JP4518821B2 - 非水電解質二次電池用電極及びその製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池用電極及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、非水電解質二次電池用電極及びその製造方法に関するものである。
スピネル構造を有するマンガン酸リチウムは、コバルト酸リチウムのような層状構造とは異なる三次元のホスト構造を有するため、理論容量のほとんどが使用可能であり、サイクル特性に優れることが期待されている。
しかしながら、スピネル構造を有するマンガン酸リチウムを用いた電池においては、充電に伴う相変化による構造劣化が生じ、電池特性が低下するという問題があった。特許文献1においては、このようなマンガン酸リチウムにLi−Ni−Co複合酸化物を混合することにより、高温保存時の劣化を抑制する方法が提案されている。
特許第3024636号公報
上記のように、Li−Ni−Co複合酸化物とマンガン酸リチウム(リチウムマンガン酸化物)を混合した正極を作製する際には、Li−Ni−Co複合酸化物と、リチウムマンガン酸化物と、導電剤としてのカーボンとを予め乾式混合した後、この混合物をバインダーを含む溶液中に添加してスラリーが調製されている。本発明者らは、このような方法により調製された正極を用いた場合、高温保存特性が充分に得られないことを見出した。
本発明の目的は、NiとCoのうち少なくともいずれか1つ以上の元素を含むリチウム遷移金属複合酸化物と、リチウムマンガン酸化物と、炭素材料とを含む非水電解質二次電池用電極において、高温保存特性に優れた非水電解質二次電池用電極及びその製造方法を提供することにある。
本発明の第1の局面における非水電解質二次電池用電極は、NiとCoのうち少なくともいずれか1つ以上の元素を含むリチウム遷移金属酸化物と、リチウムマンガン酸化物とを活物質として含み、かつ炭素材料を導電剤として含む非水電解質二次電池用電極であって、リチウム遷移金属酸化物と炭素材料を予め乾式混合し、該混合物とリチウムマンガン酸化物とを、バインダーを含む溶液中に添加し混合してスラリーを調製し、該スラリーを集電体上に塗布して得られることを特徴としている。
従来より、リチウム遷移金属酸化物と、導電剤としての炭素材料を含むスラリーを調製する際、リチウム遷移金属酸化物と炭素材料を予め乾式混合し、得られた混合物をバインダーを含む溶液中に添加している。これは、炭素材料の粉末を直接バインダーを含む溶液中に添加すると、炭素材料と溶液との馴染みが悪いため、炭素材料が溶液中で凝集した状態となり、炭素材料からなる導電剤が良好に分散したスラリー及び電極が得られないからである。リチウム遷移金属酸化物と炭素材料を予め乾式混合することにより、リチウム遷移金属酸化物の粉末の表面に炭素材料を付着させることができ、これによってスラリー中での分散状態を改善することができる。
従って、リチウム遷移金属酸化物とリチウムマンガン酸化物とを活物質として用いる場合においても、従来は、リチウム遷移金属酸化物とリチウムマンガン酸化物と炭素材料とを予め乾式混合した後、この混合物をバインダーを含む溶液中に添加して混合し、スラリーを調製していた。しかしながら、本発明者らは、このような方法によると、リチウムマンガン酸化物を乾式混合する際、リチウムマンガン酸化物が微粉化し、その比表面積が増加するため、高温保存の際、リチウムマンガン酸化物と電解液とが反応し、高温保存特性が悪くなるということを見出した。
本発明の第1の局面においては、リチウム遷移金属酸化物と炭素材料のみを予め乾式混合し、この混合物とリチウムマンガン酸化物とをバインダーを含む溶液中に添加して混合している。このため、リチウムマンガン酸化物の微粉化が生じず、その比表面積が大きくならないため、高温保存時における電解液との反応性が低減され、高温保存特性を改善することができる。
本発明の第2の局面における非水電解質二次電池用電極は、NiとCoのうち少なくともいずれか1つ以上の元素を含むリチウム遷移金属酸化物と、リチウムマンガン酸化物とを活物質として含み、かつ炭素材料を導電剤として含む非水電解質二次電池用電極であって、リチウム遷移金属酸化物と炭素材料とリチウムマンガン酸化物とを、リチウムマンガン酸化物の混合前後のBET比表面積の増加率が100%以下となる条件で乾式混合し、該混合物をバインダーを含む溶液中に添加し混合してスラリーを調製し、該スラリーを集電体上に塗布して得られることを特徴としている。
第2の局面においては、リチウムマンガン酸化物も、リチウム遷移金属酸化物及び炭素材料とともに乾式混合を行っている。しかしながら、リチウムマンガン酸化物の比表面積が大きく変化しない範囲で乾式混合している。すなわち、乾式混合前後のリチウムマンガン酸化物の比表面積(BET比表面積)の増加率が100%以下となる範囲で乾式混合を行っている。乾式混合前後におけるリチウムマンガン酸化物のBET比表面積の増加率の算出方法は以下の通りである。
〔リチウムマンガン酸化物のBET比表面積の増加率の算出方法〕
乾式混合前のリチウムマンガン酸化物のBET比表面積Aと、リチウムマンガン酸化物のみを電極作製時と同じ乾式混合条件で、正極活物質の合計重量(乾式混合時のリチウム遷移金属酸化物とリチウムマンガン酸化物の合計重量)と同じになる量用いて乾式混合した後のリチウムマンガン酸化物のBET比表面積Bを測定する。乾式混合前のリチウムマンガン酸化物のBET比表面積Aと、乾式混合後のリチウムマンガン酸化物のBET比表面積Bから以下の式を用いてリチウムマンガン酸化物のBET比表面積の増加率を算出する。
リチウムマンガン酸化物のBET比表面積の増加率=(B−A)/A×100
本発明の第2の局面においては、リチウムマンガン酸化物の混合前後のBET比表面積の増加率が100%以下となるように乾式混合しているので、リチウムマンガン酸化物の微粉化が生じず、高温保存特性を改善することができる。
以下、本発明の第1の局面及び第2の局面に共通する事項については、「本発明」として説明する。
本発明におけるリチウム遷移金属酸化物は、遷移金属としてNiとCoのうち少なくともいずれか1つ以上を含むものである。また、遷移金属としてさらにMnを含んでもよい。従って、本発明におけるリチウム遷移金属酸化物は、式LiaMnxNiyCoz2(ここで、a、x、y及びzは、0≦a≦1.2、x+y+z=1、x≧0、y≧0、及びz≧0を満足する数である。)で表わすことができる。
また、本発明において用いるリチウムマンガン酸化物は、式LiaMnb4(ここで、a及びbは、0≦a≦1.2、0≦b≦1.8を満足する数である。)で表わすことができる。
また、本発明におけるリチウムマンガン酸化物のBET比表面積は、初期において、すなわち第2の局面においては乾式混合前の状態において、0.1〜3.0m2/gの範囲内であることが好ましい。リチウムマンガン酸化物のBET比表面積が0.1m2/gより小さいと、粒子径が大きくなり過ぎ、良好な電池特性が得られない場合がある。また、BET比表面積が3.0m2/gより大きいと、スラリーの粘度が高くなり過ぎ、電極を作製するのが困難になる場合がある。リチウムマンガン酸化物のBET比表面積は、電極作製後においても、ほぼ同程度のBET比表面積であることが好ましい。具体的には、電極の作製前に対し作製後において、BET比表面積の増加が20%以内であることが好ましい。
また、本発明において用いるリチウムマンガン酸化物の結晶構造は、スピネル構造を有するものであることが好ましい。
本発明において、導電剤として用いる炭素材料としては、人造黒鉛及び天然黒鉛などの黒鉛材料、炭素繊維などが好ましく用いられる。
本発明の第1の局面における製造方法は、上記本発明の第1の局面の非水電解質二次電池用電極を製造することができる方法であり、リチウム遷移金属酸化物と炭素材料を予め乾式混合する工程と、この工程で得られた混合物とリチウムマンガン酸化物とを、バインダーを含む溶液中に添加し混合して、スラリーを調製する工程と、得られたスラリーを集電体上に塗布する工程とを備えることを特徴としている。
本発明の第1の局面の製造方法においては、リチウムマンガン酸化物を、リチウム遷移金属酸化物及び炭素材料とを乾式混合せずに、バインダーを含む溶液中に直接添加しているので、リチウムマンガン酸化物の比表面積を増加させることなく電極を作製することができる。このため、高温保存時におけるリチウムマンガン酸化物と電解液との反応を抑制することができ、高温保存特性を改善することができる。
なお、本発明の第1の局面の製造方法において、リチウム遷移金属化合物と炭素材料の混合物は、リチウムマンガン酸化物と同時にバインダーを含む溶液中に添加してもよいし、それぞれを別個に溶液中に添加してもよい。その際の添加順序は特に限定されるものではない。
本発明の第2の局面における製造方法は、上記本発明の第2の局面の非水電解質二次電池用電極を製造することができる方法であり、リチウム遷移金属酸化物と炭素材料とリチウムマンガン酸化物とを、リチウムマンガン酸化物の混合前後のBET比表面積の増加率が100%以下となる条件で乾式混合する工程と、この工程で得られた混合物をバインダーを含む溶液中に添加し混合してスラリーを調製する工程と、得られたスラリーを集電体上に塗布する工程とを備えることを特徴としている。
本発明の第2の局面においては、リチウムマンガン酸化物の混合前後のBET比表面積の増加率が100%以下となるように乾式混合しているので、リチウムマンガン酸化物が微粉化せず、高温保存特性に優れた電極を製造することができる。
本発明において、スラリーを調製するのに用いるバインダー溶液中のバインダー及び溶媒は、非水電解質二次電池用電極を作製するのに用いることができるバインダー及び溶媒であれば、特に限定されるものではない。例えば、ポリフッ化ビニリデンなどのようなフッ素樹脂を、N−メチル−2−ピロリドンのような有機溶媒に溶解したものを用いることができる。
また、スラリーを塗布する集電体としては、一般にアルミニウム箔などの金属箔が用いられる。
本発明の非水電解質二次電池は、上記本発明の電極または上記本発明の方法により製造される電極からなる正極と、負極と、非水電解質とを備えることを特徴としている。
本発明の二次電池において用いられる負極は、非水電解質二次電池の負極として用いることができるものであれば、特に限定されるものではない。負極材料としては、リチウムを吸蔵・放出することが可能な材料が用いられ、例えば、黒鉛材料、リチウム金属、リチウムを合金化し得る材料などが用いられる。リチウムと合金化し得る材料としては、例えば、ケイ素、錫、ゲルマニウム、アルミニウムなどが挙げられる。
非水電解質としては、非水電解質二次電池に用いられる電解質を制限なく用いることができる。電解質の溶媒としては、特に限定されるものではないが、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネートと、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの鎖状カーボネートとの混合溶媒が例示される。また、上記環状カーボネートと、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンなどのエーテル系溶媒との混合溶媒も例示される。
また、電解質の溶質としては、特に限定されるものではないが、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiN(C25SO2)2、LiN(CF3SO2)(C49SO2)、LiC(CF3SO2)3、LiC(C25SO2)3、LiAsF6、LiClO4、Li210Cl10、Li212Cl12など及びそれらの混合物が挙げられる。
本発明によれば、高温保存特性に優れた非水電解質二次電池用電極とすることができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
(実施例1)
〔正極の作製〕
LiNi0.4Co0.3Mn0.32の組成式で示されるリチウム遷移金属複合酸化物の粉末600gと、導電剤としての人造黒鉛100gとをらいかい機で混合し、この混合物を5重量%のポリフッ化ビニリデン(PVdF)を含むN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液に添加して混合した。これに、さらにスピネル構造を有するリチウムマンガン酸化物(Li1.1Mn1.94)400gを添加して混合し、スラリーを調製した。なお、リチウムマンガン酸化物のBET表面積は0.4m2/gであった。このスラリーを、厚み20μmのアルミニウム箔の両面にドクターブレード法により塗布し、150℃で2時間真空乾燥して、正極を作製した。
〔負極の作製〕
バインダーであるPVdFをNMPに溶解し、この溶液に、黒鉛粉末とPVdFの重量比が85:15となるように黒鉛粉末を添加混合して、スラリーを調製した。得られたスラリーを厚み20μmの銅箔の両面にドクターブレード法により塗布し、150℃で2時間真空乾燥して、負極を作製した。
〔電解液の作製〕
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを体積比1:1の割合となるように混合した溶媒に、LiPF6を1モル/リットルの割合となるように溶解して、電解液を調製した。
〔電池の組立〕
イオン透過性のポリプロピレン微多孔膜をセパレータとして用い、これを数周巻いた後、負極と正極の間に介在させ、スパイラル状に多数回巻き取り、電極体を作製した。この電極体を電池缶に挿入した後、上記電解液を注入し、封止して、本発明電池1を作製した。
(実施例2)
BET比表面積が3.0m2/gであるスピネル構造を有するリチウムマンガン酸化物を用いること以外は、実施例1と同様にして、本発明電池2を作製した。
(比較例1)
実施例1において、リチウム遷移金属酸化物と、人造黒鉛と、リチウムマンガン酸化物とをらいかい機で混合し、この混合物を、PVdFのNMP溶液に添加してスラリーを作製する以外は、実施例1と同様にして比較電池aを作製した。
(比較例2)
リチウム遷移金属酸化物と、人造黒鉛と、リチウムマンガン酸化物とを、予め乾式混合することなく、直接PVdFのNMP溶液に添加したことを以外は、実施例1と同様にして比較電池bを作製した。
(比較例3)
BET比表面積が5.0m2/gであるリチウムマンガン酸化物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして電池を作製しようとしたが、スラリーがゲル化し、集電体上に塗布することができず、電極を作製することができなかった。
〔電池の定格容量の測定〕
上記実施例1及び2並びに比較例1及び2の各電池について、0.2Cの定電流で4.2Vまで充電した後、0.3Cで3.0Vまで放電し、このときの放電容量を定格容量Aとした。測定結果を表1に示す。
Figure 0004518821
表1に示すように、本発明電池1及び2において、設計通りの電池容量が得られた。比較電池aについては、ほぼ設計通りの電池容量が得られた。これに対し、比較電池bにおいては、充放電することができなかった。これは、導電剤である炭素材料と、リチウム遷移金属酸化物とを予め乾式混合していなかったため、電極内において導電剤が均一に分散しておらず、良好な集電性を得ることができなかったことによるものと思われる。
〔電池の保存試験〕
本発明電池1〜2及び比較電池aについて、上記の定格容量測定試験後、0.2Cで所定の充電容量(充電量XmAh)まで充電を行い、45℃に保った恒温保存槽中で10日間放置した。放置後、0.3Cで3.0Vまで放電したときの放電容量を残存容量YmAhとし、以下の式により自己放電率を求めた。
自己放電率(%)=(充電容量X(mAh)−残存容量Y(mAh))/定格容量A(mAh)×100
自己放電率の測定結果を表2に示す。また、図1は、本発明電池1と比較電池aの45℃−10日間の保存試験後の自己放電率を示す図である。
Figure 0004518821
表2及び図1から明らかなように、本発明に従う電池1及び2は、45℃の高温保存特性試験において、従来例である比較電池aよりも、自己放電率が小さくなっており、高温保存特性に優れていることがわかる。
以上のことから、本発明に従うことにより、全ての充電範囲において自己放電率が改善し、高温保存特性が高まることがわかる。
上記の実施例においては、リチウム遷移金属酸化物と、リチウムマンガン酸化物との混合割合を重量比で6:4としているが、リチウム遷移金属酸化物:リチウムマンガン酸化物の混合割合は、重量比で8:2〜2:8の範囲において、リチウム遷移金属酸化物の容量が大きいという利点と、リチウムマンガン酸化物の熱的安定性が高いという利点を共に満たすことができる。
(実施例3)
〔正極の作製〕
LiNi0.4Co0.3Mn0.32の組成式で示されるリチウム遷移金属複合酸化物の粉末63gと、導電剤としての炭素5gとをらいかい機で混合し、この混合物と、スピネル構造を有するリチウムマンガン酸化物(Li1.1Mn1.94)27gとを、5gのポリフッ化ビニリデン(PVdF)を含むN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液に加えて混合し、スラリーを調製した。なお、リチウムマンガン酸化物のBETの比表面積は0.35m2/gであった。このスラリーを、厚み20μmのアルミニウム箔に塗布し、その後圧延ローラーを用いて圧延し、集電タブを取り付けることで、正極を作製した。
〔電解液の作製〕
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを体積比1:1で混合した溶媒に、LiPF6を1モル/リットル溶解して、電解液を作製した。
〔電池の作製〕
上記で作製した正極を作用極として、対極及び参照極にリチウム金属を用い、図2に示す三電極式ビーカーセルを作製し、上記電解液を注入し電池を作製した。
(実施例4)
LiNi0.4Co0.3Mn0.32の組成式で示されるリチウム遷移金属複合酸化物の粉末63gと、スピネル構造を有するリチウムマンガン酸化物(Li1.1Mn1.94)27gと、導電剤としての炭素5gとをらいかい機で混合し、この混合物を5gのポリフッ化ビニリデン(PVdF)を含むN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液に加えて混合し、スラリーを調製した。なお、用いた材料は全て実施例3と同じである。また、らいかい機による混合条件は、リチウムマンガン酸化物(Li1.1Mn1.94)のみを正極活物質の合計重量である90g投入して同条件で混合した場合、リチウムマンガン酸化物のBET比表面積が25.1%増加する条件であった。このスラリーを、厚み20μmのアルミニウム箔に塗布し、その後圧延ローラーを用いて圧延し、集電タブを取り付けることで、正極を作製した。
電解液、電池の作製については、実施例3と同様にして行った。
(実施例5)
実施例4と同様にしてスラリーを調製した。ただし、らいかい機による混合条件としては、リチウムマンガン酸化物(Li1.1Mn1.94)のみを正極活物質の合計重量である90g投入して同条件で混合した場合、リチウムマンガン酸化物のBET比表面積が87.6%増加する条件とした。このスラリーを、厚み20μmのアルミニウム箔に塗布し、その後圧延ローラーを用いて圧延し、集電タブを取り付けることで、正極を作製した。
電解液、電池の作製については、実施例3と同様にして行った。
(比較例4)
実施例4と同様にしてスラリーを調製した。ただし、らいかい機による混合条件としては、リチウムマンガン酸化物(Li1.1Mn1.94)のみを正極活物質の合計重量である90g投入して同条件で混合した場合、リチウムマンガン酸化物のBET比表面積が170.2%増加する条件とした。このスラリーを、厚み20μmのアルミニウム箔に塗布し、その後圧延ローラーを用いて圧延し、集電タブを取り付けることで、正極を作製した。
電解液、電池の作製については、実施例3と同様にして行った。
〔電池の定格容量測定〕
電池の容量確認は、9.3mAから3.1mAの二段階充電で4.3Vまで充電した後、9.3mAで3.1Vまで放電したときの放電容量を定格容量Aとした。
〔保存特性試験〕
9.3mAから3.1mAの二段階充電で4.3Vまで充電した後(充電容量XmAh)、65℃に保持した恒温槽内で10日間放置した。放置後、9.3mAで3.1Vまで放電したときの容量を残存容量YmAhとし、以下の式により求めた。結果を表3に示す。また、図3には、リチウムマンガン酸化物のBET比表面積の増加率と自己放電率との関係を示す。
自己放電率(%)=(充電容量X(mAh)−残存容量Y(mAh))/定格容量A(mAh)×100
Figure 0004518821
表3及び図3より、リチウムマンガン酸化物のBET比表面積の増加率が100%以下であれば、自己放電率の低下がリチウムマンガン酸化物を乾式混合しない場合と同様に抑制されることがわかる。
本発明に従う実施例における保存試験後の自己放電率を示す図。 本発明の実施例において作製した三電極式ビーカーセルを示す概略図。 リチウムマンガン酸化物のBET比表面積の増加率と自己放電率との関係を示す図。
符号の説明
1…作用極
2…対極
3…参照極
4…電解液

Claims (8)

  1. NiとCoのうち少なくともいずれか1つ以上の元素を含むリチウム遷移金属酸化物と、リチウムマンガン酸化物とを活物質として含み、かつ炭素材料を導電剤として含む非水電解質二次電池用電極であって、
    前記リチウム遷移金属酸化物と前記炭素材料を予め乾式混合し、該混合物と前記リチウムマンガン酸化物とを、バインダーを含む溶液中に添加し混合してスラリーを調製し、該スラリーを集電体上に塗布して得られることを特徴とする非水電解質二次電池用電極。
  2. NiとCoのうち少なくともいずれか1つ以上の元素を含むリチウム遷移金属酸化物と、リチウムマンガン酸化物とを活物質として含み、かつ炭素材料を導電剤として含む非水電解質二次電池用電極であって、
    前記リチウム遷移金属酸化物と前記炭素材料と前記リチウムマンガン酸化物とを、前記リチウムマンガン酸化物の混合前後のBET比表面積の増加率が100%以下となる条件で乾式混合し、該混合物をバインダーを含む溶液中に添加し混合してスラリーを調製し、該スラリーを集電体上に塗布して得られることを特徴とする非水電解質二次電池用電極。
  3. 前記リチウム遷移金属酸化物が、遷移金属としてさらにMnを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の非水電解質二次電池用電極。
  4. 前記リチウムマンガン酸化物のBET比表面積が、初期において0.1〜3.0m2/gであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用電極。
  5. 前記リチウムマンガン酸化物の結晶構造がスピネル構造を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用電極。
  6. NiとCoのうち少なくともいずれか1つ以上の元素を含むリチウム遷移金属酸化物と、リチウムマンガン酸化物とを活物質として含み、かつ炭素材料を導電剤として含む非水電解質二次電池用電極の製造方法であって、
    前記リチウム遷移金属酸化物と前記炭素材料を予め乾式混合する工程と、
    前記混合物と前記リチウムマンガン酸化物とを、バインダーを含む溶液中に添加し混合してスラリーを調製する工程と、
    前記スラリーを集電体上に塗布する工程とを備えることを特徴とする非水電解質二次電池用電極の製造方法。
  7. NiとCoのうち少なくともいずれか1つ以上の元素を含むリチウム遷移金属酸化物と、リチウムマンガン酸化物とを活物質として含み、かつ炭素材料を導電剤として含む非水電解質二次電池用電極の製造方法であって、
    前記リチウム遷移金属酸化物と前記炭素材料と前記リチウムマンガン酸化物とを前記リチウムマンガン酸化物の混合前後のBET比表面積の増加率が100%以下となる条件で予め乾式混合する工程と、
    前記混合物をバインダーを含む溶液中に添加し混合してスラリーを調製する工程と、
    前記スラリーを集電体上に塗布する工程とを備えることを特徴とする非水電解質二次電池用電極の製造方法。
  8. 請求項1〜5に記載の電極からなる正極または請求項6または7に記載の方法で製造された電極からなる正極と、負極と、非水電解質とを備えることを特徴とする非水電解質二次電池。
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