JP4538806B2 - 電動機およびそれを用いた燃料ポンプ - Google Patents
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Description
このような電動機において、例えば径方向反対側に設置されているセグメント(以下、「径方向反対側に設置されているセグメント」を対向セグメントと表す)同士を電気的に接続し、ブラシの数を増やすことなく複数のセグメントを同電位にすることが公知である。
また、特許文献1から4に示す電動機のように、プリント基板上の配線、または樹脂基板上に貼付した銅箔等の薄膜で結線する場合、駆動電流を増加するためには面方向に沿った配線の通電面積を拡大する必要がある。したがって、セグメント数が多い場合に、複数のセグメントを結線する結線面積の確保が困難である。
請求項3記載の発明によると、複数の円弧状の結線部を渦巻き状に設置することにより、各接続端子群において、複数の結線部を互いに非接触となるようにほぼ同一面上に設置できる。
請求項6記載の発明では、コイルは集中巻きされているので、複数のコイルを連続して巻回する分布巻に比べ、コイル間で巻線が交差しない。また、コイルをスロット毎に巻回するので、巻線の巻回が容易である。
請求項8記載の発明では、回転方向に隣接しているコイル同士は逆方向に巻回されている。したがって、回転方向に隣接しているコイル同士の異なる巻端同士を電気的に接続することにより、回転方向に隣接している電機子のスロットに異なる磁極を生成できる。
請求項9記載の発明では、コイルを集中巻きする構成において、接続端子がコイル同士の結線を兼ねているので、部品点数を減少できる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による燃料ポンプを図1に示す。燃料ポンプ10は、ポンプ部20と、ポンプ部20のインペラ26を回転駆動する電動機としてのモータ部30と、エンドサポートカバー14、16とを備えている。ハウジング12は、ポンプ部20およびモータ部30の外周を囲み、ポンプ部20およびモータ部30の共通のハウジングである。エンドサポートカバー14、16は、モータ部30のポンプ部20と反対側を覆い、燃料の吐出口204を形成している。
電機子40のポンプ部20と反対側に整流子70が組み付けられている。永久磁石32、電機子40、整流子70およびブラシ120(図5参照)は直流電動機を構成している。電機子40の回転軸としてのシャフト41は、ポンプケーシング24とエンドサポートカバー14とにそれぞれ収容され支持されている軸受部材18により軸受けされている。電機子40のポンプ部20側の端部は樹脂66が充填されることにより全体が覆われている。このように樹脂66で覆うことにより、燃料中で回転する電機子40の回転抵抗を低減するとともに、電機子40内への異物の進入を防止している。
6個のスロット50は中央コア42の外周に回転方向に設置されている。図2において同一構成部分の符号を一部省略している。中央コア42は、六角形状に形成されており、六角形の各面に径方向外側に向けて幅の狭くなっている凹部44が形成されている。
図2に示すように、コイルコア52は中央コア42と別部材である。コイルコア52はT字状に形成されている。コイルコア52の外周面は滑らかな凸円弧状に形成されている。コイルコア52の中央コア42側に設けた凸部54は、中央コア42側に向けて幅が広くなっている。シャフト41に沿って凹部44または凸部54の一方に他方を挿入することにより凹部44と凸部54とは嵌合している。
図6の上段に示す端子母材80は、後工程において図6の一点鎖線で示される箇所が切断されることにより電気的に絶縁され、合計で12個の中間端子81、83になる。中間端子81、83は特許請求の範囲に記載した接続部を成している。中間端子81、83は扇形状に形成されており、セグメント72の電機子40側と直接電気的に接続している。回転方向に3個連続して隣接している中間端子81の電機子40側に突部82が設けられている。突部82が設けられている3個一組の中間端子81と中間端子81との間には、突部82の設けられていない中間端子83が設置されている。
第1実施形態では、構造体100、110の接続端子群同士が軸方向にずれて設置されているので、本実施形態のようにセグメント72の数が12個と多い構成であっても、各接続端子群において対向セグメントを電気的に接続できる。また、端子により対向セグメントが電気的に接続されているので、プリント配線または薄膜等のように厚みの薄い配線で結線する場合に比べ、電流値が同じであれば面方向に沿った導電面積を小さくすることができる。したがって、結線面積の確保が容易である。
本発明の第2実施形態を図9から図12に示す。尚、第1実施形態と実質的に同一構成部分に同一符号を付す。また、セグメント72側の構造体100の構成は第1実施形態と同一である。
図9の(B)に示すように、第2実施形態では、デルタ結線された電機子40の6個のコイル62は同じ方向に巻回されている。したがって、電機子40の6個のスロット50を同一構成にできる。
上記複数の実施形態では、接続端子により対向セグメントを電気的に接続して同電位にしたが、接続端子により電気的に接続され同電位となるセグメントの位置関係は径方向反対側に限るものではない。また、接続端子により電気的に接続され同電位となるセグメントの数は2個に限らず3個以上でもよい。
また上記複数の実施形態では、コイルをデルタ結線したが、コイルをスター結線する場合にも本発明のように対向セグメントを接続する接続端子群の軸方向位置をずらすことにより、セグメントの数が増加しても対向セグメントを電気的に接続できる。
また、上記複数の実施形態では、ポンプ部の回転部材としてのインペラ26が回転することにより燃料タンクから燃料を吸入する吸入力を発生した。インペラ以外にも、ポンプ部の回転部材としてギアポンプ等の構成を採用してもよい。
また、上記複数の実施形態では、本発明を燃料ポンプに適用した実施形態について説明したが、本発明はこれに限らず種々の電動機に適用してもよい。
Claims (10)
- 周上に設置され交互に極の異なる複数の磁極を形成する永久磁石と、
回転方向に設置された複数のコイルを有し、前記永久磁石の内周側に回転自在に設置されている電機子と、
回転により順次ブラシと接触するように回転方向に複数設置されて前記コイルと電気的に接続しているセグメントを有し、回転方向に隣接している前記セグメント同士が互いに電気的に絶縁されている整流子と、
前記整流子の前記電機子側に複数設置されており、少なくとも2つの前記セグメントを電気的に接続し、互いに非接触の接続端子とを備え、
前記複数の接続端子は前記電機子の軸方向にずれて設置された複数の接続端子群を構成していることを特徴とする電動機。 - 前記各接続端子群の前記接続端子は、径方向反対側に設置されている前記セグメントと電気的に接続している接続部と、前記セグメントの前記電機子側の面から離れ前記接続部同士を電気的に接続している結線部とを有していることを特徴とする請求項1記載の電動機
。 - 前記各接続端子群の前記接続端子の前記結線部は一方の前記接続部から他方の前記接続部に向けて円弧状に延び、複数の前記結線部は互いに非接触となるように渦巻き状に設置されていることを特徴とする請求項2記載の電動機。
- 径方向反対に設置されている一組の前記セグメントと、この一組の前記セグメントと回転方向に隣接している他の組の前記セグメントとは、異なる前記接続端子群により電気的に接続されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の電動機。
- 前記複数のコイルはデルタ結線されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の電動機。
- 前記複数のコイルは集中巻きされていることを特徴とする請求項5記載の電動機。
- 前記複数のコイルは同じ方向に巻回されていることを特徴とする請求項6記載の電動機。
- 回転方向に隣接している前記コイル同士は逆方向に巻回されていることを特徴とする請求項6記載の電動機。
- 前記接続端子は前記コイル同士の結線を兼ねていることを特徴とする請求項6から8のいずれか一項記載の電動機。
- 請求項1から9のいずれか一項記載の電動機と、
前記電機子の回転駆動力により燃料を吸入する吸入力を発生するポンプ部と、
を備えることを特徴とする燃料ポンプ。
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