JP4464680B2 - シューティング・ゲーム装置及び該ゲーム装置に用いる外力を動力源とする移動玩具 - Google Patents
シューティング・ゲーム装置及び該ゲーム装置に用いる外力を動力源とする移動玩具 Download PDFInfo
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Description
本発明は、外力を動力源とする移動玩具を用いたシューティング・ゲーム装置並びにこのゲーム装置に用いる移動玩具、シューティング装置、プレイ・フィールドに関するものである。
背景技術
電動のリモートコントロールされる移動玩具を用いたゲーム装置には、障害物のあるプレイ・フィールド上に電動の移動玩具を走らせ、目的位置まで移動玩具を到達させることを競うゲーム装置がある。しかしながら外力を動力源とする移動玩具を用いた同様のゲーム装置は、提案されていない。
その原因は、外力を動力源とする従来の移動玩具の多くが、ミニチュアカーに代表されるように、直線的にしか移動できないために、移動玩具の動作態様にバリエーションを持たせることができず、ゲームの進行が単調になって、プレイヤの興味が直ぐに失われてしまうことにあるものと推測される。また外力を動力源とする移動玩具に外力を与える簡便なシューティング装置が無いことも、外力を動力源とする移動玩具を用いたシューティング・ゲーム装置が実用化されていない原因の一つにもなっているものと推測する。
本発明の目的は、外力を動力源とする移動玩具に種々の動きをさせることを可能にして、プレイヤの興味を高めるようにしたシューティング・ゲーム装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、シューティング・ゲーム装置に用いるのに好適な、台車の交換が可能な外力を動力源とする移動玩具を提供することにある。
本発明の他の目的は、玩具本体に対する台車の取付状態を変更することができる外力を動力源とする移動玩具を提供することにある。
本発明の他の目的は、玩具本体に対して台車を取り外し可能にしっかりと取り付けることができる外力を動力源とする移動玩具を提供することにある。
本発明の他の目的は、玩具本体に対する台車の取付作業が容易になる外力を動力源とする移動玩具を提供することにある。
本発明の他の目的は、特別に工具を用いなくても台車を玩具本体から取り外すことができ、しかも工具を用いる場合には極めて容易に台車を玩具本体から取り外すことができる外力を動力源とする移動玩具を提供することにある。
本発明の他の目的は、プレイ・フィールド上をスムーズに移動することができる外力を動力源とする移動玩具を提供することにある。
本発明の他の目的は、組み立てが容易な外力を動力源とする移動玩具を提供することにある。
本発明の別の目的は、外力の加え方で移動動作が変わる外力を動力源とする移動玩具を提供することにある。
本発明の別の目的は、プレイ・フィールド上を回転しながら前進する外力を動力源とする移動玩具を提供することにある。
本発明の別の目的は、プレイ・フィールド上を直線的に移動する外力を動力源とする移動玩具を提供することにある。
本発明の他の目的は、プレイ・フィールド上で滑らずに確実に前進することができる外力を動力源とする移動玩具を提供することにある。
本発明の他の目的は、カーブしながら移動する外力を動力源とする移動玩具を提供することにある。
本発明の他の目的は、進行方向の設定が可能な外力を動力源とする移動玩具を提供することにある。
本発明の別の目的は、構造が簡単なシューティング装置を備えたシューティング・ゲーム装置を提供することにある。
本発明の別の目的は、構造が簡単な移動玩具の発射方向を規制できるシューティング装置を備えたシューティング・ゲーム装置を提供することにある。
本発明の別の目的は、発射力を容易に変更することができるシューティング装置を備えたシューティング・ゲーム装置を提供することにある。
本発明の別の目的は、発射力を発生するバネ部材の交換が容易なシューティング装置を備えたシューティング・ゲーム装置を提供することにある。
本発明の別の目的は、発射時の振動で動くことのないシューティング装置を備えたシューティング・ゲーム装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、耐久性の高いプレイ・フィールドを備えたシューティング・ゲーム装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、障害物のバリエーションを多くすることができるシューティング・ゲーム装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、少ない種類のパーツで障害物のバリエーションを多くすることができるシューティング・ゲーム装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、ゲーム中に簡単に移動することがない多角形シートを備えたシューティング・ゲーム装置を提供することにある。
発明の開示
本発明のシューティング・ゲーム装置は、異なった動きをする複数種類の台車と、複数種類の台車から選択された1台の台車が取り付けられる台車取付部を備えた少なくとも1個の玩具本体と、玩具本体の台車取付部に台車が取り付けられて構成された外力を動力源とする移動玩具(以下単に移動玩具と言う)に外力を与えるシューティング装置とから構成される。ここで複数種類の台車として、外力の与え方によって移動方向が変わるものや、直線的に動くものや、カーブしながら動くものや、回転しながら動くもの等、種々の動きをするものを用いることができる。また玩具本体は、一般的に台車取付部に外装が装着された構造を有しており、外装としては自動車、動物、怪獣等の各種のフィギュアを採用することが可能である。
本発明によれば、異なった動きをする複数種類の台車から選んだ台車を玩具本体と組み合わせることにより、状況または戦略に応じて、移動玩具に任意の動きをさせることができ、ゲームの進行または展開のバリエーションを多くすることができて、プレイヤの興味を高めることができる。またシューティング装置により外力を移動玩具に加えると、発射時のシューティング装置と移動玩具との位置関係により、移動玩具の動きが変わる。そのためゲームの進行には、シューティング装置と移動玩具との位置関係も重要な要素となり、この点においてもプレイヤの興味を高めることができる。
シューティング装置は、種々の構造のものを考えることができる。動力源として、バネ部材を用いる構造を採用すると、簡単に且つ安価にシューティング装置を構成することができる。例えば、シューティング装置は、前方位置と後方位置との間で変位するピストンと、ピストンが前方位置と後方位置との間で変位し得るようにピストンを移動可能に保持するピストン保持ケースと、前記ピストン保持ケースの内部に配置されてピストンが前方位置から後方位置に変位するときに蓄勢され、放勢されるとピストンを後方位置から前方位置に移動させる力をピストンに与えるバネ部材と、ピストンが前方位置から後方位置に変位したときに、ピストンの一部と係合してピストンを後方位置に保持し、外部から加えられる外力によりピストンとの係合が解除される係合解除可能な構造を有するピストン係合構造と、ピストン係合構造に外力を与える外力付与機構とから構成することができる。このような構成のシューティング装置であれば、バネ部材を動力源として、最も簡単な構造でシューティング装置を構成することができる。
この場合、ピストン保持ケース内に、バネ部材を交換可能に収納し、ピストン保持ケースには、バネ部材の交換時に手作業だけで開けることができてバネ部材が収納される収納空間へのプレイヤの指の進入を許容する蓋部材を設ける。このようにすると、バネ部材を交換することによって、シューティング装置の能力を任意に設定することができるので、移動玩具の重量や移動距離に応じて、任意の強さのバネ部材を選択することにより、有利にゲームを進めることが可能になる。特に、手作業だけで開けることができる蓋部材を用いると、年少者でも簡単にバネ部材を交換できる。
シューティング装置には、更に種々のオプションを追加することが可能である。例えば、ピストンが変位する方向に移動玩具をガイドする一対のガイドアームを、ピストンの変位通路の両側に移動玩具の最大幅寸法よりも大きな間隔を開けて、ピストン保持ケースに取り外し自在に取り付けてもよい。ガイドアームを用いれば、発射段階で移動玩具の移動方向を規制するため、狙いの位置に移動玩具を進行させることが容易になる。またガイドアームが取り外し自在になっているので、周囲に狭いスペースしか無い場合には、ガイドアームを外した状態でシューティングを実行できる。
またオプションとして、ピストン保持ケースには、ピストン保持ケースが後述するプレイ・フィールド上に配置された状態で、プレイ・フィールドと密着する密着部を備えてピストンが後方位置から前方位置に変位したときに発生する反動でピストン保持ケースが移動するのを阻止する滑り止め部材を取り外し自在に取り付けるようにしてもよい。このようなオプションを付ければ、バネ部材としてバネ力の強いものを選択した場合でも、支障なくプレイを行うことができる。
本発明のゲーム装置は、机や床の上でも行うことができるが、専用のプレイ・フィールドを用いてもよいのは勿論である。この専用のプレイ・フィールドは、ボード状又はシート状のものでもよく、また複数枚のシートを並べたものでもよい。プレイ・フィールドとしてボード状のものを用いる場合には、軽くてしかも耐久性のある材料で形成されたものを用いるのが好ましい。例えば、ボード状部材としては、エチレン酢酸ビニルコポリマー等のように発泡により柔軟性及びゴム弾性を示す熱可塑性プラスチックスにより形成されたものが適している。このようなボード状部材をプレイ・フィールドに用いる場合には、ボード状部材に厚み方向に延びるように有底状態または貫通状態の複数の孔を形成する。そしてこれら複数の孔に挿入される挿入部を備えてプレイ・フィールド上を移動する移動玩具の進行を阻止する複数の障害物を、複数の孔を利用してプレイ・フィールドに位置決め固定する。障害物の挿入部を何回も孔に挿入しても、また移動玩具が障害物に当たって複数の孔が変形しても、ボード状部材がゴム弾性を有しているため、複数の孔は元の状態に復元される。したがって障害物をボード状部材の上に取り付ける場合であっても、長期間に亘ってボード状部材を使用することができる。またボード状部材のゴム弾性は、移動玩具が障害物に当たったときの衝撃を吸収するため、移動玩具が障害物に当たって飛び出すのを防止できる。更にボード状部材の柔軟性は、取り扱いを容易にする。なお複数枚のボード状部材を組み合わせてプレイ・フィールドを構成してもよいのは勿論である。
使用する複数の障害物としては、ボード状部材に形成した複数の孔から選択された複数の孔に一端が挿入される複数本のロッドを用いることができる。このようなロッドを用いる場合には、バーの両端にロッドが嵌合されるロッド嵌合部を備えて、孔に一端が嵌合された複数本のロッドから選択された2本のロッドに両端のロッド嵌合部が嵌合されて移動玩具の通過を阻止するフェンス部材を更なる障害物としてプレイ・フィールド上に実装することができる。このようなフェンス部材を用いると、プレイ・フィールド上に形成する障害構造物のバリエーションが大幅に増加する。特に、バーの両端にロッド嵌合部を備えたフェンス部材は、ロッドを抜かずに設置及び位置変更が可能であるので、ロッドを抜き差しする作業が少なくなるだけでなく、ロッドが挿入されるボード状部材の孔が損傷を受ける機会が少なくなる利点がある。なお複数本のロッドの長さ寸法は、フェンス部材のロッド嵌合部が2つ以上嵌合可能な長さ寸法にするのが好ましい。このようにすると2つ以上のフェンス部材を1つのロッドに対して取り付けることができるので、ボード状部材に形成する孔の間隔を短くしなくても、連続したフェンスを構成することができる。ボード状部材に形成する複数の孔が規則性を持って形成されていたり、または等間隔で形成される場合には、フェンス部材は、1種類でもよい。しかしこのような場合であってもバーの長さが異なる複数種類のフェンス部材を用意すると、フェンス部材で構成するフェンスのパターンが増え、このパターンの選択によってゲームの難易度を変えることができる。
またプレイ・フィールドは、複数枚の多角形シートを並べて構成することもできる。多角形シートの表面には、得点や、前記移動玩具の進行についての条件等の表示をする。この場合、複数枚の多角形シートの材質は任意である。しかしこのシートの厚みが厚過ぎると、移動玩具の進行の障害になるため、できるだけ厚みは薄いことが望まれる。そこで厚みを薄くすることができる合成樹脂シートを用いるのが好ましい。そしてこの場合には、合成樹脂シートの裏面に滑り止め部を形成する。このようにすると、移動玩具が多角形シートに当たっても、多角形シートが移動玩具と一緒に移動するのを阻止することができる。滑り止め部は、多角形シートの裏面に全体的または部分的に形成すればよい。しかしながら滑り止め部を設けたことにより、シート全体の厚みが厚くなる問題が発生するため、滑り止め部はできるだけ厚みを薄く形成する必要がある。そこで硬化した後も粘着性を示す粘着材を前記合成樹脂シートの裏面に印刷して滑り止め部を形成すると、滑り止め部を極力薄い状態で形成することが可能になる。
本発明のシューティング・ゲーム装置で用いる移動玩具は、台車(異なった動きをする複数種類の台車から選ばれた1台の台車)と、台車が取り付けられる台車取付部を備えた玩具本体とを具備している。この場合、台車及び台車取付部は、手作業で台車を台車取付部に取り付けることができ且つ手作業で台車を台車取付部から取り外すことができるようにそれぞれ構成されたものとするのが好ましい。手作業で、台車の取り付けと取り外しを行えれば、ゲームの進行中において、台車の交換に必要な時間を短くすることができて、スピーディにゲームを進行することができる。なおここでいう手作業とは、極めて簡単な工具を使用して台車を台車取付部から取り外す場合を排除するものではない。また複数種類の台車を取り付けるため、複数種類の台車及び玩具本体の台車取付部は、複数種類の台車の何れをも台車取付部に手作業で取り付けることができ、しかも複数種類の台車の何れをも台車取付部から手作業で取り外すことができるようにそれぞれ構成されている。具体的には、共通形状の台車取付部に取り付けることができるように複数種類の台車が構成されることになる。
標準的な台車は、箱状の台車本体と、台車本体内に回転可能に一部が収納され且つ残部が台車本体の底壁部に形成された開口部から底壁部の外壁面を越えて露出する1以上の転動体とを有している。そして玩具本体の台車取付部は、玩具本体の底面側に開口し、台車本体の底壁部の外壁面を露出させるようにして台車本体の本体部分を収納する台車本体収納用凹部を備えている。このような構成を採用する場合において、台車本体の外形形状を、台車本体の底壁部の中心(寸法上の中心)を通り且つ外壁面と直交するとともに互いに直交する関係にある第1及び第2の仮想垂直面に対してそれぞれ面対称になるようにする。そして台車本体収納用凹部を、台車本体が台車本体収納用凹部に嵌合されている一つの状態を基準にして、底壁部の中心を通る仮想垂線を中心にして台車本体を所定の角度回転させた状態においても、台車本体を収納し得る形状にする。所定の回転角度を、例えば180°とすると、台車をその前後方向を変えて玩具本体に取り付けることが可能になる。また所定の角度を90°,180°または270°とすると、台車を90°ずつ回転した状態で玩具本体に取り付けることができる。このような構成を採用すると、台車に付いている転動体と玩具本体との相対的な位置関係を変えることができるので、台車を交換せずに、1つの台車の取付状態を変えることによっても、移動玩具の動作態様(移動の軌跡)を変えることができる。
プレイ中に台車本体が玩具本体から外れないようにするためには、ある程度しっかりと台車本体と玩具本体とを結合させておく必要がある。しかしあまり結合が強固になると、台車の交換作業が面倒になる。そこで両者の結合には、解除可能な係合構造を用いるのが好ましい。この場合には、台車には1以上の係合部を設ける。そして玩具本体には,台車取付部に1以上の係合部と係合する1以上の被係合部を設ける。そして1以上の係合部及び1以上の被係合部は、台車本体が台車本体収納用凹部に完全に嵌合された状態で、係合解除可能な係合状態になるように構成されている。このような構成を採用すると、台車の取り付け及び取り外しが簡単になる。なお1以上の係合部及び1以上の被係合部は、台車と玩具本体とを相対的に近づける手作業のみで台車を台車取付部に取り付けることができるように構成するのが好ましい。このような係合構造を採用すると、台車の取付作業を最も速く行うことができる。
1以上の係合部及び1以上の被係合部の設置の条件は任意である。しかし前述のように、台車と玩具本体との位置関係を変えることができるようにするためには、これら1以上の係合部及び1以上の被係合部も対称な位置関係を備えている必要がある。例えば、この場合には、台車の台車本体に一対の係合部を設ける。そして一対の係合部は、第1の仮想垂直面が中心を通り且つ第2の仮想垂直面に対して面対称になるように設ける。また台車本体収納用凹部を囲む壁部には、一対の係合部と係合する一対の被係合部を形成する。このようにすれば、一対の係合部及び一対の被係合部が、それぞれ対称的な位置関係で配置されることになるので、台車を例えば90℃,180℃,270℃回転させて、取り付けることが可能になる。
この場合における、一対の係合部の取付構造は任意であるが、例えば一対の係合部を、台車本体を構成する複数の側壁部のうち第1の仮想垂直面が直交する一対の側壁部に形成された一対の貫通孔内に主要部が位置するように一対の側壁部と一体に形成する。そして一対の係合部は、それぞれ一端が対応する貫通孔の縁部に結合されており、他端が対応する貫通孔内に拘束されていない状態で配置された可撓性を有するアーム部と、アーム部の他端に一体に形成されて外側に向かって突出する可動側突出部とから構成される。その上で、可動側突出部が有する、アーム部が延びる方向の両側に位置する一対の側面は、外側に向かうに従って互いに近づくように傾斜する第1及び第2の傾斜面とする。また台車本体収納用凹部を囲む壁部に形成された一対の被係合部は、台車本体収納用凹部の内側に向かって突出する一対の固定側突出部とする。そしてこの固定側突出部が有する、台車本体が台車本体収納用凹部に挿入されるときの挿入方向の両側に位置する一対の側面を、内側に向かうに従って互いに近づくように傾斜する第3及び第4の傾斜面とする。第3の傾斜面は、台車本体を台車本体収納用凹部に挿入する過程で、対応する係合部の突出部に形成された第1及び第2の傾斜面のうち台車本体の底壁部とは反対側に位置する第1の傾斜面と接触しながらアーム部を内側に撓ませるように形成する。また第4の傾斜面は、可動側突出部が固定側突出部を乗り越えた状態で第2の傾斜面と接触する。この状態から台車本体に挿入方向とは反対側に向かう引抜き力が加わると、第2の傾斜面と接触しながらアーム部を内側に撓ませるように第4の傾斜面は形成されている。このような構成を採用すれば、一対の係合部を台車本体に簡単に形成できる上、一対の被係合部も台車本体収納用凹部を囲む壁部に簡単に形成できる。また台車本体を台車本体収納用凹部に挿入する動作だけで、一対の係合部と一対の被係合部との係合が完了し、またある程度大きな力で台車本体を引き抜くことにより、一対の係合部と一対の被係合部との係合が解除される。なお台車本体の底壁部には、第1の仮想垂直面が中心を通る位置に外側に向かって突出する一対の突起部を形成するのが好ましい。そしてこの一対の突起部の形状及び寸法を、台車本体が台車本体収納用凹部に嵌合された状態で、人間の爪または専用工具が引っ掛かる形状及び寸法にする。このような一対の突起部を設ければ、プレイヤが二本の指の爪で一対の突起部を強く引っ張ることにより、一対の係合部と一対の被係合部との係合を解除することができる。また専用工具を突起部と台車本体収納用凹部の開口部との間の隙間から挿入し、突起部に工具を引っ掛けて一対の係合部と一対の被係合部との係合を解除してもよい。
また底壁部の外壁面には、移動玩具がプレイ・フィールド上に置かれている状態で、底壁部が水平状態になっているときには、プレイ・フィールドの表面とは接触しないが、底壁部が水平状態から傾いた傾斜状態になると、プレイ・フィールドの表面と接触して、底壁部がプレイ・フィールドの表面と接触するのを阻止するスペーサ手段を設けるのが好ましい。このようなスペーサ手段を設けると、移動玩具に外力を加える角度や移動玩具の速度の低下に起因して、台車が傾いたとしても、底壁部がプレイ・フィールドと接触することがないので、予定通りの移動態様で移動玩具を移動させることが可能になる。なおスペーサ手段を構成する部分の具体的な構造及び形状は任意であるが、できるだけ接触抵抗が少なくなる構造及び形状にするのが好ましい。
前述のような一対の係合部を備えた台車本体を製造する場合には、台車本体を、第2の仮想垂直面に沿って分割面が形成されるように構成された二つ割りの第1及び第2の台車本体半部を組み合わせて構成する構造にするのが好ましい。このような二つ割りの第1及び第2の台車本体半部を用いる構成にすると、それぞれ係合部を備えた第1及び第2の台車本体半部を一体成形により形成することが可能になり、台車本体の製造コストを下げることができるだけでなく、台車本体に転動体を装着する際の組み立て作業も非常に容易になる。
台車本体内に収容する1以上の転動体としては、1つの球体を用いることができる。球体の回転は方向性を有していないので、1つの球体を転動体とした場合には、シューティング装置から移動玩具に与える外力の角度に応じて移動玩具の動作態様は変わってくる。この場合には、ビリヤードの玉をキューで突いた場合と似たような動作態様で移動玩具は移動することになる。1つの球体を用いる場合、最もシンプルな態様としては、底壁部の中心を通る仮想垂線が球体の中心を実質的に通るように球体を配置することが考えられる。このような配置態様とすると、前述のようにビリヤードの玉と同様に移動玩具が移動する。しかし球体を用いる場合に、仮想垂線が球体の中心を実質的に通らないように球体を配置することもできる。このようにすると台車本体が傾き易くなるので、移動玩具の移動態様は、異なったものとなる。
いずれの場合においても、1つの球体を用いる場合には、静止状態において台車本体が球体を中心にして傾くことになる。そこで底壁部の外壁面には、球体が露出する開口部を囲む少なくとも3箇所の位置に少なくとも3個の突起からなるスペーサ手段を設けるのが望ましい。そして少なくとも3個の突起は、移動玩具がプレイ・フィールド上に置かれている状態で、底壁部が水平状態になっているときには、プレイ・フィールドの表面とは接触しないが、底壁部が水平状態から傾いた傾斜状態になると、プレイ・フィールドの表面と接触して、底壁部がプレイ・フィールドの表面と接触するのを阻止するように、その突出寸法及び設置位置を定めることになる。これら突起から構成されるスペーサ手段が存在することにより、1つの球体を用いてもスムーズに移動玩具を進行させることができる。なお突起の数は、3個に限定されるものではなく、4個の突起を、底壁部の外壁面の四隅に設けるようにしてもよい。
転動体は車輪の機能を果たすものであるが、ブレーキの機能を果たす要素を台車本体の底壁部に設けるようにしてもよい。例えば、底壁部の外壁面に、移動玩具がプレイ・フィールド上に置かれている状態で、底壁部が水平状態になっているときには、プレイ・フィールドの表面とは接触しないが、底壁部が水平状態から傾いた傾斜状態になると、プレイ・フィールドの表面と接触して、底壁部がプレイ・フィールドの表面と接触するのを阻止すると共に積極的に摩擦抵抗を発生させる抵抗発生部を、開口部と並んで設けてもよい。このような抵抗発生部はグリッパと呼ぶこともできる。抵抗発生部は、前述のスペーサ手段と兼用されるものであっても、またスペーサ手段と併用されるものであってもよい。スペーサ手段と併用される場合には、スペーサ手段よりも外側に抵抗発生部を設ける。このような抵抗発生部は、例えば、外力が極端な角度を持って移動玩具に与えられて、極端に台車が傾いたときに、プレイ・フィールドと接触して台車の動きにブレーキをかける。また台車が傾いた状態になってブレーキがかかることにより、台車が回転動作をするようになる場合もある。いずれにしても、このような抵抗発生部を積極的に設けることにより、移動玩具に異なった動作を行わせることができる。
例えば、1以上の転動体として1つの球体を用いる場合には、仮想垂線が球体の中心を実質的に通らないように球体を配置し、球体の中心及び抵抗発生部の中心が、第2の仮想垂直面が延びる方向に並ぶように、抵抗発生部を配置すると、回転しながら進行する移動玩具を得ることができる。
抵抗発生部は、摩擦抵抗の大きな材料(ゴム等)で形成されるため、台車本体とは別部品として製造されることになる。このような別部品としての抵抗発生部を用いる場合には、前述の二つ割の第1及び第2の台車本体半部で台車本体を構成するのが好ましい。即ちこの場合には、台車本体を、第2の仮想垂直面に沿って分割面が形成されるように構成された二つ割りの第1及び第2の台車本体半部を組み合わせて構成する。第1及び第2の台車本体半部は合成樹脂材料により一体に成形する。抵抗発生部は、合成樹脂材料よりも摩擦抵抗が大きくなる材料により一体に形成する。そして第1及び第2の台車本体半部を組み合わせた状態で、第1及び第2の台車本体半部間に抵抗発生部を挟持することにより抵抗発生部を底壁部に固定する。このようにすれば抵抗発生部を接着剤を用いることなく、台車本体の底壁部にしっかりと固定することができる。
1以上の転動体として、回転軸を中心にして回転する1つのローラを用いることができる。このようなローラを用いると、直線的に移動する移動玩具を得ることができる。なおローラの回転軸は、台車本体の対向する一対の側壁部に回転自在に支持すればよい。具体的には、台車本体の底壁部を除く本体部分の外形形状を、台車本体の底壁部の中心を通り且つ外壁面と直交するとともに互いに直交する関係にある第1及び第2の仮想垂直面に対してそれぞれ面対称になるものとする。そして一対の側壁部は第1の仮想垂直面が延びる方向の両側に位置するものとする。このような前提で、一対の側壁部の内壁部に、回転軸の両端部がそれぞれ回転自在に嵌合される一対の軸受部を一体に形成する。そして台車本体を、第2の仮想垂直面に沿って分割面が形成されるように構成された二つ割りの第1及び第2の台車本体半部を組を合わせて構成する。このようにすれば、回転軸の両端部を第1及び第2の台車本体半部を組み合わせるときに、一対の側壁部に設けられた一対の軸受部に嵌合することができる。したがって台車本体の組み立て時に一緒にローラの取り付けが完了する。
転動体としてローラを用いる場合、回転軸の軸線が第1の仮想垂直面内に位置するようにローラの位置を定めると、最も直線性が良くなる。また回転軸の軸線が、第1の仮想垂直面内に位置しないようにローラの位置を定めると、直線性が影響を受けてカーブし易くなる。
転動体としてローラを用いる場合には、ローラの外周に、ローラを形成する材料よりも摩擦抵抗の大きな材料により形成されたリング状の1以上のベルトを嵌合する。このようにするとローラの空回りを防いで、しかも移動玩具の移動動作の直線性を強めることができる。特に、2本のベルトをローラに嵌めると、より安定性が増大する。
なおローラを用いる場合にも、前述のスペーサ手段を用いるのが好ましい。
また1以上の転動体として、第1及び第2の回転軸を中心にして回転する第1及び第2のローラを用いることができる。この場合、第1のローラの第1の回転軸は台車本体の対向する一対の側壁部に回転自在に支持する。そして第2のローラの第2の回転軸を、第2の回転軸の軸線と直交し且つ第2の回転軸の中央部を通る仮想垂線を中心にして所定の角度範囲内で第2の回転軸が回動するように第2の回転軸を支持する回転軸回動支持機構に支持するようにする。このようにすると第2のローラの第2の回転軸の角度を回転軸回動支持機構を利用して予め所定の角度に設定することにより、移動玩具を予定したカーブを描くように移動させることができる。なお第2のローラは、いわゆるタイヤのように幅の細いものであってもよいのは勿論である。
なお第1及び第2のローラの外周にも、第1及び第2のローラを形成する材料よりも摩擦抵抗の大きな材料により形成されたリング状の1以上のベルトをそれぞれ嵌合すれば、移動玩具の移動動作をより確実なものとすることができる。
なお回転軸回動支持機構は、仮想垂線上に回転中心を有し且つ中央部に第2のローラが入る貫通孔を備えた円板と、仮想垂線と直交する1つの仮想直交線に沿い且つ貫通孔が間に位置するように円板に設けられて第2の回転軸の両端部を回転自在に支持する一対の軸受部と、円板を回転中心を中心にして回動し得るように底壁部に対して所定の角度範囲内で回動自在に支持する円板支持構造部とを備えた構造とすることができる。この構造であれば、第2のローラの第2の回転軸を少ない部品を用いて回動支持することができる。
なおこの場合においても、台車本体の底壁部を除く本体部分の外形形状を、台車本体の底壁部の中心を通り且つ外壁面と直交するとともに互いに直交する関係にある第1及び第2の仮想垂直面に対してそれぞれ面対称になる外形形状にする。そして第1の仮想垂直面が延びる方向の両側に位置する一対の側壁部の内壁部には、第1の回転軸の両端部がそれぞれ回転自在に嵌合される一対の軸受部を一体に形成する。また台車本体を、第2の仮想垂直面に沿って分割面が形成されるように構成された二つ割りの第1及び第2の台車本体半部が組み合わせて構成する。そして第1及び第2の台車本体半部には、底壁部と平行に延びて、第1及び第2の台車本体半部が組み合わされた状態で、底壁部との間に円板が抜け出さず且つ円板を回転自在に受け入れる円板受入溝を形成する第1及び第2の横壁部を設ける。このようにすると第1及び第2の台車本体半部が組み合わさるときに、第1の回転軸の両端部を一対の側壁部に設けられた一対の軸受部に嵌合することができ、しかも同時に第2の回転軸が支持された円板を円板受入溝に入れることができる。このようにすれば組み立てが容易になる。
なお円板には底壁部を越えて延びる操作摘みを設けることができる。この場合、底壁部に形成された第2のローラを露出させる開口部の形状を、操作摘みを回転中心を中心にして所定の角度範囲内で回動させることを許容する形状にする。このようにすれば操作摘みの位置を変えることによって、進行方向を簡単に決定することができる。
なお第1及び第2のローラを用いる場合にも、前述のスペーサ手段を用いるのが好ましい。なおこの場合には、第2のローラの外側にスペーサ手段を構成する突起を設ければよい。
カーブをしながら走行する台車の構造の一例では、転動体を、円柱状本体とこの円柱状本体の外周部から径方向外側に突出して外周部の周方向に沿って連続的にまたは不連続に延びる凸部とを備えた構造とする。このような凸部を設けると、移動玩具が移動する際には、凸部と円柱状本体の外周部の一部とがプレイ・フィールドと接触した状態になる。凸部が突出している寸法分だけ円柱状本体が傾くことになり、この傾きの角度に応じてカーブの曲率が定まる。したがって凸部を設ける位置は、曲率を考慮して任意に定めることになる。また凸部が不連続に形成される場合には、上下に揺れながら移動玩具はカーブしていくことになる。凸部を円柱状本体と同心的に形成し且つ円柱状本体の一方の端部近傍に配置した環状の凸部にすると、最も安定したカーブを描いて移動玩具が走行することになる。
また台車の構造を工夫することにより、一方向(正方向)には進むが、それとは反対の方向(逆方向)には進まないようにして、正面からの攻撃に対して強い移動台車を作ることが可能になる。このような台車は、例えば、箱状の台車本体と、台車本体に回転自在に支持された回転軸を有し且つ台車本体内に回転可能に一部が収納され且つ残部が台車本体の底壁部に形成された開口部から底壁部の外壁面を越えて露出する少なくとも1つの転動体と、少なくとも1つの転動体を一方向にのみ回転するように規制する回転方向規制機構とを備えた構造を有している。回転方向規制機構の構造は任意であるが、例えば、転動体の回転軸に固定され外周部に周方向に並ぶ複数の爪部を有するラチェット・ホイールと、一端が回動自在に固定され他端に複数の爪部と係合する係合部を有する逆回転阻止爪部材とを有するラチェット構造を採用することができる。この場合、複数の爪部の形状及び逆回転阻止爪部材の形状は、ラチェット・ホイールが正方向(一方向)に回転しようとするときには逆回転阻止爪部材の係合部が複数の爪部を乗り越えてラチェット・ホイールが正方向に回転することを許容し、ラチェット・ホイールが逆方向(他方向)に回転しようとするときには逆回転阻止爪部材の係合部が爪部と係合してラチェット・ホイールの逆回転を阻止するように定めることになる。この構造を採用すると、機械的に確実に逆転を阻止できる上、逆回転阻止爪部材の係合部がラチェット・ホイールの爪部を乗り越えて次の爪部に当たるたびに打撃音が発生するため、進行していることを印象付ける効果音を伴って移動台車が移動することになり、ゲームを耳からも楽しむことができる。
なお逆転しない台車を用いる場合には、台車を玩具本体の台車取付部に取り付ける際に取付方向を誤ると、移動台車が進行しなくなる問題が発生する。そこで台車本体に、ラチェット・ホイールと逆回転阻止爪部材とが並ぶ方向に台車本体から突出して、台車が台車取付部に取り付けられた状態で台車本体の底壁部に沿って延びる突出片を設けておくのが好ましい。このようにすると、突出片が延びる方向を見て台車の進行可能方向または進行不可能方向を判断することができるので、台車の取付方向を誤って台車を台車取付部に取り付けてしまう可能性が大幅に低下する。またこの場合において、ラチェット・ホイール、逆回転阻止爪部材及び突出片を、ラチェット・ホイール、逆回転阻止爪部材及び突出片の順に列をなすように並べ、突出片の長さを、台車が台車取付部に取り付けられた状態で突出片が底壁部の外縁を越えて外側に延び出る長さにするのが好ましい。このようにすると、プレイ中に突出片の位置を視覚により容易に確認できる。また、ラチェット・ホイールを逆回転方向に回転させようとする力が外部から玩具本体に加わった際に、突出片が転倒防止用のストッパとして機能するため、移動玩具がプレイ・フィールド上で転倒しにくくなる。
発明を実施するための最良の形態
以下図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、シューティング・ゲーム装置の一例の概念を説明するための図である。このシューティング・ゲーム装置は、少なくとも1つの外力を動力源とする移動玩具1と、この移動玩具1に外力を与えるシューティング装置3とから構成される。後に詳しく説明するが、このゲーム装置は、図2に示すようなプレイ・フィールド5上に移動玩具1を載せて、シューティング装置3により移動玩具1に外力を与えることにより、プレイするものである。
移動玩具1は、玩具本体7の内部の後述する台車取付部に、異なった動きをする4種類の台車9,11,13,15から選択された1台の台車が取り付けられた構造を有している。複数種類の台車としては、外力の与え方によって移動方向が変わるものや、直線的に動くものや、カーブしながら動くものや、回転しながら動くものや、攻撃を受けたときに容易に移動しない等、種々の動きをするものを用意することができる。後に詳しく説明するが、本実施の形態で用いる4種類の台車は、移動の動作態様(または移動軌跡の形状)を基準にして種類分けされており、台車9はノーマルタイプの台車であり、台車11はストレートタイプの台車であり、台車13はカーブタイプの台車であり、台車15はグリップタイプの台車である。これらの台車9,11,13,15は、後に説明するように、前後を180°回転させて取り付けることが可能なように対称的な外形形状を有している。
図3(A)〜(C)は、移動玩具1の内部に構成されている台車取付部17,19,21の状態を概略的に示す玩具本体7の底面図である。玩具本体7は、台車取付部に外装が装着された構造を有しており、外装としては自動車、動物、怪獣等の各種のフィギュアを採用することが可能である。図3(A)に示す台車取付部17は、玩具本体7の正面Fから背面BAに向かう方向に細長く延びる台車本体収納用凹部18を備えている。図3(B)に示す台車取付部19は、正面Fから背面BAに向かう方向と直交する方向に細長く延びる台車本体収納用凹部20を備えている。更に図3(C)に示す台車取付部21は、正面Fから背面BAに向かう方向及び該方向と直交する方向にそれぞれ延びる開口部が十字形状をなす台車本体収納用凹部22を備えている。なおこれらの台車本体収納用凹部18及び20は、後に説明するように、前述の台車9,11,13,15の前後を180°変えた状態で台車を嵌合できるように対称的な形状に形成されており、台車本体収納用凹部22は台車9,11,13,15を90°ずつ回転させた位置関係で台車を嵌合できるような対称的な形状に形成されている。図3(A)及び(B)に破線で示すように、使用する台車の構造によっては、玩具本体7の底面BSに、3つ又は4つの半球状の突起Sを後述するスペーサ手段として一体に設けることができる。
この実施の形態によれば、異なった動きをする4種類の台車9,11,13,15から選んだ1台の台車を玩具本体7と組み合わせることにより、状況または戦略に応じて、移動玩具1に任意の動きをさせる。したがって台車を交換することにより、ゲームの進行または展開のバリエーションを多くすることができて、プレイヤの興味を高めることができる。
シューティング装置3は、種々の構造のものを考えることができるが、この例では、動力源として、バネ部材を用いている。図1に示すように、シューティング装置3は、前方位置と後方位置との間で変位する外面形状が角柱状を示すピストン23と、このピストン23が前方位置と後方位置との間で変位し得るようにピストン23を移動可能に保持するピストン保持ケース25と、ピストン保持ケース25の内部に配置された動力源としてのバネ部材31(図4参照)と、ピストン保持ケース25の内部に構成された係合解除可能な構造を有するピストン係合構造27(図4参照)と、ピストン係合構造に外力を与える外力付与機構29とから構成することができる。なおピストン保持ケース25は、上下方向に二つ割になるように構成された上側ケース25aと下側ケース25bとが組み合わされて構成されている。
図4(A)及び(B)は、それぞれピストン保持ケース25の内部に構成された構造の一例を示す概略拡大断面図である。図4(A)は、ピストン23が前方位置にある状態(係合が解除された状態)を示しており、図4(B)はピストン23が後方位置にある状態(係合状態にある状態)を示している。バネ部材31は、コイルバネから構成されており、ピストン保持ケース25の内部に位置するピストン23の後端面23aと下側ケース25bの底壁部33に一体に設けられたストッパ用壁部35との間に配置されている。なお底壁部33には、バネ部材31をピストン保持ケース25内に挿入するための開口部37が形成されている。この開口部37は、底壁部33に対してスナップイン構造またはスライド構造の係合構造を介して固定される蓋部材39によって開閉可能に塞がれている。したがってプレイヤは、必要に応じて、蓋部材39を開けてバネ部材31を交換することができる。バネ部材31は、ピストン23が前方位置から後方位置に変位するときに[図4(A)の状態から図4(B)の状態になるときに]蓄勢され、放勢されると[図4(B)の状態から図4(A)の状態になるときに]ピストン23を後方位置から前方位置に移動させる力をピストン23に与える。
ピストン係合構造27は、ピストン23が前方位置から後方位置に変位したときに、ピストン23の一部と係合してピストン23を後方位置に保持し、外部から加えられる外力によりピストン23との係合が解除される係合解除可能な構造を有している。具体的には、ピストン23の後方に一体に設けられてピストンの一部を構成する板バネ部41と、この板バネ部41の後方端部上に一体に設けられた2つの突起43及び45と、上側ケース25aと一体に設けられて底壁部33と平行に延びる内側壁部47と、内側壁部47に形成された2つの貫通孔49及び51とから、ピストン係合構造27が構成されている。図4(A)に示すように、バネ部材31が開放されている状態では、ピストン23が前方位置にあって、板バネ部41の2つの突起43及び45はそれぞれ2つの貫通孔49及び51内に嵌合されている。この嵌合により、ピストン23が、図示の状態以上に前方に飛び出るのが阻止されている。ピストン23が、前方位置から後方位置に押し込まれると、ピストン23はバネ部材31を圧縮し、これに伴って板バネ部41が後方に移動し、突起43の傾斜面が貫通孔49の縁と接触しながら板バネ部41が後方に移動することによって、板バネ部41は下方に撓み、突起43が貫通孔49から抜け出た後、板バネ部41が更に後方に移動して板バネ部41のバネ力で突起43が貫通孔51内に入る。その後突起45が貫通孔51の後方縁部と係合することにより、板バネ部41の移動が阻止される。この状態でピストン23を後方に押し込む力が解除されると、圧縮されたバネ部材31のバネ力でピストン23が前方に若干移動し、突起43の前方端部が貫通孔51の前方縁部と係合することにより、ピストン23の前方側への移動が阻止される。
シューティング装置3のピストン23を後方位置から前方位置に変位させて、シューティング装置3を発射状態にするためには、ピストン係合構造27に外力を与える外力付与機構29の一部を構成する押しボタン28を押し下げる。押しボタン28は図示しないバネ部材によって、常時上方に向かって変位するように付勢されている。なお押しボタン28の図示しない係合部と、上側ケース25aに設けられた被係合部とが係合して押しボタン28は上方位置で停止している。プレイヤが押しボタン28を下方に押すと、板バネ部41に設けられた突起45が下方に押され、前方の突起43と貫通孔51の前方縁部との係合が解除されると、バネ部材31が放勢されて、ピストン23は後方位置から前方位置に移動する。そして突起45が貫通孔51の前方縁部に係合すると、ピストン23の前方方向への移動が停止される。このようにしてこの実施の形態のシューティング装置は、バネ部材を動力源として、簡単な構造で移動玩具1に外力を付与する。
図5(A)及び(B)に示すように、このシューティング装置3には、種々のオプションを追加することが可能である。例えば、この例では、ピストン23が変位する方向に移動玩具1をガイドする一対のガイドアーム53及び55を、ピストン23の変位通路の両側に移動玩具1の最大幅寸法よりも大きな間隔を開けて、ピストン保持ケース25に取り外し自在に取り付けることができるようにしている。ピストン保持ケース25の下側ケース25bには、ガイドアーム53及び55を取り付けるための一対の取付用突出部57が一体に設けられている。なお図5(A)には1つの取付用突出部57だけが図示されている。ガイドアーム53及び55側には、取付用突出部57が嵌合される孔部が形成されている。ピストン保持ケース25の外形形状及びガイドアーム53及び55の基部の外形形状は、両者の外面が接触して、ガイドアーム53及び55が取り付けられた状態でガイドアーム53及び55が、取付用突出部57を中心にして回動するのを阻止できるように構成されている。
またこの例では、オプションとして、ピストン保持ケース25には、ピストン保持ケース25がプレイ・フィールド5(図2)上に配置された状態で、プレイ・フィールド5と密着する密着部を備えてピストン23が後方位置から前方位置に変位したときに発生する反動でピストン保持ケース25が移動するのを阻止する滑り止め部材59及び61を取り外し自在に取り付けることができるようになっている。ピストン保持ケース25の下側ケース25bの後方部分には、阻止する滑り止め部材59及び61が嵌合される一対の取付用突出部63が一体に設けられている。なお図5(A)には1つの取付用突出部63だけが図示されている。滑り止め部材59及び61側には、取付用突出部63が嵌合される孔部が形成されている。またピストン保持ケース25の外形形状及び滑り止め部材59及び61の外形形状も、両者の外面が接触して、滑り止め部材59及び61が取り付けられた状態で滑り止め部材59及び61が、取付用突出部63を中心にして回動するのを阻止できるように構成されている。この滑り止め部材59及び61を取り付ければ、バネ部材31としてバネ力の強いものを選択した場合でも、支障なくプレイを行うことができる。
本発明のゲーム装置は、机や床の上でも行うことができるが、図2に示すように専用のプレイ・フィールド5を用いてもよい。この専用のプレイ・フィールドは、ボード状又はシート状のものでもよく、また複数枚のシートを並べたものでもよい。図2に示したプレイ・フィールド5は、ボード状部材65の下に滑り止めシート67を接合したボードタイプのプレイ・フィールドである。この例では、プレイ・フィールド5を軽くてしかも耐久性のある材料で形成されたものとするために、ボード状部材65としては、エチレン酢酸ビニルコポリマー製のボード材料を用いている。エチレン酢酸ビニルコポリマーは、発泡により柔軟性及びゴム弾性を示す熱可塑性プラスチックスの一種であり、現段階ではボード材料として最も適しているものと考えられる。その他の柔軟性及びゴム弾性を有を示す材料でボード状部材65を構成してもよいのは勿論である。このボード状部材65には、厚み方向に延びるように有底状態または貫通状態の複数の孔69が形成されている。この例の孔69は、有底の孔である。これら複数の孔69は、これらの孔69に挿入される挿入部を備えてプレイ・フィールド5上を移動する移動玩具1の進行を阻止する複数の障害物を、プレイ・フィールド5に位置決め固定するために使用される。なおこの例では、障害物の一例として複数本のロッド71を用いており、ロッド71の一端が孔69に挿入されている。この例では、ボード状部材65に形成した複数の孔69から選択された複数の孔69に複数本のロッド71の一端を挿入している。そしてこれらのロッド71を利用して、複数のフェンス部材73をプレイ・フィールド5上に配置している。使用するフェンス部材73は、バー75の両端にロッド71が嵌合されるロッド嵌合部77,77を備えている。この例では、バー75の長さが異なる複数種類のフェンス部材を用いている。フェンス部材73は、複数本のロッド71から選択された2本のロッド71,71に両端のロッド嵌合部77,77を嵌合した状態で配置されて、移動玩具1の通過を阻止するフェンスを構成する。この例では、複数本のロッド71の長さ寸法を、フェンス部材73のロッド嵌合部77が2つ以上嵌合可能な長さ寸法にしている。このようにすると、2つ以上のフェンス部材73のロッド嵌合部77を1つのロッド71に対して取り付けることができるので、ボード状部材65に形成する孔69の間隔を短くしなくても、連続したフェンスを構成することが可能になる。このようなフェンス部材73を用いると、プレイ・フィールド5上に形成する障害構造物のバリエーションが大幅に増加する。特に、この例のようにバー75の両端にロッド嵌合部77を備えたフェンス部材73は、ロッド71を抜かずに設置及び位置変更が可能であるので、ロッド71を抜き差しする作業が少なくなるだけでなく、ロッド71が挿入されるボード状部材65の孔が損傷を受ける機会が少なくなる。
ボード状部材65に形成する複数の孔69は、規則性を持って形成されていてもよい。例えば、等間隔で孔69が形成される場合には、フェンス部材73は、バー75の長さが等しい1種類のフェンス部材でもよい。しかしこのような場合であってもバー75の長さが異なる複数種類のフェンス部材を用意してもよいのは勿論である。
またプレイ・フィールドは、複数枚の多角形シートを並べて構成することもできる。図6(A)及び(B)は、正六角形の多角形シート79を並べて形成したプレイ・フィールドの一例を示している。図6(A)の例では、多角形シート79の表面に得点を表示してある。このような多角形シート79を用いる場合には、シューティング装置3により、移動玩具1に外力を与えて、移動玩具1が載った多角形シート79の得点を加減算し、獲得点数で勝敗を決めることができる。また図6(B)の例では、多角形シート79の表面に、各種のゲーム条件が記載されている。このような多角形シート79を用いる場合には、移動玩具1が載った多角形シート79に記載されているゲームの条件に従って、プレイを続行する。複数枚の多角形シートの材質は任意である。しかしこのシートの厚みが厚過ぎると、移動玩具1の進行の障害になるため、できるだけ厚みは薄いことが望まれる。この例では、図6(C)に示すように、合成樹脂シートの裏面に滑り止め部81を形成している。この滑り止め部81は、硬化した後も粘着性を示す粘着材(例えば、天然ゴム系、ポリウレタン系、ポリサルファイト系、変成シリコン系、ブチルゴム系等の粘着材)を合成樹脂シートの裏面に印刷して形成されている。このように印刷により、滑り止め部を形成すると、滑り止め部の厚みを極力薄くすることができる。
次に、玩具本体7に取り付ける台車について説明する。本発明では、複数種類の台車を交換して取り付けることができるようにするために、複数種類の台車及び玩具本体の台車取付部を、複数種類の台車の何れをも台車取付部に手作業で取り付けることができ、しかも複数種類の台車の何れをも台車取付部から手作業で取り外すことができるようにそれぞれ構成している。具体的には、共通形状の台車取付部17,19,21に取り付けることができるように各台車9,11,13,15が構成されている。図7(A)及び(B)は、図1に示したノーマルタイプの台車9とカーブタイプの台車13の底面側から見た概略斜視図である。これら4つのタイプの台車9,11,13,15は、基本的には類似した構成を備えている。
各タイプの台車の台車本体と転動体との関係を、図8〜図11を用いて簡単に説明する。まず図8(A)及び(B)は、後述するように、転動体として1つの球体Bを用いたノーマルタイプの台車9の底面図の概略を示している。図8(A)の例では、球体Bが台車本体CBの外壁面の中心に配置され、図8(B)の例では球体Bが台車本体CBの外壁面の中心から偏心した位置に配置されている。図9(A)及び(B)は、転動体として1つの円筒状のローラRを用いたストレートタイプの台車11の底面図をそれぞれ示している。図9(A)及び(B)の例では、共にローラRが台車本体CBの中心に配置されているが、また図9(A)及び(B)の例では、ローラRの回転軸の軸線と台車本体CBの位置関係が90°異なっている。図10は、グリップタイプの台車15の底面図を示している。この台車では、転動体として球体Bを用いており、台車本体CBの底壁部の底面には、グリップ機能を発揮する抵抗発生部Gが固定されている。この台車では、抵抗発生部Gの存在により、台車にはブレーキがかかる。また図11は、カーブタイプの台車13の底面図を示している。この台車では、2つの転動体を用いており、1つの転動体は球体Bであり、もう一つの転動体は回転軸を持った幅の狭いローラ(車輪)Rである。そしてこの例では、ローラRが、回転軸の中心を通り、回転軸と直交する垂線を中心にして所定の角度範囲内で回動し得るように回動自在に支持されている。したがってこの台車では、ローラRの角度を任意に定めることにより、台車をカーブさせて移動させることができる。なおこれらのタイプの台車の具体例については、後に説明するが、最初に図7(A)に示したノーマルタイプの台車9を標準的な台車として以下に台車の概略を説明する。なお図7(A)及び(B)は、説明のための概略図であって、細部は省略してある。
まず図7(A)に示した標準的なノーマルタイプの台車9は、箱状の台車本体91と、台車本体91内に回転可能に一部が収納され且つ残部が台車本体の底壁部93に形成された開口部95から底壁部の外壁面を越えて露出する1以上の転動体としての1つの球体97とを有している。後に説明するように、台車本体91は、二つ割りの第1及び第2の台車本体半部99及び101を組み合わせて構成されている。台車本体91は、先に説明した図3(A)〜(C)に示す玩具本体7の台車取付部17,19,21に台車本体収納用凹部18,20,22に嵌合されて取り付けられる。台車本体収納用凹部18,20,22は、玩具本体7の台車取付部17,19,21の底面側に開口し、台車本体91の底壁部93の外壁面を露出させるようにして台車本体91の本体部分を収納する。
図12(A)〜(E)は、ノーマルタイプの台車9の詳細を示す平面図、正面図、底面図、右側面図及び図12(B)のE−E線断面図であり、図13(A)〜(E)は、第1の台車本体半部99の平面図、正面図、背面図、底面図及び図13(B)のE−E線断面図であり、図14(A)〜(E)は、第2の台車本体半部101の平面図、正面図、背面図、底面図及び図14(B)のE−E線断面図である。また図15は、ノーマルタイプの台車9と玩具本体7の係合構造を説明するために用いる概略断面図である。特に図12に示すように、台車9は、台車本体91の外形形状を、台車本体91の底壁部の中心C(寸法上の中心)を通り且つ外壁面94と直交するとともに互いに直交する関係にある第1及び第2の仮想垂直面PVS1及びPVS2に対してそれぞれ面対称になるようにする。これに応じて、図3に示した台車本体収納用凹部18,20,22も、台車本体91が台車本体収納用凹部18,20,22に嵌合されている一つの状態を基準にして、底壁部93の中心を通る中心線即ち仮想垂線CLを中心にして台車本体91を所定の角度回転させた状態においても、台車本体91を収納し得るように対称的な形状になっている。図3(A)及び(B)に示した例では、この所定の回転角度は、180°であり、台車9をその前後方向を変えて玩具本体7に取り付けることが可能になる。また図3(C)の例では、この所定の角度が90°,180°または270°となり、台車9を90°ずつ回転した状態で玩具本体7に取り付けることができる。このような構成を採用すると、台車9に付いている転動体と玩具本体7との相対的な位置関係を変えることができるので、台車9を交換せずに、1つの台車9の取付状態を変えることによっても、移動玩具1の動作態様(移動の軌跡)を変えることができる。
プレイ中に台車本体91が玩具本体7から外れないようにするためには、ある程度しっかりと台車本体91と玩具本体7とを結合させておく必要がある。しかしあまり結合が強固になると、台車9の交換作業が面倒になる。そこでこの例では、両者の結合に、解除可能な係合構造を用いている。具体的には、後に詳しく説明するように、台車9には2つの係合部103及び105を設け、玩具本体7には台車取付部に2つの係合部103及び105と係合する1以上の被係合部107及び109(図15参照)を設けている。これら係合部103及び105及び被係合部107及び109は、台車本体91が例えば1つの台車本体収納用凹部18に完全に嵌合された状態で、係合解除可能な係合状態になるように構成されている。
図12に示すように、台車9の台車本体91に設けられた一対の係合部103及び105は、第1の仮想垂直面PSV1が中心を通り且つ第2の仮想垂直面PSV2に対して面対称になるように設けられている。また図15に示すように、台車本体収納用凹部18を囲む壁部には、一対の係合部103及び105と係合する一対の被係合部107及び109を形成する。このようにすれば、一対の係合部及び一対の被係合部107及び109が、それぞれ対称的な位置関係で配置されている。一対の係合部103及び105は、台車本体91を構成する複数の側壁部のうち第1の仮想垂直面PVS1が直交する一対の側壁部111及び113に形成された一対の貫通孔115及び117に主要部が位置するように一対の側壁部111及び113と一体に形成されている。一対の側壁部111及び113の内壁部には、球体97の移動を規制する壁部113a及び113bが一体に設けられている。そして一対の係合部103及び105は、それぞれ一端が対応する貫通孔115及び117の縁部に結合されており、他端が対応する貫通孔115及び117内に拘束されていない状態で配置された可撓性を有するアーム部104及び106と、アーム部104及び106の他端に一体に形成されて外側に向かって突出する可動側突出部108及び110とから構成される。
図15に概略的に拡大して示すように、可動側突出部108及び110が有する、アーム部104及び106が延びる方向の両側に位置する一対の側面(108a及び108b並びに110a及び110b)は、外側に向かうに従って互いに近づくように傾斜する第1及び第2の傾斜面108a及び108b並びに110a及び110bである。また台車本体収納用凹部18を囲む壁部に形成された一対の被係合部107及び109は、台車本体収納用凹部18の内側に向かって突出する一対の固定側突出部107a及び109aにより構成される。そしてこの固定側突出部107a及び109aが有する、台車本体91が台車本体収納用凹部18に挿入されるときの挿入方向の両側に位置する一対の側面を、内側に向かうに従って互いに近づくように傾斜する第3及び第4の傾斜面107b及び107c並びに109b及び109cとする。第3の傾斜面107b及び109bは、台車本体91を台車本体収納用凹部18に挿入する過程で、対応する係合部103及び105の可動側突出部108及び110に形成された第1及び第2の傾斜面のうち台車本体の底壁部とは反対側に位置する第1の傾斜面108a及び110aと接触しながらアーム部104及び106を内側に撓ませるように形成されている。また第4の傾斜面107c及び109cは、可動側突出部108及び110が固定側突出部107a及び109aを乗り越えた状態で第2の傾斜面108b及び110bと接触し、この状態から台車本体91に挿入方向とは反対側に向かう引抜き力が加わると、第2の傾斜面108b及び110bと接触しながらアーム部104及び106を内側に撓ませるように形成されている。このような構成を採用すれば、一対の係合部103及び105を台車本体91に簡単に形成できる上、一対の被係合部107及び109も台車本体収納用凹部18を囲む壁部に簡単に形成できる。また台車本体91を台車本体収納用凹部18に挿入する動作だけで、一対の係合部103及び105と一対の被係合部107及び109との係合が完了し、またある程度大きな力で台車本体91を引き抜くことにより、一対の係合部103及び105と一対の被係合部107及び109との係合が解除される。
また図12から図15に示すように、この例では、台車本体91の底壁部93には、第1の仮想垂直面PVS1が中心を通る位置に外側に向かって突出する一対の突起部119及び121が一体に形成されている。この一対の突起部119及び121の形状及び寸法は、台車本体91が台車本体収納用凹部18に嵌合された状態で、人間の爪または専用工具が引っ掛かる形状及び寸法にする。このような一対の突起部119及び121を設ければ、プレイヤが二本の指の爪で一対の突起部119及び121を強く引っ張ることにより、一対の係合部103及び105と一対の被係合部107及び109との係合を解除することができる。また専用工具を、図15に点線で示すような状態で、突起部119または121と台車本体収納用凹部18の開口部との間の隙間gから挿入し、突起部119または121に工具を引っ掛けて一対の係合部103及び105と一対の被係合部107及び109との係合を解除してもよい。専用工具は、細長くて先端の厚み及び幅が、隙間gに挿入可能なものであれば、その形状は問わない。また小型のマイナスドライバを専用工具として用いることもできる。
また台車本体91の底壁部93の外壁面94には、移動玩具1がプレイ・フィールド5(図2)上に置かれている状態で、底壁部93が水平状態になっているときには、プレイ・フィールド5の表面とは接触しないが、底壁部93が水平状態から前後方向に(第2の仮想垂直面PVS2が延びる両方向に)傾いた傾斜状態になると、プレイ・フィールド5の表面と接触して、底壁部93がプレイ・フィールド5の表面と接触するのを阻止するスペーサ手段を設けるのが好ましい。この例では、図7(A)及び図12に示すように、4個の突起96を、底壁部93の外壁面94の四隅に設けている。なお突起の数は、この例に限定されるものではなく、球体97が露出する開口部95を囲む少なくとも3箇所の位置に少なくとも3個の突起96を設ければよい。この場合、少なくとも3個の突起は、移動玩具1がプレイ・フィールド5上に置かれている状態で、底壁部93が水平状態になっているときには、プレイ・フィールド5の表面とは接触しないが、底壁部93が水平状態から傾いた傾斜状態になると、プレイ・フィールド5の表面と接触して、底壁部93がプレイ・フィールド5の表面と接触するのを阻止するように、その突出寸法及び設置位置を定めればよい。
この例のように、一対の係合部103及び105を備えた台車本体91を製造する場合に、台車本体91を、第2の仮想垂直面PVS2に沿って分割面が形成されるように構成された二つ割りの第1及び第2の台車本体半部99及び101を組み合わせて構成するようにすると、それぞれ係合部103及び105を備えた第1及び第2の台車本体半部を一体成形により形成することが可能になり、台車本体91の製造コストを下げることができるだけでなく、台車本体91に球体97を装着する際の組み立て作業も非常に容易になる。
図16(A)〜(E)は、前述のストレートタイプの台車のうち、ローラの位置が偏心した台車の平面図、正面図、底面図、右側面図及び図16(B)のE−E線断面図であり、図17(A)〜(E)は、第1の台車本体半部299の平面図、正面図、背面図、底面図及び図17(B)のE−E線断面図であり、図18(A)〜(E)は、第2の台車本体半部301の平面図、正面図、背面図、底面図及び図18(C)のE−E線断面図である。これらの図においては、図12〜図14に示したノーマルタイプの台車の構成と同様の部分に、図12〜図15に付した符号の数に200を加えた数を符号として付して、説明を省略する。図12〜図14に示したノーマルタイプの台車と比較して、この台車は、転動体として、回転軸298を中心にして回転する1つのローラ297を用いている点と、ローラ297の回転軸298の軸線が第1の仮想垂直面PVS1内に存在せずに、偏心している点である。そしてこの回転軸298の軸線は、第1の仮想垂直面PVS1と平行に延びている。ローラ297の回転軸298の両端は、台車本体291の対向する一対の側壁部311及び313の内壁部に設けた筒状の軸受部312及び314に回転自在に支持されている。その他の点は、図12〜図14に示したノーマルタイプの台車9の構造と実質的に同じである。この台車も、台車本体291が、第2の仮想垂直面PVS2に沿って分割面が形成されるように構成された二つ割りの第1及び第2の台車本体半部299及び301を組を合わせて構成されている。したがって、回転軸298の両端部を第1及び第2の台車本体半部299及び301を組み合わせるときに、一対の側壁部311及び313に設けた一対の軸受部312及び314に嵌合させることができる。したがって台車本体291の組み立て時に一緒にローラの取り付けを完了することができる。
なお図12〜図14に示した台車と同様に、転動体としてローラ297を用いる場合でも、回転軸298の軸線が第1の仮想垂直面PVS1内に位置するようにローラ297の位置を定めると、最も直線性が良くなる。また転動体としてローラ297を用いる場合には、ローラ297の外周に、ローラ297を形成する材料よりも摩擦抵抗の大きな材料により形成されたリング状の1以上のベルトを嵌合させてもよい。このようにするとローラの空回りを防いで、しかも移動玩具の移動動作の直線性を強めることができる。特に、2本のベルトを軸線方向に間隔を開けてローラ297に嵌めると、より安定性が増す。またこの例では、4つの突起296をスペーサ手段として用いているが、この台車の場合には、ローラ297が配置されている底壁部293の領域とは反対側に位置する前方領域に少なくとも1つの突起296をスペーサとして設ければよい。安定性を考慮すると、2つの突起296を前方領域に配置すればよい。
図19(A)〜(D)は、前述のグリップタイプの台車の一例の平面図、正面図、底面図及び左側面図であり、図20(A)〜(E)は、第1の台車本体半部399の平面図、正面図、背面図、底面図及び図20(B)のE−E線断面図であり、図21(A)〜(E)は、第2の台車本体半部401の平面図、正面図、背面図、底面図及び図21(B)のE−E線断面図である。これらの図においては、図12〜図14に示したノーマルタイプの台車9の構成と同様の部分に、図12〜図14に付した符号の数に300を加えた数を符号として付して、説明を省略する。図12〜図14に示したノーマルタイプの台車9と比較して、この台車では、転動体としての球体397の中心を第1の仮想垂直面PVS1から第2の仮想垂直面PVS2に沿って一方の方向に変位させており、また台車本体391の底壁部393に、抵抗発生部を構成するグリッパ300を、第2の仮想垂直面PVS2に沿って、球体397と並ぶように固定している点で相違する。底壁部393に固定されるグリッパ300の形状は、図22に示すとおりである。底壁部393の外壁面394から突出するグリッパ300は、移動玩具がプレイ・フィールド上に置かれている状態で、底壁部393が水平状態になっているときには、プレイ・フィールドの表面とは接触しないが、底壁部393が水平状態からグリッパが存在する側に傾いた傾斜状態になると、プレイ・フィールドの表面と接触して、底壁部393がプレイ・フィールドの表面と接触するのを阻止すると共に積極的に摩擦抵抗を発生させる。このグリッパ300は、前述のスペーサ手段と兼用されるものであっても、またスペーサ手段と併用されるものであってもよい。スペーサ手段と併用される場合には、スペーサ手段よりも外側に抵抗発生部を設けるのが好ましい。
グリッパ300は、摩擦抵抗の大きな材料(ゴム等)で形成されるため、台車本体391とは別部品として製造されることになる。この例では、別部品としての抵抗発生部(グリッパ300)を用いる場合でも、二つ割りの第1及び第2の台車本体半部399及び401で台車本体391を構成しているので、第1及び第2の台車本体半部399及び401を組み合わせた状態で、第1及び第2の台車本体半部399及び401間にグリッパ300を挟持することにより、グリッパ300を底壁部393に固定している。そこでこの例では、図20(D)及び図21(D)に示すように、第1及び第2の台車本体半部399及び401の底壁構成半部に、第1及び第2の台車本体半部399及び401が組み合わされたときに、グリッパ300の周囲に形成された環状の溝303aに縁部が嵌合される孔部400a及び400bがそれぞれ形成されている。このようにすればグリッパ300を接着剤を用いることなく、台車本体391の底壁部393にしっかりと固定することができる。
図23(A)〜(C)は、前述の図7(B)に示すようなカーブタイプの台車の一例の平面図、正面図及び底面図、図24(A)〜(F)は、第1の台車本体半部599の平面図、正面図、背面図、底面図、図24(B)のE−E線断面図及び図24(B)のF−F線断面図であり、図25(A)〜(F)は、第2の台車本体半部601の平面図、正面図、背面図、底面図、図25(C)のE−E線断面図及び図25(C)のF−F線断面図である。これらの図においては、図16〜図18に示したストレートタイプの台車の構成と同様の部分に、図16〜図18に付した符号の数に300を加えた数を符号として付して、説明を省略する。図16〜図18に示したストレートタイプの台車と比較して、この台車では、第1及び第2の転動体即ち第1及び第2のローラを用いる。第1のローラ597の第1の回転軸598は、台車本体591の対向する一対の側壁部599及び601に回転自在に支持されている。そして第2のローラ600の第2の回転軸700は、第2の回転軸700の軸線と直交し且つ第2の回転軸700の中央部を通る仮想垂線PL1を中心にして所定の角度範囲内で第2の回転軸が回動するように第2の回転軸700を支持する回転軸回動支持機構701に支持されている。図23の状態では、構造を明瞭に示すことができないため、図26及び図27に回転軸回動支持機構701の構成を概略的に示す。図27に示すように、第2のローラ600には、外周部に径方向外側に向かって開口する環状の溝600aが形成されており、この溝600aにはゴム材料のように摩擦抵抗の大きな材料からなる滑り止めリング606が嵌合されている。
回転軸回動支持機構701は、第2の回転軸700の中央部を通る仮想垂線PL1上に回転中心を有し且つ中央部に第2のローラが入る貫通孔703を備えた円板705と、仮想垂線PL1と直交する1つの仮想直交線PL2に沿い且つ貫通孔703が間に位置するように円板705に設けられて第2の回転軸700の両端部を回転自在に支持する一対の軸受部707及び709と、円板705を回転中心を中心にして回動し得るように台車本体591の底壁部593に対して所定の角度範囲内で回動自在に支持する円板支持構造部711とを備えている。
この台車本体591も、第2の仮想垂直面PVS2に沿って分割面が形成されるように構成された二つ割りの第1及び第2の台車本体半部599及び601が組み合わせて構成される。第1及び第2の台車本体半部599及び601には、底壁部593と平行に延びて、第1及び第2の台車本体半部599及び601が組み合わされた状態で、底壁部593との間に円板705が抜け出さず且つ円板705を回転自在に受け入れる円板受入溝712を形成する第1及び第2の横壁部713及び715をそれぞれ設けている。このようにすれば第1及び第2の台車本体半部599及び601を組み合わせるときに、第2の回転軸700が支持された円板705を円板受入溝712に入れるだけで、第2のローラの取り付けを完了することができる。なおこの例では、第1のローラ597の外周部にも、ゴム等の摩擦抵抗の大きな2本のリング608が嵌合されている(図23)。
またこの例では、図26に示すように、円板705に突起717が一体に設けられている。この突起717は、第1の横壁部713の側面と第2の横壁部715の側面との間に形成された空間S内を移動して、横壁部713及び715と当たることにより、円板705の回動範囲を規制している。なお底壁部593に円弧状の貫通溝を形成し、この突起717の延長部をこの貫通溝から突出させる構成を採用すると、この延長部を操作摘みとして、台車本体591の外側から円板705を簡単に回動させることができる。このようにすれば操作摘みの位置を変えることによって、進行方向を簡単に決定することができる。なおこのような操作摘みを設けなくても、第2のローラ600を指で摘んで動かすことによっても進行方向を決定することができるのは勿論である。またこの台車においても前述のスペーサ手段を用いるのが好ましい。この例では、第2のローラ600の外側にスペーサ手段を構成する2つの突起596を設けている。
図28(A)〜(E)は、上記各実施の形態の台車として選択可能なカーブタイプの台車1109の一例を示す図である。これらの図に示すように、台車本体1191の底壁部1193には、第1の仮想垂直面PVS1が中心を通る位置に外側に向かって突出する一対の突起部1119及び1121を一体に形成してある。この一対の突起部1119及び1121の形状及び寸法は、台車本体1191が台車本体収納用凹部18(図3)に嵌合された状態で、人間の爪または専用工具が引っ掛かる形状及び寸法にする。このような一対の突起部1119及び1121を設ければ、プレイヤが二本の指の爪で一対の突起部1119及び1121を強く引っ張ることにより、一対の係合部1103及び1105と凹部18内に設けられた一対の被係合部との係合を解除することができる。
また台車本体1191の底壁部1193の外壁面1194には、移動玩具がプレイ・フィールド上に置かれている状態で、底壁部1193が水平状態になっているときには、プレイ・フィールドの表面とは接触しないが、底壁部1193が水平状態から前後方向に(第2の仮想垂直面PVS2が延びる両方向に)傾いた傾斜状態になると、プレイ・フィールドの表面と接触して、底壁部1193がプレイ・フィールドの表面と接触するのを阻止するスペーサ手段を設けてもよい。
この台車を用いる場合には、図3(A)及び(B)に破線で示すように、3個または4個の半球状の突起Sを玩具本体7の底面BSの四隅にスペーサ手段として設けることができる。この場合、少なくとも3個の突起は、移動玩具がプレイ・フィールド上に置かれている状態で、底面BSが水平状態になっているときには、プレイ・フィールドの表面とは接触しないが、底面BSが水平状態から傾いた傾斜状態になると、プレイ・フィールドの表面と接触して、底面BSがプレイ・フィールドの表面と接触するのを阻止するように、その突出寸法及び設置位置を定めればよい。
この例のように、一対の係合部1103及び1105を備えた台車本体1191を製造する場合には、台車本体1191を、第2の仮想垂直面PVS2に沿って分割面が形成されるように構成された二つ割りの第1及び第2の台車本体半部1199及び1201を組み合わせて構成するようにする。このようにすると、それぞれ係合部1103及び1105を備えた第1及び第2の台車本体半部を一体成形により形成することが可能になり、台車本体1191の製造コストを下げることができるだけでなく、台車本体1191に転動体としてのローラ1197を装着する際の組み立て作業も非常に容易になる。このローラ1197は、回転軸1198を中心にして回転する。ローラ1197の回転軸1198の軸線は第1の仮想垂直面PVS1内に存在せずに偏心しており、回転軸1198の軸線は、第1の仮想垂直面PVS1と平行に延びている。ローラ1197の回転軸1198の両端は、台車本体1191の対向する一対の側壁部1211及び1213の内壁部に設けた筒状の軸受部1212及び1214に回転自在に支持されている。第1及び第2の台車本体半部1199及び1201を組み合わせるときに、回転軸1198の両端部を一対の側壁部1211及び1213に設けた一対の軸受部1212及び1214に嵌合させることができる。したがって台車本体1191の組み立て時に一緒にローラ1197の取り付けを完了することができる。
転動体を構成するローラ1197は、台車本体1191内に回転可能に一部が収納され且つ残部が台車本体1191の底壁部1193に形成された開口部1195から底壁部1193の外壁面1194を越えて露出している。ローラ1197は、円柱状本体1197aとこの円柱状本体1197aの外周部から径方向外側に突出して外周部の周方向に沿って連続的に延びる環状の凸部1197bとを備えている。この環状の凸部1197bは、円柱状本体1197aと同心的に一体に形成されており、円柱状本体1197aの一方の端部近傍に配置されている。その結果、このローラ1197は環状の凸部1197bとこの凸部1197bが形成されたローラ1197の端部とは反対側に位置するローラ1197の端部1197cとが、プレイ・フィールド上を転がることになる。凸部1197bと端部1197cの径寸法の相違から回転軸1198は傾斜状態となり、移動玩具はこの傾斜に応じた曲率半径で安定してカーブする。なお環状の凸部1197bの位置は、この例に限定されるものではなく、ローラ1197のどの位置にあってもよい。環状の凸部1197bがローラ1197の端部1197cに近づくほど、カーブの曲率半径は小さくなる。なお凸部1197bは、不連続に形成されていてもよい。凸部が不連続に形成される場合には、上下に揺れながら移動玩具はカーブしていくことになる。
図29(A)〜(E)は、一方向(正方向)には進むが、それとは反対の方向(逆方向)には進まないようにして、正面からの攻撃に対して強い移動台車を作ることを可能にする台車1209の平面図、側面図、底面図、正面図及び図29(A)のE−E線断面図である。また図30(A)〜(D)は、図29(E)のA−A線断面図、B−B線断面図、C−C線断面図及びD−D線断面図である。なお図29及び図30には、図28に示した台車1109を構成する部材または部分と同様の部材または部分に対して図28に付した符号に100の数を加えた数の符号を付して詳細な説明を省略する。この台車1209と図28に示された台車1109とは、この台車1209はローラ1297に環状の凸部が形成されていない点と、この台車1209は回転方向規制機構を備えている点と、台車1209の取付方向を一方向に規制する手段が設けられている点が相違する。その他の点は図28に示された台車1109の構造と、この台車1209の構造とが変わるところはない。そこで相違点について説明する。
回転方向規制機構とは、少なくとも1つの転動体を構成するローラ1297を一方向にのみ回転するように規制する構造を有するものである。回転方向規制機構の構造は任意である。この台車1209では、ローラ1297の回転軸1298に固定され外周部に周方向に並ぶ複数の爪部1401を有するラチェット・ホイール1403と、一端に台車本体半部1299の一対の側壁部1311及び1313の内壁部に設けた円柱状の突出部1316及び1318に回動自在に固定された筒体1404を有し且つ他端に複数の爪部1401と係合する係合部1405を有する逆回転阻止爪部材1407とから構成されるラチェット構造を採用している。逆回転阻止爪部材1407の回動中心となる筒体1404は、ラチェット・ホイール1403の回動中心となる回転軸1298の斜め上方に位置している。また複数の爪部1401の形状及び逆回転阻止爪部材1407の形状は、ラチェット・ホイール1403が正方向(前方に向かう一方向)に回転しようとするときには逆回転阻止爪部材1407の係合部1405が複数の爪部1401を乗り越えてラチェット・ホイール1403が正方向に回転することを許容し、ラチェット・ホイール1403が逆方向(後方に向かう他方向)に回転しようとするときには逆回転阻止爪部材1407の係合部1405が爪部1401と係合してラチェット・ホイール1403の逆回転を阻止するように定められている。
この回転方向規制機構を採用すると、機械的にローラ1297の逆転を確実に阻止できる上、逆回転阻止爪部材1407の係合部1405がラチェット・ホイール1403の爪部1401を乗り越えて次の爪部1401に当たるたびに打撃音が発生する。この打撃音は、移動玩具が進行していることを印象付ける効果音となる。
この台車1209を用いる場合に、もし玩具本体の台車取付部への取付方向を誤ると、移動台車が進行しなくなる。そこでこの例では、台車本体1291に、ラチェット・ホイール1403と逆回転阻止爪部材1407とが並ぶ方向に台車本体1291から突出して、台車1209が台車取付部に取り付けられた状態で台車本体1291の底壁部に沿って延びる突出片1292を設けている。このようにすると、突出片1292が延びる方向を見て台車1209の進行可能方向または進行不可能方向を判断することができる。またこの例では、ラチェット・ホイール1403、逆回転阻止爪部材1407及び突出片1292を、ラチェット・ホイール1403、逆回転阻止爪部材1407及び突出片1292の順に列をなすように並べており、更に突出片1292の長さを、台車1209が台車取付部に取り付けられた状態で突出片1292が台車本体1291の底壁部の外縁を越えて外側に延び出る長さにしている。その結果、プレイ中に突出片1292の位置を視覚により容易に確認できる。また、ラチェット・ホイール1403を逆回転方向に回転させようとする力が外部から玩具本体に加わった際に、移動玩具がプレイ・フィールド上で転倒し易くなる。しかしながら前述のように突出片1292の長さを定めると、突出片1292が転倒防止用のストッパとして機能するため、移動玩具がプレイ・フィールド上で転倒しにくくなる。
上記に説明した各種の台車は、本発明で用いることができる台車の例にすぎないものであり、本発明において、上記に説明した台車以外のその他の種々の動きをする台車を用いることができるのは勿論である。
産業上の利用可能性
本発明によれば、異なった動きをする複数種類の台車から選んだ台車を玩具本体と組み合わせることにより、状況または戦略に応じて、移動玩具に任意の動きをさせることができる。そのため本発明によれば、ゲームの進行または展開のバリエーションを多くすることができて、プレイヤの興味を高めることができるシューティング・ゲーム装置を提供できる。
またシューティング装置により外力を移動玩具に加えると、発射時のシューティング装置と移動玩具との位置関係により、移動玩具の動きが変わる。そのためゲームの進行には、シューティング装置と移動玩具との位置関係も重要な要素となり、この点においてもプレイヤの興味を高めることできる利点がある。
また本発明の移動玩具で用いる台車及び台車取付部は、手作業で台車を台車取付部に取り付けることができ且つ手作業で台車を台車取付部から取り外すことができるようにそれぞれ構成されているので、ゲームの進行中において、台車の交換に必要な時間を短くすることができて、スピーディにゲームを進行することができる。
台車本体を台車本体収納用凹部に係合解除可能な係合構造を介して係合すれば、台車の交換が簡単になる。特に、1以上の係合部及び1以上の被係合部を、台車と玩具本体とを相対的に近づける手作業のみで台車を台車取付部に取り付けることができるように構成すれば、台車の取付作業を最も速く行うことができる。
更に台車本体の外形を対称的な形状にすれば、1台の台車の取付状態を変えることにより、1台の台車でも異なった動きを得ることができる。
また台車本体の底壁部または玩具本体の底面にスペーサ手段を設けると、移動玩具に外力を加える角度や移動玩具の速度の低下に起因して、台車が傾いたとしても、底壁部がプレイ・フィールドと接触することがないので、予定通りの移動態様で移動玩具を移動させることが可能になる利点がある。
更に、台車本体を二つ割りの第1及び第2の台車本体半部を用いて構成すると、それぞれ係合部を備えた第1及び第2の台車本体半部を一体成形により形成することが可能になり、台車本体の製造コストを下げることができるだけでなく、台車本体に転動体を装着する際の組み立て作業も非常に容易になる利点がある。
台車に用いる転動体として、1つの球体を用いると、シューティング装置から移動玩具に与える外力の角度に応じて移動玩具の動作態様として様々なものを得ることができる。
また球体を用いる場合に、台車本体の中心を通る仮想垂線が球体の中心を実質的に通らないように球体を配置すると、台車本体が傾き易くなるので、移動玩具の移動態様は、更に異なったものとなり、プレイヤの興味を高めることできる。
転動体として1つのローラを用いると、直線性のよい台車をえることができる。
また転動体の他に、台車本体の底壁部に抵抗発生部を取り付けるだけで、回転しながら進行する動作態様の台車を得ることができる。
更に第1及び第2のローラを用いて、その一方をその回転軸の中心を通る仮想垂線を中心にして回動し得るように構成すると、その一方のローラの回動範囲を換えることによって、カーブの程度を換えることができる台車を得ることができる。
また転動体を円柱状本体の外周部に周方向に沿って連続的にまたは不連続に延びる凸部を備えた構造にすると、凸部の寸法及び位置を変えることにより任意のカーブを描かせることができる。
少なくとも1つの転動体を一方向にのみ回転するように規制する回転方向規制機構を設けると、一方向(正方向)には進むが、それとは反対の方向(逆方向)には進まないようにして、正面からの攻撃に対して強い移動玩具を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明のシューティング・ゲーム装置の概念を説明するための図である。
図2は、プレイ・フィールド上に移動玩具と障害物としてフェンス部材を配置した状態を示す斜視図である。
図3(A)〜(C)は、それぞれ移動玩具の内部に構成されている台車取付部の状態を概略的に示す玩具本体の底面図である。
図4(A)及び(B)は、それぞれピストン保持ケースの内部に構成された構造の一例を示す概略拡大断面図である。
図5(A)及び(B)は、それぞれシューティング装置のオプションを説明するために用いるシューティング装置及び付属部品の斜視図である。
図6(A)及び(B)は、それぞれ正六角形の多角形シートを並べて形成したプレイ・フィールドの一例を示す図であり、(C)は合成樹脂シートの拡大側面図である。
図7(A)及び(B)は、図1に示したノーマルタイプの台車とカーブタイプの台車の底面側から見た概略斜視図である。
図8(A)及び(B)は、転動体として1つの球体を用いたノーマルタイプの台車の底面図である。
図9(A)及び(B)は、転動体として1つの円筒状のローラを用いたストレートタイプの台車の底面図である。
図10は、グリップタイプの台車の底面図である。
図11は、カーブタイプの台車の底面図である。
図12(A)〜(E)は、ノーマルタイプの台車の詳細を示す平面図、正面図、底面図、右側面図及び図12(B)のE−E線断面図である。
図13(A)〜(E)は、図12の第1の台車本体半部の平面図、正面図、背面図、底面図及び図13(B)のE−E線断面図である。
図14(A)〜(E)は、図12の第2の台車本体半部の平面図、正面図、背面図、底面図及び図14(B)のE−E線断面図である。
図15は、台車本体と台車本体収納用凹部との関係を示す断面図である。
図16(A)〜(E)は、ストレートタイプの台車のうち、ローラの位置が偏心した台車の平面図、正面図、底面図、右側面図及び図16(B)のE−E線断面図である。
図17(A)〜(E)は、図16に示された第1の台車本体半部の平面図、正面図、背面図、底面図及び図17(B)のE−E線断面図である。
図18(A)〜(E)は、図16に示した第2の台車本体半部の平面図、正面図、背面図、底面図及び図18(C)のE−E線断面図である。
図19(A)〜(D)は、グリップタイプの台車の一例の平面図、正面図、底面図及び左側面図である。
図20(A)〜(E)は、図19に示された第1の台車本体半部の平面図、正面図、背面図、底面図及び図20(B)のE−E線断面図である。
図21(A)〜(E)は、図19に示された第2の台車本体半部の平面図、正面図、背面図、底面図及び図21(B)のE−E線断面図である。
図22(A)〜(D)は、グリッパの平面図、図22(A)のB−B線断面図、図22(A)のC−C線断面図及び図22(A)の正面図である。
図23(A)〜(C)は、カーブタイプの台車の一例の平面図、正面図及び底面図である。
図24(A)〜(F)は、図23の第1の台車本体半部の平面図、正面図、背面図、底面図、図24(B)のE−E線断面図及び図24(B)のF−F線断面図である。
図25(A)〜(F)は、図23の第2の台車本体半部の平面図、正面図、背面図、底面図、図25(C)のE−E線断面図及び図25(C)のF−F線断面図である。
図26は、回転軸回動支持機構を説明するために用いる図である。
図27は、回転軸回動支持機構の断面図である。
図28(A)〜(E)は、上記各実施の形態の台車として選択可能なカーブタイプの台車の一例の平面図、側面図、底面図、正面図及び断面図である。
図29(A)〜(E)は、一方向(正方向)には進むが、それとは反対の方向(逆方向)には進まないようにして、正面からの攻撃に対して強い移動台車を作ることを可能にする台車の平面図、側面図、底面図、正面図及び図29(A)のE−E線断面図である。
図30(A)〜(D)は、図29(E)のA−A線断面図、B−B線断面図、C−C線断面図及びD−D線断面図である。
Claims (32)
- シューティング・ゲーム装置に用いる、外力を動力源とする移動玩具であって、
台車と、
前記台車が取り付けられる台車取付部を備えた玩具本体とを具備し、
前記台車及び前記台車取付部は、前記台車を前記台車取付部に取り付けることができ且つ前記台車を前記台車取付部から取り外すことができるようにそれぞれ構成されており、
前記台車は、箱状の台車本体と、前記台車本体内に回転可能に一部が収納され且つ残部が前記台車本体の底壁部に形成された開口部から前記底壁部の外壁面を越えて露出する1以上の転動体とを有しており、
前記玩具本体の前記台車取付部は、前記玩具本体の底面側に開口し、前記台車本体の前記底壁部の前記外壁面を露出させるようにして前記台車本体の本体部分を収納する台車本体収納用凹部を備えており、
前記台車本体は、前記台車本体の前記底壁部の中心を通り且つ前記外壁面と直交するとともに互いに直交する関係にある第1及び第2の仮想垂直面に対してそれぞれ面対称になる外形形状を有しており、
前記台車本体収納用凹部は、前記台車本体が前記台車本体収納用凹部に嵌合されている一つの状態を基準にして、前記底壁部の前記中心を通る仮想垂線を中心にして前記台車本体を所定の角度回転させた状態においても、前記台車本体を収納し得る形状を有しており、
前記1以上の転動体が、回転軸を中心にして回転するローラからなり、
前記回転軸が前記台車本体の対向する一対の側壁部に回転自在に支持されていることを特徴とする外力を動力源とする移動玩具。 - シューティング・ゲーム装置に用いる、外力を動力源とする移動玩具であって、
台車と、
前記台車が取り付けられる台車取付部を備えた玩具本体とを具備し、
前記台車及び前記台車取付部は、前記台車を前記台車取付部に取り付けることができ且つ前記台車を前記台車取付部から取り外すことができるようにそれぞれ構成されており、
前記台車は、箱状の台車本体と、前記台車本体に回転自在に支持された回転軸を有し且つ前記台車本体内に回転可能に一部が収納され且つ残部が前記台車本体の底壁部に形成された開口部から前記底壁部の外壁面を越えて露出する少なくとも1つの転動体と、前記少なくとも1つの転動体を一方向にのみ回転するように規制する回転方向規制機構とを備えていることを特徴とする外力を動力源とする移動玩具。 - 前記所定の角度が180°である請求項1に記載の外力を動力源とする移動玩具。
- 前記所定の角度が、90°,180°または270°である請求項1に記載の外力を動力源とする移動玩具。
- 前記台車は1以上の係合部を備えており、
前記玩具本体は、前記1以上の係合部と係合する1以上の被係合部を前記台車取付部に備えており、
前記1以上の係合部及び前記1以上の被係合部は、前記台車本体が前記台車本体収納用凹部に完全に嵌合された状態で、係合解除可能な係合状態になるようにそれぞれ構成されている請求項1または2に記載の外力を動力源とする移動玩具。 - 前記1以上の係合部及び前記1以上の被係合部は、前記台車と前記玩具本体とを相対的に近づけることのみで前記台車を前記台車取付部に取り付けることができるように構成されている請求項5に記載の外力を動力源とする移動玩具。
- 前記台車の前記台車本体は、一対の前記係合部を有しており、
前記一対の係合部は、前記第1の仮想垂直面が前記一対の係合部のそれぞれの中心を通り且つ前記第2の仮想垂直面に対して面対称になるように設けられており、
前記台車本体収納用凹部を囲む壁部には、前記一対の係合部と係合する一対の被係合部が形成されている請求項5に記載の外力を動力源とする移動玩具。 - 前記一対の係合部は、前記台車本体を構成する複数の側壁部のうち前記第1の仮想垂直面が直交する一対の側壁部に形成された一対の貫通孔内に主要部が位置するように前記一対の側壁部と一体に形成されており、
前記一対の係合部は、それぞれ一端が対応する前記貫通孔の縁部に結合されており、他端が対応する前記貫通孔内に拘束されていない状態で配置された可撓性を有するアーム部と、前記アーム部の他端に一体に形成されて外側に向かって突出する可動側突出部とから構成されており、
前記可動側突出部が有する、前記アーム部が延びる方向の両側に位置する一対の側面は、前記外側に向かうに従って互いに近づくように傾斜する第1及び第2の傾斜面からなり、
前記台車本体収納用凹部を囲む前記壁部に形成された前記一対の被係合部は、前記台車本体収納用凹部の内側に向かって突出する一対の固定側突出部からなり、
前記固定側突出部が有する、前記台車本体が前記台車本体収納用凹部に挿入されるときの挿入方向の両側に位置する一対の側面は、内側に向かうに従って互いに近づくように傾斜する第3及び第4の傾斜面からなり、
前記第3の傾斜面は、前記台車本体を前記台車本体収納用凹部に挿入する過程で、対応する前記係合部の前記突出部に形成された前記第1及び第2の傾斜面のうち前記台車本体の前記底壁部とは反対側に位置する前記第1の傾斜面と接触しながら前記アーム部を内側に撓ませるように形成されており、
前記第4の傾斜面は、前記可動側突出部が前記固定側突出部を乗り越えた状態で前記第2の傾斜面と接触し、この状態から前記台車本体に前記挿入方向とは反対側に向かう引抜き力が加わると、前記第2の傾斜面と接触しながら前記アーム部を前記内側に撓ませるように形成されている請求項7に記載の外力を動力源とする移動玩具。 - 前記台車本体の前記底壁部には、前記第1の仮想垂直面が中心を通る位置に前記外側に向かって突出する一対の突起部が形成されており、
前記一対の突起部は、前記台車本体が前記台車本体収納用凹部に嵌合された状態で、人間の爪または専用工具が引っ掛かる形状及び寸法を有している請求項8に記載の外力を動力源とする移動玩具。 - 前記底壁部の前記外壁面には、前記移動玩具がプレイ・フィールド上に置かれている状態で、前記底壁部が水平状態になっているときには、前記プレイ・フィールドの表面とは接触しないが、前記底壁部が水平状態から傾いた傾斜状態になると、前記プレイ・フィールドの前記表面と接触して、前記底壁部が前記プレイ・フィールドの前記表面と接触するのを阻止するスペーサ手段が設けられている請求項1に記載の外力を動力源とする移動玩具。
- 前記玩具本体の前記底面には、前記移動玩具がプレイ・フィールド上に置かれている状態で、前記底壁部が水平状態になっているときには、前記プレイ・フィールドの表面とは接触しないが、前記底壁部が水平状態から傾いた傾斜状態になると、前記プレイ・フィールドの前記表面と接触して、前記底壁部が前記プレイ・フィールドの前記表面と接触するのを阻止するスペーサ手段が設けられている請求項1に記載の外力を動力源とする移動玩具。
- 前記台車本体は、前記第2の仮想垂直面に沿って分割面が形成されるように構成された二つ割りの第1及び第2の台車本体半部が組み合わされて構成されている請求項1または2に記載の外力を動力源とする移動玩具。
- 前記底壁部の前記外壁面には、前記移動玩具がプレイ・フィールド上に置かれている状態で、前記底壁部が水平状態になっているときには、前記プレイ・フィールドの表面とは接触しないが、前記底壁部が水平状態から傾いた傾斜状態になると、前記プレイ・フィールドの前記表面と接触して、前記底壁部が前記プレイ・フィールドの前記表面と接触するのを阻止すると共に積極的に摩擦抵抗を発生させる抵抗発生部が、前記開口部と並んで設けられている請求項1に記載の外力を動力源とする移動玩具。
- 前記1以上の転動体が、1つの球体からなり、
前記仮想垂線が前記球体の中心を通らないように前記球体が配置されており、
前記球体の前記中心及び前記抵抗発生部の中心が、前記第2の仮想垂直面が延びる方向に並ぶように、前記抵抗発生部が配置されている請求項13に記載の外力を動力源とする移動玩具。 - 前記底壁部には、前記開口部を間に挟んで前記抵抗発生部が設けられている領域とは反対側の領域に、前記移動玩具がプレイ・フィールド上に置かれている状態で、前記底壁部が水平状態になっているときには、前記プレイ・フィールドの表面とは接触しないが、前記底壁部が水平状態から前記反対側の領域が位置する側に傾いた傾斜状態になると、前記プレイ・フィールドの前記表面と接触して、前記底壁部が前記プレイ・フィールドの前記表面と接触するのを阻止するスペーサ手段が一体に設けられている請求項14に記載の外力を動力源とする移動玩具。
- 前記台車本体は、前記第2の仮想垂直面に沿って分割面が形成されるように構成された二つ割りの第1及び第2の台車本体半部が組み合わされて構成されており、
前記第1及び第2の台車本体半部は合成樹脂材料により一体に成形されており、
前記抵抗発生部は、前記合成樹脂材料よりも摩擦抵抗が大きくなる材料により一体に形成され、前記第1及び第2の台車本体半部が組み合わされた状態で、前記第1及び第2の台車本体半部間に挟持され前記底壁部に固定されている請求項15に記載の外力を動力源とする移動玩具。 - 前記台車本体の前記底壁部を除く本体部分は、前記台車本体の前記底壁部の中心を通り且つ前記外壁面と直交するとともに互いに直交する関係にある第1及び第2の仮想垂直面に対してそれぞれ面対称になる外形形状を有し、
前記一対の側壁部は前記第1の仮想垂直面が延びる方向の両側に位置し、
前記一対の側壁部の内壁部には、前記回転軸の両端部がそれぞれ回転自在に嵌合される一対の軸受部が一体に形成され、
前記台車本体は、前記第2の仮想垂直面に沿って分割面が形成されるように構成された二つ割りの第1及び第2の台車本体半部が組み合わされて構成され、
前記回転軸の前記両端部は前記第1及び第2の台車本体半部が組み合わされるときに、前記一対の側壁部に設けられた前記一対の軸受部に嵌合されている請求項1に記載の外力を動力源とする移動玩具。 - 前記回転軸の軸線が前記第1の仮想垂直面内に位置するように前記ローラの位置が定められている請求項17に記載の外力を動力源とする移動玩具。
- 前記回転軸の軸線が、前記第1の仮想垂直面内に位置しないように前記ローラの位置が定められている請求項1に記載の外力を動力源とする移動玩具。
- 前記ローラの外周には、前記ローラを形成する材料よりも摩擦抵抗の大きな材料により形成されたリング状の1以上のベルトが嵌合されている請求項18または19に記載の外力を動力源とする移動玩具。
- 前記底壁部の前記外壁面には、前記移動玩具がプレイ・フィールド上に置かれている状態で、前記底壁部が水平状態になっているときには、前記プレイ・フィールドの表面とは接触しないが、前記底壁部が水平状態から傾いた傾斜状態になると、前記プレイ・フィールドの前記表面と接触して、前記底壁部または前記玩具本体の前記底面が前記プレイ・フィールドの前記表面と接触するのを阻止するスペーサ手段が設けられている請求項18または19に記載の外力を動力源とする移動玩具。
- 前記1以上の転動体は、それぞれ第1及び第2の回転軸を中心にして回転する第1及び第2のローラからなり、
前記第1のローラの前記第1の回転軸は前記台車本体の対向する一対の側壁部に回転自在に支持されており、
前記第2のローラの前記第2の回転軸は、前記第2の回転軸の軸線と直交し且つ前記第2の回転軸の中央部を通る仮想垂線を中心にして所定の角度範囲内で前記第2の回転軸が回動するように前記第2の回転軸を支持する回転軸回動支持機構に支持されている請求項1に記載の外力を動力源とする移動玩具。 - 前記第1及び第2のローラの外周には、前記第1及び第2のローラを形成する材料よりも摩擦抵抗の大きな材料により形成されたリング状の1以上のベルトがそれぞれ嵌合されている請求項22に記載の外力を動力源とする移動玩具。
- 前記回転軸回動支持機構は、前記仮想垂線上に回転中心を有し且つ中央部に前記第2のローラが入る貫通孔を備えた円板と、前記仮想垂線と直交する1つの仮想直交線に沿い且つ前記貫通孔が間に位置するように前記円板に設けられて前記第2の回転軸の両端部を回転自在に支持する一対の軸受部と、前記円板を前記回転中心を中心にして回動し得るように前記底壁部に対して所定の角度範囲内で回動自在に支持する円板支持構造部とを備えている請求項22または23に記載の外力を動力源とする移動玩具。
- 前記台車本体の前記底壁部を除く本体部分は、前記台車本体の前記底壁部の中心を通り且つ前記外壁面と直交するとともに互いに直交する関係にある第1及び第2の仮想垂直面に対してそれぞれ面対称になる外形形状を有し、
前記一対の側壁部は前記第1の仮想垂直面が延びる方向の両側に位置し、
前記一対の側壁部の内壁部には、前記第1の回転軸の両端部がそれぞれ回転自在に嵌合される一対の軸受部が一体に形成され、
前記台車本体は、前記第2の仮想垂直面に沿って分割面が形成されるように構成された二つ割りの第1及び第2の台車本体半部が組み合わされて構成され、
前記第1及び第2の台車本体半部は、前記底壁部と平行に延びて、前記第1及び第2の台車本体半部が組み合わされた状態で、前記底壁部との間に前記円板が抜け出さず且つ前記円板を回転自在に受け入れる円板受入溝を形成する第1及び第2の横壁部を備えており、
前記第1及び第2の台車本体半部が組み合わさるときに、前記第1の回転軸の前記両端部が前記一対の側壁部に設けられた前記一対の軸受部に嵌合され、且つ前記第2の回転軸が支持された前記円板が前記円板受入溝に受け入れられる請求項24に記載の外力を動力源とする移動玩具。 - 前記円板には前記底壁部を越えて延びる操作摘みが設けられており、
前記底壁部に形成された前記第2のローラを露出させる前記開口部の形状は、前記操作摘みを前記回転中心を中心にして所定の角度範囲内で回動させることを許容する形状を有している請求項25に記載の外力を動力源とする移動玩具。 - 前記底壁部の前記外壁面には、前記第2のローラよりも外側に、前記移動玩具がプレイ・フィールド上に置かれている状態で、前記底壁部が水平状態になっているときには、前記プレイ・フィールドの表面とは接触しないが、前記底壁部が水平状態から傾いた傾斜状態になると、前記プレイ・フィールドの前記表面と接触して、前記底壁部が前記プレイ・フィールドの前記表面と接触するのを阻止するスペーサ手段を構成する少なくとも一つの突起が設けられている請求項26に記載の外力を動力源とする移動玩具。
- 前記転動体は、円柱状本体と、前記円柱状本体の外周部から径方向外側に突出して前記外周部の周方向に沿って連続的にまたは不連続に延びる凸部とを備えている請求項2に記載の外力を動力源とする移動玩具。
- 前記凸部は前記円柱状本体と同心的に形成されて前記円柱状本体の一方の端部近傍に配置された環状の凸部である請求項28に記載の外力を動力源とする移動玩具。
- 前記回転方向規制機構は、前記転動体の前記回転軸に固定され外周部に周方向に並ぶ複数の爪部を有するラチェット・ホイールと、
一端が回動自在に固定され他端に前記複数の爪部と係合する係合部を有する逆回転阻止爪部材とを有し、
前記複数の爪部の形状及び前記逆回転阻止爪部材の形状は、前記ラチェット・ホイールが正方向に回転しようとするときには前記逆回転阻止爪部材が前記複数の爪部を乗り越えて前記ラチェット・ホイールが正方向に回転することを許容し、前記ラチェット・ホイールが逆方向に回転しようとするときには前記逆回転阻止爪部材の前記係合部が前記爪部と係合して前記ラチェット・ホイールの逆回転を阻止するように定められている請求項2に記載の外力を動力源とする移動玩具。 - 前記台車本体には、前記ラチェット・ホイールと前記逆回転阻止爪部材とが並ぶ方向に前記台車本体から突出して、前記台車が前記台車取付部に取り付けられた状態で前記台車本体の前記底壁部に沿って延びる突出片が設けられている請求項30に記載の外力を動力源とする移動玩具。
- 前記ラチェット・ホイール、前記逆回転阻止爪部材及び前記突出片は、前記ラチェット・ホイール、前記逆回転阻止爪部材及び前記突出片の順に列をなすように並んでおり、
前記突出片は、前記台車が前記台車取付部に取り付けられた状態で前記底壁部の外縁を越えて外側に延び出る長さを有している請求項31に記載の外力を動力源とする移動玩具。
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