透過フィルタと、を備えた車両用赤外光照射ランプであって、
前記赤外光透過フィルタは、前記投影レンズの後方側焦点よりも前方に配置され、赤外光透過膜が前記リフレクタからの反射光を遮る透過位置と反射光を遮らない退避位置との間を変位可能であると共に、前記リフレクタからの光を拡散させる拡散部を備え、前記拡散部の稜線が光軸上近傍にある凸形状であることを特徴とする車両用赤外光照射ランプにより達成される。
上記構成の車両用赤外光照射ランプによれば、赤外光照射時に赤外光透過フィルタを透過するリフレクタからの光のうち、拡散部を透過した光が水平方向に拡散され、ハイビームと異なる配光が得られる。
そこで、ハイビーム時には遠方を照射して良好な遠方視認性が確保されるようにリフレクタの配光パターンを設定しても、赤外光照射時には拡散部によって赤外光を横方向へ拡散させて、歩道や路肩等、側方向への赤外光の照射を補うことが可能となる。
更に、赤外光透過フィルタが投影レンズの後方側焦点よりも前方に設けられるので、リフレクタからの反射光が凸形状の拡散部を通過することにより、投影レンズとの間で拡散され、投影レンズに向かって照射される。これにより、投影レンズを通過することで、より大きな拡散光が得られる。
このような構成の車両用赤外光照射ランプによれば、赤外光透過フィルタの反射による透過率低下を抑えることができる。
すなわち、リフレクタからの反射光が赤外光透過フィルタを通過する際、凹凸形状から成る拡散部が赤外光透過フィルタの入射面に形成されていると、光の入射角度が大きくなり、ある角度で反射率が上がり、透過率が下がる。本構成によれば、凹凸形状から成る拡散部が出射面に形成されることで、光の入射角度が大きくならず、反射率の上がることを抑え、透過率(フィルタ効率)を上げることができる。
このような構成の車両用赤外光照射ランプによれば、例えば、ハイビームにおいてある程度の拡散が要求される場合、予めリフレクタで拡散出射が可能となる調整が行われるが、この際、拡散部を形成した赤外光透過フィルタがそのまま用いられると、拡散部を形成した赤外光透過フィルタにより必要な範囲以上の拡散が生じてしまうところ、配光調整部によって集束され、必要以上の拡散が是正可能となる。
そこで、ハイビーム時には遠方を照射して良好な遠方視認性が確保されるようにリフレクタの配光パターンを設定しても、赤外光照射時には拡散部によって赤外光を横方向へ拡散させて、歩道や路肩等、側方向への赤外光の照射を補うことが可能となり、ハイビームと赤外光照射の相反する要求を同時に達成することができる。
図1は本発明の第1実施形態に係る車両用赤外光照射ランプの垂直断面図、図2及び図3は図1に示した光源ユニットの水平断面及び縦断面図、図4は図1に示した光源ユニットの分解斜視図である。
そして、歩行者や障害物やレーンマークなどの映像は、ヘッドアップディスプレイ(HUD)でドライバーに示したり、形状認識で路上物体(歩行者や障害物やレーンマークなど)の特徴を判断し、音声でドライバーに知らせたりすることができるように構成されている。
そして、光源ユニット25は、リフレクタ33の第1焦点f1に光源バルブ31のフィラメント31aが位置し、且つリフレクタ33の第2焦点f2は凸レンズ37の後方焦点近傍に位置することで、リフレクタ33のアルミ蒸着処理された有効反射面で反射される光源光が凸レンズ37でほぼ平行光L1となって投射配光されるように構成されている。
すなわち、光源ユニット25の作る配光パターンは、走行ビーム形成用の自動車用ヘッドランプの配光パターンと同じである。
レンズホルダー35の前縁部には、金属製円環状のレンズ保持枠39がねじ40によって被着され、凸レンズ37の外周フランジ部37aがレンズ係合部35aに係合した状態に固定保持される。
そして、レンズホルダー35の連結フランジ部41と、リフレクタ33の連結フランジ部43とは、ネジ45等の接合手段によって接合される
これにより、光源ユニット25では、フィラメント31aの長手方向が、光軸Ax方向と略直交し且つ第1焦点f1に位置するように配置されている。装着開口部47にはねじ49を介して着脱リング51が螺着され、着脱リング51は光源バルブ31を防滴構造で着脱自在に挿着する。
例えば図13に示したように、光源バルブ9を光軸上に配置する従来構成では、リフレクタ反射面が上下に2分割される状態で機能し、下側にシェード等が設けられれば、下半分の反射面からの反射光がカットされ無駄となる。そして、有効となる反射面は、2分割された小面積の上側反射面のみとなり、光の利用効率が低下する。
凸レンズ37と光源バルブ31との間には、上下に延びる軸線方向に沿って駆動する可動軸53を有したフィルタ駆動ユニット55と、ブラケット57とが設けられている。
そこで、ホルダ部63に赤外光透過フィルタ59を入れ、そのホルダ部63にクリップ65を係着すれば、ホルダ部63に対するクリップ65の係着と同時に、赤外光透過フィルタ59がクリップ65に挟持されるので、簡素な構造で、且つ容易な取付け作業で、しかも、確実・強固に赤外光透過フィルタ59をブラケット57に取り付けることができる。
赤外光透過フィルタ59は、凸レンズ37の後方側焦点f3よりも後方に配置され、且つ拡散部60の溝底部60aが光軸Ax上近傍にある凹形状に形成されている。ここで、リフレクタ33の第2焦点f2と凸レンズ37の後方側焦点f3とは略一致するよう配置される。
ヨーク67の上部には、可動軸53を挿通するベース部材71がネジ73によって固定される。ベース部材71には、可動軸53を突出させる貫通孔71aが穿設される。貫通孔71aの近傍には、回動軸61を貫通支持する軸受け部75が立設される。
軸受け部75に貫通された回動軸61の先端には、カラー77a、基端部57b、カラー77b、外付けバネ79、Eリング81が順次介装される。これにより、ブラケット57は、回動軸61を回動中心に揺動自在に支持される。
ブラケット57の基端部57bにはカムベアリング83が取り付けられ、カムベアリング83は可動軸53の段部53aに摺動可能に連結(連接)される。外付けバネ79は、ブラケット57を図8の時計回りに付勢する。したがって、電磁コイル69が励磁されていない電磁コイル・オフ時には、図8(b)に示すように、ブラケット57が時計回りに回転され、基端部57bが段部53aを押し上げることによって、可動軸53が上方へ突出した位置に配置される。
リフレクタ33からの反射光を遮る位置にブラケット57を配置すれば、光源バルブ31からの光が赤外光透過フィルタ59を透過することとなり、赤外光照射ランプとして使用できる。一方、リフレクタ33からの反射光を遮らない位置にブラケット57を配置すれば、光源バルブ31からの光が直接可視光として照射され、通常のヘッドライトとして使用できる。
つまり、本実施形態による車両用赤外光照射ランプ100によれば、1つのランプを赤外光照射ランプ又は通常ヘッドライトの2つの異なるランプとして機能させることができる。
これにより、ハイビーム時には遠方を照射して良好な遠方視認性が確保されるようにリフレクタ33の配光パターンを設定しても、赤外光照射時には拡散部60によって赤外光を横方向へ拡散させて、歩道や路肩等、側方向への赤外光の照射を補うことが可能となる。
赤外光透過フィルタ59は、このシェード91と光源バルブ31との間で開口部91aを通過する反射光を遮るよう変位する。
吸引板93と当て面95との間には、中空状のゴムワッシャ97が可動軸53と同軸に介装されている。また、ベース部材71と吸引板93との間にも、中空状のゴムワッシャ97が可動軸53と同軸に介装されている。
図9は本発明の第2実施形態に係る赤外光透過フィルタの拡大斜視図、図10は凸形状の拡散部の形成された赤外光透過フィルタの作用説明図である。尚、本第2実施形態の車両用赤外光照射ランプ200は、赤外光透過フィルタ59A以外の構成は上記第1実施形態の車両用赤外光照射ランプ100と略同様の構成であるので、共通部材については同符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施形態の赤外光透過フィルタ59Aにおいて、凸形状の拡散部100は、直線状の稜線100aから対称に下り勾配となる壁面100b,100bによって、山形突条100cとして形成されている。赤外光透過フィルタ59Aのフィルタ素材には、耐熱性及び光透過率等の要請からガラスが最良であるので、拡散部100を山形突条100cとすれば、切削・研磨加工又は型成形によってガラス素材からの形成を容易にすることができる。
図11は本発明の第3実施形態に係る赤外光透過フィルタの斜視図、図12は配光調整部の形成された赤外光透過フィルタの作用説明図である。尚、本第3実施形態の車両用赤外光照射ランプ300は、赤外光透過フィルタ59B以外の構成は上記第1実施形態の車両用赤外光照射ランプ100と略同様の構成であるので、共通部材については同符号を付して詳細な説明を省略する。
配光調整部111は、拡散部60の両溝開口縁60d,60dから離反するにしたがって、フィルタ厚を徐々に薄厚とする方向の傾斜面で形成されている。つまり、一対の両溝開口縁60d,60dが、V溝60cを挟む稜線となるように形成されている。
本実施形態の赤外光透過フィルタ59,59A,59Bによれば、凹凸形状から成る拡散部60,100が出射面に形成されることで、光の入射角度が大きくならず、反射率の上がることを抑え、透過率(フィルタ効率)を上げることができる。
31a…フィラメント
33…リフレクタ
37…凸レンズ(投影レンズ)
55…フィルタ駆動ユニット
59…赤外光透過フィルタ
60,100…拡散部
100…車両用赤外光照射ランプ
111…配光調整部
Ax…光軸
f1…第1焦点
f2…第2焦点
f3…投影レンズの後方側焦点
Claims (4)
- 車両前後方向に延びる光軸上に配置された投影レンズと、
前記投影レンズの後方側焦点よりも後方側に設けられ、発光するフィラメントを有する光源バルブと、
前記光源バルブからの光を前方へ向けて前記光軸よりに反射するリフレクタと、
前記リフレクタと前記投影レンズとの間に設けられた赤外光透過フィルタと、を備えた車両用赤外光照射ランプであって、
前記赤外光透過フィルタは、前記投影レンズの後方側焦点よりも後方に配置され、赤外光透過膜が前記リフレクタからの反射光を遮る透過位置と反射光を遮らない退避位置との間を変位可能であると共に、前記リフレクタからの光を拡散させる拡散部を備え、前記拡散部の溝底部が光軸上近傍にある凹形状であることを特徴とする車両用赤外光照射ランプ。 - 車両前後方向に延びる光軸上に配置された投影レンズと、
前記投影レンズの後方側焦点よりも後方側に設けられ、発光するフィラメントを有する光源バルブと、
前記光源バルブからの光を前方へ向けて前記光軸よりに反射するリフレクタと、
前記リフレクタと前記投影レンズとの間に設けられた赤外光透過フィルタと、を備えた車両用赤外光照射ランプであって、
前記赤外光透過フィルタは、前記投影レンズの後方側焦点よりも前方に配置され、赤外光透過膜が前記リフレクタからの反射光を遮る透過位置と反射光を遮らない退避位置との間を変位可能であると共に、前記リフレクタからの光を拡散させる拡散部を備え、前記拡散部の稜線が光軸上近傍にある凸形状であることを特徴とする車両用赤外光照射ランプ。 - 前記拡散部が、前記赤外光透過フィルタの前面に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用赤外光照射ランプ。
- 前記赤外光透過フィルタには、前記リフレクタからの光を集束させる配光調整部が前記拡散部とは別に設けられることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両用赤外光照射ランプ。
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