JP4617682B2 - リチウムイオン電池 - Google Patents

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Description

本発明は、内部短絡安全性および耐熱性などの安全性に優れたリチウムイオン電池に関する。
リチウムイオン電池などの化学電池では、正極と負極との間に、それぞれの極板を電気的に絶縁して、かつイオンを通過させる機能を有するセパレータを備えている。リチウムイオン電池では、主にポリエチレンやポリプロピレン等からなる微多孔性フィルムが使われているが、これらの樹脂からなるフィルム状セパレータは概して高温で収縮しやすい。よって内部短絡時や、釘のような鋭利な形状の突起物が電池を貫いた時には、瞬時に発生する短絡反応熱によりセパレータが収縮して短絡部が拡大し、さらに多大な反応熱を発生させ、異常過熱を促進するという課題を有していた。
上記課題を含めた安全性を向上させるために、活物質層表面に固体微粒子を含む多孔性コーティング膜を塗布形成する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開平10−106530号公報
上記の従来技術では、樹脂結着剤と固体微粒子、溶剤との混合物を極板上に塗布して多孔性コーティング膜を形成する。固体微粒子としては無機微粒子、特に金属酸化物微粒子が低コストでかつ耐熱性に優れるため安全性を高める観点からは好ましいが、リチウムイオン電池に用いた場合はリチウムとの副反応が起こることがあった。そのため、初期の充電容量と放電容量に差が現れる、すなわち不可逆容量が発生するという欠点があった。特にチタン酸化物(チタニア)フィラーは工業的に大量生産されているために低コストで入手できるものであるが、リチウムイオン電池に用いると上述の不可逆容量が大きくなってしまい、信頼性や寿命に課題を持っていた。
本発明は上記課題を解決するもので、高容量・高特性、かつ安全性に優れたリチウムイオン電池を低コストで提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明のリチウムイオン電池は、正極活物質層を備えた正極板と、負極活物質層を備えた負極板と、前記正極活物質層または前記負極活物質層の少なくともいずれかの表面に形成された固体微粒子と樹脂バインダーとを含む多孔質絶縁層と、非水溶媒を含む電解液とを備え、固体微粒子としてチタン酸化物を含み、負極板に電気的に接続された金属リチウムを備えたリチウムイオン電池において、前記チタン酸化物により発生した不可逆容量相当分をあらかじめ前記金属リチウムによって補償するものである。
また、上記構成においては、金属リチウムが箔状で、負極板に圧着されていることが望ましい。
さらに、負極と電気的に接続された金属容器に収納され、前記金属容器の内面に金属リチウムが圧着されていることが望ましい。
また、上記構成においては、多孔質絶縁層とフィルムセパレータとの併用により、さらに安全性を高めることができる。
これらの構成により、本発明のリチウムイオン電池は内部短絡や釘刺し試験に対する安全性と、充放電特性やサイクル寿命などの高い特性を両立させるものとなる。
安全性については、活物質層上の多孔質絶縁層が存在することにより、内部短絡や釘刺し試験での安全性が向上している。多孔質絶縁層がない場合、異物等によってセパレータに穴が開いて正負極間が短絡すると、短絡点に過大な電流が流れてジュール熱が発生することがある。その場合、発生した熱により短絡点周辺のセパレータが溶融もしくは収縮して穴が拡大し、さらに短絡面積が広がってジュール熱発生が継続され、この繰り返しにより電池の温度が上昇し続け、異常発熱や外観変形を起こす可能性がある。本発明のリチウムイオン電池においては、セパレータに穴が開いて正負極間が短絡した場合、セパレータが溶融もしくは収縮して穴が拡大しても多孔質絶縁層が存在するため、正負極間の短絡面積は広がらない。よって、ジュール熱の発生は拡大せず、異常発熱には至らない。加えて、短絡点近傍の温度は瞬間的に500℃にも達するためアルミニウムからなる正極集電体が溶断して、正負極間の短絡は解消される。一方、イオン伝導は多孔膜の孔を通しておこなわれるので、電池の内部抵抗を上げることはなく、充放電特性は良好である。
本発明に多孔質絶縁層の固体微粒子として供せられる金属酸化物は、その組成や構造にも依存するが、充電時にリチウム析出を促進させたり、リチウムイオンと反応してリチウム化合物を形成したりすることがある。そのため、初期の充放電において不可逆容量が発生するが、この不可逆容量相当分をあらかじめ負極板に電気的に接続された金属リチウムによって補償する。
特に金属酸化物としてチタン酸化物を用いた場合、不可逆容量が大きくなってしまうので、金属リチウムによる容量補償の効果は顕著であり、サイクル寿命を向上させることができる。
以上の作用効果により、本発明のリチウムイオン電池は内部短絡や釘刺し試験での安全性に優れ、かつ高容量・長寿命の電池となる。
以上のように本発明によれば、高容量・高特性、かつ安全性に優れたリチウムイオン電池を低コストで提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1の本実施の形態の概念模式図に示すように、本発明のリチウムイオン電池においては、正極活物質層1aと正極集電体1bとからなる正極1と負極活物質層2aと負極集電体2bとからなる負極2の間にセパレータ3が介在し、負極活物質層2aの表面上に金属酸化物を含む固体微粒子と樹脂バインダーとを含む多孔質絶縁層4を備え、負極には金属リチウム5が電気的に接続されている。ここで、図1は金属リチウム5が負極2と電気的に接続されていることを概念的に示した模式図であり、金属リチウムの形状、接続位置、上下左右の方向を限定するものでは決してなく、また、多孔質絶縁層4に関しても正極活物質層1a、負極活物質層2aのいずれかの表面上に備えても良い。
本発明のリチウムイオン電池において、負極に電気的に接続された金属リチウムを備えるのは、充放電に伴い発生する不可逆容量を補償するためである。すなわち、充電時に絶縁性多孔質中の金属酸化物微粒子表面にリチウムが析出したり、あるいは金属酸化物がリチウムイオンと反応してリチウム化合物を形成するなどによって、充放電に関与するリチウムイオンが不足するが、上記の金属リチウムから不足した容量分のリチウムイオンが供給されて不可逆容量は解消される。
図2または図3に発電要素を電池容器6に収納した本発明のリチウムイオン電池の模式図を示す。
負極と金属リチウムの電気的接続手段としては、例えば図2に示すように、負極集電体2b上の負極活物質層が設けられていない領域に、箔状の金属リチウム5aを圧着するなどして、負極集電体と接続すれば良い。
あるいは、図3に示すように、負極と電気的に接続された電池容器6の内面に金属リチウム5bを貼り付けても良い。特に、リチウム金属は柔らかく、かつ例えば銅や鉄などの金属に対して接着しやすい性質があるので、簡単に圧着することができる。
負極に接続される金属リチウムの量は、発生する不可逆容量相当分以上であるのが好ましい。
金属リチウムの形状は、負極に電気的に接続できる形状なら何でもよいが、接続の容易性、特に集電体や電池容器の底面へ圧着することを考慮すると、箔状であることが好ましい。
なお、金属リチウムはリチウムイオンとして電解液中に溶解できるならば必ずしも純リチウムである必要はなく、加工性やコストなどの条件に応じて各種金属とのリチウム合金を用いてもよい。
多孔質絶縁層は、金属酸化物を含む固体微粒子と樹脂バインダーとを溶媒とともにスラリー化したものを活物質層上に塗布、乾燥して得られる。活物質層上への塗布は、例えばグラビアコート、ダイコート等の連続塗布法や、インクジェットノズルを用いた描画法、スプレーコート法などを用いることができる。
固体微粒子としては、チタン酸化物(チタニア)を用いることができる。
属酸化物がチタン酸化物であると、上述の不可逆容量が特に大きくなるので、金属リチウムもしくはリチウム合金による不可逆容量の補償は非常に有効なものとなる。チタン酸化物の微粒子は工業的に大量生産されており、安価に入手できる材料であるので、電池の生産コストを下げることができる
樹脂バインダーとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の耐電解液性を有するものが用いられる。さらに、耐熱性が高くゴム弾性を有する例えばポリアクリロニトリル基を含むゴム性状高分子なども好ましい。このような材料を結着剤として含む多孔質絶縁層は、正負極間にセパレータを介し捲回構成する場合にひび割れや剥がれが発生しないため、歩留を高く維持しつつ生産できるという利点を有する。
この多孔膜層の厚みは特に限定されないものの、前述した多孔膜層の効用を発揮しつつ設計容量を維持する観点から、組み合わせるセパレータ厚との総和が現セパレータ仕様(15〜30μm)と同程度、すなわち0.5〜20μmであることがより好ましい。
正極については、例えば活物質粒子及び導電剤と結着剤とをN−メチルピロリドン等の溶剤とともにスラリー化された合剤として集電体上に塗布し、乾燥、圧延工程を経て、活物質層を形成した正極板を用いる。
負極については、活物質として各種天然黒鉛および人造黒鉛・シリサイドなどのシリコン系複合材料・および各種合金組成材料の粒子を用いる。結着剤としてはPVDFおよびその変性体等の各種バインダーを用いることができる。これらの負極材料も正極と同様のプロセスを経て、負極板となる。また、バインダーを用いずに例えばCVD等の薄膜プロセスにより上記組成の負極活物質層を備えた負極板を用いてもよい。
電解液については、塩としてLiPF6およびLiBF4などの各種リチウム化合物を用いることができる。また溶媒としてエチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)を単独および組み合わせて用いることができる。また正負極上に良好な皮膜を形成させたり、過充電時の安定性を保証するために、ビニレンカーボネート(VC)やシクロヘキシルベンゼン(CHB)等を添加することも可能である。
セパレータについては、リチウムイオン電池の使用範囲に耐えうる組成であれば特に限定されないが、ポリエチレン・ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の微多孔フィルムを、単一あるいは複合して用いるのが一般的であり、また態様として好ましい。このセパレータの厚みは特に限定されないものの、前述した多孔膜層の効用を発揮しつつ設計容量を維持する観点から、組み合わせる多孔膜厚との総和が現セパレータ仕様(15〜30μm)と同程度、すなわち10〜25μmであることがより好ましい。
なお、必要に応じて例えば不織布などの安価なセパレータを用いることも可能である。また、例えばアラミド樹脂等を含んだ耐熱性に優れたセパレータを使用すれば、さらに安全性が向上して好ましい。
以下、実施例をあげて本発明をより具体的に説明する。
(実施例1)
(正極、負極の作製)
コバルト酸リチウム3kgを、呉羽化学(株)製PVDF#1320(固形分12重量%のN−メチルピロリドン(NMP)溶液)1kg、アセチレンブラック90gおよび適量のNMPとともに双腕式練合機にて撹拌し、正極ペーストを作製した。このペーストを15μm厚のアルミニウム箔に塗布乾燥し、総厚が160μmとなるように圧延した後、円筒型18650ケースに挿入可能な幅にスリットし、正極板を得た。
一方、人造黒鉛3kgを、日本ゼオン(株)製スチレン−ブタジエン共重合体ゴム粒子結着剤BM−400B(固形分40重量%)75g、CMC30gおよび適量の水とともに双腕式練合機にて撹拌し、負極ペーストを作製した。このペーストを10μm厚の銅箔に塗布乾燥し、総厚が180μmとなるように圧延した後、円筒型18650ケースに挿入可能な幅にスリットし、負極板を得た。
なお、これらの正負極には後の工程で金属リチウムまたはリチウム合金を圧着したり、外部へ電流を取り出すための金属リードを接続するためのスペースとして、ペーストが塗布されていない未塗布領域が設けてある。
(多孔質絶縁層の作製)
メディアン粒径0.5μmの酸化チタン950gを、日本ゼオン(株)製ポリアクリロニトリル変性ゴム結着剤BM−720H(固形分8重量%)625gおよび適量のNMPとともに双腕式練合機にて撹拌し、酸化チタンの微粒子と樹脂バインダーとを含んだ多孔質絶縁層形成用スラリーを調製した。このスラリーをグラビア印刷によって負極活物質層上に塗布後、乾燥を経て、厚さ5μmの多孔質絶縁層を形成した。
(金属リチウムの接続)
厚さ200μmの金属リチウム箔を9mm×50mmの短冊状に切断し、図2に示すように負極集電体銅箔にあらかじめ設けてあったペースト未塗布領域に圧着して貼りつけた。
(電池の作製) これらの正負極を、16μm厚のポリエチレン微多孔フィルムをセパレータとして捲回して電極群を構成し、所定の長さで切断して電池容器内に挿入し、EC・DMC・EMC混合溶媒にLiPF6を1MとVCを3重量%溶解させた電解液を、5.5g添加して封口し、設計容量2000mAhの円筒型18650リチウムイオン電池を作製した。なお、上記工程において金属リチウムを貼りつけた領域は負極の最外周に位置するように捲回構成した。
作製した電池の仕上げ充放電を行い、45℃環境で7日間保存して電池が完成した。
(実施例2)
実施例1とは金属リチウム箔の接続位置を変更し、図3に示すように電池容器の内面に圧着して貼りつけた。電池容器と負極とは集電リードによって接続されているので、負極と金属リチウム箔は電池容器を介して電気的に接続されていた。他の工程は実施例1と同様にして電池を作製した。
参考例1
実施例1とは多孔質絶縁層中の金属酸化物の種類を変更し、他は同様の方法で参考例1の電池を作製した。金属酸化物としてメディアン粒径0.7μmのアルミナ微粒子を用いた。他の工程は実施例1と同様にして電池を作製した。
(比較例1)
実施例1に準じて、正極、負極、多孔質絶縁層を作製し、金属リチウム箔を負極に接続することなく(電池容器内に配置することなく)電池を作製したものを比較例1とする。
(比較例2)
実施例3に準じて、正極、負極、多孔質絶縁層を作製し、金属リチウム箔を負極に接続することなく(電池容器内に配置することなく)電池を作製したものを比較例2とする。
(実施の形態の効果:電池特性)
完成した電池に対して、20℃環境において、以下の充放電サイクル試験を100回行った。
(1) 定電流充電:1400mA(終止電圧4.2V)
(2) 定電圧充電:4.2V(終止電流100mA)
(3) 定電流放電:4000mA(終止電圧3V)
このときの1サイクル目の充放電容量をそれぞれ初期充電容量、初期放電容量として(表1)に示す。
さらに、不可逆容量率(=不可逆容量の初期充電容量に対する比率)と100サイクル目の放電容量保持率(=100サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)を(表1)に示す。

(釘刺し安全性試験)
電池充放電特性評価後の電池について、20℃環境において、以下の充電を行った。
(1)定電流充電:1400mA(終止電圧4.25V)
(2)定電圧充電:4.25V(終止電流100mA)
充電後の電池について、2.7mm径の鉄製丸釘を、20℃環境下で5mm/秒の速度で貫通させたときの発熱状態を観測した。この電池の貫通箇所近傍における90秒後の到達温度を(表1)に併せて示した。
以下、表1の評価結果について説明する。
初期(1サイクル目)において、実施例1〜2および参考例1の電池はいずれも充電容量よりも放電容量が小さく、5%程度の不可逆容量が存在したが、これらは負極の持つ不可逆容量が現れたものである。比較例2の電池では実施例と同等の不可逆容量であるが、比較例1では不可逆容量が12.8%とかなり大きくなり、負極に加えてチタニア起因の不可逆容量が現れていた。
300サイクル目における容量維持率を比べると、実施例1〜2および参考例1の電池がいずれも83%程度であったのに対し、比較例1では51.5%、比較例2では78.8%と実施例に比べて顕著に劣っていた。
これらの結果から、負極に接続された金属リチウムの作用により不可逆容量が補償され、特にサイクル回数が増えるとその効果がより大きくなると言える。
釘刺し試験においては、実施例、参考例、比較例ともに釘刺し後の過熱が抑制されており、いずれの電池においても多孔質絶縁層がその活物質層上に試験前と同様に存在しており、さらにセパレータの溶融もわずかな範囲に留まっていた。このことから、負極に金属リチウムが接続されたことによる安全性の低下は見られず、実施例1〜2および参考例1はいずれも多孔質絶縁層の効果が発揮された安全性の高い電池であると言える。
本発明のリチウムイオン二次電池は、安全性の優れたポータブル用電源等として有用である。
本発明のリチウムイオン電池の構成を模式的に示した概念模式図 本発明での金属リチウムの一接続方法を示した模式図 本発明での金属リチウムのその他の接続方法を示した模式図
符号の説明
1 正極
1a 正極活物質層
1b 正極集電体
2 負極
2a 負極活物質層
2b 負極集電体
3 セパレータ
4 多孔質絶縁層
5 金属リチウム
6 電池容器

Claims (4)

  1. 正極活物質層を備えた正極板と、負極活物質層を備えた負極板と、前記正極活物質層または前記負極活物質層の少なくともいずれかの表面に形成された固体微粒子と樹脂バインダーとを含む多孔質絶縁層と、非水溶媒を含む電解液とを備え、前記固体微粒子としてチタン酸化物を含み、前記負極板に電気的に接続された金属リチウムを備えたリチウムイオン電池において、
    前記チタン酸化物により発生した不可逆容量相当分をあらかじめ前記金属リチウムによって補償することを特徴とするリチウムイオン電池。
  2. 金属リチウムが箔状で、負極板に圧着されていることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池。
  3. 負極板と電気的に接続された金属容器に収納され、前記金属容器の内面に金属リチウムが圧着されていることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池。
  4. 請求項1に記載のリチウムイオン電池において、正負極板間に介在するセパレータを備えることを特徴とするリチウムイオン電池。
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