JP4525719B2 - 階調補正装置、階調補正方法、及び、プログラム - Google Patents

階調補正装置、階調補正方法、及び、プログラム Download PDF

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Description

本発明は、例えばデジタルカメラに用いて好適な階調補正装置、階調補正方法、及び、プログラムに関するものである。
従来、画像の階調を自動的に補正する方法として画像の輝度レベルを画素毎に補正する方法がある。例えば下記特許文献1には以下の技術が記載されている。まず、入力画像を複数のブロック領域に分割し、各ブロック領域について平均輝度レベル(全画素の輝度レベルの平均)を求め、平均輝度レベルに応じてブロック領域毎に補正曲線を別個に選択する。次に、対象となる画素が含まれるブロック領域(主ブロック領域)、及びそのブロック領域と隣接する複数のブロック領域(副ブロック領域)にそれぞれ選択した複数種の補正曲線を加重平均して新たな補正曲線を作成し、その補正曲線を用いて輝度レベルを画素毎に変換する。係る技術によれば、階調補正に伴い局部の詳細が失われるのを避けることが可能となる。
特願平9−65252号公報
しかしながら、上記の技術においては、各画素の輝度レベルの変換に使用する補正曲線が、主ブロック領域と複数の副ブロック領域について個別に選択した複数種の補正曲線から得られるが、各々の補正曲線が、単に各ブロック領域(主ブロック領域と複数の副ブロック領域)の平均輝度レベルに対応して選択される構成となっている。そのため、階調補正を行っても入力画像における局部の詳細を維持することができるものの、その効果には自ずと限界があった。
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、画像内の各部の特徴が的確に反映されたより適切な階調補正を行うことが可能となる階調補正装置、階調補正方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
前記課題を解決するため請求項1記載の発明は、入力した画像の階調を補正する階調補正装置において、前記画像の全域にわたり設定した複数のブロック領域の各々を注目領域とし、注目領域の明るさレベルが予め決められている複数段階の明るさレベルのいずれのレベルに該当するのかを判定する第1の判定手段と、前記複数のブロック領域の各々を注目領域とし、当該注目領域の周囲に隣接するブロック領域の明るさレベルが予め決められている複数段階の明るさレベルのいずれのレベルに該当するか判定する第2の判定手段と、前記第1の判定手段および前記第2の判定手段によりそれぞれ判定された明るさレベルの組合せにより、前記注目領域の当該注目領域の周囲に隣接するブロック領域との間における相対的な明るさレベルが予め決められている複数段階の明るさレベルのいずれのレベルに該当するかを前記複数のブロック領域毎に判定する第3の判定手段と、前記複数のブロック領域の中心画素に前記第3の判定手段により判定された明るさレベルに対応したゲインの補正特性を個別に設定する補正特性設定手段と、前記第3の判定手段により明るさレベルが判定された複数のブロック領域について、前記複数段階の明るさレベル毎のブロック領域の数をカウントするカウント手段と、このカウント手段によってカウントされた明るさレベル毎のブロック領域の数に基づいて、前記画像全体のコントラスト状態を判定するコントラスト状態判定手段と、このコントラスト状態判定手段による判定結果に従って、前記補正特性設定手段によって設定されたゲインの補正特性を制限する制限係数を設定する制限係数設定手段と、前記補正特性設定手段によって設定されたゲインの補正特性、及び、前記制限係数設定手段によって設定された制限係数により各中心画素の明るさを補正する補正手段とを備えたことを特徴とする。
また、請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、前記画像が明るさレベルにおいてマイナス補正が不適切な画像であるか否かを判定する第4の判定手段を更に備え、前記制限係数設定手段は、前記コントラスト状態判定手段による判定結果に加え前記第4の判定手段による判定結果に従って、前記制限係数を設定することを特徴とする。
また、請求項3記載の発明は、上記請求項1又は2記載の発明において、前記第3の判定手段が判定する明るさレベルの段階数は、前記第1の判定手段及び前記第2の判定手段が判定する明るさレベルの段階数よりも多いことを特徴とする。
また、請求項4記載の発明は、上記請求項1乃至3の何れか記載の発明において、前記補正特性設定手段は更に、前記中心画素以外の他の画素に対し、当該他の画素に隣接する1又は複数の中心画素に設定した補正特性を中心画素との相対的な距離に応じて補間して設定することを特徴とする。
また、請求項5記載の発明は、上記請求項1乃至4の何れか記載の発明において、前記入力される画像はRGBの色成分からなり、前記入力された画像を少なくとも明るさ成分を有する色空間情報に変換する変換手段を更に備え、前記明るさレベルは、前記変換手段によって変換された色空間情報における明るさ成分から求められることを特徴とする。
前記課題を解決するため請求項6記載の発明は、入力した画像の階調を補正する階調補正方法であって、前記画像の全域にわたり設定した複数のブロック領域の各々を注目領域とし、注目領域の明るさレベルが予め決められている複数段階の明るさレベルのいずれのレベルに該当するのかを判定する第1の判定ステップと、前記複数のブロック領域の各々を注目領域とし、当該注目領域の周囲に隣接するブロック領域の明るさレベルが予め決められている複数段階の明るさレベルのいずれのレベルに該当するか判定する第2の判定ステップと、前記第1の判定ステップおよび前記第2の判定ステップにてそれぞれ判定された明るさレベルの組合せにより、前記注目領域の当該注目領域の周囲に隣接するブロック領域との間における相対的な明るさレベルが予め決められている複数段階の明るさレベルのいずれのレベルに該当するかを前記複数のブロック領域毎に判定する第3の判定ステップと、前記複数のブロック領域の中心画素に前記第3の判定ステップにて判定された明るさレベルに対応したゲインの補正特性を個別に設定する補正特性設定ステップと、前記第3の判定ステップにて明るさレベルが判定された複数のブロック領域について、前記複数段階の明るさレベル毎のブロック領域の数をカウントするカウントステップと、このカウントステップにてカウントされた明るさレベル毎のブロック領域の数に基づいて、前記画像全体のコントラスト状態を判定するコントラスト状態判定ステップと、このコントラスト状態判定ステップでの判定結果に従って、前記補正特性設定ステップにて設定されたゲインの補正特性を制限する制限係数を中心画素毎に設定する制限係数設定ステップと、前記補正特性設定ステップにて設定されたゲインの補正特性、及び、前記制限係数設定ステップにて設定された制限係数により各中心画素の明るさを補正する補正ステップとを含むことを特徴とする。
前記課題を解決するため請求項7記載の発明は、入力した画像の階調を補正する階調補正装置が有するコンピュータを、前記画像の全域にわたり設定した複数のブロック領域の各々を注目領域とし、注目領域の明るさレベルが予め決められている複数段階の明るさレベルのいずれのレベルに該当するのかを判定する第1の判定手段、前記複数のブロック領域の各々を注目領域とし、当該注目領域の周囲に隣接するブロック領域の明るさレベルが予め決められている複数段階の明るさレベルのいずれのレベルに該当するか判定する第2の判定手段、前記第1の判定手段および前記第2の判定手段によりそれぞれ判定された明るさレベルの組合せにより、前記注目領域の当該注目領域の周囲に隣接するブロック領域との間における相対的な明るさレベルが予め決められている複数段階の明るさレベルのいずれのレベルに該当するかを前記複数のブロック領域毎に判定する第3の判定手段、前記複数のブロック領域の中心画素に前記第3の判定手段により判定された明るさレベルに対応したゲインの補正特性を個別に設定する補正特性設定手段、前記第3の判定手段により明るさレベルが判定された複数のブロック領域について、前記複数段階の明るさレベル毎のブロック領域の数をカウントするカウント手段、このカウント手段によってカウントされた明るさレベル毎のブロック領域の数に基づいて、前記画像全体のコントラスト状態を判定するコントラスト状態判定手段、このコントラスト状態判定手段による判定結果に従って、前記補正特性設定手段によって設定されたゲインの補正特性を制限する制限係数を中心画素毎に設定する制限係数設定手段、前記補正特性設定手段によって設定されたゲインの補正特性、及び、前記制限係数設定手段によって設定された制限係数により各中心画素の明るさを補正する補正手段として機能させることを特徴とする。
本発明によれば、画像内の各部の特徴が的確に反映されたより適切な階調補正を行うことが可能となる。
以下、本発明の好ましい実施の形態を図にしたがって説明する。図1は、本発明に係る階調補正装置の構成を示すブロック図である。この階調補正装置は、入力した画像の階調を自動的に補正するものであって、デジタルカメラ等の撮像装置やプリンタ、その他の画像処理機能を有する各種の画像処理装置に組み込まれて使用される。
図示したように本実施形態の階調補正装置は、RGBの色成分毎の画素データからなる画像データを入力する入力部1と、V値変換部2、V値平均算出部3、第1のキー判定部4、第2のキー判定部5、第3のキー判定部6、ヒストグラム作成部7、補正ゲイン演算部8、座標カウンタ9、階調変換部10、出力部11の各部からなり、入力部1に入力した画像データのゲインを階調変換部10において画素毎に調整する構成である。
V値変換部2は本発明の取得手段であり、入力部1に入力した画像データの画素値(R値、G値、B値)をHSV色空間におけるV(value:明度)成分の値に変換する部であり、変換したV値(Vin)をV値平均算出部3及びヒストグラム作成部7へ出力する。なお、周知のようにV値はR値、G値、B値の最大値であり、下記式によって変換する。
Vin = max(Rin,Gin,Bin)
V値平均算出部3は、入力画像を予め決められている複数のブロック領域(分割領域)に分割し、各々のブロック領域をそれぞれ注目領域とし、面積が異なる2種類のキー判定領域について各々の領域内の全画素のV値の平均値(以下、平均V値)をそれぞれ算出する。図2は入力画像100における上記ブロック領域101を示した模式図であり、同図(a)、及び同図(b)に斜線で示した領域がキー判定領域である。
すなわち図2(a)に示したように、V値平均算出部3は、注目領域であるブロック領域101(図でA)それ自体を第1のキー判定領域Aとして平均V値を算出する。また、図2(b)に示したように、注目領域となっているブロック領域101(図でA)と、その周囲に隣接する8つの他のブロック領域101(図でB1,B2,・・・B8)とからなる領域を第2のキー判定領域(包括領域)Bとして平均V値を算出する。
第1のキー判定部4は、V値平均算出部3により算出された上述した第1のキー判定領域Aの平均V値から、その領域の明るさが予め決められている複数段階にレベル分けされた明るさ基準(第1の明るさ基準)におけるいずれの明るさレベル(以下、第1の明るさレベル)に該当するのかを判定する。以下の説明ではこれを第1のキー判定という。ここで判定する明るさレベルは「ロー」、「ミドル」、「ハイ」の3段階である。なお、各明るさレベルに対応する平均V値の範囲は例えば平均V値の全範囲(「0」〜「MAX」)を3等分した範囲である。なお、V値平均算出部3と第1のキー判定部4とによって本発明の第1の判定手段が構成される。
第2のキー判定部5は、V値平均算出部3により算出された上述した第2のキー判定領域Bの平均V値から、その領域の明るさが予め決められている複数段階にレベル分けされた明るさ基準(第2の明るさ基準)におけるいずれの明るさレベル(以下、第2の明るさレベル)に該当するのかを判定する。以下の説明ではこれを第2のキー判定という。ここで判定する明るさレベルも上述した第1のキー判定の場合と同一基準に基づく明るさレベルであり、「ロー」、「ミドル」、「ハイ」のいずれかである。なお、V値平均算出部3と第2のキー判定部5とによって本発明の第2の判定手段が構成される。
第3のキー判定部6は本発明の第3の判定手段であり、上述した第1及び第2のキー判定の結果(第1及び第2の明るさレベル)の組合せに対応する明るさレベルであって、前述した明るさ基準よりも詳細にレベル分けされた明るさ基準(第3の明るさ基準)におけるいずれの明るさレベル(以下、第3の明るさレベル)に該当するのかを判定する。つまり注目領域となっているブロック領域101について、その周囲に隣接する8つの他のブロック領域101(B1,B2,・・・B8)との間における相対的な明るさの関係を考慮した明るさレベルを判定する。以下の説明ではこれを第3のキー判定と呼ぶ。
本実施形態において、係る第3のキー判定で判定される明るさレベルは「ロー1」、「ロー2」、「ミドル1」、「ミドル2」、「ハイ1」、「ハイ2」の6段階のいずれかのレベルであり、「ロー1」が最低レベル、「ハイ2」が最高レベルである。また、第1及び第2の明るさレベルの組合せと第3の明るさレベルとの対応関係は予め決められている。図3は、それを示した図である。
ヒストグラム作成部7は本発明のヒストグラム取得手段であり、前記V値変換部2により変換された全画素のV値(Vin)からV値別の画素数をカウントし、カウント結果を入力画像全体の明るさの分布状態を示すヒストグラム情報として前記補正ゲイン演算部8へ出力する。
補正ゲイン演算部8は、本発明の第1の特性設定手段、第2の特性設定手段、算出手段、コントラスト判定手段、上限調整手段、分布状態判定手段、下限規制手段であり、前述した第3のキー判定の結果とヒストグラム情報とに基づき、後述するゲイン関数(補正関数)を用いて階調変換部10による画素毎のゲイン調整時における補正用のゲイン、つまり画像データの各画素値に乗じる階調補正用の補正係数を個別に算出し階調変換部10に設定する。
座標カウンタ9は、補正ゲイン演算部8においてゲインの算出対象となる画素の座標位置(横位置及び縦位置)をカウントする。
階調変換部10は本発明の補正手段であり、補正ゲイン演算部8において画素毎に演算されたゲインで画像データのゲインを画素毎に調整する。すなわち各画素の画素値(R値、G値、B値)を上記ゲインを乗じた画素値に変換する。出力部11は、階調変換部10によるゲイン調整後の画像データを出力する。
ここで、前記補正ゲイン演算部8における補正用のゲインの演算動作について詳述する。まず、補正ゲイン演算部8は、ゲイン算出時に基本とする、各画素のV値の変化に対するゲインの変化特性であって、後述するゲイン関数により得られる補正特性を全画素に個別に設定する。
具体的には、複数のブロック領域101の各々の中心画素に対し、前述した「ロー1」、「ロー2」、「ミドル1」、「ミドル2」、「ハイ1」、「ハイ2」の6段階の明るさレベル(図3参照)にそれぞれ対応して予め決められている複数種の補正特性のうちから、第3のキー判定でブロック領域101毎に判定された第3の明るさレベルに対応する補正特性を代表補正特性として設定する。
また、中心画素以外の画素には、それと隣接する複数の中心画素に設定した代表補正特性から線形補間により新たな補正特性を取得し、その補正特性を設定する。なお、他の画素に設定する補正特性の補間については、線形補間に限らずスプライン補間等の他の補間方法でも構わない。
図4(a)は、入力画像100を9つのブロック領域に分割する場合における各々のブロック領域と、それらの中心画素(図で「+」)とを示した図であり、図4(b)は、中心画素以外のある画素(図で「・」)と、当該画素の補正特性の取得(補間)に使用される中心画素との関係を示した図である。図4(b)に示したように、前述した他の画素に設定する補正特性の補間に際しては、当該画素に隣接する最大で4つの中心画素の代表補正特性を使用する。但し、入力画像の上下左右の角部分に位置するブロック領域内の画素については、そのブロック領域の中心画素に設定した代表補正特性をそのまま補正特性として設定する。
次に、代表補正特性及び補正特性について詳述する。
ここで、各画素に設定する代表補正特性及び補正特性は、
g(lev,x)
で表される図5(a)に示した基本となるゲイン関数によって得られる特性であり、補正ゲイン演算部8は、このゲイン関数においてその特性を決めるパラメータ(変数)であるゲインレベル(lev)及び次数(x)の値を前述した代表補正特性又は補正特性として画素毎に設定する。
図5(b)及び図5(c)は、上記ゲイン関数によって得られるV値(Vin)の変化に対するゲイン(g)の変化特性を示した図であり、上記ゲイン関数により算出されるゲイン(g)は、V値(Vin)が大きくなるにつれて小さくなり、V値=MAXのとき1.0倍となる。また、前記パラメータの値の違いは以下のように特性に反映される。
すなわち、図5(b)に示したように、次数(x)の値が同一の場合、ゲインレベル(lev)が大きいほど全体のゲイン(g)が大きくなり、「lev=2」であるときゲイン(g)の最大値が2.0倍となる。また、図5(c)に示したように、ゲインレベル(lev)の値が同一の場合、次数(x)が大きいほど、中間の明るさ領域、特にハイライト(V値が最大)側のゲイン(g)が抑えられ、値によってはハイライト側(V値が大きい側)のゲイン(g)が1.0以下となる。
つまり上記ゲイン関数を用いて階調変換部10に設定するゲインを画素毎に算出するとき、ゲインレベル(lev)を大きくして全体的にゲインを上げれば、入力画像の暗い部分の階調を向上することができる。同時に次数(x)を大きくしてハイライト(V値が最大)側のゲインを1.0以下とすれば、入力画像の明るい部分での白とびを軽減することができる。
そのため、図示しないが前述した6段階(「ロー1」、・・・「ハイ2」)の各々の明るさレベルに対応するゲインレベル(lev)には、明るさレベルが上がるに従い順に小さくなる値が設定されており、また、各々の明るさレベルに対応する次数(x)には、明るさレベルが上がるに従い順に大きくなる値が設定されている。また、双方のパラメータ(lev,x)の値は経験則に基づいて予め決められた値である。
また、補正ゲイン演算部8においては、前述したゲイン関数をそのまま用いてゲインを算出するのではなく、図6(a)に示した下記式で表されるゲイン関数
glim(lev,x)=
min{g(lev,x),(lev −1.0)×lim+1.0}
によってゲインを算出する。
このゲイン関数におけるパラメータ(lim)は、ゲインの上限を決めるゲイン制限係数であり、その値を1.0以下に設定することにより、ゲインレベル(lev)の値に対応してゲインの上限を調整することができる。なお、ゲイン制限係数の値は画像全体(全画素)で同一とする。以下の説明においては上記ゲイン関数を、便宜上、ゲイン制限後のゲイン関数という。
図6(b)は「lim=1」としたときの各画素のV値の変化に対するゲインの変化特性を示した図であり、この場合はゲイン制限を行わない場合と同様の特性となる。同図(c)は「lim=0.5」としたときの各画素のV値の変化に対するゲインの変化特性を示した図であり、ゲイン制限係数を1.0以下に設定することにより、ゲインレベル(lev)の値が小さいときほど、V値がより大きい側の画素に対するゲインを抑えることができる。つまり、暗い部分の画素に対するゲインを抑えることにより、画像のコントラスト(暗部の締まり)を強調することができる。
また、ゲイン制限係数(lim)の値は画像のコントラストに応じて設定する。本実施形態においては、前述した第3のキー判定の結果に基づき画像のコントラスト状態を判定(推定)するコントラスト判定を行い、その判定結果に応じた値を設定する。
具体的には、第3のキー判定に際して明るさレベルが最低である「ロー1」であったブロック領域の数と、明るさレベルが最高である「ハイ2」であったブロック領域の数とを個別にカウントし、双方の明るさレベルについて、各々のカウント数がレベル毎に決められている閾値(N,M)以上であるか、または閾値(N,M)未満であるかを確認する。そして、図7に示したように、「ロー1」の数(N以上の数、N未満の数)と、「ハイ2」の数(M以上の数、M未満の数)との組合せからコントラスト状態を判定し、その判定結果に応じてゲイン制限係数を設定する。
図7は、コントラスト状態を4段階に分けて判定する場合の例であり、例えば「ロー1」の数が閾値N以上で、かつ「ハイ2」の数が閾値M以上であったときには画像のコントラストが最も高い状態であると判定し、ゲイン制限係数の値を「1.0」に設定する。つまり実質的に前述したコントラスト強調を行わないようにする。また、「ロー1」の数が閾値N未満で、かつ「ハイ2」の数が閾値M未満であったときには、画像のコントラストが最も低い状態であると判定し、ゲイン制限係数の値を「0.5」に設定する。
一方、上述したゲイン制限後のゲイン関数を用いて各画素に対するゲインの上限を調整すれば、画像のコントラスト(暗部の締まり)を強調することができるが、その場合においても、図5(c)に示したように、ゲインの算出に際して各画素に設定する次数(x)の値がある程度大きいときには、ハイライト部分(V値が最大値の画素部分)を除くハイライト側(V値が大きい側)のゲイン(g)が1.0以下となる。つまり画像内の明るい部分の画素値をマイナス補正することなる。
これは、明るい部分の階調が乏しい画像ではコントラストの無用な低下につながり、また、白とびが大きい(白とびしている部分が多い)画像では、白とびが生じている部分と、その周囲における白とびに近い部分(V値が最大値付近)との間の階調差が大きくなるトーンジャンプを生じさせる要因となる。
そのため、補正ゲイン演算部8においては、各画素のゲインの算出に際して、入力画像が、明るい部分の画素に対する画素値のマイナス補正が不適切となる画像であるか否か、つまり明るい部分の階調が乏しい画像、または白とびが大きい画像であるか否かの判定(以下、ハイライト判定)を行い、マイナス補正が不適切となる画像であると判定した場合においては、図8(a)に示した下記式で表されるゲイン関数
gcrip(lev,x)= max{glim(lev,x),1.0}
によってゲインを算出する。
つまり、ゲインの下限を「1.0」にクリップ(制限)することにより、入力画像が明るい部分の階調が乏しい画像である場合におけるコントラストの無用の低下、及び白とびが大きい画像である場合におけるトーンジャンプの発生を回避する。以下の説明においては上記ゲイン関数を、便宜上、クリップ後のゲイン関数という。
図8(b)、図8(c)は、前述したゲイン制限係数(lim)の値を「1.0」に設定している場合における、上記クリップの有無によるゲインの変化特性の違いを示した図であり、図8(b)は上記クリップを行わないときの変化特性、図8(c)は上記クリップを行うときの変化特性である。
また、前述したハイライト判定は、前記ヒストグラム作成部7により取得されたヒストグラム情報(画像全体のV値別の画素数による明るさの分布状態)に基づき以下のようにして行う。すなわち図9(a)に示したように、最大階調値(最大V値)から数%(例えば5〜10%)下の階調位置の階調値Xよりも大きい階調値の画素数が予め決められている一定数以下であるときには、入力画像が明るい部分の階調が乏しく、マイナス補正が不適切となる画像であると判断する。また、図9(c)に示したように、最大階調値(最大V値)の画素数が予め決められている一定数以上であるときには、入力画像が白とびが大きく、マイナス補正が不適切となる画像であると判定する。そして、図9(b)に示したように、階調値Xよりも大きい階調値の画素数が予め決められている一定数を超え、かつ最大階調値(最大V値)の画素数が予め決められている一定数未満であるとき、つまり2つの判定条件のいずれにも該当しないときには、入力画像が明るい部分の階調が豊かであり、マイナス補正が適切となる画像であると判定する。
ここで、上記のハイライト判定に使用するヒストグラム情報はR値、G値、B値の最大値であるV値別の画素数による明るさの分布状態であるため、入力画像が、色飽和が生じている部分が多い画像である場合についても、白とびが大きい画像の場合と同様にマイナス補正が不適切である画像と判定することができる。そのため、白とびが生じている付近におけるトーンジャンプに加え、色飽和が生じている付近におけるトーンジャンプの発生を同時に回避することができる。
以上のように補正ゲイン演算部8は、上記ハイライト判定の結果に応じ、入力画像が、ゲインのクリップが必要である画像である場合についてはクリップ後のゲイン関数
gcrip(lev,x)
を用いて画素毎のゲインを算出し、前記階調変換部10に補正用のゲインとして設定し、また、入力画像が、ゲインのクリップが不要である画像である場合についてはクリップ後のゲイン関数
glim(lev,x)
を用いて画素毎のゲインを算出し、前記階調変換部10に補正用のゲインとして設定する。
そして、階調変換部10では、補正ゲイン演算部8により上記ハイライト判定の結果に応じて算出されたゲインにより画像データの画素値を画素毎に調整する。すなわち入力した各画素のR,G,B別の画素値Rin,Gin,Binを下記式
Rout = Rin × glim(lev,x)
Gout = Gin × glim(lev,x)
Bout = Bin × glim(lev,x)
または下記式
Rout = Rin × gcrip(lev,x)
Gout = Gin × gcrip(lev,x)
Bout = Bin × gcrip(lev,x)
により得られる画素値Rout,Gout,Boutに変換する。つまり入力画像の各画素の輝度レベル(明るさ)を画素毎に設定された補正特性に従い個別に補正する。これにより入力画像の階調を自動的に補正することができる。
図10は、上述した階調補正装置における階調補正手順の概略を示すフローチャートである。図示したステップS1がV値平均算出部3による動作、ステップS2〜S4が第1のキー判定部4、第2のキー判定部5、第3のキー判定部6による動作、ステップS5〜S12が補正ゲイン演算部8による動作である。なお、ステップS12,S13の動作は、実際には画素数に応じた回数だけ繰り返し行われる。また、各ステップの詳細については先の説明と重複するため説明を省略する。
以上のように本実施形態の階調補正装置においては、画素毎のゲイン算出時の補正特性を決める際に基準となる各々のブロック領域101の明るさレベルを単に領域内の画素の平均V値等の明るさ情報のみから得るのではなく、前述した第1のキー判定、第2のキー判定、第3のキー判定といった3段階の判定処理から得るようにした。つまり、先に述べたように周囲との相対的な明るさの関係を考慮した明るさレベルを得るようにした。そのため、係る明るさレベルに基づき各画素の明るさを補正することにより、画像内における明るい部分と暗い部分との境界付近についても良好な階調結果を得ることができる。つまり、画像内の各部の特徴が的確に反映されたより適切な階調補正を行うことが可能となる。
また、画素毎のゲイン算出に際しては、入力画像について前述したコントラスト判定を行い、その判定結果に応じて各画素に設定するゲインの上限を調整するようにした。これにより、先に述べたように暗い部分の画素に対するゲインを抑えることができ、その結果、画像のコントラスト(暗部の締まり)を強調することができる。
さらに、画素毎のゲイン算出に際しては、入力画像について前述したハイライト判定を行い、入力画像が明るい部分の画素に対する画素値のマイナス補正が不適切となる画像であるか否かを判定し、上記マイナス補正が不適切となる画像である場合には、画素毎に設定するゲインの下限を「1.0」にクリップ(制限)するようにした。これにより、入力画像が明るい部分の階調が乏しい画像である場合におけるコントラストの無用な低下、及び白とびが大きい画像である場合におけるトーンジャンプの発生や、色飽和が生じている部分の周囲におけるトーンジャンプの発生を防止することができる。
ここで、本発明において、各々のブロック領域101の明るさレベルに基づいて入力画像の各画素の明るさを個別に補正するときの具体的方法には任意の方法を採用することができる。すなわち本実施形態では、各々のブロック領域101の明るさレベルに基づいて各々のブロック領域101の中心画素に代表補正特性を設定し、かつその代表補正特性に基づき中心画素互いの他の画素の補正特性を設定し、係る代表補正特性及び補正特性に従い各画素のゲインを調整するようにしたが、これ以外の方法によって各画素の明るさを個別に補正するようにしてもよい。
また、本実施形態においては、各々のブロック領域101の明るさが6段階の明るさレベルのいずれであるかを第3のキー判定により判定し、各々のブロック領域101に対して、第3のキー判定の結果に対応する補正特性を選択(設定)するとともに、それを各々のブロック領域101の中心画素に代表補正特性として設定したが、代表補正特性として設定すべき補正特性を、第3のキー判定を行わずに第1のキー判定で判定した明るさレベルと第2のキー判定で判定した明るさレベルとの組合せのみに基づき直接選択するようにしてもよい。但し、その場合には、各画素に設定するゲインの上限を決めるための前述したコントラスト判定を第3のキー判定の結果以外の情報に基づき行うこととなる。なお、これについては後述する。
また、本実施形態においては、入力画像100を複数のブロック領域101に分割し、各々のブロック領域101の明るさレベルに基づき、各画素の輝度レベル(明るさ)を画素毎に補正したが、各々のブロック領域は必ずしも入力画像100を分割した領域である必要はなく、入力画像100に、隣接するもの同士が部分的に重なるような複数のブロック領域を設定し、それらのブロック領域の明るさレベルに基づき、各画素の輝度レベル(明るさ)を画素毎に補正するようにしてもよい。
また、第1及び第2のキー判定領域A,Bの明るさレベルを「ロー」、「ミドル」、「ハイ」の3段階で判定したが、判定する明るさレベルの段階数は2段階でもよいし4段階以上でもよい。また、第1のキー判定領域Aと第2のキー判定領域Bとにおいて判定する明るさレベルの段階数を異なる段階数としてもよい。
また、本実施形態と同様に段階数を同一にする場合には、例えば第1のキー判定領域Aに対する第1のキー判定と第2のキー判定領域Bに対する第2のキー判定とにおける判定基準、つまり平均V値と明るさレベルとの対応関係を変えることにより第2のキー判定の結果に重み付けを行ってもよい。
また、第3のキー判定で最終的に判定する各々のブロック領域101の明るさレベル、つまり各々の中心画素に設定する代表補正特性を決めるとき基準となる明るさを「ロー1」〜「ハイ2」の6段階で判定したが、その段階数は変更しても構わない。ただし、判定する明るさレベルの段階数は多い方が的確な階調補正を行うことができる。そのため、第3のキー判定で判定する明るさレベルの段階数は、本実施形態のように第1及び第2のキー判定領域A,Bの明るさを判定するときの明るさレベルの段階数よりも多くすることが望ましい。
また、最終的に判定する各々のブロック領域101の明るさレベルを第1のキー判定、第2のキー判定、第3のキー判定の3段階の判定処理によって判定したが、次のようにしてもよい。例えば、前記第2のキー判定領域Bの外側に、それを含む他のキー判定領域をさらに設定し、係る他のキー判定領域についても明るさを判定し、その判定結果と、前記第1及び第2のキー判定の結果との組合せから最終的に判定する各々のブロック領域101の明るさを判定する、つまり各々のブロック領域101の明るさレベルを4段階の判定処理によって判定してもよい。
また、各ブロック領域の明るさレベルを各画素のV値(具体的には各ブロック領域の平均V値)に基づき判定するようにしたが、それを各画素のR値、G値、B値から得られるY(輝度)値等の他の明るさ情報に基づき判定してもよい。ただし、V値以外の明るさ情報を用いた場合には色飽和を判断できず、色飽和部分に対して不要なゲインを与えてしまう場合があるため、明るさ情報としてはV値を用いることが望ましい。また、各ブロック領域の明るさレベルは、各画素のV値やY値等の平均値に限らず、それらのヒストグラムから判定するようにしてもよい。
また、本実施形態においては、各々のブロック領域101に設定する補正特性(中心画素に設定する代表補正特性)を、入力画像の各画素に対するゲインの算出に使用するゲイン関数(基本となるゲイン関数)のパラメータ、つまりゲインレベル(lev)及び次数(x)の値とし、係るパラメータの値を第3のレベル判定の結果に対応して各々のブロック領域101に設定し、それに基づき、各画素に対するゲインを算出するようにしたが、以下のようにしてもよい。
例えば、第3のレベル判定で判定する明るさレベルの段階数分の補正特性として、各々の補正特性を表すゲインカーブ上に所定のV値間隔で存在する複数の代表点(16点等)を示す複数のV値とゲイン(g)との組合せを予め決めておき、それらを第3のレベル判定の結果に対応して各々のブロック領域101に設定するようにしてもよい。その場合、各々のブロック領域101の中心画素については、各々のブロック領域101について第3のレベル判定の結果に対応する複数の代表点により示されるゲインカーブを用いて、その中心画素のV値(Vin)に対応するゲイン(g)を決定することとなる。また、中心画素以外の画素については、それと隣接する複数の中心画素をそれぞれ含む各々のブロック領域101における第3のレベル判定の結果に対応する複数の代表点を用い、V値が同じ複数の代表点から新たな代表点をそれぞれ補間し、それにより得られた新たな複数の代表点を結ぶゲインカーブを用いて、その画素のV値(Vin)に対応するゲイン(g)を決定することとなる。
また、本実施形態では、前述したゲイン制限後のゲイン関数
glim(lev,x)
を用いて画素毎のゲインを算出し、その際、前述したコントラスト判定の結果に応じてゲイン制限係数(lim)の値を設定することにより、各画素に設定するゲインの上限を調整するようにしたが、以下のようにしてもよい。
例えば、前述したゲインのクリップが必要でない入力画像については、各画素のゲインの算出を前述した基本となるゲイン関数
g(lev,x)
を用いて行うものとし、各々のブロック領域101の中心画素に代表補正特性として設定するゲインレベル(lev)及び次数(x)の値(第3のキー判定の結果に応じた値)をコントラスト判定の結果に応じて調整することによって、各画素に設定するゲインの上限を調整してもよい。その場合、ゲイン制限後のゲイン関数は
gcrip(lev,x)= max{g(lev,x),1.0}
となる。
また、本実施形態では、各画素に設定するゲインの上限を調整する際に基準となる入力画像のコントラスト状態を前述した第3のキー判定の結果に基づき判定したが、これに限らず入力画像のコントラスト状態は他の情報に基づいて判定するようにしてもよい。例えば第3のキー判定の結果に代えて前述した第1のキー判定の結果や第2のキー判定の結果を用いたり、双方の判定結果を用いたりしてもよい。さらに、前述した階調補正装置をデジタルカメラに採用する場合には、EV値(露光時間)に基づき判定するようにしてもよい。
また、各画素に設定するゲインの上限を自動調整するのではなく、手動で調整可能な構成としてもよい。その場合には、例えば階調補正装置の使用者がコントラストの強調度合を複数レベルの中から選択可能な構成とし、前述したゲイン制限係数(lim)を選択されたレベルに応じて予め決めておいた値に設定するようにすればよい。
また、入力画像のコントラスト状態を第3のキー判定の結果に基づいて判定する場合には、本実施形態のように「ロー1」に該当するブロック領域101の数と「ハイ2」に該当するブロック領域101の数とをそれぞれ閾値(N,M)を用いて2段階に分け、2段階の数の組合せに基づいてコントラスト状態を判定する以外にも、単に「ロー1」の該当数と「ハイ2」の該当数との組合せにより判定したり、他の複数の明るさレベル(3種類以上でもよい)の該当数の組合せにより判定したり、ある明るさレベルの該当数のみに基づいて判定したりしてもよい。さらに、1又は複数の所定の明るさレベルの該当数を2以上の閾値を用いて3段階以上に分けて確認し、それらの組合せに基づいてコントラスト状態を判定してもよい。
なお、入力画像について前述したコントラスト判定を行い、その判定結果に応じて各画素に設定するゲインの上限を調整する技術、つまり画素の明るさを個別に補正するとき各画素に対する補正係数の上限を調整する技術は、各々のブロック領域101の明るさレベルを本実施形態で説明した方法以外の方法により判定し、その判定結果に基づいて各画素の明るさを個別に補正する場合においても有効である。
また、本実施形態では、入力画像が、明るい部分の画素に対する画素値のマイナス補正が不適切となる画像であるか否かのハイライト判定を、画像全体のV値別の画素数による明るさの分布状態を示すヒストグラム情報に基づき行うようにしたが、ハイライト判定に使用するヒストグラム情報は、例えば一定区間毎のV値(階調)の画素数を示すものであっても構わない。また、ブロック領域101の数(本実施形態では入力画像100の分割数)がある程度多い場合には、各々のブロック領域101の平均V値を要素とするヒストグラム情報を使用してもよいし、複数のブロック領域101を単位として平均V値を取得し、その平均V値を要素とするヒストグラム情報を使用してもよい。
また、本実施形態では、ハイライト判定を画像全体に対して行い、画素毎に設定するゲインの下限をクリップするか否かの判断を一括して行うようにしたが、以下のようにしてもよい。例えば各々のブロック領域101についてV値のヒストグラム情報を取得して、ブロック領域101毎にハイライト判定を行うものとし、その判定結果に基づいて各画素のゲインの算出時には、ブロック領域101毎に使用するゲイン関数をゲイン制限後のゲイン関数又はクリップ後のゲイン関数から選択するようにしてもよい。さらに、それを複数のブロック領域101を単位として行うようにしてもよい。
なお、前述したハイライト判定の結果に応じて、画素毎に設定するゲインの下限をクリップ(制限)する技術、つまり画素の明るさを個別に補正するとき各画素に対する補正係数の下限値を所定の値に規制する技術は、各々のブロック領域101の明るさレベルを本実施形態で説明した方法以外の方法により判定し、その判定結果に基づいて各画素の明るさを個別に補正する場合においても有効である。
また、本実施形態では、前述した第2の明るさレベルを取得する対象領域である第2のキー判定領域を、注目領域となっているブロック領域101(図2(b)でA)と、その周囲に隣接する8つの他のブロック領域101(同図でB1,B2,・・・B8)とからなる領域(包括領域)Bとしたが、本発明において第2の明るさレベルを取得する対象領域はこれに限定されるものではない。例えば、注目領域の周囲に隣接する8つの他のブロック領域のみを第2のキー判定領域としてもいいし、注目領域の周囲に隣接する8つの他のブロック領域のうちのいくつかのブロック領域(図2(b)でB2,B4,B5,B7など)を第2のキー判定領域としてもよい。
また、以上説明した図1に示した階調補正装置の各部はASIC(特定用途向け集積回路)により構成することができる。また、入力部1と出力部11以外の各部の全て、又はその一部の機能については、例えば階調補正装置をデジタルカメラ等の装置に組み込む場合、それらの装置が有するコンピュータを所定の階調補正プログラムに従い動作させることにより実現してもよい。
本発明に係る階調補正装置のブロック図である。 入力画像におけるブロック領域を示した模式図である。 第1及び第2の明るさレベルの組合せと第3の明るさレベルとの対応関係を示す図である。 (a)は、入力画像におけるブロック領域、及びその中心画素を示す図、(b)は、補正特性の補間時における中心画素と他の画素との関係を示す概念図である。 基本となるゲイン関数、及びそれによって得られるV値の変化に対するゲインの変化特性を示す説明図である。 ゲイン制限後のゲイン関数、及びそれによって得られるV値の変化に対するゲインの変化特性を示す説明図である。 ゲイン制限係数の設定方法を示す図である。 クリップ後のゲイン関数、及びそれによって得られるV値の変化に対するゲインの変化特性を示す説明図である。 ハイライト判定の方法を示す図である。 階調補正装置における階調補正手順の概略を示すフローチャートである。
符号の説明
1 入力部
2 V値変換部
3 V値平均算出部
4 第1のキー判定部
5 第2のキー判定部
6 第3のキー判定部
7 ヒストグラム作成部
8 補正ゲイン演算部
9 座標カウンタ
10 階調変換部
11 出力部
100 入力画像
101 ブロック領域
A 第1のキー判定領域
B 第2のキー判定領域

Claims (7)

  1. 入力した画像の階調を補正する階調補正装置において、
    前記画像の全域にわたり設定した複数のブロック領域の各々を注目領域とし、注目領域の明るさレベルが予め決められている複数段階の明るさレベルのいずれのレベルに該当するのかを判定する第1の判定手段と、
    前記複数のブロック領域の各々を注目領域とし、当該注目領域の周囲に隣接するブロック領域の明るさレベルが予め決められている複数段階の明るさレベルのいずれのレベルに該当するか判定する第2の判定手段と、
    前記第1の判定手段および前記第2の判定手段によりそれぞれ判定された明るさレベルの組合せにより、前記注目領域の当該注目領域の周囲に隣接するブロック領域との間における相対的な明るさレベルが予め決められている複数段階の明るさレベルのいずれのレベルに該当するかを前記複数のブロック領域毎に判定する第3の判定手段と、
    前記複数のブロック領域の中心画素に前記第3の判定手段により判定された明るさレベルに対応したゲインの補正特性を個別に設定する補正特性設定手段と、
    前記第3の判定手段により明るさレベルが判定された複数のブロック領域について、前記複数段階の明るさレベル毎のブロック領域の数をカウントするカウント手段と、
    このカウント手段によってカウントされた明るさレベル毎のブロック領域の数に基づいて、前記画像全体のコントラスト状態を判定するコントラスト状態判定手段と、
    このコントラスト状態判定手段による判定結果に従って、前記補正特性設定手段によって設定されたゲインの補正特性を制限する制限係数を設定する制限係数設定手段と、
    前記補正特性設定手段によって設定されたゲインの補正特性、及び、前記制限係数設定手段によって設定された制限係数により各中心画素の明るさを補正する補正手段と
    を備えたことを特徴とする階調補正装置。
  2. 前記画像が明るさレベルにおいてマイナス補正が不適切な画像であるか否かを判定する第4の判定手段を更に備え、
    前記制限係数設定手段は、前記コントラスト状態判定手段による判定結果に加え前記第4の判定手段による判定結果に従って、前記制限係数を設定することを特徴とする請求項1記載の階調補正装置。
  3. 前記第3の判定手段が判定する明るさレベルの段階数は、前記第1の判定手段及び前記第2の判定手段が判定する明るさレベルの段階数よりも多いことを特徴とする請求項1又は2記載の階調補正装置。
  4. 前記補正特性設定手段は更に、前記中心画素以外の他の画素に対し、当該他の画素に隣接する1又は複数の中心画素に設定した補正特性を中心画素との相対的な距離に応じて補間して設定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか記載の階調補正装置。
  5. 前記入力される画像はRGBの色成分からなり、
    前記入力された画像を少なくとも明るさ成分を有する色空間情報に変換する変換手段を更に備え、
    前記明るさレベルは、前記変換手段によって変換された色空間情報における明るさ成分から求められることを特徴とする請求項1乃至4の何れか記載の階調補正装置。
  6. 入力した画像の階調を補正する階調補正方法であって、
    前記画像の全域にわたり設定した複数のブロック領域の各々を注目領域とし、注目領域の明るさレベルが予め決められている複数段階の明るさレベルのいずれのレベルに該当するのかを判定する第1の判定ステップと、
    前記複数のブロック領域の各々を注目領域とし、当該注目領域の周囲に隣接するブロック領域の明るさレベルが予め決められている複数段階の明るさレベルのいずれのレベルに該当するか判定する第2の判定ステップと、
    前記第1の判定ステップおよび前記第2の判定ステップにてそれぞれ判定された明るさレベルの組合せにより、前記注目領域の当該注目領域の周囲に隣接するブロック領域との間における相対的な明るさレベルが予め決められている複数段階の明るさレベルのいずれのレベルに該当するかを前記複数のブロック領域毎に判定する第3の判定ステップと、
    前記複数のブロック領域の中心画素に前記第3の判定ステップにて判定された明るさレベルに対応したゲインの補正特性を個別に設定する補正特性設定ステップと、
    前記第3の判定ステップにて明るさレベルが判定された複数のブロック領域について、前記複数段階の明るさレベル毎のブロック領域の数をカウントするカウントステップと、
    このカウントステップにてカウントされた明るさレベル毎のブロック領域の数に基づいて、前記画像全体のコントラスト状態を判定するコントラスト状態判定ステップと、
    このコントラスト状態判定ステップでの判定結果に従って、前記補正特性設定ステップにて設定されたゲインの補正特性を制限する制限係数を中心画素毎に設定する制限係数設定ステップと、
    前記補正特性設定ステップにて設定されたゲインの補正特性、及び、前記制限係数設定ステップにて設定された制限係数により各中心画素の明るさを補正する補正ステップと
    を含むことを特徴とする階調補正方法。
  7. 入力した画像の階調を補正する階調補正装置が有するコンピュータを、
    前記画像の全域にわたり設定した複数のブロック領域の各々を注目領域とし、注目領域の明るさレベルが予め決められている複数段階の明るさレベルのいずれのレベルに該当するのかを判定する第1の判定手段、
    前記複数のブロック領域の各々を注目領域とし、当該注目領域の周囲に隣接するブロック領域の明るさレベルが予め決められている複数段階の明るさレベルのいずれのレベルに該当するか判定する第2の判定手段、
    前記第1の判定手段および前記第2の判定手段によりそれぞれ判定された明るさレベルの組合せにより、前記注目領域の当該注目領域の周囲に隣接するブロック領域との間における相対的な明るさレベルが予め決められている複数段階の明るさレベルのいずれのレベルに該当するかを前記複数のブロック領域毎に判定する第3の判定手段、
    前記複数のブロック領域の中心画素に前記第3の判定手段により判定された明るさレベルに対応したゲインの補正特性を個別に設定する補正特性設定手段、
    前記第3の判定手段により明るさレベルが判定された複数のブロック領域について、前記複数段階の明るさレベル毎のブロック領域の数をカウントするカウント手段、
    このカウント手段によってカウントされた明るさレベル毎のブロック領域の数に基づいて、前記画像全体のコントラスト状態を判定するコントラスト状態判定手段、
    このコントラスト状態判定手段による判定結果に従って、前記補正特性設定手段によって設定されたゲインの補正特性を制限する制限係数を中心画素毎に設定する制限係数設定手段、
    前記補正特性設定手段によって設定されたゲインの補正特性、及び、前記制限係数設定手段によって設定された制限係数により各中心画素の明るさを補正する補正手段
    として機能させることを特徴とするプログラム。
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