JP4631034B2 - ジェットエンジン - Google Patents

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Description

本発明は、小型軽量高出力低振動高信頼性のジェットエンジンを静音化、低温化することにより、人間の2m以内程度の極近傍で動作することを可能にしたジェットエンジンに関するものである。
交通機関の公共交通機関からパーソナル交通機関への移行は、21世紀に入り国土の狭い日本においても郊外型小売業の展開など住環境構造、社会構造を大きく変化させる要因となっている。しかし、交通機関の公共交通機関からパーソナル交通機関への移行は、まだ陸上交通でのみしか実現していない。これは技術的問題によるもので、十分な技術が整えば、いずれ現在公共交通機関しか存在しない空中交通機関もパーソナル交通機関への移行が確実となる。その技術的問題の解決技術として、特開2005−138641号公報に開示の技術を提案した。この技術を応用すると、結果的に空中を人間が自由に往来する手段を手に入れることが可能である。このための基礎技術として、人間を自由に空中を往来するのに適したエンジンが必要となる。
なお、特開平11−3015966号公報(特許文献2)にフェンス型エンジンランナップ消音装置と呼ばれるジェットエンジンの消音装置に関する技術が開示されているが、しかしながらこれは、ジェットエンジンの内部構造に関するものではなく、ジェットエンジンの地上動作時にフェンス(柵)により消音するものである。
特開2005−138641号公報 特開平11−3015966号公報 岩田拡也 著 「空間移動ロボットに関する研究(第1報)」計測自動制御学会 システムインテグレーション部門講演会論文集 2004年
従来小型航空機に使用されているプロペラ推進は、プロペラ径が1m以上でありパーソナルユースには非常に危険である。加えて多くのものはピストンエンジンを用いているため振動が大きく、そのためにエンジン自体や電子機器の信頼性が低下する。
また、少人数の人間を運ぶために広く用いることができる交通機関に使用するエンジンとしては、以下のような厳しい条件が要求されることである。
1.小型、2.軽量、3.高出力、4.低振動、5.静音、6.安全性、7.信頼性
これらを満たすエンジンとして、従来技術で一番近いものがジェットエンジンか電動ファンであった。しかしながら電動ファンについてはバッテリーを含めた軽量性の問題を解決することが難しい。一方、ジェットエンジンについては特に高速回転における騒音と気体の温度上昇の問題があり、また安全性を確保することも重要である。
したがって本発明は、熱の影響を少なくし、噴出する排気等の安全なジェットエンジンを提供することを主たる目的とし、特に小型航空機に適したジェットエンジンを提供することを目的とする。
本発明は、元来小型、軽量、高出力、低振動、高信頼性を有するジェットエンジンに、静音性と低温排気化による安全性を付加する技術であり、これにより、人間の極近傍で動作することを可能にするジェットエンジンが実現される。
最初にジェットエンジンの元来有する小型、軽量、高出力、低振動、高信頼性の特徴について述べる。ジェットエンジンは、圧縮機、燃焼器、タービンの構造を持ち、回転運動のみで動作するエンジンである。このため往復運動を行うピストンを有する内燃機関と比較して圧倒的に振動が少ない。また、パーソナルユースを目的とする交通機関用のジェットエンジンは、推力が500N程度なため、圧縮機径が小さく回転数が高い。このため従来のジェットエンジンよりもさらに低振動化する。低振動はすなわち、各部の応力が時間軸に対して比較的一定となることを意味するため、高信頼性も得られる。またロケットエンジンに次いでエンジン重量当りの出力が高いエンジンなため、小型、軽量で高出力である。
しかし、吸入空気の圧縮に加え、燃焼に伴う熱膨張により高速の噴流が発生するため、大きな音が生じる欠点がある。またパーソナル交通機関用ジェットエンジンは人間の近傍に配置され、かつ高回転なため、圧縮機からの高周波音も実用を妨げるものとなる。
これらの課題を解決するためには、防音が必要であるが、防音とジェット流速の確保とは相反する要素であり、理論的に防音を完璧にすると流速はゼロになりエンジンとしては使用できない矛盾が生じる。従来ジェットエンジンではジェット航空機が大型であり客室と距離があり遮断され与圧されているため、空港周囲の騒音問題を解決する程度の防音で十分であった。このため従来型ジェットエンジンの防音は、バイパス流の増加や金属製のディフューザーによる外気混合時の防音や、ハニカム材を多孔質の表皮材で補強した「ライニング」という騒音吸収材により行われていた。従来の大型のジェットエンジンは、バックスキンと多孔質の金属板または複合材でハニカムをサンドイッチする構造となっている。
しかし、パーソナル交通機関用ジェットエンジンは、小型なため音源自体が小さいものの、人間がそれ以上に近傍に存在しかつ軽量でなければならないため、従来のジェットエンジンのような構造は使用できない。
そこで本発明においては、従来ジェットエンジン内部に用いられることのなかったグラスファイバーを、内部に露出させた状態で使用するという、従来技術では非常識な手段を採用することにより、軽量で大幅な静音化が実現し、同時に断熱性の向上により人間が触れても熱く感じない安全なジェットエンジンが得られるものである。また、パーソナル交通機関用ジェットエンジンは、小型軽量化のため燃焼温度をニッケル系耐熱金属の耐熱温度上限に設定しているため、バイパスエアによる冷却境界層のみでグラスファイバーが熱的に耐えられる点も大きな特徴である。
したがって本発明に係るジェットエンジンは、前記課題を解決するため、中心部に吸気圧縮機、燃焼器、及び該吸気圧縮機を駆動するタービンを有する燃焼器ユニットを備えたジェットエンジンにおいて、前記吸気圧縮機の前方に、該吸気圧縮機からの音の無反射による伝搬を防止するとともに、前記燃焼器をバイパスし、冷却境界層を形成するバイパスエアを整流する吸気コーンを配置し、前記燃焼器ユニットの排気側外周に設けた排気ダクトの内周面に、メッシュ状耐熱金属製の第1の吸音材、その外周に低周波数損失特性に優れる繊維製の第2の吸音材、さらにその外周に高周波数損失特性に優れる発泡材料製の第3の吸音材を順次設け、前記第1の吸音材であるメッシュ金属構造により、前記第2の吸音材の形状を維持するとともに、該第2の吸音材の表面を前記排気ダクト内に露出させたことを特徴とする。
また、本発明に係る他のジェットエンジンは、前記ジェットエンジンにおいて、前記繊維製の第2の吸音材を、前記燃焼器ユニットの吸い込み側外周に設けた吸気ダクトの内周面にも設けたことを特徴とする。
また、本発明に係る他のジェットエンジンは、前記ジェットエンジンにおいて、前記繊維製の第2の吸音材をグラスウールとしたことを特徴とする。
また、本発明に係る他のジェットエンジンは、前記ジェットエンジンにおいて、前記発泡材料製の第3の吸音材が発泡ポリウレタンであることを特徴とする。
また、本発明に係る他のジェットエンジンは、前記ジェットエンジンにおいて、前記バイパスエアは、前記第1の吸音材の表面を低温空気境界層で覆うことにより、排気抵抗を抑制するものであることを特徴とする。
また、本発明に係る他のジェットエンジンは、前記ジェットエンジンにおいて、前記吸気コーンは、前記燃焼器ユニットの吸い込み側外周に設けた吸気ダクト中央に、前記吸気圧縮機のタービン径を覆う形状で配置され、その内側に高周波数損失特性に優れる吸音材を設けたことを特徴とする。
また、本発明に係る他のジェットエンジンは、前記ジェットエンジンにおいて、燃料として高圧水素ガスを用いることを特徴とする。
本発明の静音、低温、小型、軽量、高出力、低振動、高信頼性ジェットエンジンは、安価で構造も単純なパーソナルユースの交通機関に使用することにより、空中パーソナル交通機関の実現に寄与するのみならず、その安全性により無人による空中物流システムにも応用可能であり、エンジン停止時の安全性も確保される利点がある。
従来のジェットエンジンの防音構造には原理的に使用不可能なグラスファイバーを用いる防音構造を製作し、20dBもの劇的な静音化に成功したものであり、より具体的には、中心部に吸気圧縮機、燃焼器、及び該吸気圧縮機を駆動するタービンとを有する燃焼器ユニットを備えたジェットエンジンにおいて、前記燃焼器ユニットの吸い込み側外周に設けた吸気ダクト、及び排気側外周に設けた排気ダクトの内周面に、ダクト内表面の形状を維持するネットにより覆い、表面をダクト内に露出させた繊維製吸音材を設けることにより実現した。
図1は、本発明の静音、低温、小型、軽量、高出力、低振動、高信頼性ジェットエンジンの、実施例の説明図である。図1中の1は、吸入空気の圧縮を行う圧縮機動翼、2は吸入空気の圧縮を行う圧縮機静翼、3はアニュラー型燃焼器、4は圧縮機動翼を駆動するニッケル系耐熱合金製タービンを示しており、これらにより燃焼器ユニット101を構成している。5はジェットエンジンの始動と停止後のクーリングを行う電動モータ、6は本発明の静音低温小型軽量高出力低振動高信頼性ジェットエンジンの筐体、7は圧縮機からの音の無反射による伝播を防止し、バイパスエアの整流を行う吸気コーンとなっている。また、は第の吸音材としてのグラスファイバー製吸音材、は第の吸音材としての発泡ポリウレタン製吸音材、10は吸音材であるファイバーの形状を保持し、かつ噴流流速の低下を最低限に保つメッシュ金属構造で第1の吸音材であり、11は排気ノズルである。また、前記燃焼器ユニット101を囲むようにダクトを形成しており、燃焼器の前方に配置した吸気ダクト102と、後方に配置した排気ダクト103とを備え、これらのダクトの内周面に前記第1の吸音材10を設けている。
機械から電子制御機械を経てロボットへと進歩する技術の流れは、現在自動車を含むあらゆる輸送機械に浸透しつつある。その中で、地上への離着陸以外は衝突リスクの少ない空中移動(航空)は、軍事利用において既にロボット化の渦中にある。本発明の応用先としては、空中離発着により離発着リスクを軽減したパーソナル交通システムを構築することで、空中空間を低リスクで産業利用するシステムを想定しており、そのための構築すべきシステムに適した飛行体すなわち空間移動ロボットの動力として本発明は実施され、図2、3、4に示すような応用分野を想定している。
離着陸リスクから開放されるために飛行体側に要求される性能としては、低失速速度、低沈下率、ジェットエンジンを用いることの3点がある。そのうち低失速速度については、揚力を使用する原理を用いる限り失速に対する安全性の確保は必須であり、失速速度を毎時25km以下に抑制することで、飛躍的に安全性を高め空中での離発着を容易にする。更に衝突時の最高速度を低減することでエアバッグなどのパッシブな衝突安全デバイスの有効性を高める働きがある。また、低沈下率については、全ての動力や電源が使用不能となっても力学的落下速度がパラシュートと同等であれば、エアバッグなどのパッシブな衝突安全デバイスとの組み合わせでロボット自体の安全性だけでなく、対衝突物への安全性も確保する。更にジェットエンジンを用いることについては、人間社会に利用が浸透するためにはプロペラなど高速で回転する物体が露出しない条件が必須であることは、近年のマリンジェットの普及から学んだ教訓である。小型軽量高出力、高信頼性、空冷、低引火性燃料、低NOx排出量などの利点もロボットに適する特徴を備えている。本発明は、このようなジェットエンジンに関するものである。空間移動ロボットは図2,3,4のように1点のロボット関節で翼と本体が接続する特異な構造を持ち、本発明のジェットエンジンの推力により飛行する。ジェットエンジンの最大の欠点は燃費と騒音であるが、以下にこれらの課題についての解法を検討し、実験によって実証したのでその実施例を記す。
ジェットエンジンの燃費に関する検討を行った結果を説明する。検討に用いたほぼ同等の出力を持つピストンエンジンとジェットエンジンの仕様を表1に示し、これらのエンジンを使用した際の、燃料搭載量とエンジン重量の和と飛行時間の関係を図5に示す。
本発明のジェットエンジンの搭載を考えている空間移動ロボットは、最終到達目的がパーソナル交通機関であるため、1000km以下の航続距離、毎時150km以下の最高速度という想定であり、およそ8時間以上の動作は必要とされない。このことから図5のようにジェットエンジンの方が、燃費を考慮しても軽量化が可能で効率が良く、表1の重量欄に示される通りその圧倒的な軽量特性が有効に効力を発揮することが分かる。
次に噴流式動力のみの騒音計測について検討した結果を説明する。ジェットエンジンの持つ最大の課題である騒音対策について解決策と、その実験による実証を行った。まず騒音対策を一切行っていない状態でのジェットエンジンの騒音計測を行った。図6、7、8は、それぞれエンジンの前方、側面、後方での計測結果を示している。図6の側面計測結果のみ、計測スペースの都合で最大距離が40mとなっている。当然距離が遠くなるほど音量は減少するが、図7の側面での計測結果にはその傾向に該当しない結果があることが注目点である。
次に双発ジェットエンジンで最高出力時の音量分布を図9にまとめた。図9から前後の音量が大きく側面の音量が小さい音量分布が明らかとなる。この傾向は全ての計測条件の結果に同様に見られるものである。図9の結果よりジェットエンジンの音の伝播には図10のような特性があることがわかる。動力の構造上筒型であるため、音の伝播は筒の前後を音源とする特性を有する。
図10の伝播特性の結果、エンジン側面の音は前後の音の合成により形成されるため、図7に見られるように、計測結果に距離により減衰しない特異な音の伝播が現れるようになる。以上の結果を元に防音ジェットエンジンの構造設計を行った。
防音構造設計について検討した結果を説明する。エンジンの防音構造の設計を困難にしている原因に高温後方噴流とエンジンの重心位置の制約がある。高温後方噴流の課題解決のため、防音構造を形成する吸音材に2種類の特性を持つ材料を複合させる方式を採用した。図11は、複合させた2種類の吸音材の、伝播損失特性の周波数依存性を示している。2種類の吸音材は、グラスウールと発泡ポリウレタンである。それぞれグラスウールが低周波数側で音の伝播損失が大きく、発泡ポリウレタンが高周波数側で音の伝播損失が大きい特性がわかる。これに加えてグラスウールは耐熱性に優れ発泡ポリウレタンは耐熱性がないことから、防音構造設計における複合構造は、エンジン後方噴流に近い内周側にグラスウールを用い、その外側に発泡ポリウレタンを配置する2重構造とした。
その2重構造の様子を図1に示す。逆の周波数特性を有する吸音材の複合による相乗効果と、400℃以上の耐熱性を持つグラスウールと吸入空気の一部の後方排気による高温後方噴流の境界層における低温化の双方を図1に示す新型エンジンは実現し、高温後方噴流の課題を解決している。
一方、吸気側の吸音空間を最小にし最大の吸音効果を得るために図1に見られる3角錐状の構造からなる吸気コーン7を、圧縮機の前方に圧縮機タービン径を覆う形状で配置し、その内側に図11のように高周波数損失特性に優れる発泡ポリウレタンを配置する構造を採用した。初期に製作したエアインテークは、防音性能に優れる特性を有するが、エンジン吸気効率を悪化させ、圧縮タービンのストールを誘発させると同時に吸入空気の一部を利用する高温後方噴流の冷却効率を悪化させる可能性がある問題を有していた。
この問題は、図1に示す3角錐構造と吸気口の設計において、防音効果とエンジン吸気効率が相互に効率を奪い合う関係にあることで生じる。この問題を解決するため、エンジン吸気構造の防音効果と吸気効率の最適化計算を行った。
図1の構造のジェットエンジン吸気断面積は、図12の太線に示す円錐台側面の面積となる。そこで図12のように3角錐構造の埋め込み高さ(Height)と吸気口直径(Intake Diameter)の2数値をパラメータとし、エンジン吸気断面積である円錐台側面面積を計算し、排気断面積255cmを超える値の導出を行った。
図13に前記図12のHeightパラメータ値の排気断面積を超える値の導出を示す。図13からHeightパラメータは、吸気断面積の増加に顕著に寄与するパラメータではないことが分かるが、許容空間が限定されHeightパラメータがとりうる値が限定されるため、Heightパラメータを低い値に抑制する必要がある。
図14に吸気断面積の増加に顕著に寄与するエアインテーク径をパラメータとし吸気断面積をプロットした計算結果を示す。図14からHeightパラメータを70mmと低く抑制しDiameterパラメータを220mmとすることで、排気断面積値を超えた吸気断面積値を得ることが可能となる。以上の最適化を行った後のエアインテークと最適化前のエアインテークの比較を図15に示す。以上のように製作した新型ジェットエンジンを用いて騒音計測を行った。
本発明によるジェットエンジンの計測結果について説明する。防音構造を備えた本発明によるジェットエンジンと本発明による技術を使用していない旧型エンジンについて、双発運転かつ36000rpmでのアイドリング運転という同条件での比較を行った結果を16、17、18に示す。最高出力での比較が示されていない理由は、同じ回転数での比較ができなかったためである。
旧型エンジン計測時と同様それぞれ図16がエンジン前方、図17がエンジン側面、図18がエンジン後方での計測結果を示している。図16〜18から新型エンジンにおける騒音は、旧型と比較してどの方向でも減少していることがわかる。計測実験場所での騒音計測は概ね55dBに収束する傾向があるが、新型エンジンでは、側面と後方の値が短距離で収束値に達することがわかる。
図19に騒音減少量の方向分布特性を示す。側面での圧倒的な音の減衰が示されている。これは側面の減少効果は前後双方の相乗効果であることを示唆する結果で図10の伝播特性を裏付ける結果である。
人間の極近傍で動作することを必要とする空間移動ロボット搭載用ジェットエンジンが有する課題の解決を行い本発明に至ったものであり、最大の課題である騒音に関して顕著な音量減衰を達成する構造を設計製作し計測により実証した。この新型エンジン構造は、周波数特性の異なる吸音材の複合化と最適形状設計により製作され、ジェットエンジン出力の損失をバイパスエア構造により最小限とし、かつ高い冷却効果の双方とも兼ね備える、優れた特性を有することが確認された。
パーソナルに使用可能な空間移動ロボットは、産業上様々な用途が期待されるが、人間の極近傍で安全に動作する小型軽量高出力エンジンが必要であったが、本発明のジェットエンジンを用いることにより、安全に人間の近傍で動作するジェットエンジンの使用が可能となった。最も近年に簡便に利用される可能性のあるものは、本発明の静音低温ジェットエンジン動力付きハンググライダーなどのレジャー製品である。次に空中を移動して救援物資を運搬するレスキューロボットや巡回監視用飛行ロボットなどの無人航空機製品となり、物流用移動機械への利用へと発展する。更に、離島間物資輸送や、大型漁船による操業海域からの迅速な収穫物輸送などへの利用も期待できる。
また、炭素繊維複合材を用いた高圧ガスタンクが、現在の350気圧から700気圧となれば、将来地球環境保全の観点から、燃料を高圧水素ガスとするジェットエンジンとなる可能性があり、現在検討されている包括的次世代航空ネットワーク運用システム(SATS)において問題となっている、航空機増加に伴う排気ガスの大気汚染問題の解決に寄与することもできる。
本発明による静音低温小型軽量高出力低振動高信頼性ジェットエンジンの実施例を示す断面図である。 本発明を利用した空間移動ロボットの実施例である。 本発明を利用した空間移動ロボットの実施例である。 本発明を利用した空間移動ロボットの実施例である。 ピストンエンジンとジェットエンジンの燃料搭載量とエンジン重量の和と飛行時間の関係の説明図である。 エンジンの前方での騒音計測結果を示した図である。。 エンジンの側面での騒音計測結果を示した図である。 エンジンの後方での騒音計測結果を示した図である。 双発最高出力時の音量分布を示した図である。 ジェットエンジンの騒音伝播特性を示した図である。 複合させた2種類の吸音材の、伝播損失特性の周波数依存性を示した図である。 3角錐構造の埋め込み高さ(Height)と吸気口直径(Intake Diameter)の2数値のパラメータを示した図である。 Heightパラメータ値の排気断面積を超える値の導出を示した図である。 エアインテーク径をパラメータとし吸気断面積をプロットした計算結果を示した図である。 最適化前後のエアインテークの比較を示した図である。 エンジンの前方での吸音効果計測結果を示した図である。 エンジンの側面での吸音効果計測結果を示した図である。 エンジンの後方での吸音効果計測結果を示した図である。 騒音減少量の方向分布特性を示した図である。
符号の説明
1 圧縮機動翼
2 圧縮機静翼
3 アニュラー型燃焼器
4 タービン
5 始動モータ
6 エンジン筐体
7 吸音コーン
発泡ウレタン
グラスファイバー
10 金属メッシュ
11 排気ノズル
12 駆動関節
13 エルロン
14 wing rod
15 静音低温小型軽量高出力ジェットエンジン
16 低失速速度折畳翼
17 ジャイロセンサ、加速度センサ
18 姿勢制御用マイクロプロセッサ、モータドライバ、信号処理回路
19 バッテリ
20 燃料
21 自律制御動作用マイクロプロセッサ
101 燃焼器ユニット
102 吸気ダクト
103 排気ダクト

Claims (7)

  1. 中心部に吸気圧縮機、燃焼器、及び該吸気圧縮機を駆動するタービンを有する燃焼器ユニットを備えたジェットエンジンにおいて、
    前記吸気圧縮機の前方に、該吸気圧縮機からの音の無反射による伝搬を防止するとともに、前記燃焼器をバイパスし、冷却境界層を形成するバイパスエアを整流する吸気コーンを配置し、
    前記燃焼器ユニットの排気側外周に設けた排気ダクトの内周面に、メッシュ状耐熱金属製の第1の吸音材、その外周に低周波数損失特性に優れる繊維製の第2の吸音材、さらにその外周に高周波数損失特性に優れる発泡材料製の第3の吸音材を順次設け、前記第1の吸音材であるメッシュ金属構造により、前記第2の吸音材の形状を維持するとともに、該第2の吸音材の表面を前記排気ダクト内に露出させたことを特徴とするジェットエンジン。
  2. 前記繊維製の第2の吸音材を、前記燃焼器ユニットの吸い込み側外周に設けた吸気ダクトの内周面にも設けたことを特徴とする請求項1に記載のジェットエンジン。
  3. 前記繊維製の第2の吸音材はグラスウールであることを特徴とする請求項1または2に記載のジェットエンジン。
  4. 前記発泡材料製の第3の吸音材は発泡ポリウレタンであることを特徴とする請求項1ないし3に記載のジェットエンジン。
  5. 前記バイパスエアは、前記第1の吸音材の表面を低温空気境界層で覆うことにより、排気抵抗を抑制するものであることを特徴とする請求項1ないし4に記載のジェットエンジン。
  6. 前記吸気コーンは、前記燃焼器ユニットの吸い込み側外周に設けた吸気ダクト中央に、前記吸気圧縮機のタービン径を覆う形状で配置され、その内側に高周波数損失特性に優れる吸音材を設けたことを特徴とする請求項2ないし5に記載のジェットエンジン。
  7. 燃料として高圧水素ガスを用いることを特徴とする請求項1ないし6に記載のジェットエンジン。
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